JP2746377B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2746377B2 JP63132433A JP13243388A JP2746377B2 JP 2746377 B2 JP2746377 B2 JP 2746377B2 JP 63132433 A JP63132433 A JP 63132433A JP 13243388 A JP13243388 A JP 13243388A JP 2746377 B2 JP2746377 B2 JP 2746377B2
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香子 世古口
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    • G03G9/00Developers
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、例えば静電転写型複写機等の電子写真装
置に供されるトナーの製造方法に関するものである。
(ロ)従来の技術 近年、電子写真法あるいは静電記録法等にて転写対象
画像の静電荷像を形成し、これを現像用トナーにより顕
現化して転写紙等に転写した後、定着を行なって可視画
像とする方法が広く採用されている。
静電画像の現像に供される上記のトナーは、鉄粉ある
いはガラスビーズ等のキャリアと混合される二成分系ト
ナーおよびキャリアの不要な一成分系トナーがある。こ
れら何れのトナーも通常、バインダーとしての熱可塑性
樹脂にカーボンブラックや染・顔料等の着色剤、および
帯電制御剤等を加え、また磁性トナーの場合にはさらに
磁性体等を加えて混合し、溶融混練した後、粉砕、分級
することによって製造されている。
上記のように粉砕工程を経て製造されたトナーは、不
定形であるため、流動性に乏しく、保存性の点でも好ま
しくない。このため、外添剤としてコロイダルシリカ等
の微粉末をトナー表面に添加する方法がとられている。
しかしながら、上記の外添剤の添加工程は別工程とな
るため、コストアップを招来すると共に、これによって
得られるトナーの流動性も充分ではない。従って、最近
では、上記の粉砕工程および外添剤の添加工程を要しな
い懸濁重合法等の水系での重合法、あるいは液中乾燥法
による水系での析出法により球状のトナーを製造する方
法が研究され、トナーの球状化による保存性の改善が企
てられている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ところが、上記液中乾燥法等によって得られるトナー
は、球状を成しかつ表面が平滑であるため、流動性は良
好であるものの、キャリアとの摩擦と感光体および転写
紙への付着という点におては不利であり、また感光体表
面のクリーニング性が悪い等の問題がある。即ち、この
ような問題を解決するためには、特開昭61−279864号公
報に開示されているように、トナーは球状に形成し、か
つ、その表面に凹凸を形成する必要があると認められ
る。そこで、このようなトナーを得るための適切な方法
の開発が望まれていた。
(ニ)課題を解決するための手段 かくしてこの発明は、少なくともガラス転移点を有す
る熱可塑性樹脂が80〜90重量%含まれるトナー成分を5
〜10重量%含有する疎水性溶媒の溶液を調製し、 前記調整した溶液を水系媒体中に添加し、撹拌するこ
とにより、水系媒体中にトナー成分を油滴状に分散させ
た後、 前記熱可塑性樹脂のガラス転移点以下で加熱撹拌する
ことにより、疎水性溶媒を除去し、表面に凹凸を有する
球状トナー粒子を得ることを特徴とするトナーの製造方
法が提供される。
この発明の方法に用いるトナー成分とは、当該分野で
通常用いられる組成からなるトナー成分を意味し、具体
的には、バインダーとしての熱可塑性樹脂80〜90重量
%、染・顔料等の着色剤5〜15重量%、電荷制御剤1〜
5重量%等で構成されるものである。上記熱可塑性樹脂
としては、ポリスチレン類、スチレン−ブチルメタクリ
レート共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体等のスチレン系共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタク
リル酸エステル、ポリエステル、ポリビニルブチラー
ル、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポ
リウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、石油系樹
脂、パラフィンワックス等の樹脂が単独または混合して
用いられる。着色剤としては、カーボンブラック、シア
ン、マゼンダ、イエロ等が挙げられる。電荷制御剤とし
ては正極性トナーにはニグロシン系の電子供与性の染料
が、負極性トナーには電子受容性の有機錯体等が挙げら
れる。また上記トナー成分にはさらに通常の流動化剤、
磁性体等が用いられていてもよい。この流動化剤として
は例えばコロイダルシリカ等が挙げられ、一方磁性体と
しては、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、
コバルト、ニッケル等の強磁性を示す元素を含む金属、
合金もしくは化合物等が挙げられる。
上記トナー成分の調製においては、当該分野における
通常の配合に従って行われることが好ましく、ことに着
色剤はトナー成分の5〜10重量%で用いられることが好
ましい。またこの着色剤の粒径としては数10〜数100Å
のものが好ましい。
この発明において、上記のごとく調製されるトナー成
分は、水と実質的に相溶性を有しなくかつ比較的簡便に
揮散しうる疎水性溶媒中に溶解または分散された後、こ
れを、分散安定剤を有する水系中に所定の大きさの油滴
状となるように分散保持しうるいわゆる液中乾燥法、懸
濁重合法等の従来公知の方法により、球状トナー粒子に
製造される。上記疎水性溶媒としては、トルエン、クロ
ロホルム、ジエチルエーテル等の有機溶媒が適してお
り、これらを単独または任意に混合して用いることがで
きる。上記疎水性溶媒に用いる前記トナー成分は、該ト
ナー成分を含有して分散保持される油滴状疎水性溶媒中
でのトナー成分含量が、その油滴全体の5〜20重量%の
範囲となるように調製される。上記トナー成分含量が5
重量%未満のときは、油滴状疎水性溶媒中のトナー成分
に含有される着色剤が、油滴の脆性に及ぼす影響が大き
くなり、油滴状に分散保持するときに破壊されやすくな
って球状粒子よりも不定形粒子が生成される割合が高く
なるので好ましくなく、また上記トナー成分含量が20重
量%を超えると、着色剤の影響が無視されて油滴状疎水
性溶媒中から疎水性溶媒成分が揮散されたときにその表
面に凹凸が形成できなく、平滑粒子が生成される割合が
高くなる点で好ましくない。従って上記トナー成分含量
は、油滴全体の8〜12重量%に調製されることがより好
ましい。このトナー成分含量の調製は、予め疎水性溶媒
中に上記所定含量となるように所定量のトナー成分を均
一に溶解または分散させた後、これを、水系媒体中に均
一に分散させることにより達成される。この水系媒体中
への均一分散および該媒体中で形成される油滴状疎水性
溶媒の大きさの調節には、ホモジナイザを用いることが
好ましい。このホモジナイザによる撹拌速度は少なくと
も3000rpm.以上で、ことに5000rpm.以上に調節されるこ
とが好ましい。
この発明において、上記所定含量でトナー成分を有し
て分散保持された油滴状疎水性溶媒を保持する水系媒体
は、上記疎水性溶媒の沸点以下、好ましくはトナー成分
中の熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下にて加熱撹拌さ
れることにより、疎水性溶媒が揮散しその結果球状の固
体トナー粒子が得られることとなる。
(ホ)作用 この発明によれば、油相全体に対して所定濃度でトナ
ー成分を含有する油滴が水系中に分散保持されている間
に、該油滴から油相成分が揮散し、球状で、かつ、表面
にトナー成分による凹凸が形成された固体トナーが析出
されることとなる。
以下、実施例によりこの発明を詳細に説明するが、こ
れによりこの発明は限定されるものではない。
(へ)実施例 本発明の一実施例を第1図および第2図に基づいて説
明すれば以下の通りである。
本発明に係るトナーの製造方法に供される製造装置は
第1図に示すように、水槽1を有し、この水槽1には、
水槽1に収容される水2と油滴3と混合分散させて乳化
状にするホモジナイザー4と撹拌機5と、水槽1内の溶
液を加熱するヒーター6とが設けられている。
上記の構造において、トナーの製造方法を以下に説明
する。
先ず、バインダー樹脂としてのスチレン−ブチルメタ
クリレート共重合体と、カーボンブラックと、ニグロシ
ン染料とを、 スチレン−ブチルメタクリレート共重合体 87重量部 カーボンブラック 10重量部 ニグロシン染料 3重量部 の重量部にて、ジエチルエーテル:クロロホルム=3:2
の体積比を成すジエチルエーテル/クロロホルム混合溶
媒中に全体の10重量%となるように溶解、分散させた。
次に、この溶液をゼラチン0.5%を含み、9500rpm.の
高速で回転するホモジナイザー4によって、高速撹拌さ
れている水2中に滴下し、粒径約10μmの油滴3に分散
させた。
その後、水槽1内の溶液をヒーター6にて加熱するこ
とにより、50℃に昇温し、撹拌機5による800rpm.の撹
拌下で溶媒を揮散させた。これにより、得られたトナー
7を、顕微鏡(1000倍)にて観察したところ、第2図に
示すように、ほぼ球状を成し、かつ表面に凹凸を有する
ものであり、その平均粒径は9μmであった。
比較例1 トナー成分濃度を油相全体の3重量%とすること以外
は実施例と同様にしてトナーを得た。このトナー粒子を
顕微鏡で観察したところほとんどが不定形であった。
比較例2 トナー成分濃度を油相全体の22重量%とすること以外
は実施例と同様にしてトナーを得た。このトナーは、平
均粒径は10μmの球状であったが、顕微鏡で観察したと
ころその表面はほとんどの粒子において平滑なものであ
った。
(ト)発明の効果 この発明によれば、ほぼ球状を成し、かつ表面に凹凸
を有するトナーを簡単な構成にて容易に製造することが
でき、流動性を損なうことなく、かつ良好な摩擦帯電性
および感光体付着性を有するトナーを簡単に提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るトナーの製造方法に供される製
造装置の概略説明図、第2図はこの発明の方法により製
造されたトナーの形状を説明する拡大斜視図である。 1……水槽、2……水、3……油滴、 4……ホモジナイザー、5……撹拌機、 6……ヒーター、7……トナー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともガラス転移点を有する熱可塑性
    樹脂が80〜90重量%含まれるトナー成分を5〜10重量%
    含有する疎水性溶媒の溶液を調製し、 前記調整した溶液を水系媒体中に添加し、撹拌すること
    により、水系媒体中にトナー成分を油滴状に分散させた
    後、 前記熱可塑性樹脂のガラス転移点以下で加熱撹拌するこ
    とにより、疎水性溶媒を除去し、表面に凹凸を有する球
    状トナー粒子を得ることを特徴とするトナーの製造方
    法。
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