JP2750133B2 - セラミック核燃料ペレットの製造方法 - Google Patents

セラミック核燃料ペレットの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はセラミック核燃料ペレットの製造に関する。
本発明によれば、二酸化ウラン粉末よりなる未焼成ペ
レット(green pellets)を形成させ、これらのペレッ
トを高速焼成を行う加熱ゾーンに導入することよりな
る、セラミック核燃料ペレットを製造する方法におい
て、該粉末が少なくとも1m2/gの比表面積を有し、六フ
ッ化ウランと水蒸気及び水素との反応によって誘導され
たセラミック等級粉末(a ceramic grade powder)より
なり、該高速焼成を少なくとも1900℃の焼結温度で行っ
て理論密の90%を越える高密度化を焼結のみによって達
成する。
米国特許4562017はUO2もしくはUO2/PuO2粉末の未加
熱の予め成形したペレットをヘリウム−水素雰囲気で25
00℃まで、1200℃までは30℃/secより遅い速度で、1200
℃を越えたら30℃/secより速い速度で加熱し;加熱ペレ
ットを急速に型に移し;2〜3ミリ秒(a few millisecon
ds)以内で目的とする寸法(dimensions)に圧縮し;つ
いで放出する(ejected)ことによって、酸化物形態の
核分裂性物質及び/または親物質を含有するセラミック
燃料ペレットの製法を開示している。この特許はもっと
も小さい可能な焼結活性(smallest pssible sintering
activity)を有する粉末の使用を推奨し、特に粉砕し
た焼結スクラップ(ground sintered scrap)及び硝酸
ウラニルもしくは硝酸ウラニル−硝酸プルトニウムの熱
分解によって製造した粉末に関する。
これに対し、本発明は六フッ化ウランと水蒸気及び水
素との反応から導かれたセラミック等級粉末を用いる。
かかる粉末の使用により、理論密度(TD)の90%を十分
越えるペレット密度を加熱ペレットをダイス圧縮する
(die pressing)煩雑さに訴えることなく高速焼成によ
って達成することができることが見い出された。すなわ
ち高密度化は焼結のみによって達成される。
本発明で用いられる粉末には1つのもしくは複数の添
加剤、例えばシュウ酸アンモニウム等の一時的孔形成剤
(a fugative pore former)(さらに詳しくは我々の先
行英国特許1461263及び1461264参照)を加えてもよい。
添加剤はまた高速焼成により、熱ペレットの型圧縮を要
せずに、90%TDを越える焼結ペレット密度を達成するこ
とができる適当なセラミック特性を有する二酸化プルト
ニウム(例えば20重量%程度の量で)を含めることがで
きる。
未焼成ペレットは本質的に単一結晶で二酸化ウランよ
りなることができるシード結晶を含有する(include)
ことができる。高速焼成は1900〜2500℃、好ましくは20
00〜2200℃の温度域で10分より長くなく、好ましくは50
〜500秒、典型的には200〜500秒行うことができる。
六フッ化ウランと水蒸気及び水素との反応によって誘
導される粉末を用いる核燃料ペレットの製造の常法にお
いては、焼成プロセスは約1700℃で3〜4時間もしくは
より長時間行われる。
本発明においては、焼結プロセスは3〜4時間と比較
してより急速に、例えば10分より短い時間行われるが、
この際焼結の温度と時間は目的生成物が90%TDより高い
密度、好ましくは少なくとも94%TDの密度に焼結される
ように、かつ焼結ペレットを水素雰囲気中1700℃で24時
間焼結したときの密度変化が2%程度もしくはそれ以
下、好ましくは1%以下となるように選択する。
高速焼成工程は真空中または非酸化雰囲気、例えば還
元環境中で行う。還元雰囲気は好ましくはいくらかの水
分を含有する水素雰囲気、例えば99%水素および1%水
分であることができ、かかる雰囲気は水素含有雰囲気に
CO2を添加することによってつくり出せる。
焼成は炉を通してペレットを、例えば連続的に、輸送
させながら行ってもよいし、バッチ炉中で行ってもよ
い。
本発明の方法で用いられる出発粉末は好ましくは我々
の先行英国特許1320137または2064503に記述した方法に
よって調製する。これらの文献の記載を参考としてここ
に加入する。出発粉末は好ましくは2〜3m2/gの比表面
積を有する。
UO2出発粉末をシュウ酸アンモニウム等の一時的孔形
成剤(典型的には1重量%まで程度の量で)または未焼
成ペレットの圧縮を助ける潤滑剤(lubricant)と組み
合わせる場合には、ペレットを比較的低い温度、例えば
潤滑剤の性質によって250〜800℃でゆっくりと予備加熱
して孔形成剤または潤滑剤を分解し、追い出し、ついで
少なくとも1900℃で1300℃/minまでの速度での焼成に付
すことができる。
多くの場合かかる予備処理は不要である。加熱速度は
300〜700℃/minとすることができ、例えば300〜400℃/m
inまたは600〜700℃/minとすることができる。高速焼成
プロセスを温度を少なくとも1900℃、典型的には2000〜
2200℃に維持したオーブン中でペレットを連続的に輸送
することによって行う場合には、ペレットの移動速度
は、ペレットがオーブン中の高温ゾーン(hot zone)中
の高速焼成温度にさらされる時間が90%TDを越える密度
及び2%より好ましくは1%程度の前記条件下での再焼
結時の密度変化を達成するのに十分であるような速度で
ある。
行われた実験において、UF6と水蒸気及び水素との反
応によって誘導されたUO2粉末を造粒し、ダイス壁潤滑
下3.1ton/cm2の圧力で圧縮して未焼成ペレットを製造す
る。ペレットを室温から種々の焼結温度まで急速に300
〜400℃/minの速度で加熱し、その選択した焼結温度で
各場合とも200秒保持した。
以下の密度が得られた。
焼結 密度 再焼結 再焼結によ 温度 (%TD) 密度 る密度変化 ℃ (%TD) (%TD) 1700 95.4 99.3 3.9 1800 96.7 99.3 2.6 1900 97.3 99.4 2.1 2000 97.8 99.2 1.4 2100 98.1 99.0 0.9 1900℃の焼結温度で再焼結による密度変化は2%TD程
度(実際は2.1%TD)であったが、いくつかの適用につ
いて許容し得るレベルである。
以下の実施例に示すごとく、未焼成ペレットのシーデ
ィング(seeding)は例えば粒径を増加させる利点を有
していた。
実施例 二酸化ウランの前駆体焼成ペレット(約直径11mm×長
さ11mm)を乾燥水素環境下に2100℃まで20℃/minで加熱
し、その温度で1時間保持した。ついでペレットを2100
℃と450℃の間で20℃/minで冷却し、ついで周囲温度ま
で自然冷却させた。冷却中にペレットは崩壊して粉末と
なり、これを篩分して37μより小さい画分を回収した
(were retained)。このものは本質的に単一結晶シー
ドであった。シードを2%及び5%ほどマトッリクス二
酸化ウラン粉末に加えた(例えばシード2g及びマトリッ
クス粉末98g)。混合粉末を造粒し、造粒物をダイス壁
潤滑下4ton/cm2でペレットに圧縮した。
ペレットを還元環境、すなわち水素+1%CO2下周囲
温度から約2100℃の焼結温度まで高速焼成した。加熱速
度は600℃/minと700℃/minの間であった。ペレットを焼
結温度で0及び500秒の間保持し、ついで2100℃及び160
0℃の間に850℃/min及び1000℃/minの間の速度で急速冷
却した。得られた結果を以下の表に示す。
密度は液体として水を用いる浸漬技術によって求め
た。
粒径はASTM平均直線切片法(the ASTM mean linear i
n tercept method)によって求めた。
再焼結は高速焼成物質の熱安定性を評価するために水
素環境下1700℃で24時間行った。
シード結晶使用の効果は表から、特に比較的大きな粒
径が得られた番号3及び4から明らかである。
シード結晶の使用に関するさらなる情報は英国特許21
77249Aから得られる。

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化ウラン粉末を含む未焼成ペレットを
    形成する工程、及び該ペレットを加熱ゾ−ンに導入し、
    そこで高速焼成を行なう工程を含む、セラミック核燃料
    ペレットの製造方法であって、該粉末が1m2/g以上の比
    表面積を有するセラミック等級粉末を含み、かつ六フッ
    化ウランと水蒸気及び水素との反応によって得られ、該
    高速焼成を1900℃以上の焼結温度で行なって理論密度の
    90%を超える高密度化を焼結のみで達成することを特徴
    とする、前記製造方法。
  2. 【請求項2】二酸化ウラン粉末を添加剤と組み合わせ
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】添加剤が二酸化プルトニウムを含む、請求
    項2記載の方法。
  4. 【請求項4】二酸化ウラン粉末が2〜3m2/gの比表面積
    を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】焼結を1900℃〜2500℃の温度範囲で行な
    う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】焼結を2000℃〜2200℃の温度範囲で行な
    う、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】高速焼結を10分以下の時間間隔の間行な
    う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】高速焼結を50〜500秒の間行なう、請求項
    7記載の方法。
  9. 【請求項9】高速焼結を200〜500秒の間行なう、請求項
    7記載の方法。
  10. 【請求項10】未焼成ペレットの加熱速度が300℃/分
    〜1300℃/分である、請求項1〜9のいずれか1項に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】加熱速度が300℃〜400℃/分である、請
    求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】加熱速度が600℃〜700℃/分である、請
    求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】高速焼結を行なう前に、未焼成ペレット
    を250℃〜850℃でゆっくりと予備加熱して、その中の一
    時的孔形成剤及び潤滑剤を分解し、追い出す、請求項10
    記載の方法。
  14. 【請求項14】未焼成ペレットが本質的に単一結晶から
    なるシードを含有する、請求項1〜13のいずれか1項に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】単一結晶が二酸化ウランを含む、請求項
    14記載の方法。
  16. 【請求項16】二酸化ウランを含む未焼成前駆体を還元
    環境下で2100℃に加熱する工程、前駆体ペレットをその
    温度に1時間保持する工程、該前駆体ペレットを2100℃
    と450℃の間で20℃/分で、ついで450℃から周囲温度ま
    で自然に冷却することによって前駆体ペレットを崩壊さ
    せる工程、及び該崩壊ペレットから37μより小さな本質
    的に単一の結晶からなるシードを選択する工程により、
    前記シード結晶を形成する、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】シードと二酸化ウランを含むマトリック
    ス粉末とを混合して未焼成ペレットを形成させる工程を
    含む、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】シードが5重量%以下の未焼成ペレット
    を含む、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】高速焼成後ペレットを急速冷却する、請
    求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】ペレットを2100℃と1600℃の間で850〜1
    000℃/分の速度で冷却する、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】高速焼成をペレットを加熱ゾーン中でた
    えず移動させながら行なう、請求項1〜20のいずれか1
    項に記載の方法。
  22. 【請求項22】請求項1〜21のいずれか1項に記載の方
    法により製造され、理論密度の90%を超える密度を有す
    る、核燃料ペレット。
JP63265209A 1987-10-20 1988-10-20 セラミック核燃料ペレットの製造方法 Expired - Lifetime JP2750133B2 (ja)

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