JP2585288B2 - アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置

Info

Publication number
JP2585288B2
JP2585288B2 JP62220454A JP22045487A JP2585288B2 JP 2585288 B2 JP2585288 B2 JP 2585288B2 JP 62220454 A JP62220454 A JP 62220454A JP 22045487 A JP22045487 A JP 22045487A JP 2585288 B2 JP2585288 B2 JP 2585288B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
signal
level
circuit
vehicle speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62220454A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6463453A (en
Inventor
俊郎 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP62220454A priority Critical patent/JP2585288B2/ja
Publication of JPS6463453A publication Critical patent/JPS6463453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2585288B2 publication Critical patent/JP2585288B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、制動時の車輪ロックを防止するアンチスキ
ッド制御装置の擬似車速発生装置に関するものである。
(従来の技術) アンチスキッド制御装置は、車速に対して車輪速が所
定以上のスリップ関係になる時ブレーキ液圧を減じ、こ
れによりこのスリップ関係以外に戻る時ブレーキ液圧を
再増圧することにより、最大制動効率が達成される態様
で車輪のロックを防止するものである。
しかして、上記所定以上のスリップ関係である間は車
輪速が実車速に対応せず、これを車速として利用できな
い。かと言って車速を直接検出するドップラーレーダー
等は高価で実用的でない。従って本願出願人は先に特開
昭60−261767号公報により、上記所定以上のスリップ関
係である間は車輪がロック傾向となるスキッドサイクル
開始時の車輪速と、その以前のスキッドサイクル開始時
における基準車輪速とを結ぶ所定勾配の線上における車
輪速値を実車輪を模した擬似車速とし、これを車速とし
てアンチスキッド制御に資する技術を提案済である。
ところでこの際、第1スキッドサイクルの開始時にお
ける車輪速値を上記基準車輪速にする場合と、直前のス
キッドサイクル開始時における車輪速値を基準車輪速に
する場合とが考えられる。後者の場合、応答性が良いも
のの、基準車輪速の頻繁な変化にともない擬似車速がバ
ラツキ、安定したアンチスキッド制御を期し難い。そこ
で一般的には、前者のようにしてアンチスキッド制御の
継続中基準車輪速を固定しておくのが普通であった。
(発明が解決しようとする問題点) ところでかかる従来の擬似車速発生技術では、路面状
況が低摩擦路から高摩擦路へと変化した時、実際には車
体減速度が大きくなるためこれに追従して擬似車速の勾
配も大きくならなければならないにもかかわらず、基準
車輪速が不変なことから擬似車速の勾配が以前の低摩擦
路に対応した値を踏襲することとなり、擬似車速が実車
速より著しく高くなってしまう。
この場合、擬似車速に対する車輪速の比較が行うロッ
ク判断が、実際には車輪がロック傾向でないにもかかわ
らずロック傾向と誤判断し、不要なブレーキ液圧の減圧
により制動距離が長くなるという問題を生ずる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は低摩擦路から高摩擦路への移行時前記車輪の
ロック時間が短くなることから、この時基準車輪速を直
前のスキッドサイクル開始時における車輪速値に変更し
て上述の問題解決を図ろうとするもので、 車輪がロック傾向となるスキッドサイクル開始時の車
輪速と、それ以前のスキッドサイクル開始時における基
準車輪速とを結ぶ所定勾配の線上における車輪速値を、
実車速を模した擬似車速とし、 この擬似車速に対して車輪速が所定以上のスリップ関
係になる時、当該車輪のブレーキ液圧を減じ、このスリ
ップ関係以外の状態に戻る時、当該車輪のブレーキ液圧
を再増圧するようにしたアンチスキッド制御装置におい
て、 前記所定勾配が設定勾配以下であるのを検出して前回
のスキッドサイクルが低摩擦路走行であったのを検知す
る擬似車速勾配判定手段と、 スキッドサイクル毎に前記車輪のロック時間が設定値
以下であるのを検出して今回のスキッドサイクルが高摩
擦路走行であるのを検知するロック時間判定手段と、 これら手段からの信号に応答し、前記所定勾配が設定
勾配以下であり、且つ、車輪のロック時間が設定値以下
である時、前記基準車輪速を直前のスキッドサイクル開
始時における車輪速値に変更する基準車輪速変更手段と
を設けた構成に特徴づけられる。
(作 用) アンチスキッド制御装置は、車輪がロック傾向となる
スキッドサイクル開始時の車輪速と、それ以前のスキッ
ドサイクル開始時における基準車輪速とを結ぶ所定勾配
の線上における車輪速値を擬似車速とし、この擬似車速
に対して車輪速が所定以上のスリップ関係となる時、当
該車輪のブレーキ液圧を減じ、このスリップ関係以外に
戻る時ブレーキ液圧を再増圧することにより、最大制動
効率が得られるよう車輪ロックを防止する。
擬似車速勾配判定手段は、前記所定勾配が設定勾配以
下である否かを検出して前記のスキッドサイクルが低摩
擦路走行であったか否かを検知し、 ロック時間判定手段は、スキッドサイクル毎に車輪の
ロック時間が設定値以下であるか否かを検出して今回の
スキッドサイクルが高摩擦路走行であるか否かを検出す
る。
そして基準車輪速変更手段は、これら手段からの信号
に応答し、前記所定勾配が設定勾配以下であり、且つ、
車輪ロック時間が前記設定値以下である時、前記基準車
輪速を直前のスキッドサイクル開始時における車輪速値
に変更する。
ところで、前記所定勾配が設定勾配以下であり、且
つ、車輪ロック時間が前記設定値以下であるということ
は、走行路面が低摩擦路から高摩擦路に移行したことを
意味し、これがため当該移行時に基準車輪速を直前のス
キッドサイクル開始時における車輪速値に変更すること
となり、 従って擬似車速の低下割合を常時、路面摩擦係数で決
まる実際の車速低下割合にマッチさせ得て、当該路面摩
擦係数の変化時も擬似車速を実車速に近似させることが
できる。
よって、低摩擦路から高摩擦路への移行時も擬似車速
が実車速に対して著しく高くなることがなく、正確な車
輪ロックの判断により正確なアンチスキッド制御を可能
ならしめ、制動距離が長くなるのを防止することができ
る。
加えて、低摩擦路から高摩擦路への移行を上記の通
り、擬似車速の勾配および車輪ロック時間から判断する
ため、基準車輪速を確実に直前のスキッドサイクル開始
時における車輪速値に変更し得ることとなり、路面摩擦
係数の変化に起因した実車速の変化に対する擬似車速の
追従応答が素早く、上記の作用効果を極めて確実なもの
にすることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図は本発明擬似車速発生装置を具えたアンチスキ
ッド制御装置を示す全体システム図で、図中1は右前
輪、1aはそのホイールシリンダ、2は左前輪、2aはその
ホイールシリンダ、3は右後輪、3aはそのホイールシリ
ンダ、4は左後輪、4aはそのホイールシリンダを夫々示
す。又、5はエンジン、6は変速機、7はプロペラシャ
フト、8はディファレンシャルギヤ、9,10は夫々後車軸
で、これらにより後2輪3,4を駆動して車両を走行させ
得るものとする。
ブレーキ装置は、2系統マスターシリンダ11の一系統
11aを管路12により右前輪ホイールシリンダ1aに接続す
ると共に、管路13により左前輪ホイールシリンダ2aに接
続し、他系統11bを管路14により右後輪ホイールシリン
ダ3aに接続すると共に管路14,15により左後輪ホイール
シリンダ4aに接続した所謂前後スプリット式液圧ブレー
キ装置とする。このブレーキ装置はブレーキペダル16の
踏込みにより発生してマスターシリンダ11の2系統11a,
11bから出力されるマスターシリンダ液圧により作動さ
れて車両を減速させることができる。
右前輪1、左前輪2及び後2輪3,4に対する合計3個
のアンチスキッド制御手段を設け、これらは管路12,13,
14中に夫々挿入したアクチュエータ17a,17b,17cと、こ
れらを作動制御するアンチスキッド制御回路18とで構成
する。
アクチュエータ17a,17b,17cは夫々同様のものである
ため、対応部分をサフィックスa,b,cの異なる同一符号
にて示し、右前輪用アクチュエータ17aのみについて以
下に詳細説明する。アクチュエータ17aは流入弁(EV
弁)19aと、排出弁(AV弁)20aと、ポンプ21aと、アキ
ュムレータ22aと、チェックバルブ23aとを図示の如くに
接続して構成する。EV弁19a及びAV弁20aはアンチスキッ
ド制御回路18からのEV1信号及びAV1信号により個々に制
御され、ポンプ21aは他のアクチュエータ17b,17cにおけ
るポンプ21b,21cと共に共通なモータ24により適宜駆動
され、この駆動をアンチスキッド制御回路18からのMR信
号により制御する。EV1信号がLレベルでEV弁19aを開
き、AV1信号もLレベルでAV弁20aを閉じている状態でホ
イールシリンダ1aへのブレーキ液圧はマスターシリンダ
液圧と同じ値になる迄上昇される。又、この状態でEV1
信号がHレベルに転じてEV弁19aをも閉じると、ホイー
ルシリンダ1aへのブレーキ液圧は保持される。次にこの
状態でAV1信号がHレベルに転じてAV弁20aを開き、加え
てHレベルのMR信号によりトランジスタ25を導通し、モ
ータ24を電源+Eにより付勢してポンプ21aを駆動する
とホイールシリンダ1aのブレーキ液圧はマスタシリンダ
11に戻されて減圧される。上記の動作を表にまとめると
次表の如くである。
アンチスキッド制御回路18は右前輪1の回転速度を検
出する車輪速センサ26aからの信号を基に上記EV1信号及
びAV1信号を発する回路部分18aと、左前輪2の回転速度
を検出する車輪速センサ26bからの信号を基に左前輪用
アクチュエータ17bのためのEV2信号及びAV2信号を発す
る回路部分18bと、後2輪3,4の平均回転速度であるプロ
ペラシャフト7の回転速度を検出する車輪速センサ26c
からの信号を基に左後輪用アクチュエータ17cのためのE
V3信号及びAV3信号を発する回路部分18cと、本発明擬似
車速発生装置27と、これからの擬似車速から車輪及び路
面間の摩擦係数が最大となる理想スリップ率に対応した
目標車輪速を発生する回路28a,28b,28cと、AV1,AV2,AV3
信号(Hレベル)の論理和をとるORゲート29、及び該OR
ゲートの出力の立上がり毎にトリガされて所定時間Hレ
ベルのMR信号を発するリトリガブルタイマ30とで構成す
る。
回路部分18a,18b,18cは夫々同様な構成とするため、
対応部分をサフィックスa,b,cの異なる同一符号にて示
す、回路部分18aのみについて詳細説明を行う。31aは車
輪速検出回路で、車輪速センサ26aからの右前輪回転数
(パルス)信号と右前輪回転半径とからその周速(車輪
速)VW1を演算する。この車輪速VW1は車輪加速度検出回
路32aに入力されて車輪加速度αW1(負が減速度)の演
算に供される。車輪加速度αW1は比較器33a,34aで減速
度基準値b1及び加速度基準値a1と比較され、比較器33a
は車輪減速度αW1が基準値b1より大きな減速度になる時
Hレベル信号を出力し、比較器34aは車輪加速度αW1
基準値a1より大きな加速度になる時Hレベル信号を出力
する。比較器35aは車輪速VW1を目標車輪速発生回路28a
からの後述する目標車輪速(Vi×0.85)と比較し、車輪
速VW1が目標車輪以下の間、比較器35aはHレベル信号を
出力する。ORゲート36aは比較器33a〜35aのHレベル出
力の論理和をとってHレベル信号を発し、この信号はOR
ゲート40aを経由し、EV1信号として増幅器37aによる増
幅後EV弁19aに供給する。ANDゲート38aは比較器35aのH
レベル出力と、比較器34aからのLレベル信号との論理
積をとってHレベルのAV1信号を発し、この信号を増幅
器39aを経てAV弁20aに供給する。ORゲート40aの残りの
入力にはANDゲート41aの出力を接続し、該ANDゲートの
3入力に夫々可変タイマ42a、一定周波数の矩形パルス
を発生するパルス発生器(OSC)43a及び前記リトリガブ
ルタイマ30からの信号を供給する。可変タイマ42aは比
較器34aの出力の立下がりによりトリガされ、ピーク値
検出回路44aにより検出した車輪加速度αW1のピーク値
αmaxに比例した時間T1(第5図参照)だけ遅れて一定
のT2時間Hレベル信号を出力するものとし、ピーク値検
出回路44aは比較器33aからの出力の立下がりから次の立
上がりまでの間における車輪加速度αW1のピーク値αma
xを検出するものとする。
擬似車速発生装置27は車輪速VW1〜VW3のうち最も車速
に近い最高値のもの(セレクトハイ車輪速VWH)を選択
するセレクトハイスイッチ45と、このセレクトハイ車輪
速VWHから擬似車速Viを造り出す擬似車速演算回路46と
で構成し、回路46は擬似車速Viを目標車輪速発生回路28
a〜28cに供給する。擬似車速演算回路46は第2図に示す
如く基準勾配決定部100と、擬似車速演算部200と、再増
圧量検出部300と、基準勾配変更部400とで構成する。基
準勾配決定部100において141a〜141dは夫々サンプルホ
ールド回路を示し、回路141aは本発明における基準車輪
速変更手段を構成する切換スイッチ50の実線位置で、又
回路141bは常時、セレクトハイ車輪速VWHを適宜抽出保
持し、回路141cは切換スイッチ51の実線位置で、又回路
141dは常時、一定周期で歩進するタイマカウンタ142の
カウント値を適宜抽出保持するものとする。これらサン
プルホールド回路による適宜抽出保持は擬似車速演算部
200内のC2信号及び前記リトリガブルタイマ30からのMR
信号により行わせる。
サンプルホールド回路141aは、リトリガブルタイマ30
からのMR信号のインバータG2を介して反転信号と、上記
C2信号との論理積をとるANDゲートG1からのHレベル信
号がORゲートG4から出力されるのに同期してセレクトハ
イ車輪速VWHを基準車輪速V0として抽出保持し、サンプ
ルホールド回路141bはC2信号に同期してセレクトハイ車
輪速VWHを抽出保持する。又サンプルホールド回路141c
はORゲートG4のHレベル出力に同期してタイマカウンタ
142のカウント値を抽出保持し、サンプルホールド回路1
41dはC2信号に同期してタイマカウンタ142のカウント値
を抽出保持する。145はサンプルホールド回路141aのサ
ンプリング値V0からサンプルホールド回路141bのサンプ
リング値Vbを減算する減算回路、146はサンプルホール
ド回路141cのサンプリング値T0からサンプルホールド回
路141dのサンプリング値Tbを減算する減算回路であり、
147は減算回路145からの減算値(V0−Vb)を減算回路14
6からの減算値(T0−Tb)で除する除算回路である。ま
た、148は初期の擬似車速勾配に関する信号、例えば0.4
Gに相当する傾き信号を発生する傾き発生回路、149は傾
き発生回路148からの傾き信号と除算回路147からの演算
出力 (V0−Vb)/(T0−Tb) とを切り換えて擬似車速の基準勾配mを決定する。更に
150は基準勾配mを極性合せのため反転する回路で、反
転信号−mを加算回路151に入力して修正勾配−m′の
演算を資する。
そして、153は上記C2信号とMR信号との論理積をとるA
NDゲートG3からの信号の立ち上がりでセットされ、MR信
号の立ち下がりリセットされるRSフリップフリップ(以
下、単にFF153という)であり、上記切換スイッチ149は
このFF153の出力Qに応じ、これがLレベルの時に傾き
発生回路148側に、同出力QがHレベルの時に除算回路1
47側に夫々切り換えられるものとする。
擬似車速演算部200は、セレクトハイ車輪速VWHを入力
される比較器59,60と、擬似車速Viに±1km/hの不感帯を
設定して比較器59,60の他入力に供給する加算器61及び
減算器62と、比較器59,60の出力信号C1,C2を供給される
NORゲート63とを具える。比較器59はVWH≧Vi+1km/hの
時出力C1をHレベルにし、比較器60はVWH<Vi−1km/hの
時出力C2をHレベルにする。かくて、NORゲート63は出
力C1,C2が共にLレベルとなるVi−1km/h≦VWH<Vi+1km
/hの時Hレベルを出力する。NORゲート63の出力はタイ
マ64、ORゲート65及びショットパルス発生回路66に入力
する。タイマ64はNORゲート63からの信号の立下がりに
より起動され、MR信号の存否に応じた所定時間T3(例え
ばMR信号がない間0.1秒、MR信号発生中5msecで第6図に
つき後述する)だけHレベル信号を出力し、これをORゲ
ート65に供給する。
ORゲート65の出力はセレクト信号S3としてアナログス
イッチ67のゲートに供給すると共に、反転器68により反
転してANDゲート69,70の一方の入力に供給する。ANDゲ
ート69の他方の入力にはC1信号を、ANDゲート70の他方
の入力にはC2信号を夫々供給し、ANDゲート69,70の出力
をセレクト信号S2,S4としてアナログスイッチ71,72のゲ
ートに供給する。アナログスイッチ67はセレクト信号S3
のHレベル中ONされて積分回路73への供給電圧を0に
し、アナログスイッチ71はセレクト信号S2のHレベル中
ONされて、あり得る車両加速度(車速上昇変化率)の最
大値、例えば+0.4Gに対応した電圧E、又は+10Gに対
応した電圧Eを積分回路73に供給し、アナログスイッチ
72はセレクト信号S4のHレベル中ONされて、加算回路15
1で求めた擬似車速勾配−m′に対応した電圧Eを積分
回路73に供給する。なお、上記+0.4G,+10Gの選択は切
換スイッチ85により行い、このスイッチはMR信号がない
間+0.4Gを、又MR信号が生じているアンチスキッド制御
中+10Gを選択するものとする。
積分回路73は増幅器74、コンデンサ75及びアナログス
イッチ76よりなる周知のもので、アナログスイッチ76が
そのゲートへのHレベルリセット信号S1によりONになる
時リセットされ、リセット信号S1が消失した後電圧Eを
積分し続けるものとする。リセット信号S1は回路66から
のショットパルスによって得るようにし、このショット
パルス発生回路66はイグニッション投入信号IGによりエ
ンジン始動時先ず1個のショットパルスをリセット信号
S1として出力し、その後はNORゲート63の出力が立上が
る毎にショットパルスをリセット信号S1として出力す
る。
リセット信号S1はその他にサンプルホールド回路77の
リセットにも使用し、この回路もバッファアンプ78,7
9、コンデンサ80及びアナログスイッチ81よりなる周知
のものとし、セレクトハイ車輪速VWHを入力する。サン
プルホールド回路77はHレベルリセット信号S1によりア
ナログスイッチ81がONになる時リセットされ、その時の
車輪速VWHを車輪速サンプリング値VSとして記憶し続
け、これを加算回路82に入力する。加算回路82は回路73
の積分値 を車輪速サンプリング値VSに加算し、加算値VS+Veを擬
似車速Viとして目標車輪速発生回路28a〜28cに入力す
る。
再増圧量検出部300は増圧カウンタ90a,90b,90cで構成
する。増圧カウンタ90aは比較器34aの出力が立下がる瞬
時にショットパルスを発生する回路91と、ORゲート40a
の出力、つまりEV1信号をレベル調整するためのレベル
変換器92と、上記ショットパルスによりリセットされて
レベル変換器出力を積分する積分回路92とよりなり、第
3図に示す如くスキッドサイクル毎におけるEV1信号の
消失パルス数を積分して、右前輪の再増圧量を求めるも
のとする。又、増圧カウンタ90b,90cも夫々同様にして
左前輪の再増圧量及び後2輪の再増圧量を求めるものと
する。
これら3系統の再増圧量に関する信号を加算回路151
に入力し、加算回路151は基準勾配−mを再増圧量の増
大につれ大きくし、修正勾配−m′としてアナログスイ
ッチ72に入力するが、この際リミッタ152により修正勾
配−m′の上限及び下限を夫々−1.2G及び−0.1Gに定め
るのが良い。
増圧カウンタ90a〜90cの出力のうち、どれか1つを比
較器94に入力し、この比較器は基準勾配変更部400の一
部であり、1系統の再増圧量が高摩擦路を表わす設定値
以下の間Hレベル信号をショットパルス発生回路95に供
給する。ショットパルス発生回路95は比較器94の出力の
立下がり瞬時にショットパルスを発してANDゲート96に
供給する。ANDゲート96の他入力に、擬似車速勾配判定
手段に相当する比較器97の出力を供給し、この比較器は
基準勾配mの回路98を経由した絶対値|m|が0.4G以下の
時Hレベル信号を出力する。本発明においてはANDゲー
ト96の残りの1入力には車輪のロック時間を判定するロ
ック時間判定手段としてのロック時間判定回路99からの
信号を供給し、この回路は比較器35a(比較器35b又は35
cでもよい)の出力の立上がり時ショットパルスを発生
する回路105と、比較器35aの出力を反転するNOTゲート1
01と、回路105からのショットパルスによりリセットさ
れ、NOTゲート101からの反転出力を第4図の如く積分す
る積分回路102と、この積分値が高摩擦路を示す設定値
以上の間Hレベル信号を出力する比較器103と、この比
較器出力を反転してANDゲート96に供給するNOTゲート10
4とで構成する。
ANDゲート96は3入力の論理積をとってHレベル信号
を出力し、切換スイッチ50,51を点線位置に切換えると
共に、ORゲートG4を経てサンプルホールド回路141a,141
cにHレベル信号を供給することにより、これら回路の
サンプルホールド値V0,T0を夫々Vb,Tbに変更して基準勾
配mを変更するものとする。
次に上記実施例の作用を次に説明する。
先ず第1図の全体システムによるアンチスキッド制御
作用を右前輪1につき代表的に説明する。但し以下で
は、右前輪1の車輪速VW1、後述のようにして求めた擬
似車速Vi、車輪と路面の摩擦係数が最大となる車輪の理
想スリップ率15%を得るための目標車輪速Vi×0.85、及
び車輪加速度αW1が第5図(VCは参考までに示した実車
速)の如きものであることとして説明を展開する。
ブレーキペダル16(第1図参照)の踏込みで、第5図
中瞬時t0よりブレーキ液圧WWが発生し、車輪速VW1が第
5図の如くに低下する制動当初、車輪減速度αW1は基準
値b1より小さく、比較器33aの出力がLレベルであり、
勿論αW1<a1でもあるから比較器34aの出力もLレベル
であり、又車輪ロックを未だ生ぜず車輪速VW1目標車輪
速Vi×0.85以上であるから比較器35aの出力もLレベル
である。よって、ORゲート36aの出力がLレベル、ANDゲ
ート38aの出力(AV1信号)もLレベルであり、AV1信号
〜AV3信号の論理和をとるORゲート29の出力がLレベル
を保ってリトリガブルタイマ30からのMR信号をLレベル
に保つため、ANDゲート41aの出力もLレベルであってOR
ゲート40aの出力(EV1信号)もLレベルである。EV1信
号のLレベルはEV弁19aを開き、AV1信号のLレベルはAV
弁20aを閉じ、従ってこの間ホイールシリンダ1aへのブ
レーキ液圧PWはマスターシリンダ11からの液圧に向け上
昇し、通常の制動が得られる。
この制動中、車輪減速度αW1が基準値b1を越える瞬時
t1〜t2間、t1′〜t2′間において比較器33aはHレベル
を出力し、車輪加速度αW1が基準値a1を越える瞬時t3
t4間、t3′以後において比較器34aはHレベルを出力
し、車輪速VW1が目標車輪速Vi×0.85以下となる瞬時t2
〜t6間、t5′〜t6′間において比較器35aはHレベルを
出力する。従って、EV1信号は瞬時t1〜t4間でHレベル
となりEV弁19aと閉じ、AV1信号はこの間瞬時t2〜t3中に
おいてHレベルとなりAV弁20aを開く。これがため瞬時t
1〜t2間においてブレーキ液圧PWは保持され、制動力を
一定に保つことにより路面摩擦係数を判断可能とすると
共に、それ以上のブレーキ液圧の上昇でこれを排除する
アンチスキッド制御が遅れることのないようにする。
そして、車輪速VW1が目標車輪速Vi×0.85以下になる
瞬時t2で、EV弁19aの閉状態保持、AV弁20aの開により、
又AV1信号の立上がりでリトリガブルタイマ30からのMR
信号が立上がり、モータ24の付勢でポンプ21aを駆動す
ることにより、ブレーキ液圧PWを減圧する。かくて車輪
1のロックは防止される。なお、リトリガブルタイマ30
はAV1〜AV3信号の立上がり毎にトリガされ、所定時間H
レベルのMR信号を発するものであるが、第5図では所定
時間内のリトルガにより瞬時t2以後MR信号をHレベルに
保っているものとする。
上記の減圧により車輪加速度αW1が基準値a1に達する
瞬時t3でAV弁20aが閉じられることにより、EV弁19aの閉
状態保持と相俟ってブレーキ液圧PWを保持に切換え、こ
れにより路面摩擦係数の変化具合を判断可能とすると共
に、それ以上のブレーキ液圧の低下でこれを再上昇させ
るアンチスキッド制御の解除が遅れることのないように
する。
かかるブレーキ液圧の保持中、路面摩擦力の回復によ
り車輪速VW1が車速相当値に向け上昇する間、車輪加速
度αW1が基準値a1以下になる瞬時t4で車輪速が車速相当
値に近付いたと見做せることから、以下の如くにしてブ
レーキ液圧PWを再上昇させる。即ち、瞬時t4で、比較器
33a,34a,35aの出力が全てLレベルであることによりAV1
信号はLレベルに保たれ、EV1信号はANDゲート41aから
の信号によってレベルを決定される。ANDゲート41aの入
力に接続された可変タイマ42aは、回路44aで検出した車
輪加速度αW1のピーク値αmaxに応じた時間T1だけ瞬時t
4より遅れて一定時間T2中Hレベルの出力を発し、又パ
ルス発生器(OSC)43aは第5図に示す一定周波数の矩形
パルスを発している。ANDゲート41aはこれら信号とMR信
号(Hレベル中)との論理積をとることから、EV1信号
を瞬時t4からT1時間中Lレベルに保ち、その後T2時間中
OSC43aからのパルス信号と同じ周期でレベル変化させ
る。従って、T1時間中ブレーキ液圧PWはマスターシリン
ダ液圧に向け急増圧され、T2時間中ブレーキ液圧PWは緩
増圧されることとなり、ブレーキ液圧PWを最大ブレーキ
効率が得られる理想スリップ率に対応したロック液圧PL
付近に長時間保つことができ、制動距離を短縮し得る。
その後、車輪減速度αW1が基準値b1を越える瞬時t1
で、次のスキッドサイクルに移行し、上述したと同様な
作用の繰返しにより右前輪1は結局、理想スリップ率に
保たれるようブレーキ液圧を制御され、制動距離ができ
るだけ短くなるようなアンチスキッド制御を実行され
る。
なお、左前輪2及び後2輪3,4も夫々、対応する車輪
速VW2,VW3を基に前記と同様な作用によって同様にアン
チスキッド制御される。
次に擬似車速演算回路86(第2図に具体構造を示す)
の作用を説明する。
先ず擬似車速演算部200の作用を、セレクトハイ車輪
速VWHが第6図の如くであり、修正勾配−m′が一定で
ある場合につき説明する。
第6図中瞬時t0でエンジンを始動したとすると、イグ
ニッションスイッチ信号IGはこの時回路66より1個のシ
ョットパルス(リセット信号)S1を出力させる。この信
号S1はサンプルホールド回路77をリセットしてこの時の
セレクトハイ車輪速VWHを車輪速サンプリング値VSとし
て第6図中1点鎖線の如くに保持する。信号S1は他方で
積分回路73をリセットし、その出力Veが0となるため、
加算回路82の出力VS+VeはVSとなってこれを擬似車速Vi
とする。ところで、VSは当初VWHであるから、Vi=VWH
あり、比較器出力C1,C2は共にLレベルとなってNORゲー
ト63よりHレベル信号を出力させ、ORゲート65の出力も
Hレベルである。このHレベル出力はセレクト信号S3
してアナログスイッチ67のONに供され、他方で反転器68
によりLレベルに反転され、セレクト信号S2,S4の発生
を禁ずる。アナログスイッチ67のONは積分回路73の入力
電圧Eを0に保ち、その積分値Veが0のままであること
によって擬似車速Viは車輪速サンプリング値Vsと同じ一
定値に保たれる。
瞬時t1以後車輪の加速によりセレクトハイ車輪速VWH
が上昇すると、VWH≧Vi+1km/hとなる時に比較器59から
の信号C1がHレベルに転じ、NORゲート63の出力をLレ
ベルに転ずる。しかし、タイマ64がその瞬時よりT3時間
だけHレベル信号を出力するため、ORゲート65の出力S3
はT3時間が経過する迄はHレベルを保ち、T3時間経過瞬
時t2にLレベルに転ずる。よって、瞬時t1〜t2間におい
ても擬似車速Viは依然として当初の車輪速サンプリング
値VSと同じ一定値に保たれる。なお、T3時間はMR信号が
Hレベルのアンチスキッド制御中短かくして擬似車速Vi
の応答性を良くする。
瞬時t2以後においては、ORゲート65の出力がLレベル
であり、比較器59の出力C1がHレベルであることによ
り、ANDゲート69が出力(セレクト信号S2)をHレベル
にし、アナログスイッチ71のONで積分回路73の入力電圧
EをMR信号がLレベルのアンチスキッド制御非実行中+
0.4Gの車両加速度に対応した値に切換える。このためそ
の積分値 は+0.4Gの加速度に対応した速度で大きくなり、これと
車輪速サンプリング値VSとの回路82により加算値、つま
り擬似車速Viも第6図の如く+0.4Gの加速度に対応した
速度で上昇する。なお、入力電圧EをMR信号がHレベル
のアンチスキッド制御中は切換スイッチ85により+10G
に切換えて速やかにVWHに向かわせ、擬似車速Viの応答
性を高める。
これにより擬似車速Viがセレクトハイ車輪速VWHに追
いつく(VWH<Vi+1.0km/hとなる)瞬時t3で信号C1はL
レベルに転じ、NORゲート63の出力がHレベルに転ず
る。この瞬時にショットパルス発生回路66はリセット信
号S1を発し、積分回路73及びサンプルホールド回路77を
リセットするが、その後も瞬時t4先ではセレクトハイ車
輪速VWH同様の傾向をもって上昇するため、上記と同様
の作用により擬似車速Viは造り出される。
ところで、瞬時t4〜t5においてはセレクトハイ車輪速
VWHが時間T3より短い周期で変動を繰返すため、NORゲー
ト63の出力が対応するレベル変化を繰返しても、ORゲー
ト65の出力はタイマ64によってHレベルに保たれる。従
って、ORゲート65の出力であるセレクト信号S3のHレベ
ル保持により積分値Veは0に保たれ、瞬時t4における車
輪速サンプリング値VSが擬似車速Viとして出力され、こ
の擬似車速をセレクトハイ車輪速VWHの変動周期が短い
間一定に保つことができる。
瞬時t5以後は、VWH<Vi−1km/hであり、又この状態が
NORゲート65の出力が立下がりからT3時間経過した後も
続くため、T3時間の経過瞬時t6においてORゲート65の出
力がLレベルに転ずる。そして、VWH<Vi−1km/hにより
比較器60の出力がHレベルであるため、ANDゲート70は
セレクト信号S4をHレベルにし、アナログスイッチ72の
ONで積分回路73の入力電圧Eを−m′の車両減速度(修
正勾配)に対応した値に切換える。このためその積分値 は−m′の減速度に対応した速度で小さくなり、これと
車輪速サンプリング値VSとの回路82による加算値、つま
り擬似車速Viも第6図の如く−m′の減速度に対応した
速度で低下する。
これにより擬似車速Viがセレクトハイ車輪速VWHに追
いつく(VWH≧Vi−1km/hとなる)瞬時t7で信号C2はLレ
ベルに転じ、NORゲート63の出力がHレベルに転ずる。
この瞬時にショットパルス発生回路66はリセット信号S1
を発し、積分回路73及びサンプルホールド回路77をリセ
ットするが、その後瞬時t8迄は車輪速VWHの変動周期がT
3より短いか変動しないため、擬似車速Viは瞬時t4〜t5
間につき前述したと同様にして瞬時t7における車輪速サ
ンプリング値VSと同じ一定値に保たれる。
又、瞬時t8以後はセレクトハイ車輪速VWHが低下する
ため、瞬時t5〜t7間につき前述したと同様にして、擬似
車速ViをT3時間中はこれ迄の値に保ち、瞬時t9以後−
m′の減速度に対応した速度で低下させることができ
る。
次に、基準勾配−m及び修正勾配−m′の演算作用
を、セレクトハイ車輪速VWH、擬似車速Vi、C1,C2信号、
右前輪ブレーキ液圧PW、比較器35aの出力及びEV1,AV1
号が夫々第7図の如きものである場合について説明す
る。
増圧カウンタ90aは第3図につき前述した作用によ
り、比較器34aの出力が立下がる再増圧開始瞬時毎にリ
セットされ、再増圧信号であるLレベルEV1信号時間を
積分してスキッドサイクル毎に右前輪の再増圧量を第7
図の如くに検出する。増圧カウンタ90b,90cも夫々同様
の作用により対応系統のLレベルEV2信号及びLレベルE
V3信号時間を積分してスキッドサイクル毎に下前輪及び
後2輪の再増圧量を検出し、これらが例えば第7図の如
きものであるとする。
右前輪の再増圧量(増圧カウンタ90aの出力)が高摩
擦路を示す設定値以上である間、比較器94はHレベル信
号を出力し、この出力が立下がる時、つまり第7図中瞬
時t1,t2における如く高摩擦路上で増圧カウンタ90aがα
W1<a1によりリセットされる時(再増圧が開始される
時)にショットパルス発生回路95はショットパルスをAN
Dゲート96に入力する。又比較器97は、後術の如くに決
定する基準勾配mの絶対値|m|が0.4G以下の場合、つま
り前のスキッドサイクル中低摩擦路であった場合Hレベ
ル信号を出力してこれをANDゲート96に供給する。
更にロック時間判定回路99は第4図につき前述した作
用により、比較器35aの出力が立上がる車輪ロックの度
にリセットされ、車輪ロック時間を積分してスキッドサ
イクル毎に右前輪のロック時間を検出する。そして、こ
れが設定値以下の高摩擦路で比較器103は出力をLレベ
ルにし、NOTゲート104は出力をHレベルにしてこれをAN
Dゲート96に供給する。
ANDゲート96は比較器97の出力がHレベルで前のスキ
ッドサイクル中低摩擦路であり、加えてNOTゲート104の
出力がHレベルで今回のスキッドサイクル中高摩擦路で
ある間、ショットパルス発生回路95が高摩擦路での再増
圧開始を検知してショットパルスを発生する瞬時に、第
7図中瞬時t2に見られる如くショットパルスを出力す
る。つまりANDゲート96は低摩擦路から高摩擦路への移
行後、再増圧の開始に調時してショットパルスを出力す
る。
低摩擦路から高摩擦路への移行がない限りANDゲート9
6は出力をLレベルに保ち、従って切換スイッチ50,51は
夫々実線位置にされていると共に、ORゲートG4の出力レ
ベルはANDゲートG1の出力レベルに依存する。ここで、
制動を開始しても未だアンチスキッド制御が実行され
ず、MR信号がLレベルであるとすると、上記の制動によ
りセレクトハイ車輪速VWHがVi−1km/h以下となってC2
号がHレベルに転じた時、該C2信号の立ち上がりに同期
してサンプルホールド回路141a,141bに夫々セレクトハ
イ車輪速がVb(0),V0(第7図参照)としてサンプリ
ングされると共に、サンプルホールド回路141c,141dに
夫々タイマカウンタ142からのカウント値がVb(0),V0
としてサンプリングされる。又、MR信号がLレベルであ
り、従ってFF153はセットされず、その出力QはLレベ
ルを保ってスイッチ149を傾き発生回路148側となす。従
って、当初基準勾配m(−m)は傾き発生回路148で定
めた勾配(例えば0.4G)に対応するよう決定される。と
ころで、増圧カウンタ90a〜90cの出力が第7図の如く当
初飽和状態であるため、これらを基準勾配−mに加算し
て回路151が求める修正勾配−m′はリミッター152によ
り第7図の如く限界値にされるような値となり、これに
基づき前述した如く演算する擬似車速Viは第7図の如き
ものとなる。
擬似車速Viがセレクトハイ車輪速VWHと一致した第7
図中瞬時t3以後、再びC2信号が立上がる瞬時t4ではアン
チスキッド制御が既に開始され、MR信号がHレベルとな
っているため、これら両信号によりANDゲートG3を介しF
F153がセットされてHレベル出力により切換スイッチ14
9を点線状態にしている。又、HレベルMR信号はNOTゲー
トG2により反転されてANDゲートG1の出力を禁じ、サン
プルホールド回路141a,141cのサンプリング値V0,T0を前
記のままに保つ。そして、C2信号の立上がり(第7図中
瞬時t4)に同期してその時のセレクトハイ車輪速V
b(1)(第7図参照)が回路141bに新たにサンプリン
グされると共に、同時点でのタイマカウンタ142からの
カウント値Tb(1)が回路141dに新たにサンプリングさ
れる。一方、減算回路145から前記第1回目のサンプリ
ング瞬時におけるセレクトハイ車輪速Vb(0)と、第2
回目のサンプリング瞬時におけるセレクトハイ車輪速Vb
(1)との差ΔVb(1)、即ち ΔVb(1)=Vb(0)−Vb(1) が出力されると共に、減算回路146から第1回目のサン
プリング瞬時でのカウント値Tb(0)と、第2回目のサ
ンプリング瞬時でのカウント値Tb(1)との差ΔT
b(1)、即ち ΔTb(1)=Tb(0)−Tb(1) が出力され、これら差値ΔVb(1),ΔTb(1)に基づ
いて除算回路147が ΔVb(1)/ΔTb(1)=m の演算を行い、その演算値mをVb(0)からVb(1)に
至る傾き情報として反転回路150を経由し、加算回路151
に入力する。加算回路151は基準勾配−mに増圧カウン
タ90a〜90cの出力を加算して修正勾配−m′を求め、こ
れを基に第7図中瞬時t5〜t6間において前述した如くに
演算すべき擬似車速Viの勾配を路面摩擦状況に適合した
ものとすることができる。
以後、第7図中瞬時t7〜t8間、t9〜t10間、t11〜t12
間、t13〜t14間においても、同様にして基準勾配−m及
び修正勾配−m′が決定されると共に、修正勾配−m′
に基づき擬似車速Viが演算される。
ところで、低摩擦路から高摩擦路への移行後、再増圧
が開始される瞬時t2においてANDゲート96がショットパ
ルスを出力すると、このショットパルスはスイッチ50,5
1を一瞬点線位置に切換えると同時に、ORゲートG4を経
てサンプルホールド回路141a,141cに向かい、これらサ
ンプルホールド回路に夫々当該瞬時における回路141b,1
41dのサンプルホールド値Vb=Vb(3)(第7図参照)
及びTb=Tb(3)(図示せず)をサンプリングし直す。
よって以後前記V0,T0の代わりにVb(3),Tb(3)が
用いられ、基準車輪速V0がVb(0)から直前のスキッド
サイクル開始時におけ車輪速値Vb(3)へ変化すること
となり、低摩擦路から高摩擦路への移行時も基準勾配−
mを実際の車体減速度勾配に近似させることができる。
これがため第7図中瞬時t15〜t16間及びt17以後におい
ては、かかる基準勾配−mに基づき修正勾配−m′及び
擬似車速Viの演算がなされることとなり、擬似車速Vi
一層路面摩擦状況にマッチしたものとすることができ
る。
なお上述の例では、右前輪のロック時間判定回路99の
みをロック時間判定手段として用いたが、左前輪又は後
2輪のロック時間判定回路を回路99の代わりに用いた
り、或いはこれら3個のロック時間判定回路のうち任意
の2個又は3個の回路の論理和をとるゲートの出力をAN
Dゲート96に供給するようにしても同様の作用効果を達
成することができる。
(発明の効果) かくして本発明擬似車速発生装置は上述の如く、擬似
車速勾配が設定値以下であり(図示例では比較器97の出
力がHレベルであり)、且つスキッドサイクル毎の車輪
ロック時間が高摩擦路を示す設定値以下になる時(図示
例ではロック時間判定回路99の出力がHレベルになる
時)、基準車輪速(図示例ではサンプルホールド回路14
1aのサンプルホールド値V0)を直前のスキッドサイクル
開始時における車輪速値に変更する構成としたから、擬
似車速の低下勾配を低摩擦路から高摩擦路への移行時も
高応答で実際の車速低下割上にマッチさせ得て擬似車速
が実車速より著しく高くなるのを防止することができ
る。従って、擬似車速に対する車輪速のスリップ関係か
ら判断する車輪ロックの判定に誤りを生ずることがなく
なり、正確なアンチスキッド制御が可能であって制動距
離が長くなるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明擬似車速発生装置を具えたアンチスキッ
ド制御装置の全体システム図、 第2図は同アンチスキッド制御装置における擬似車速演
算回路の電子回路図、 第3図及び第4図は夫々第2図の擬似車速演算回路にお
ける増圧カウンタ及びロック時間判定回路の動作波形説
明図、 第5図は第1図に示すアンチスキッド制御装置の動作波
形説明図、 第6図及び第7図は夫々第2図に示す擬似車速演算回路
の動作波形説明図である。 1……右前輪、2……左前輪 3,4……後輪 1a〜4a……ホイールシリンダ 7……プロペラシャフト 8……ディファレンシャルギヤ、9,10……車軸 11……2系統マスターシリンダ 16……ブレーキペダル 17a,17b,17c……アクチュエータ 18……アンチスキッド制御回路 19a,19b,19c……EV弁、20a,20b,20c……AV弁 21a,21b,21c……ポンプ 22a,22b,22c……アキュムレータ 23a,23b,23c……チェックバルブ 24……ポンプ駆動モータ、25……トランジスタ 26a,26b,26c……車輪速センサ 27……擬似車速発生装置 28a,28b,28c……目標車輪速発生回路 30……リトリガブルタイマ 31a,31b,31c……車輪速検出回路 32a,32b,32c……車輪加速度検出回路 37a〜37c,39a〜39c……増幅器 42a〜42c……可変タイマ 43a〜43c……パルス発生器 44a〜44c……ピーク値検出回路 45……セレクトハイスイッチ 46……擬似車速演算回路 50……切換スイッチ(基準車輪速変更手段) 51……切換スイッチ、64……タイマ 66……ショットパルス発生回路 67,71,72……アナグロスイッチ、73……積分回路 77……サンプルホールド回路、82……加算回路 85……切換スイッチ 90a〜90c……増圧カウンタ 94……比較器、95……ショットパルス発生回路 97……比較器、98……絶対値回路 99……ロック時間判定回路(ロック時間判定手段) 100……基準勾配決定部 141a〜141d……サンプルホールド回路 142……タイマカウンタ、145,146……減算回路 147……除算回路、148……傾き発生回路 149……切換スイッチ、150……反転回路 151……加算回路、152……リミッター 153……RSフリップフロップ 200……擬似車速演算部、300……再増圧量検出部 400……基準勾配変更部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪がロック傾向となるスキッドサイクル
    開始時の車輪速と、それ以前のスキッドサイクル開始時
    における基準車輪速とを結ぶ所定勾配の線上における車
    輪速値を、実車速を模した擬似車速とし、 この擬似車速に対して車輪速が所定以上のスリップ関係
    になる時、当該車輪のブレーキ液圧を減じ、このスリッ
    プ関係以外の状態に戻る時、当該車輪のブレーキ液圧を
    再増圧するようにしたアンチスキッド制御装置におい
    て、 前記所定勾配が設定勾配以下であるのを検出して前回の
    スキッドサイクルが低摩擦路走行であったのを検知する
    擬似車速勾配判定手段と、 スキッドサイクル毎に前記車輪のロック時間が設定値以
    下であるのを検出して今回のスキッドサイクルが高摩擦
    路走行であるのを検知するロック時間判定手段と、 これら手段からの信号に応答し、前記所定勾配が設定勾
    配以下であり、且つ、車輪のロック時間が設定値以下で
    ある時、前記基準車輪速を直前のスキッドサイクル開始
    時における車輪速値に変更する基準車輪速変更手段とを
    設けたことを特徴とするアンチスキッド制御装置の擬似
    車速発生装置。
JP62220454A 1987-09-04 1987-09-04 アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置 Expired - Lifetime JP2585288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62220454A JP2585288B2 (ja) 1987-09-04 1987-09-04 アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62220454A JP2585288B2 (ja) 1987-09-04 1987-09-04 アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6463453A JPS6463453A (en) 1989-03-09
JP2585288B2 true JP2585288B2 (ja) 1997-02-26

Family

ID=16751368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62220454A Expired - Lifetime JP2585288B2 (ja) 1987-09-04 1987-09-04 アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2585288B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013130097A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Mikuni Corp 気化器のパイロットスクリュ調整角度規制装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5871246A (ja) * 1981-10-22 1983-04-27 Nippon Denso Co Ltd アンチスキツド制御装置
JPS58194647A (ja) * 1982-05-11 1983-11-12 Aisin Seiki Co Ltd アンチスキツド制御方法
JPS6150862A (ja) * 1984-08-21 1986-03-13 Nissan Motor Co Ltd アンチスキツド制御装置
JPS61285163A (ja) * 1985-06-11 1986-12-15 Nissan Motor Co Ltd アンチスキツド制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013130097A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Mikuni Corp 気化器のパイロットスクリュ調整角度規制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6463453A (en) 1989-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4729608A (en) Method and circuit configuration for controlling an anti-lock brake system for automotive vehicles with all-wheel drive
US4763263A (en) Propulsion control using longitudinal acceleration to determine slip thresholds
JP2646572B2 (ja) アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置
JP2748391B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2591050B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2688909B2 (ja) アンチロック制御方法
JP2783799B2 (ja) アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置
JPS62146759A (ja) アンチスキツド制御装置
JP2767271B2 (ja) 車両のアンチロック制御方法
JP2562174B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPS62146760A (ja) アンチスキツド制御装置
US4852951A (en) Anti-skid brake control system with feature for assuring derivation of vehicle speed representing value precisely reflecting actual vehicle speed
JP2585288B2 (ja) アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置
JP2585287B2 (ja) アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置
JP2593179B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH06104444B2 (ja) 車輪スリツプ防止装置の擬似車速発生装置
JP2775849B2 (ja) アンチスキッド制御装置の擬似車速発生装置
JPH0674032B2 (ja) 車輪スリツプ防止装置の擬似車速発生装置
JP2756833B2 (ja) 車両のアンチロック制御方法
JP2600776B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2748392B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH068098B2 (ja) アンチスキツド制御装置
JP2591157B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH04293654A (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置
JPS62146757A (ja) 車輪スリツプ防止装置の擬似車速発生装置