JP4212114B2 - 抗血栓剤としてのp1,p4―ジチオ―p2―p3―モノクロロメチレン5’,5’’’―ジアデノシン p1,p4―テトラホスフェート - Google Patents

抗血栓剤としてのp1,p4―ジチオ―p2―p3―モノクロロメチレン5’,5’’’―ジアデノシン p1,p4―テトラホスフェート Download PDF

Info

Publication number
JP4212114B2
JP4212114B2 JP53923597A JP53923597A JP4212114B2 JP 4212114 B2 JP4212114 B2 JP 4212114B2 JP 53923597 A JP53923597 A JP 53923597A JP 53923597 A JP53923597 A JP 53923597A JP 4212114 B2 JP4212114 B2 JP 4212114B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chcl
pchclpp
thio
blood
platelets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP53923597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000509397A (ja
Inventor
ポール・シー・ザメクニック
ビュング・ケイ・キム
サミュエル・ダブリュー・チャン
Original Assignee
ポール・シー・ザメクニック
ビュング・ケイ・キム
サミュエル・ダブリュー・チャン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ポール・シー・ザメクニック, ビュング・ケイ・キム, サミュエル・ダブリュー・チャン filed Critical ポール・シー・ザメクニック
Publication of JP2000509397A publication Critical patent/JP2000509397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4212114B2 publication Critical patent/JP4212114B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7042Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings
    • A61K31/7048Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having oxygen as a ring hetero atom, e.g. leucoglucosan, hesperidin, erythromycin, nystatin, digitoxin or digoxin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

政府援助
本明細書に記載の発明は、一部、NIH補助金IR43HL53864−01(AHR−B1)による援助を受けた。
発明の背景
血管内凝固は一般的な疾病である。そのような疾病の内、最も一般的なものの一つは、形成ポイントに残留する動脈血管内の血栓形成である。血栓は、個体に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、心臓動脈内の血栓形成は、血流を制限し、その結果、最も重い型の心臓発作の一つである心筋梗塞(心筋の死)が起こる。
動脈血管および人工器官医療装置(prosthetic medical device)内の血栓症は、傷ついた血管壁または人工器官の表面への血小板の癒着、それらの顆粒内容物の放出、プロスタグランジンエンドペルオキシドの合成、および血小板の凝集を特徴とする。新しく形成された血小板凝集は、壊れやすい集塊(clump)であり、いわゆる「白色血栓」と呼ばれる。凝集し(活性化される)ことによって血小板表面上に凝固性活性前駆体が晒し出されることによって、白色血栓上にフィブリンネットワークが形成され、それを安定化する。様々な抗血小板薬剤が、血栓の形成阻害に関する有益な臨床的発明の潜在的標的として、長年にわたって、研究されてきた。アスピリンおよびジピリダモールのようないくつかの薬剤が、抗血栓予防薬として使用されるようになり、その他の薬剤は臨床研究の対照であった。今日までに、ジスインテギン(disintegins)、チクロピジン(ticlopijine)およびその類似体のような強力な薬剤は、本質的に副作用があるが、これに対してアスピリンのようなより温和な薬剤は有益であるが、効果には限界がある(Hass,W.K.ら、N.Eng.J.Med.,321,501−507、1989;Weber,M.A.J.ら、Am.J.Cardiol.,66,1461−1468、1990;Lekstrom,J.A.、Bell,W.R.、Medicine,70,161−177、1991)。情報の入手できる、ReoPro(7E3)のようなより新しい薬剤の臨床効果は印象的であるが、最近の試行の成功は、これらの方法が、時には血液輸血を必要とする出血を主とする危険性の増加とも関連している、という知見によって複雑になる(The EPIC Investigators、1994、New Engl.J.Med.,330,956−961)。従って、理想的な「恩典(benefit)/危険」率(即ち、望ましくない出血の原因となる性質と比較して、アスピリンでの「恩典/危険」率より改善された効率)は、達成されなかったと考えられる。
血小板の凝固を阻害するより効果的で選択的な化合物に関する最近の研究では、それら化合物が抗血栓効果により大きい恩典をもたらすことが示唆されている。一般的なアゴニストであるADPは動脈血栓形成の開始および進行に鍵の役割を演ずることが、数多くの研究から示唆された(Bernat,A.ら、Thromb,Haemost,70,812−126、1993;Maffrand,J.P.ら、Thromb.Haemostas,59,225−230、1988;Herbert,J.M.ら、Arteriosclerosis and Thrombosis,13,1171−1179、1993)。それ故、ADPの誘導する血小板凝固の効果的阻害剤は、抗血栓剤の検索に特別な利益をもたらすであろう。ジアデノシン5’,5”’−P1,P4−テトラホスフェート(AP4A)は、ADPの誘導する血小板凝固の競合阻害剤であることが知られている(Zamecnik,P.C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,2370−2373、1992;Harrison,M.J.ら、FEBS Lett.,54(1),57−60、1975;Luthje,J.ら、Biochem.Biophys.Res.Comm.,118,704−709、1984;Chao,F.C.ら、Hoppe Seyler’s Z.Physiol.Chem.,365,610、1984)。
ジヌクレオチドAP4Aは、生きた細胞の随所に存在する成分である(Zamecnik,P.C.およびStephenson,M.L.,タンパク質合成の調節メカニズム(Regulatory mechanisms for protein synthesis)、「哺乳動物細胞」(”Mammalian Cells”)、San Pietro,A.,Lamborg,M.R.およびKenny,P.C.編、Academic Press,New York,3−16、1967)。AP4Aは、正常なヒト血小板中に、任意のその他の細胞区画中に存在するより高い濃度で、存在する(Flodgaard,M.およびKlenow,M.,Biochemical Journal,208,737−742、1983)。血小板を3H−アデノシンとインキュベーションすると、ATPは標識されるが、AP4Aは標識されないため、貯蔵されたAP4Aは、代謝上不活性であると考えられた。血小板をトロンビン処理すると、ADPおよびジヌクレオチド、ジアデノシン5’,5”’−p1,p3−トリホスフェート(AP3A)を含むその他の貯蔵プールヌクレオチドと共に、AP4Aが完全に遊離する(Luthje,J.およびOglivie,A.,Biochem.Biophys.Res.Comm.,115,252−260、1983)。AP3Aは、血漿中でAMP(アデノシンモノホスフェート)およびADP(アデノシンジホスフェート)に加水分解され;AP4Aは、AMPおよびATP(アデノシントリホスフェート)に分解される(Luthje,J.およびOglivie,A.,European Journal of Biochemistry,149,119−127、1985)。
AP4Aの正確な生理学的役割は明らかではないが、様々な細胞内での代謝に関与していた(Zamecnik,P.,Annals of Biochemistry,134,1−10,1983)。血小板中のAP4A濃度が通常より高くなると、血小板生理の役割を危機に導く。凝集を受けて刺激された血小板は、高濃度の顆粒中に貯蔵された内因性ADPの放出時に第二期の凝集を示す。インビトロでの実験では、凝集が60%に進行した場合でさえ、AP4Aは凝集した血小板を即時に分散させて、ADP誘導血小板凝集を競合的に阻害することが証明された(Chao,F.C.およびZamecnik,P.,Hoppe Seyler’s Z.Physiol.Chem.,365:610、1984)。これとは対照的に、AP3Aは、多分その分解生成物であるADPを通して、血小板を徐々に凝集させる原因となる。AP3Aの凝集活性は、AP4A追加時に即座に可逆になる(Luthje,J.およびOglivie,A.,Biochem.Biophys.Res.Comm.,118,704−709、1984)。
血栓形成のプロセスは、不完全に理解されているのみであるが、2つの主な段階;動脈血管損傷部位での血小板の凝集および生成した血餅を一緒に結合する架橋フィブリンポリマーの形成:が確認されている。
合衆国特許第5,049,550号、1991年9月17日、P.C.Zamecnikに発行(以後、”Zamecnik’550”)は、抗血栓剤としてのAP4AおよびAP4A類似体を、例えば、冠状血管および大脳血管の血栓症の予防に用いること、ならびに血栓症の予防および血液透析動静脈シャントに用いること、について記載している。また、Zanecnik’500特許は、血栓凝集の阻害による血栓形成の予防法、およびAP4A類似体を単独でまたは血栓崩壊剤と共に含む関連組成物についても記載している。特に、Zamecnik’500は、これらの薬剤の抗血栓効果についての一つの測定法として、ADP誘導血小板凝集への様々なAP4A類似体の阻害効果(ID50)について、報告している。P2、P3位に位置するP−C−Pブリッジを持つAP4Aの二ホスホン酸類似体内のフッ素を塩素に置換しても、ADP誘導血小板凝集アッセイにおける類似体の阻害活性に実質的な影響を与えるとは考えられなかった。
発明の概要
本発明は、P1,P4−ジチオ−P2,−P3モノクロロメチレン5’,5”’ジアデノシン P1,P4−テトラホスフェート(代わりに、本明細書中では、「チオ−CHCl−AP4A」または「ApspCHClppsA」と呼ぶこともある)が、以前にZamecnik’550に開示されたその他のAP4A類似体で認められた阻害効果と比較して、より有効なADP誘導血小板凝集阻害効果を持つという、発見に基づいている。従って、本発明は、ApspCHClppsAを含む組成物、ならびにそのような組成物を、冠状血管および大脳血管の血栓症の予防および血液透析動静脈シャントおよび血栓形成の予防に用いることに関する。さらに、本発明は、ApspCHClppsAを含む組成物を、単独でまたは血栓崩壊剤と組み合わせて、医療に用いることに関する。
本発明の一つの態様に従って、ApspCHClppsAを含む組成物を開示する。特に好ましい実施態様では、ApspCHClppsAは、薬剤として許容しうるキャリヤーと共に、有効な抗血栓量で存在する。一般的には、有効な抗血栓量とは、血小板凝集を阻害するのに有効な量である。
本発明のもう一つの態様では、薬剤組成物が提供される。組成物は、ApspCHCLppsAおよび薬剤として許容しうるキャリヤーを含む。特に好ましい実施態様では、薬剤組成物は、哺乳動物内での血栓崩壊効果を調整する(modulating)量のApspCHClppsAを含む。従って、好ましい実施態様では、薬剤組成物は、哺乳動物に投与するためにあらかじめ選択された量(例えば、単一投与量)のApspCHClppsAを含むように調合される。
本発明のさらなるその他の態様に従って、血栓崩壊量の少なくとも一つの血栓崩壊剤と共にApspCHClppsAを含む薬剤組成物が、ここに開示される。好ましくは、ApspCHClPPs3Aは、有効な血栓崩壊量の組成物内に存在する。より好ましくは、血栓崩壊剤は、組織プラスミノーゲン活性化剤であるストレプトキナーゼおよびウロキナーゼからなる薬剤の群から選択される。
哺乳動物で血栓崩壊効果の調整を必要とするそのような調整(modulating)の方法も、ここに開示される。方法は、哺乳動物に有効量のApspCHClppsAを含む薬剤組成物を投与して、血栓崩壊効果を調整することを含む。一つの実施態様では、血栓崩壊効果を調整する方法は、哺乳動物の血栓を溶かすことを含む。血栓崩壊効果を調整する必要のあるApspCHClppsAの有効量は、有効な抗血栓量である。好ましくは、ApspCHClppsAを、血栓崩壊に有効な量の血栓崩壊剤と共に、哺乳動物に投与する。好ましい血栓崩壊剤は、組織プラスミノーゲン活性化剤であるストレプトキナーゼおよびウロキナーゼからなる群より選択される。当業者らはすぐに分かるであろうが、ApspCHClppsAは、血栓崩壊に有効な量の血栓崩壊剤の哺乳動物への投与と同時にまたは順番に、哺乳動物に投与することができる。
さらにもう一つの実施態様では、哺乳動物内で血栓崩壊効果を調整する方法は、哺乳動物での血栓の成長阻害を含む。血栓の成長阻害に必要なApspCHClppsAの有効量は、血小板凝集を阻害するに有効な量または有効な抗血栓量である。
さらにもう一つの実施態様では、哺乳動物での血栓崩壊効果を調整する方法は、哺乳動物内での血栓形成の減少(例えば妨害)を含む。哺乳動物内での血栓の形成は、哺乳動物に有効な抗血栓量のApspCHClppsAを投与することによって、または血小板凝集の阻害に有効な量のApspCHClppsAを投与することによって、減少させることができる。出願人は、血栓形成の減少の一つの特別なメカニズムに本発明を制限するつもりではないが、哺乳動物内での血栓の形成は、血小板の凝集を阻害することによって減少し、さらに、哺乳動物への有効量のApspCHClppsAの投与は血小板の凝集を阻害し、それによって血栓の形成が減少または妨害される、と考えられる。
哺乳動物内での血栓崩壊効果を調整する方法のさらなるその他の実施態様に従って、インビボでは、血小板凝集の阻害に有効な量のApspCHClppsAを哺乳動物に投与し、血小板凝集を阻害する。
本発明のこれらのおよびその他の態様ならびに様々な長所および効用は、好ましい実施態様の詳細な記載によって、より明らかになるであろう。
本明細書にて特定された個々の特許、特許公報および参考文献は、その全体をここに参照として採用する。
発明の詳細な説明
主題とする発明は、抗血栓剤としてのApspCHClppsAの使用に関する。本発明は、哺乳動物へのApspCHClppsAの投与が血小板の凝集を阻害し、たぶんそれによって血栓症の発生を減少させるとの発見に基づいている。驚くべきことに、インビトロでのApspCHClppsAの凝集阻害活性は、天然発生のAP4Aの阻害活性より大きさで一桁近く大きく、既知のAP4A類似体(ApspCHClppsAとは違い、メチレンブリッジに塩素ではなくフッ素を持つ、Zamecnik’500に開示されているような化合物E13)の活性より有意に大きい。また、ApspCHClppsAは、それに相当するSを含まない対応物(Zamecnik’500内に開示されているような化合物E10、本明細書中の実施例もまた参照のこと)の活性より、有意により大きい血小板凝集阻害活性を持つ。血小板凝集阻害活性のこの実質的な増加は、AP4Aまたは既知のAP4A類似体との構造類似性(その構造は以下に提供される)からは予想し得なかった。例えば、Zamecnik’500(表3)は、AppCHClppA(化合物E10)の阻害効果(ID50値)が3μMであり、そしてAppCHFppA(化合物E5)のID50値が4μMであることを、示している。従って、これらのAP4A類似体では、フッ素の塩素への置換は、ADP誘導血小板凝集阻害活性への影響は少ない。この結果から、当業者は、先行技術のAP4A類似体と比較して、本発明の阻害活性の実質的改良を期待しないであろう。
天然発生AP4Aは、以下の式(「式I」):
Figure 0004212114
を持つ。
Zamecnik’500のE5組成物(省略形AppCHFppA)は、以下の式:
Figure 0004212114
を持つ。
Zamecnik’500のE10組成物(省略形AppCHClppA)は、以下の式:
Figure 0004212114
を持つ。
Zamecnik’500のE13組成物(省略形ApspCHFppsA)は、以下の式:
Figure 0004212114
を持つ。
新たに開示されたAP4A類似体、ApspCHClppsAは、以下の式:
Figure 0004212114
を持つ。
AP4Aは、哺乳動物に投与された場合に、顕著なADP−誘導血小板凝集の阻害を示す。凝集前または凝集中に加えると、外因性のAP4Aは、二次波応答を鈍らせ、凝集した血小板の急速な分散の原因となる。阻害の大きさは、外因性AP4A投与量と直接関係を持つことが示された。血小板栓(platelet plugs)は、動脈血栓の大部分を形成するので、血栓症を予防するための好ましい臨床戦略は、互いの、および多分管壁等への、血小板の粘着を妨害する医療薬剤(例えばAP4A)を利用することである。従って、本発明の一つの実施態様では、ApspCHClppsAを、哺乳動物に投与し、哺乳動物内の血栓崩壊効果を調整する、例えば再狭窄を予防または阻害する。
本明細書中に用いられている、「血栓崩壊効果を調整する」とは、哺乳動物内での血栓症発症の予防するまたは減少させること、例えば、チオ−CHCl−AP4Aの非存在下での血栓形成/成長の可能性と比較して、血栓形成および成長の可能性を統計上減少させること、をさす。例えば、哺乳動物の血栓崩壊効果の調整とは、(1)哺乳動物の血栓の溶解を容易にし;(2)哺乳動物の血栓の成長を阻害し;(3)哺乳動物の血栓の形成を減少(例えば予防)し;そして(4)哺乳動物の血小板凝集を阻害する(例えば、血栓形成の可能性を減少させることが望ましい予防的適用):ことを含む。
AP4Aは、ウサギ血液中では、インビボおよびエキソビボの両方(AP4Aを投与された患者の血液から得られた血小板)で半減期が短い。インビボでのクリアランスと比較して、エキソビボでのAP4Aの減衰は有意に長い。このことは、AP4Aの異化によって金属イオン依存性加水分解酵素が阻害されることを示しており、クエン酸塩化血液を用いることによって説明することができ(Luthje,J.およびOgilvie,A.、European J.Bio.Chem.,149,119−127、1995)、また、正常な血漿に加えられた32P−標識AP4Aの90%が、37℃でインキュベートした場合に、10分間で分解される(Kimら、Blood,66,735−737、1995)と言う結果と一致する。内因性血小板AP4Aは、刺激を受けた血小板が遊離現象を起こした場合に濃厚な顆粒から比較的高濃度で遊離され、血小板の局所的凝集−分散の調整に重要であろう。従って、合衆国特許第5,049,550号(Zamecnik’550)に記載のように、抗血栓症効果は、外因性AP4Aの投与を通してAP4Aの高循環レベルを維持することによって得ることができる。このことから、AP4AまたはApspCHClppsAのようなその類似体を、医療用抗血小板、抗血栓剤として用い得ることが示唆される。
本発明の一つの態様に従って、哺乳動物の血栓崩壊効果を調整する方法が、それを必要とする哺乳動物に提供される。血栓崩壊効果を調整する方法は、哺乳動物に有効量のApspCHClppsAを含む薬剤組成物を投与して血栓崩壊効果を調整することを含む。本明細書中で用いられているように、血栓崩壊効果の調整とは、哺乳動物中の血栓の溶解を容易にし、哺乳動物中に存在する血栓の成長を阻害し、血栓の形成を減少させ(例えば予防し)、そして(以前から存在する血栓の存在下または非存在下で)血小板の凝集を阻害する、ことを含む。
一般的には、ApspCHClppsAは、腹膜内、筋肉内、経口、胃腸、皮下に、またはゆっくりと放出されるカプセルを通して、投与することができる。しかしながら、哺乳動物への好ましい投与方法は、静脈内注射による方法である。ApspCHClppsAは、任意の便利なポイントで哺乳動物の血流内に導入されるが、予想されるまたはすでに分かっている血栓の部位から上流およびその近くに注射することが望ましい。哺乳動物の血栓崩壊効果を調整するApspCHClppsAの有効量は、治療される哺乳動物に特別な血栓崩壊効果を仲介するであろうその量である。例えば、血栓崩壊効果を調整する方法が哺乳動物の血栓の溶解を容易にする場合、この血栓崩壊効果を調整する有効量のApspCHClppsAは、有効な抗血栓量、即ち抗血栓溶解剤と組み合わせて以前から存在する血栓の溶解を容易にするであろう量、である。好ましくは、有効な抗血栓量は、体重1kg当たり約5mgと25mgの間である。より好ましくは、有効な抗血栓量は、体重1kg当たり約10mgと15mgの間である。
血栓崩壊効果を調整する方法が哺乳動物の血栓の成長を阻害する方法である場合、有効量のApspCHClppsAは、インビボでの血小板凝集の阻害に有効なApspCHClppsAのその量(5−25mg/kg体重/日、より好ましくは10−15mg/kg体重/日の間)である。一般的には、インビボでの血小板の凝集阻害に有効な量は、約5mgと25mg/kg体重の間、より好ましくは、約10mgと15mg/kg体重の間、である。
血栓崩壊効果を調整する方法が哺乳動物の血栓形成を減少させる(例えば、インビボでの血小板凝集の阻害による)方法である場合、この目的を達成するに有効な量のApspCHClppsAは、インビボでの血小板の凝集を阻害し、多分、それによって哺乳動物での血栓形成を減少させる(例えば予防する)であろうApspCHClppsA量である。血栓崩壊効果を調整する方法が(血栓の存在するまたは存在しない)哺乳動物での血小板凝集を阻害する方法である場合、ApspCHClppsAの有効量は、インビボで血小板の凝集阻害に有効なApspCHClppsAとおおよそ同じ量である。
具体的例で上記目的を達成するために与えられる正確なApspCHClppsA量は、調合された特別な組成物、投与方法および患者の臨床的必要性に従って、変化するであろう。しかしながら、一般的には、ApspCHClppsAの投与量は、10μgから10mg/kg/日の範囲である。
上記のように、インビボでの血小板の凝集阻害に有効な投与量は、血栓症の阻害に有効な投与量(「有効な抗血栓量」)とおおよそ同じである。しかしながら、インビボでの血管内の血餅形成(血栓症)は、例えば、
1)血小板活性化、凝集および凝固システムの活性化(血栓生成)、次いで損傷した血管壁への血小板の粘着;
2)損傷した血管による組織凝固因子の放出(本質的でない凝固経路による血栓生成);
3)損傷した血管による組織プラスミノーゲン活性化因子の放出(プラスミン生成);
4)(正常な生理活性と関連する)抗トロンビン活性;ならびに
5)内皮下組織との血小板相互作用の強化および血流による放出血餅の切断;を含む、一連の病態生理学的出来事を含む複合プロセスの結果である。まとめると、これらの出来事は、結果として血栓症を発症させるが、これらの出来事の内のいくつかは血餅を形成させるが、その他の出来事は、血餅形成を阻害する。従って、好ましい実施態様では、ApspCHClppsAは、最も一般的に使用される抗トロンビン剤であるヘパリンのような抗トロンビン剤と組み合わせて投与される。
ApspCHClppsAは、薬剤として許容しうるキャリヤーと一緒に、単独でまたはその他の薬剤(例えば血栓崩壊剤)と組み合わせてのいずれかで、注射によって投与することができる。薬剤として許容しうるキャリヤーとは、ApspCHClppsAを溶解するまたは懸濁液の中にそれを保つそれら、および生理学的条件下と適合するそれらである。薬剤として許容しうるキャリヤーの例としては、塩化ナトリウムまたはグルコースのような、塩または非イオン性化合物の水溶液が挙げられる。他の薬剤もApspCHClppsAと共に溶液中に存在することができるが、そのようなさらなる成分は、インビボで血小板の凝集を阻害するApspCHClppsAの能力を妨害しないことが重要である。当業者らは、ApspCHClppsAに特定の薬剤として許容しうるキャリヤーを知っているか、または日常的実験で確かめることができるであろう。さらに、当業者らは、その他の薬剤がインビボで血小板の凝集を阻害するApspCHClppsAの能力を妨害することなく、ApspCHClppsAと共に溶液中に存在することができるか否かを知っているか、または日常的実験で確かめることができるであろう。血栓崩壊効果を調整する組成物は、これらに限定されるわけではないが、ヒト、家畜および農場動物を含む任意の哺乳動物の治療に有用である。
本発明の特に好ましい実施態様に従って、哺乳動物での血栓崩壊効果の調整方法は、哺乳動物の血栓溶解を容易にすること、またはその拡張を防ぐことを含む。好ましくは、血栓溶解方法には、抗血栓に有効な量のApspCHClppsAを血栓崩壊に有効な量の血栓溶解剤と共に、哺乳動物に投与することが含まれる。本明細書中で用いられる「血栓崩壊剤」とは、血栓を砕くまたは溶解する薬剤とさす。血栓とは、血液の構成成分から形成される心臓血管システム内の血餅をさし;管腔を完全に妨害することなく血管または心臓壁を閉塞させるまたはこれに付着することができる。従って、血栓崩壊に有効な血栓崩壊剤の量は、インビボで血餅を溶解するであろうその量である。当業者らは、有効な抗血栓量のApspCHClppsAならびに血栓崩壊に有効な血栓崩壊剤の量を、知っているか、または日常的実験で確かめることができるであろう。特に好ましい実施態様では、血栓崩壊剤は、組織プラスミノーゲン活性化剤であるストレプトキナーゼおよびウロキナーゼからなる群より選択される。
ApspCHClppsAは、哺乳動物受容個体に血栓崩壊剤と共に投与することができる。本発明の目的では、「共に投与する」(”coadministerting”)とは、(1)ApspCHClppsAと血栓崩壊剤の同時投与、および(2)血栓崩壊剤投与の少し前または後のApspCHClppsA投与、を含む。この方式でのApspCHClppsAの投与は、結果として血栓崩壊剤の作用に応じて血餅から遊離する血小板の再凝集を分散および/または予防する。ApspCHClppsAは、血栓形成の非常に早い段階で作用するので、ApspCHClppsAは、上記のような一つまたはそれより多い血餅溶解剤と組み合わせた場合に、特に有用である。
本発明のさらなるその他の実施態様では、血栓崩壊効果の調整方法は、哺乳動物に存在する血栓の成長を阻害することを含む。この実施態様では、投与されるApspCHClppsAの有効量は、インビボで血小板の凝集阻害に有効な量(「有効な抗血栓量」)である。出願者らは、本発明を特定のメカニズムに限定するつもりはないが、血栓の成長阻害は、存在する血栓の周辺でのさらなる血小板の凝集を予防することによって成し遂げられると考えられる。
本発明のさらなるその他の実施態様では、血栓崩壊効果の調整方法とは、哺乳動物の血栓形成を減少させることを含む。ApspCHClppsAの投与は、インビボでの血小板の凝集を予防することによって、哺乳動物の血栓形成を阻害すると考えられる。従って、哺乳動物の血栓形成の減少(例えば予防)に有効なApspCHClppsAの量は、インビボでの血小板凝集の阻害に有効な量である。このように、ApspCHClppsAは、冠状動脈および大脳の血管の血栓形成の予防に特に有用である。さらに、血栓は、動脈システム内に主に起こるため、ApspCHClppsAの好ましい用途は、心臓および脳内に危険性の高い動脈血栓を持つ患者の治療である。さらに、ApspCHClppsAは、動静脈シャントでの血栓症を予防する目的で、患者を人口腎臓機と結びつける血液透析に有用である。さらに、ApspCHClppsAは、血小板凝集阻害に十分な量で存在する場合に、心筋梗塞および/または発作の再発を予防する目的の二次予防剤として有用であると、考えられる。このように、一般的には、予防的適用としてのApspCHClppsAの有効量は、以前から存在している血栓部位でのインビボの血小板凝集の予防に有効な上記の量と同じ量である。
上記の血栓崩壊の出来事を調整するApspCHClppsAの有用性は、インビボでの天然発生のAP4A分子の確立された有用性によって支持される。例えば、AP4Aは、哺乳動物に投与される場合に、ADPの誘導する血小板凝集を著しく阻害することが示されている。凝集の前またはその間に加えると、外因性のAP4Aは、外因性AP4Aの投与量と直接関係を持つ阻害の大きさで、凝集した血小板を急速に分散させる原因となる。血小板栓子は動脈血栓の大部分を形成するので、血栓症を予防するための好ましい治療戦略は、インビボで血小板の互いの粘着を妨害するための哺乳動物へのApspCHClppsAの上記投与と一致する。このように、インビボで血栓崩壊の出来事を調整するApspCHClppsAの有用性は、天然発生の親分子であるAP4Aおよびその類似体AppCHClppAが哺乳動物に臨床投与された場合に血栓形成を阻害するという科学的確信に基づいている。
驚くべきことに、好都合にも、ApspCHClppsAは、天然発生のAP4Aまたは前記のAP4A類似体のそれらと比較して、血小板凝集を阻害する性質の増加を示す。これらの性質は、予想外であり、天然発生のAP4A分子の類似体との構造的類似性からは予想できなかった。既知のAP4A類似体と比較したApspCHClppsAの阻害活性の有意な差異は、添付の実施例で具体的に説明しているが、如何なる場合も制限として受け取られるべきものではない。
実施例
以下に提供されない限り、実験方法は、合衆国特許第5,049,550号(Zamecnik’500)に提供された方法に従って行われ、その内容全体をここに参照として採用する。いくらかの方法の変更(例えば、遊離反応およびPF3アッセイ)および数多くの追加研究(例えば、細胞質のカルシウム移動性、フィブリノーゲン結合部位、ADP以外のアゴニスト、血小板cAMPおよび血液成分中へのCHCl−AP4Aの分配)もまた提供される。少なくとも10日間、抗血小板剤を差し控えた健康なボランティアから、血液を、0.1容量の3.8%クエン酸ナトリウム中に収集した。血小板に富む血漿(platelet rich plasma)(PRP)を、勾配遠心分離によって分離し、血漿1mあたり3.3x108血小板になるように調整した。実施例中には、記載されない限り、PRPを用いた。
この書類を通して、P1,P4−ジチオ P2,P3−モノクロロメチレン 5’,5”’−ジアデノシン P1,P4−テトラホスフェートは、代わりに、「チオ−CHCl−AP4A」または「ApspCHClppsA」とも呼ばれる。
実施例1.Ap s pCHClpp s Aの合成
ApspCHClppsAの合成は、英国シェフィールド大学、M.Blackburn教授の研究室(the laboratory of Professor M.Blackburn,University of Sheffield,England)で成し遂げられ、2つの段階を含んでいた。最初に、ジフェニルホスホクロリデートでのアデノシン5’−チオモノホスフェートの活性化を通して、(pα)−ビスチオ−類似体を製造し、次いで、アデノシン5’−チオモノホスフェートをモノクロロメチレンビスホスフェートと縮合した(Blackburn,G.M.ら、Nucl.Acids Res.,15,6991−7004、1987)。また、「AP4Aおよびその他のジヌクレオシドポリホスフェート」(AP4A and Other Dinucleoside Polyphosphates)、A.McLennan編、CRC Press Inc.、1992、第11章「ジヌクレオシドポリホスフェートの合成構造類似体」(”Synthetic Structural Analogues of Dinucleoside Polyphosphates”)、G.M.Blackburnら、も参照のこと。DEAEセファロースクロマトグラフィー後の生成物は、31P NMRで純度90%であった。逆層HPLCを用いた分析的精製では、純度99%の物質が提供され、4つの立体異性体、例えば、ApspCHClppsA、ApspCHClppa、AppCHClppsAおよびAppCHClppA、が分析された。立体異性体のさらなる精製は行われなかった。
実施例2.Ap s CHClpp s Aの特徴
結果
I.ADP−誘導血小板凝集へのチオ−CHCl−AP 4 Aの阻害能力:
ADPによって誘導される血小板凝集への様々な薬剤(例えば、対照薬剤としてチオ−CHCl−AP4AおよびCHCL−AP4Aを含む)の阻害効果について、最初のスクリーニングを行った。血小板の凝集は、血小板凝集計(Chronol−log,Model 530 VS)を用いたBornの比濁法(J.Physiol.,162,67、1962)によって、血小板に富む血漿(PRP)を用いて測定された。5μMの薬剤の不在または存在下で5μMのADPによって誘導された血小板の凝集を、試験した。以前に説明した方法(P.Zamecnikら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,2370−2372、1992)に従って、投与量依存阻害アッセイを行うことによって、それぞれの薬剤のIC50値を概算することに、研究を広げた。結果を表1に示す。CHCl−AP4A(対照薬剤)のIC50の値は、以前に報告された値(P.Zamecnikら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,2370−2373、1992)と一致した。チオ−CHCl−AP4Aの値が、試験した薬剤の中では最も低く(0.81μM)、最も高い阻害能力を示した。チオ−CHCl−AP4Aのアデノシン分子の両方をでオキシアデノシンで置換した(チオ−CHCl−dAP4dA)場合、阻害能力が有意に減少した(9.22μM)。同様に、デオキシアデノシンで非チオホスホネート化合物を置換する(CHCl−dAP4dA)と、その結果、阻害効果が完全に失われた(>100μM)。チオ−CHCl−AP4Aの阻害速度論的研究は、CHCl−AP4Aについて前記した方法(P.Zamecnikら、PNAS.USA,89,2370−2373、1992)に従って、行われた。チオ−CHCl−AP4Aの阻害定数(Ki)の値は、0.33μMであり、対照薬剤であるCHCl−AP4Aの阻害定数(1.1μM)より高い能力を持つが、同じ性質を持つ競合阻害を示した。
Figure 0004212114
II.凝集以外の血小板応答へのチオ−CHCl−AP 4 AおよびCHCl−AP 4 Aの影響
アゴニストへの血小板応答とは、凝集に加え、a)遊離反応、b)フィブリノーゲンレセプター部位(GPIIb/IIIa)および血小板因子3の活性化、を含む。これらの応答のそれぞれについて、チオ−CHCl−AP4Aおよび対照薬剤(CHCl−AP4A、Zamecnik’550の化合物E10)の効果を試験した。
a)血小板遊離反応:血小板凝集ならびに遊離反応を誘導するADPおよびコラーゲンの両方へのチオ−CHCl−AP4Aおよび対照薬剤の効果を、光凝集計(lumiaggregometer)で試験した。正常なヒトPRPを、クエン酸ナトリウム抗凝固化(0.38%)血液から分離した。血小板凝集および遊離反応は、5μMのADPまたは1μgのコラーゲン/mlで誘導された。a)薬剤不在下(対照);および様々な濃度のチオ−CHCl−AP4AまたはCHCl−AP4A存在下で、血小板凝集およびATPのルシフェラーゼ反応の両方を、同時にアッセイするために、光凝集計を装備した。アゴニストによって活性化された血小板から遊離したATP測定量は、遊離反応を表す。ルシフェリン−ルシフェラーゼ反応によって生成した発光は、遊離したATP量に関して直線であった。
結果を表2に示す。遊離反応への阻害効果としてのIC50値は、一般的に、凝集のそれより低く、このことは、遊離反応への薬剤(チオ−CHCl−AP4AおよびCHCl−AP4A)の阻害効果が、凝集反応へのこれら薬剤の阻害効果以上に有意であることを示している。コラーゲンの誘導する凝集は、CHCl−AP4Aによって阻害されなかったが、遊離反応は、CHCl−AP4Aによって阻害された。
Figure 0004212114
b)血小板上のフィブリノーゲン結合部位(Fibrinogen Binding Sites)(GP−IIb/IIIa);フィブリノーゲンの血小板表面レセプターは、活性化によって増加することが知られている。活性化された血小板のフィブリノーゲン結合部位へのチオ−CHCl−AP4AおよびCHCl−AP4Aの影響を、蛍光イソチオシアネート複合抗フィブリノーゲン抗体(Fluorescein isothiocyanate conjugated antifibrinogen antibody)(FITC−抗−fgn)技術によって、フローサイトメーター(FACS、Becton−Dickinson)でアッセイした。PRPを1:20に最終希釈して用いた。血小板を、薬剤存在下または非存在下、ADPによって22℃で5分間活性化した。活性化された血小板をFITC−抗−Fgnと共に22℃で10分間インキュベーションの後、0.5mlの0.2%ホルミル塩類溶液(0.2%ホルムアルデヒド/0.9%NaCl)を加え、さらに活性化を阻害した。サンプルは、a)5μM ADPで刺激していない;b)刺激した;c)ADPで刺激する前に、5分間、薬剤(CHCl−AP4Aまたはチオ−CHCl−AP4A)に晒した:血小板を含む。ADPで活性化された血小板に結合したフィブリノーゲンは、対照試薬CHCl−AP4Aでの阻害と比較して、チオ−CHCl−AP4Aによって優先に阻害された。
Figure 0004212114
c)血小板因子3(Platelet Factor 3)(PF3)活性化;血小板のPF3活性を、ADP刺激によって強化し、Stypven血餅化時間(clotting time)(P.Zamecnikら、PNSA.USA,89,2370−2373、1992)によって測定した。表4は、ADP−刺激PF3活性への薬剤の影響の結果について要約した。データは、2回の実験の平均を示している。新しい正常なヒトの血小板を多く含む血漿(3x108血小板/ml)を、薬剤(10μM)存在下または非存在下、37℃で5分間、プレインキュベートし、次いで10μM ADPによって刺激された血小板のPF3活性について試験した。チオ−CHCl−AP4Aの阻害効果は、非チオの対照薬剤(CHCl−AP4A)のそれより有意に大きかった。
Figure 0004212114
III.ADP−誘導血小板活性化の調節因子へのチオ−CHCl−AP 4 AおよびCHCl−AP 4 Aの影響
血小板活性化のプロセスでの3つの調節因子;a)細胞質カルシウムイオン移動性;b)細胞内cAMPレベルの変化;およびc)アラキドン酸代謝活性:が知られている。これら因子の最初2つについて、薬剤(チオ−CHCl−AP4AおよびCHCl−AP4A)を試験した結果を以下に記載する。
a)細胞質カルシウムイオン(Ca++)移動性:血小板内の細胞質Ca++の増加は、活性化状態を示している。Indo−1アセトメチルエステル(Indo−1)は、細胞内の遊離Ca++を検出するための試薬として一般に用いられている。Inco−1は、Ca++と反応して、二波長(408/485)フローサイトメーター(Coulter EPIC Systems)でモニターすることのできる蛍光を生成する。血小板を、Indo−1と共に37℃で45分間、インキュベートした。培地中の過剰のIndo−1は、ゲルろ過法で除去された。次いで、Indo−1負荷血小板を、チオ−CHCl−A4A(3.3μM)、またはCHCl−AP4A(6.7μM)の非存在下あるいは存在下で、6.7μM ADPによって活性化した。血小板の蛍光強度をモニターし、血小板数に対してプロットした。プロットから作成したヒストグラムを分析した。刺激しなかった血小板では、ピーク133で42と250の間に蛍光強度(FI)を記録した(基準線対照)。2μMのA23187(カルシウムイオノホア)で処理された血小板は、正の制御を示す右への明らかなシフトを示した(ピーク530で150と1,000の間にFI)。ADP−活性化血小板は、右への穏やかなシフトを示す(ピーク158で67および300の間にFI)。Ca++移動性へのADP活性化の影響は、カルシウムイオノホアのそれと比較して比較的温和であるが、チオ−CHCl−AP4AまたはCHCl−AP4Aのいずれかの存在下では完全にブロックされる、例えば、阻害剤存在下でのADP−活性化血小板は、刺激されなかった血小板で得られたそれと同じパターンを示した。
b)細胞内cAMPのレベル:血小板凝集へのcAMPの阻害効果は、カルシウムイオン移動性の反作用として知られている。従って、メカニズムを仲介するcAMPに関して試薬の阻害効果を試験した。PRPを、塩類溶液(対照)、薬剤(20μMおよび100μM)またはホルスコリン(forskolin)(10μM)と共に、37℃で5分間、インキュベートした。インキュベーションの後、Ba(OH)2およびZnSO4を用いて抽出を行った。抽出物中のサイクリックAMPをエテノ−cAMP誘導体に転化し、蛍光検出器を用いて、そのレベルをHPLCによって評価した(W.Wojcikら、J.Cyclic Nucleotide Res.,7,27−35、1981)。未知の抽出物中のcAMPレベルを、標準グラフからの外挿によって定量した。抽出されたサンプル内のcAMPレベルと蛍光検出との間には直線関係が得られた。表5は、血小板cAMPレベルへの薬剤の影響の結果について示している。チオ−CHCl−AP4AおよびCHCl−AP4Aは両方とも、20μMではcAMPレベルへの影響を示さなかったが、より高い濃度(100μM)では血小板内のcAMPレベルの温和な増加を示した。しかしながら、この増加は特異的影響ではないらしい。試験したAP4A薬剤内にアデノシンの混入は検出されなかったが。細胞内アデノシンヌクレオチド代謝生成物または試験した薬剤内の混入アデノシンのいずれかがcAMPレベルの上昇の原因であるかも知れない。アデニレートシクラーゼの強力な刺激剤である10μMのホルスコリンによって血小板内cAMPが明らかに増加することが、正の対照として示された。これらの結果から、ADPによる血小板活性化への薬剤の阻害効果はcAMP仲介メカニズムによらないであろうと考えられる。
Figure 0004212114
IV.ADP以外のアゴニストによって誘導される血小板凝集へのチオ−CHCl−AP 4 AおよびCHCl−AP 4 Aの影響
遊離反応は、血小板活性化に伴うユニークな応答であると考えられる。様々な血小板構成成分の内、ADPは、活性化の強化に重要な役割を演じていると考えられる。われわれは、アラキドン酸、コラーゲン、エピネフリン、トロンビンおよびリストセチンを含むその他のアゴニストによって誘導される血小板凝集中に放出されるADPの役割について、試験した。与えられた濃度のアゴニストによって誘導される血小板凝集能は、薬剤不在下でおおよそ60−80%であった。CHCl−AP4Aおよびチオ−CHCl−AP4Aの濃度を変えて投与量依存性阻害研究を行うことによって、IC50値を評価した。チオ−CHCl−AP4AもCHCl−AP4Aも両方とも、トロンビンおよびリストセチン−誘導血小板凝集に影響しなかった。その他の3種類のアゴニストに対しての阻害能力の値(IC50)を表6に示している。コラーゲン誘導凝集は、CHCl−AP4Aによっては影響を受けないと考えられるが、チオ−CHCl−AP4Aについては、検出可能な阻害効果が示された。これらの結果から、アラキドン酸、コラーゲン、エピネフリンによって誘導された血小板凝集能の少なくとも50%は、最初の血小板活性化から放出されたADPに依存していると考えられる。この発見は、遊離反応への薬剤の阻害効果についての上記の知見を支持している。
Figure 0004212114
V.前もってチオ−CHCl−AP 4 AおよびCHCl−AP 4 Aに晒した血小板の凝集能
血小板は、血小板表面上にADPに特異的な結合部位、プリノセプター(P2T)を持つ。われわれは、AP4A類似体の阻害メカニズムが血小板プリノセプターに結合するADPとの競合を含むと、考えている。結合剤の安定効果および阻害効果を試験するために、ACD溶液で抗凝集化された血小板を多く含む血漿を、25μMのチオ−CHCl−AP4Aまたは50μMのCHCl−AP4Aと共に、22℃で30分間、プレインキュベートした。ゲル−カラムろ過(2x108細胞/ml)または遠心分離(3x108細胞/ml)によって単離された血小板を、阻害剤を含まない血漿内に再懸濁し、ADP−誘導凝集能を測定した。値は、ゲルろ過分離のシリーズでは3回の実験の平均を、遠心分離による分離では2回の実験の平均を示している。表7に結果を示している。チオ−CHCl−AP4Aに晒した血小板は、ADPに晒したことに伴い、凝集能力の中程度の阻害を示す(22−33%)が、これに対して、CHCl−AP4Aに晒した血小板は、わずかな阻害効果を示す(8%)のみであった。結果から、血小板と結合するAP4A類似体の阻害活性は可逆である、と考えられる。
Figure 0004212114
VI.ADP−誘導凝集へのチオ−CHCl−AP 4 AおよびCHCl−AP 4 Aの時間依存性能力
機能アッセイによって薬剤の安定性を観察するために、PRPを、2.5μMのチオ−CHCl−AP4Aまたは5μMのCHCl−AP4Aと共に、37℃で3時間、インキュベートした。この実験に用いられた阻害剤の濃度は、比較的低く、特にチオ化合物については低かった。示した時間に採取したサンプルを、ADP−誘導(10μM)凝集について試験した。結果を表8に示す。チオ−CHCl−AP4Aの阻害効果は、最大で3時間、良好に残存するが、これに対して、CHCl−AP4Aの効果は、インキュベーション時間を延長すると徐々に減少した。結果から、CHCl−AP4Aは、37℃Cでは60分より多くPRP中に保つと不安定になるが、チオ−CHCl−AP4Aは、少なくとも3時間の期間、非常に安定であると考えられる。チオ−CHCl−AP4Aの同様の安定性は、全血液のインキュベーションでも認められた。
Figure 0004212114
VII.チオ−CHCl−AP 4 AおよびCHCl−AP 4 Aの熱安定性
両薬剤を沸騰温度に加熱した。サンプルを5、15および30分に採取した。血小板凝集能への阻害効果およびHPLCによってアッセイした薬剤の物理的保全は、変化を示さず、このことから、両薬剤は最大で30分間の熱処理に耐性であると考えられる。
VIII.全血液中でのチオ−CHCl−AP 4 AおよびAP 4 Aの安定性
薬剤の分子安定性を試験するために、血液を、それぞれの薬剤と共に、37℃で4時間、インキュベートした。指示されたインキュベーション時間でのサンプリングを抽出し、CHCl−AP4Aまたはチオ−CHCl−AP4Aを、4級アミンアニオン交換カラム(Whatman Partisil 10)のHPLC(Waters 600Eポンプおよびコントローラー)でアッセイし、分析した(Beckman System Gold)。CHCl−AP4Aおよびチオ−CHCl−AP4Aの保持時間は、それぞれ3.39および5.95であった。ピーク領域を積分し、これを用いて、以下の濃度範囲(1、2、4、6、8および10μM)の標準曲線を構築した。CHCl−AP4Aおよびチオ−CHCl−AP4Aは両方とも、HPLCでの単一ピークによって、および薬剤濃度とHPLCピーク領域の間の直線関係によって示されるように、純粋であった。0.38%のクエン酸ナトリウムで抗凝集化した正常なヒトの血液を、250μMのCHCl−AP4Aまたはチオ−CHCl−AP4Aの存在下、37℃で4時間、インキュベートした。血液サンプルを3%の過塩素酸で抽出し、K2CO3で中和した。抽出物は、HPLCを用いてアッセイするまで、−80℃に保持つ。血液抽出の結果を表9に示す。表9の値は、2回の実験の平均を示しており、nmol/ml血液で表している。我々は、CHCl−AP4Aまたはチオ−CHCl−AP4Aについて、血液抽出物から2つのピーク(主要および第二)を同定した。全体の抽出効率は、CHCl−AP4A、60分で110%を示し、チオ−CHCl−AP4A、120分では85%を示す。CHCl−AP4Aの抽出効率での明らかに高い値は、血液生まれのアデノシン化合物(アデノシンおよびAMPの可能がある)が主なピークを構築するであろうことを、示唆している。CHCl−AP4A主要ピークの概算量は、4時間インキュベーションの後、30%の減少を示す緩やかな分解を示した。少なくとも80%の分解生成物、多分クロロメチレンモノアデノシントリホスフェート(AppCp)は、第二のピーク(XI)と関連する。チオ−CHCl−AP4Aの抽出効率は、時間0では比較的乏しかった(69%)が、改善が示され(81−85%)、60分後にはサンプル間で互いに接近してきた。データから、チオ誘導体は、一般的に、血液中、37℃で少なくとも4時間は非常に安定であると、考えられる。チオ−CHCl−AP4Aと共に抽出した血液の第二のピークは、異性体(X2)、例えば、モノチオ化合物(ApspCppAまたはAppCppsA)である可能性がある。それは、純粋化合物のHPLCによっては検出されず、時間0では血液抽出物中の小部分(<10%)を示し、その後は主要ピークの約20%を示した。
Figure 0004212114
IX.異なる血液細胞フラクション内の 125 I−標識CHCl−AP 4 Aの分布
血小板は、ADPおよびATPの特異的部位であるP2Tプリノセプターを持つ(R.G.Humphriesら、J.Cyclic Nucleotide Res.,7,27−35、1981)。しかしながら、その他の細胞型には、様々なプリノセプターがある全血液を薬剤で処理する場合、AP4A類似体は、血小板にのみ結合するのではなく赤血球および白血球にも結合できる。我々は、3つの細胞画分のすべてがCHCl−AP4Aと本当に結びつくことを確認した。我々の研究では、ヒト血液を、微量の125I−CHCl−AP4A(比活性〜35μCi/μMol、David Elmalch,Radiology Department,Massacyusetts General Hospital,Boston,MAよりの贈り物)を含む23μMのCHCl−AP4Aと共に、22℃で30分間、インキュベートした。血小板を勾配遠心分離によって分離し、バフィーコート(白血球)でパックした赤血球を混合し、ヒストパック勾配分離の手段によって分画した(A.Boyum,Sc and J.Clin.Lab.Invest.,21、増補97版、77、1968)。細胞画分を二度洗浄し、最終懸濁液の細胞数および放射活性を計測した。%分布は、全血液のCBCデータを基にして、計算された。結果(2回の定量の平均)を表10に示す。結合部位を細胞当たりの値で表す。
Figure 0004212114
3つの細胞画分のすべてが放射能活性と関連し、このことはCHCl−AP4Aが複数の血液細胞型と結合することを示している。細胞型と分布データの間の比較から、細胞当たりの結合部位の全体評価を計算することができる。血小板は、赤血球と比較して細胞当たりより高い(一桁)結合部位を持つと考えられるが、血小板の大きさは、赤血球のそれの1/10より小さい。他方、細胞当たりの結合部位は、血小板で認められるそれと比較して白血球では2桁高かった。結果から、細胞の表面領域当たりのCHCl−AP4Aの結合部位は、白血球、血小板および赤血球上、それぞれ103、102および1の相対値で表されると、考えられる。
実施例3:チオ−CHCl−AP 4 Aのさらなる特徴
1.薬物動態学および薬力学
一般的プロトコール
前に報告されたウサギ(S.Louieら、Thromb.Res.,49,557−565、1988;B.K.Kimら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,11056−11058、1992)と同一のウサギモデルを、この実施例に用いた。当業者らは、このウサギモデルがヒト内での試験薬剤の影響を予想し、ヒトへの投与薬剤の投与量の範囲を選択するのに有用であると考える。外科技術の些細な違いによる癖の可能性を避けるために、同一の技術者が全ての動物実験を行い、ウサギはランダムに実験グループまたは対照グループに割り当てた。
雄のニュージーランド白色ウサギ(体重2−2.5kg)に、耳周辺静脈を通して、ボーラスまたは2時間連続的に、指示された投与量のチオ−CHCl−AP4Aを注入する。血液を、薬剤注入後の指示された時間に、1/10容量の3.8%クエン酸ナトリウム内に、耳の動脈からサンプリングする。血液サンプリング後すぐ、微小血管出血時間を測定する(Mielke,C.H.,Thromb.Haemostasis,52,210−211、1984)。薬剤をHPLCでアッセイするために、血液のアリコートを過塩素酸で抽出する。ADPによる全血液血小板凝集を、全ての血液サンプルについてアッセイする。結果から、有効投与量ならびに有効時間の予備情報が提供される。
連続注入またはボーラス注入での予備試験の後、標準的チオ−CHCl−AP4A注入プロトコールを以下のように確定する。3種類の異なる投与量、0.5x、1xおよび2xの投与量で、具体的プロトコールで指示された時間に、ウサギの頸動脈内カニューレ血栓症モデルでのそれらの抗血栓効果を試験する(S.Louieら、Thromb.Res.,49,557−565、1988;B.K.Kimら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,11056−11058、1992)。チオ−CHCl−AP4Aの投与量を、10mlの正常な塩類溶液内に再形成し、一定速度のポンプによって、またはボーラス注入によって、注入する。対照のウサギには、10mlの塩類溶液のみを注入する。麻酔をかけたウサギに、血管鉗子を用いることによって、頸動脈セグメントを分離する。カニューレを挿入し、血流を15分間再確立する。注入完了時、またはボーラス注入の1時間後に、頸動脈内の挿入チューブを取り除き、その内容物をペトリ皿内に追い出した。血餅または液体の血液内容物の存在が認められる。異なるグループの頸動脈内カニューレ内の血餅形成の発生を、Chi−Square試験によって比較する。
血液チオ−CHCl−AP 4 Aのアッセイ
血液サンプルを、チオ−CHCl−AP4Aの注入前および後(0、10、20、40、60および120分)に、反対側の頸動脈または耳の動脈から収集する。血液を、1/10容量の酸−クエン酸−デキストロース溶液と共に混合することによって、抗凝集化する。血液サンプルを過塩素酸で抽出し、遠心分離し、そして酸可溶性画分を5MのK2CO3で中和する(S.Louieら、Thromb.Res、,49,557−565、1988)。HPLCによるヌクレオチドのアッセイを行うまで、サンプルを−80℃に保つ。
血小板凝集の研究
実施例1記載の方法に従って、血小板凝集を測定するために、記録計を装備した時間対数(Chrono−log)全血液血小板凝集計(Model530VS)を用いる。
微小血管出血時間の研究
Simplateの出血時間装置を用いる(Organon Teknika)。耳背面表面をそった後、大脈管構造を避けるために、照明器下で部位を注意深く選択する。出血時間を、自由な流れのもと、無圧下で、測定する。非対合t−テストを用いて、異なるグループ内の出血時間の延長について比較した。
頸動脈カニューレ血栓症モデル
ウサギを、塩酸ケタミン(100mg/kg筋肉内)で麻酔する。左頸動脈のセグメントを血管鉗子によって分離する。1cm長のポリエチレンチューブ(1mm内径、医療用ポリエチレンチューブPE−90、Clay Adams,Parsippany,NY)を挿入し、縫い合わせ用絹糸で縛り、鉗子を取り除くことによって血流を再確立した。
具体的プロトコール
a)投与量および時間に依存する血小板凝集への影響
一連の4種類の投与量および時間間隔について、ADP−誘導血小板凝集への阻害効果を、研究する。おおよそ2.5kgのウサギに、5、10、20、40および100mg/kgの薬剤を、単一のボーラス投与量で静脈内注入する。血液サンプルを、注入前、ならびに注入後30分、2時間、6時間、24時間および(必要であれば)48時間に集める。血液サンプリング後すぐに、微小血管出血時間を測定する。ADPによる全血液血小板凝集を、全血液サンプルについてアッセイする(B.K.Kimら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,11056−11058、1992)。
結果から、有効投与量ならびに有効な時間間隔が示される。好ましくは、6匹のウサギを個々の投与量の研究に用い、必要なウサギ数は全体で24匹である。
b)抗血栓効果
前述の研究を基にして、3種類の異なる投与量、0.5X、1xおよび2xの有効投与量(ED)(effective dose)について、ウサギの頸動脈内カニューレ血栓症モデル(S.Louieら、Thromb.Res.,49,557−565、1988;B.K.Kimら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,11056−11058、1992)で、薬剤注入後の有効時間(ET)(effective time)x1、x2、x4に、それらの抗血栓効果を試験する。好ましくは、15匹のウサギを個々の投与量の研究に用い、必要なウサギ数は全体で150匹である。
c)二重盲検効果研究
有効投与量を前述の研究をもとに選択し、上節に記載したプロトコールと同一のプロトコールを用いて二重盲検研究行った。ランダムにID#を付けたウサギに、薬剤を含まないかまたは有効な投与量の薬剤を含む塩類溶液を、研究が完了するまで研究者に開示しないで、注入する。
好ましくは、(薬剤を含むまたは含まない)それぞれのグループ当たり15匹のウサギを用い、必要なウサギ数は全体で30匹である。2つのグループの頸動脈内カニューレ内の血餅形成をChi−Square試験によって比較する。
d)薬剤の生分解およびクリアランス時間の研究
チオ−CHCl−AP4Aを、Davic Elmalch博士(Radiology Department,Massachusetts General Hospital,Boston,MA)によって、またはコマーシャルラベリングサービスによって、125Iで標識した。[125I]−チオ−CHCl−AP4Aの生分解を、2グループのウサギ(1グループ当たり3匹)で研究する。0.2ml塩類溶液中の2−5μCiの薬剤をウサギの片方の耳の静脈に静脈内注射する。血液サンプルを、注入後5、10、20、40および90分にもう一方の耳の動脈から採取し、次いで、ペントバルビタール(150mg/kg)で動物を屠殺する。主要器官、例えば、血液、腎臓、肝臓、肺、脾臓、脳、甲状腺、筋肉および骨、ならびに膀胱から吸引した尿、を集め、重量を測定する。組織または器官をより小さい片に切断し、重量を測定し、シンチレーションバイアルに入れ、125Iについてアッセイする。器官当たりの注入された投与量(%)を計算する。
e)投与方法、経路および頻度
ホスホジエステル型のAP4A類似体は、外側の細胞膜を通過しない(ZamecnikおよびM.L.Stephenson、H.M.Kalckarら編、Alfred Benzon Symposium,I,276−291,Munksgaard,Copenhagen、1968)。しかしながら、最近の研究では、オリゴデオキシヌクレオチドのチオ化は、一般的にそれらの抗ウイルス効果を強める(Leiter,L.M.E.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,3430−3434、1990;Agrawal,S.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,7079−7083,1988;Zamecnik,P.C.ら、AIDS Res.Reviews、第1巻、Koff,W.C.ら編、Marcel Dekker,Inc.,NY,301−313、1991;Matsukura,M.,Antisense Res.and Applications,Crooke,S.T.ら編、CRC Press,NY505−520、1993)。このことから、チオ−CHCl−AP4Aは摂取による投与が適当である可能性を我々に示唆した。
麻酔したウサギで胃カテーテルを通して投与した後の薬剤の血液レベルを測定する。麻酔後、胃カテーテルを口から挿入し、所望の薬剤投与量を投与する。薬剤投与後、血液サンプルを10、30、60、120、240および360分に採取する。全血液の血小板凝集について、血液サンプルをモニターする(Cardinal.D.C.およびFlower,R.J.,J.Pharmacol.Method,3,135−158、1980)。薬剤を抽出し、血液内でのそのレベルをHPLCによって測定する。望ましい頻度で服用を繰り返して、哺乳動物に投与して、抗血小板活性に有効な薬剤の血液レベルを維持する。
好ましくは、6匹のウサギをこの研究に用いる。この実験から得られた結果を用いて、経口経路での投与に関するパラメーターをより明らかにする。
2.薬剤の毒性および安全性
標準的方法による上記の薬理研究を成功裡に完了した後、動物毒性研究を行った。好ましくは、毒性研究のために、2種類の動物種、ウサギおよびブタ、を選択した。これらから、毒物学研究のための動物の種を確定し、適当な法定代理機関(regulatory agency)にそのような研究を行って頂いた。動物毒物学研究は、標準的方法に従って、GLP施設(TSI Mason Laboratories/Genzyme Corp.,Worcester,MA)で行った。典型的には、急性毒性の研究には、2つの部分:(1)許容投与量の範囲を確定するための範囲決定の研究、および(2)最大許容投与量を確定するための急性毒性の研究:が含まれる。急性毒性の研究に次いで、(期待された毒性レベルを含む)何種類かの投与量レベルを動物に繰り返し投与することによって、動物の機能的および/または形態学的変化を誘導する慢性毒性研究を行う。慢性毒性試験を行い、不利な副作用が起こることを期待できる、標的器官を同定する。研究の期間中、動物には、身体的外観および臨床行為、体重増加ならびに食物および水分消費量に変化が認められる。実行可能な、眼科試験、心臓血管およびその他の物理的パラメーターを測定またはモニターする;すべての主要な器官および組織を組織病理学的に試験する。
薬剤の急性毒性試験は、一般的に、その毒性能力を評価する第1段階を構成する。急性毒性試験の目的は、逆作用、可能であれば、比較的高い投与量で一回のみ投与した場合の薬剤による死亡率を明らかにすることである。存在するならば、一回またはそれより多い投与量のレベルで生まれる毒性の明白なサインに注目し、一度より多くの投与量レベルで死に至るならば、半致死量を概算する。
本明細書中で確認される特許、特許公報、参考文献およびその他の書類のそれぞれは、その全体をここに参照として採用する。
前記の記述およびそれに続く実施例は、単にある好ましい実施態様の詳細な記載であることを理解されたい。それ故、当業者らには、様々な修飾および対応物もまた、本発明の精神または範囲から離れることなく行うことができることは明らかである。

Claims (9)

  1. 1,P4−ジチオ−P2,P3−モノクロロメチレン5;5”’ジアデノシンP1,P4−テトラホスフェート:を含む組成物。
  2. 1,P4−ジチオ−P2,P3−モノクロロメチレン5;5”’ジアデノシンP1,P4−テトラホスフェートが有効な抗血栓量で存在し、さらに、薬剤として許容しうるキャリヤーを含む、請求項1記載の組成物。
  3. 有効な抗血栓量が1mgおよび25mg/kg体重/日の間である、請求項1記載の組成物。
  4. さらに、少なくとも一つの血栓崩壊量の血栓崩壊剤を含む、請求項2記載の組成物。
  5. 血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲン活性化剤であるストレプトキナーゼおよびウロキナーゼからなる群より選択される、請求項4記載の組成物。
  6. さらに、少なくとも一つの血栓崩壊量の血栓崩壊剤を含む、請求項3記載の組成物。
  7. 血栓崩壊剤が組織プラスミノーゲン活性化剤であるストレプトキナーゼおよびウロキナーゼからなる群より選択される、請求項6記載の組成物。
  8. 1,P4−ジチオ−P2,P3−モノクロロメチレン5;5”’ジアデノシンP1,P4−テトラホスフェートおよび薬剤として許容しうるキャリヤーを含む、薬剤組成物。
  9. 哺乳動物に投与するための一回の投与量を含むように組成物を調合する、請求項記載の組成物。
JP53923597A 1996-05-02 1997-05-01 抗血栓剤としてのp1,p4―ジチオ―p2―p3―モノクロロメチレン5’,5’’’―ジアデノシン p1,p4―テトラホスフェート Expired - Fee Related JP4212114B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/643,029 US5681823A (en) 1996-05-02 1996-05-02 P1, P4 -dithio-P2 -P3 -monochloromethylene 5', 5'"-diadenosine P1, P4 -tetraphosphate as antithrombotic agent
US08/643,029 1996-05-02
PCT/US1997/007377 WO1997040840A1 (en) 1996-05-02 1997-05-01 P1, p4-dithio-p2,p3-monochloromethylene 5', 5'''-diadenosine p1, p4-tetraphosphate as antithrombotic agent

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000509397A JP2000509397A (ja) 2000-07-25
JP4212114B2 true JP4212114B2 (ja) 2009-01-21

Family

ID=24579058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53923597A Expired - Fee Related JP4212114B2 (ja) 1996-05-02 1997-05-01 抗血栓剤としてのp1,p4―ジチオ―p2―p3―モノクロロメチレン5’,5’’’―ジアデノシン p1,p4―テトラホスフェート

Country Status (8)

Country Link
US (1) US5681823A (ja)
EP (1) EP0927038B1 (ja)
JP (1) JP4212114B2 (ja)
CN (1) CN1112930C (ja)
AU (1) AU2823097A (ja)
CA (1) CA2252862A1 (ja)
DE (1) DE69711649T2 (ja)
WO (1) WO1997040840A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE325129T1 (de) * 1997-02-06 2006-06-15 Inspire Pharmaceuticals Inc Dinukleotide und ihre verwendungen
GB9711848D0 (en) * 1997-06-06 1997-08-06 William Harvey Research Limite Treatment and prophylaxis of infraction
WO1999003480A1 (en) * 1997-07-17 1999-01-28 William Harvey Research Limited Use of adenosine tri- or tetra-phosphates and their analogues for the treatment of cerebral infarction
US6667306B1 (en) 1998-01-15 2003-12-23 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Platelet ADP receptor inhibitors
WO2001012644A1 (en) * 1999-08-17 2001-02-22 Adani, Alexander Dinucleoside 5',5'-tetraphosphates as inhibitors of viral reverse transcriptases and viruses
US7132408B2 (en) * 2000-08-21 2006-11-07 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Composition and method for inhibiting platelet aggregation
US7452870B2 (en) * 2000-08-21 2008-11-18 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Drug-eluting stents coated with P2Y12 receptor antagonist compound
US6555675B2 (en) 2000-08-21 2003-04-29 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Dinucleoside polyphosphate compositions and their therapuetic use as purinergic receptor agonists
US7018985B1 (en) 2000-08-21 2006-03-28 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Composition and method for inhibiting platelet aggregation
US6867199B2 (en) 2000-08-21 2005-03-15 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Dinucleoside polyphosphate compositions and their therapeutic use
US7504497B2 (en) * 2003-10-21 2009-03-17 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Orally bioavailable compounds and methods for inhibiting platelet aggregation
ATE469157T1 (de) * 2003-10-21 2010-06-15 Inspire Pharmaceuticals Inc Tetrahydrofuroä3,4-düdioxolverbindungen und zusammensetzungen und verfahren zur inhibierung der trombozytenaggregation
US7335648B2 (en) * 2003-10-21 2008-02-26 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Non-nucleotide composition and method for inhibiting platelet aggregation
US7749981B2 (en) * 2003-10-21 2010-07-06 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Drug-eluting stents coated with non-nucleotide P2Y12 receptor antagonist compound
GB0502250D0 (en) * 2005-02-03 2005-03-09 Ic Vec Ltd Use
US7932376B2 (en) * 2005-05-05 2011-04-26 Inspire Pharmaceuticals, Inc. Pyrimidine-based non-nucleotide composition and method for inhibiting platelet aggregation
US8575127B2 (en) 2008-11-20 2013-11-05 Glsynthesis Inc. Antithrombotic diadenosine tetraphosphates and related analogs
GB201209244D0 (en) * 2012-05-25 2012-07-04 Globalacorn Ltd Compositions

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5049550A (en) * 1987-11-05 1991-09-17 Worcester Foundation For Experimental Biology Diadenosine 5', 5'"-p1, p4,-tetraphosphate analogs as antithrombotic agents

Also Published As

Publication number Publication date
EP0927038A1 (en) 1999-07-07
US5681823A (en) 1997-10-28
AU2823097A (en) 1997-11-19
CN1220606A (zh) 1999-06-23
CA2252862A1 (en) 1997-11-06
EP0927038B1 (en) 2002-04-03
DE69711649T2 (de) 2002-08-08
CN1112930C (zh) 2003-07-02
WO1997040840A1 (en) 1997-11-06
DE69711649D1 (de) 2002-05-08
JP2000509397A (ja) 2000-07-25
EP0927038A4 (en) 2000-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4212114B2 (ja) 抗血栓剤としてのp1,p4―ジチオ―p2―p3―モノクロロメチレン5’,5’’’―ジアデノシン p1,p4―テトラホスフェート
Markwardt et al. Pharmacological studies on the antithrombotic action of hirudin in experimental animals
Yao et al. ADP plays an important role in mediating platelet aggregation and cyclic flow variations in vivo in stenosed and endothelium-injured canine coronary arteries.
Hanson et al. Interruption of acute platelet-dependent thrombosis by the synthetic antithrombin D-phenylalanyl-L-prolyl-L-arginyl chloromethyl ketone.
Lam et al. Deep arterial injury during experimental angioplasty: relation to a positive indium-111-labeled platelet scintigram, quantitative platelet deposition and mural thrombosis
JP2766986B2 (ja) 動脈の血栓症的閉塞または塞栓症を阻止するための医薬組成物
US5049550A (en) Diadenosine 5', 5'"-p1, p4,-tetraphosphate analogs as antithrombotic agents
JPH09504274A (ja) 人工表面および血管面の血栓を予防する酸化窒素付加物の利用
CA2118314A1 (en) Methods for treating arteriosclerosis
Wu et al. Differential effects of two doses of aspirin on platelets-vessel wall introduction in vivo.
Louie et al. Diadenosine 5′, 5‴-P1, P4-tetraphosphate, a potential antithrombotic agent
Harker et al. Ticlopidine’s mechanism of action on human platelets
Ko et al. Platelet-activating factor antagonism attenuates platelet and neutrophil activation and reduces myocardial injury during coronary reperfusion
Vesterqvist Measurements of the in vivo synthesis of thromboxane and prostacyclin in humans
WO1989004321A1 (en) Diadenosine 5', 5'''-p1, p4-tetraphosphate and analogs thereof as antithrombotic agents
Badimon et al. Thrombosis triggered by severe arterial lesions is inhibited by oral administration of a glycoprotein IIb/IIIa antagonist
Shirakura et al. Antithrombotic effects of KW-3635, a thromboxane A2-receptor antagonist, in guinea pigs
Hampton Trends in the development of antithrombotic agents
Gallenkämper et al. Cardioprotective actions of pentoxifylline in an animal model of acute myocardial ischaemia.
van der Wicken et al. Ridogrel as an adjunct to thrombolysis in acute myocardial infarction
Sommoggy et al. Coagulation in aortofemoral bifurcation bypass grafting
Louie et al. The antithrombotic effect of aspirin and dipyridamole in relation to prostaglandin synthesis
Markwahdt et al. Influence of dihydroergotoxine on platelet aggregation in rabbits
McClanahan et al. Antithrombotic effects of BCH 2763, a new direct thrombin inhibitor, in a canine model of venous thrombosis
US20040097583A1 (en) Use of inhibitors of the sodium/hydrogen exchanger for the treatment of thrombotic and inflammatory disorders

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080502

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080616

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080605

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080604

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081028

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees