JP2754070B2 - ロープ受けドラムおよびその製造方法 - Google Patents

ロープ受けドラムおよびその製造方法

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JP2754070B2
JP2754070B2 JP2017674A JP1767490A JP2754070B2 JP 2754070 B2 JP2754070 B2 JP 2754070B2 JP 2017674 A JP2017674 A JP 2017674A JP 1767490 A JP1767490 A JP 1767490A JP 2754070 B2 JP2754070 B2 JP 2754070B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ドア板、特に頭上で移動されまた移動方向
に互いに関節でつながれた連続部材からなるドア板の作
動手段または平衡手段におけるロープを受けるためのロ
ープ受けドラムに関し、特にドラムケーシング壁に周方
向に且つドラム軸方向に螺旋状を呈する案内溝が形成さ
れ、同案内溝に鋼製のロープが一層だけ巻き取られるよ
うになっているロープ受けドラムに関する。
案内溝をそなえた従来のロープ受けドラムは、それが
運転される過程で、力と距離との関係の特性を有してお
り、一様な円筒状または円錐状に形成されるか、もしく
は一様な円筒状部分と円錐状部分とが、連続的につなが
り、円錐形状の範囲で直径の連続的な増大をなすように
形状されていて、ばね力の対応が種々に増大するロープ
巻き直径によって補償されるものである。
そのようなドラムは、鋳造部品、特にダイカスト部品
を組み立てて作られたり、その材質として軽金属合金を
用いて作られたりすることが知られている。
ところで、上述のような従来のロープ受けドラムで
は、その製造にあたり、複雑な組み立て工程を要してコ
ストが上昇し、またたとえアルミニウム鋳造で作られて
もその重さはまだかなり重くなるという問題点がある。
本発明は、このような問題点の解決をはかろうとする
もので、従来技術によるロープ受けドラムよりも製造が
簡単でコストを低減させるような、しかも軽量のロープ
受けドラムを提供することを目的とし、また、その効率
のよい製造方向を提供することを目的とすることを目的
としている。
上述の目的を達成するため、本発明のロープ受けドラ
ムは、基本的にはその請求項（１）に記載のように、ド
ア板の作動または平衡手段におけるロープをドラムケー
シング壁２の外面で受けるドラム１であって、上記ドラ
ムケーシング壁２には周方向に且つドラム軸方向に螺旋
状を呈する案内溝８が形成され、同案内溝８には鋼製の
上記ロープが一層だけ巻取られるようになっており、上
記ドラムケーシング壁２がシートメタルで構成されて、
同シートメタルを窪ませるようにして上記案内溝８が形
成されて、上記ドラムケーシング壁２の部分で上記シー
トメタルがドラム軸線11に沿う方向に実質的に波形を形
成され、同ドラムケーシング壁２の外面９には上記案内
溝８の断面としてトラフ10が形成されており、上記ドラ
ムケーシング壁２のドラム軸線11に対向する内面12に
は、トラフ13が、隣接する案内溝8,8の相互間に形成さ
れた隆起部14に対し半径方向において反対側に存在する
ように形成されて、上記ドラムの正面壁の１つ３が、上
記ドラムケーシング壁２のシートメタルから一体的に連
続して形成されるとともに、同正面壁３において、軸ハ
ブ５が、同正面壁３と一体的に形成されて、上記ドラム
１に貫挿されたシャフトに支持されるように設けられた
ことを特徴としている。
さらに、本発明では、ロープ案内溝をもつドラムケー
シング壁は、シートメタルの連続的な変形を施す金属絞
り加工において、途切れることなく加工されるシートメ
タルで作られる。
本発明の実施例では、上記シートメタルはドラム軸に
沿う方向にドラムケーシング壁の範囲で実質的に波形を
形成され、上記ケーシング壁の外表面に案内溝の断面部
をなすトラフが形成されており、また上記ドラムケーシ
ング壁のドラム軸に対向する内面には、トラフが、隣接
する案内溝の相互間に形成された隆起部に対し半径方向
において反対側に存在する。
特に望ましい実施例では、上記ドラムケーシング壁
は、連続的な変形加工によってケーシング形状に変えら
れるような実質的に平板状のシートメタルで構成され
る。ここでは、ドラムケーシング壁の両正面側のエッジ
に、半径方向に突出して一体的に形成されたカラーがそ
なえられてもよい。
ここでは、ドラム正面壁の１つを、ドラムケーシング
壁および隣接カラーと一体的に形成されることが特に望
ましい。
この場合、上記シートメタルは、上記ドラム正面壁部
分ないしドラムの半径方向の内部において、機械工具に
支持されながら係合しており、この支持係合を介して、
ドラム軸のまわりに上記シートメタルが回転するような
工程で、上記シートメタルからなるドラムが形成され
る。もちろん、上記ドラム軸のまわりに成形工具が回転
するように、上記シートメタルに係合する成形工具を用
意し、上記シートメタルを固定保持して、上記成形工具
により加工することは基本的に可能である。しかしなが
ら、前述のように上記シートメタルを回転させ、他方で
ドラムケーシング壁の外面に係合する成形工具を設け、
同成形工具は、上記ドラム軸のまわりに回転させない
で、ドラムの製造を行なうことの方が望ましい。そのよ
うな工具とシートメタルとの間で相対的な移動が起こる
ような工具の直接的係合は、どのような摩擦をも避ける
ために、１つあるいはそれ以上のロール体を介して効果
的に行なわれる。
上記成形工具は、上記ドラムケーシング壁を形成され
るようにするための、少なくともドラムケーシング壁の
外面に係合する工具部分をそなえている。さらに案内溝
を形成するには、シートメタルの材質、要求される正確
さ、製造速度、成形機械に装備された加工部などにより
ながら、ドラムケーシング壁部分をなすシートメタル
が、たがいに適合する２つの工具部分の間、少なくとも
上記ドラムケーシング壁の外表面における案内溝の外型
形成と同ドラムケーシング壁の内表面における案内溝の
内型形成とに関してそれぞれ案内溝を形成するように対
応した輪郭をもつ２つの工具部分の間に、都合よく受け
入れられることが望ましい。例えば、ドラムケーシング
壁における案内溝に対して逆の輪郭をもつ型部材が、ド
ラム軸と同軸的に且つ円筒形または円錐形シートメタル
の内側に配設されて、同型部材に対し上記シートメタル
が、その外表面に係合する押圧（成形）工具により動か
され、このようにして同シートメタルには螺旋状の案内
溝が形成される。
ここで、上記押圧工具は、ドラム軸の方向に螺旋形案
内溝のピッチにしたがって、すなわち、シートメタルと
成形工具との間の相対的な速度に応じてシートメタルの
給送を行なう。また、ドラム軸に同軸的に配設された型
部材は、同じ回転速度でシートメタルと共に回転するこ
とができる。
さらに他の実施例は、上記ドラムケーシング壁の外表
面に係合するプロフィールローラと同壁の内表面に係合
するプロフィールローラからなる１組のローラによって
実現できる。この１組のローラは互いに近づく方向に位
置を変えることができ、またこの１組のローラは一緒に
なって上記案内溝のピッチにしたがいドラム軸方向にそ
の移動機構と共に強制的に案内され、これにより上記１
組のローラの間に受け入れられた上記ドラムケーシング
壁部分のシートメタルが、ピッチと周速とのマッチング
に応じて案内溝を形成される。
あるいはまた、上述の１連の螺旋状案内溝を形成する
ための輪郭（型）をもつ１組のローラだけを用いる代わ
りに、ローラ間に形成される型通路を複数組形成するよ
うに、２組以上のローラを用いるようにし、移送速度
や、ドラムとローラの直径関係に対応して、ドラム軸方
向に上記複数組の型通路を配列してもよい。
他の実施例によれば、ローラと型部材との協同作動の
ために、軸方向に順次配設された数個のローラが用意さ
れてもよい。
さらに、１個の同じ成形工具における工具部分がドラ
ムケーシング壁に係合しながら同ドラムケーシング壁に
沿って何度も続けて案内されるようにしてもよい。
またさらに、実質的に平板なシートメタルを、一様な
円筒形または円錐形、もしくは一様な円筒状部分と円錐
状部分とが連続しているドラムケーシング壁の形状に前
もって変える別の前処理加工工具によって、まずドラム
形に変えることが好ましい。
ついで、案内溝、場合によっては、正面側のカラーな
ども、１つの工程ないしその後の工程を経て形成され、
上記カラーは、また、第１の絞り加工において形成せし
められる。
上記ドラムケーシング壁の円筒状の外形ないし円錐状
の外形は、縦断面において、上記ドラムケーシング壁に
形成されるべき案内溝の波形に対しほぼ外接する周面ま
たは内接する周面、もしくはその中間の周面を有するも
のとされる。
上述のように、まず、上記ドラムケーシング壁の外形
が形成され、次に同ドラムケーシング壁に案内溝が形成
されるという継続的な製造工程においては、異なった相
対的速度が用いられ、例えば、初めに上記ドラムケーシ
ング壁の外形を形成する際には上記シートメタルに対し
工具が相対的に高い周速で作動し、次に案内溝を形成す
る際には低速度で作動する。
このような場合、案内溝を形成する成形工具の加工部
分は、軸方向に生じる上記シートメタルのどのような不
整成形にも拘わりなく装備されうる。すなわち、ローラ
による加工の完了まで、上記ローラの一方は、ドラム軸
に同軸的に且つドラムケーシング壁の外面に案内溝を形
成するように配設され、上記ローラの他方は、上記ドラ
ムケーシング壁の外面に現われるべき案内溝を形成する
ための型通路を有して、ドラム半径であらかじめ形成さ
れたシートメタルに係合する。このようにして、溝形成
用型部材をドラム軸に向かって導く移動機構がなくてす
むようにされる。
もちろん、このあらかじめ所要の輪郭を形成されたロ
ーラ構造から始めると、案内溝を形成するために為され
るエンボッシング加工（波形加工）は、上述したような
他の成形工具、例えば１組のローラによって施すことが
できる。
上記ドラムケーシング壁について前述のような一様な
円筒状または円錐状の輪郭の考えから始めると、シート
メタルの管を製造することをドラム製造の開始点として
考えてよく、上記シートメタルの管は継ぎ目なく長く形
成され、あるいはなるべくならレーザービームを使用す
る溶解溶接工程で螺旋状に溶接される。
そのような管は、案内溝の形成の進行に伴って、隆起
部を形成されたり、凹部を形成されたりするばかりでな
く、この加工段階において、しだいに増大する直径に合
わせて円錐形あるいは部分円錐形に形成されてもよく、
また、１つの層をなして案内されるロープの収容範囲を
定め且つ正面壁の取付けに役立つ正面側のカラーをそな
えられてもよい。
上記ドラムケーシング壁と一体的に接合する正面壁に
沿って、あるいは管を形成することから始めて金属絞り
加工手段によりドラムを製造する過程においては、ドラ
ムケーシングの内側上部表面で係合する工具は、開口し
ている正面側を貫通して問題なく移動せしめられる。
このことは、案内溝の螺旋状コースに沿って最終成形
を行なうために、ドラム軸に同軸に配設される型部材の
場合にもまた適用できる。そして、上記型部材に関し
て、上記シートメタルの避けられない残余の弾性的戻り
の故に、これに対応して隙間が存在している。
本発明の実施例を図面によりさらに詳細に説明すれ
ば、第１図は本発明の一実施例としてのロープ受けドラ
ムの部分的断面を含む側面図であり、第２図は上記ドラ
ムの要部の変形例を示す断面図、第３図は上記ドラムの
要部の他の変形例を示す断面図である。
第１〜３図には、本発明の３つの実施例が示されてい
るが、第１図は、その第１実施例としての基本的な全体
構造をもつドラム１を示している。すなわち、このドラ
ム１は、図示しないロープを受けるこのドラムケーシン
グ壁２と１つの正面壁３とを一体に形成されたものであ
る。そして、ドラムケーシング壁２は、正面壁３と一体
に接続されたカラー15から他の正面壁４へ接続されるカ
ラー16まで延在するようにして形成されている。
また、正面壁３は、その中央部の円筒状の軸ハブ５と
も一体に形成されており、このようにしてドラムケーシ
ング壁２、正面壁３および軸ハブ５は、ほぼ平面状の円
形シートメタル（金属薄板）を材料として、成形工具す
なわちプレス（押圧）工具を軸ハブ５および正面壁３か
らカラー16へ向かって案内しながら上記材料に係合させ
る工程により作り出される。その際、ドラムケーシング
壁２のロープ受け部分９にはロープ受けとしての螺旋状
案内溝８が形成される。
正面壁４は、ドラムケーシング壁２とは別体のものと
して形成されて、同ドラムケーシング壁２のカラー16と
スポット溶接19にて固着されている。軸ハブ５は、ドラ
ムケーシング壁２と一体の正面壁３の一部として形成さ
れるが、金属板絞り（スピンニング）加工で正面壁３を
成形する際に、同時に軸ハブ５も成形加工することが可
能である。この加工は、例えば、平板すなわち平面状の
円形シートメタルが、その軸ハブ５により囲まれるべき
マウス（口）部分を、回転工具で把持されることによっ
て可能である。その際、成形工具が上記マウス部分にお
ける把持部（締付固定部）から軸方向に移動されて、そ
れにより、まず軸ハブ５の一様な円筒壁が形成される。
次いで、正面壁３が、絞り変形を伴うことなく成形加
工され、それからさらにドラムケーシング壁２の成形加
工が行なわれる。
この目的のために、図には示されていないが、正面壁
３をドラム内側から支持する型部材が用意され、この型
部材の外周面には、さらに詳細に後述するように、ドラ
ムケーシング壁２の内面に沿うべき案内溝内型が設けら
れている。
そして、円形シートメタルに係合する押圧工具（成形
工具）が、上記案内溝内型に沿い案内されてゆくと、案
内溝８が形成されるようになる。
すなわち、ドラムケーシング壁２の外面の輪郭が、上
記押圧工具により半径方向および軸方向の圧力を受けな
がら、螺旋状の案内溝８のピッチに応じて形成されてゆ
く。
このようにして、本発明の実施例としてのロープ受け
ドラム製造方法では、円形のシートメタルに加工を施す
成形工具とが、互いに押圧し合うように係合して、ドラ
ム軸線11に関して周方向に相対的に移動しながら絞り加
工を行ない、これにより円形断面をもつ軸ハブ５を形成
してから、半径方向に延在するドラム正面壁３を一体に
形成し、さらに同正面壁３に接続するドラムケーシング
壁２を一体に形成するとともに、同ドラムケーシング壁
２において螺旋状案内溝８を軸方向に形成してゆくこと
を特徴としており、これにより、軽量のロープ受けドラ
ムを能率よく的確に且つ迅速に製造できる効果が得られ
る。
第１図から明らかなように、シートメタルから成る別
体としての正面壁４もまたハブ延長部６をそなえること
ができ、その場合、金属絞り加工によりハブ延長部６を
そなえることができ、その場合、金属絞り加工によりハ
ブ延長部６を正面壁４と一体に形成することができる。
軸ハブ５は、雄ねじ７により貫通され、このねじ７は平
衡ねじりばねで付勢される軸の図示しない中空軸にあけ
られた雌ねじ穴に螺入されている。このようにしてドラ
ム１は、上記中空軸に対し同軸的に且つ一体回転を行な
うように結合されている。同様に、ハブ延長部６の部分
も、図示しない雄ねじで上記中空軸に結合されるように
してもよい。
第１図のドラム軸線11に関してドラム下半部を示す側
面図およびドラム上半部を示す断面図から明らかなよう
に、ドラムケーシング２は螺旋状の案内溝８をそなえ、
この案内溝８により図示しないスチール・ワイヤロープ
が１つの層をなして受けられるように、同案内溝８はド
ラムケーシング壁２の外面に形成されている。案内溝８
は、ドラムケーシング壁２を構成するシートメタルを連
続的な変形工程のもとに窪ませるようにして形成されて
おり、したがってドラムケーシング壁２の縦断面には、
第１図上半部に示すように波型断面が現われている。こ
のようにして、このドラム１は、そのロープ受け用ドラ
ムケーシング壁２のみならず軸ハブ５および正面壁３
も、メタルシートの変形加工により全体として一体に形
成されているので、材料の節約および重量の軽減をもた
らすことができ、その製造も容易に迅速に行われる。
またトラフ（樋）10が、ドラムケーシング壁２の外面
に現われており、このトラフ10は、図示しないロープと
係合するための螺旋状案内溝８の受け部を形成してい
る。一方、ドラム軸線11の位置から見て、ドラムケーシ
ング壁２の内面にはトラフ13が形成されており、半径方
向に見て同トラフ13の反対側には、外面９に関し曲縦断
面を有する隆起部14が形成されている。この隆起部14は
螺旋状案内溝８において互いに隣接するトラフ10の相互
間を離隔させている。したがって、トラフ10に巻きつけ
られた図示しないロープの隣接部どうしても離隔して、
相互に摩擦損傷を生じるのを防止することができる。
このようにして、トラフ10と隆起部14とは、互いに案
内溝８の螺旋状進路に沿って走り、案内溝８と共に閉鎖
されたドラム周面を形成している。第１図の左側から見
て、ドラムケーシング壁２は、正面壁３と一体につなが
ったサイドエッジ17に、半径方向へ突き出したカラー15
を形成されている。カラー15は、ドラムケーシング壁２
のロープ受け部の範囲を横方向に限定し、ドラムケーシ
ング壁２と正面壁３を一体的に連続的に形成している。
サイドエッジ17に対し軸方向において反対側に存在す
るサイドエッジ18もまた、半径方向に外方に突出するカ
ラー16として形成され、同カラー16は、別体として形成
された正面壁４を固着するための機能を有している。
第１図に示す実施例では、正面壁４はドラムケーシン
グ壁２のサイドエッジ18におけるカラー16に、周方向に
分布するスポット溶接19により剛固に結合されている。
このようにして、このドラムは、両正面部分で、図示し
ない中空軸に支持されている。
第２図には、ドラムケーシング壁２と別体としての正
面壁４との結合部分について右上の部分断面が示されて
おり、この場合はスポット溶接以外の結合方法が採用さ
れている。ドラムケーシング壁２のサイドエッジ18の部
分では、半径方向に突出するカラー16が延長して正面壁
４の周縁部21を抱持している。この抱持部は符号20で示
されている。なお、この抱持部20は、正面壁４の周縁部
に連続的に設けられるが、断続的に周縁部に分布して設
けられてもよい。
第３図は、第２図に対応して他の例を示す部分図であ
って、この例では、別体としての正面壁４の周縁部21に
対するサイドエッジ18の結合が、周縁方向に分布する圧
力結合部（クリンチ結合部）22を介して行なわれる。こ
の圧力接合部22は、正面壁４の周縁部21の側からドラム
ケーシング壁２のサイドエッジ18におけるカラー16″へ
の圧入により行なわれており、この圧入の結果、カラー
16″の表面には内方への局部的な突出部が形成される。
そこで、ロープの巻取りや繰出しに支障をきたさないよ
うに、正面壁４の周縁部21とカラー16″とは、第３図か
ら明らかなように、外方へやや傾斜して形成されてい
る。カラー16″は、正面壁４の周縁を受け入れるべく軸
方向に屈曲した端縁を有している。
第１図に全体を示されたこのドラムは、ロープを受け
るためのもので、同ロープのドラムから繰出された端部
はドア板に係止され、ドラムに一体的に結合された中空
軸を付勢するねじりばねの力で、上記ロープを頭上で動
かしながら上記ドラムへ巻取るような従来から知られた
ドア板用平衡手段が構成される。上記のねじりばねの力
と距離とに関する特性を補償するため、本実施例のドラ
ムは、ドラムケーシング壁２において、一様な円筒状部
分23と、同部分に連続してしだいに直径の増大する円錐
状部分24とをそなえている。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の一実施例としてのロープ受けドラムの
部分的断面を含む側面図であり、第２図は上記ドラムの
要部の変形例を示す断面図、第３図は上記ドラムの要部
の他の変形例を示す断面図である。 １……ドラム、２……ドラムケーシング壁、３……正面
壁、４……正面壁、５……軸ハブ、６……ハブ延長部、
７……雄ねじ、８……案内溝、９……ドラム外面、10…
…トラフ、11……ドラム軸線、12……ドラム内面、13…
…トラフ、14……隆起部、15……カラー、16,16,16″…
…カラー、17,18……サイドエッジ、19……スポット溶
接部、20……抱持部、21……周縁部、21……エッジ、22
……圧力接合部。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ドア板の作動または平衡手段におけるロー
    プをドラムケーシング壁２の外面で受けるドラム１であ
    って、上記ドラムケーシング壁２には周方向に且つドラ
    ム軸方向に螺旋状を呈する案内溝８が形成され、同案内
    溝８には鋼製の上記ロープが一層だけ巻取られるように
    なっており、上記ドラムケーシング壁２がシートメタル
    で構成されて、同シートメタルを窪ませるようにして上
    記案内溝８が形成されて、上記ドラムケーシング壁２の
    部分で上記シートメタルがドラム軸線11に沿う方向に実
    質的に波形を形成され、同ドラムケーシング壁２の外面
    ９には上記案内溝８の断面としてトラフ10が形成されて
    おり、上記ドラムケーシング壁２のドラム軸線11に対向
    する内面12には、トラフ13が、隣接する案内溝8,8の相
    互間に形成された隆起部14に対し半径方向において反対
    側に存在するように形成されて、上記ドラムの正面壁の
    １つ３が、上記ドラムケーシング壁２のシートメタルか
    ら一体的に連続して形成されるとともに、同正面壁３に
    おいて、軸ハブ５が、同正面壁３と一体的に形成され
    て、上記ドラム１に貫挿されたシャフトに支持されるよ
    うに設けられたことを特徴とする、ロープ受けドラム。
  2. 【請求項２】上記ドラムケーシング壁２が、正面側のサ
    イドエッジ17,18から半径方向に突出して一体的に隣接
    するカラー15,16をそなえており、連続的変形加工とし
    ての金属絞り加工により、シートメタルを、その実質的
    に平板状の原形からケーシング形状に変えて構成された
    ことを特徴とする、請求項（１）に記載のロープ受けド
    ラム。
  3. 【請求項３】上記ドラムの正面壁の少なくとも１つ４
    が、別体の円形シートメタルとして形成されて、上記ド
    ラムケーシング壁２のサイドエッジ18におけるカラー16
    に、突き合わせるようにして固着されていることを特徴
    とする、請求項（１）または（２）に記載のロープ受け
    ドラム。
  4. 【請求項４】別体としての上記ドラム正面壁４が、上記
    ドラムケーシング壁のサイドエッジ18におけるカラー16
    に、周方向に分布するスポット溶接により固着されてい
    ることを特徴とする、請求項（３）に記載のロープ受け
    ドラム。
  5. 【請求項５】上記の別体としてのドラム正面壁４が、そ
    の周縁部21を上記ドラムケーシング壁２のサイドエッジ
    18におけるカラー16の抱持部20により固着されているこ
    とを特徴とする、請求項（３）に記載のロープ受けドラ
    ム。
  6. 【請求項６】上記の別体としての正面壁４が、上記ドラ
    ムケーシング壁２のサイドエッジ18におけるカラー16″
    に、周方向に分布する圧力接合部22により固着されてい
    ることを特徴とする、請求項（３）に記載のロープ受け
    ドラム。
  7. 【請求項７】上記ドラムケーシング壁２が、一様な円筒
    状または円錐状に形成されるか、もしくは一様な円筒状
    部分23と円錐状部分24とをドラム軸方向に併せ持つよう
    に形成されたことを特徴とする、請求項（１）から
    （６）までのいずれか１つに記載のロープ受けドラム。
  8. 【請求項８】上記円錐状部分24が、ドラム軸方向に連続
    してしだいに直径を増大するように形成されたことを特
    徴とする、請求項（７）に記載のロープ受けドラム。
  9. 【請求項９】上記シートメタルが、鋼または合金鋼とし
    てのステンレス鋼もしくは電気メッキなどで表面処理を
    施された金属材で構成されていることを特徴とする、請
    求項（１）から（８）までのいずれか１つに記載のロー
    プ受けドラム。
  10. 【請求項１０】シートメタルから成るドラムを製造する
    に際し、円形の上記シートメタルと、同シートメタルに
    加工を施す成形工具とが、互いに押圧し合うように係合
    して、ドラム軸線11に関して周方向に相対的に移動しな
    がら絞り加工を行ない、これにより円形断面をもつ軸ハ
    ブ５を形成してから、半径方向に延在するドラム正面壁
    ３を一体に形成し、さらに同正面壁３に接続するドラム
    ケーシング壁２を一体に形成するとともに、同ドラムケ
    ーシング壁２において螺旋状案内溝８を軸方向に形成し
    てゆくことを特徴とする、ロープ受けドラムの製造方
    法。
  11. 【請求項１１】円形の上記シートメタルが、上記ドラム
    の１つの正面壁部分で回転工具に結合され、同回転工具
    は、成形工具による成形加工の間、同成形工具に対し相
    対的にドラム軸のまわりに回転することを特徴とする、
    請求項（10）に記載のロープ受けドラムの製造方法。
  12. 【請求項１２】上記円形シートメタルが、まずドラム軸
    方向に移動可能な前処理工具によりドラム形状に絞り加
    工され、ついでエンボッシング工具により螺旋状案内溝
    を形成されることを特徴とする、請求項（10）または
    （11）に記載のロープ受けドラムの製造方法。
  13. 【請求項１３】上記ドラムケーシング壁２が、２個のプ
    ロフィールローラの間に受け入れられ、これらのプロフ
    ィールローラのうちの一方はドラムケーシング壁２の外
    側に案内溝８を形成するための輪郭面をもち、上記プロ
    フィールローラの他方は上記ドラムケーシング壁２の内
    側で波形を形成するための輪郭面をもっていて、上記プ
    ロフィールローラが、ドラム軸と平行な回転軸をもつ回
    転ローラとして、またはドラム軸と同軸的に配設された
    型部材として作動せしめられることを特徴とする、請求
    項（10）から（12）までのいずれか１つに記載のロープ
    受けドラムの製造方法。
  14. 【請求項１４】上記成形工具が、１個の成形用型部材と
    共に用いられ、同型部材はシートメタルから成るドラム
    ケーシングの表面、好ましくはその内表面に係合し、上
    記成形工具の一部分は上記ドラムケーシング壁の他の面
    に係合して、同部分が螺旋状案内溝のピッチに応じ上記
    シートメタルと相対的にドラム軸方向へ移動せしめられ
    ることを特徴とする、請求項（10）から（12）までのい
    ずれか１つに記載のロープ受けドラムの製造方法。
  15. 【請求項１５】上記成形工具が、１組のローラと共に用
    いられ、同ローラがドラムケーシング壁の外面と内面と
    の両側に係合し、且つ上記成形工具が、ドラム軸と直角
    をなす方向に移動可能で互いに接近したり離れたりしう
    る複数のローラと共に用いられて、上記１組のローラ
    は、上記螺旋状案内溝のピッチに応じ上記シートメタル
    と相対的にドラム軸の方向に移動せしめられることを特
    徴とする、請求項（10）から（12）までのいずれか１つ
    に記載のロープ受けドラムの製造方法。
  16. 【請求項１６】上記成形工具が、少なくとも案内溝を形
    成する部分を有して、上記ドラムケーシング壁に沿い何
    度も往復することにより、上記ドラムケーシング壁に繰
    り返し係合し、あるいは複数の成形工具が、それぞれ上
    記案内溝を形成しうる各部分を有して、これらの成形用
    部分が、続々と上記ドラムケーシング壁に沿って通過す
    ることにより、上記ドラムケーシング壁に隆起部を形成
    するように係合することを特徴とする、請求項（10）か
    ら（15）までのいずれか１つに記載のロープ受けドラム
    の製造方法。
  17. 【請求項１７】上記ドラムケーシング壁の開放された正
    面部が、円形シートメタルによって閉じられ、同円形シ
    ートメタルの外周部が、上記ドラムケーシング壁の正面
    側の境界部としてのカラーに対して、例えば溶接や抱持
    手段または圧力接合によって結合され、場合によっては
    上記ドラムケーシング壁の正面側における上記円形シー
    トメタルに、絞り加工によって形成される軸ハブが設け
    られることを特徴とする、請求項（10）から（16）まで
    のいずれか１つに記載のロープ受けドラムの製造方法。
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