JP5810542B2 - バイオマスミル - Google Patents

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Description

本発明は、木質系バイオマスをボイラ燃料として粉砕するバイオマスミル、特に木質チップ、木質ペレットを燃料とするバイオマスミルに関するものである。
現在、ボイラの固形燃料として使用されているのは、主に石炭であるが、CO2 の削減対策として、環境負荷の少ない木質系バイオマスを燃料とすることが検討されている。
木質系バイオマスをボイラの燃料とするには、木質チップ、木質ペレット等の木質系バイオマスをバーナ燃焼可能な様に粉砕する必要がある。
石炭に木質系バイオマスミルを混合して燃料とする場合、木質系バイオマスの混合量が少なければ既存の石炭ミルにより混合粉砕することも可能であるが、木質系バイオマスの使用量が多くなると、石炭との混合粉砕を行うことができず、木質系バイオマス単独で粉砕する必要がある。
又、木質系バイオマスを粉砕する装置として石炭粉砕用の石炭ローラミルを基本とした粉砕装置とすることが、大きな改良、大きな設備変更をすることなく低コストで可能となる。
石炭ローラミルを用いて石炭の粉砕を行う際には、石炭供給装置から塊状の石炭が粉砕テーブルの中央に投下され、テーブル駆動装置によって前記粉砕テーブルが回転され、該粉砕テーブルの回転によって外周方向に移動した石炭が、回転自在に設けられた加圧ローラに噛込まれることで粉砕される。
粉砕された石炭粒は、前記粉砕テーブルの回転により更に外周方向へと移動され、吹出し口より高速で噴出される1次空気によって上方へと吹上げられ、送給管よりバーナに送給される。
従来の石炭ローラミルの場合、1次空気の吹出し口は、粉砕テーブルの周囲に設けられ、粉砕テーブルの周囲から1次空気が吹出す様になっており、1次空気に吹上げられた石炭粒は分級室を旋回しながら上昇する。
然し乍ら、木質系バイオマスを単独で粉砕する場合、或は石炭に対し木質系バイオマスの混合比率が大きくなると、木質系バイオマスは軽量であると共に繊維質で互いに絡み合う為、前記粉砕テーブルの回転遠心力による移動が石炭に比べて円滑に行われない。
又、粉砕された木質系バイオマスを積極的に排出する為、ダムリングの高さを低くする等の工夫が行われているが、この場合、未粉砕の木質系バイオマスが加圧ローラ間を通抜け、1次空気に吹上げられることで、木質系バイオマスが加圧ローラに噛込まれ難くなる虞れがある。
更に、1次空気に吹上げられる木質系バイオマスは、分級室内を旋回しながら上昇する為、流路が長くなることで木質系バイオマスがミル外に排出され難くなり、ミル内に滞留してミル内の差圧上昇の原因となり、送風動力が増大すると共に前記テーブル駆動装置の動力が増大する。該テーブル駆動装置の動力増大により、木質系バイオマスの粉砕容量は石炭の粉砕容量の10%程度迄制限されることになる。
上記した様に、竪型ミル、又は同等の構造を有するミルに木質系バイオマスを供給して粉砕した場合、ミルの木質系バイオマスが石炭とは異なった挙動を呈し、充分な粉砕効率、粉砕容量が得られないという問題があった。
尚、石炭や木質系バイオマス等を粉砕する竪型ミルとしては、特許文献1、特許文献2に示されるものがあり、特許文献1には、粉砕テーブルの外周下方より噴出される空気流の流量とダムリングの高さを調整することで、木質燃料を製造可能とした木質燃料製造方法が開示されている。
又、特許文献2には、ダムリングの高さを低くすることで固形物の排出性を向上させ、ミル動力の抑制を図る竪型ローラミルおよびその運転方法が開示されている。
特開2005−113125号公報 特開平11−207200号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、木質系バイオマスを加圧ローラに効率よく噛込ませ、更に粉砕された粉体を積極的に排出することで、粉砕効率の向上及び粉砕容量の増大を図るバイオマスミルを提供するものである。
本発明は、分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの上部に収納された分級機と、前記ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって回転駆動される粉砕テーブルと、ローラ加圧装置により前記粉砕テーブルに押圧される加圧ローラを有する加圧ローラユニットと、前記粉砕テーブルの下方に形成され、1次空気が導入される1次空気室と、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を吹出す吹出し口と、該吹出し口と前記粉砕テーブルとの間に形成され内縁の高さが前記粉砕テーブルの外縁よりも高いダムリングと、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記吹出し口と前記ダムリングは前記ハウジング側に形成され、前記ダムリングに前記加圧ローラの回転方向下流側に高さを低くした欠切部が形成されたバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記加圧ローラユニットは前記粉砕テーブル上の木質系バイオマスの層厚を検知する層厚検知器を有し、該層厚検知器の検知結果に基づき前記ローラ加圧装置が制御され、該ローラ加圧装置により前記加圧ローラの加圧力が調整されるバイオマスミルに係り、又前記吹出し口は、1次空気の旋回流を減じる様に、垂直に形成されたバイオマスミルに係り、更に又前記シュートの周囲を覆う円筒部を有する整流筒を更に具備し、該整流筒により前記分級室の流路断面積を縮小させたバイオマスミルに係るものである。
本発明によれば、分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの上部に収納された分級機と、前記ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって回転駆動される粉砕テーブルと、ローラ加圧装置により前記粉砕テーブルに押圧される加圧ローラを有する加圧ローラユニットと、前記粉砕テーブルの下方に形成され、1次空気が導入される1次空気室と、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を吹出す吹出し口と、該吹出し口と前記粉砕テーブルとの間に形成され内縁の高さが前記粉砕テーブルの外縁よりも高いダムリングと、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記吹出し口と前記ダムリングは前記ハウジング側に形成され、前記ダムリングに前記加圧ローラの回転方向下流側に高さを低くした欠切部が形成されたので、前記加圧ローラ間を通抜けた未粉砕の木質系バイオマスを前記ダムリングでせき止め、木質系バイオマスを効率よく前記加圧ローラに噛込ませることができ、粉砕効率が向上すると共に、ダムリングの高さを変更する際に前記粉砕テーブルを交換する必要がなく、作業が容易でありコストを削減することができるという優れた効果を発揮する。
本発明の第1の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。 図1のA−A矢視図である。 (A)は図2のB−B矢視図を示し、(B)は図2のC−C矢視図を示している。 本発明の第1の実施例に係る粉砕テーブルとノズルリングを示す斜視図である。 本発明の第2の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
先ず、図1〜図4に於いて、本発明の第1の実施例の竪型ミル1について説明する。
中空構造又は脚構造の基台2に筒状のハウジング3が立設され、該ハウジング3によって密閉された空間が形成される。該空間の下部には減速機4を介して粉砕テーブル5が設けられ、前記減速機4はテーブル駆動モータ6によって駆動され、粉砕テーブル5は前記減速機4によって定速又は可変速で回転される。
前記粉砕テーブル5の上面には、断面が円弧状の凹溝7を有するテーブルセグメント8が設けられている。
前記粉砕テーブル5の回転中心から放射状に所要組数、例えば3組の加圧ローラユニット9が120°間隔で設けられている。該加圧ローラユニット9は、加圧ローラ11を有し、ピボット軸12を中心に傾動自在となっている。又、前記ハウジング3の下部には、該ハウジング3を放射状に貫通する3組のローラ加圧装置13が設けられている。該ローラ加圧装置13は、アクチュエータ、例えば油圧シリンダ14を具備し、該油圧シリンダ14によって前記加圧ローラ11を前記凹溝7に押圧する様になっている。
前記加圧ローラユニット9は図示しない層厚検知器を有しており、該層厚検知器によって前記粉砕テーブル5上の粉体の層の厚みが検知され、前記層厚検知器の検知結果に基づき前記ローラ加圧装置13が制御され、該ローラ加圧装置13により前記加圧ローラ11の加圧力が調整される様になっている。尚、層厚検知器としては、前記ピボット軸12に設けられたエンコーダ等が用いられ、該エンコーダによって前記加圧ローラユニット9の傾斜角が検出され、検出された傾斜角に基づき前記加圧ローラ11の位置、即ち粉砕されている粉体の厚みが検出される。
前記粉砕テーブル5の下方には1次空気室15が形成され、前記ハウジング3内部の前記粉砕テーブル5より上方は、分級室16となっている。
前記ハウジング3の下部には1次空気供給口17が取付けられ、該1次空気供給口17は図示しない送風機に接続されると共に、前記1次空気室15に連通している。前記ハウジング3の内壁には、前記粉砕テーブル5の周面と対向する様環状のノズルリング18が設けられ、該ノズルリング18には、1次空気が前記ハウジング3の内壁に沿って吹き上がり、旋回流が生じない様に、垂直に形成された1次空気の吹出し口19が全周に設けられている。尚、吹出し口の垂直の概念は、僅かに傾斜している場合も含み、例えば該吹出し口19が、前記粉砕テーブル5の中心方向に0°〜5°、該粉砕テーブル5の回転方向に0°〜5°の範囲で傾斜する場合も含む。
前記ノズルリング18の内周部はダムリング21となっており、該ダムリング21と前記粉砕テーブル5との間には該粉砕テーブル5が回転可能な様に僅かな隙間が形成されている。又、前記ダムリング21の内縁の高さは、前記粉砕テーブル5の外縁の高さよりもH高くなっており、前記ダムリング21の所定箇所、例えば前記粉砕テーブル5の回転方向に於ける前記加圧ローラ11の下流側3箇所に欠切部22が形成され、該欠切部22の内縁の高さは前記粉砕テーブル5の高さと同一(略同一の場合を含む)となっている。
前記欠切部22は、例えば前記粉砕テーブル5と前記加圧ローラ11との接触箇所から該加圧ローラ11,11の中間迄の範囲で形成され、該加圧ローラ11,11間を通抜けた木質ペレットが、未粉砕の状態で前記欠切部22を通過することがない様、前記粉砕テーブル5の回転速度に応じて適宜設定される。尚、本実施例では、前記ノズルリング18の内周部を前記ダムリング21としているが、前記ノズルリング18と前記ダムリング21を別体とし、前記吹出し口19の側面を閉塞する様前記ノズルリング18に前記ダムリング21を別途取付けてもよい。
前記ハウジング3の上側には燃料給排部23が設けられており、該燃料給排部23の中心部を貫通する様にパイプ状のシュート24が設けられ、該シュート24は前記ハウジング3の内部に延出し、下端が前記粉砕テーブル5の中央上方に位置している。前記シュート24には石炭や木質系バイオマス、例えば木質ペレットが供給され、供給された石炭や木質ペレットは前記粉砕テーブル5の中心部に落下する様になっている。
前記シュート24には回転管25が外嵌され、該回転管25は回転管支持部26に軸受け27を介して回転自在に支持されている。前記回転管25には、プーリ28が設けられ、該プーリ28とプーリ29との間にはベルト31が掛回され、前記プーリ29は減速機32の出力軸に嵌着されている。而して、前記回転管25は前記減速機32、前記プーリ29、前記ベルト31、前記プーリ28を介して分級機モータ33によって回転される様になっている。
又、前記回転管25にはブレード34が取付けられ、前記回転管25、前記プーリ28、前記プーリ29、前記ベルト31、前記減速機32、前記分級機モータ33、前記ブレード34によって分級機35が構成されている。
前記ブレード34は短冊状であり、倒立円錐曲面上に円周方向に所定角度ピッチで配設される。又、前記ブレード34は下端から上端に向って前記回転管25から離反する様に傾斜しており、ブレード支持部36を介して前記回転管25に取付けられている。
前記燃料給排部23には、粉砕された微粉炭や木質ペレットの細粉体を送給する微粉炭送給管37が接続されており、該微粉炭送給管37はボイラのバーナ(図示せず)に接続されている。
次に、前記竪型ミル1に於ける木質ペレットの粉砕について説明する。尚、木質ペレットは、おがくず等の1〜2mmの木粉がφ6〜10×L20〜30mm程度に押し固められた物体である。
図中、実線は1次空気の流れを示しており、点線は木質ペレット或は粉砕物の流れを示している。
前記粉砕テーブル5が、前記減速機4を介して前記テーブル駆動モータ6により回転され、前記1次空気供給口17より200℃前後の1次空気が前記1次空気室15に導入された状態で、前記シュート24より木質ペレットが投入される。木質ペレットは、前記シュート24の下端より前記粉砕テーブル5の中心部に流落し、該粉砕テーブル5上に供給される。
該粉砕テーブル5上の木質ペレットは、該粉砕テーブル5の回転による遠心力で外周方向に移動し、前記加圧ローラ11に噛込まれて粒径の小さい細粉体と粒径の大きい粗粉体とに粉砕され、更に遠心力によって外周に移動する。
前記1次空気供給口17より前記1次空気室15に導入された1次空気は、前記ノズルリング18に垂直に形成された吹出し口19より垂直に吹上げられる。遠心力によってテーブルセグメント8を乗越えた粉体は、前記ダムリング21に形成された前記欠切部22を通過し、前記吹出し口18から吹上がった1次空気に乗って前記ハウジング3の内壁面に沿って垂直に上昇する。
又、前記シュート24より流落した木質ペレットのうち、前記加圧ローラ11によって粉砕されず、未粉砕の状態で該加圧ローラ11,11間を通り抜けた木質ペレットは、前記ダムリング21によってせき止められ、該ダムリング21に沿って前記粉砕テーブル5の回転と共に移動し、前記加圧ローラ11に噛込まれた後、前記欠切部22を通過して外周側に移動し、前記吹出し口19から吹上がる1次空気によって吹上げられる。
尚、前記粉砕テーブル5上の粉体の厚みは、図示しない層厚検知器によって検知され、該検知結果により前記加圧ローラ11の加圧力が調整されるので、粉体が前記ダムリング21にせき止められることで層の厚みを増した場合であっても、前記加圧ローラ11の加圧力が層の下部迄伝達される。
1次空気と共に前記ハウジング3の内壁面を上昇する粉体は、前記分級機35に流入し、該分級機35によって所定粒径以下となる様に分級が行われる。この時、1次空気は前記ハウジング3の内壁に沿って垂直に上昇しているので、前記分級室16内を大きく旋回しながら上昇していた従来の竪型ミルと比較すると、前記1次空気供給口17から前記分級機35迄の流路が短くなり、又流路が短くなるのに伴い、吹上げられた粉体の前記分級機35への到達時間も短くなっている。
最終的に分級された粒径の小さい細粉体が前記微粉炭送給管37より送出され、図示しないボイラのバーナに供給される。粒径の大きい粗粉体は前記ブレード34により弾かれ、或は自重により落下し、又粗粉体の一部は再び前記粉砕テーブル5上に落下する。
落下した粗粉体は、該粉砕テーブル5の回転遠心力によって前記凹溝7迄移動し、前記加圧ローラ11によって再度粉砕され、前記欠切部22を通過し1次空気により吹上げられた後に、再度前記分級機35により分級が行われる。
上述の様に、第1の実施例では、前記ハウジング3の内壁に環状の前記ノズルリング18を設け、該ノズルリング18の全周に亘って垂直な前記吹出し口19を形成し、前記ノズルリング18の前記粉砕テーブル5と前記吹出し口19との間の部分を前記ダムリング21とし、前記加圧ローラ11,11間を通抜けた未粉砕の木質ペレットが、前記ダムリング21にせき止められる様にしたので、木質ペレットが未粉砕の状態で1次空気に吹上げられることを防止し、木質ペレットを効率的に前記加圧ローラ11に噛込ませることができ、木質ペレットの粉砕効率を向上させることができる。
又、第1の実施例では、前記ダムリング21の前記粉砕テーブル5の回転方向に於ける前記加圧ローラ11の下流側に前記欠切部22を形成したので、前記加圧ローラ11によって粉砕された粉体は、前記ダムリング21に遮られることなく積極的に1次空気に吹上げられ、前記竪型ミル1外へ排出を促進させることができ、粉砕容量の増大を図ることができる。
又、前記ノズルリング18の内周部を前記ダムリング21としたので、前記欠切部22を固定的に形成することができ、更に前記ダムリング21の高さを変更する際に前記粉砕テーブル5を交換する必要がないので、前記ダムリング21の高さの変更を安価且つ容易に行うことができる。
又、前記加圧ローラユニット9に図示しない層厚検知器を設け、該層厚検知器の検知結果、即ち前記粉砕テーブル5上の粉体の層厚に基づいて前記加圧ローラ11の加圧力を調整する様にしたので、粉体の層厚に拘らず該加圧ローラ11の加圧力を層の下方迄伝達させることができ、木質ペレットを確実に粉砕することができる。
更に、前記ノズルリング18に形成された前記吹出し口19の傾斜を垂直としたことで、該吹出し口19から噴出する1次空気の上昇流を垂直とし、該吹出し口19から前記分級機35迄の1次空気の流路を短くした、即ち粉砕された粉体が前記分級機35に到達するのを容易にし、粉体が前記竪型ミル1内に滞留する時間を短縮させたので、粉体を前記竪型ミル1外へ積極的に排出させることができ、粉砕容量の増大を図ることができる。
次に、図5に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、図5中、図1中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施例では、第1の実施例に於ける竪型ミル1のシュート24を覆う様に、分級機35の下方に整流筒38を設けている。
該整流筒38は中空構造であり、下端から上端に向って前記シュート24から離反する様傾斜した円錐曲面を有する逆円錐台形状の逆円錐台部39と、円筒形状の円筒部41から構成されている。又、前記整流筒38は整流筒支持部42を介して前記逆円錐台部39が下方となる様前記シュート24に取付けられている。
前記円筒部41は、例えば前記ハウジング3と前記円筒部41とで形成される円筒状の流路断面積が前記ハウジング3の断面積の1/1.5倍となる径を有し、前記ハウジング3と前記円筒部41との間を上昇する1次空気の流速が1.5倍となる様になっている。又、前記逆円錐台部39の下端の内径は前記シュート24の外径と略同径となっており、前記逆円錐台部39の下端と前記シュート24との間に隙間が生じない様になっている。
又、前記分級機35は下端が閉塞されると共に、周面に向って下り傾斜の円錐台形状の傾斜部43を有し、前記分級機35により分級され、微粉炭送給管37により排出されずに前記傾斜部43に堆積した粉体は、該傾斜部43の傾斜及び前記分級機35の回転遠心力により前記分級室16内に排出される様になっている。
処理が開始されると、前記シュート24から木質ペレットが投入され、粉砕テーブル5上に流落した木質ペレットは、加圧ローラ11に噛込まれることで細粉体と粗粉体に粉砕された後、前記粉砕テーブル5の回転遠心力により外周に移動される。回転遠心力によってテーブルセグメント8を乗越えた粉体は、ノズルリング18のダムリング21に形成された欠切部22を通過し、垂直に形成された吹出し口19から吹上がった1次空気に乗って吹上げられ、ハウジング3の内壁面に沿って垂直に上昇する。
又、前記シュート24より流落した木質ペレットのうち、未粉砕の状態で前記加圧ローラ11,11間を通り抜けた木質ペレットは、前記ダムリング21によってせき止められ、該ダムリング21に沿って前記粉砕テーブル5の回転と共に移動し、前記加圧ローラ11に噛込まれた後、前記欠切部22を通過して外周側に移動し、前記吹出し口19から吹上がる1次空気によって吹上げられる。
この時、前記整流筒38の前記円筒部41により1次空気の流路断面積が1/1.5倍に縮小されるので、上昇する1次空気の流路が狭まり、1次空気の流速が1.5倍に増大すると共に、前記逆円錐台部39の円錐曲面により、吹上げられる1次空気が前記整流筒38に沿って外周方向に誘導されることで圧力損失を抑制している。
前記ハウジング3の内壁面を上昇する粉体に対して、前記分級機35によって分級が行われ、所定粒径以下の細粉体が微粉炭送給管37より送出され、図示しないボイラのバーナに供給される。所定粒径以上の粗粉体はブレード34により弾かれ、或は自重により前記粉砕テーブル5上に落下する。
落下した粉体は、該粉砕テーブル5の回転遠心力によって凹溝7迄移動し、前記加圧ローラ11によって再度粉砕され、1次空気により吹上げられることで再度前記分級機35により分級が行われる。
上述の様に、第2の実施例では、固定的に設けられた前記ノズルリング18に前記吹出し口19を形成し、前記ノズルリング18の内周部を前記ダムリング21とし、該ダムリング21の一部に前記欠切部22を形成すると共に、前記整流筒38を設け、1次空気の流速を速めることで1次空気に吹上げられる粉体の前記分級機35迄の到達時間を短縮、即ち粉体が前記竪型ミル1内に滞留する時間をより短縮させる様にしたので、粉体を前記竪型ミル1外へ積極的に排出させることができ、より粉砕効率の向上及び粉砕容量の増大を図ることができる。
尚、第2の実施例では、前記整流筒38の前記円筒部41の径を1次空気の流路断面積の1/1.5倍となる径としているが、該円筒部41の径は適宜選択可能であるのは言う迄もない。
又、第2の実施例では、前記整流筒支持部42を用いて前記整流筒38を前記シュート24に取付けているが、図示しない棒状のサポートを用い、前記ハウジング3に取付ける様にしてもよい。
1 竪型ミル
3 ハウジング
5 粉砕テーブル
11 加圧ローラ
16 分級室
18 ノズルリング
19 吹出し口
21 ダムリング
22 欠切部
24 シュート
35 分級機
38 整流筒
39 逆円錐台部
41 円筒部

Claims (5)

  1. 分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの上部に収納された分級機と、前記ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって回転駆動される粉砕テーブルと、ローラ加圧装置により前記粉砕テーブルに押圧される加圧ローラを有する加圧ローラユニットと、前記粉砕テーブルの下方に形成され、1次空気が導入される1次空気室と、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を吹出す吹出し口と、該吹出し口と前記粉砕テーブルとの間に形成され内縁の高さが前記粉砕テーブルの外縁よりも高いダムリングと、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記吹出し口と前記ダムリングは前記ハウジング側に形成され、前記ダムリングに前記加圧ローラの回転方向下流側に欠切部が形成され、該欠切部の上面は前記粉砕テーブルの高さと同一であり、前記吹出し口に至ることを特徴とするバイオマスミル。
  2. 前記加圧ローラユニットは前記粉砕テーブル上の木質系バイオマスの層厚を検知する層厚検知器を有し、該層厚検知器の検知結果に基づき前記ローラ加圧装置が制御され、該ローラ加圧装置により前記加圧ローラの加圧力が調整される請求項1のバイオマスミル。
  3. 前記吹出し口は、1次空気の旋回流を減じる様に、垂直に形成された請求項1又は請求項2のバイオマスミル。
  4. 前記シュートの周囲を覆う円筒部を有する整流筒を更に具備し、該整流筒により前記分級室の流路断面積を縮小させた請求項1〜請求項3のうちいずれかのバイオマスミル。
  5. 前記粉砕テーブルの周面に対向する様に設けられ、該粉砕テーブルの外縁より高い環状のノズルリングを具備し、前記吹出し口は前記ノズルリングの全周に設けられ、前記ダムリングは前記ノズルリングの内周部を構成し、前記欠切部は前記内周部の一部を欠切して形成される請求項1〜請求項4のうちいずれかのバイオマスミル。
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