JP4833232B2 - 竪型ミル - Google Patents

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Description

本発明は、回転テーブルと粉砕ローラの間に被砕物を挟み込んで圧縮粉砕する竪型ミルに関する。
コンクリートの細骨材となる砕砂の製造等に用いられる竪型ミルは、図5に一例を示すように、ミルケーシング51内にテーブル52を水平面内で回転自在に設け、このテーブル52の上面外周側に形成された環状の粉砕部53に近接する位置に、複数の粉砕ローラ54を回転自在に支持し、粉砕ローラ54とテーブル52の粉砕部53とで被砕物を挟圧粉砕するものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−292299号公報
上記のような竪型ミルでは、テーブルを回転させることにより、テーブルの上面中央部に供給された被砕物を遠心力でテーブルの外周側へ移動させ、粉砕ローラとテーブルの粉砕部との間に送り込んで粉砕するとともに、粉砕された被砕物をテーブル外周縁から製品として排出する。従って、テーブルの回転速度が大きいほど、被砕物がテーブル外周側へ移動する速度も大きくなり、粉砕ローラどうしの間を通って粉砕されずに排出されてしまう被砕物の割合が多くなるので、粉砕効率が低下し、製品の粒度分布が粗くなりやすい。このため、通常は、所要の粒度分布の製品が得られるようにテーブルの回転速度を抑えて運転しており、このことが竪型ミルの生産性向上を妨げる要因の一つとなっている。
本発明の課題は、生産性が高くかつ粉砕効率も高い竪型ミルを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、水平面内で回転するテーブルと、このテーブルの上面外周側に近接する位置で回転自在に支持された複数のスフェリカル型粉砕ローラとを備え、前記テーブルの上面中央部に供給された被砕物を遠心力によりテーブル外周側へ移動させて、前記粉砕ローラとテーブル上面外周側に形成された環状の凹型粉砕部とで挟圧粉砕する竪型ミルにおいて、前記テーブルの上面中央部に上面が平坦な形状のエンドプレートを設け、このエンドプレートの周囲に環状の凹部を設け、この凹部の底部から外周縁に向かって上向きの傾斜面を形成し、この傾斜面よりも高い位置に前記粉砕部の上面を形成し、前記エンドプレートの上面を、前記粉砕部の上面よりも低く、かつ前記傾斜面の上端よりも低い位置に形成した。
すなわち、被砕物が供給される回転テーブルの上面中央部に凹部を設け、この凹部の底部から外周縁に向かって上向きの傾斜面を形成して、遠心力を受けた被砕物が傾斜面を登ってテーブル外周側へ移動していくようにすることにより、テーブル回転速度に対する被砕物のテーブル外周側への移動速度の比率を小さくして、従来よりもテーブルの回転速度を大きくしながら、粉砕されずにテーブルから排出される被砕物の割合を減らせるようにしたのである。
本発明の竪型ミルは、上述したように、被砕物が供給される回転テーブルの上面中央部に凹部を設け、この凹部の底部から外周縁に向かって上向きの傾斜面を形成したものであるから、テーブル回転速度に対する被砕物のテーブル外周側への移動速度の比率が小さく、従来よりもテーブルの回転速度を大きくして生産性の向上を図るとともに、テーブル上で粉砕される被砕物の割合を増やして粉砕効率を高めることができる。また、粉砕される被砕物の割合がより多くなるので、製品全体としての粒形改善も図れる。
以下、図1乃至図4に基づき、本発明の実施形態を説明する。この竪型ミルは、砕砂製造用で、図1に示すように、ミルケーシング1内にテーブル2を水平面内で回転自在に設け、このテーブル2の上面外周側に形成された環状の粉砕部3に近接する位置に、複数の粉砕ローラ4を回転自在に支持し、テーブル2の上面中央部に供給された被砕物を遠心力によりテーブル2外周側へ移動させて、粉砕ローラ4とテーブル2の粉砕部3とで挟圧粉砕し、粉砕された被砕物をテーブル2外周縁から製品として排出するものである。
前記ケーシング1の上端には蓋5が取り付けられており、この蓋5の中央に筒状で下方に向かって漸次小径となる被砕物投入シュート6が設けられ、シュート6に投入された被砕物が確実にテーブル2上面中央に向かって落下するようになっている。
前記テーブル2の上面中央には円錐状のエンドプレート7が設けられ、前記シュート6から落下してきた被砕物がこのエンドプレート7に当たって放射状に拡がりながらテーブル2上に供給されるようになっている。また、テーブル2のエンドプレート7の周囲には環状の凹部8が設けられ、この凹部8の底部から外周縁に向かって上向きの傾斜面9が形成されている。なお、エンドプレート7は、図2に示すように、上面が平坦な形状のものを用いることもできる。
前記粉砕ローラ4は、ケーシング1の上部に支持され、テーブル2上方の外側から下向きにテーブル2中心軸へ向かう軸線のまわりに回転自在となっている。そして、テーブル2の粉砕部3との間に被砕物が挟まれると、テーブル2の回転に伴って回転し、テーブル2の粉砕部3とともに被砕物を粉砕するようになっている。
この竪型ミルは、上記の構成であり、被砕物が供給される回転テーブル2の上面中央部に凹部8を設け、この凹部8の底部から外周縁に向かって上向きの傾斜面9を形成したので、遠心力を受けた被砕物が傾斜面9を登ってテーブル2外周側へ移動していくことになり、テーブル中央部に凹部のない従来のものに比べて、テーブル2の回転速度に対する被砕物のテーブル2外周側への移動速度の比率が小さい。従って、図3に示すように、従来では多くの被砕物が粉砕されずに排出されてしまう(図中の一点鎖線)程度までテーブル2の回転速度を大きくしても、被砕物の多くを粉砕ローラ4とテーブル2の粉砕部3との間に送り込んで粉砕することができる。すなわち、この竪型ミルでは、従来よりもテーブル2回転速度を大きくして生産性の向上を図るとともに、テーブル2上で粉砕される被砕物の割合を増やして粉砕効率を高めることができる。
次に、この竪型ミルでの粉砕効率および製品粒形を確認する実験を行った。実験は、上記構成の竪型ミル(実施例)と図5に示した従来の竪型ミル(比較例)により、同一の原石を破砕した砕石を通常よりも大きいテーブル回転速度で粉砕処理し、製品として得られた砕砂の粒度分布をJIS A1102に基づいて測定し、粒形判定実積率をJIS A5005に基づいて測定した。粒度分布測定結果を図4に、粒形判定実積率の測定結果を表1に示す。
Figure 0004833232
図4および表1から明らかなように、この竪型ミルでは従来のものよりも粒度の細かい砕砂の割合が多く、生産性および粉砕効率が高いこと、製品の粒形が改善されることが確認された。
なお、本発明は、実施形態のような砕砂製造用の竪型ミルに限らず、塊状物を細かく粉砕する竪型ミルに広く適用することができる。
実施形態の竪型ミルの要部の正面断面図 図1のエンドプレートの変形例を示す要部の正面断面図 図1の竪型ミルのテーブル上での被砕物の挙動を説明する概念図 図1の竪型ミルの粉砕効率を従来と比較する実験の結果を示すグラフ 従来の竪型ミルの要部の正面断面図
符号の説明
1 ケーシング
2 テーブル
3 粉砕部
4 粉砕ローラ
5 蓋
6 シュート
7 エンドプレート
8 凹部
9 傾斜面

Claims (1)

  1. 水平面内で回転するテーブルと、このテーブルの上面外周側に近接する位置で回転自在に支持された複数のスフェリカル型粉砕ローラとを備え、前記テーブルの上面中央部に供給された被砕物を遠心力によりテーブル外周側へ移動させて、前記粉砕ローラとテーブル上面外周側に形成された環状の凹型粉砕部とで挟圧粉砕する竪型ミルにおいて、前記テーブルの上面中央部に上面が平坦な形状のエンドプレートを設け、このエンドプレートの周囲に環状の凹部を設け、この凹部の底部から外周縁に向かって上向きの傾斜面を形成し、この傾斜面よりも高い位置に前記粉砕部の上面を形成し、前記エンドプレートの上面を、前記粉砕部の上面よりも低く、かつ前記傾斜面の上端よりも低い位置に形成したことを特徴とする竪型ミル。
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