JP2749513B2 - 高純度溶剤用容器 - Google Patents

高純度溶剤用容器

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JP2749513B2 JP5336294A JP5336294A JP2749513B2 JP 2749513 B2 JP2749513 B2 JP 2749513B2 JP 5336294 A JP5336294 A JP 5336294A JP 5336294 A JP5336294 A JP 5336294A JP 2749513 B2 JP2749513 B2 JP 2749513B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体からなり高純度
溶剤の貯蔵に用いられる容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、溶剤等を保存する容器としてガ
ラス容器やポリエチレン系樹脂からなる成形容器が用い
られている。
【0003】半導体プロセス用、液晶ディスプレイ用等
に使用される高純度な溶剤系レジストや希釈溶剤、およ
び殺菌、消毒、製剤原料等の医薬用に使用される高純度
溶剤用容器としてはガラス容器が広く使用されている。
ガラス容器は材質を選定することにより、容器から溶剤
中への不純微粒子の浸出が極めて少ないという特徴があ
る。しかしながら、容器自体が重いため取り扱いが不便
であり、落下等により割れてしまうこともある。
【0004】一方、ポリエチレン系樹脂からなる成形容
器は取り扱い時に割れにくく、軽量であるという長所が
ある。しかしながら、半導体プロセス用、液晶ディスプ
レイ用等に使用される高純度な溶剤系レジストや希釈溶
剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレン
グリコール、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチ
ルホルムアミド、エチレングリコールアセテート、メト
キシプロピルアセテート、ブチルセロソルブ等、および
殺菌、消毒、製剤原料等の医薬用に使用される高純度な
溶剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール等は保管貯蔵している間に、容器
を形成している樹脂から貯蔵している溶剤中へ不純微粒
子が浸出し、溶剤の純度をそこなう。このために半導
体、液晶の品質および歩留りに著しい悪影響を及ぼした
り、医薬用の高純度な溶剤として薬局方試験に合格しな
いという問題がある。
【0005】また、内容物である溶剤を容器中に長期間
貯蔵している間に、容器を形成している樹脂から内容物
である溶剤中に不純微粒子が浸出する。この不純微粒子
が内容物を不純化する度合いを示す指数としてクリーン
度というものがある。クリーン度はいったん検査容器を
成形し、その検査容器に一定期間水を貯蔵した後、樹脂
製の容器が貯蔵していた水1ml中に粒径0.2 μm 以上の
微粒子がいくつ存在するかを算定して求める。具体的に
は次式で定義される。
【0006】
【数式1】
【0007】式(1) 中、aは検査対象の容器の容量、b
は検査対象の容器からサンプリングした超純水の量であ
る。サンプリング水は次のようにして採取される。容量
amlの検査対象の容器に容積の半分、a/2(ml)の超
純水を入れ、その都度15秒間振とうして排出し、容器内
を洗浄する。振とう洗浄を5回繰り返した後、あらため
てそのa(ml)の容器に超純水をa/2(ml)入れ、常
温で1週間放置し、更に15秒間振とうし、振とうした容
器内の水を20分間静置する。サンプリング水は20分間静
置したその水から採取される。Cはサンプリング水全量
中に含まれる粒径0.2 μm 以上の微粒子をパーティクル
カウンターで数えた値である。その数値をもとに式(1)
でクリーン度を求める。クリーン度が500 個/ml未満で
あると、半導体、液晶の品質および歩留りを向上するこ
とができる。
【0008】容器を日本薬局方に収載される薬品容器と
して使用する場合、クリーン度の数値が低く、局方に定
められる品質基準に合格した容器でなければ使用するこ
とはできない。従来のポリエチレン系樹脂からなる容器
はクリーン度の数値が高く、日本薬局方の品質基準に合
格することができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためになされたもので、機械的強度に優れ取り
扱いが容易で、保管貯蔵している溶剤中への不純微粒子
の浸出が極めて少なく、日本薬局方に定められる品質基
準を満たすことができる高純度溶剤用容器を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的に鑑み鋭意研究
の結果、高純度溶剤用容器を製造するに際し、原料樹脂
の重量平均分子量が一定の範囲にあり、樹脂中の低分子
量の重合体が一定重量未満にして、添加剤の含有量を一
定重量未満にすることにより、機械的強度に優れ、充填
溶剤中への微粒子不純物の浸出が極めて少ない容器が得
られることを見出し本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明の高純度溶剤用容器は
チルアルコール、エチルアルコールイソプロピルアル
コール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、
アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミ
ド、エチレングリコールアセテート、メトキシプロピル
アセテートまたはブチルセロソルブの高純度溶剤を収容
する容器であって、該容器の少なくとも内側表面が密度
0.940〜0.970g/cm3のポリエチレンまたはエチレン・
α−オレフィン共重合体の樹脂からなり、液体クロマト
グラフィーにより定量される該樹脂中の中和剤、酸化防
止剤および耐光安定剤の含有量が該樹脂の全重量に対し
て、夫々0.01重量%以下であり、ゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー(GPC)により測定される該
樹脂の重量平均分子量が12〜26×104 であり、該樹脂中
の分子量1 ×103 以下の重合体が該樹脂の全重量に対し
て2.5 重量%未満である。
【0012】エチレンと共重合するα−オレフィンは、
プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、
ヘキセン−1、オクテン−1が使用される。共重合体中
のα−オレフィンの含有量は15重量%以下が好ましい。
共重合体の分子構造はアタクチック、アイソタクチック
あるいはシンジオタクチックのいずれでも良い。重合法
は、低圧法あるいは中圧法のいずれによっても良い。
【0013】添加剤として、触媒は重合に際して適宜所
定量用いられるが、中和剤、酸化防止剤および耐光安定
剤は容器から溶剤中へ溶出し、不純微粒子の原因となる
ので、添加量は重要である。
【0014】中和剤は重合法が中圧法の場合は必要な
く、低圧法の場合は塩素キャッチャーとして使用されて
いる。中和剤はカルシウム、マグネシウム、バリウムの
ようなアルカリ土類金属のステアリン酸塩が挙げられる
が、これらは重合工程での触媒の活性を上げるために最
低量とすることが必要である。中和剤の含有量が樹脂に
対して0.01重量%を越えると、クリーン度は500 個/ml
を越え日本薬局方に定められる品質基準を満たすことが
困難となるため、中和剤の含有量は樹脂に対して0.01重
量%以下にする必要がある。
【0015】酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、ペンタエリスチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのフェノール
系酸化防止剤が挙げられ、前記中和剤と同様の理由によ
り、酸化防止剤の含有量は樹脂に対して0.01重量%以下
にする必要がある。
【0016】耐光安定剤としては、2−(5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールのベンゾトリアゾ
ール系耐光安定剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ〔{6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレ
ン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ}〕のヒンダーアミン系耐光安定剤が挙げ
られ、前記中和剤と同様の理由により、耐光安定剤の含
有量は樹脂に対して0.01重量%以下にする必要がある。
【0017】樹脂に含まれる添加剤の含有量は、樹脂を
テトラヒドロフラン(THF)を用いて、ソックスレー
抽出器で8時間抽出した抽出液を液体クロマトグラフィ
ーで分離、定量した値である。その測定条件は、装置が
GULLIVER(日本分光株式会社製)、カラムがF
inepak GEL 101(日本分光株式会社
製)、溶媒がTHF、検出器がUV−970(日本分光
株式会社製)と830−RI(日本分光株式会社製)で
ある。尚、本発明の高純度溶剤用容器においては、他の
顔料、分散剤等の添加剤は極力添加量を抑えることが望
ましい。
【0018】本発明の高純度溶剤用容器は、例えば次の
ような方法で製造する。密度 0.940〜0.970g/cm3 のポ
リエチレンまたはエチレン・α−オレフィン共重合体の
樹脂を溶融押出成形して得る。このとき、樹脂に含まれ
る添加剤、すなわち中和剤、酸化防止剤および耐光安定
剤の含有量は樹脂に対して、夫々0.01重量%以下にす
る。樹脂に添加剤を混合する方法に特に制限はなく、例
えば重合後のペレタイズ工程で直接添加する方法、また
は予め高濃度のマスターバッチを作成し、これを成形時
にドライブレンドする方法が挙げられる。溶融押出成形
に用いられる押出機は通常の単軸押出機で良く、スクリ
ューも適当な剪断力を与えるものであれば構わない。押
出機により樹脂を溶融して筒状のパリソンに押出し、押
出されたパリソンを金型で挟んで、ブローピンより加圧
ガスを吹込み、冷却し、成形する。
【0019】得られた容器において、GPCにより測定
される容器樹脂の重量平均分子量が12〜26×104 で、分
子量1 ×103 以下のものが樹脂の2.5 重量%未満に制御
されることが重要である。容器樹脂の分子量の測定方法
は、容器より切り取った樹脂を溶媒(オルトジクロルベ
ンゼン)に溶かして試料溶液とし、GPCで分子量およ
び分子量分布を測定する。重量平均分子量は次式により
算出される。 重量平均分子量=Σ(M×w)/Σw ・・・(2) ただし、Mは分子量、wは重量分率である。
【0020】尚、GPCの測定条件は、装置が150C
V(Waters社製)、カラムがTSKgel GM
H−HT(東ソー株式会社製)、溶媒がオルトジクロル
ベンゼン、温度が138℃、検出器は示差屈折計であ
る。容器樹脂の分子量分布を前記範囲に制御するために
は、原料樹脂も一定範囲の分子量分布を持つものでなけ
ればならない。
【0021】原料樹脂の重量平均分子量が12×104 未満
の場合、一般に分子量1 ×103 以下の重合体を樹脂の2.
5 重量%未満にすることは困難である。たとえ重合法の
工夫により樹脂を得たとしても非常に分子量分布の狭い
樹脂あるいは高分子量側に片寄った分子量分布の樹脂と
なり、この樹脂を成形するには成形温度を上げたり、シ
ェアストレスを大きくする必要があり、成形性は非常に
悪化する。
【0022】原料樹脂の重量平均分子量が26×104 を越
える場合、樹脂の溶融粘度が高いため、シェアストレス
による分子切断が避けられず、分子量1 ×103 以下の重
合体を樹脂の2.5 重量%未満に抑えることができない。
【0023】原料樹脂の重量平均分子量が12〜26×104
であっても、成形性を改良するために分子量1 ×103
下の重合体が樹脂の2.5 重量%以上である樹脂では、成
形された容器樹脂の分子量1 ×103 以下の重合体を樹脂
の2.5 重量%未満に抑えることはできないし、過度のシ
ェアストレスを与える成形方法をとっても同様である。
【0024】上記のように分子量1 ×103 以下の重合体
が容器樹脂の2.5 重量%以上では、溶剤中へ不純微粒子
が浸出し、クリーン度が500 個/ml以上となり、高純度
溶剤用容器としては使用できない。成形方法は上記した
吹込成形の他、インフレーション成形、回転成形等が挙
げられる。また溶融成形方法のうちの多層成形方法で、
前記樹脂を最内層としても良い。
【0025】
【作用】本発明の高純度溶剤用容器は、良好なクリーン
度を保つポリエチレンまたはエチレン・α−オレフィン
共重合体の樹脂を原料としており、少なくとも容器の内
側表面がその樹脂からなるか、または容器全体がその樹
脂からなるように成形しているため、容器内の溶剤中に
微粒子が浸出するのが阻止される。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 密度が 0.955g /cm3 、重量平均分子量が15.2×104
で、分子量1 ×103 以下のものを1.37重量%含有し中圧
法による重合体からなり、中和剤、酸化防止剤および耐
光安定剤を含まないポリエチレンペレットを50m /m 、
L/D=22(D:スクリュー直径、L:スクリュー有効
長)の押出機の中で185 ℃に溶融し、筒状のパリソンに
押出した。押出されたパリソンを金型で挟んで、ブロー
ピンより6Kg/cm2 の圧縮空気を吹き込み、20℃に冷却
された金型で冷却し、容量1000ml、重量100gの丸型容器
を成形した。成形した容器樹脂の重量平均分子量は15.1
×104 で、分子量1 ×103 以下の重合体が樹脂の1.38重
量%であることが分かった。
【0027】次に成形した容器のクリーン度を測定し
た。成形容器に超純水(商品名:トレピュアLV−10T
(東レ株式会社製))500mlを入れ、15秒間振とう洗浄
して排水した。この振とう洗浄を5回繰り返した。5回
目の洗浄水から5ml採取し、その中に浸出した0.2 μm
以上の微粒子の数をパーティクルカウンター(タイプ:
KL−22(リオン株式会社製))で測定した。水中の微粒
子数(個/ml) を式(1) と同様の次に示す式(3) で計算
した。その結果を表1に示す。
【0028】
【数式2】
【0029】成形容器に改めて超純水500ml を入れて15
秒間振とうし、そのまま常温で一週間放置した。一週間
経過した水をそのままにして再び15秒間振とうし、更に
20分間静置した。この20分間静置した水から5ml採取し
上記と同様にして水中の微粒子数(個/ml) を計算し
た。その結果を表1に示す。一週間後の水中の微粒子数
は200 個/ml以下で、極めてクリーンであることが分か
った。
【0030】
【表1】
【0031】次に、この容器を用いて日本薬局方無水エ
タノール(エタノール純度99.5容量%以上)1000mlを入
れ、40℃の恒温槽に1か月貯蔵保管した後、日本薬局方
に準じた純度試験を行なった結果、白濁がなく透明で日
本薬局方のいずれの純度試験にも合格した。
【0032】実施例2 密度が 0.956g /cm3 、重量平均分子量が15.0×104
で、分子量1 ×103 以下のものを1.54重量%含有し低圧
法による重合体からなり、ステアリン酸カルシウムを0.
005 重量%、ジブチルヒドロキシトルエンを0.008 重量
%含むポリエチレンペレットを実施例1と同様の押出機
の中で178 ℃に溶融し、容量1000ml、重量100gの丸型容
器を成形した。成形した容器樹脂の重量平均分子量は1
4.9×104 で、分子量1 ×103 以下の重合体が樹脂の1.5
5重量%であることが分かった。
【0033】成形した容器の5回洗浄直後と一週間後の
クリーン度を実施例1と同様にして測定し、その結果を
表1に示す。一週間後の水中の微粒子数は300 個/ml以
下で、極めてクリーンであることが分かった。次に、こ
の容器を用いて実施例1と同様に日本薬局方に準じた純
度試験を行なった結果、無水エタノールには白濁がなく
透明で日本薬局方のいずれの純度試験にも合格した。
【0034】実施例3 密度が 0.957g /cm3 、重量平均分子量が20.7×104
で、分子量1 ×103 以下のものを1.43重量%含有し低圧
法による重合体からなり、中和剤、酸化防止剤および耐
光安定剤を含まないポリエチレンペレットを実施例1と
同様の押出機の中で190 ℃に溶融し、容量1000ml、重量
100gの丸型容器を成形した。成形した容器樹脂の重量平
均分子量は20.5×104 で、分子量1 ×103 以下の重合体
が樹脂の1.44重量%であることが分かった。
【0035】成形した容器の5回洗浄直後と一週間後の
クリーン度を実施例1と同様にして測定し、その結果を
表1に示す。一週間後の水中の微粒子数は100 個/ml以
下で、極めてクリーンであることが分かった。次に、こ
の容器を用いて実施例1と同様に日本薬局方に準じた純
度試験を行なった結果、無水エタノールには白濁がなく
透明で日本薬局方のいずれの純度試験にも合格した。
【0036】比較例1 密度が 0.958g /cm3 、重量平均分子量が10×104 で、
分子量1 ×103 以下のものを3.58重量%含有し低圧法に
よる重合体からなり、中和剤、酸化防止剤および耐光安
定剤を含まないポリエチレンペレットを実施例1と同様
の押出機の中で173 ℃に溶融し、容量1000ml、重量100g
の丸型容器を成形した。成形した容器樹脂の重量平均分
子量は9.9 ×104 で、分子量1 ×103 以下の重合体が樹
脂の3.61重量%であることが分かった。
【0037】成形した容器の5回洗浄直後と一週間後の
クリーン度を実施例1と同様にして測定し、その結果を
表1に示す。一週間後の水中には多量の微粒子が浸出し
ていることが分かった。次に、この容器を用いて実施例
1と同様に日本薬局方に準じた純度試験を行なった結
果、無水エタノールは白濁し、日本薬局方の純度試験に
不合格であった。
【0038】比較例2 密度が 0.947g /cm3 、重量平均分子量が15.2×104
で、分子量1 ×103 以下のものを2.94重量%含有し中圧
法による重合体からなり、中和剤、酸化防止剤および耐
光安定剤を含まないポリエチレンペレットを実施例1と
同様の押出機の中で185 ℃に溶融し、容量1000ml、重量
100gの丸型容器を成形した。成形した容器樹脂の重量平
均分子量は15.1×104 で、分子量1 ×103 以下の重合体
が樹脂の2.95重量%であることが分かった。
【0039】成形した容器の5回洗浄直後と一週間後の
クリーン度を実施例1と同様にして測定し、その結果を
表1に示す。一週間後の水中には多量の微粒子が浸出し
ていることが分かった。次に、この容器を用いて実施例
1と同様に日本薬局方に準じた純度試験を行なった結
果、無水エタノールは白濁し、日本薬局方の純度試験に
不合格であった。
【0040】比較例3 密度が 0.955g /cm3 、重量平均分子量が30×104 で、
分子量1 ×103 以下のものを1.95重量%含有し低圧法に
よる重合体からなり、ステアリン酸カルシウムを0.005
重量%、ジブチルヒドロキシトルエンを0.008 重量%含
むポリエチレンペレットを実施例1と同様の押出機の中
で223 ℃に溶融し、容量1000ml、重量100gの丸型容器を
成形した。成形した容器樹脂の重量平均分子量は29.1×
104 で、分子量1 ×103 以下の重合体が樹脂の2.76重量
%であることが分かった。
【0041】成形した容器の5回洗浄直後と一週間後の
クリーン度を実施例1と同様にして測定し、その結果を
表1に示す。一週間後の水中には多量の微粒子が浸出し
ていることが分かった。次に、この容器を用いて実施例
1と同様に日本薬局方に準じた純度試験を行なった結
果、無水エタノールは白濁し、日本薬局方の純度試験に
不合格であった。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明の高
純度溶剤用容器は、機械的強度に優れ取り扱いが容易
で、保管貯蔵している溶剤中への不純微粒子の浸出が極
めて少なく、しかも日本薬局方に定められる品質基準を
十分満たすことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−273378(JP,A) 特開 昭52−62574(JP,A) 特開 昭59−68239(JP,A) 特開 昭56−57633(JP,A) 特開 平3−94756(JP,A) 特開 昭60−233136(JP,A) 特開 平6−220263(JP,A) 特開 昭62−39444(JP,A) 特開 昭62−209149(JP,A) 特開 昭62−178342(JP,A) 特開 平1−208115(JP,A) 特開 昭60−122136(JP,A) 特開 平5−331276(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルアルコール、エチルアルコール、
    イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチ
    レングリコール、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジ
    メチルホルムアミド、エチレングリコールアセテート、
    メトキシプロピルアセテートまたはブチルセロソルブの
    高純度溶剤を収容する容器であって、該容器の少なくと
    も内側表面が密度 0.940〜0.970g/cm3 のポリエチレン
    またはエチレン・α−オレフィン共重合体の樹脂からな
    り、液体クロマトグラフィーにより定量される該樹脂中
    の中和剤、酸化防止剤および耐光安定剤の含有量が該樹
    脂の全重量に対して、夫々0.01重量%以下であり、ゲル
    ・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定さ
    れる該樹脂の重量平均分子量が12〜26×104 であり、該
    樹脂中の分子量1 ×103 以下の重合体が該樹脂の全重量
    に対して2.5 重量%未満であることを特徴とする高純度
    溶剤用容器。
  2. 【請求項2】 前記α−オレフィンがプロピレン、ブテ
    ン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オ
    クテン−1の中から選ばれる少なくとも一種類であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の高純度溶剤用容器。
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