JP2748392B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2748392B2
JP2748392B2 JP63073453A JP7345388A JP2748392B2 JP 2748392 B2 JP2748392 B2 JP 2748392B2 JP 63073453 A JP63073453 A JP 63073453A JP 7345388 A JP7345388 A JP 7345388A JP 2748392 B2 JP2748392 B2 JP 2748392B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、制動時の車輪ロックを防止しつつ、最大制
動効率が達成されるようブレーキ液圧を制御するアンチ
スキッド制御装置に関するものである。
(従来の技術) アンチスキッド制御装置は、車輪加速度(負が減速
度)から車輪ロックを判断し、車輪速が車体速に対し理
想スリップ率(最大制動効率を得るためのスリップ率)
近辺の値に保たれるようブレーキ液圧を適宜減圧する構
成になすのが普通である。
ところで従来のアンチスキッド制御装置は、例えば特
開昭62−146757号公報に示されている如くどの車輪のア
ンチスキッド制御チャンネル(右前輪用、左前輪用、後
2輪用の3チャンネル)にも同種の車輪加速度演算手段
を用いるのが常套であり、車輪加速度信号を必要とする
ところには全てこの同種な車輪加速度演算手段の演算結
果を使用していた。
(発明が解決しようとする課題) ところで同じアンチスキッド制御装置でも、以下の理
由から、駆動輪のアンチスキッド制御チャンネルには演
算精度の高い車輪加速度信号を要求され、非駆動輪のア
ンチスキッド制御チャンネルには演算応答の良い車輪加
速度信号を要求される。
つまり、駆動輪は変速機を介しエンジンに駆動結合さ
れているため回転イナーシャが大きいことから、アンチ
スキッドによる駆動輪の観点回復が遅れ気味になり、加
えて駆動輪に駆動罫の回転振動が入力される等の理由に
より、演算応答の良い車輪加速度信号で駆動輪のアンチ
スキッド制御を行うと、ノイズの影響でブレーキ液圧が
アンチスキッド制御中のため増圧されてはならないにも
かかわらず増圧されることがあり、制動効率の低下を招
く。従って、駆動輪のアンチスキッド制御にはノイズに
強く演算精度の高い車輪加速度信号が要求される。
逆に非駆動輪は回転イナーシャが小さいと共に、駆動
系からの回転振動を入力されないため、非駆動輪のアン
チスキッド制御には高精度な車輪加速度信号を用いるよ
りか演算応答の良い車輪加速度信号を用いる方がアンチ
スキッド制御の性能上好ましい。
ところで、車輪加速度の演算に当たっては一般に、車
輪回転数に対応した周波数のパルス信号を基に或る時間
(演算サイクル)T内のパルス数Nから車輪速Vwを求
め、この車輪速が有る時間(演算サイクル)ΔT中にど
の程度変化したかで車輪加速度αwを演算する。しかし
て、パルス信号を発する車輪速センサロータの歯に関す
る加工精度は、歯間ピッチ誤差の最大値をδmaxとする
と、何個飛んだ歯の間のピッチ誤差もδmax以上になる
ことはないことが知られており、この意味合いにおいて
前記の演算サイクルTを長くした方がパルス数が増える
分だけ車輪速Vw、従って車輪加速度αwの演算精度を高
くすることがきる。又、同様の理由から前記演算サイク
ルΔTを長くしてもピッチ誤差にともなう演算値エラー
は変わらないため、ΔTを長くした方が車輪加速度αw
の演算精度を高くすることができる。
しかしその反面、演算サイクルT,ΔTを長くすること
は、演算値がそれだけ現在の実際値に対し遅れることを
意味し、演算精度と演算応答とは相反する要求であり、
両立させることができない。
しかるに従来のアンチスキッド制御装置では前記した
通り、いずれのアンチスキッド制御チャンネルにも同種
の車輪加速度演算手段を用いていたため、演算精度の高
い車輪加速度信号を要求される駆動輪用アンチスキッド
制御チャンネルか、又は演算応答の良い車輪加速度信号
を要求される非駆動輪用アンチスキッド制御チャンネル
の要求を犠牲にせざをえなかった。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記駆動輪と非駆動輪の両要求を共に満足さ
せ得るアンチスキッド制御装置を提案するもので、 非駆動輪及び駆動輪の車輪加速度を個別ち演算し、こ
れら演算結果から対応車輪のロックを判断して非駆動輪
及び駆動輪のブレーキ液圧を個別に減圧するようにした
アンチスキッド制御装置において、 演算サイクルの長い第1の車輪加速度演算手段を駆動
輪のアンチスキッド制御チャンネルに設け、 演算サイクルの短い第2の車輪加速度演算手段を非駆
動輪のアンチスキッド制御チャンネルに設けた構成に特
徴づけられる。
(作用) 第1の車輪加速度演算手段は長い演算サイクル毎に駆
動輪の車輪加速度を演算し、駆動輪のアンチスキッド制
御チャンネルに高精度の車輪加速度信号を発する。又第
2の車輪加速度演算手段は短い演算サイクル毎に非駆動
輪の車輪加速度を演算し、非駆動輪のアンチスキッドチ
ャンネルに高応答の車輪加速度信号を発する。
アンチスキッド制御装置は、演算精度の高い車輪加速
度信号を要求される駆動輪では要求通り第1の車輪加速
度演算手段からの高精度な車輪加速度信号を使用し、演
算応答の良い車輪加速度信号を要求される非駆動輪では
要求通り第2の車輪加速度演算手段からの高応答の車輪
加速度信号を使用し、これら車輪加速度信号から車輪ロ
ックを個々に判断してブレーキ液圧を減ずることにより
車輪ロックを防止する。
ところで、演算精度の高い車輪加速度信号を要求され
る駆動輪と、演算応答の良い車輪加速度信号を要求され
る非駆動輪で夫々、異種の第1および第2の車輪加速度
演算手段を使用するため、両者の相反する要求を共に満
足させることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図は本発明アンチスキッド制御装置の一実施例を
示す全体システム図で、図中1は右前輪(非駆動輪)、
1aはそのホイールシリンダ、2は左前輪(非駆動輪)、
2aはそのホイールシリンダ、3は右後輪(駆動輪)、3a
はそのホイールシリンダ、4は左後輪(駆動輪)、4aは
そのホイールシリンダを夫々示す。又、5はエンジン、
6は変速機、7はプロペラシャフト、8はディファレン
シャルギヤ、9,10は夫々後車軸で、これらにより後2輪
3,4を駆動して車両を走行させ得るものとする。
ブレーキ装置は、2系統マスターシリンダ11の一系統
11aを管路12により右前輪ホイールシリンダ1aに接続す
ると共に、管路13により左前輪ホイールシリンダ2aに接
続し、他系統11bを管路14により右後輪ホイールシリン
ダ3aに接続すると共に管路14,15により左後輪ホイール
シリンダ4aに接続した所謂前後スプリット式液圧ブレー
キ装置とする。このブレーキ装置はブレーキペダル16の
踏込みにより発生してマスターシリンダ11の2系統11a,
11bから出力されるマスターシリンダ液圧により作動さ
れて車両を減速させることができる。
右前輪1、左前輪2及び後2輪3,4に対する合計3個
のアンチスキッド制御手段を設け、これらは管路12,13,
14中に夫々挿入したアクチャエータ17a,17b,17cと、こ
れらを作動制御するアンチスキッド制御回路18とで構成
する。
アクチュエータ17a,17b,17cは夫々同様のものである
ため、対応部分をサフィックスa,b,cの異なる同一符号
にて示し、右前輪用アクチュエータ17aのみについて以
下に詳細説明する。アクチュエータ17aは流入弁(EV
弁)19aと、排出弁(AV弁)20aと、ポンプ21aと、アキ
ュムレータ22aと、チェックバルブ23aとを図示の如くに
接続して構成する。EV弁19a及びAV弁20aはアンチスキッ
ド制御回路18からのEV1信号及びAV1信号により個々に制
御され、ポンプ21aは他のアクチュエータ17b,17cにおけ
るポンプ21b,21cと共に共通なモータ24により適宜駆動
され、この駆動をアンチスキッド制御回路18からのMR信
号により制御する。EV1信号がLレベルでEV弁19aを開
き、AV1信号がLレベルでAV弁20aを閉じている状態でホ
イールシリンダ1aへのブレーキ液圧はマスターシリンダ
液圧と同じ値になる迄上昇される。又、この状態でEV1
信号がHレベルに転じてEV弁19aをも閉じると、ホイー
ルシリンダ1aへのブレーキ液圧は保持される。次にこの
状態でAV1信号がHレベルに転じてAV弁20aを開き、加え
てHレベルのMR信号によりトランジスタ25を導通し、モ
ータ24を電源+Eにより付勢してポンプ21aを駆動する
とホイールシリンダ1aのブレーキ液圧はマスタシリンダ
11に戻されて減圧される。上記の動作を表にまとめると
次表の如くである。
アンチスキッド制御回路18は右前輪1の回転速度を検
出する車輪速センサ26aからの信号を基に上記EV1信号及
びAV1信号を発する回路部分18aと、左前輪2の回転速度
を検出する車輪速センサ26bからの信号を基に左前輪用
アクチュエータ17bのためのEV2信号及びAV2信号を発す
る回路部分18bと、後2輪3,4の平均回転速度であるプロ
ペラシャフト7の回転速度を検出する車輪速センサ26c
からの信号を基に後輪用アクチュエータ17cのためのEV3
信号及びAV3信号を発する回路部分18cと、擬似車速発生
装置27と、これからの擬似車速から前記理想スリップ率
に対応した目標車輪速を発生する回路28a,28b,28cと、A
V1,AV2,AV3信号(Hレベル)の論理和をとるORゲート
29、及び該ORゲートの出力の立上がり毎にトリガされて
所定時間HレベルのMR信号を発するリトリガブルタイマ
30とで構成する。
回路部分18a,18b,18cは夫々ほぼ同様な構成とするた
め、対応部分をサフィックスa,b,cの異なる同一符号に
て示し、主として回路部分18aにつき詳細説明を行う。3
1aは車輪速検出回路で、車輪速センサ26aからの信号を
入力され、第2図の如き構成とする。即ち、車輪速セン
サ26aからの信号を入力されるコンパレータ201を具え、
このコンパレータは入力信号を第3図の如く車輪回転数
に対応した周波数のパルス信号に波形整形して時刻ラッ
チ202およびパルスカウンタ203に入力する。時刻ラッチ
202は上記パルス信号の立上がり毎にタイマ204からの時
刻Tを更新し、この時刻を時刻ラッチ205に入力する。
時刻ラッチ205には、発進回路206からの第3図に示す如
き一定周期Xmseeの矩形波信号を入力する。時刻ラッチ2
05は、発進回路206からの矩形波信号の立上がり毎に第
3図の如く時刻ラッチ202の更新時刻TをTnとして取込
み、同時に前回の取込み時刻を時刻ラッチ207にTn+1
して転送し、ラッチ207は発進回路206からの矩形波信号
の立上がりに同期してこの転送時刻Tn+1をメモリする。
パルスカウンタ203はコンパレータ201からのパルス信号
のパルス数をカウントアップし、演算回路208が発進回
路206からの矩形波信号の立上がり時車輪速を演算し終
わる毎にカウント値をリセットすることで、第3図の如
く周期Xmsec間のパルス数Nnを計測する。演算回路208は
時刻Tn+1からTn迄の演算サイクル(ほぼXmsecに同じ)
中におけるパルス数Nnと、右前輪回転半径に関する定数
kとからその周速(車輪速)Vwnにより求め、これを右前輪の車輪速Vw1として出力す
る。
第1図中31b,31cも第2図および第3図につき上述し
たと同様の車輪速検出回路であり、左前輪の車輪速Vw2
及び後2輪の平均車輪速Vw3を演算するものとする。但
し、車輪速検出回路31cは演算サイクルXを例えば10mse
cの如く長くして車輪速Vw3の演算精度を高くし、車輪速
検出回路31a,31bは夫々演算サイクルXを例えば5msecの
如く短くして車輪速Vw1,Vw2の演算応答を高くする。
演算精度の高い車輪速(Vw3)信号は車輪加速度検出
回路32cに入力して後2輪の平均車輪加速度αw3(負が
減速度)の演算に資する。回路32cは第4図の如く車輪
速格納レジスタ210と、演算回路211とを具える。演算回
路211は今回の格納車輪速Vwnと、6サイクル前の格納車
輪速Vwn+6との差を対応時間(演算サイクル)6×Xmsec
=60msec(但し、Xmsecは車輪速演算回路31cの演算サイ
クルで10msec)で除して、車輪加速度αwnを求め、これ
を後2輪の平均車輪加速度αw3として出力する。ところ
で、車輪速演算サイクルがX=10msecと長く、車輪加速
度演算サイクルも6×Xmsec=60msecと長いため、車輪
加速度(αw3)信号は高精度なものとなる。
演算応答の高い車輪速(Vw1,Vw2)信号は車輪加速度
検出回路32a,32bに入力して両前輪の車輪加速度αw1
αw2(負が減速度)の演算に資する。回路32a,32bは第
5図の如く車輪速格納レジスタ220と、演算回路221とを
具える。演算回路221は今回の格納車輪速Vwnと4個前の
格納車輪速Vwn+4との差を対応時間(演算サイクル)4
×Xmsec=20msec(但し、Xmsecは車輪速演算回路31a,31
bの演算サイクルで5msec)で除して、車輪加速度αwn
求め、これを両前輪の車輪加速度αw1,αw2として出力
する。ところで、車輪速演算サイクルがX=5msecと短
く、車輪加速度演算サイクルも4×Xmsec=20msecと短
いため、車輪加速度(αw1、αw2)信号は高応答なもの
となる。
上記のように車輪速Vw1〜Vw3及び車輪加速度αw1〜α
w3は信号の種類が異なるが、これら信号の処理の仕方は
各チャンネルで同じため、以下では右前輪用のチャンネ
ル18aにつき説明する。車輪加速度αw1は比較器33a,34a
で減速度基準値b1及び加速度基準値a1と比較され、比較
器33aは車輪減速度αw1が減速度基準値b1より大きな減
速度になる時Hレベル信号を出力し、比較器34aは車輪
加速度αw1が加速度基準値a1より大きな加速度になる時
Hレベル信号を出力する。比較器35aは車輪速Vw1を目標
車輪速発生回路28aからの後述する目標車輪速(Vi×0.8
5)と比較し、車輪速Vw1がこの目標車輪速以下の間、比
較器35aはHレベル信号を出力する。ORゲート36aは比較
器33a〜35aのHレベル出力の論理和をとってHレベル信
号を発し、この信号はORゲート40aを経由し、EV1信号と
して増幅器37aによる増幅後EV弁19aに供給する。ANDゲ
ート38aは比較器35aのHレベル出力と、比較器34aから
のLレベル信号との論理積をとってHレベルのAV1信号
を発し、この信号を増幅器39aを経てAV弁20aに供給す
る。
ORゲート40aの残りの入力にはANDゲート41aの出力を
接続し、該ANDゲートの3入力に夫々可変タイマ42a,、
一定周波数の矩形パルスを発生するパルス発生器(OS
C)43a及び前記リトリガブルタイマ30からの信号を供給
する。可変タイマ42aは後述の如く比較器34aの出力の立
下がりによりトリガされ、ピーク値検出回路44aにより
検出した車輪加速度αw1のピーク値αmaxに応じた時間
だけ遅れて一定時間Hレベル信号を出力するものとし、
ピーク値検出回路44aは後述の如く比較器33aからの出力
の立下がりから次の立上がりまでの間における車輪加速
度αw1のピーク値αmaxを検出するものとする。
これがため、ピーク値検出回路44aは第6図に明示す
るようにバッファアンプ45,46と、ダイオード47と、コ
ンデンサ48とよりなるピークホールド回路、及びアナロ
グスイッチ49により構成し、バッファアンプ45の+入力
に車輪加速度αw1を入力し、アナログスイッチ49のゲー
トに比較器33aの出力信号を入力し、バッファアンプ46
よりピーク値αmaxを出力するようなものとする。
かかるピーク値検出回路44aの動作は、車輪加速度α
w1が第7図の如くであり、従って比較器33aの出力が同
図の如くである場合について述べると、次の通りであ
る。即ち車輪減速度αw1が基準値b1を越えて比較器33a
の出力がHレベルである間、この比較器出力はアナログ
スイッチ49のONによりコンデンサ48をリセットし、この
リセット間の車輪加速度αw1のピーク値αmaxに対応し
た電圧をコンデンサ48に充電してピーク値αmaxをバッ
ファアンプ46より出力することができる。
又可変タイマ42aは第8図に明示する如く第1タイマ5
0及び第2タイマ51により構成し、第1タイマ50の入力
Bには比較器34aの出力を反転器52,53を経て供給し、入
力Bの立下がりで第1タイマ50は起動してタイマ出力を
端子QAより生ずる。タイマ出力の設定時間は端子T1,T2
に外部接続したコンデンサ54と可変抵抗回路55との時定
数で決まり、可変抵抗回路55の抵抗値は前記ピーク値α
maxに比例して大きくなるものとする。従って、第1タ
イマ50の端子QAからのタイマ出力設定時間はピーク値α
maxの大きさに比例して長くなる。第1タイマ50の出力Q
Aは第2タイマ51の入力Bに供給され、第2タイマ51に
は外部接続したコンデンサ56及び可変抵抗57で決まる時
定数が固定的に設定されている。そして第2タイマ51
は、第1タイマ出力QAの立下がりにより起動され、端子
QBよりANDゲート41aへ上記時定数だけHレベル信号を出
力する。
かかる可変タイマ42aの動作は、車輪加速度αw1が第
9図の如くであり、従って比較器34aの出力が同図に示
す如くである場合につき説明すると、車輪加速度αw1
基準値a1以下となって比較器34aの出力が立下る瞬時よ
り第1タイマ50の出力QAはピーク値αmaxに応じた時間T
1だけHレベルとなり、出力QAの立下がり瞬時より第2
タイマ51の出力QBは一定時間T2だけHレベルとなる。
擬似車速発生装置27は車輪速Vw1〜Vw3を基に擬似車速
Vf1〜Vf3を個々に造り出す回路27a〜27cと、これら擬似
車速のうち最も車速に近い最高値のものを選択するセレ
クトハイスイッチ58とを具え、スイッチ58はセレクトハ
イ擬似車速VfHを擬似車速修正回路86及びセレクトスイ
ッチ87に供給する。擬似車速発生回路27a〜27cには夫々
車輪速Vw1〜Vw3を入力すると共にMR信号を供給するが、
回路27a〜27cは夫々同様の構成とするため、車輪速Vw1
より擬似車速Vf1を造り出す回路27aのみにつき以下第10
図を参照しつつ説明する。
即ち、擬似車速発生回路27aは車輪速Vw1を1入力に供
給される比較器59,60と、擬似車速Vf1に±1km/hの不感
帯を設定して比較器59,60の他入力に供給する可算器61
及び減算器62と、比較器59,60の出力C1,C2を供給され
るNORゲート63とを具える。比較器59はVw1≧Vf1+1km/h
の時出力C1をHレベルにし、比較器60はVw1<Vf1−1km/
hの時出力C2をHレベルにする。かくて、NORゲート63は
出力C1,C2が共にLレベルとなるVf1−1km/h≦Vw1<Vf1
+1km/hの時Hレベルを出力する。NORゲート63の出力は
タイマ64、ORゲート65及びショットパルス発生回路66に
入力する。タイマ64はNORゲート63からの信号の立下が
りにより起動され、一定時間T3(例えば0.1秒で第11図
につき後述する)だけHレベル信号を出力し、これをOR
ゲート65に供給する。
ORゲート65の出力はセレクト信号S3としてアナログス
イッチ67のゲートに供給すると共に、反転器68により反
転してANDゲート69,70の一方の入力に供給する。ANDゲ
ート69の他方の入力にはC1信号を、又ANDゲート70の他
方の入力にはC2信号を夫々供給し、ANDゲート69,70の出
力をセレクト信号S2,S4としてアナログスイッチ71,72
のゲートに供給する。アナログスイッチ67はセレクト信
号S3のHレベル中ONされて積分回路73への供給電圧Eを
0にし、アナログスイッチ71はセレクト信号S2のHレベ
ル中ONされて、あり得る車両加速度(車速上昇変化率)
の最大値、例えば+0.4gに対応した電圧Eを積分回路73
に供給し、アナログスイッチ72はセレクト信号S4のHレ
ベル中ONされて、あり得る車両減速度(車速低下変化
率)の最大値、例えば−1.2gに対応した電圧Eを積分回
路73に供給する。
積分回路73は増幅器74、コンデンサ75及びアナログス
イッチ76よりなる周知のもので、アナログスイッチ76が
そのゲートへのHサベルリセット信号S1によりONになる
時リセットされ、リセット信号S1が消失した後電圧Eを
積分し続けるものとする。リセット信号S1は回路66から
のショットパルスによって得るようにし、このショット
パルス発生回路66はイグニッション投入信号IGによりエ
ンジン始動時先ず1個のショットパルスをリセット信号
S1として出力し、その後はNORゲート63の出力が立上が
る毎にショットパルスをリセット信号S1として出力す
る。
リセット信号S1はその他にサンプルホールド回路77の
リセットにも使用し、この回路もバッファアンプ78,7
9、コンデンサ80及びアナログスイッチ81よりなる周知
のものとし、車輪速Vw1を入力する。サンプルホールド
回路77はHレベルリセット信号S1によりアナログスイッ
チ81がONになる時リセットされ、その時の車輪速Vw1
車輪速サンプリング値Vsとして記憶し続け、これを可算
回路82に入力する。可算回路82は回路73の積分値 を車輪速サンプリング値Vsに加算し、加算値Vs+Veを切
換スイッチ83に入力する。切換スイッチ83には別に車輪
速Vw1も入力し、この切換スイッチはHレベルMR信号と
HレベルC1信号との論理積をとるANDゲート84のHレベ
ル出力により車輪速Vw1を擬似車速Vf1とし、それ以外で
加算回路82の出力を擬似車速Vf1とするよう機能する。
上記擬似車速発生回路27aは、車輪速Vw1が第11図の如
くである場合、以下の作用により同図に点線で示す如き
擬似車速Vf1を発生させることができる。但し、第11図
では第10図中ANDゲート84がHレベルを出力せず、つま
りMR信号がLレベル(後述のようにアンチスキッド制御
非実行中)か、信号C1がLレベル(車輪速Vw1の非加速
中)かのため、ANDゲート84がHレベルを出力せず、切
換スイッチ83が加算回路82の出力を擬似車速Vf1とする
場合について示した。
第11図中瞬時t0でエンジンを始動したとすると、イグ
ニッションスイッチ信号IGはこの時回路66より1個のシ
ョットパルス(リセット信号)S1を出力させる。この信
号S1はサンプルホールド回路77をリセットしてこの時の
車輪速Vw1を車輪速サンプリング値Vsとして第11図中1
点鎖線の如くに保持する。信号S1は他方で積分回路73を
リセットし、その出力Veが0となるため、加算回路82の
出力Vs+VeはVsとなってこれを擬似車速Vf1とする。と
ころで、Vsは当初Vw1であるから、Vf1=Vw1であり、比
較器出力C1,C2は共にLレベルとなってNORゲート63よ
りHレベル信号を出力させ、ORゲート65の出力もHレベ
ルである。このHレベル出力はセレクト信号S3としてア
ナログスイッチ67のONに供され、他方で反転器68により
Lレベルに反転され、セレクト信号S2,S4の発生を禁ず
る。アナログスイッチ67のONは積分回路73の入力電圧E
を0に保ち、その積分値Veが0のままであることによっ
て擬似車速Vf1は車輪速サンプリング値Vsと同じ一定値
に保たれる。
瞬時t1以後車輪の加速により車輪速Vw1が上昇する
と、Vw1≧Vf1+1km/hとなる時に比較器59からの信号C1
がHレベルに転じ、NORゲート63の出力をLレベルに転
ずる。しかし、タイマ64がその瞬時よりT3時間だけHレ
ベル信号を出力するため、ORゲート65の出力S3はT3時間
が経過する迄はHレベルを保ち、その瞬時t2にLレベル
に転ずる。よって、瞬時t1〜t2間においても擬似車速V
f1は依然として当初の車輪速サンプリング値Vsと同じ一
定値に保たれる。
瞬時t2以後においては、ORゲート65の出力がLレベル
であり、比較器59の出力C1がHレベルであることによ
り、ANDゲート69が出力(セレクト信号S2)をHレベル
にし、アナログスイッチ71のONで積分回路73の入力電圧
Eを+0.4gの車両加速度に対応した値に切換える。この
ためその積分値 は+0.4gの加速度に対応した速度で大きくなり、これと
車輪速サンプリング値Vsとの回路82による加算値、つま
り擬似車速Vf1も第11図の如く+0.4gの加速度に対応し
た速度で上昇する。
これにより擬似車速Vf1が車輪速Vw1に追いつく(Vw1
<Vf1+1.0km/hとなる)瞬時t3で信号C1はLレベルに展
示、NORゲート63の出力がHレベルに転ずる。この瞬時
にショットパルス発生回路66はリセット信号S1を発し、
積分回路73及びサンプルホールド回路77をリセットする
が、その後も瞬時t4迄は車輪速Vw1が同様の傾向をもっ
て上昇するため、上記と同様の作用により擬似車速Vf1
は造り出される。
ところで、瞬時t4〜t5において車輪速Vw1が時間T3
り短い周期で変動を繰返すため、NORゲート63の出力が
対応するレベル変化を繰返しても、ORゲート65の出力は
タイマ64によってHレベルに保たれる。従って、ORゲー
ト65の出力であるセレクト信号S3のHレベル保持により
積分値Veは0に保たれ、瞬時t4における車輪速サンプリ
ング値Vsが擬似車速Vf1として出力され、この擬似車速
を車輪速Vw1の変動周期が短い間一定に保つことができ
る。
瞬時t5以後は、Vw1<Vf1−1km/hであり、又この状態
がNORゲート65の出力の立下がりからT3時間経過した後
も続くため、T3時間の経過瞬時t6においてORゲート65の
出力がLレベルに転ずる。そして、Vw1<Vf1−1km/hに
より比較器60の出力がHレベルであるため、ANDゲート7
0はセレクト信号S4をHレベルにし、アナログスイッチ7
2のONで積分回路73の入力電圧Eを−1.2gの車両減速度
に対応した値に切換える。このためその積分値 は−1.2gの減速度に対応した速度で小さくなり、これと
車輪速サンプリング値Vsとの回路82による加算値、つま
り擬似車速Vf1も第11図の如く−1.2gの減速度に対応し
た速度で低下する。
これにより擬似車速Vf1が車輪速Vw1に追いつく(Vw1
≧Vf1−1km/hとなる)瞬時t7で信号C2はLレベルに転
じ、NORゲート63の出力がHレベルに転ずる。この瞬時
にショットパルス発生回路66はリセット信号S1を発し、
積分回路73及びサンプルホールド回路77をリセットする
が、その後瞬時t8迄は車輪速Vw1の変動周期がT3より短
いか変動しないため、擬似車速Vf1は瞬時t4〜t5間につ
き前述したと同様にして瞬時t7における車輪速サンプリ
ング値Vsと同じ一定値に保たれる。
又、瞬時t8以後は車輪速Vw1が低下するため、瞬時t5
〜t7間につき前述したと同様にして、擬似車速Vf1をT3
時間中はこれ迄の値に保ち、瞬時t9以後−1.2gの減速度
に対応した速度で低下させることができる。
なお、第10図の擬似車速発生回路では、MR信号がHレ
ベルの間、つまり後述する処から明らかなようにアンチ
スキッド制御実行中、車輪が加速されてC1信号がHレベ
ルになると、ANDゲート84は出力をHレベルにして切換
スイッチ83を切換え、この間擬似車速Vf1を前記作用を
無視して車輪速Vw1に一致させる。その理由は、この間
を前記の作用により擬似車速Vf1を+0.4gに対応した速
度で車輪速Vw1に向かわせるのでは遅過ぎてアンチスキ
ッド制御が不正確になるからである。
第1図の例ではスイッチ58からのセレクトハイ擬似車
速VfHをそのまま車速値として使用せず、これを擬似車
速修正回路86で修正した値Vrと、セレクトハイ擬似車速
VfHとの高い方をセレクトハイスイッチ87により選択し
て得られる値Viを最終的な擬似車速(車速値)とし、目
標車輪速発生回路28a,28b,28cに供給するようになすこ
とで、車速値の高精度化を図る。
擬似車速修正回路86は第12図に示す構成とする。この
図中回路141a〜141dは夫々サンプルホールド回路で、回
路141a,141bはセレクトハイ擬似車速VfHを適宜抽出保持
し、回路141c,141dは一定周期で歩進するタイマカウン
タ142のカウント値を適宜抽出保持するものとする。こ
れらサンプルホールド回路による適宜抽出保持はORゲー
ト143からの出力及び前記リトリガブルタイマ30からのM
R信号により行わせ、ORゲート143は擬似車速発生回路内
におけるC2信号(第10図参照)の論理和をとってC2′信
号を発するものとする。
サンプルホールド回路141aは、リトリガブルタイマ30
からのMR信号のインバータG2を介した反転信号と、上記
C2′信号との論理積をとるANDゲートG1からのHレベル
出力に同期してセレクトハイ擬似車速VfHを抽出保持
し、サンプルホールド回路141bはC2′信号に同期してセ
レクトハイ擬似車速VfHを抽出保持する。又サンプルホ
ールド回路141cはANDゲートG1のHレベル出力に同期し
てタイマカウンタ142のカウント値を抽出保持し、サン
プルホールド回路141dはC2′信号に同期してタイマカウ
ンタ142のカウント値を抽出保持する。145はサンプルホ
ールド回路141aのサンプリング値V0からサンプルホール
ド回路141bのサンプリング値Vbを減算する減算回路、14
6はサンプルホールド回路141cのサンプリング値T0から
サンプルホールド回路141dのサンプリング値Tbを減算す
る減算回路であり、147は減算回路145からの減算値(V0
−Vb)を減算回路146からの減算値(T0−Tb)で除する
除算回路である。また、148は所定の擬似車速傾き信
号、例えば0.4Gに相当する傾き信号を発生する傾き発生
回路、149は傾き発生回路148からの傾き信号と除算回路
147からの演算出力 (V0−Vb)/(T0−Tb) とを切り換える切換スイッチであり、更に、150はサン
プルホールド回路141dに保持されたサンプリング値T
b(n)よりタイマカウンタ142からの出力値を減算する
減算回路、151はこの減算回路150からの減算値Tcと、除
算回路147からの除算値又は切換スイッチ149を介した傾
き発生回路148からの傾き値とを乗算する乗算回路であ
り、152はサンプルホールド回路141bに順次サンプリン
グされるセレクトハイ擬似車速値より除算回路151から
の演算出力を減算する減算回路である。そして、153は
上記C2′信号とMR信号のアンドゲートG3によるアンド信
号の立ち上がりでセットされ、MR信号の立ち下がりでリ
セットされるRSフリップフリップ(以下、単にFF153と
いう)であり、上記切換スイッチ149はこのFF153の出力
Qに応じ、これがLレベルの時に傾き発生回路148側
に、同出力QがHレベルの時に除算回路147側に夫々切
り換えられるものとする。
また、154はC2′信号の立ち上がりから所定時間(例
えば2sec)ΔTだけHレベル信号を出力するリトリガブ
ルタイマ、155はこのタイマからHレベル信号が出力さ
れる間減算回路152側になり、それ以外でセレクトハイ
スイッチ58側に切り換わる切換スイッチを示す。切換ス
イッチ155の出力はセレクトハイスイッチ58の出力と共
にセレクトハイスイッチ87の2入力に接続し、セレクト
ハイスイッチ87の出力を目標車輪速発生回路28a〜28cに
接続する。
かかる擬似車速修正回路86の作用を次に説明する。制
動により擬似車速発生回路27a〜27c内のC2信号が1つで
もHレベルになると、ORゲート43はHレベルのC2′信号
を出力し、該C2′信号の立ち上がりに同期してサンプル
ホールド回路141a,141bにセレクトハイ擬似車速がV
b(0)=V0としてサンプリングされると共に、サンプ
ルホールド回路141c,141dにタイマカウンタ142からのカ
ウント値がTb(0)=T0としてサンプリングされる。
又、この時点でAV1,AV2,AV3信号(第1図参照)がLレ
ベルのためリトリガブルタイマ30からのMR信号がLレベ
ルであり、従ってFF153はセットされず、その出力Qは
Lレベルを保ってスイッチ149を傾き発生回路148側とな
る。そして、次にC2′信号が再び立上がる迄の時間経過
にともなって減算回路150からその時間経過に相当する
カウント値Tc Tc=T−Tb(0) 但しT:カウンタ142の現在値 が出力されると共に、このカウント値Tcと傾き発生回路
148からの傾き値Ao(0.4G)とに基づいて除算回路151は
セレクトハイ擬似車速減少量 Ao×Tc を演算する。減算回路152は、回路141bでサンプルホー
ルドした車輪速Vb(0)から上記減少量Ao×Tcを減算し
て、修正擬似車速Vj Vj=Vb(0)−Ao×Tc を求め、 これを出力する。この修正擬似車速Vjは上記第1回目の
サンプリング開始瞬時より勾配Aoを持って発生する。
次に再びC2′信号が発生すると、その時の車輪速V
b(1)がC2′信号の立上がりに同期して回路141bに新
たにサンプリングされると共に、同時点でのタイマカウ
ンタ142からのカウント値Tb(1)がC2′信号の立上が
りに同期して回路141dに新たにサンプリングされる。又
この時、MR信号はHレベルとなっており、ゲートG1がL
レベル出力によって回路141a,141cに前記のサンプリン
グ値Vb(0),Tb(0)を保持させる。同時にHレベル
のMR信号はC2′信号の存在のもとゲートG3の出力をHレ
ベルにし、FF153の出力QをHレベルにしてスイッチ149
を除算回路147側に保持する。一方、減算回路145から前
記第1回目のサンプリング瞬時におけるセレクトハイ擬
似車速Vb(0)と、第2回目のサンプリング瞬時におけ
るセレクトハイ擬似車速Vb(1)との差ΔVb(1)、即
ち ΔVb(1)=Vb(0)−Vb(1) が出力されると共に、減算回路146から第1回目のサン
プリング瞬時でのカウント値Tb(0)と、第2回目のサ
ンプリング瞬時でのカウンタ値Tb(1)との差ΔT
b(1)、即ち ΔTb(1)=Tb(0)−Tb(1) が出力され、これら差値ΔVb(1),ΔTb(1)に基づ
いて除算回路147が ΔVb(1)/ΔTb(1)=A1 の演算を行い、その演算値A1をVb(0)からVb(1)に
至る傾き情報として除算回路151に入力する。他方、減
算回路150は前記したように、C2′信号が次に立上がる
迄の時間経過にともなってその時間経過に相当するカウ
ント値Tc Tc=Tb(1) を除算回路151に入力しており、この除算回路はこのカ
ウント値Tcと除算回路147からの傾き情報A1とに基づき
セレクトハイ擬似車速減少量 A1×Tc を演算する。減算回路152は、回路141bでサンプルホー
ルドしたセレクトハイ擬似車速Vb(1)から上記減少量
A1×Tcを減算して修正擬似車速Vj Vj=Vb(1)−A1×Tc を求め、これを出力する。この修正擬似車速Vjは第2回
目のサンプリング瞬時より発生するもので、その勾配A1
はVb(0)とVb(1)とを結ぶ直線に相当したものとな
る。
以後同様に、各スキッドサイクルでC2′信号が立上る
毎にVb(0)点を基準とした傾きの修正擬似車速Vjが演
算回路152より出力される。
修正擬似車速Vjはセレクトハイ擬似車速VfHと共に切
換スイッチ155の入力に達し、C2′信号が立上がる毎に
タイマ154の設定時間ΔT中切換スイッチ155は修正擬似
車速Vjを車体速Vrとして出力する。この出力は、リトリ
ガブルタイマ154の設定時間ΔT中に次のC2′信号の立
上がりがなければ、リトリガブルタイマ154が出力をL
レベルに転じてスイッチ155を反対側に切換えることか
ら、セレトハイ擬似車速VfHが車体速Vrとしてスイッチ1
55より出力される。なお、かように修正擬似車速Vjを車
体速Vrとして継続使用しない理由は、修正擬似車速Vj
路面摩擦係数の変化時実車速Vcとの誤差を大きくされ、
低摩擦路から高摩擦路への変化時制動不能になることが
考えられるためで、C2′信号の立上がり後設定時間ΔT
が経過したら、セレクハトハイ擬似車速VfHを車体速Vr
として切換え使用することとした。
車体速Vrはセレクトハイ擬似車速VfHと共にセレクト
ハイスイッチ87に入力し、このスイッチで両信号の高い
方を実車速に近いことからセレクトハイしてアンチスキ
ッド制御用の最終擬似車速Viとし、これを目標車輪速発
生回路28a〜28cに夫々入力する。
上記実施例の作用を、右前輪1に係わるアンチスキッ
ド制御作用を例にとって代表的に説明する。但し以下で
は、右前輪1の車輪速Vw1、車輪加速度αw1及びセレク
トハイスッチ87により選択した最終擬似車速Viが第13図
(Vcは参考までに示した実車速)の如くであることとし
て説明を展開する。
ブレーキペダル16(第1図参照)の踏込みで、第13図
中瞬時t0よりブレーキ液圧Pwが発生し、車輪速Vw1が第1
3図の如くに低下する制動当初、車輪減速度αw1は基準
値b1より小さく、比較器33aの出力がLレベルであり、
勿論αw1<a1でもあるから比較器34aの出力もLレベル
であり、又車輪スリップを未だ生ぜず車輪速Vw1が目標
車輪速Vi×0.85以上であるから比較器35aの出力もLレ
ベルである。よって、ORゲート36aの出力がLレベル、A
NDゲート38aの出力(AV1信号)もLレベルであり、AV1
信号〜AV3信号の論理和をとるORゲート29の出力がLレ
ベルを保ってリトリガブルタイマ30からのMR信号をLレ
ベルに保つため、ANDゲート41aの出力もLレベルであっ
てORゲート40aの出力(EV1信号)もLレベルである。EV
1信号のLレベルはEV弁19aを開き、AV1信号のLレベル
はAV弁20aを閉じ、従ってこの間ホイールシリンダ1aへ
のブレーキ液圧Pwはマスターシリンダ11からの液圧に向
け上昇し、通常の制動が得られる。
この制動中、車輪減速度αw1が基準値b1を越える瞬時
t1〜t2間、t1′〜t2′間において比較器33aはHレベル
を出力し、車輪加速度αw1が基準値a1を越える瞬時t3
t4間、t3′以後において比較34aはHレベルを出力し、
車輪速Vw1が目標車輪速以下となる瞬時t2〜t6間、t5
〜t6′間において比較器35aはHレベルを出力する。従
って、EV1信号は瞬時t1〜t4間でHレベルとなりEV弁19a
を閉じ、AV1信号はこの間瞬時t2〜t3中においてHレベ
ルとなりAV弁20aを開く。これがため瞬時t1〜t2間にお
いてブレーキ液圧Pwは保持され、制動力を一定に保つこ
とにより路面摩擦係数を判断可能とすると共に、それ以
上のブレーキ液圧の上昇でこれを排除するアンチスキッ
ド制御が遅れることのないようにする。
そして、車輪速Vw1が目標車輪速Vi×0.85以下になる
瞬時t2で、EV弁19aの閉状態保持、AV弁20aの開により、
又AV1信号の立上がりでリトリガブルタイマ30からのMR
信号が立上がり、モータ24の付勢でポンプ21aを駆動す
ることにより、ブレーキ液圧Pwを減圧する。かくて車輪
1のロックは防止される。なお、リトリガブルタイマ30
はAV1〜AV3信号の立上がり毎にトリガされ、所定時間H
レベルのMR信号を発するものであるが、第13図では所定
時間内のリトリガにより瞬時t2以後MR信号をHレベルに
保っているものとする。
上記の減圧により車輪加速度αw1が基準値a1に達する
瞬時t3でAV弁20aが閉じられることにより、EV弁19aの閉
状態保持と相俟ってブレーキ液圧Pwを保持に切換え、こ
れにより路面摩擦係数の変化具合を判断可能とすると共
に、それ以上のブレーキ液圧の低下でこれを再上昇させ
るアンチスキッド制御の解除が遅れることのないように
する。
かかるブレーキ液圧の保持中、路面摩擦力の回復によ
り車輪速Vw1が車速相当値に向け上昇する間、車輪加速
度αw1が基準値a1以下になる瞬時t4で車輪速が車速相当
値に近づいたと見做せることから、以下の如くにしてブ
レーキ液圧Pwを再上昇させる。即ち、瞬時t4で、比較器
33a,34a,35aの出力が全てLレベルであることによりAV1
信号はLレベルに保たれ、EV1信号はANDゲート41aから
の信号によってレベルを決定される。ANDゲート41aの入
力に接続された可変タイマ42aは、回路44aで検出した車
輪加速度αw1′のピーク値αmaxに応じた時間T1だけ瞬
時t4より遅れて一定時間T2中Hレベルの出力を発し、又
パルス発生器(OSC)43aは第13図に示す一定周波数の矩
形パルスを発している。ANDゲート41aはこれら信号とMR
信号(Hレベル中)との論理積をとることから、EV1信
号を瞬時t4からT1時間中Lレベルに保ち、その後T2時間
中OSC43aからのパルス信号と同じ周期でレベル変化させ
る。従って、T1時間中ブレーキ液圧Pwはマスターシリン
ダ液圧に向け急増圧され、T2時間中ブレーキ液圧Pwは緩
増圧されることとなり、ブレーキ液圧Pwを最大ブレーキ
効率が得られる理想スリップ率に対応したロック液圧PL
付近に長時間保つことができ、制動距離を短縮し得る。
その後、車輪減速度αw1が基準値b1を越える瞬時t1
で、次のスキッドサイクルに移行し、上述したと同様な
作用の繰返しにより右前輪1は結局、理想スリップ率に
保たれるようブレーキ液圧を制御され、制動距離ができ
るだけ短くなるようなアンチスキッド制御を実行され
る。
なお、左前輪2及び後2輪3,4も夫々、対応する車輪
速Vw2,Vw3を基に前記と同様な作用によって同様にアン
チスキッド制御される。
ところで、駆動輪である後輪3,4のアンチスキッド制
御には、演算サイクルの長い回路31c,32cで演算した高
精度でノイズに強い車輪加速度(αw3)信号を用いるた
め、これら車輪3,4の回転イナーシャが大きくて駆動罫
の回転振動を入力されると雖も、ブレーキ液圧がアンチ
スキッド制御中に増圧されて制動効率の低下を招くよう
なことはない。
逆に、非駆動輪である前輪1,2のアンチスキッド制御
には、演算サイクルの短い回路31a,31b及び32a,32bで演
算した高応答な車輪加速度(αw1,αw2)信号を用いる
ため、応答性の良いアンチスキッド制御により制御の性
能を向上させることができる。
なお、これらの要求に鑑み、上述の例では車輪速検出
回路31a(31b)と31cも演算サイクルを異ならせたが、
これら車輪速検出回路31a〜31cの演算サイクルを全て同
じとし、車輪加速度検出回路32a(32b)と32cとの演算
サイクルのみを異ならせてもよい。
この再、回路32cは第14図の構成にし、回路32a(32
b)は第15図の構成とすることもできる。第14図の車輪
加速度検出回路32cはX=5msecの演算サイクルで求めた
車輪速Vw3を格納するレジスタ230と、平均値回路231,23
2と、演算回路233とで構成する。平均値回路231は最近
の4個の格納車輪速の平均値wnを求め、平均値回路23
2はそれより12個前における格納車輪速の平均値wn+12
を求める。演算回路233は両平均値の差を対応時間(長
い演算サイクル)12×Xmsec=50msec(Xは上記の通り5
msec)で除して車輪加速度αwnを求め、これを高精度な
車輪加速度(αw3)信号として出力する。又第15図の車
輪加速度検出回路32a(32b)は同じくX=5msecの演算
サイクルで求めた車輪速Vw1(Vw2)を格納するレジスタ
240と、演算回路241とで構成する。演算回路241は今回
の格納車輪速Vwnと4個前における格納車輪速Vwn+4との
差を対応時間(短い演算サイクル)4×Xmsec=20msec
で除して車輪加速度αwnを求め、これを高応答な車輪加
速度αw1(αw2)として出力する。
(発明の効果) かくして本発明アンチスキッド制御装置は上述の如
く、駆動輪と非駆動輪とで夫々要求特性に合った車輪加
速度信号を造り出す異種の車輪加速度演算手段を用いる
構成としたから、いずれの車輪においても狙い通りのア
ンチスキッド制御を行わせることができ、制動効率が悪
くなるのを防止し得ると共にアンチスキッド制御の性能
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明アンチスキッド制御装置の一実施例を示
す全体システム図、 第2図は同例における車輪速検出回路のブロック線図、 第3図は同回路の動作波形図、 第4図及び第5図は夫々第1図の装置における車輪加速
度検出回路のブロック線図、 第6図は第1図のアンチスキッド制御装置におけるピー
ク値検出回路の電子回路図、第7図は同じくその動作波
形説明図、 第8図は第1図のアンチスキッド制御装置における可変
タイマの回路図、 第9図は同可変タイマの動作波形説明図、 第10図は第1図のアンチスキッド制御装置における擬似
車速発生回路の電子回路図、 第11図は同回路の動作波形説明図、 第12図は第1図の装置における擬似車速修正回路の電子
回路図、 第13図は第1図に示すアンチスキッド制御装置の動作波
形説明図、 第14図及び第15図は夫々車輪加速度検出回路の他の例を
示すブロック線図である。 1…右前輪、2…左前輪 2,3…後輪 1a〜4a…ホイールシリンダ 7…プロペラシャフト 8…ディファレンシャルギヤ、9,10…車軸 11…2系統マスターシリンダ 16…ブレーキペダル 17a,17b,17c…アクチュエータ 18…アンチスキッド制御回路 19a,19b,19c…EV弁、20a,20b,20c…AV弁 21a,21b,21c…ポンプ 22a,22b,22c…アキュムレータ 23a,23b,23c…チェックバルブ 24…ポンプ駆動モータ、25…トランジスタ 26a,26b,26c…車輪速センサ 27…擬似車速発生装置 27a,27b,27c…擬似車速発生回路 28a,28b,28c…目標車輪速発生回路 29…ORゲート、30…リトリガブルタイマ 31a,,31b,31c…車輪速検出回路 32a,32b,32c…車輪加速度検出回路 33a〜33c,34a〜34c,35a〜35c…比較器 36a〜36c,40a〜40c…ORゲート 37a〜37c,39a〜39c…増幅器 38a〜38c…ANDゲート、41a〜41c…ANDゲート、42a〜42c
…可変タイマ、43a〜43c…パルス発生器、44a〜44c…ピ
ーク値検出回路、58…セレクトハイスイッチ、59、60…
比較器 61…加算器、62…減算器、63…NORゲート 64…タイマ、65…ORゲート 66…ショットパルス発生回路 67,71,72…アナログスイッチ、68…反転器 69,70…ANDゲート、73…積分回路 77…サンプルホールド回路、82…加算回路 83…切換スイッチ、86…擬似車速修正回路 87…セレクトハイスイッチ 141a〜141d…サンプルホールド回路 142…タイマカウンタ 145,146,150,152…減算回路 147…除算回路、148…傾き発生回路 149,155…切り換えスイッチ 151…蒸散回路、153…RSフリップフロップ 154…リトリガブルタイマ 201…コンパレータ 202,205,207…時刻ラッチ 203…パルスカウンタ 204…タイマ、206…発振回路 208…演算回路 210,220,230,240…車輪速格納レジスタ 211,221,233,241…演算回路 231,232…平均値回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非駆動輪及び駆動輪の車輪加速度を個別に
    演算し、これら演算結果から対応車輪のロックを判断し
    て非駆動輪及び駆動輪のブレーキ液圧を個別に減圧する
    ようにしたアンチスキッド制御装置において、 演算サイクルの長い第1の車輪加速度演算手段を駆動輪
    のアンチスキッド制御チャンネルに設け、 演算サイクルの短い第2の車輪加速度演算手段を非駆動
    輪のアンチスキッド制御チャンネルに設けたことを特徴
    とするアンチスキッド制御装置。
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