JP2744403B2 - 竪型ミル - Google Patents

竪型ミル

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JP2744403B2
JP2744403B2 JP208094A JP208094A JP2744403B2 JP 2744403 B2 JP2744403 B2 JP 2744403B2 JP 208094 A JP208094 A JP 208094A JP 208094 A JP208094 A JP 208094A JP 2744403 B2 JP2744403 B2 JP 2744403B2
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芳弘 光田
成介 沢村
進 内山
賢一 安戸
進 冨田
道義 江藤
知喜雄 宮田
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Nippon Steel Corp
Kawasaki Motors Ltd
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Sumitomo Metal Industries Ltd
Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、竪型ミルに関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な先行技術は、実開昭61−79
651に開示され、それに類似する構成は図8に示され
ている。図8(1)に示される竪型ミルにおいて、鉛直
回転軸線を有するテーブル1の環状粉砕部2には、ロー
ラ3が圧接され、テーブル1が回転駆動されるとき、ロ
ーラ3がその回転に伴って回転し、テーブル1の中央位
置付近に供給される被粉砕物を、粉砕部2とローラ3と
の間で圧潰する。このローラ3の近傍に散水管4を配置
し、ローラ3に噛み込まれようとする粉体だけに、ロー
ラ3が噛み込み直前に幅W1にわたって散水し、これに
よって少量の散水量で粉体の摩擦係数を高くし、噛み込
みを良好とし、高い粉砕効率の維持を図る。この散水領
域W1は、粉砕部2の幅にほぼ等しい。
【0003】竪型ミルの粉砕原理は、テーブル1の粉砕
部2とローラ3との間に粉砕層を形成してローラ3の加
圧力によって粉砕することである。図8(2)は、図8
(1)に示される竪型ミルの動作を説明するための図で
ある。ローラ3の軸線方向の中央位置5(すなわち図8
(1)における距離L1=L2の位置)に関してローラ
外側は摩擦粉砕域6であり、粉砕部2とローラ3との滑
りが大きく、また前記中央位置5よりも内側は圧縮粉砕
域7であって、滑りは小さい。テーブル1の粉砕部2の
周速度は参照符9で示され、またローラ5の周速度は参
照符8で示されており、これらの周速度8,9の差が相
対滑りである。
【0004】図8(1)で示される散水管4によって摩
擦粉砕域6だけでなく圧縮粉砕域7においても散水する
ことによって、被粉砕物は、特に圧縮粉砕域7で滞留す
る。この圧縮粉砕域7では、粉砕部2とローラ3との相
対滑りがほとんどなく、圧縮力が主であるので、滞留し
た被粉砕物は踏み固められることになり、したがって不
安定な粉砕層が形成されることになる。その理由として
は、前述のように圧縮粉砕域7では滑りが小さいので、
両粉砕域6,7を同様に散水したとき、粉砕層の形成能
力は、圧縮粉砕域7の方が高いからである。また摩擦粉
砕域6の粉砕層は、テーブル1の最外周部に設けられた
オーバハング板10によって安定に形成され、これに対
して圧縮粉砕域7の滞留した被粉砕物によって形成され
た粉砕層は不安定であり、堅固な粉砕層が形成されたり
崩れたりする現象が生じやすい。圧縮粉砕域7に、いわ
ば、こぶ状の粉砕層が形成されたときには、ローラ3の
周速度は参照符11で示されるとおりとなり、またその
粉砕層のこぶが崩れたときにはローラ3の周速度は参照
符12で示されるとおりとなり、同期点13が位置13
a,13bに変動する。このような運転が行われること
によって、竪型ミルの自励振動が激しくなり、またテー
ブル1を回転駆動するモータの電流値の振れが大きくな
り、また粉砕効率が悪化し、さらに粉砕能力が大幅に低
下する結果になる。
【0005】特に被粉砕物が高炉水砕スラグ(以下スラ
グとも言う)である場合、そのスラグ原料は最大粒径5
mmであって小さく、また粒径がそろっているので、ス
ラグ原料自身の流動性が高く、ローラ3への噛み込み性
は悪い。したがって噛み込みの良否は、スラグ原料中の
水分量にほとんど依存している。先行技術のように特に
圧縮粉砕域7に散水することは、自励振動を発生させ、
粉砕効率を低下させるなど、竪型ミルの運転性を著しく
悪化させることが、本件発明者によって判った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、円滑
な運転を行うことができ、粉砕効率および粉砕能力を向
上することができるようにした竪型ミルを提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉛直軸線を有
するテーブルの上面の環状粉砕部に、ローラが圧接さ
れ、テーブルの中央位置付近に供給される被粉砕物を粉
砕する竪型ミルにおいて、前記環状粉砕部の半径方向に
おいてローラ幅の中心近傍からテーブル外側にのみ散水
するノズルを設けることを特徴とする竪型ミルである。
【0008】また本発明は、被粉砕物は高炉水砕スラグ
であり、竪型ミルでの製品粉末度がブレーン値5000
〜8000cm2/gであることを特徴とする。
【0009】さらにまた本発明は、被粉砕物99〜90
重量%に対してノズルからの散水量1〜10重量%に選
ぶことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に従えば、竪型ミルの環状粉砕部の半径
方向においてローラ幅の中心近傍(すなわちローラの中
央位置付近)よりもテーブル外側のみ、すなわち摩擦粉
砕が主として行われる摩擦粉砕域の全域または一部分に
のみ、ノズルから散水し、テーブル内側である圧縮粉砕
が主として行われる圧縮粉砕域には散水せず、したがっ
てテーブルの中央位置付近に供給される被粉砕物、たと
えば高炉水砕スラグおよびセメント原料などは、そのテ
ーブルの中央位置付近から安定した連続性を持った態様
で円滑に、テーブル上を、ローラ内側の圧縮粉砕域を経
てローラの外側の摩擦粉砕域に流れ、このローラ外側の
摩擦粉砕域では、極めて安定した粉砕層が形成されるこ
とになる。この摩擦粉砕域で安定した粉砕層が形成され
ることによって、粉砕効率を向上し、また粉砕能力を向
上することが可能になる。粉砕層が摩擦粉砕域で安定に
形成されることによって、自励振動が低減され、したが
ってローラの加圧力を大幅に上昇することができ、この
ことによってもまた粉砕効率を大幅に改善することがで
きるようになる。またこのように安定した粉砕層を摩擦
粉砕域で形成することができるので、その粉砕層を薄く
することによって、粉砕層のいわばクッション現象によ
るエネルギロスを著しく低減して、上述のように粉砕効
率を向上することができる。
【0011】また本発明に従えば、被粉砕物は高炉水砕
スラグであり、製品粉末度がブレーン値5000〜80
00cm2 /gに選び、これによってローラ外側の摩擦
粉砕域における粉砕層の安定した形成を確実にし、竪型
ミルの振動を抑制することが可能になる。ブレーン値が
5000cm2 /g未満では、散水による振動抑制効果
は、散水を行わないときに比べて、抑制はされるけれど
も、それほどの効果はない。ブレーン値8000cm2
/gを越えると、散水時の水によって粉体が、いわばど
ろどろの状態になり、散水の効果がなく、このブレーン
値が竪型ミルでの微粉末製造の限界となる。
【0012】また本発明に従えば、高炉水砕スラグなど
の被粉砕物99〜90重量%に対して、ノズルからの散
水量1〜10重量%に選ぶことによって、竪型ミルの振
動抑制効果が著しく良好に達成される。散水量が1重量
%未満では、振動抑制が充分に行われず、また10重量
%を越えると散水量が多すぎて粉砕層が柔らかく、弱く
なってしまい、このときにもまた振動抑制効果が充分に
達成されない。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の一部の断面図で
ある。テーブル15の上面の環状粉砕部16には、ロー
ラ17が圧接されて、竪型ミル18が構成される。
【0014】図2は竪型ミル18の全体の構成を示す断
面図であり、図3はテーブル15およびローラ17など
を示す簡略化した水平断面図である。これらの図面を参
照して、テーブル15は鉛直回転軸線19を有し、ロー
ラ17は周方向に等間隔に複数個(この実施例では3)
設けられる。テーブル15はモータ20によって回転駆
動される。ローラ17はアーム21に回転自在に設けら
れ、このアーム21は水平なピン22のまわりに揺動可
能に設けられ、シリンダ23によってローラ17はテー
ブル15の粉砕部16に前述のように圧接される。テー
ブル15の中央位置24付近には、シュート25から被
粉砕物、たとえば高炉水砕スラグまたはセメント原料な
どが供給される。テーブル15付近に設けられた風箱2
6には熱風が供給され、ハウジング27の内周面とテー
ブル15の外周面との隙間28から熱風が吹上げられ、
粉砕された粉体は、矢符47のように上昇し、ハウジン
グ27の上部に設けられた分級機29によって分級され
る。この分級機29は、鉛直軸線まわりに回転される羽
根30を備え、この羽根30は、モータ31によって回
転駆動される。分級機29によって分級された粗粉は、
矢符32に示されるようにしてテーブル15の中央位置
24付近に再び戻り、分級された精粉はダクト33から
製品として取出される。
【0015】再び図1を参照して、ローラ17の軸線方
向の中央位置34は、そのローラ17の両端41,42
からの距離L3,L4が等しい位置であり(L3=L
4)、本発明によれば、粉砕部16の半径方向において
ローラ幅(=L3+L4)の中心付近、すなわち中央位
置34近傍よりテーブル15の外側にのみ散水するため
のノズル35が設けられる。このノズル35の基端部は
ヘッダ36に固定されており、ヘッダ36には水が圧送
される。ノズル35、したがってヘッダ36は、図3に
明らかに示されるようにテーブル15の回転方向37の
各ローラ17よりも上流側にそれぞれ配置される。ノズ
ル35はヘッダ36から細長く延び、したがって散水流
量が小さいときにおいても、ローラ17の中央位置34
よりもテーブル外側の散水域38aに均一に水を噴射す
ることができる。この散水域38aは、被粉砕物の摩擦
粉砕が主として行われる摩擦粉砕域38内である。ロー
ラ17の中央位置34よりもテーブ内側の領域39で
は、粉体の圧縮粉砕が主として行われる。
【0016】テーブル15の最外周部には、粉砕部16
に突出した環状のオーバハング板40が固定されてお
り、散水域38aにおいて安定した粉砕層を形成するの
に役立つ。
【0017】図4(1)は本件発明者の実験結果を示す
グラフである。この図4(1)の縦軸は、竪型ミル18
の振動値割合を示し、100%は、散水を行わないとき
の振動値、すなわち振動の振幅を表している。ブレーン
値が4000〜4500cm2 /gの製品を図2のダク
ト33から得る場合、特性ライン43が得られ、またブ
レーン値6000cm2 /gの精粉を得るとき特性ライ
ン44が得られる。振動値は、速度または加速度であっ
てもよく、同様な実験結果が得られた。
【0018】摩擦粉砕域38内で図4(2)のように散
水域38aを設定したとき、ブレーン値の大小に応じ
て、振動値割合は図4(1)の値a1〜a2の範囲であ
り、振動値が非散水時に比べて低下したことが確認され
た。これに対してローラ17の中央位置34よりもテー
ブル15の半径方向内方にまで散水域38bを広げたと
きには、ブレーン値の大小に応じて振動値割合が非散水
時に比べて大きくなり、したがって散水を行うことによ
って振動がかえって激しくなってしまうことがわかっ
た。
【0019】このように散水域38bをローラ17の中
央位置34よりも内側にまで広げると、散水によって振
動値が非散水時に比べて高くなり、悪影響が生じる理由
について本件発明者は次のように考察した。竪型ミル1
8の粉砕原理は、回転駆動されるテーブル15とそれに
追従回転するローラ17との間に被粉砕物を挟み、圧力
を加えて粉砕することにある。したがって安定運転のた
めには、粉砕層を安定させ、テーブル15の粉砕部16
とローラ17との回転比が同一である同期点45(前述
の図1参照)の位置が安定していることが重要となる。
すなわち同期点45の移動量が大きいと、竪型ミル18
の自励振動を発生し、その自励振動が激しくなり、不安
定な運転となる。粉砕層を安定化するには、オーバハン
グ板40を設け、テーブル15の回転による遠心力で被
粉砕物の流れを阻止することによって達成される。すな
わちローラ17の中央位置34よりも半径方向外側で摩
擦粉砕が行われて主たる粉砕が達成される。したがって
この摩擦粉砕域38内に散水することによって、この粉
砕層を一層強化、安定化することが可能になり、したが
って同期点45がテーブル15の半径方向に変動し難く
なり、竪型ミル18の安定運転化の向上および振動値の
著しい低下が達成されることになる。
【0020】もしも仮に、この散水域が図4(2)の参
照符38bで示されるようにローラ17の中央位置34
よりも内側、すなわちテーブル15の半径方向内方に延
びると、そのローラ17の内側での被粉砕物の半径方向
外方への流れが悪化し、ローラ17の内側、すなわち圧
縮粉砕域39にも固い粉砕層が形成される。このローラ
17の内側の圧縮粉砕域39に生じた粉砕層は、摩擦粉
砕域38の粉砕層とは異なり、オーバハング板40など
の基本的な粉砕層形成機構が存在しないので、粉砕層は
不安定となり、したがってこの圧縮粉砕域39では粉砕
層は形成されたり崩れたり、あるいは大きくなったり小
さくなったりし、極めて不安定なものとなる。すなわち
同期点45がローラ17の外側(テーブル15の半径方
向外方)に移動したり、内側(テーブル15の半径方向
内方)に移動したりして不安定な状態を作り、大きな自
励振動を起こし、このような散水域38bでの散水をす
ることによって、かえって運転を悪化することになつて
しまう。もしも仮に、散水域を、摩擦粉砕域38には形
成せず、圧縮粉砕域39だけに形成するとすれば、振動
値は異常な大きさとなり、最悪の散水構成となる。本発
明はこのような問題を解決する。
【0021】前述の図4から、ローラ17の中央位置3
4よりも外側の散水域38aに散水することによる効果
は、ブレーン値が大きいほど、著しいことが判った。こ
のことを本件発明者は次のように考察した。竪型ミル1
8の安定運転化のためには粉砕層の安定、したがって同
期点45が安定になることが重要であることは前述のと
おりである。特に高炉水砕スラグ原料そのものは、前述
のように最大粒径5mmであって小さく、ローラ17へ
の噛み込み性が悪く、粒子間の相互付着性が弱いので、
粉砕層の形成が困難であり、したがって粒子間の結合力
としての付着水が重要な役目を果たしている。そこでそ
の水の付着力の効果の大きさを考えると、ダクト33か
らブレーン比4000〜4500cm2 /gである通常
品を製造している状態における竪型ミルの場合、その竪
型ミル内の被粉砕物の粗さ、すなわち図2の隙間28か
らの熱風によって吹上げられるハウジング27内の矢符
47で示される位置における粉体の粗さは約2000c
2 /gであり、未粉砕のスラグ原料の割合が多い。一
方、6000cm2 /g程度のハイブレーン値の製品を
製造するときは、矢符47で示される位置での粉体の粗
さは約3000cm2 /gであって細かくなり、しかも
未粉砕のスラグ原料の割合が著しく低下する。ハイブレ
ーン値の製品を製造するには、分級機29の羽根30の
回転速度を向上し、またダクト33に設けられる誘引フ
ァンからの風量を減少して分級機29における粉体の通
過速度を下げ、またシリンダ23によるローラ17のテ
ーブル15への加圧力を大きく設定する。粉体が細かく
なればなる程、スラグ原料中のガラスの針状形状が低下
するなどのため、スラグ原料そのものの粒子間の結合力
が低下する。したがってブレーン値が大きくなると、散
水の効果が大きくなることになる。
【0022】図5は、本件発明者の実験結果を示し、ダ
クト33から得られる精粉のブレーン値と竪型ミル18
の振動値割合との関係を示すグラフである。ノズル35
による散水を行わないときの振動値割合を100%とす
る。ローラ17の中央位置34よりも外側の摩擦粉砕域
38以内のみの散水を行った。製品として得られる精粉
のブレーン値が5000〜8000cm2 /gである範
囲では、竪型ミル18の振動値割合が著しく低下するこ
とが判る。ブレーン値が5000cm2 /g未満では、
振動値割合の低減効果が発揮されるけれども、充分では
なく、また8000cm2 /gを越えると散水を行って
も振動値割合を低減する効果が達成されなくなることが
判る。
【0023】図6は、本件発明者の他の実験結果を示す
散水量と振動値割合との関係を示すグラフである。散水
は、前述の図5の実験と同様に行い、振動値割合100
%は非散水時の状態を示す。散水量は被粉砕物99〜9
0重量%に対して1〜10重量%が振動値割合を低減す
る効果があり、特に散水量を1〜5重量%、最も好まし
くは約3重量%が好ましいことが判る。散水量が多すぎ
ると、粉砕層がやわらかく、弱くなり、かえって振動値
割合の低減効果が低下する。
【0024】上述の実施例ではローラ17はその中央位
置34が外方に凸であり、ローラ17の最外端41およ
び最内端42になるにつれて外径が小さくなるいわゆる
スヘリカルタイプの形状を有しており、このような形状
を有するローラ17を用いると、その中央位置34より
もローラ17外側の摩擦粉砕域38における散水による
振動値割合の低減効果が顕著に現れる。その理由を本件
発明者は次のように考察した。スヘリカルタイプのロー
ラ17では、ローラ外側の摩擦粉砕域38における相対
滑りが大きいので、そのローラ外側での粉砕層を踏み固
め力が弱く、粉砕層形成能力が本来低い。そこでこのス
ヘリカルタイプのローラ17の外側に散水域38aを形
成することによって、粉砕層形成能力が著しく向上し、
竪型ミル18の安定運転が大幅に向上される。
【0025】また上述の実施例ではテーブル15の外周
部にオーバハング板40を設け、このオーバハング板4
0の半径方向内方端48は環状粉砕部16に突出してい
る。これによってローラ17の外側における摩擦粉砕域
38での被粉砕物の保持が確実に行われ、ここに散水す
ることによって摩擦粉砕が効率よく実行されることにな
る。
【0026】上述の実施例では、スヘリカルタイプのロ
ーラ17は図1において中央位置34を通る回転軸線に
垂直な平面に関して対称に構成され、その中央位置34
上に同期点45が存在するように構成されたけれども、
本発明の他の実施例として、同期点となる最大外径部分
の位置は、中央位置34から軸線方向にずれていてもよ
く、このときL3≠L4である。
【0027】図7は、本発明のさらに他の実施例の一部
の断面図である。この実施例では、テーブル49の環状
粉砕部50は、鉛直回転軸線51に垂直であり、ローラ
52の外径は円錐台に形成される。ノズル35は、ロー
ラ52の幅の中心近傍、すなわち中央位置53付近より
テーブル49外側の散水域38aにおいて散水される。
その他の構成は前述の実施例と同様である。
【0028】また前述の図1〜図6および図8の実施例
ではオーバハング板40が用いられたけれども、本発明
の他の実施例として図7に示されるようにテーブル49
の最外周部で上方に隆起した環状のダム形成部材54が
固定され、こうして粉砕層55を確実に形成するように
してもよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、テーブル
の環状粉砕部の半径方向においてローラ幅の中心近傍よ
りテーブル外側にのみ散水ノズルを設けて水を噴射する
ようにしたので、ローラ内側の圧縮粉砕域ではテーブル
の中央位置付近からの被粉砕物の流れを円滑に保ち、ロ
ーラ外側での摩擦粉砕域での粉砕層が著しく安定となっ
て良好な運転状態が保たれ、摩擦粉砕域での粉砕が常に
安定して達成され、したがって竪型ミルの運転中の自励
振動が大幅に低減し、極めて静かな円滑な運転が可能と
なる。
【0030】また上述のようにローラ幅の中心近傍より
外側にのみ散水することによって、摩擦粉砕域の粉砕層
が著しく安定し、したがって粉砕効率が大きく改善され
る。
【0031】さらに本発明に従えば、自励振動を大幅に
低減することができるので、ローラ加圧力を、非散水時
に比べてたとえば100〜200%もの大幅な上昇が可
能となり、このことからも粉砕効率を大幅に改善するこ
とが可能となる。
【0032】また本発明によれば、粉砕層の形成が安定
しているので、薄い粉砕層で被粉砕物の粉砕が可能とな
り、そのため粉砕層のいわゆるクッション現象によるエ
ネルギロスが著しく低減し、したがって粉砕効率を大幅
に改善することが可能になる。
【0033】さらに本発明によれば、被粉砕物は高炉水
砕スラグであり、製品粉末度のブレーン値を5000〜
8000cm2 /gに選ぶことによって、振動抑制効果
を充分に達成することができ、またノズルからの散水量
は、被粉砕物99〜90重量%に対して1〜10重量%
に選び、このことによってもまた自励振動を抑制するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の竪型ミル18の一部の断面
図である。
【図2】竪型ミル18の全体の構成を示す断面図であ
る。
【図3】図1および図2に示される竪型ミル18のテー
ブル15およびローラ17、さらにはノズル35および
ヘッダ36を示す簡略化した水平断面図である。
【図4】本件発明者の実験結果を示す図である。
【図5】本件発明者の実験結果を示すブレーン値と振動
値割合との関係を示すグラフである。
【図6】本件発明者の実験結果を示す散水量と振動値割
合との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施例の一部の断面図である。
【図8】先行技術を説明するための図である。
【符号の説明】
15,49 テーブル 16 環状粉砕部 17,52 ローラ 18 竪型ミル 19,51 鉛直回路軸線 24 テーブル15の中央位置 34 ローラ17の中央位置 35 ノズル 36 ヘッダ 38 摩擦粉砕域 38a,38b 散水域 39 圧縮粉砕域 40 オーバハング板 45 同期点 54 ダム形成部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢村 成介 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 内山 進 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 安戸 賢一 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社 鹿島製鉄所内 (72)発明者 冨田 進 茨城県鹿島郡鹿島町大字光字光3番地 住金鹿島鉱化株式会社内 (72)発明者 江藤 道義 茨城県鹿島郡鹿島町大字光字光3番地 住金鹿島鉱化株式会社内 (72)発明者 宮田 知喜雄 茨城県鹿島郡鹿島町大字光字光3番地 住金鹿島鉱化株式会社内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直軸線を有するテーブルの上面の環状
    粉砕部に、ローラが圧接され、テーブルの中央位置付近
    に供給される被粉砕物を粉砕する竪型ミルにおいて、 前記環状粉砕部の半径方向においてローラ幅の中心近傍
    からテーブル外側にのみ散水するノズルを設けることを
    特徴とする竪型ミル。
  2. 【請求項2】 被粉砕物は高炉水砕スラグであり、竪型
    ミルでの製品粉末度がブレーン値5000〜8000c
    2 /gであることを特徴とする請求項1記載の竪型ミ
    ル。
  3. 【請求項3】 被粉砕物99〜90重量%に対してノズ
    ルからの散水量1〜10重量%に選ぶことを特徴とする
    請求項1記載の竪型ミル。
JP208094A 1994-01-13 1994-01-13 竪型ミル Expired - Lifetime JP2744403B2 (ja)

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JP208094A JP2744403B2 (ja) 1994-01-13 1994-01-13 竪型ミル

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