JP2744018B2 - シート搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に配置
されてシートを搬送するシート搬送装置に係り、詳しく
は、ファンの吸気によって生じた負圧によりシートを搬
送ベルトに吸着して搬送するシート搬送装置に関する。

（ロ） 従来の技術 従来、吸引ファンの吸気によって生じる負圧を用い
て、シートを搬送ベルト上に吸着して搬送するシート搬
送装置がある。該シート搬送装置は、多数の吸引孔をも
つ無端の搬送ベルトと吸気を発生させる吸引ファンを有
しており、またこれら搬送ベルトと吸引ファンとの間に
吸気ダクトを備えていて、該吸気ダクト及び上記吸引孔
を介して搬送ベルト上のシートを吸引するようになって
いる。そして、上記吸気ダクトは、上記搬送ベルトに対
向する複数の上開口部と吸引ファンに対向する下開口部
を有し、下開口部から複数の上開口部に枝分れするよう
に分岐する１個の吸気路をもっている。

（ハ） 発明が解決しようとする課題 ところで、上述シート搬送装置では、搬送するシート
のサイズが小さかったり、またはシートの搬送初期及び
終期には、シートが複数の上開口部のすべてを被えない
場合がある。この場合、吸引ファンにより生じた吸気が
抵抗の少ないシートに被われていない上開口部に集中し
て、シートに被われた上開口部でのシート吸引力が低下
して、シートの搬送力を失する虞れがある。

（ニ） 課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、シートを吸引するための複数の吸引孔を有する無端
ベルトと、空気を吸引する吸引ファンと、一方の開口部
を前記無端ベルトに対向して配置され且つ他方の開口部
を前記吸引ファンに対向して配置された、空気を前記吸
引孔から前記吸引ファンに導くための吸気路と、を備
え、前記吸気路は、複数の小吸気路にて形成される一
方、該複数の小吸気路はそれぞれ前記無端ベルトに対向
した開口部と、前記吸引ファンに対向した開口部とを有
すると共に、空気が前記吸気ファンに至るまで合流しな
いよう互いに独立した構成となっていることを特徴とす
るものである。

（ホ） 作用 吸引ファンを作動させて空気を吸引すると、吸気路を
通じて無端ベルトの吸引孔から空気が吸い込まれシート
が無端ベルトに吸引される。この場合、吸気路は、それ
ぞれ無端ベルトに対向した開口部と、吸引ファンに対向
した開口部とを有すると共に、空気が吸引ファンに至る
まで合流しないよう互いに独立した複数の小吸気路にて
形成されているため、該吸気路の無端ベルトに対向して
いる開口部の全体にシートがかかっていなくても、シー
トを確実に吸引できる。

（ヘ） 実施例 本実施例は、後述する吸気ダクト４を吸気路4a,4b,4
c,4dに分けることで、シートの吸引・搬送をより確実に
したものである。なお、本発明における“吸気路”に相
当するのは該実施例においては吸気ダクト４であり、
“小吸気路”に相当するのはこれを分けてできた吸気路
4a,4b,4c,4dである。以下、詳細に説明する。

複写機の機体内に配置されたシート搬送装置１は、第
１図及び第２図に示すように、対向して配置された駆動
ローラ9,10を有しており、該駆動ローラ9,10はモータ等
の駆動源に駆動されて矢印方向に回転する。また、該駆
動ローラ9,10には、無端の搬送ベルト２が２条並行に巻
掛けられており、該搬送ベルト２には多数の吸引孔３…
が設けられている。上記搬送ベルト２に臨んで吸引ファ
ン６が配置されており、該吸引ファン６の回転により生
じた吸気は矢印方向に放出される。

一方、上記吸引ファン６の上方には吸気ダクト４が配
置されており、該吸気ダクト４は空気が吸引ファン６に
至るまで合流しないよう互いに独立した構成となってい
る４個の上下に貫通する吸気路4a,4b,4c,4dにて形成さ
れている。そして、これら４個の吸気路4a,4b,4c,4dは
それぞれ上開口部5a,5b,5c,5dを有し、また下開口部8a,
8b,8c,8dを有しており、上開口部5a,5b,5c,5dが搬送ベ
ルト２に対向し、また下開口部8a,8b,8c,8dが吸引ファ
ン６に対向するようになっている。ところで、このよう
に４個の吸気路4a,4b,4c,4dの下開口部8a,8b,8c,8dを吸
引ファン６に対向させ、上開口部5a,5b,5c,5dで吸引す
るようにすることにより、各吸気路4a,4b,4c,4d毎に独
立したファンを設けたのと同じ効果が発生し、このよう
な効果により、仮にどれかの吸気路4a,4b,4c,4dの負圧
が低下したとしても、その負圧低下が他の吸気路に影響
を及ぼすのを防ぐことができる。

本実施例は以上のような構成よりなるので、シートＳ
は他の図示しない搬送機構によって搬送ベルト２上に送
り込まれる。この際、搬送ベルト２は駆動ローラ9,10に
よって回転され、また吸引ファン６が回転している。そ
して、吸引ファン６の回転によって発生した吸気が吸気
ダクト４の各吸気路4a,4b,4c,4d及び搬送ベルト２の各
吸気孔３…を介して搬送ベルト２上のシートＳを吸引す
るようになっていて、シートＳが搬送されて上流側の吸
気路4aの上開口部5a上に到達すると、シートＳは該吸気
路4aにおける吸気によって搬送ベルト２上に吸着され
て、搬送ベルト２の回転に従って搬送される。

この際、上記上開口部5a以外の上開口部5b,5c,5dがシ
ートＳに被われていなくとも、各吸気路4a,4b,4c,4dは
互いに独立していて、上記シートＳに被われた上開口部
5aにおける吸気量すなわち吸引力は減少することがな
い。

そして、シートＳは搬送ベルト２に吸着されて更に搬
送されて、下流側の上開口部5b上に達すると、該上開口
部5bと上流側の上開口部5aとにおけるそれぞれの吸気に
よって搬送ベルト２上に吸着されて搬送される。また、
該シートＳは、上流側の上開口部5aからはずれた後も、
下流側の上開口部5bにおいて吸気路4bの吸気によって吸
引されて所定部まで搬送される。なお、シートＳが他の
上開口部5c,5dに到達した際にも上記同様に搬送ベルト
２上に吸着される。

なお、長さの相違等吸気路4a,4b,4c,4dの条件が異な
る場合に、下開口部8a,8b,8c,8dの開口面積を例えばシ
ャッタ等を用いて増減させることによって、上開口部5
a,5b,5c,5cにおける吸気量を同一にすることができる。

（ト） 発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、それぞれ無端
ベルトに対向する開口部を有し、かつ互いに独立した複
数の吸気路を備えたので、シートが無端ベルトに対向す
る開口部を全て被わない場合でも、吸引力を低下させる
ことなくシートを無端ベルト上に確実に吸着して搬送す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係るシート搬送装置の側断面
図、第２図はその平面図である。 Ｓ……シート、１……シート搬送装置、２……無端ベル
ト（搬送ベルト）、３……吸引孔、4a,4b,4c,4c……吸
気路、5a,5b,5c,5c……一方の開口部（上開口部）、６
……吸引ファン、8a,8b,8c,8c……他方の開口部（下開
口部）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シートを吸引するための複数の吸引孔を有
   する無端ベルトと、 空気を吸引する吸引ファンと、 一方の開口部を前記無端ベルトに対向して配置され且つ
   他方の開口部を前記吸引ファンに対向して配置された、
   空気を前記吸引孔から前記吸引ファンに導くための吸気
   路と、を備え、 前記吸気路は、複数の小吸気路にて形成される一方、該
   複数の小吸気路はそれぞれ前記無端ベルトに対向した開
   口部と、前記吸引ファンに対向した開口部とを有すると
   共に、空気が前記吸引ファンに至るまで合流しないよう
   互いに独立した構成となっていること、 を特徴とするシート搬送装置。