JP2750709B2 - トロンボキサンa▲下2▼及びプロスタグランジンエンドペルオキシドの受容体拮抗剤 - Google Patents
トロンボキサンa▲下2▼及びプロスタグランジンエンドペルオキシドの受容体拮抗剤Info
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- JP2750709B2 JP2750709B2 JP63267833A JP26783388A JP2750709B2 JP 2750709 B2 JP2750709 B2 JP 2750709B2 JP 63267833 A JP63267833 A JP 63267833A JP 26783388 A JP26783388 A JP 26783388A JP 2750709 B2 JP2750709 B2 JP 2750709B2
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- prostaglandin endoperoxide
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アズレン誘導体の新規医薬用途への応用に
関する。
関する。
(従来技術) ごく最近になり、アラキドン酸の代謝物であるプロス
タグランジンエンドペルオキシド類並びにトロンボキサ
ンA2は、各種の循環系疾患や各種炎症の原因物質である
ことが明らかにされつつありこのような重篤疾患の病原
物質から生体を保護する方策としては、現在二通りの手
段が考えられている。
タグランジンエンドペルオキシド類並びにトロンボキサ
ンA2は、各種の循環系疾患や各種炎症の原因物質である
ことが明らかにされつつありこのような重篤疾患の病原
物質から生体を保護する方策としては、現在二通りの手
段が考えられている。
第一の方法は、トロンボキサンA2の生体内合成酵素で
あるトロンボキサンシンセターゼの阻害剤を応用するこ
とであるが、Allan M.Lefer(Drugs of Today 21 283−
291 1985)等によれば、トロンボキサン合成阻害剤を用
いた場合には、治療効果に十分な体内のトロンボキサン
濃度低下を得ることが困難な場合が多く、かつ、根本的
には、もう一つの病因物質であるプロスタグランジンエ
ンドパーオキサイド類の生合成を全く抑制できないとい
う欠陥がある。
あるトロンボキサンシンセターゼの阻害剤を応用するこ
とであるが、Allan M.Lefer(Drugs of Today 21 283−
291 1985)等によれば、トロンボキサン合成阻害剤を用
いた場合には、治療効果に十分な体内のトロンボキサン
濃度低下を得ることが困難な場合が多く、かつ、根本的
には、もう一つの病因物質であるプロスタグランジンエ
ンドパーオキサイド類の生合成を全く抑制できないとい
う欠陥がある。
そこで、第二の方法として、トロンボキサンA2受容体
拮抗物質の有用性が最近において論議されている。この
拮抗物質は、プロスタノイダル系とノンプロスタノイダ
ル系の2系列に大別されており、特に、後者の系統に属
する物質は、生体での失活が前者に比べて、より遅いこ
とが知られている。
拮抗物質の有用性が最近において論議されている。この
拮抗物質は、プロスタノイダル系とノンプロスタノイダ
ル系の2系列に大別されており、特に、後者の系統に属
する物質は、生体での失活が前者に比べて、より遅いこ
とが知られている。
(発明の目的) 本発明は、生体内において、各種疾病の原因物質とし
て作用することが明らかになりつつあるプロスタグラン
ジンエンドペルオキシド類及びトロンボキサンA2の特異
的拮抗物質として作用し、これらのアラキドン酸代謝物
質に起因する各種疾患の治療に有効な治療剤を開示する
ことを目的とするものである。
て作用することが明らかになりつつあるプロスタグラン
ジンエンドペルオキシド類及びトロンボキサンA2の特異
的拮抗物質として作用し、これらのアラキドン酸代謝物
質に起因する各種疾患の治療に有効な治療剤を開示する
ことを目的とするものである。
(発明の構成) 本発明者等は、上述のような拮抗物質を探求していた
際、一連のアズレン誘導体が、特異的で且つ競合的な、
トロンボキサンA2、並びにプロスタグランジンエンドペ
ルオキシドの受容体拮抗作用を有することを見出し、新
規なノンプロスタノイダル系拮抗剤としての用途を確立
したものである。
際、一連のアズレン誘導体が、特異的で且つ競合的な、
トロンボキサンA2、並びにプロスタグランジンエンドペ
ルオキシドの受容体拮抗作用を有することを見出し、新
規なノンプロスタノイダル系拮抗剤としての用途を確立
したものである。
本発明に係る物質は、一般式(I): [但し式中、R1、R3は、夫々水素又は低級アルキル基
を、R2は5位若しくは7位に結合する低級アルキル基
を、夫々表わす。] で示される化合物であって、化合物自体は公知のもので
ある。
を、R2は5位若しくは7位に結合する低級アルキル基
を、夫々表わす。] で示される化合物であって、化合物自体は公知のもので
ある。
上記において、低級アルキル基は、炭素数が1〜3の
分岐枝を有することあるアルキル基を表わす。一般式
(I)に属する典型化合物としては、3−エチル−7−
(1−メチルエチル)−1−アズレンスルホン酸ソーダ
(化合物1)とか、3−メチル−5−(1−メチルエチ
ル)−8−メチル−1−アズレンスルホン酸ソーダ(化
合物2)などを挙げることができる。
分岐枝を有することあるアルキル基を表わす。一般式
(I)に属する典型化合物としては、3−エチル−7−
(1−メチルエチル)−1−アズレンスルホン酸ソーダ
(化合物1)とか、3−メチル−5−(1−メチルエチ
ル)−8−メチル−1−アズレンスルホン酸ソーダ(化
合物2)などを挙げることができる。
本願化合物は、後記薬理試験例から明らかなように、
トロンボキサンA2及びプロスタグランジンエンドペルオ
キシド受容体拮抗剤として、これらのアラキドン酸代謝
物に起因する各種疾患例えば脳梗塞、心筋梗塞、その他
の循環障害、不整脈、各種炎症、クローン病、大腸炎の
治療に有効である。
トロンボキサンA2及びプロスタグランジンエンドペルオ
キシド受容体拮抗剤として、これらのアラキドン酸代謝
物に起因する各種疾患例えば脳梗塞、心筋梗塞、その他
の循環障害、不整脈、各種炎症、クローン病、大腸炎の
治療に有効である。
尚、本願において、“トロンボキサンA2及びプロスタ
グランジンエンドペルオキシドの受容体”とは、トロン
ボキサンA2と結合して賦活される性質を有すると共に、
プロスタグランジンエンドペルオキシドとも結合して賦
活される性質を同時に備えと同一の受容体を意味する。
グランジンエンドペルオキシドの受容体”とは、トロン
ボキサンA2と結合して賦活される性質を有すると共に、
プロスタグランジンエンドペルオキシドとも結合して賦
活される性質を同時に備えと同一の受容体を意味する。
本願化合物は、経口、非経口のいずれの投与経路にお
いても投与でき、投与量は、症状、年齢、体重等によっ
て異なるが、成人一人当り、1〜300mg/dayの範囲で所
期の効果で得られるものと期待される。
いても投与でき、投与量は、症状、年齢、体重等によっ
て異なるが、成人一人当り、1〜300mg/dayの範囲で所
期の効果で得られるものと期待される。
以下に、薬理試験例を掲げる。
[実験例1] トロンボキサンA2受容体拮抗作用 (ラット大動脈片のU−46619収縮に対する抑制効果) ラットの胸部大動脈の螺旋状片を、95%O2−5%CO2
混合ガスで飽和した20mlのKrebs−Ringer溶液中に1gの
負荷をかけて懸垂した。
混合ガスで飽和した20mlのKrebs−Ringer溶液中に1gの
負荷をかけて懸垂した。
トロンボキサンA2と同質の作用を有するトロンボキサ
ンA2及びエンドパーオキサイド類縁体のU−46619の累
積投与によって生じる血管状片の収縮反応に対する被験
化合物の10分間前処理による抑制作用を調べた。
ンA2及びエンドパーオキサイド類縁体のU−46619の累
積投与によって生じる血管状片の収縮反応に対する被験
化合物の10分間前処理による抑制作用を調べた。
実験結果は、Arunlakshana & Schildの方法[Br.J.P
harmacol.Chemother.14 48,(1959)]に従い、pA2値を
算出したが、化合物1及び2ともU−46619収縮に対し
競合的拮抗作用を示し、そのpA2値は夫々5.40±0.10及
び4.92±0.12であった。
harmacol.Chemother.14 48,(1959)]に従い、pA2値を
算出したが、化合物1及び2ともU−46619収縮に対し
競合的拮抗作用を示し、そのpA2値は夫々5.40±0.10及
び4.92±0.12であった。
[実験例2] ノルアドレナリン、セロトニン及びCaCl2収縮に対する
作用 実験例1と同様に、ラット胸部大動脈標本を作成し、
オルガンバスに懸垂した。
作用 実験例1と同様に、ラット胸部大動脈標本を作成し、
オルガンバスに懸垂した。
ノルアドレナリン、セロトニン或いはCaCl2の累積投
与によって生じる血管状片の収縮反応に対する被験化合
物の10分間前処理による抑制作用を調べた。結果は、ノ
ルアドレナリン、セロトニン並びにCaCl2収縮に対し、
化合物1及び化合物2は共に10-4Mの高用量でも抑制作
用を全く示さなかった。
与によって生じる血管状片の収縮反応に対する被験化合
物の10分間前処理による抑制作用を調べた。結果は、ノ
ルアドレナリン、セロトニン並びにCaCl2収縮に対し、
化合物1及び化合物2は共に10-4Mの高用量でも抑制作
用を全く示さなかった。
以上、実験例1、2の結果より、化合物1、及び化合
物2とも選択的なトロンボキサンA2受容体拮抗作用を有
していることが示唆された。
物2とも選択的なトロンボキサンA2受容体拮抗作用を有
していることが示唆された。
[実験例3] トロンボキサンA2受容体拮抗作用 (ウサギ血小板のU−46619凝集に対する抑制効果) ウサギ耳介動脈より採血した血液9容に対し、クエン
酸ナトリウム1容の割合で混和した。
酸ナトリウム1容の割合で混和した。
これを900r.p.m.で10分間遠心分離し、その上清をPRP
(Platelet rich plasma)として実験に供した。このPR
P500μを用いてBornの方法[Nature,194,927(196
2)]に従って血小板凝集計により凝集能を調べた。
(Platelet rich plasma)として実験に供した。このPR
P500μを用いてBornの方法[Nature,194,927(196
2)]に従って血小板凝集計により凝集能を調べた。
凝集惹起剤としてU−46619(2.5×10-6M)を用い
た。検体は、これら惹起剤を加える2分前に添加し凝集
に対する抑制率を求めた。
た。検体は、これら惹起剤を加える2分前に添加し凝集
に対する抑制率を求めた。
この結果を表1に示したが、化合物1は3×10-4Mで
血小板凝集抑制作用は見られず、10-3Mで59.2%、3×1
0-3Mで100%の抑制を示した。
血小板凝集抑制作用は見られず、10-3Mで59.2%、3×1
0-3Mで100%の抑制を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/185 ACJ A61K 31/185 ACJ AED AED
Claims (4)
- 【請求項1】一般式: [但し式中、R1、R3は、夫々水素又は低級アルキル基
を、R2は、5位若しくは7位に結合する低級アルキル基
を、夫々表わす。] で示される化合物を有効成分として含有するトロンボキ
サンA2及びプロスタグランジンエンドペルオキシドの受
容体拮抗剤。 - 【請求項2】一般式(I)で示される化合物が、、3−
メチル−5−(1−メチルエチル)−8−メチル−1−
アズレンスルホン酸ソーダである請求の範囲第1項記載
の拮抗剤。 - 【請求項3】一般式(I)で示される化合物が、3−エ
チル−7−(1−メチルエチル)−1−アズレンスルホ
ン酸ソーダである請求の範囲第1項記載の拮抗剤。 - 【請求項4】請求の範囲第1項記載の一般式(I)の化
合物を有効成分とする循環系疾患治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63267833A JP2750709B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | トロンボキサンa▲下2▼及びプロスタグランジンエンドペルオキシドの受容体拮抗剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63267833A JP2750709B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | トロンボキサンa▲下2▼及びプロスタグランジンエンドペルオキシドの受容体拮抗剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02115121A JPH02115121A (ja) | 1990-04-27 |
JP2750709B2 true JP2750709B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=17450253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63267833A Expired - Fee Related JP2750709B2 (ja) | 1988-10-24 | 1988-10-24 | トロンボキサンa▲下2▼及びプロスタグランジンエンドペルオキシドの受容体拮抗剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2750709B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0780812B2 (ja) * | 1986-07-25 | 1995-08-30 | 寿製薬株式会社 | アズレン誘導体トロンボキサンシンセタ−ゼ阻害剤及びその製法 |
-
1988
- 1988-10-24 JP JP63267833A patent/JP2750709B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02115121A (ja) | 1990-04-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |