JP2746449B2

JP2746449B2 - 支持柱の高さ調節装置

Info

Publication number: JP2746449B2
Application number: JP2052439A
Authority: JP
Inventors: 稔丹羽
Original assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Current assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date: 1990-03-02
Filing date: 1990-03-02
Publication date: 1998-05-06
Anticipated expiration: 2013-05-06
Also published as: JPH03253637A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、ドーム状構造物等における支持柱の高さを
調節する装置に関する。

〔従来の技術〕

本出願人は、野球等を行ない得る高階高の大空間を下
側に形成する高レベル位置と、イベントや展示会に適し
た中階高の大空間を下側に形成する中レベル位置と、ラ
グビーやサッカ等を行なうための地盤を屋根の上面をも
って形成する低レベル位置とに屋根を昇降できるように
して、多目的に使用できる構造物を先に提案した。

そのような構造物では、屋根のレベルを変更する上
で、自ずと、支持柱の高さを調節する装置が必要とな
る。そのような支持柱の高さ調節装置としては、第８図
に示すように、支持柱（５）を、互いに上下方向に移動
自在に連結する下部の固定柱（5A′）と上部の可動柱
（5B′）とに分割し、固定柱（5A′）に対して可動柱
（5B′）を上下方向に駆動する油圧ジャッキ等のジャッ
キ（Ｊ）を設けたものが一般的に知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、前記従来技術によるときは、前述のように屋
根のレベルを変える等、高さ調節のストロークが大きい
場合、次のような不都合があった。つまり、ジャッキと
して、支持柱の高さ調節のストロークに匹敵する大きな
ストロークを持つものを用意すれば、自ずと、ジャッキ
の径が支持柱の径に匹敵するほどの大きなものとなり、
しかも、そのストロークに相当する以上のジャッキ自身
の長さを必要とすることになるため、設置スペースの確
保が難しくなる。そこで、径の小さいジャッキを用いる
と、ストロークが小さくなるため、支持柱の高さを調節
する場合、第８図（イ），（ロ），（ハ）に示すよう
に、ジャッキ（Ｊ）を固定柱（5A′）（又は他の固定
部）に据付けて可動柱（5B′）を昇降すべくジャッキ
（Ｊ）を作動させる工程と、その後において可動柱（5
B′）を固定柱（5A′）にジャッキ（Ｊ）以外の手段で
支持させる工程と、その状態でジャッキ（Ｊ）を伸縮さ
せて固定柱（5A′）に据付け直す工程とを繰返すことで
毎回可動柱（5B′）の昇降ストロークよりも短いストロ
ークをもって可動柱（5B′）を固定柱（5A）に対して昇
降させる必要がある。従って、昇降に手間取り、時間が
掛る。本発明の目的は、上記の不都合を解消できる支持
柱の高さ調節装置を提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明による支持柱の高さ調節装置の特徴構成は、支
持柱を、互いに上下方向に摺動自在に嵌合する下部の固
定柱と上部の可動柱とに分割し、それら固定柱及び可動
柱のうち外嵌する側の一方の柱を、有底の円筒体に形成
するとともに、その円筒体の開口側から内嵌する他方の
柱の先端部に受圧面を形成して、前記一方の柱をシリン
ダとし、前記他方の柱をピストンロッドとする流体圧シ
リンダ装置を構成して、前記固定柱に対して前記可動柱
を昇降させるように、作動流体を前記流体圧シリンダ装
置の圧力室に対して給排する流体圧供給手段を設けてあ
る点にある。

前記可動柱内に、前記圧力室に対して給排される作動
流体の収容室を形成してあることが好ましい。

〔作用〕

流体圧供給手段を介して固定柱内部の圧力室に油や水
等の作動流体を供給することにより、固定柱に対して可
動柱がその重量及びそれが支える荷重に抗して上昇し、
他方、圧力室から作動流体を排出することにより、固定
柱に対して可動柱がその重量及びそれが支える荷重で下
降するようになり、しかも柱の外部に可動柱駆動のため
の昇降装置を設ける必要がない。つまり、支持柱を構成
する頑強な固定柱及び可動柱自体をジャッキに相当する
流体圧シリンダ装置のシリンダ及びピストンロッドとし
て構成してあるから、固定柱内部の圧力室に対して作動
流体を給排することで、固定柱に対して可動柱が昇降す
るため、流体圧シリンダ装置が別途不要で設置スペース
としてポンプやバルブ等から成る流体圧供給手段を設置
し得る小さなもので済む。特に、ピストンロッド内に、
圧力室に対して給排される作動流体の収納室を形成した
場合には、流体圧供給手段の設置スペースのうち少なく
ともタンクの設置スペースが不要になり、さらに、可動
柱にポンプ及びバルブを内蔵させれば、流体圧供給手段
を設置するスペースは支持柱外部には不要となるから、
一層設置性を向上できる。

〔発明の効果〕

以上のように、圧力室に作動流体を給排するといった
一連の動作で、可動柱を昇降ストロークの全範囲で昇降
できるため、作業性良く、高さ調節を迅速、スムーズに
行なうことができる。

〔実施例〕

本発明の実施例を次に示す。

ドーム状の構造物は、第３図乃至第５図に示すよう
に、グランドレベル（GL）よりも低い位置にアリーナ
（１）を形成するとともに、そのアリーナ（１）の外周
部に上下複数段の観客席（２）を形成する上部開放の地
下構造体（３）と、前記アリーナ（１）の上方部を覆う
屋根（４）と、その屋根（４）を支える周囲４本の支持
柱（５）とから成る。

前記地下構造体（３）は、観客席（２）の上方部を覆
う庇状の固定屋根（3A）を備えている。

前記屋根（４）は、第２図に示すように、鉄骨造り等
の構造体であって、上面に芝生等が植られてサッカーや
ラグビーのアリーナとして供し得る水平な人工地盤を形
成している。

前記支持柱（５）は、前記アリーナ（１）上での野球
等を行ない得る高階高の大空間を形成するように屋根
（４）を固定屋根（3A）よりも高く位置させて支持する
高レベル高さと、固定屋根（3A）とで一連のドーム状の
屋根を形成するとともに、アリーナ（１）上でのイベン
トや展示会に適した中階高の大空間を形成するように屋
根（４）を固定屋根（3A）と同一レベルに位置させて支
持する中レベル高さと、前記上段の観客席（２）から観
覧可能なラグビーやサッカー用等のアリーナを屋根
（４）をもって形成するように屋根（４）を上段の観客
席（２）よりも低く位置させて支持する低レベル高さと
に高さ調節自在なものである。

そして、支持柱（５）を高さ調節する装置は、第１図
に示すように、前記支持柱（５）を、互いに上下方向に
摺動自在に嵌合する下部の筒状の固定柱（5A）と、上部
の可動柱（5B）とに分割し、固定柱（5A）を油圧シリン
ダ装置のシリンダとし、かつ、可動柱（5B）をピストン
ロッドとして固定柱（Ａ）に対して可動柱（5B）を昇降
させるように作動油を圧力室（６）に対して給排する流
体圧供給手段（７）を設けて構成されている。

前記流体圧供給手段（７）は、ピストンロッド、つま
り、可動柱（5B）に圧力室（６）に対して給排される作
動油の収容室（８）を形成し、可動柱（5B）のピストン
部（5b）に、前記圧力室（６）と収容室（８）とを連通
させる通路（９）を形成するとともに、収納室（８）内
の作動油を圧力室（６）内に通路（９）を介して圧送り
するためのポンプ（10）と、通路（９）を開閉するため
のバルブ（11）とを内装して構成されている。

なお、前記固定屋根（3A）は、支持柱（５）を中レベ
ル高さにした状態においてグランドから屋根（４）への
アプローチ（12）を構成している。

〔別実施例〕

本発明の別実施例を以下に示す。

〔１〕上記実施例では、固定柱（5A）をシリンダとした
が、第６図に示すように、固定柱（5A）をピストンロッ
ドとし、かつ、可動柱（5B）をシリンダとしても良い。

〔２〕上記実施例では、圧力室（６）に対して給排され
る作動流体の収納室（８）をピストンロッド内に設けた
が第７図に示すように、収容タンク（８′）をピストン
ロッド外に別途、設けて実施しても良い。

〔３〕上記実施例では、流体圧シリンダ装置として、油
を作動流体とするものを示したが、水を作動流体とする
ものであっても良い。

〔４〕尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利に
する為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面
の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に掛かる支持柱の高さ調節装置の実施例を
示し、第１図乃至第５図は本発明の実施例を示し、第１
図は要部の拡大断面図、第２図は斜視図、第３図乃至第
５図は各昇降状態を示す断面図であり、第６図、第７図
は本発明の別実施例を示す要部の拡大断面図である。第
８図（イ），（ロ），（ハ）は従来例を示す断面図であ
る。（５）……支持柱、（5A）……固定柱、（5B）……可動
柱、（６）……圧力室、（７）……流体圧供給手段、
（８）……収容室。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】支持柱（５）を、互いに上下方向に摺動自
在に嵌合する下部の固定柱（5A）と上部の可動柱（5B）
とに分割し、それら固定柱（5A）及び可動柱（5B）のう
ち外嵌する側の一方の柱を、有底の円筒体に形成すると
ともに、その円筒体の開口側から内嵌する他方の柱の先
端部に受圧面を形成して、前記一方の柱をシリンダと
し、前記他方の柱をピストンロッドとする流体圧シリン
ダ装置を構成して、前記固定柱（5A）に対して前記可動
柱（5B）を昇降させるように、作動流体を前記流体圧シ
リンダ装置の圧力室（６）に対して給排する流体圧供給
手段（７）を設けてある支持柱の高さ調節装置。
【請求項２】前記可動柱（5B）内に、前記圧力室（６）
に対して給排される作動流体の収容室（８）を形成して
ある請求項１記載の支持柱の高さ調節装置。