JP2748877B2 - 半導体レーザとその製造方法 - Google Patents

半導体レーザとその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザに関し、特
に光通信システムで用いられる半導体レーザとその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザの光閉じ込め層としては、
単一のバンドギャップエネルギを有するものが多く用い
られている。例えば、図5はInGaAsP/InP半
導体レーザの例であり、p−InP基板21上に、p−
InPクラッド層22、InGaAsP光閉じ込め層2
3、InGaAsP活性層24、InGaAsP光閉じ
込め層25、n−InPクラッド層26を形成した構成
とされている。このような半導体レーザは、図6に示す
ような単一のバンドギャップエネルギであるため、光閉
じ込め率が低いという問題がある。
【0003】これに対し、光閉じ込め層の混晶組成を連
続的に変化させることにより屈折率を連続的に変化さ
せ、光閉じ込め率を改善する構成が提案されている。ま
た、これにより、バンドギャップエネルギにも傾斜がで
きるため、注入効率の向上が期待できる。このような構
造の光閉じ込め層はGRINSCH構造と呼ばれてい
る。
【0004】このような構造は、AlGaAs/GaA
sレーザでは既に提案されており、AlGaAsのAl
組成を変化させることによりバンドギャップ及び屈折率
を変化させることができる。この場合、AlAsとGa
Asの格子定数は約0.16%の差しかないため、あら
ゆるAl組成のAlGaAsはGaAsにほとんど格子
整合する。したがって、Al組成を連続的に変化させる
ことによって容易にGRINSCH層を作製することが
可能となる。
【0005】因みに、T.Fujiiらは、AlGaA
s/GaAsレーザでこのようなGRINSCH層をも
つレーザを作製し、低いしきい値電流密度(124A/
cm2 )を得ている(extended abstracts of the 16th
Conf. Solid State Decicesand Materials,Kobe,1984
pp145-148)。
【0006】そこで、このような技術をIn1-x Gax
Asy 1-y /InP半導体レーザの光閉じ込め層につ
いても適用することが考えられ、 III族の組成x、また
はV族の組成yを変化させることによってバンドギャッ
プ及び屈折率を変化させることが試みられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな光閉じ込め層をInPに格子整合させるためには、
y=2.18xの関係を満たすことが必要であり、この
ためGRINSCH層を作製するには III族原料とV族
原料の両者の量を同時に変化させることが要求される。
しかし、レーザ結晶の成長に広く用いられている通常の
MOCVD(有機金属気相成長)法では、原料の流量と
成長する結晶の組成が必ずしも比例しないため、所望の
バンドギャップ及び屈折をもち、かつInPに格子整合
するInGaAsP層を成長するためには、実際には何
回かの成長、調整を繰り返して適切な III族及びV族の
原料の流量を求める必要があり、多大な時間と労力を要
する。また、この制約のために、実際には連続的に変化
する層を作製することが困難になり、図7に示すような
階段状のエネルギの層になってしまい、効果が減少され
てしまうという問題がある。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、InGaAsまたはI
nGaAsP活性層を有する半導体レーザにおいて、屈
折率が連続的に変化する光閉じ込め層をもち、かつ作製
が容易な半導体レーザとその製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ
は、InGaAsPまたはInGaAsからなる活性層
がInAsP層またはInGaAsP層からなる光閉じ
込め層で挟まれた構造を有する半導体レーザにおいて、
光閉じ込め層が基板に格子整合せず臨界層厚を越えない
層厚と歪量の層として形成されていることを特徴とす
る。
【0010】例えば、光閉じ込め層は、V族組成のみ
その層の厚さ方向に変化されることで歪量が連続的に変
化される。或いは、 III族組成のみがその層の厚さ方向
に変化されることで歪量が連続的に変化される。
【0011】また、本発明の半導体レーザの製造方法
は、半導体基板上にInPクラッド層を形成する工程
と、その上にV族組成または III族組成の原料のいずれ
か一方の流量を徐々に変化させながらInAsPまたは
InGaAsP光閉じ込め層を成長する工程と、その上
にInGaAsPまたはInGaAs活性層を成長する
工程と、その上にV族組成または III族組成の原料の
ずれか一方の流量を徐々に変化させながらInAsPま
たはInGaAsP光閉じ込め層を成長する工程と、そ
の上にInPクラッド層を形成する工程とを含むことを
特徴とする。
【0012】
【作用】III族またはV族組成の原料の流量を徐々に変
化させながらInAsPまたはInGaAsP光閉じ込
め層を成長することで、半導体基板に対して格子整合し
なくとも、格子整合している場合と同様に結晶性のよい
光閉じ込め層が構成できる。このため、活性層に対して
拡散及び電界によってキャリアを注入することができ、
キャリアの注入効率が高められ、かつ屈折率が連続的に
変化されるため光閉じ込め効率が高められ、かつキャリ
アの注入効率が高められる。これにより、低いしきい値
電流と高効率の半導体レーザが得られる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の第1実施例の半導体レーザのDH
構造部の断面図、図2はそれに対応するエネルギバン
ド、屈折率、歪量を示す図である。p−InP基板1上
にMOCVD法によりp−InPからなるクラッド層2
を成長する。次に、InPの原料となるTMI,TBP
に加え、V族のAsの原料であるTBAを反応室に流す
ことにより、InAsy 1-y 光閉じ込め層3を成長す
る。
【0014】このとき、TBAの流量を0から徐々に増
加することにより、InPからInAs0.150.85まで
徐々にV族組成が変化され、歪量が圧縮方向に徐々に増
加するように変化される。これに伴ってバンドギャップ
は徐々に減少し、屈折率は増加される。
【0015】次に、InGaAsP活性層4の成長を行
い、その後再びTBAによりInAsy 1-y 光閉じ込
め層5を成長する。このとき、今度はTBAの流量を徐
々に減少させることにより、InAs0.150.85からI
nPまで徐々にV族組成が変化され、歪量が圧縮方向か
ら低減される光閉じ込め層が成長され、これに伴ってバ
ンドギャップは徐々に増加し、屈折率は低減される。し
かる後、n−InPクラッド層を成長する。これによ
り、図1のDH構造部が形成される。
【0016】ここで、前記InAsy 1-y 光閉じ込め
層3,5の形成に際しては、各層の厚さがその光波長や
屈折率に対する臨界層厚を超えないように歪量と層厚を
設定する。この設定を行うことにより、前記InAsy
1-y 光閉じ込め層3,5では、格子整合している場合
と同様に結晶性のよい光閉じ込め層として形成される。
【0017】なお、LPE或いはMOCVD法によって
埋め込み構造を作製し、電極を形成することで半導体レ
ーザが完成される。
【0018】この第1実施例の半導体レーザの特性を、
共振器長300μm、両端劈開の素子で評価したとこ
ろ、20℃において7mAの発振しきい値電流と0.3
2W/Aのスロープ効率が得られた。因みに、図5及び
図6に示したInGaAsP混晶の半導体レーザの20
℃における特性は、発振しきい値電流が9mA、スロー
プ効率が0.30W/Aであった。
【0019】このように、この第1実施例の半導体レー
ザでは、従来多く用いられている単一の組成のInGa
AsP混晶を光閉じ込め層にもつ半導体レーザに比べて
光閉じ込め効率を高め、かつキャリアの注入効率を高め
ることができるため、低いしいき値電流と高いスロープ
効率をもつ半導体レーザが実現できる。また、図7に示
したような階段状に組成を変化させた光閉じ込め層を持
つ半導体レーザに比較し、単に単一族の組成流量を変化
制御すればよいので、容易に作製できる利点もある。
【0020】図3は本発明の第2実施例の半導体レーザ
のDH構造部の断面図、図4はこれに対応するエネルギ
バンド、屈折率、歪量を示す図である。この実施例で
は、先ず、p−InP基板11上にMOCVD法によっ
てp−InPからなるクラッド層12を成長させる。次
に、 III族のInの原料であるTMIの流量を連続的に
増加、或いはGaの原料であるTEGの流量を連続的に
減少させ、In1-x Gax As0.3 0.7 光閉じ込め層
13を成長する。
【0021】ここで、 III族原料の流量を徐々に増加さ
せることにより、In0.8 Ga0.2As0.3 0.7 から
In0.86Ga0.14As0.3 0.7 まで徐々に歪量が変化
される。次にInGaAsP活性層14の成長を行い、
その後、今度は徐々にTMI流量を連続的に減少、或い
はTEG流量を連続的に増加させることにより、In
0.86Ga0.14As0.3 0.7 からIn0.8 Ga0.2 As
0.3 0.7 まで徐々に III族組成が変化する光閉じ込め
層15を成長させる。その後、n−InPクラッド層1
6を成長することで、図3のDH構造部が作製される。
【0022】この第2実施例においても、光閉じ込め層
13,15の層厚は臨界膜厚を越えないように歪量、層
厚を設定することにより、格子整合している場合と同様
に結晶性のよい光閉じ込め層を作製することが可能とな
る。また、この第2実施例においても、第1実施例と同
様に、発振しきい値電流とスロープ効率を得ることがで
きることが確認されている。
【0023】なお、前記各実施例では、本発明をp−I
nP基板に半導体レーザを構成した例について説明して
いるが、n−InP基板についても同様に本発明を適用
して半導体レーザを構成することが可能である。また、
活性層に関しては、InGaAsPまたはInGaAs
であれば制限はなく、バルク構造でも量子井戸構造でも
よいことは改めて説明するまでもないことである。更
に、本発明はGaAs基板上に構成するInGaAsP
レーザにも適用することが可能である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、活性層を
挟むように設けられたInAsPまたはInGaAsP
光閉じ込め層として、基板に格子整合せず臨界層厚を越
えない層厚と歪量の層として形成されているので、半導
体基板に対して格子整合しなくとも、格子整合している
場合と同様に結晶性のよい光閉じ込め層が構成でき、光
閉じ込め効率を高め、かつキャリアの注入効率が向上で
き、低いしきい値電流と高いスロープ効率を得ることが
できる。
【0025】また、本発明ではInAsPまたはInG
aAsP光閉じ込め層を成長するに際し、V族組成また
は III族組成の原料のいずれか一方の流量を徐々に変化
させながら成長を行うため、単一の組成の流量を変化制
御するだけで光閉じ込め層を作製することができ、所要
の特性の光閉じ込め層の作製を容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの第1実施例のDH構造
部の断面図である。
【図2】第1実施例のエネルギバンド、屈折率、歪量を
示す図である。
【図3】本発明の半導体レーザの第2実施例のDH構造
部の断面図である。
【図4】第2実施例のエネルギバンド、屈折率、歪量を
示す図である。
【図5】従来の半導体レーザのDH構造部の断面図であ
る。
【図6】図5の半導体レーザのエネルギバンド図であ
る。
【図7】改良された半導体レーザのエネルギバンド図で
ある。
【符号の説明】
1,11 基板 2,12 クラッド層 3,5 InAsP光閉じ込め層 4,14 活性層 6,16 クラッド層 13,15 InGaAsP光閉じ込め層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InGaAsPまたはInGaAsから
    なる活性層がInAsP層またはInGaAsP層から
    なる光閉じ込め層で挟まれた構造を有する半導体レーザ
    において、前記光閉じ込め層が基板に格子整合せず臨界
    層厚を越えない層厚と歪量の層として形成されているこ
    とを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 光閉じ込め層は、V族組成のみがその層
    の厚さ方向に変化されることで歪量が連続的に変化され
    てなる請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 光閉じ込め層は、 III族組成のみがその
    層の厚さ方向に変化されることで歪量が連続的に変化さ
    れてなる請求項1に記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 半導体基板上にInPクラッド層を形成
    する工程と、その上にV族組成または III族組成の原料
    いずれか一方の流量を徐々に変化させながらInAs
    PまたはInGaAsP光閉じ込め層を成長する工程
    と、その上にInGaAsPまたはInGaAs活性層
    を成長する工程と、その上にV族組成または III族組成
    の原料のいずれか一方の流量を徐々に変化させながらI
    nAsPまたはInGaAsP光閉じ込め層を成長する
    工程と、その上にInPクラッド層を形成する工程とを
    含むことを特徴とする半導体レーザの製造方法。
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EP0447096B1 (en) * 1990-03-13 1995-12-06 AT&T Corp. Quantum-well laser comprising an InGaAsP containment layer, and method of producing the laser

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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1993年(平成5年)春季第40回応用物理学関係連合講演会予稿集第3分冊 31p−C−12 P.1090

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