JP2747371B2 - 金属様外観を有する積層樹脂フイルム - Google Patents

金属様外観を有する積層樹脂フイルム

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JP2747371B2
JP2747371B2 JP50180490A JP50180490A JP2747371B2 JP 2747371 B2 JP2747371 B2 JP 2747371B2 JP 50180490 A JP50180490 A JP 50180490A JP 50180490 A JP50180490 A JP 50180490A JP 2747371 B2 JP2747371 B2 JP 2747371B2
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桂 越智
泰明 大西
和久 金泉
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Nippon Carbide Industries Co Inc
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Nippon Carbide Industries Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は金属様外観を有する積層樹脂フイルムに関
し、さらに詳しくは、接着剤もしくは粘着剤を介して又
は熱ラミネート等の手段により、任意の基体に貼着する
ことによつて、該基体に金属調の美麗な装飾を施すこと
のできる金属様外観を有する積層樹脂フイルムに関す
る。
背景技術 従来、金属様外観を有する樹脂フイルム(以下、金属
調フイルムということがある)としては、例えば、ポリ
エステル系フイルム、アクリル系フイルム、ポリ塩化ビ
ニル系フイルム等の樹脂フイルムの一面に蒸着、スパツ
タリング等の方法により薄い金属層を被着形成したもの
が知られており、主として装飾用途等に用いられてい
る。
樹脂フイルムとしてポリエステル樹脂フイルムを用い
て作成した金属調フイルムの場合、金属層とポリエステ
ルフイルムとの密着性は一般的に比較的良好であるが、
ポリエステル樹脂は、それ自体が耐候性に乏しいために
外装用途には適さず、また、ポリエステル樹脂フイルム
は非常に硬いために曲面追随性に乏しく、曲面に貼着す
ることができないという欠点もある。
また、アクリル樹脂フイルムを用いて作成した金属調
フイルムの場合には、アクリル樹脂の特性として、耐溶
剤性を向上させると柔軟性が低下する傾向にあるため、
印刷適性(耐溶剤性)に優れ且つ柔軟性にも優れた金属
調フイルムを得ることはできない。
さらに、ポリ塩化ビニル系樹脂フイルムを用いて作成
した外装用金属調フイルムにおいては、ポリ塩化ビニル
系樹脂フイルムの配合を種々調整して改質するにより、
該フイルムに耐候性、柔軟性、耐溶剤性を付与すること
ができるが、この場合は、一般に金属層との密着が得ら
れにくく、そのため、特に屋外使用において、金属層の
剥がれが発生する等の問題がある。しかも屋外使用にお
いて、ポリ塩化ビニル系樹脂の劣化に起因して発生する
塩酸により、金属層が腐食・劣化することがあり、その
ため耐候性のよい外装用金属調フイルムが得られていな
いというのが現状である。
一方、ポリ塩化ビニル系樹脂フイルムを用いた場合の
上記欠点を解決するための試みもいくつかなされてい
る。
例えば、特開昭58-42627号公報には、ポリ塩化ビニル
樹脂製品の表面に、エネルギー線照射により硬化するカ
チオン重合性樹脂組成物の硬化被膜層を設け、該被膜層
の表面に金属蒸着を施すことからなるポリ塩化ビニル樹
脂製品の金属蒸着方法が開示されている。また、特開昭
51-140965号公報には、アミノアルキルアルコキシシラ
ンとフイルム形成性樹脂を含む金属真空蒸着用プライマ
ー組成物が開示されている。
しかしながら、上記提案の方法及び組成物は、何れも
屋外使用を目的としたものでないため耐候性についての
考慮は全くなされていない。また、印刷適性についての
考慮も全くなされていないため、上記提案に従つて作成
した外装用金属調フイルムは、その表面樹脂層にインク
・クリアー等を印刷し、次いでそれを乾燥する場合、金
属層に微細なクラツクが発生するという欠点がある。こ
れは、乾燥のために加熱した際に樹脂層の熱等による変
形に金属層が追随しきれないために発生すると推定され
る。
また、表面樹脂層と金属層との間に中間結合層が介在
せしめた外装用金属調フイルムを製造する場合、特に表
面樹脂層として柔軟な樹脂を用いる場合には、中間結合
層又は金属層を被着する過程において、表面樹脂層等に
張力や熱が加わつたり溶剤が付着したりして表面樹脂層
に伸びや変形が生じ、その結果、金属層に亀裂が生じた
り、時には表面樹脂層が破れてしまうこともあり、それ
故に安定して外装用金属調フイルムを製造することが困
難であるという問題もある。
かくして、本発明の目的は、ポリ塩化ビニル系樹脂フ
イルムと金属層との結合性に優れており、且つ金属層の
腐食、劣化がなく、外装用として用いた場合にも十分な
耐候性を示し、曲面貼着可能な柔軟性を有し、しかも耐
溶剤性、耐温水性、耐薬品性等の性能にも優れており、
種々美麗な印刷が可能なポリ塩化ビニル系樹脂フイルム
をベースとする金属調フイルムを提供することである。
発明の開示 本発明は、 (a) 全光線透過率が少なくとも30%であり且つ5%
伸長時の引張強度が2kg/cm以下であるポリ塩化ビニル系
樹脂フイルムと、 (b) 該フイルムの一面に積層された、全光線透過率
が少なくとも30%であり且つ100%伸長時の引張強度が5
0〜550kg/cm2の範囲内にある薄いポリウレタン系樹脂層
と、 (c) 該ポリウレタン系樹脂層上に被着形成された厚
さが50〜2000Åの範囲内にある金属層 からなることを特徴とする金属様外観を有する積層樹脂
フイルムを提供するものである。
本発明はさらに、上記積層樹脂フイルムの金属層上に (d) アクリル系樹脂層 を設けたことを特徴とする金属様外観を有する積層樹脂
フイルムを提供するものである。
以下、本発明の積層樹脂フイルムについてさらに詳細
に説明する。
ポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a): 本発明の積層樹脂フイルムのベースとなり且つ装飾用
として基体に貼着する場合には表面樹脂層となるポリ塩
化ビニル系樹脂フイルム(a)は、後述するポリウレタ
ン系樹脂層(b)を介して被着される金属層の金属光沢
感を透過して見うるだけの透明度を有していなければな
らず、可視光全光線透過率が少なくとも30%、好ましく
は40%以上、さらに好ましくは50%以上のものである。
また、該ポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)は、不
規則は表面形状を有する基体表面に貼着したときにも、
その表面に追随することができるだけの柔軟性を有して
いることが望ましく、従つて、該樹脂フイルム(a)
は、5%伸長時の引張強度が2kg/cm以下、好ましくは1.
9〜0.2kg/cm、より一層好ましくは1.8〜0.4kg/cmの範囲
内にあるべきである。
さらに、該ポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)の厚
さは厳密に制限されるものではなく、本発明の積層樹脂
フイルムの用途等に応じて変えることができるが、一般
には20〜200ミクロン、好ましくは25〜170ミクロン、さ
らに好ましくは30〜150ミクロンの範囲内の厚さを有す
るのが好都合である。
以上に述べた如き特性をもつ樹脂フイルム(a)を形
成するために使用されるポリ塩化ビニル系樹脂には、重
合体が一般に約300〜約3000、好ましくは約350〜約250
0、より好ましくは約400〜約2000の範囲内にある塩化ビ
ニルの単独重合体又は塩化ビニルを主体としこれに共重
合可能な他の単量体を共重合することにより得られる共
重合体に、上記の物性を満足するように適宜可塑剤、他
の改質用樹脂等を配合したものが包含される。
塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えばエ
チレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどの如
きオレフイン系単量体;たとえばブタジエン、クロルブ
タジエン、ペンタジエンなどの如きジエンとビニルアセ
チレン誘導体;たとえばフツ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニルなどの如きハロゲン化ビニル単量体;た
とえばアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸プロピル、エチレングリコールジメタクリレート
などの如き(メタ)アクリル酸エステル単量体;たとえ
ば酢酸ビニル、クロル酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニルなどの如きビニルエステル単量
体;たとえばメチルビニルエーテル、プロピルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル、フエニルビニルエーテ
ル、アリルビニルエーテルなどの如きビニルエーテル単
量体;スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、
ビニルスチレン、クロルスチレン、ビニルフエノールな
どが挙げられ、これはそれぞれ単独で使用することがで
き、或いは2種以上併用してもよい。該共重合体におい
て塩化ビニルは共重合体の少なくとも70モル%、好まし
くは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上を占
め、残りが上記の共重合可能な単量体からなることが好
ましい。
また、配合しうる可塑剤としては、ポリ塩化ビニル樹
脂に通常使用されているものが同様に使用することがで
き、例えば、C4〜C15の二塩基酸とC2〜C20の二価ア
ルコールから導かれた液状ポリエステル系可塑剤を例示
できる。このような液状ポリエステル系可塑剤の具体例
として、例えばマレイン酸、アジピン酸、フタル酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸などの如きC4〜C15の二塩基
酸の中から選ばれる1〜3種類の二塩基酸と、例えばエ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロ
ピルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリ
メチル1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジンジオ
ールなどの如きC2〜C20の二価アルコールの中から選
ばれる1〜5種類の二価アルコールと、例えば酢酸、ヤ
シ油脂肪酸、n−オクチルアルコール、n−デシルアル
コールから適宜選ばれるチエーンストツパーとを反応さ
せて得られる液状ポリエステル可塑剤を挙げることがで
きる。このような液状ポリエステル可塑剤は一種のみな
らず二種もしくはそれ以上複数種併用することができ
る。
他の塩化ビニル樹脂用可塑剤の例としてはフタル酸誘
導体、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)
フタレート、ジ−n−オクチル・フタレート、高級アル
コール・フタレート、ジイソオクチル・フタレート、ジ
イソブチル・フタレート、ジペンチルフタレート、ジイ
ソデシル・フタレート、ジトリデシルフタレート、ジウ
ンデシルフタレート、ジ(ヘプチルノニルウンデシル)
フタレート、ベンジルフタレート、ブチルベンジル・フ
タレート、ジノニル・フタレート、ジ・ノルマル・アル
キル・フタレート、ジ−n/イソアルキルフタレート等;
イソフタル酸誘導体、例えばジメチル・イソフタレー
ト、ジ−(2−エチルヘキシル)−イソフタレート、ジ
イソオクチルイソフタレート等;テトラヒドロフタル酸
誘導体、例えばジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒド
ロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレー
ト、ジイソデシルテトラヒドロフタレート、C7〜C10
アルキルテトラヒドロフタレート等;アジピン酸誘導
体、例えばジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチ
ルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ベ
ンジルオクチルアジペート、ジ−(ブトキシ・エトキシ
エチル)アジペート;アゼライン酸誘導体、例えばジ−
(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチル・
アゼレート、ジ−2−エチルヘキシル−4−チオアゼレ
ート;セバシン酸誘導体、例えばジ−n−ブチル・セバ
ケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート等;マ
レイン酸誘導体、例えばジ−n−ブチル・マレート、ジ
メチル・マレート、ジエチルマレート等;フマル酸誘導
体、例えばジ−n−ブチル・フマレート、ジ−(2−エ
チルヘキシル)フマレート等;トリメリツト酸誘導体、
例えばトリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、
トリ−n−オクチル・トリメリテート、トリイソデシル
・トリメリテート等;くえん酸誘導体、例えばトリエチ
ル・シトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチ
ル・トリエチルシトレート等;イタコン酸誘導体、例え
ばモノメチル・イタコネート、モノブチルイタコネー
ト、ジメチルイタコネート等;オレイン酸誘導体、例え
ばブチル・オレート、テトラヒドロフリフリルオレー
ト、グリセリルモノオレート等;リシノール酸誘導体、
例えばメチル・アセチルリシノレート、ブチルアセチル
リシノレート、グリセリル・モノリシノレート等;ステ
アリン酸誘導体、例えばn−ブチル・ステアレート、グ
リセリルモノステアレート、ジエチレングリコール・ジ
ステアレート等;その他、ジエチレングリコール・モノ
ラウレート、ベンセンスルホン・ブチルアミド、トリメ
チルホスフエート、トリブトキシエチルホスフエート、
テトラ−2−エチルヘキシルピロメリテート、ジエチレ
ングリコールジベンゾエート、グリセロール・モノアセ
テート塩素化パラフイン、オキシラン酸素含有量2〜9
%分子量1000以下のエポキシ誘導体等が挙げられ、これ
らは一般にポリ塩化ビニル系樹脂の全重量を基準にして
1〜100重量%、好ましくは1.5〜70重量%、より好まし
くは2〜50重量%の範囲内で使用することができる。
さらに、改質用樹脂としては、例えばエチレン/ビニ
ルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂等が挙げられ、これらは一般にポリ
塩化ビニル系樹脂の全重量を基準にして0.1〜70重量
%、好ましくは0.5〜60重量%、さらに好ましくは1〜5
0重量%の範囲内で使用することができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂にはさらに必要に応じて、ポリ
塩化ビニル樹脂に通常使用されるそれ自体既知の任意の
添加剤、例えばカルシウム亜鉛系安定剤(勝田化工
(株)製、CZ-19J)、錫系安定剤(勝田化工(株)製、
181FSJ)、バリウム亜鉛系安定剤(勝田化工(株)製、
BZ51J)、ステアリン酸鉛安定剤(耕正(株)製、Pb-S
t)の如き安定化剤;例えば、モノフエノール系酸化防
止剤(吉富製薬(株)製、ヨシノツクスBHT)、アミン
系酸化防止剤(吉富製薬(株)製、ヨシノツクスEQ)、
ポリフエノール系抗酸化剤(チバガイギ製、イルガノツ
クス1010)の如き抗酸化剤;例えば、炭化水素系滑剤
(アライドケミカル製、Ac-6A)脂肪酸系滑剤(川研フ
アインケミカル製、F−3)脂肪酸エステル系滑剤(ヘ
キストジヤパン製、ヘキストwaxop)脂肪アルコール系
滑剤(花王石鹸製、アルコール86)の如き滑剤;例えば
フタル酸系可塑剤(三建化工(株)製、DOP);例えば
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバガイギ製、チ
ヌビンPチヌビン326、327)、ヒドロキシベンゾフエノ
ン系紫外線吸収剤(アメリカンサイアナミツド製、サイ
アソーブUV−9)の如き紫外線吸収剤等の添加剤を通常
用いられている量で配合することができる。
しかして、本発明において好適に使用しうるポリ塩化
ビニル系樹脂としては、特開昭60-195146号公報に開示
されている下記の組成: (A) 20重量%以下の共重合成を含有していてもよい
ポリ塩化ビニル100重量部に対して、 (B) 数平均分子量(n)が1500以上の液状ポリエ
ステル系可塑剤1〜20重量部と他のポリ塩化ビニル樹脂
用の可塑剤0〜10重量部、及び (C) エチレン/ビニルエステル共重合体5〜20重量
部 から成る降伏応力が1〜6kg/cm2の範囲内にある半硬質
ポリ塩化ビニル樹脂組成物;並びに特公昭63-24619号公
報(=米国特許第4670490号明細書)に開示されている
下記の組成: (A) 20重量%以下の共重合成分を含有していてもよ
いポリ塩化ビニル100重量部に対して、 (B) 数平均分子量(n)が1500以上の液状ポリエ
ステル系可塑剤10〜80重量部と他の塩化ビニル樹脂用の
可塑剤0〜10重量部、及び (C) 数平均分子量(n)が1500〜5000の範囲内に
あり且つ23℃で固体の低分子量(メタ)アクリル系樹
脂、上記(B)の可塑剤の合計量に基いて0.2〜200重量
% から成る降伏応力が1〜5kg/cm2の範囲内にある半硬質
ポリ塩化ビニル樹脂組成物を挙げることができる。
本発明において使用しうる更に好適なポリ塩化ビニル
系樹脂としては、特開昭60-195147号公報に開示されて
いる下記の組成: (A) 約20重量%以下の共重合成分を含有していても
よいポリ塩化ビニル100重量部に対して、 (B) 数平均分子量(n)が1500以上の液状ポリエ
ステル系可塑剤1〜20重量部と他の塩化ビニル樹脂用の
可塑剤0〜10重量部、及び (C) エチレン/飽和カルボン酸ビニルエステル/一
酸化炭素系共重合体、上記(B)の可塑剤の合計量に基
いて45〜350重量% から成る降伏応力が1〜6kg/cm2、好ましくは1〜5kg/c
m2、より好ましくは1.2〜4.5kg/cm2の範囲内にある半硬
質ポリ塩化ビニル樹脂組成物を挙げることができる。
以下、この好適な半硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物に
ついてさらに詳しく説明する。
上記の半硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物に用いるポリ
塩化ビニル(A)には、とくべつな制約はなく、成形用
として従来から使用されているポリ塩化ビニル樹脂を使
用することができる。例えば、重合度約600〜約3000、
好ましくは約700〜約2000、より好ましくは約800〜約18
00、とくに好ましくは約1200〜約1600程度の重合度のポ
リ塩化ビニルを例示することができる。
さらに、上記のポリ塩化ビニル(A)は、塩化ビニル
の単独重合体のほか、約20重量%まで、好ましくは約10
重量%まで、特に好ましくは約6重量%までの共重合成
分を含有する共重合体であることもできる。このような
共重合成分の例としてはビニル単量体、たとえばエチレ
ン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどの如きオ
レフイン系単量体;たとえばブタジエン、クロルブタジ
エン、ペンタジエンなどの如きジエンとビニルアセチレ
ン誘導体;たとえばフツ化ビニル、塩化ビニリデン、臭
化ビニルなどの如きハロゲン化ビニル単量体;たとえば
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
プロピル、エチレングリコールジメタクリレートなどの
如き(メタ)アクリル酸エステル単量体;たとえば酢酸
ビニル、クロル酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウ
リン酸ビニルなどの如きビニルエステル単量体;たとえ
ばメチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、フエニルビニルエーテル、アリル
ビニルエーテルなどの如きビニルエーテル単量体;スチ
レン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルスチ
レン、クロルスチレン、ビニルフエノールなどの如きス
チレン誘導体等を例示することができる。
上記の如きポリ塩化ビニルは、それ自体既知の方法で
製造でき、或いは市販のものを入手して使用することも
できる。例えば、ゼオン121、ゼオン131、ゼオン25、ゼ
オン135J[塩化ビニル樹脂、日本ゼオン株式会社製
品]、ビニカP−440、ビニカP−400[塩化ビニル樹
脂、三菱モンサント株式会社製品]、スミリツトPX[塩
化ビニル樹脂、住友化学社製品]などの市販塩化ビニル
樹脂を例示することができる。
上記の半硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物に用いうる可
塑剤(B)は、数平均分子量(n)が約1500以上好ま
しくは約1500〜約6000、より好ましくは約1500〜約400
0、より好ましくは約2000〜約4000のポリエステル系可
塑剤5〜70重量部、好ましくは10〜60重量部、より好ま
しくは20〜50重量部と、0〜10重量部、好ましくは2〜
8重量部、より好ましくは3〜7重量部の他の塩化ビニ
ル樹脂用可塑剤とから成る。なお、上記可塑剤の重量部
は前記のポリ塩化ビニル100重量部に対するものであ
る。
上記の液状ポリエステル系可塑剤としては、例えばマ
レイン酸、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバ
シン酸などの如きC4〜C15の二塩基酸の中から選ばれ
る1〜3種類の二塩基酸と、例えばエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ジプロピルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−
ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオールなどの如き
2〜C20の二価アルコールの中から選ばれる1〜5種
類の二価アルコールと、例えば酢酸、ヤシ油脂肪酸、n
−オクチルアルコール、n−デシルアルコールから適宜
選ばれるチエーンストツパーとを反応させて得られる液
状ポリエステル可塑剤を挙げることができる。なお、液
状ポリエステル可塑剤なる表現における「液状」とは25
℃における粘度がBH型回転粘度計で50万ポイズ以下の粘
稠液体を意味し、ポリエステル系可塑剤の数平均分子量
(n)はGPC(Gel Permeation Chromatography)法で
測定し、換算した値である。
そのようなポリエステル系可塑剤は市販品として入手
することができ、例えばPN-150、PN-260、PN-446(ポリ
エステル系可塑剤、アデカアーガス化学株式会社製
品)、NS-3700(ポリエステル系可塑剤、大日精化工業
株式会社製品)、P−204N、P−29(ポリエステル系可
塑剤、大日本インキ化学工業株式会社製品)、G−25、
G−40(ポリエステル系可塑剤、ローム&ハース社製
品)、SP-171、DIDA、SP-501、SP-115S(ポリエステル
系可塑剤、三建化工株式会社製品)、Kodaflex NP-10
(ポリエステル系可塑剤、Eastman Chemical Products
社製品)、Flexol P−2H(ポリエステル系可塑剤、Unio
n Carbide Corp.社製品)、Edenol 1200(ポリエステル
系可塑剤、Henkel社製品)、Rheoplex 100、Rheoplex 1
10、Rheoplex 220(ポリエステル系可塑剤、Ciba-Geigy
社製品)等を例示することができる。このようなポリエ
ステル系可塑剤は一種のみならず二種もしくはそれ以上
複数種併用することができる。
上記組成物においては、更に、ポリ塩化ビニル100重
量部に対して、約10重量部まで、好ましくは約5重量部
までの少量の他の塩化ビニル樹脂用の可塑剤を併用する
ことができる。このような他の塩化ビニル樹脂用可塑剤
の例としては、以下の如き可塑剤を例示することができ
る。フタル酸誘導体、例えばジメチルフタレート、ジエ
チルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチ
ルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチル・フタレー
ト、高級アルコール・フタレート、ジイソオクチル・フ
タレート、ジイソブチル・フタレート、ジペンチルフタ
レート、ジイソデシル・フタレート、ジトリデシルフタ
レート、ジウンデシルフタレート、ジ(ヘプチルノニル
ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレート、ブチル
ベンジル・フタレート、ジノニル・フタレート、ジ・ノ
ルマル・アルキル・フタレート、ジ−n/イソアルキルフ
タレート等;イソフタル酸誘導体、例えばジメチル・イ
ソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)−イソフタ
レート、ジイソオクチルイソフタレート等;テトラヒド
ロフタル酸誘導体、例えばジ−(2−エチルヘキシル)
テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒド
ロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレート、
7〜C10アルキルテトラヒドロフタレート等;アジピ
ン酸誘導体、例えばジ−n−ブチルアジペート、ジ−
(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジ
ペート、ベンジルオクチルアジペート、ジ−(ブトキシ
・エトキシエチル)アジペート;アゼライン酸誘導体、
例えばジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソ
オクチル・アゼレート、ジ−2−エチルヘキシル−4−
チオアゼレート;セバシン酸誘導体、例えばジ−n−ブ
チル・セバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケ
ート等;マレイン酸誘導体、例えばジ−n−ブチル・マ
レート、ジメチル・マレート、ジエチルマレート等;フ
マル酸誘導体、例えばジ−n−ブチル・フマレート、ジ
−(2−エチルヘキシル)フマレート等;トリメリツト
酸誘導体、例えばトリ−(2−エチルヘキシル)トリメ
リテート、トリ−n−オクチル・トリメリテート、トリ
イソデシル・トリメリテート等;くえん酸誘導体、例え
ばトリエチル・シトレート、トリ−n−ブチルシトレー
ト、アセチル・トリエチルシトレート等;イタコン酸誘
導体、例えばモノメチル・イタコネート、モノブチルイ
タコネート、ジメチルイタコネート等;オレイン酸誘導
体、例えばブチル・オレート、テトラヒドロフリフリル
オレート、グリセリルモノオレート等;リシノール酸誘
導体、例えばメチル・アセチルリシノレート、ブチルア
セチルリシノレート、グリセリル・モノリシノレート
等;ステアリン酸誘導体、例えばn−ブチル・ステアレ
ート、グリセリルモノステアレート、ジエチレングリコ
ール・ジステアレート等;その他、ジエチレングリコー
ル・モノラウレート、ベンゼンスルホン・ブチルアミ
ド、トリメチルホスフエート、トリブトキシエチルホス
フエート、テトラ−2−エチルヘキシルピロメリテー
ト、ジエチレングリコールジベンゾエート、グリセロー
ル・モノアセテート塩素化パラフイン、オキシラン酸素
含有量2〜9%分子量1000以下のエポキシ誘導体など。
前記の半硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物においては、
ポリ塩化ビニル(A)及び可塑剤(B)と共に、可塑剤
(B)の合計量に基いて45〜350重量%、好ましくは50
〜300重量%、さらに好ましくは55〜250重量%のエチレ
ン/飽和カルボン酸ビニルエステル/一酸化炭素系共重
合体(C)を使用する。
上記の共重合体を構成する飽和カルボン酸ビニルエス
テルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、バーサテイツク酸ビニル、ステアリン
酸ビニル等の飽和脂肪族モノカルボン酸のビニルエステ
ルが挙げられ、中でも酢酸ビニルが好適である。
該共重合体におけるモノマーの比率は厳密に制限され
るものではないが、一般に、エチレン1〜20重量%、好
ましくは2〜10重量%、より好ましくは2〜6重量%;
飽和カルボン酸ビニルエステル1〜20重量%、好ましく
は2〜10重量%、より好ましくは2〜6重量%;一酸化
炭素1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ま
しくは2〜6重量%の範囲内にあることができる。
かかる共重合体はそれ自体既知のものであり、例えば
特公昭55〜50063号公報(=米国特許第3,780,140号明細
書)に記載の方法によつて調製することができ、一般に
600〜3000、より好ましくは700〜2000、より好ましくは
800〜1800の範囲内の数平均分子量を有することができ
る。市販品として例えばゼオン135J、ゼオン38J(日本
ゼオン株式会社製)などが使用可能である。
(D) 数平均分子量(n)が約1,500〜約50,000、
好ましくは約2,000〜約40,000、より好ましくは約2,500
〜約30,000であり且つ23℃で固体の低分子量(メタ)ア
クリル系樹脂を、ポリ塩化ビニル(A)に基いて20重量
%まで、好ましくは約5〜約15重量%、より好ましくは
約7〜約12重量%の範囲内の量 を含有せしめることができる。かかる低分子量(メタ)
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸のC1
18のアルキルエステルの少なくとも1種を必要により
他の共重合可能な単量体と共に重合させることにより容
易に製造することができる。該(メタ)アクリル系樹脂
は一般に30℃以上、好ましくは35℃以上のガラス転移温
度(Tg)を有することが望ましい。
以上に述べた如きポリ塩化ビニル系樹脂を用いてフイ
ルムを作製する方法としてはそれ自体既知の方法を用い
ることができ、例えば、支持フイルムをキヤリアーとし
て、該樹脂成分を含有する溶液をキヤスト法、コーター
法の如き流延法フイルム形成手段の方法により容易に所
望の厚さをもつフイルムをつくることができる。その際
に利用する溶媒の例としては、テトラハイドロフラン、
メチルエチルケトン、塩化メチレン、ジメチルホルムア
ミド、アルコール等を例示することができる。
以上説明した製造方法によれば、上記支持フイルムが
後述する各工程において金属調フイルム各層の固定用キ
ヤリアーとして機能すると同時に、表面樹脂層の保護層
としても機能するため、上記外装用金属調フイルムを容
易且つ確実に製造することができると共に、各工程にお
いて外的要因によつて表面に傷が付くことを有効に防止
することができる。
尚、上記製造方法において、必要に応じて表面コート
層等の他の層を形成する工程を付加することも可能であ
る。
ポリウレタン系樹脂層(b): 前記のポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)の一面に
積層されるポリウレタン系樹脂としては、可視光の全光
線透過率が少なくとも30%、好ましくは40%以上、さら
に好ましくは50%以上であり且つ100%伸長時の引張強
度が50〜550kg/cm2、好ましくは60〜450kg/cm2、より一
層好ましくは70〜350kg/cm2の範囲内にあるものが使用
され、かかる条件を満足するものであれば、その種類は
厳密に制限されるものではなく広い範囲から選択するこ
とができる。
しかして、本発明において使用しうるポリウレタン樹
脂の製造において使用しうるイソシアネート成分として
は、ポリウレタンの製造において一般に使用されてい
る、脂肪族系、脂環式系、芳香族系又はこれらの混合系
のポリイソシアネート化合物を同様に使用することがで
き、具体的には、例えば2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フエニレン
ジイソシアネート、4,4−ジフエニルメタンジイソシア
ネート、ナフタリン1,5−ジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トラン
スシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、テトラメチ
ルキシレンジイソシアネート等の所謂芳香族多価イソシ
アネート;ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネ
ート、4,4′−ジシクロヘキシルブタンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水添メチレンジフエニルジイソシアネート、水添
キシリレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソ
シアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、
1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオ
クタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート等がある。
また、以上のイソシアネートの二量体(ウレチジオ
ン)、三量体(イソシアヌレート)、カルボジイミド変
性体、アロハネート変性体、ビユレツト変性体、ウレア
変性体、ウレタン変性体等の変性体またはそのブロツク
イソシアネートが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用
いることができ又は2種以上併用することもできる。特
に耐黄変性等に優れたペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレン
ジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水添メチレンジフエニルジイソシア
ネート、水添キシリレンジイソシアネート、リジンエス
テルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソ
シアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネ
ートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソ
シアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好適に使
用される。
一方、ポリオール成分もまたポリウレタンの製造に際
して従来から一般に使用されているモノマー状又はポリ
マー状のポリオールが同様に使用可能であり、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
ビスフエノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ネ
オペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水添
ビスフエノールA等のモノマージオール;ポリエステル
ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエー
テルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリ
ルポリオール、ブタジエンポリオール、フエノーリツク
ポリオール、エポキシポリオール等のポリマーポリオー
ルが挙げられ、該ポリマーポリオールの具体例として
は、例えば開始剤として水、プロピレングリコール、エ
チレングリコール、水酸化カリウムまたはアルキレンオ
キサイドを用いて製造されるポリエーテルジオール、1,
6ヘキサンジオール、ホスゲン、エチレンカーボネート
を用いて製造されるポリカーボネートジオール、アシピ
ン酸とエチレングリコールを脱水縮合して製造されるポ
リエチレンアジペートを挙げることができる。また、か
かる2官能性アルコールに加えて、例えば、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、グリセリン、ジグリセリン等の多官能性アルコ
ールを使用することもできる。さらに、エチレン性不飽
和結合を有するポリオール、例えば、エチレン性飽和結
合を有するポリカルボン酸、例えばマレイン酸、イタコ
ン酸等をカルボン酸成分の一部として用いて合成された
ポリエステルジオールを用いて、エチレン性不飽和結合
を含有するポリウレタン樹脂をつくるようにしてもよ
い。
しかして、本発明において好適に使用しうるポリオー
ル成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール、アクリルポリオール、ポリエステル
ポリオール等が挙げられる。
以上述べたイソシアネート成分とポリオール成分から
のポリウレタン樹脂の製造はそれ自体既知の方法で行な
うことができ、例えば、重合槽中でジメチルホルムアミ
ド、メチルエチルケトン等の混合溶剤中で混合攪拌しな
がら加熱することにより重合させる方法を一般的に用い
ることができ、その温度、時間等の管理により目的とす
る該樹脂を得ることができる。
さらに、本発明においては、上記イソシアネート成分
とポリオール成分とから予めイソシアネート末端プレポ
リマーを調製し、次いで該プレポリマーを連鎖延長剤と
反応させることによつてポリウレタン樹脂を製造するこ
とも可能である。ここで使用しうる連鎖延長剤として
は、例えば、エチレングリコール、1,4−ブチレングリ
コール、2,3−ブチレングリコール、ヒドロキノンジエ
チロールエーテル等多価アルコール;エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピ
ペラジン、イソホロンジアミン、シクロヘキシルメタン
ジアミン、3,3−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフエニル
メタン、ジフエニルメタンアミン、m−フエニレンジア
ミン等ジアミン;トリレンジイソシアネートの二量体、
イソシアネートのウレア変性体、イソシアネートのウレ
ア変性体等イソシアネートの変性体;等を挙げることが
できる。ここで三官能以上の多官能性化合物は架橋剤と
しての役割も果たす。
本発明において使用されるポリウレタン樹脂は、一般
に重量平均分子量が300〜200,000、好ましくは1,000〜1
50,000、さらに好ましくは5,000〜100,000の範囲内にあ
るものが好適である。かくして、ポリウレタン樹脂の製
造に際しては、必要に応じて、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のモノアルコール;ジエチルアミ
ン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等のモノアミ
ン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ
プロパノールアミン、ジプロパノールアミン等のアルカ
ノールアミンを鎖伸長停止剤として用いて分子量の調節
を行なうことも可能である。
さらに、上記ポリウレタン樹脂は少なくとも1種のビ
ニルモノマーをグラフト重合させることにより変性され
ていてもよい。グラフト重合させうるビニルモノマーと
しては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ペプ
チル、(メタ)アクリル酸オクチル、及び(メタ)アク
リル酸ノニル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C12アル
キルエステル;メチロールアクリルアミド、ブチロール
アクリルアミド等のN−C1〜C6アルキル(メタ)アク
リルアミド;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)ア
クリル酸のC2〜C6ヒドロキシアルキルエステルまたは
そのカプロラクトン変性物[例えばダイセル化学工業
(株)製「プラクセルFMシリーズ」];トリエチレング
リコールアクリレート、ジエチレングリコールアクリレ
ート、プロピレングリコールアクリレート、ヒドロキシ
ポリアルキレンエーテルグリコールモノ(メタ)アクリ
レート等の重合度が2〜50の範囲内のポリアルキレング
リコールモノ(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等のエ
チレン性不飽和カルボン酸;エチレンオキサイドリン酸
(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドリン酸
(メタ)アクリレート等のリン酸オキシアルキル(メ
タ)アクリレート;ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、ア
クリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニ
ル、等を挙げることができ、これらビニルモノマーはそ
れぞれ単独で使用することができ、或いは2種以上併す
ることもできる。
ポリウレタン樹脂に対するこれらビニルモノマーのグ
ラフト重合は、それ自体既知の方法、例えば、触媒(ア
ゾビスイソブチルニトリル等)の存在下でポリウレタン
樹脂とクラフトさせたいモノマーを共存させ温度約80℃
時間約2−3時間常圧加熱下で反応させることにより行
なうことができ、ビニルモノマーのグラフト量は、ビニ
ルモノマーの種類、得られる変性ウレタン樹脂に要求さ
れる特性等に応じて変えることができるが、一般には、
グラフトすべきポリウレタン樹脂の重量に基いて100重
量%まで、好ましくは70〜2重量%、より好ましくは60
〜5重量%の範囲内が適当である。
本発明のポリウレタン樹脂層(b)を形成するために
特に好適なポリウレタン樹脂は、例えばポリオール成分
としてエチレン性不飽和結合を有するポリカルボン酸を
カルボン酸成分の一部として用いて合成されたエチレン
性不飽和結合含有ポリエステルジオールを用いて製造さ
れる、1分子中に平均して0.2〜3個、好ましくは0.4〜
2.5個、より好ましくは0.5〜2個のエチレン性不飽和結
合を含有する重量平均分子量が300〜200,000、好ましく
は1,000〜150,000、より好ましくは5,000〜100,000の範
囲内にあるポリウレタン樹脂に、水酸基含有ビニルモノ
マーを含有するビニルモノマー混合物をグラフト重合さ
せることによつて得られる架橋性グラフトポリウレタン
樹脂に、アミノ樹脂系架橋剤を配合したものが挙げられ
る。
上記水酸基含有ビニルモノマーとしては、前述した
(メタ)アクリル酸のC2〜C6ヒドロキシアルキルエス
テルまたはそのカプロラクトン変性物や重合度が2〜50
の範囲内にあるポリアルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレート等が包含され、これらは一般にビニルモノ
マー混合物の全量を基準にして90〜10モル%、好ましく
は80〜20モル%、さらに好ましくは70〜30モル%の範囲
内で存在することができる。
また、該ビニルモノマー混合物は前述したエチレン性
不飽和カルボン酸如きカルボキシル基含有エチレン性不
飽和モノマーを、ビニルモノマー混合物の全量を基準に
して一般に50〜5モル%、好ましくは40〜8モル%、さ
らに好ましくは30〜10モル%の範囲内で含有しているこ
とが、架橋剤との相溶性を向上させ、均質なクリヤーフ
イルムを形成させる等の観点から好適である。
該ビニルモノマー混合物の残りは、ポリウレタン樹脂
にグラフトすべきビニルモノマーとして前述した他のビ
ニルモノマーの少なくとも1種であることができる。
これらビニルモノマー混合物はグラフトすべきポリウ
レタン樹脂100重量部に対して、一般に150〜重量部以
下、好ましくは100〜1重量部、さらに好ましくは70〜
2重量部の範囲内で使用するのが好都合である。
ポリウレタン樹脂に対する上記のビニルモノマー混合
物のグラフト化反応は、それ自体既知のグラフト重合法
に従い、例えば、ポリウレタン樹脂とビニルモノマー混
合物を、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパー
オキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド等の通常のラジカル重合開始剤
の存在下に、適宜不活性溶媒中で重合反応させることに
より行なうことができる。
一方、かようにして製造される架橋性グラフトポリウ
レタン樹脂に配合しうるアミノ樹脂系架橋剤としては、
例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹
脂等のアミノ樹脂をメチロール化、メトキシ化、ブトキ
シ化等の処理に付すことにより得られるアミノ樹脂誘導
体が挙げられる。
これらアミノ樹脂系架橋剤の配合量は、形成されるポ
リウレタン樹脂層に望まれる物性(例えば耐水性、強靱
性等)に応じて変えることができるが、通常、架橋性グ
ラフトポリウレタン樹脂100重量部に対して、5〜60重
量部、好ましくは7〜50重量部、より好ましくは10〜40
重量部の範囲内で用いるのが好都合である。
以上述べたポリウレタン樹脂には、粘度を調整するた
めの希釈溶剤(例:ジメチルホルムアミド、メチルエチ
ルケトン、テトロヒドロフラン、塩化メチレン、アルコ
ール類等)、レベリング剤(例:ジメチルポリシロキサ
ン、フツ素系オリゴマー、アクリルオリゴマー等)、チ
キソトロピー付与剤(例えば高重合度ポリカルボン酸及
びその塩類微粒子二酸化ケイ素、微粒子炭酸カルシウ
ム、微粒子有機ベントナイト等)等の塗料技術分野で通
常用いられている添加剤を配合することができ、また、
必要に応じて硬化用触媒、着色剤(染料、一般顔料、パ
ール顔料、金属フレーク等)、紫外線吸収剤、抗酸化剤
等を含ませてもよい。
さらに、ポリウレタン樹脂には、隣設する層と密着力
向上、力学的特性改良、耐薬品性改良等の目的で、相溶
性のある他の樹脂、例えば、フエノール樹脂、フラン樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、ポリ
エステル系樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミ
ド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン
系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、アルキド樹脂、スチレン系樹脂、
AS樹脂、ABS樹脂、AXS樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、
EVA樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース誘導体、石油樹
脂等を、ポリウレタン樹脂100重量部に対して200重量部
以下、好ましくは150重量部以下、さらに好ましくは100
重量部以下の量で配合することもできる。
以上に述べたポリウレタン系樹脂は、前述したポリ塩
化ビニル系樹脂フイルム(a)の一面に適用してポリウ
レタン系樹脂フイルム層(b)を形成することができ
る。
ポリウレタン系樹脂をポリ塩化ビニル系樹脂フイルム
(a)に適用する方法としては、例えば、上記のポリウ
レタン系樹脂の適当な粘度の溶液を調製し、その溶液を
スプレー塗装、カーテンフロー塗装、ロールコーター塗
装、ドクターナイフ塗装、浸漬塗装、流し塗り、刷毛塗
り等の通常用いられている塗装方法に従つて被覆する方
法が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂層の厚さは厳密に制限されるもの
ではないが、あまりにも薄いとその上に被着される金属
層の保護、接合性、耐候性等が不充分となり、反対にあ
まり厚くなると不経済であるのみならず、得られる積層
樹脂フイルムの柔軟性も低下するので、ポリウレタン系
樹脂層(b)の厚さは一般に0.5〜50ミクロン、好まし
くは1〜30ミクロン、さらに好ましくは2〜20ミクロン
の範囲内が適当である。
ポリウレタン系樹脂として、特に前記の架橋性グラフ
トウレタン樹脂にアミノ樹脂系架橋剤を配合したものを
使用した場合等においては、該ポリウレタン系樹脂をポ
リ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)に適用した後に加熱
することにより架橋することができる。この加熱架橋は
次にのべる金属層の被着時に行なうことができ、或いは
予め行なつてもよい。その際の加熱架橋は一般に約100
〜約200℃の温度において約0.5〜約30時間加熱すること
により行なうことができる。
以上の如くして形成されるポリウレタン系樹脂層
(b)は、前述したとおり、可視光の全光線透過率が少
なくとも30%、好ましくは40%以上、さらに好ましくは
50%以上であり、且つ100%伸長時の引張強度が50〜550
kg/cm2、好ましくは60〜450kg/cm2、さらに好ましくは7
0〜350kg/cm2の範囲内となるように選ばれる。
さらに、該ポリウレタン系樹脂層(b)は、一般にガ
ラス転移温度(Tg)が−60℃以上好ましくは−50℃以
上、さらに好ましくは−40℃以上の範囲内にあることが
望ましく、また表面強力は隣設される層との密着力向上
のため30dyne/cm以上、好ましくは33dyne/cm以上、更に
好ましくは35dyne/cm以上あることが望ましい。さらに
耐熱性、耐溶剤性を保有するためにも柔軟性を保ちなが
ら3次元に架橋された分子構造をもつことが好ましい。
金属層(c): 前記のポリウレタン系樹脂層(b)の表面には、本発
明の積層樹脂フイルムに金属調外観を付与するために、
金属層(c)が被着せしめられる。該金属層(c)の厚
さは50〜2000Å、好ましくは100〜1000Å、さらに好ま
しくは300〜600Åの範囲内とすることができる。
かかる厚さの金属層をポリウレタン系樹脂層(b)上
に被着する方法としては、ポリ塩化ビニル系樹脂フイル
ムにポリウレタン系樹脂を塗布し乾燥前にポリエステル
フイルムに金属を蒸着した蒸着フイルム(蒸着層とポリ
エステルフイルムは簡単に剥離する)を金属蒸着面がポ
リウレタン系樹脂と接するように積層してポリエステル
フイルムのみを剥離したり、ポリエステルフイルムに金
属を蒸着した蒸着フイルムの金属蒸着面にポリウレタン
系樹脂溶液を塗布乾燥し、更にその上にポリ塩化ビニル
系樹脂液を塗布乾燥した後ポリエステルフイルムを剥離
する転写法や原料気体をプラズマ状態にして化学的に非
常に活性である励起分子原子イオンラジカルを作り出し
化学反応を促進させて基板上に薄膜を作成するプラズマ
法を用いることもできるが、一般には、金属蒸着法及び
スパツタリング法が好適である。
金属蒸着又はスパツタリングによるポリウレタン系樹
脂層(b)上への金属層の被着はそれ自体既知の方法で
行なうことができ、例えば真空蒸着(ジークフリートシ
ラ、ウルリツヒ、ハイジツヒ著、日本真空技術株式会社
訳等の文献に記載の方法により行なうことができる。
金属層(c)を形成する金属の種類には特に制約はな
く積層樹脂フイルムの用途等に応じて広い範囲から選ぶ
ことができ、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、ニツ
ケル、クロム、マグネシウム、亜鉛等或いはこれら金属
の2種以上からなる合金等を例示することができる。中
でも、作業性、形成の容易さ、耐久性等の観点から、ア
ルミニウム、クロム、ニツケル等が好適であり、耐腐食
性の点ではクロムが特に好適である。
アクリル系樹脂層(d): 本発明の積層樹脂フイルムは、以上に述べたポリ塩化
ビニル系樹脂フイルム(a)とポリウレタン系樹脂層
(b)と金属層(c)とから成ることができるが、さら
に、追加の層として、金属層(c)上にアクリル系樹脂
層(d)を設けることができ、これにより裏面(ポリ塩
化ビニル系樹脂フイルム(a)及びポリウレタン系樹脂
(b)側でない面)からの水分の侵入による金属層の腐
食を防ぎかつ金属層のポリウレタン系樹脂層(b)への
移行劣化を金属層と密着固定させることにより防ぎ耐候
性等の諸物性が向上することが可能となる。
このような目的に使用しうるアクリル系樹脂として
は、重合体全体の少なくとも50重量%、好ましくは55〜
98重量%、さらに好ましくは60〜95重量%の(メタ)ア
クリル系モノマー単位からなる重合体が包含される。
かかるアクリル系樹脂の製造に使用される(メタ)ア
クリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、及び
エチレングリコールジメタクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステルのモノマー、酢酸ビニル及びプロピオン
酸ビニル等のビニルエステルのモノマー等が挙げられ
る。これらはそれぞれ単独で使用することができ、或い
は2種以上併用してもよい。
さらに、これらアクリル系モノマーは、他の共重合体
可能なビニルモノマーの少なくとも1種と共重合させる
ことができ、そのようなビニルモノマーとしては例えば
アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸等のカルボキ
シル基を有するビニルモノマー、及び(メタ)アクリル
酸のヒドロキシメチルエステル、ヒドロキシエチルエス
テル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒドロキシブチル
エステル、ヒドロキシペンチルエステル及びヒドロキシ
ヘキシルエステル等の水酸基を有するビニルモノマー等
が挙げられ、更にエポキシ基及びアミノ基を有するビニ
ルモノマーも挙げられる。
上記以外の成分としてはポリ塩化ビニル、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
塩化ビニル−エチレン共重合体などを利用できる。
金属(c)上に適用されるアクリル系樹脂は、一般に
適度な柔軟性及び強度が必要であり、重量平均分子量で
1万〜100万、好ましくは5万〜50万のものが望まし
い。また同様の理由からTgは−50℃〜70℃、好ましくは
−30℃〜50℃,より好ましくは−10℃へ30℃が望まし
い。
かかるアクリル系樹脂の金属層(c)上への適用は、
例えば、アクリル系樹脂の適当な粘度の溶液ないし分散
液を調製し、その溶液ないし分散液をスプレー塗装、カ
ーテンフロー塗装、ロールコーター塗装、ドクターナイ
フ塗装、浸漬塗装、流し塗り、刷毛塗り等の方法で行な
うことができる。
その際、アクリル系樹脂は存在しうる水酸基などの官
能基を利用して架橋してもよく、また、着色剤(染料、
一般顔料、パール顔料、金属フレークなど)、紫外線吸
収剤、安定剤、改質用樹脂等を適宜配合してもよい。
上記の如くして形成されるアクリル系樹脂層(d)の
厚さは厳密に制限されるものではないが、一般に0.5〜1
00ミクロン、好ましくは0.7〜30ミクロン、より好まし
くは1〜15ミクロンの範囲内が適当である。
また、本発明においては、以上に述べたアクリル系樹
脂層(d)に代えて、ポリウレタン系樹脂層(b)とし
て前述したポリウレタン系樹脂、等の樹脂から層を金属
層(c)上に設けてもよい。
用途: 本発明により提供される積層樹脂フイフムは、前述し
たように、マーキングフイルムとして、適当な基体上に
貼着することによつて、該基体に金属調の美麗な装飾を
装すために使用することができる。
そのために、本発明の積層樹脂フイフムの金属層
(c)表面又はアクリル系樹脂層(d)表面には、熱圧
型の接着剤ないし粘着剤の層を適用することができ、さ
らにまた、該層には剥離紙を貼着することにより該層を
使用時までの汚染等から保護することができる。
適用しうる接着剤ないし粘着剤としては、特に制限は
なく、貼着すべき基体の種類等に応じて適宜選択するこ
とができるが、一般には耐水性に優れたものが好まし
く、例えば、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビ
ニル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤、
その他の接着剤類及びそれらの適当な混合系接着剤が挙
げられる。
上記ゴム系接着剤としては、例えば、天然ゴム、イソ
プレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジ
エンブロツク共重合体、スチレンイソプレンブロツク共
重合体、ブチルゴム、ポリイソブチレン、シリコーンゴ
ム、ポリビニルイソブチルエーテル、クロロプレンゴ
ム、ニトリルゴムなどからなるもの及びそれらの混合物
もしくはそれらの少なくとも一種を主成分としてなるも
のが例示できる。また分子間に若干の架橋構造を有する
ものも好ましく利用できる。
アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤としては、例
えば不飽和カルボン酸エステル系共重合体を主成分とす
る溶剤タイプの接着剤により形成された接着剤層で、特
に不飽和カルボン酸エステルモノマー99.9〜85重量部と
架橋性官能基を有するビニルモノマー0.1〜15重量部と
から誘導されたガラス転移温度(Tg)が−20℃以下の共
重合体100重量部、溶剤70〜400重量部及び上記架橋性官
能基と架橋し得る架橋剤0.01〜20重量部からなる溶剤タ
イプ接着剤より形成された接着剤層が好ましい。
上記接着剤を構成する上記共重合体を得るための不飽
和カルボン酸エステルモノマーとしては、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル
及び(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル
酸エステルのモノマー、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステルのモノマー等が挙げられる。
また、上記共重合体を得るための架橋性官能基を有す
るビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸
及びイタコン酸等のカルボキシル基を有するビニルモノ
マー、及びアクリル酸のヒドロキシメチルエステル、ヒ
ドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエステ
ル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシペンチルエ
ステル及びヒドロキシヘキシルエステル、並びにメタク
リル酸のヒドロキシメチルエステル、ヒドロキシエチル
エステル、ヒドロキシブチルエチル、ヒドロキシプロピ
ルエステル、ヒドロキシペンチルエステル及びヒドロキ
シヘキシルエステル等の水酸基を有するビニルモノマー
等が挙げられ、更にエポキシ基及びアミノ基を有するビ
ニルモノマーも挙げられる。
また、溶剤としては、酢酸エチル、トルエン、アセト
ン、イソプロピルアルコール等が好ましい。
また、架橋剤としては、有機多価イソシアネート化合
物を挙げることができ、その具体例としては、P−フエ
ニルレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメタン
ジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネー
ト、2,6−トルイレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、トリイソシアネート、ナフタリン1,5
−ジイソシアネート等の所謂芳香族多価イソシアネー
ト、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、
4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が
ある。
尚、前記共重合体のガラス転移温度Tgは、下記の測定
方法により決定された値である。
セルに樹脂溶液試料約10mg秤取し、100℃で2時間乾
燥したものを測定試料とする。島津製作所製DT-30型示
差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter)
を用い、−80℃から昇温速度20℃/minで測定決定する。
キヤリヤー・ガスとしては窒素ガスを20cc/minの流量で
使用して測定を行う。
又、上記ウレタン系接着剤の例としては、トリフエニ
ルメタン−p,p′,p″−トリイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ジフエニルメタン−4,4′−
ジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどのイ
ソシアネートと活性水素原子を持つ化合物、例えば、活
性水素原子を持つポリエステル、ポリエーテルグリコー
ル、ポリアクリレート、ポリアミドなどとの反応により
生成される高分子化合物からなるもの、及びそれらの混
合物もしくはそれらの少なくとも一種を主成分としてな
るものが例示できる。
更にシリコン系接着剤としては、ジメチルポリシロキ
サン、ジフエニルポリシロキサン、オルガノポリシロキ
サンを主成分とする直鎖もしくはグラフト化された化合
物等を例示することができる。
これらは例えば、表面にポリエチレンをラミネートし
た上質紙のポリエチレン層の表面を更にシリコーン処理
した剥離紙、シリコーン処理したポリプロピレンフイル
ム又はシリコーン処理したポリエチレンフイルム等の上
に上記接着剤層を形成し、更にその上に積層樹脂フイル
ムをラミネートする等の方法で積層樹脂フイルムに適用
することができる。
また、本発明の積層樹脂フイルムは熱ラミネート法に
より基体表面に貼着することができ、例えば、 i) アクリル樹脂層(d)がある場合 該アクリル樹脂層(d)軟化温度において、被着体に
加圧力1〜50kg/cm2でゴムロール等により圧着させる。
特に被着体がアルミニウムである場合その表面が、了め
酸化膜で化成処理されると密着強度が向上し好ましい。
ii) アクリル樹脂層がない場合 被着体として熱により軟化する樹脂基材、またそのよ
うな樹脂で表面コートされた金属基材が用いられ、その
樹脂の軟化温度において積層フイルムは加圧力1〜50kg
/cm2でゴムロール等により圧着される。
本発明の積層樹脂フイルムは、その表面層(ポリ塩化
ビニル樹脂層)上に任意に印刷することが可能であり、
様々なデザインを提供することが出来る。更に、耐候性
に優れたインキ(例えば日本カーバイド工業製ハイエス
SPインク、ハイエスFPインク等)を用いれば、屋外使用
が可能であり、かつ柔軟性のある従来得られなかつた金
属様フイルムを提供できる。
図面の簡単な説明 第1図は実施例1〜5の金属様外観を有する積層樹脂
フイルムの概略部分断面図であり、第2図は実施例6〜
7の積層樹脂フイルムの概略部分断面図である。
実施例 次に実施例を掲げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお、実施例をはじめ本明細書及び請求の範囲に記載
の理化学的特性は以下に述べる方法で測定したものであ
る。
引張試験(5%伸長時の引張強度測定) JIS−K−6734に従い、試料フイルムを所定形状に裁
断して引張試験用サンプルを作成し、このサンプルにつ
いて、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下、引張
速度200mm/min.、引張間隔100mm、チヤートスピード500
mm/min.の条件で引張試験機(株式会社東洋精機製作所
製)により引張り試験を行つた。その時のチヤートから
伸び5%の時の強度を読みとり、5%伸長時の引張強度
とした。
引張試験(100%伸長時の引張強度測定) ポリウレタン樹脂層の樹脂を、ガラス板上で製膜し、
乾燥器120℃×1Hrで乾燥し、フイルム10μ厚みのものを
試料とするJIS−K−6734に従い、試料フイルムを所定
形状に裁断して引張試験用サンプルを作成し、このサン
プルについて温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境
下、引張速度200mm/min、引張間隔100mm、チヤートスピ
ード100mm/minの条件で引張試験機(株式会社 東洋精
機製作所製)により引張り試験を行つた。その時のチヤ
ートから伸び100%の時の強度を読みとる。
全光線透過率 直読ヘイズメータ(株式会社 東洋精機製作所製)を
用い、JIS−K−6714の光線透過率の測定に準拠して全
光線透過率を測定した。
ポリウレタン樹脂層の耐熱性 引張試験と同様の試料を作成し、該試料をアルキツ
ドメラミン塗装白板(日本テストパネル(株)製;以下
単に白板という)の上に載せて、以下の様に測定した。
測定機としてMacbeth Speccrometer Color-Eye MS-20
20(Kollomorgen Corporation製)を用い、測色を行
い、標準光源CについてCIE 1976(L***)によるd
E値を標準サンプルと熱処理サンプル(150℃で20分処理
したもの)とから求め、その数値を下記内容の5段階に
より評価した。
5: 3未満 4: 3以上、5未満 3: 5以上、7未満 2: 7以上、9未満 1: 9以上 耐熱性 金属調フイルムを50mm×50mmに裁断し、剥離紙をはが
した後、スキージを用いてアルキツドメラミン塗装板
(日本テストパネル工業(株)製)の上に貼りつけた。
次にこれを72時間室温に放置後、80℃±2℃に設定され
た循環式熱風乾燥機中に168時間静かに放置し、加熱処
理を行つた。上記加熱処理終了後、パネルを取り出し、
フイルムのクラツクの状態を観察し、下記内容の5段階
で評価した。
5:フイルム表面にクラツクがなく、且つ鏡面性がある 4:フイルム表面に部分的にクラツクがあるが、鏡面性
は保たれている 3:フイルム表面に部分的にクラツクがあり、鏡面性が
部分的に失われている 2:フイルム表面の全面にクラツクがあり、鏡面性が部
分的に失われている 1:フイルム表面の全面にクラツクがあり且つ鏡面性が
失われている 曲面貼着適性 金属調フイルムを直径180mmのステンレス製ボールの
底の曲面を利用して貼り付け、直径何mmの円形の外装用
金属調フイルムが皺を生じさせることなく貼着可能であ
るかにより評価した。評価方法は、皺が無い状態で貼る
ことができた最大直径値を曲面貼着適性値として、下記
内容の5段階で評価した。
5:40mm以上 4:30mm以上40mm未満 3:20mm以上30mm未満 2:10mm以上20mm未満 1:10mm未満 ポリ塩化ビニル樹脂フイルムに対するポリウレタン
系樹脂層の密着性 金属蒸着する前の段階のフイルムに貼着剤層を形成
し、それをアルミ板に貼り付けて80℃の温水に4時間浸
漬し、その後温水中より取り出し、24時間室温に放置し
た後、表面樹脂層と(第一)中間層との間の密着力を一
枚刃のかみそり刃でそれらの分離を試みることによりチ
エツクし、下記内容の5段階で評価した。
5:表面樹脂層と(第一)中間層が完全に密着している 4:表面樹脂層と(第一)中間層が20%以下分離してい
る 3:表面樹脂層と(第一)中間層が20%を越え50%以下
分離している 2:表面樹脂層と(第一)中間層が50%を越え80%以下
分離している 1:表面樹脂層と(第一)中間層が80%を越え分離して
いる 金属層の密着性 粘着剤層(又は接着剤層)又は第二中間層を被着形成
する前の段階にある試験片の金属層側にセロハンテープ
を圧着し、該セロハンテープを勢いよく引き剥がした際
の上記金属層の剥離状態を観察し、下記内容の5段階で
評価した。
5:金属層が剥がれない 4:金属層が点状に剥がれる 3:金属層が20%以下剥がれる 2:金属層が20%を越え80%以下剥がれる 1:金属層が80%を越え剥がれる 耐温水性(1)…金属層蒸着前のフイルムを40℃の
温水に168時間浸漬し、そのときのフイルムの白化の程
度により下記内容の5段階にて評価した。
5:異常なし 4:フイルムの一部にごく薄い白化が生じている 3:フイルムの全面にごく薄い白化が生じている 2:フイルムの一部に白化が生じている 1:フイルムの全面に白化が生じている 耐温水性(2)…金属調フイルムを50mm×50mmに裁
断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキツ
ドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)の
上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、80℃
の温水に4時間浸漬し、前記と同様の基準により評価し
た。
耐溶剤性 (1) 耐ガソリン…金属調フイルムを50mm×50mmに裁
断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキツ
ドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)の
上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、20℃
のガソリンに30分間浸漬し、そのときのフイルムの外観
により、下記内容の5段階で評価した。
5:異常なし 4:フイルム全面の20%以下にクラツクを生じている 3:フイルム全面の50%以下にクラツクを生じている 2:フイルム全面の80%以下にクラツクを生じている 1:フイルムの全面にクラツクが生じている (2) 耐メタノール…金属調フイルムを50mm×50mmに
裁断し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキ
ツドメラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)
の上に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、20
℃のメタノールに10分間浸漬し、そのときのフイルムの
外観により、下記内容の5段階にて評価した。
5:異常無し 4:フイルムのエツジ部分の所々が鏡面性が失なわれて
いる 3:フイルムのエツジ部分のみ鏡面性が失なわれている 2:フイルムのエツジ部分を含め部分的に鏡面性が失な
われている 1:フイルムの全面の鏡面性が失なわれている 耐薬品性 (1) 耐酸性…金属調フイルムを50mm×50mmに裁断
し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキツド
メラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)の上
に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、200PPM
のH2SO3水溶液に常温で14日間浸漬し、そのときのフイ
ルムの外観により、下記内容の5段階で評価した。
5:異常なし 4:フイルムのエツジ部分の所々に金属の腐食が生じて
いる 3:フイルムのエツジ部分のみ金属の腐食が生じている 2:フイルムのエツジ部分を含め部分的に金属の腐食が
生じている 1:フイルムの全面に金属の腐食が生じている (2) 耐塩水性…金属調フイルムを50mm×50mmに裁断
し、剥離紙をはがした後、スキージを用いてアルキツド
メラミン塗装板(日本テストパネル工業(株)製)の上
に貼りつけた。次にこれを72時間室温に放置後、3%Na
Cl水溶液に常温で1ケ月間浸漬し、そのときのフイルム
の外観により、上記(1)耐酸性評価と同様の5段階で
評価した。
耐候性 耐候性(1)…フロリダ実暴試験 外装用金属調フイルムを35mm×60mmに裁断し、剥離紙
をはがした後、スキージを用いてアルキツドメラミン塗
装板(日本テストパネル工業(株)製)の上に貼りつけ
た。これを米国フロリダにおいて南向き45°の角度で上
記パネルを取付けて6ケ月および12ケ月屋外暴露にかけ
その後の外観を目視にて下記内容の5段階で評価した。
5:異常なし 4:フイルムのエツジ部分の所々で鏡面性が失われてい
る 3:フイルムのエツジ部分のみ鏡面性が失われている 2:フイルムのエツジ部分を含め部分的に鏡面性が失わ
れている 1:フイルムの全面の鏡面性が失われている 耐候性(2)…外装用金属調フイルムをアルミ板(17×
35mm)に貼りつけ、充分室温で放置した後、Q.U.V.(Th
e Q−Panel Company)で促進暴露試験を行つた。
この時の暴露条件は、ブラツクパネル温度60℃にてUV
光照射8時間、ブラツクパネル温度50℃にて結露4時間
を1サイクルとした。
評価は100時間経過時300時間経過時及び700時間経過
時に、標準試料片(表面樹脂層)と比較して上記耐候性
(1)と同様の評価基準にて評価を行なつた。
耐候性(3)…暴露条件をブラツクパネル温度70℃とし
た以外は、上記耐候性(2)の場合と略同様である。
実施例1 先ず、次の基本配合からなる樹脂組成物を用いてキヤ
ステイング法により厚さ40μのフイルムを作成し、金属
様外観を有する積層樹脂フイルムのポリ塩化ビニル系樹
脂フイルムとした。
このフイルムは、5%伸長時の引張強度が1.5kg/cm
で、全光線透過率が89%であつた。尚、後に示すよう
に、上記フイルムは支持フイルムに被着された状態で後
の工程が行われる。
基本配合 塩化ビニル樹脂 100 エチレン/ビニルエステル系樹脂 25 ポリエステル可塑剤 10 尚、上記塩化ビニル樹脂としては、ニカビニルSG-110
0N(日本カーバイド工業(株)製)を、エチレン/ビニ
ルエステル系樹脂としてはエルバロイをそれぞれ用い、
また、ポリエステル可塑剤としてはプロピレングリコー
ル、ブタンジオール及びヘキサンジオールからなる混合
二価アルコールとアジピン酸とから合成された数平均分
子量(Mn)が約3000のものを用いた。また、キヤステイ
ング法によるフイルムの作成は、具体的には次のように
して行つた。
混合樹脂成分の樹脂濃度が20重量%になるようにテト
ラヒドロフランを加え、密閉容器中100℃、2時間攪拌
溶解して樹脂溶液組成物を得た。
次いで上記樹脂溶液組成物を冷却し脱泡したのち、ポ
リエステルフイルム(支持フイルム)上にキヤスターを
用いて流延し、140℃で15分間熱風乾燥を行ない、支持
フイルムに被着された状態のポリ塩化ビニル系樹脂フイ
ルムを作成した。
次に、下記ポリウレタン(ウレタン系樹脂)溶液を、
スクリーン印刷機(商品名:ミノマツト600L・ミノグル
ープ製)で、180メツシユ・モノテトロン製スクリーン
を用い、上記ポリ塩化ビニル系樹脂フイルムの片面にコ
ーテイングし、次いで、120℃±3℃に調整されたオー
ブン中で60分間乾燥を行い、厚さ10μの中間層を形成し
た。この中間層の全光線透過率は88%であつた。尚、上
記ポリウレタン溶液としては、商品名:バーノツクL7-9
20(大日本インキ化学工業(株)製・不揮発分25±1
%、溶剤トルエン、セカンダリーブタノール、粘度Z1
〜Z4)を用いた。
次に、上記ポリウレタン樹脂層の表面にアルミ蒸着を
行つて金属層を厚さ約500Åで形成した後、該金属の表
面にアクリル系粘着剤(商品名:PE-121・日本カーバイ
ド工業(株)製)100重量部と架橋剤(商品名:コロネ
ートL・日本ポリウレタン工業(株)製)1重量部の混
合溶液を塗布し、乾燥して厚さ約35μの粘着剤層を形成
し、更に該粘着剤層に塗布面にシリコーンコートした剥
離紙を貼り合わせた後、ポリエステルからなる前記支持
フイルムを剥がすことにより金属様外観を有する積層樹
脂フイルムを作成した。
こうして作成した上記フイルムは、その概略を第1図
の部分断面図で示すように、図中1で示したポリ塩化ビ
ニル系樹脂フイルムにポリウレタン系樹脂層2a、金属層
(d)、(金属層3)粘着剤層5及び剥離紙6を順次積
層した構造からなるものである。
本実施例1の金属様外観を有する積層樹脂フイルムに
ついて行つた前記各試験項目の評価結果を以下の実施例
2〜7の結果とともに下記表1に示した。
尚、比較のために表面樹脂層単独の場合(後に説明す
る比較例1)の結果をも併記した。
実施例2 本実施例2の金属様外観を有する積層樹脂フイルム
は、ポリウレタン系樹脂層を下記ウレタン系樹脂で形成
した以外は、構造、寸法及び製造方法等は前記実施例1
の場合と略同様である。
本実施例2におけるウレタン系樹脂は、以下のポリウ
レタン樹脂をアクリルモノマーでグラフト化してなるグ
ラフトポリマーである。即ち、前記参考例1で用いた、
商品名:バーノツクL7-920をベースウレタンとして使用
し、それに少なくとも水酸基含有α−βエチレン系モノ
マー及びカルボキシル基含有α−β系モノマーを含む混
合モノマーをグラフト化させた不変色アクリルグラフト
化ウレタンラツカー・商品名:バーノツクL8-971(大日
本インキ化学工業(株)製・不揮発分25±1%、溶剤ト
ルエン、DMF)である。そして、上記ウレタン系樹脂で
形成した層の全光線透過率は88%であつた。
実施例3 本実施例3の金属様外観を有する積層樹脂フイルム
は、ポリウレタン系樹脂層を下記ウレタン系樹脂で形成
した以外は、構造、寸法及び製造方法等は前記実施例1
の場合と略同様である。
本実施例3におけるウレタン系樹脂は、ウレタン樹脂
100重量部、及び架橋剤25重量部を基本配合とするもの
である。尚ここで、上記ウレタン樹脂としては本参考例
1で使用した、商品名:バーノツクL7-920を、また、架
橋剤としては、ブチル化メラミン樹脂・商品名:スーパ
ーベツカミンJ-820-60(大日本インキ工業(株)製・不
揮発分60%、溶剤キシレン、n−ブタノール、粘度Q〜
T)を用いた。そして、上記ウレタン系樹脂で形成した
層の全光線透過率は88%であつた。
実施例4 本実施例4の金属様外観を有する積層樹脂フイルム
は、ポリウレタン樹脂層を下記ウレタン系樹脂で形成し
た以外は、構造、寸法及び製造方法等は前記実施例1の
場合と略同様である。
本実施例4におけるウレタン系樹脂は、グラフト化ポ
リウレタン樹脂100重量部、及び架橋剤25重量部を基本
配合とするものである。尚ここで、上記グラフト化ポリ
ウレタンとしては、前記参考例2で使用した、商品名:
バーノツクL8-971を、また、架橋剤としては前記参考例
3で使用したブチル化メラミン樹脂・商品名:スーパー
ベツカミンJ-820-60を用いた。そして、上記ウレタン系
樹脂で形成した層の全光線透過率は88%であつた。
実施例5 本実施例5の金属様外観を有する積層樹脂フイルム
は、ポリウレタン系樹脂層を下記ウレタン系樹脂で形成
した以外は構造、寸法及び製造方法等は前記実施例4の
場合と略同様である。
本実施例5におけるウレタン系樹脂はまずポリエステ
ルジオール(アジピン酸:無水マレイン酸:プロピレン
グリコール:エチレングリコール=100:1:50:55)を合
計100重量部に対しジメチルホルムアミド:メチルエチ
ルケトン=3:1の混合溶媒を250重量部混合して重合装置
にて80℃、4時間攪拌し、重合して製造する)とヘキサ
メチレンジイソシアネートを5:2混合して重合装置にて8
0℃、6時間攪拌し、製造される。さらに、上記ポリウ
レタン樹脂100重量部に対し、ヒドロキシプロピルメタ
クリレート10重量部、アクリル酸5重量部、メチルアク
リレート2重量部、アゾビスイソブチルニトリルを30重
量部混合し、重合装置にて80℃、3時間、攪拌すること
により得ることができる。そして上記ウレタン系樹脂で
形成した層の全光線透過率は88%であつた。
実施例6 本実施例6の金属様外観を有する積層樹脂フイルム
は、前記実施例4の金属調フイルムに、更にアクリル系
樹脂層(d)を金属層(c)の他面に被着形成し、該金
属層(c)を裏打ちした構成からなるものである。その
概略は、第2図の部分断面図に示すように、金属層
(c)(金属層3)の他面に上記アクリル系樹脂層
(d)4が被着形成されている以外は、第1図に示した
外装用金属調フイルムと共通の構成からなるものであ
り、第1図のポリウレタン樹脂層2aは、第2図のポリウ
レタン樹脂層2に対応しているものである。
上記アクリル系樹脂層4は、前記実施例4の場合と同
様にして金属層3を形成した後、アクリル系樹脂を含有
する下記ポリマー溶液を前記実施例1に示した層の場合
と同様にスクリーン印刷機(商品名:ミノマツト600L・
ミノグループ製)で、180メツシユ・モノテトロン製ス
クリーンを用い、上記金属層の他面にコーテイングし
た。次いで、65±3℃に調整されたオーブン中で60分間
乾燥を行い、厚さ10μの中間層を形成した。上記アクリ
ル系樹脂層は、全光線透過率が88%であつた。
上記アクリル系樹脂層4を形成するポリマー溶液は、
メチルメタクリレート58重量%、ブチルアクリレート30
重量%及び2−ヒドロキシエチルメタアクリレート12重
量%の各組成からなる樹脂成分を48%含有するキシレン
溶液100重量部に対し、コロネートEH(日本ポリウレタ
ン工業製)14重量部を加え、十分に攪拌し、混合して調
製した。
尚、金属層3とアクリル系樹脂層4との密着性を前記
「表面樹脂層に対するポリウレタン系樹脂層の密着性」
の欄に記載したと同様の方法により評価したところ極め
て良好であつた。
実施例7 本実施例7の金属様外観を有する積層樹脂フイルムは
ポリウレタン系樹脂層を前記実施例5で使用したウレタ
ン系樹脂で形成した以外は構造、寸法及び製造方法等は
前記実施例6の場合と全く同様である。
比較例1 ポリウレタン系樹脂層2aを形成せずに、金属層(d)
(金属層3)をポリ塩化ビニル系樹脂フイルム1に直に
被着形成した以外は全て前記実施例1と同様にして比較
例1の金属様外観を有する積層樹脂フイルムを作成し
た。
上記表1より前記実施例1〜5の各金属様外観を有す
る積層樹脂フイルムは比較例1の金属様外観を有する積
層樹脂フイルムより各種性質に優れ、更に実施例6〜7
の金属様外観を有する積層樹脂フイルムは各種性質が更
に優れていることが判る。
産業上の利用可能性 本発明の積層樹脂フイルムは各層間の密着性に優れて
おり、金属層の腐食・劣化がなく、外装用として用いた
場合にも十分な耐候性を有しており、しかも曲面貼着可
能な柔軟性があり、且つ耐溶剤性、耐温水性、耐薬品性
等にも優れており、自動車、電車、オートバイ等の車輌
のマーキングフイルム及び自動車等のモール、看板、屋
外宣伝塔等のマーキングフイルム、ビル、家屋等の化粧
用フイルム等の用途に対して有用である。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 全光線透過率が少なくとも30%で
    あり且つ5%伸長時の引張強度が2kg/cm以下であるポリ
    塩化ビニル系樹脂フイルムと、 (b) 該フイルムの一面に積層された、全光線透過率
    が少なくとも30%であり且つ100%伸長時の引張強度が5
    0〜550kg/cm2の範囲内にある薄いポリウレタン系樹脂層
    と、 (c) 該ポリウレタン系樹脂層上に被着形成された厚
    さが50〜2000Åの範囲内にある金属層 からなることを特徴とする金属様外観を有する積層樹脂
    フイルム。
  2. 【請求項2】ポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)が40
    %以上の全光線透過率を有する請求の範囲第1項記載の
    積層樹脂フイルム。
  3. 【請求項3】ポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)が1.
    9〜0.2kg/cmの範囲内の5%伸長時の引張強度を有する
    請求の範囲第1項記載の積層樹脂フイルム。
  4. 【請求項4】ポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)の厚
    さが20〜200ミクロンの範囲内にある請求の範囲第1項
    記載の積層樹脂フイルム。
  5. 【請求項5】ポリ塩化ビニル系樹脂フイルム(a)が半
    硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物からなるフイルムである
    請求の範囲第1項記載の積層樹脂フイルム。
  6. 【請求項6】半硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物が、 (A) 約20重量%以下の共重合成分を含有していても
    よいポリ塩化ビニル100重量部に対して、 (B) 数平均分子量(n)が1500以上の液状ポリエ
    ステル系可塑剤1〜20重量部と他の塩化ビニル樹脂用の
    可塑剤0〜10重量部、及び (C) エチレン/飽和カルボン酸ビニルエステル/一
    酸化炭素系共重合体上記(B)の可塑剤の合計量に基い
    て45〜350重量% から成り且つ降伏応力が1〜6kg/cm2の範囲内にある半
    硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物である請求の範囲第5項
    記載の積層樹脂フイルム。
  7. 【請求項7】ポリウレタン系樹脂層(b)が40%以上の
    全光線透過率を有する請求の範囲第1項記載の積層樹脂
    フイルム。
  8. 【請求項8】ポリウレタン系樹脂層(b)が60〜450kg/
    cm2の範囲内の100%伸長時の引張強度を有する請求の範
    囲第1項記載の積層樹脂フイルム。
  9. 【請求項9】ポリウレタン系樹脂層(b)の厚さが0.5
    〜100ミクロンの範囲内にある請求の範囲第1項記載の
    積層樹脂フイルム。
  10. 【請求項10】ポリウレタン系樹脂層(b)を形成する
    ポリウレタン系樹脂が−60℃以上のガラス転移温度(T
    g)を有する請求の範囲第1項記載の積層樹脂フイル
    ム。
  11. 【請求項11】ポリウレタン系樹脂層(b)が、1分子
    中に平均して0.2〜3個のエチレン性不飽和結合を有す
    る重量平均分子量が300〜200,000の範囲内にあるポリウ
    レタン樹脂に、水酸基含有ビニルモノマー及びカルボキ
    シル基含有ビニルモノマーを含有するビニルモノマー混
    合物をグラフト重合させることによつて得られる架橋性
    グラフトポリウレタン樹脂に、アミノ樹脂系架橋剤を配
    合し加熱架橋させたものから成る請求の範囲第1項記載
    の積層樹脂フイルム。
  12. 【請求項12】金属層(c)が蒸着又はスパツタリング
    により形成されたものである請求の範囲第1項記載の積
    層樹脂フイルム。
  13. 【請求項13】金属層(c)上にさらにアクリル系樹脂
    層(d)を有する請求の範囲第1項記載の積層樹脂フイ
    ルム。
  14. 【請求項14】アクリル系樹脂層(d)の厚さが0.5〜1
    00ミクロンの範囲内にある請求の範囲第13項記載の積層
    樹脂フイルム。
  15. 【請求項15】請求の範囲第1項記載の積層樹脂フイル
    ムのマーキングフイルムとしての使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001312232A (ja) * 2000-04-27 2001-11-09 Three M Innovative Properties Co 金属光沢を有する表示体
JP2009083263A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Lintec Corp 装飾シート

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