JPH10338481A - 大型重量構造物の浮揚方法 - Google Patents

大型重量構造物の浮揚方法

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JPH10338481A
JPH10338481A JP16331697A JP16331697A JPH10338481A JP H10338481 A JPH10338481 A JP H10338481A JP 16331697 A JP16331697 A JP 16331697A JP 16331697 A JP16331697 A JP 16331697A JP H10338481 A JPH10338481 A JP H10338481A
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hydraulic cylinder
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利夫 木村
Shoji Akamatsu
正二 赤松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動遠隔操作により、短時間で貯蔵タンク等を
正確に一定寸法づつ浮揚させることができ、大幅な工期
の短縮と作業員の削減を可能とするタンク等の大型重量
構造物の浮揚方法を提供すること。 【解決手段】長ストロークの第1油圧シリンダと短スト
ロークの第2油圧シリンダとを備え、前記第1油圧シリ
ンダの伸長側油圧室を前記第2油圧シリンダの伸長側油
圧室及び縮小側油室に切換弁を介して選択的に連通させ
た油圧伸縮装置を、タンクの側板にほぼ等間隔で複数本
の取付けを行う取付け工程、各油圧伸縮装置を自動遠隔
操作により同期して同方向に伸縮作動させて行う上動工
程を含む大型重量構造物の浮揚方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大幅な工程の短縮
化及び作業者の削減が可能な石油タンク等の大型重量構
造物の浮揚方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油精製を行う製油所、石油備蓄基地等
には原油、半製品及び製品等を貯蔵する容量数万klから
容量十数万kl級の巨大なタンク群が数多く設置されてい
る。これらの貯蔵タンクは定期点検の結果、基礎の修
正、底板、アニュラブレートの取換え等の修理の必要が
発見された場合、巨大なタンク全体を50cm〜150cm
程度浮揚させ、その後補修作業等を行うことがある。
【0003】従来、巨大タンクを水平姿勢のまま浮揚さ
せるには、そのタンクの側板に複数本、例えば12〜6
0本の油圧伸縮装置(以下、ジャッキ装置とも言う)を
取付け、これを同時且つ同量ずつ伸縮させて行ってい
た。このようなジャッキ装置としては、図11に示すよ
うなジャッキ装置を使用していた。すなわち、図11に
おいて(A)〜(E)は、ジャッキ装置の使用状態の変
化を示している。該ジャッキ装置は、枕木68上の基台
61の中心部上に長尺のボルト62を立設し、該ボルト
62の外周に下台63とブラケット64とを昇降自在に
遊嵌させている。また、ブラケット64には、例えば1
50mm程度のストロークの油圧シリンダ65、65が取
付けられており、該油圧シリンダ65、65を伸縮させ
ることで下台63とブラケット64とを一定ストローク
ずつ近接または離間させるようになっている。さらに、
ボルト62には、下台63を下面側から支持する下ナッ
ト66と、ブラケット64を下面側から支持する上ナッ
ト67とが螺合されている。
【0004】かかるジャッキ装置は、次のように操作さ
れる。まず、図11の(A)に示すように上下の各ナッ
ト66、67を下方に降ろして下台63及びブラケット
64を下方位置で支持し、各油圧シリンダ65、65は
縮小させておく。そして、(A)の状態から、(B)に
示すように、油圧シリンダ65、65をストローク一杯
まで伸長させてブラケット64をそのストローク分だけ
上動させ、(C)に示すように、上ナット67をブラケ
ット64の下面に当接するまでねじ上げ、(D)に示す
ように、油圧シリンダ65、65を縮小させて下台63
を上ナット67の下面に当接するまで上動させ、(E)
に示すように下ナット66を下台63の下面に当接する
までねじ上げる。この(E)の状態では、ブラケット6
4を油圧シリンダ65のストローク1回分の高さだけ上
昇させた位置において(A)の状態と同様になってい
る。そして、それ以降、(B)〜(E)を1工程として
必要回数だけ操作することによって、ブラケット64を
ボルト62に対して所定高さまで上昇させることができ
るようになっている。この図11に示すジャッキ装置で
タンクを浮揚させるには、複数個のジャッキ装置を使用
して、これらをタンクの周囲に配置し、各ブラケット6
4部分をタンクの側面に連結固定して設置される。そし
て、各ジャッキ装置を同時に順次図11の(B)〜
(E)のように操作することによって、タンクを水平姿
勢のままで1ストローク分だけ上昇させることができ、
同様に(B)〜(E)の操作を必要回数繰り返すこと
で、タンクをいわゆる「尺取り虫」運動によって順次所
望高さまで上昇させることができる。また、この従来の
ジャッキ装置では、タンクの荷重をブラケット64を介
して上ナット67で支持しており、油圧シリンダ65、
65の伸長機能を解除しても該上ナット67でタンクの
荷重を支持し得るようになっている。尚、上昇させたタ
ンクを降ろすときには、各ジャッキ装置に対してそれぞ
れ(B)〜(E)の操作を逆順序で行って、各ジャッキ
装置を縮小させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のジャッキ装置では、上下各ナット66、67のネジ
操作と油圧シリンダ65の伸縮操作によって、貯蔵タン
クを正確に一定寸法ずつ「尺取り虫」運動させながら操
作するものの、上下各ナット66、67のネジ操作を作
業員が手作業で行うために、そのネジ操作が煩雑で且つ
その操作に長時間を要するという問題がある。また、貯
蔵タンクを浮揚させるには複数本のジャッキ装置を同時
に使用するが、貯蔵タンクは、通常地盤沈下等によりわ
ずかではあるが傾斜している場合が多く、これを水平姿
勢のままで浮揚させるためには各ジャッキ装置を個別操
作する必要があると共に、水平のレベル合わせが必要で
あり、各ジャッキ装置にそれぞれ作業員が付き添わなけ
ればならないので、多くの作業員が必要であるという問
題もあった。
【0006】したがって、本発明の課題は、自動遠隔操
作により、短時間で貯蔵タンクを正確に一定寸法ずつ浮
揚させることができ、大幅な工期の短縮と作業員の削減
を可能とするタンク等の大型重量構造物の浮揚方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の発明は、長ストロークの第1油圧シリンダと短ストロ
ークの第2油圧シリンダとを備え、前記第1油圧シリン
ダの伸長側油圧室を前記第2油圧シリンダの伸長側油圧
室及び縮小側油室に切換弁を介して選択的に連通させた
油圧伸縮装置を、タンクの側板にほぼ等間隔で複数本の
取付けを行う取付け工程、各油圧伸縮装置を自動遠隔操
作により同期して同方向に伸縮作動させて行う上動工程
を含むことを特徴とする大型重量構造物の浮揚方法を提
供するものである。これにより、より安全に短時間で貯
蔵タンクを正確に一定寸法ずつ浮揚させることができ、
しかも、工期の著しい短縮と作業員の大幅な削減が可能
となる。また、タンクの下降操作も、短時間に確実に行
うことができるため急激な変化による悪天候下でも、緊
急下降の適切な対応ができる。
【0008】また、請求項2記載の発明は、前記油圧伸
縮装置が、更に、伸長後の停止状態における収縮を防止
する係止手段を有することを特徴とする大型重量構造物
の浮揚方法を提供するものである。これにより、タンク
を所望の高さまで持ち上げた状態を確実に維持できるた
め、より安全にタンク補修工事等に取り掛かることがで
きる。
【0009】また、請求項3記載の発明は、タンクの側
板に取付けられた油圧伸縮装置群を少なくとも3つのブ
ロックに分け、各ブロックの油圧伸縮装置群を独立に同
期して同方向に伸縮作動させるようにした大型重量構造
物の浮揚方法を提供するものである。これにより、わず
かに傾斜したタンクを浮揚させ、水平姿勢を得るために
は、浮揚途中で伸縮作業を停止させ、3ブロック中、1
ブロックを基準に他の2ブロックの油圧伸縮装置のスト
ロークを各々微調整すれば、簡単な方法でしかも短時間
で水平姿勢を得ることができる。また、油圧伸縮装置の
故障は1ブロック内で独立して処理できるため、例え伸
縮途中であっても、タンクを2/3の油圧伸縮装置で受
け持つことができるため安全である。
【0010】また、請求項4記載の発明は、前記上動工
程の初期段階において、前記各ブロック毎の高さ調整を
行い、水平レベルを同一とするレベル合わせ工程を設け
ることを特徴とする大型重量構造物の浮揚方法を提供す
るものである。これにより、傾斜したタンクであって
も、該タンクの浮揚後、下降して再設置する場合、その
まま下動すればもとの位置に正確に戻すことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の大型重量構造物の一例で
あるタンクの浮揚方法は、図1の油圧伸縮装置Yをタン
ク10の側板にほぼ等間隔で複数本の取付けを行う取付
け工程、各油圧伸縮装置Yを自動遠隔操作により同期し
て同方向に伸縮作動させて行う上動工程を含むものであ
り、好ましくは、取付け工程;加圧接地工程、タンク浮
揚工程及び水平レベル合わせ工程を含む上動工程;係止
工程を順次行う方法である。まず、該タンクの浮揚方法
で用いられる油圧伸縮装置、係止手段及び油圧回路につ
いて説明する。
【0012】(油圧伸縮装置及び係止手段)該油圧伸縮
装置Yは図1〜図3に示すように、第1油圧シリンダ1
と第2油圧シリンダ2とを長さ方向に連結して構成され
ている。また、該油圧伸縮装置Yの係止手段は、図4〜
図6に示すように、第1油圧シリンダ1のシリンダチュ
ーブ11の外周でその上下方向にスライドし得るスライ
ダー7と、後述するようにシリンダチューブ11の外周
面に形成した多数の凹溝16、16・・と、該凹溝16
に嵌入する係止ピン6、6とを有している。
【0013】第1油圧シリンダ1はタンクの大きさ等に
応じて適宜の、例えば1500〜1600mm程度のスト
ロークの長ストロークのものが使用されている。また、
第2油圧シリンダ2は例えば50〜60mm程度のストロ
ークの所定の小ストロークのものが使用されている。そ
して、第1油圧シリンダ1のピストンロッド13の先端
に第2油圧シリンダ2のシリンダチューブ21を連結固
定している。スライダー7は、図1〜図6に示すよう
に、長尺の筒体71と、該筒体71の下端部に固定した
基準側ネジ部材72と、該基準側ネジ部材72に螺合さ
れた調整側ネジ部材73と、該調整側ネジ部材73の下
方に位置させたリング体74から構成されている。
【0014】筒体71は、例えば2〜3m程度の長さを
有している。この筒体71上部は、第2油圧シリンダ2
のシリンダチューブ21に軸79で連結している。この
ため、筒体71は第2油圧シリンダ2のシリンダチュー
ブ21とともに上下動するようになっている。また、こ
の筒体71の下部側は、第1油圧シリンダ1のシリンダ
チューブ11の外周を被覆している。そして、第1油圧
シリンダ1の全縮状態では、図1又は図2に示すように
筒体71がシリンダチューブ11のほぼ全長を被覆し、
他方、第1油圧シリンダ1が伸長すると、図3に示すよ
うにシリンダチューブ11の下部側が伸長量に応じた長
さだけ外部に露出するようになっている。また、筒体7
1には、その上下2箇所に取付座81、82がそれぞれ
横向き姿勢で取付けられている。この各取付座81、8
2はタンク10の側板にそれぞれ当接又は固定されて、
スライダー7をタンク10に連結するためのものであ
る。また、図では省略するが、シリンダチューブ11の
下端部は基台171に固定又はピンを介して回動自在に
取付ける構造となっている。このピン構造の場合には、
シリンダチューブ11の下端部は球面体とし、基台17
1はこれを受け持つ台座とする構造が好ましい。
【0015】基準側ネジ部材72は、筒体71の下端部
にボルト締め又は溶接によって固定している。この基準
側ネジ部材72には雄ネジを形成し、調整側ネジ部材7
3には該雄ネジに螺合する雌ネジを形成している。調整
側ネジ部材73の外面には、その対向位置にそれぞれハ
ンドル76、76が外向きに突出している。この調整側
ネジ部材73は、各ハンドル76、76を握ってネジ回
転させることにより、基準側ネジ部材72に対して上動
又は下動させることができる。
【0016】リング体74は、調整側ネジ部材73とは
別体に形成されている。このリング体74の内径は、シ
リンダチューブ11の外径よりごく僅かに大きい程度に
形成されており、該シリンダチューブ11の外面とリン
グ体74の内面との対面部77は、全周に亘ってほぼ摺
接状態で近接している。そして、このリング体74は、
図4に示すようにシリンダチューブ11を下方に使用し
た場合に、凹溝16に嵌入させた各係止ピン6、6に対
してその上方側から係止されるようになっている。
【0017】調整側ネジ部材73は、図4に示す状態
で、下動側、すなわち伸長側にネジ回転させていくと調
整側ネジ部材73の下面がリング体74の上面に接触す
るが、その接触面78(調整側ネジ部材の下面及びリン
グ体の上面)は調整側ネジ部材73の下面をリング体7
4の上面に対して全周接触できるように中心側が高くな
るような緩やかな円弧面となっている。
【0018】リング体74は、調整側ネジ部材73の外
周位置に設けた各リング受け75、75で脱落しないよ
うに支持されている。尚、リング体74は、調整側ネジ
部材73の下面とリング受75の下端横曲げ片との間で
若干高さ、例えば10〜15mm程度だけ上下自由状態で
設置されている。第1油圧シリンダ1の外周面には、例
えば40〜60mm間隔の所定小高さ間隔をもって多数の
凹溝16、16・・が形成されている。各凹溝16はそ
れぞれ縦断面半円状の溝をチューブ全周に亘って環状に
形成している。
【0019】係止ピン6、6は凹溝16の溝幅と同等の
直径を有する断面円形で且つほぼ半周長さを有する2つ
の円弧ピンが使用されている。この各係止ピン6、6
は、図4及び図5に示すように、シリンダチューブ11
の外周面に形成した凹溝16に対して水平対向方向から
係脱自在に嵌入し得るようになっている。また、各係止
ピン6、6を凹溝16に嵌入させた状態では図4及び図
5に示すように、係止ピンの直径の内側半分厚さがシリ
ンダチューブ11の外側面より内方に位置する一方、外
側半分厚さがシリンダチューブ11の外側面から外方に
はみ出すようになっている。
【0020】(油圧回路)次に油圧回路について説明す
る。図7には、図1〜図3の油圧伸縮装置Yを構成する
第1油圧シリンダ1と第2油圧シリンダ2部分の概略断
面図及びその油圧回路を示す。なお、図7では、シリン
ダチューブ11外周面の凹溝16、スライダー7等の記
載を省略している。
【0021】図7に示すように、第1油圧シリンダ1
は、長尺のシリンダチューブ11内をピストン12で伸
長側油室14と縮小側油室15の上下2つの油室に区画
している。他方、第2油圧シリンダ2も、短尺のシリン
ダチューブ21内をピストン22で伸長側油室24と縮
小側油室25の2つの油室に区画している。そして、第
1油圧シリンダ1側のピストンロッド13の先端に第2
油圧シリンダ2のシリンダチューブ21を溶接等で固定
して、両油圧シリンダ1、2を一列状態で連結してい
る。なお、第1油圧シリンダ1と第2油圧シリンダ2と
の連結としては、図示の形態の他に、第1油圧シリンダ
1のシリンダチューブ11と第2油圧シリンダ2のピス
トンロッド23の連結、両油圧シリンダ1、2のシリン
ダチューブ11、21同士又はピストンロッド13、2
3同士の連結、等の適宜の形態が挙げられる。
【0022】第1油圧シリンダ1の伸長側油室14及び
縮小側油室15には、ピストンロッド13内に形成した
各送油路を通してそれぞれ送油管36、37から作動油
が給・排される。また、第2油圧シリンダ2の伸長側油
室24及び縮小側油室25には、それぞれ送油管38、
39から作動油が給・排される。また、第1油圧シリン
ダ1の伸長側油室14を第2油圧シリンダ2の伸長側油
室24及び縮小側油室25にソレノイドバルブ45を介
して選択的に連通させている。このソレノイドバルブ4
5は、3位置弁が採用されており、第1油圧シリンダ1
の伸長側油室14が遮断状態か(ソレノイドバルブ45
がOFF時)又は第2油圧シリンダ2の作動油排出側の
油室(24又は25)に連通するように切換制御され
る。尚、図7の油圧回路中、符号34及び35はそれぞ
れチェック弁である。そして、ソレノイドバルブ45が
OFF時には、第1油圧シリンダ1の伸長側油室14は
遮断され、ソレノイドバルブ45の弁室SV7 がONに
なると、第2油圧シリンダ2の縮小側油室25と第1油
圧シリンダ1の伸長側油室14とが送油管39、弁室S
7 、送油管36を介して連通し、ソレノイドバルブ4
5の弁室SV8 がONになると、第2油圧シリンダ2の
伸長側油室24と第1油圧シリンダ1の伸長側油室14
とが送油管38、弁室SV8 、送油管36を介して連通
するようになっている。
【0023】この油圧伸縮装置Yは、図7に示す油圧回
路で作動し、タンクを浮揚せしめる。図7の油圧回路に
おいて、符号31は作動油タンク、32はモータ、33
はポンプ、41は第1ソレノイドバルブ、42は第2ソ
レノイドバルブ、43は第3ソレノイドバルブ、44は
第4ソレノイドバルブ、45は第5ソレノイドバルブ、
PS1 は第1圧力スイッチ、PS2 は第2圧力スイッ
チ、PS3 は第3圧力スイッチを示している。第1ソレ
ノイドバルブ41と第2ソレノイドバルブ42は、それ
ぞれ2位置弁が採用され、第3〜第5の各ソレノイドバ
ルブ43、44、45は、それぞれ3位置弁が使用され
ている。また、図7中の各圧力スイッチの設定圧は、こ
の実施形態では、第1圧力スイッチPS1 が50kg/cm
2 、第2圧力スイッチPS2 が170kg/cm2 、第3圧
力スイッチPS3 が132kg/cm2にそれぞれ設定して
いる。なお、図7の状態では、各ソレノイドバルブ41
〜45がそれぞれOFFの状態である。
【0024】(取付け工程)次に、上記係止手段を有し
た油圧伸縮装置のタンク10の側板への取付け工程につ
いて説明する。図3及び図8に示すように、本実施の形
態では容量1万kl(重量220トン)のタンク10の周
囲に、ほぼ等間隔で18本の油圧伸縮装置Yが取付けら
れる。この取付け方法としては、まず、取付座82をタ
ンク10の側板に固定する。固定方法としては、溶接又
はボルトにより固定する方法であっても、軸支により回
動可能に取付ける方法であってもよい。また、取付座8
1は油圧伸縮装置Yが伸長する際、発生する内側への回
転モーメントにより倒伏を防止するためタンクの側板に
当接する構造とするのが好ましい。また、シリンダチュ
ーブ11の下端部を基台171に取付ける方法として
は、ピンを介して回動自在に取付ける方法が、接地地盤
が傾斜していても傾斜面に沿って接地できることからタ
ンク側板に無理な応力が掛からない。従って、タンク側
板の裏側に補強材を取付ける必要もなく、また、下降工
程後の再設置において、タンクが傾斜していても元の位
置に戻ることからも好ましい。
【0025】また、18本の油圧伸縮装置群は、3つの
ブロックに分けられ、各ブロックの油圧伸縮装置群を独
立に同期して同方向に伸縮作動できるようになってい
る。すなわち、図8に示すように、6本組みを1ブロッ
クとし、これに油圧ユニット1台を設け、該油圧ユニッ
トと6本の油圧伸縮装置を油圧ホース95で連結し、都
合3台の油圧ユニットで3つのブロックを各々制御す
る。このうち、No.1油圧ユニット91は、制御盤94を
配しており、制御盤94でNo.2油圧ユニット92および
No.3油圧ユニット93を制御できる。具体的には、3つ
のブロック(全油圧伸縮装置)を同期して同方向に伸縮
作動でき、また、各ブロックは単独で同期して同方向に
伸縮作動できる。上記油圧伸縮装置群のブロック数とし
ては、タンクの大きさ及び重量並びに、油圧伸縮装置の
耐負荷能のよって適宜選択され、例えば、容量十数万kl
級のタンクであれば、50〜60本の油圧伸縮装置を用
い、これを5〜6のブロック数にすることが好ましい。
これにより、わずかに傾斜したタンクを浮揚させ、水平
姿勢を得るためには、浮揚途中で伸縮作業を停止させ、
3ブロック中、1ブロックを基準に他の2ブロックの油
圧伸縮装置のストロークを各々微調整すれば、簡単な方
法でしかも短時間で水平姿勢を得ることができる。ま
た、油圧伸縮装置の故障は1ブロック内で独立して処理
できるため、例え伸縮途中であっても、タンクを2/3
の油圧伸縮装置で受け持つことができるため、タンクは
傾くことがなく安全である。
【0026】また、油圧伸縮装置Yの取付け状態では、
調整側ネジ部材73は基準側ネジ部材72に対して最上
動位置までねじ上げておくことが必要である。
【0027】(上動工程)次に、上動工程について図
7、図9及び図10を参照して説明する。図9は、上記
油圧伸縮装置Yの作動工程図を示し、図10は、該油圧
伸縮装置Yの作動順序を示すフローチャートを示してい
る。なお、図9ではシリンダーチューブ11外周面の凹
溝16、スライダー7等の記載を省略している。
【0028】上動工程の第1段階は加圧接地工程であ
る。該加圧接地工程は3つの油圧ユニットを同期させ同
時に作動せしめる。すなわち、まず図9(A)に示すよ
うに油圧伸縮装置Yを最縮小させた状態で、該装置Yを
地面(枕木170)とタンク間にセットする。この状態
から、図10のステップS1 で示すようにモータ始動押
釦をONすると、図7のポンプ33により作動タンク3
1内の作動油が第1ソレノイドバルブ41及び第4ソレ
ノイドバルブ44を介して循環するようになる。次に、
接地押釦をONする(ステップS2 )と、第1ソレノイ
ドバルブ41の弁室SV1 と第2ソレノイドバルブ42
の弁室SV2 と第3ソレノイドバルブ43の弁室SV4
と第4ソレノイドバルブ44の弁室SV6 と第5ソレノ
イドバルブ45の弁室SV7 とがそれぞれONになり
(ステップS3 )、作動油が第2油圧シリンダ2の縮小
側油室25内及び第1油圧シリンダ1の伸長側油室14
内に供給される。そして、その間は、第1圧力スイッチ
PS1 が作動油供給圧を検出しており(ステップ
4 )、油圧伸縮装置Yが地面(枕木170)とタンク
間で突っ張ると、作動油供給圧が第1圧力スイッチPS
1 の設定値に達して該第1圧力スイッチPS1 が作動
し、接地押釦がOFF(各弁室SV1 、SV 2、S
4 、SV6 、SV7 がOFF)となって油圧伸縮装置
Yの加圧接地工程が完了する(ステップS5 )。このよ
うに、加圧接地工程も自動遠隔操作によって行うことが
できるため、工期の短縮と作業員の削減が可能となる。
【0029】次に、上動工程の第2段階として、タンク
浮揚工程に入る。該タンク浮揚工程も3つの油圧ユニッ
トを同期させ同時に作動せしめる。まず、上昇・下降モ
ードの上昇側を選択し(ステップS6 )、続いて上昇押
釦をONにする(ステップS7 )。すると、第4ソレノ
イドバルブ44の弁室SV6 と第5ソレノイドバルブ4
5の弁室SV7 がONになり(ステップS8 )、第2油
圧シリンダ2の伸長側油室24内に作動油が供給されて
ピストン22が図9(A)の小ストロークLだけ上昇
し、該第2油圧シリンダ2の縮小側油室25内の作動油
が弁室SV7 を通って第1油圧シリンダ1の伸長側油室
14内に導入され、ピストン12が図9(B)の小スト
ロークMだけ上昇し、該第1油圧シリンダ1の縮小側油
室15内の作動油が作動油タンク31側に戻される。こ
のタンクを持ち上げる際、3ブロックの油圧伸縮装置群
のうち、軽い負荷を受け持つブロックの油圧伸縮装置群
がまず上昇し、次いで、他のブロックの油圧伸縮装置群
が追従するようにタンクを浮揚させる。そして第2油圧
シリンダ2のピストン22が最上動すると、作動油供給
圧が高くなり、その作動油供給圧が第2圧力スイッチP
2 の設定圧に達すると(ステップS9 )、第5ソレノ
イドバルブ45が弁室SV8 側に切換わる(ステップS
10に示すように弁室SV7 がOFF、弁室SV8 がON
になる)。すると、第2油圧シリンダ2に対する作動油
供給方向が図9(C)に示すように切換わり、第2油圧
シリンダ2の縮小側油室25内に作動油が供給されてピ
ストン22が図9(D)に示すように下動し、第2油圧
シリンダ2伸長側油室24内の作動油が弁室SV8 を通
って第1油圧シリンダ1の伸長側油室14内に導入さ
れ、ピストン12が上記小ストロークMだけ上昇し、該
第1油圧シリンダ1の縮小側油室15内の作動油は作動
油タンク31側に戻される。そして、第2油圧シリンダ
2のピストン22が最下動すると、作動油供給圧が高く
なり、その作動油供給圧が第2圧力スイッチPS2 の設
定圧に達すると(ステップS11)、第5ソレノイドバル
ブ45が弁室SV7 側に切換わる(ステップS12a に示
すように弁室SV8 がOFF、弁室SV7 がONにな
る)。以下、図10に示すステップS8 〜ステップS12
を数回自動的に繰り返して、この油圧伸縮装置Yを、例
えば図9(E)に示すように所定長さ、例えば1500
mmまで連続して伸長させることができる。その後、上昇
押釦をOFFにすると第4ソレノイドバルブ44及び第
5ソレノイドバルブ45がそれぞれOFFになり、該油
圧伸縮装置Yの伸長動作が停止し、その状態でタンクを
保持するようになる。
【0030】また、上記加圧接地工程、上記上動工程又
は下記下降工程の各工程の途中、予期せぬような特定の
油圧伸縮装置の接地地盤の沈下等があった場合、油圧伸
縮装置が自動的に伸長し、その接地を補正する。すなわ
ち、上動工程中であれば、第1圧力スイッチPS1 が作
動油供給圧を検出し、油圧伸縮装置Yが地面とタンク間
で突っ張るまで伸びることにより行われる(図10中、
12a 〜S 12c及びS18a 〜S18c )。
【0031】また、該タンク浮揚工程の初期段階、すな
わち、タンクと地面の接地が解除された時から図9
(D)、好ましくは図9(B)の状態までの初期段階に
おいて、各ブロック毎の高さ調整を行い、水平レベルを
同一とする水平レベル合わせ工程を設けることが、加圧
接地後のタンクのわずかな傾斜を補正し、安全に浮揚さ
せる点からも好ましい。該水平レベル合わせ工程の時期
が遅れると、すなわち、タンクがかなりの高さまで浮揚
された後に水平姿勢をとると、安全性に欠ける他、タン
クを下降し再設置する際、元の位置に正確に戻すことが
困難となり好ましくない。
【0032】この高さ調整により水平レベルを同一とす
るには、予め、例えば各ブロックのタンク高さを測定す
るワイヤー式リニアエンコーダ測定器を各ブロック毎の
中央位置の油圧伸縮装置に設置しておき、これをタンク
の動きに同調させ、そのパルス数をデジタルカウンター
でミリメーター単位で制御盤へ表示させて行う。次に、
3ブロックのうち、タンク高さが最低又は最高のブロッ
クの油圧伸縮装置群の作動を停止状態とし、この高さを
基準として、他のブロックの油圧伸縮装置群を個別に作
動させ、高低差ゼロとする微少高さ調整を行い、水平姿
勢とすればよい。タンク高さを測定する方法としては、
公知の方法に従えばよく、上記ワイヤー式リニアエンコ
ーダー測定器を用いる方法以外に、例えば、超音波型セ
ンサーを用いる方法等が挙げられる。
【0033】上記したように、3ブロックに分けられた
油圧伸縮装置群を順次、同期して小ストロークMずつ伸
長させると、第2油圧シリンダ2が上動するのに伴っ
て、スライダー7及びタンク10が上動せしめられ、該
タンク10が図3に示すように所望高さまで上昇した時
点で、各油圧伸縮装置Y、Yの伸長動作を停止させる。
このとき、各油圧伸縮装置Y、Y内の作動油は封じ込め
ておく。また、このとき、スライダー7は、図6(A)
の状態となり、リング体74が調整側ネジ部材73の下
方に離間した位置で各リング受75で支持されている。
【0034】(係止工程)次に、停止状態における油圧
伸縮装置Yの収縮を防止するため、係止手段をハンドリ
ング操作により作動させる。すなわち、図6(B)に示
すように、第1油圧シリンダ1のシリンダチューブ11
外周面の各凹溝16、16・・のうちの、スライダー7
下端(リング受75下端)の直近位置に露出している1
つの凹溝16に、その左右外側からそれぞれ係止ピン
6、6を嵌入させる。続いて、ハンドル76、76を握
って調整側ネジ部材73を伸長方向(下動方向)にネジ
回転させると、まず、リング体74の下面が凹溝16に
嵌入している各係止ピン6、6上に乗り上げ、さらに調
整側ネジ部材73を下方にネジ回転させると、図6
(C)に示すように、該調整側ネジ部材73の下面がリ
ング体74の上面に衝合するようになる。この状態で
は、調整側ネジ部材73が係止ピン6、6と基準側ネジ
部材72間で突っ張っており、スライダー7に加わる荷
重を該係止ピン6、6部分で支持することができるよう
になる。そして、この図6(C)の状態では、油圧伸縮
装置Yの油圧力による支持機能を解除しても、スライダ
ー7(タンク10)が係止ピン6、6を介してシリンダ
チューブ11で支持される。係止手段は、同様の効果を
奏するものであれば、上記のものに限定されない。これ
により、タンクを所望の高さまで持ち上げた状態を確実
に維持できるため、より安全にタンク補修工事等に取り
掛かることができる。
【0035】(下降工程)タンクの補修作業終了後、又
は緊急時の場合、タンク10を下降させる。まず、上記
係止手段の解除作業を行う。すなわち、油圧伸縮装置Y
を少し伸長させ、調整側ネジ部材7を図6(B)に示す
位置まで上動側に螺回転させると、各係止ピン6、6を
凹溝16から取外すことができ、その係止ピン6を取外
した状態でジャッキ装置Yを縮小させればよい。次に、
図10のステップS6 において下降側モードを選択し、
続いて下降押釦を操作する(ステップS13)。すると第
4ソレノイドバルブ44の弁室SV5 と第5ソレノイド
バルブ45の弁室SV7 とがONになり(ステップ14)
、第1油圧シリンダ1の縮小側油室15内に作動油が
供給され(このとき、チェック弁35はパイロット圧で
開放される)、第1油圧シリンダ1の伸長側油室14内
の作動油が送油管36、弁室SV7 、送油管39を通っ
て第2油圧シリンダ2の縮小側油室25内に導入され、
第2油圧シリンダ2の伸長側油室24内の作動油が作動
油タンク31側に戻されて、第1油圧シリンダ1が1回
分のストローク範囲(図9(B)のストロークM)だけ
縮小する。また、第2油圧シリンダ2のピストン22が
最下動すると、作動油供給圧が高くなり、その作動油供
給圧が第3圧力スイッチPS3 の設定圧に達すると(ス
テップS15)、第5ソレノイドバルブ45が弁室SV8
側に切換わり、ステップS18に示すように弁室SV7
OFF、弁室SV8 がONになる。すると、第2油圧シ
リンダ2に対する作動油供給方法が切換わって、今度は
第1油圧シリンダ1の伸長側油室14内の作動油が送油
管36、弁室SV8 、送油管38を通って第2油圧シリ
ンダ2の伸長側油室24内に導入され、第2油圧シリン
ダ2のピストン22が上動し、第2油圧シリンダ2の縮
小側油室25内の作動油がタンク31側に戻されて、第
1油圧シリンダ1がストローク範囲Mだけ縮小する。そ
して、第2油圧シリンダ2のピストン22が最上動する
と、作動油供給圧が高くなり、その作動油供給圧が第3
圧力スイッチPS3 の設定圧に達すると(ステップ
17)、第5ソレノイドバルブ45が弁室SV7 側に切
換わり(ステップS18)、ステップS15に戻る。以下、
図10に示すステップS15〜ステップS18を数回自動的
に繰り返して、この油圧伸縮装置Yを、例えば図9
(A)に示すように所定長さまで連続して縮小させる。
その後、下降押釦をOFFにし、第4ソレノイドバルブ
44及び第5ソレノイドバルブ45がそれぞれOFFに
なると、該油圧伸縮装置Yの縮小動作が停止する。
【0036】また、油圧伸縮装置Yを急速縮小させたい
場合には、図示しない急速下降押釦を押すと、第3ソレ
ノイドバルブ43の弁室SV4 及び第4ソレノイドバル
ブ44の弁室SV5 がONになり(第5ソレノイドバル
ブ45はOFFのまま)、第1油圧シリンダ1の伸長側
油室14内の作動油が第2油圧シリンダ2を経由するこ
となく連続的に作動油タンク31側に戻すことができ、
急速縮小が可能となる。
【0037】このように、タンクの下降工程において
も、自動遠隔操作により小刻みではあるが正確に、且つ
短時間で下降でき、急な天候不順、地震等により緊急降
下の必要があっても、最小限の作業員で正確に下降操作
ができる。また、降雨時もタンクの内部に雨が吹き込む
ことが防げるので、作業し易く、材料の保護にもなる。
【0038】また、本願の油圧伸縮装置は、上下逆向き
に(シリンダチューブ11を上向き姿勢で)使用するこ
ともできる。その場合には、シリンダチューブ11のテ
ール側をタンク10に連結し、ピストンロッド13の先
端(又はスライダー7)を接地させる。そして、このセ
ット状態から油圧伸縮装置(油圧シリンダ)を伸長させ
ると、シリンダチューブ11が上動して(この場合、ス
ライダー7は上下動しない)、タンク10を浮揚させる
ことができる。また、油圧伸縮装置Yとして、長ストロ
ークの第1油圧シリンダ1と短ストロークの第2油圧シ
リンダ2とを使用しているが、他の実施形態では、1本
の油圧シリンダのみで油圧伸縮装置Yを構成してもよ
い。
【0039】また、本発明において、大型重量構造物と
しては、特に制限されず、例えば、石油タンク及びベッ
セル等の貯槽並びにタワー類等のタンク類、ビル等の建
築物類、焼却炉及び貯蔵倉庫等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
実施例1 内部を空とし、底板を切り離した容量1万kl、重量22
0トンのタンクの周囲に、本発明で使用する油圧伸縮装
置Yを18本取付け、これを6本を1ブロックとして、
3つの油圧ユニットのブロックを構成した。取付け後の
加圧接地工程を出発として、水平レベル合わせ工程を経
てタンクを約1mまで浮揚させ、次いで、係止工程、下
降工程を経て、元の位置に設置するまでの所要時間
(h)はおよそ1.0時間であり、作業員の数は3人で
あった。内訳は1サイクル2分、上昇及び下降工程合計
20サイクルで40分、加圧接地、水平レベル合わせ工
程及び係止工程で20分であった。
【0041】比較例1 実施例1で用いたと同様のタンクの周囲に、図11に示
す油圧ジャッキ装置18本を取付けた。取付け後の加圧
接地工程を出発として、水平レベル合わせ工程を経て、
タンクを約1mまで浮揚させ、次いで、下降工程を経
て、元の位置に設置するまでの所要時間はおよそ5.0
時間であり、ほとんど各油圧ジャッキ装置に張り付けら
れた作業員の数は5人であった。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、特定構造の油圧
伸縮装置を用いて自動遠隔操作によりタンク等の大型重
量構造物を浮揚せしめるため、より安全に短時間で貯蔵
タンク等を正確に一定寸法ずつ浮揚させることができ、
しかも、工期の著しい短縮と作業員の大巾な削減が可能
となる。また、タンク等の大型重量構造物の下降操作
も、短時間に確実に行うことができるため、急激な変化
による悪天候下でも緊急下降に適切な対応が可能であ
る。
【0043】また、請求項2記載の発明によれば、該係
止手段により、伸長後の停止状態にある油圧伸縮装置の
収縮を確実に防止でき、タンク等の大型重量構造物を所
望の高さまで持ち上げた状態を確実に維持できるため、
より安全にタンク等の補修工事等に取り掛かることがで
きる。
【0044】また、請求項3記載の発明によれば、傾斜
したタンク等の大型重量構造物を浮揚させ、水平姿勢を
得るためには、浮揚途中で伸縮作業を停止させ、3ブロ
ック中、1ブロックを基準に他の2ブロックの油圧伸縮
装置のストロークを微調整を行えば、簡単な方法でしか
も短時間で水平姿勢を得ることができる。また、油圧伸
縮装置の故障は1ブロック内で独立して処理できるた
め、例え伸縮途中であっても、タンク等の大型重量構造
物を2/3の油圧伸縮装置で受け持つことができるため
安全である。
【0045】また、従来のタンクの浮揚及び下降方法
は、手動、自動を問わず所定のストローク毎に数回の水
平レベル合わせの調整をしながら行っていたため、完全
にタンクの水平を保ちながら浮揚又は下降させることが
難しく、正確に元の位置に戻すのが困難であった。しか
しながら、請求項4記載の発明によれば、傾斜したタン
クであっても、該タンクの浮揚後、下降して再設置する
場合、そのまま下動すればもとの位置に正確に戻すこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる実施形態の係止手段付き油圧伸
縮装置の側面図である。
【図2】図1の油圧伸縮装置の左側面図である。
【図3】図1の油圧伸縮装置を2本使用してタンクを浮
揚させた状態図である。
【図4】図3のIV部分の拡大断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿って見た図である。
【図6】本発明で用いる実施形態の係止手段を使用した
作業工程図である。
【図7】図1の油圧伸縮装置の油圧回路図である。
【図8】油圧伸縮装置群を配したタンクの平面図であ
る。
【図9】図1の油圧伸縮装置の作動順序図である。
【図10】図1の油圧伸縮装置の作動順序を示すフロー
チャートである。
【図11】従来のタンク浮揚用油圧伸縮装置の作動順序
図である。
【符号の説明】
1、2 油圧シリンダー 7 スライダー 10 タンク 11 シリンダーチューブ 91 第1油圧ユニット 92 第2油圧ユニット 93 第3油圧ユニット IV 係止手段 Y 油圧伸縮装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成戸 正樹 和歌山県和歌山市園部1611−8 (72)発明者 木村 利夫 香川県大川郡津田町鶴羽820−1 (72)発明者 赤松 正二 香川県香川郡香南町大字西庄1277−3

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長ストロークの第1油圧シリンダと短スト
    ロークの第2油圧シリンダとを備え、前記第1油圧シリ
    ンダの伸長側油圧室を前記第2油圧シリンダの伸長側油
    圧室及び縮小側油室に切換弁を介して選択的に連通させ
    た油圧伸縮装置を、タンクの側板にほぼ等間隔で複数本
    の取付けを行う取付け工程、各油圧伸縮装置を自動遠隔
    操作により同期して同方向に伸縮作動させて行う上動工
    程を含むことを特徴とする大型重量構造物の浮揚方法。
  2. 【請求項2】前記油圧伸縮装置が、更に、伸長後の停止
    状態における収縮を防止する係止手段を有することを特
    徴とする請求項1記載の大型重量構造物の浮揚方法。
  3. 【請求項3】タンクの側板に取付けられた油圧伸縮装置
    群を少なくとも3つのブロックに分け、各ブロックの油
    圧伸縮装置群を独立に同期して同方向に伸縮作動させる
    ようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の大型
    重量構造物の浮揚方法。
  4. 【請求項4】前記上動工程の初期段階において、前記各
    ブロック毎の高さ調整を行い、水平レベルを同一とする
    レベル合わせ工程を設けることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項記載の大型重量構造物の浮揚方法。
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