JP2746589B2 - プリンタの排出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プリンタの排出装置に関し、詳しくは排出
ローラ及び記録シートを排出ローラに圧接する圧接部材
を具えたプリンタの排出装置に関する。 〔従来の技術〕 近年では、カットシートを使用するプリンタが多用さ
れるにつれて、カットシートフィーダをプリンタにオプ
ションで装着することが試みられている。この場合、一
般にはフィーダを外装するにしてもそのために動力を別
に設ける必要があり、部品点数も多くなる上にコストも
高くなるので、カットシートフィーダを内装したプリン
タの開発が進められてきた。 このようなフィーダを内装する場合、限られたスペー
スにおいて給送機構から排出機構までが装備されなけれ
ばならず、特にその排出機構についてはプリント後のシ
ートをプラテンローラに長く保持させることなく、しか
も記録に悪影響を与えないようにして正確に排出させる
必要がある。 第４図は、この種のカットシートフィーダを具えた従
来のプリンタの一般的な構成例を示し、第５図はその排
出装置の部分の断面図を示す。これらの図において１は
排出ローラ軸1Aの所定位置に取付けられた排出ローラで
あり、ゴム等の摩擦係数の大きい材料によって形成さ
れ、その外周部には排出時にシート（例えば記録用紙）
の後縁を保持するための軸方向に平行する複数の係合溝
1Bが周設されている。２はプラテンローラ、３はフリク
ションローラである。４はシートを排出ローラ１に圧接
するための拍車を内蔵した拍車ホルダであり、排出ロー
ラ１に対向する位置で拍車軸５に回動自在に取り付けら
れており、この軸５は拍車レバー（拍車軸取付板）７を
介してばね８により排出ローラ１に向けて偏倚されてい
る。９は記録ヘッド、例えばインク液滴を吐出して記録
シート上に文字や画像を記録するインクジェット記録ヘ
ッドであり、10は記録シートが排出されるスタッカであ
る。 記録用のカットシートは、圧板11上に積載されてお
り、ここから給送ローラ12と分離爪13とにより１枚づつ
給送され、第５図に示すピンチローラ14とフリクション
ローラ３およびシートパン15に案内されてプラテンロー
ラ２の位置に達し、さらにプラテンローラ２により上方
に移動してシート押さえ拍車16及び排出拍車17により排
出ローラ１との間に圧接挟持される。シート押さえ拍車
16は第４図に示すばね８のばね力により拍車軸５を介し
て排出ローラ１に向けて偏倚されまた、排出拍車17は圧
縮ばね18により排出ローラに向けて偏倚されており、こ
れによってシート６を正しい記録位置に緊張させて保持
することができる。なお、5Aは拍車軸５に取付けられ、
圧縮ばね18を拍車ホルダ４との間に保持するためのピン
である。 このようにしてシート６がプラテンローラ２の記録位
置に達すると、インクジェット記録ヘッド５からインク
液滴が吐出され、シート６上に記録が行われる。このイ
ンクジェット記録ヘッド５はキャリアモータ19により駆
動されるキャリッジ20上に搭載されており、案内軸21に
沿って主走査方向に往復移動する。また、プラテンロー
ラ２は一行分記録が終了する毎に矢印Ｒ方向（時計回り
方向）に副走査してシート６を上方の排出ローラ１側へ
移動させる。 記録を終えたシート６の後端は歯車型の排出拍車17に
より案内されて排出ローラ１の係合溝に落ち込み、排出
ローラ１の矢印方向の回転により、シート６全体がスタ
ッカ10上に収納される。このとき排出拍車17はシート６
が拍車ホルダ４の側に戻されることなくスタッカ10の方
に送り込まれる働きをする。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながらこのような従来のプリンタの排出装置で
は、第６図に示すように幅ａをもったシート6Aの場合は
安定した排出が実現できるが、幅ｂをもったシート6Bの
場合は拍車軸５のたわみのため両端部に位置するシート
押え拍車16Aおよび16Cは排出ローラ１に圧接するが中央
に位置するシート押さえ拍車16Bと排出ローラ１との間
に隙間ｇが生じてしまい安定した排出が実施されない虞
があった。 本発明の目的は、上述の欠点を除去し、各種の幅をも
ったシートにおいても安定した排出を実現できるプリン
タの排出装置を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 かかる目的を達成するため、本発明によるプリンタの
排出装置は、記録シートを排出するための排出ローラ
と、この排出ローラに沿って配置された支持軸と、この
支持軸に所定間隔で取り付けられた複数の拍車ホルダ
と、これら拍車ホルダにそれぞれ取り付けられて前記記
録シートを前記排出ローラに圧接させるための第１の拍
車と、これら第１の拍車を前記排出ローラ側に偏倚させ
る手段とを具えたプリンタの排出装置であって、前記第
１の拍車に対して前記記録シートの排出方向に沿って配
列するように前記拍車ホルダにそれぞれ保持され、前記
第１の拍車と共に前記記録シートを前記排出ローラに圧
接させるための第２の拍車と、前記拍車ホルダと前記第
２の拍車との間にそれぞれ介装され、前記第２の拍車を
前記第１の拍車に対して独立に前記排出ローラ側に偏倚
させる手段とをさらに具えたことを特徴とするものであ
る。 〔作用〕 本発明によると、支持軸が撓んで拍車ホルダに取り付
けられた第１の拍車と排出ローラとの間に隙間が形成さ
れたとしても、第２の拍車を第１の拍車に対して独立に
排出ローラ側に偏倚する手段により、第２の拍車が記録
シートを排出ローラに圧接させた状態に保持される。 〔実施例〕 以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳細かつ具
体的に説明する。 第１図は本発明の第１実施例を示す。本例においても
拍車ホルダ４に嵌め合わされた本発明の支持軸としての
拍車軸５は先に示した第５図のように拍車レバーを介し
ばねによって排出ローラ１に偏倚される。ただし、本例
では拍車ホルダ４の上端部に本発明の第１の拍車として
のシート押え拍車16がその回転軸16Aによって支持され
ており、シート押え拍車16は圧縮ばね18のばね力によっ
て排出ローラ１に向けて偏倚される。また、24は上記の
回転軸16の周りに揺動自在に支持された排出拍車支持部
材であり、支持部材24にはその先端部に本発明の第２の
拍車としての排出拍車17の支持軸17Aが軸支される。25
はシート押え拍車回転軸16Aの周りに設けたねじりコイ
ルばねであり、このばね25のばね力により上記支持部材
24を介し排出拍車17を排出ローラ１に向けて偏倚させる
ことができる。 このように構成した拍車ホルダ4,シート押え拍車16,
排出拍車17,排出拍車支持部材24,ねじりコイルばね25な
どからなる拍車ユニット26を拍車軸５に所定の間隔を保
って複数配置することにより、各々の拍車ユニット26に
おいてシート押え拍車16を圧縮ばね18のばね力により、
また排出拍車17をねじりコイルばね25のばね力によりそ
れぞれ排出ローラ１に向けて偏倚させることができ、そ
れによってシート６を排出まで排出ローラ１との間に確
実に保持することが可能となり、シート幅のいかんによ
って保持力が左右されたり片寄りしたりすることがな
い。なおここで、圧縮ばね18やねじりコイルばね25のば
ね力を適切に調節することによって理想的な圧接力の設
定が可能となる。 第２図は本発明の第２実施例を示す。ここで、4Aはプ
ラスチック等の弾性体で形成された拍車ホルダ４から一
部を延伸させて形成した円弧状の弾性部であり、このよ
うな弾性部4Aの一端を拍車軸５に掛止させることによっ
てその弾力により拍車ホルダ４を拍車軸５の周りに時計
回りの方向に付勢させるようにする。しかして、それに
よってシート押え拍車16を排出ローラ１に向けて偏倚さ
せることができる。 また、排出拍車支持部材24も本例ではプラスチック等
の弾性体で形成され、その下端の一部を図示のように延
在させて弾性腕24Aを形成し拍車ホルダ４に設けた係止
部4Bに弾性腕24Aの端部を係止させる。このように拍車
ユニット36を構成することによって、支持部材24を介し
排出拍車17を排出ローラ１に向けて偏倚させることがで
き、シート押え拍車16と排出拍車17とのそれぞれに付勢
力を保たせることができる。 第３図は本発明の第３実施例を示す。本例は、拍車軸
５に取付けたピン5Aと拍車ホルダ４との間に設けた圧縮
ばね28により拍車ホルダ４を介してシート押え拍車16を
排出ローラ１に向けて偏倚させると同時に、上記ピン5A
と排出拍車支持部材24との間に設けた圧縮ばね38により
支持部材24を介して排出拍車17を排出ローラ１に向けて
偏倚させるようにしたものである。すなわち、本例にお
いてもその個々の拍車ユニット46においてシート押え拍
車16と排出拍車17とのそれぞれに排出ローラ１に向けて
の付勢力を個別に保たせることができる。 なお、以上の説明では、インクジェット記録装置の排
出装置を例として述べてきたが、本発明の適用はこれに
限るものではなく、感熱方式，熱転写方式，ワイヤード
ット方式等、広く各種方式のプリンタに適用できるもの
であり、シート押え用の拍車ユニットについてもこれに
限らず、シートを排出ローラに圧接する部材に適用でき
ることはいうまでもない。 〔発明の効果〕 本発明のプリンタの排出装置によると、第１の拍車と
共に記録シートを排出ローラに圧接させるための第２の
拍車を第１の拍車に対して記録シートの排出方向に沿っ
て配列するように拍車ホルダにそれぞれ保持し、拍車ホ
ルダと第２の拍車との間にこれら第２の拍車を第１の拍
車に対して独立に排出ローラ側に偏倚させる手段をそれ
ぞれ介装したので、記録シートをそのシート幅のいかん
にかかわらず複数のシート押えユニットで分担して排出
ローラとの間に保持させることができ、安定した排出動
作を保証することが可能となった。

【図面の簡単な説明】 第１図，第２図，第３図は、本発明の第1,第2,第３実施
例をそれぞれ模式的に示す構造図、 第４図は従来の排出装置を具えたプリンタの一例を示す
斜視図、 第５図は第４図の排出装置を含む断面図、 第６図は、その排出装置において発明する不具合を上面
から見て示す説明図である。 １……排出ローラ、２……プラテンローラ、３……フリ
クションローラ、４……拍車ホルダ、4A……弾性部、4B
……係止部、５……拍車軸、5A……ピン、６……シー
ト、９……記録ヘッド、10……スタッカ、16……シート
押え拍車、17……排出拍車、18,28,38……圧縮ばね、24
……排出拍車支持部材、24A……弾性腕、26,36,46,56…
…拍車ユニット、35……均合軸。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．記録シートを排出するための排出ローラと、この排
   出ローラに沿って配置された支持軸と、この支持軸に所
   定間隔で取り付けられた複数の拍車ホルダと、これら拍
   車ホルダにそれぞれ取り付けられて前記記録シートを前
   記排出ローラに圧接させるための第１の拍車と、これら
   第１の拍車を前記排出ローラ側に偏倚させる手段とを具
   えたプリンタの排出装置であって、 前記第１の拍車に対して前記記録シートの排出方向に沿
   って配列するように前記拍車ホルダにそれぞれ保持さ
   れ、前記第１の拍車と共に前記記録シートを前記排出ロ
   ーラに圧接させるための第２の拍車と、 前記拍車ホルダと前記第２の拍車との間にそれぞれ介装
   され、前記第２の拍車を前記第１の拍車に対して独立に
   前記排出ローラ側に偏倚させる手段と をさらに具えたことを特徴とするプリンタの排出装置。