JP2742461B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2742461B2
JP2742461B2 JP2005925A JP592590A JP2742461B2 JP 2742461 B2 JP2742461 B2 JP 2742461B2 JP 2005925 A JP2005925 A JP 2005925A JP 592590 A JP592590 A JP 592590A JP 2742461 B2 JP2742461 B2 JP 2742461B2
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雅人 大西
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、オン・オフ制御されるスイッチング素子を
備え、直流電源を交流出力に変換するとともに、交流出
力を負荷回路に供給するようにしたインバータ装置に関
するものである。
【従来の技術】
従来より、この種のインバータ装置として、たとえ
ば、第12図に示すように、一対スイッチング素子SW1,S
W2の直列回路を電源Eの両端間に挿入し、両スイッチン
グ素子SW1,SW2を交互にオン・オフするようにしたもの
が提供されている。各スイッチング素子SW1,SW2は、制
御回路1によりオン期間が制御される。制御回路1は、
第13図(a)(b)に示すような一定周期の相反する一
対の矩形波を出力する発振回路2を備えている。発振回
路2の一方の出力Vはレベルシフト回路3を介して電圧
変換された後(第13図(c))、ドライブ回路41を介し
て一方のスイッチング素子SW1への制御信号Vc1を発生す
る(第13図(d))。また、発振回路2の他方の出力V
はドライブ回路42を介して他方のスイッチング素子SW2
への制御信号Vc2を発生する(第13図(e))。ここ
に、レベルシフト回路3を設けているのは、第13図
(f)に示すように、スイッチング素子SW2の両端電圧V
oが変化し、スイッチング素子SW1の基準電圧が変化する
からである。スイッチング素子SW2の両端間には負荷回
路5が接続される。負荷回路5は、インダクタンスLと
コンデンサCaとを直列接続するとともに、コンデンサCa
の両端間に直流カット用のコンデンサCbと負荷lとの直
列回路を接続して構成される。 ところで、両スイッチング素子SW1,SW2が第13図
(d)(e)に示すドライブ回路41,42の出力Vc1,Vc2
によりオン・オフ制御されていると、両スイッチング素
子SW1,SW2は交互にオン・オフする。つまり、両スイッ
チング素子SW1,SW2の接続点の電位V0は、第13図(f)
に示すように矩形波状になる。時刻t1においてスイッチ
ング素子SW1 がオンになると、負荷回路5の蓄積エネルギーにより、
そのまま電流が流れるようとするから、スイッチングSW
1に流れる電流I1の向きは、第13図(h)のように第12
図の矢印とは逆向きになった後、逆転する。また、時刻
t2においてスイッチング素子SW2がオンになると、負荷
回路5の蓄積エネルギーにより、スイッチング素子SW2
に流れる電流I2の向きは、第13図(g)のように第12図
の矢印とは逆向きになった後、逆転する。このような動
作の繰り返しにより、第13図(i)のような交流電流IL
が負荷lに流れるのである。ここにおいて、第13図で
は、発振回路2の出力周波数が負荷回路5の共振周波数
よりも高いものとしている。すなわち、発振回路2の出
力に対して共振電流の位相を遅相にし、スイッチング素
子SW1,SW2の切換時に流れる電流I1,I2の向きが、負方
向(第12図に矢印で示した向きと逆向き)になるように
しているのである。位相関係が逆であると、第14図に示
すように、スイッチング素子SW1,SW2の切換時に正方向
に電流が流れることになる。この場合、一方のスイッチ
ング素子に負方向の電流が流れている状態から、他方の
スイッチング素子に正方向の電流が流れる状態に変化
し、負方向の電流が流れていたスイッチング素子に対し
て瞬時に電圧が印加されるから、負方向の電流が流れて
いたときのキャリアの蓄積による逆回復の電流、すなわ
ちリカバリー電流が流れることになる。この電流は、第
14図(a)に示すように、ひげ状の電流となり、スイッ
チングロスやノイズの発生原因となる。したがって、負
荷回路5の共振周波数よりも発振回路2の出力周波数を
高くしておくのが普通である。
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、発振回路2の出力周波数が負荷回路5
の共振周波数よりも高い場合であっても、第13図に示す
ような動作であれば、スイッチング素子SW1,SW2の切換
時に、電流や電圧が急激に変化して、スイッチング素子
SW1,SW2でのスイッチングロスやノイズが発生する。 そこで、第15図に示すように、発振回路2の出力Vの
周波数を、負荷回路5の共振周波数にほぼ一致させるこ
とが考えられる。このようにすれば、スイッチング素子
SW1,SW2の切換時が、負荷回路5の共振電流のゼロクロ
ス点にほぼ一致し、スイイッチングロスが少なくなり、
ノイズが少なくなる。 一方、照明負荷の調光を行う場合のように、このよう
な状態を維持しながら、負荷lへの供給エネルギーを制
御しようとすれば、発振回路2の出力周波数と負荷回路
5の共振周波数とを連動して変化させる必要がある。 発振回路2の出力周波数を調節するのは容易である
が、負荷回路5の共振周波数を調節するには、部品点数
が増加したり、回路構成が複雑になるという問題が生じ
て実用的ではない。また、負荷への供給エネルギーを連
続的に変化させようとすれば、負荷回路5の共振周波数
も連続的に変化させなければならず、実現が困難であ
る。 本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、
負荷回路として供給エネルギーに応じて共振周波数が変
化する構成のものを用いるとともに、電源電圧を調節す
ることによって、スイッチング素子の切換タイミング
が、負荷回路の共振電流のゼロクロス点にほぼ一致する
ように制御し、もってスイッチングロスやノイズを低減
させたインバータ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、オン・オフ
制御されるスイッチング素子を備え、直流電源を交流出
力に変換するとともに、交流出力を負荷回路に供給する
インバータ装置において、供給エネルギーに応じて共振
周波数が変化するように負荷回路を構成し、負荷回路の
共振電流のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路
と、ゼロクロス検出回路の出力に基づいてスイッチング
素子の切換タイミングが上記ゼロクロス点に一致するよ
うに上記直流電源の出力電圧を制御する電圧制御回路と
を設けているのである。 また、少なくとも負荷回路が安定動作状態ではないと
きに、ゼロクロス検出回路の動作を停止させる検出停止
回路を設けるのが望ましい。
【作用】
請求項1の構成によれば、供給エネルギーに応じて共
振周波数が変化するように負荷回路を構成し、負荷回路
の共振電流のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回
路と、ゼロクロス検出回路の出力に基づいてスイッチン
グ素子の切換タイミングが上記ゼロクロス点に一致する
ように上記直流電源の出力電圧を制御する電圧制御回路
とを設けているので、スイッチング素子の切換タイミン
グが、負荷回路の共振電流のゼロクロス点にほぼ一致す
るのであって、スイッチングロスやノイズを低減される
のである。また、直流電源の出力電圧を制御するように
しているから、負荷回路への供給エネルギーを連続的に
変化させるようにしても、回路構成が複雑にならず、実
現が容易になるのである。 また、請求項2の構成によれば、少なくとも負荷回路
が安定動作状態ではないときに、ゼロクロス検出回路の
動作を停止させる検出停止回路を設けているので、負荷
回路が安定動作状態でないときに、直流電源の出力電圧
を一定にすることによって、スイッチング素子に過大な
電流が流れるのを防止し、スイッチング素子の破壊など
を防止できるのである。
【実施例】
本実施例の基本構成は、第1図に示す通りであって、
一対のスイッチング素子SW1,SW2とインピーダンスZと
の直列回路を電圧制御回路6の出力端間に供給する。両
スイッチング素子SW1,SW2は、制御回路1により交互に
オン・オフするように制御される。制御回路1は、発振
回路2の矩形波出力に同期して、各スイッチング素子SW
1,SW2を交互にオンするドライブ回路41,42を備え、発
振回路2とドライブ回路41との間には、電圧を変換する
レベルシフト回路3が挿入される。一方のスイッチング
素子SW2とインピーダンスZとの直列回路の両端部に
は、負荷回路5が接続される。負荷回路5は、インダク
タンスLとコンデンサCaとの直列回路を備え、コンデン
サCaの両端間に直流カット用のコンデンサCbと負荷lと
の直列回路が接続された構成となっている。ここに負荷
lとしては、蛍光ランプ等の放電ランプを用いているも
のとする。一方、スイッチング素子SW2に流れる電流に
対応したインピーダンスZの両端電圧は、ゼロクロス検
出回路7に入力されてゼロクロス点が検出され、スイッ
チング素子SW1,SW2の反転と、負荷回路5の共振電流の
ゼロクロス点とがほぼ一致するように、電圧制御回路6
の出力電圧を制御する。すなわち、電圧制御回路6は、
電源Eを入力とし、ゼロクロス検出回路7の出力によっ
て出力電圧を変化させるのである。 第2図に基づいて基本動作を説明する。第2図におけ
る左半分は、電圧制御回路6およびゼロクロス検出回路
7を設けずに、負荷lへの供給エネルギーを減少させる
ために発振回路2の出力周波数を高くしたときの動作を
示す。負荷lは蛍光ランプのような放電ランプであるか
ら、点灯状態では負特性を示し、ランプ電流が増加すれ
ばランプ電圧が低下する。すなわち、供給エネルギーに
応じてインピーダンスが変化するという性質を有してい
る。したがって、発振回路2の出力周波数が高くなる
と、負荷回路5のインピーダンスが上昇して、負荷lへ
の供給エネルギーが減少する。また、第2図(g)
(h)のように、スイッチング素子SW1,SW2に流れる電
流が負荷回路5の共振電流に対して遅相となって、負荷
lへの電流が減少するとともに、負荷回路5の共振電流
のゼロクロス点とスイッチング素子SW1,SW2の切換時と
がずれるから、スイッチングロスが増大する。 第2図右半分は、電圧制御回路6およびゼロクロス検
出回路7が作動した場合の動作を示すものである。第2
図(j)に示すように、電圧制御回路6の出力電圧Viを
低下させると、負荷回路5に対する供給エネルギーが減
少するから、負荷lのインピーダンスが増加する。その
結果、負荷回路5の共振周波数が上昇するのであって、
発振回路2の出力周波数とほぼ等しくなる。こうして、
スイッチング素子SW1,SW2の切換タイミングと負荷回路
5の共振電流のゼロクロス点とをほぼ一致させることが
できるのである。 要するに、発振回路2の出力周波数を高くして負荷電
流を減少させるときには、電圧制御回路6の出力電圧を
低下させ、発振回路2の出力周波数を低くして負荷電流
を上昇させるときには、電圧制御回路6の出力電圧を増
加させれば、スイッチング素子SW1,SW2の切換タイミン
グを、負荷回路5の共振電流のゼロクロス点にほぼ一致
させる状態を保ちながら、負荷lへの供給エネルギーを
調節することができるのである。 第3図に具体回路を示す。スイッチング素子SW1,SW2
には、電界効果トランジスタが用いられている。発振回
路2は、「555」として知られているタイマ用集積回路
に周辺部品を外付したものであり、発振回路2の出力V
には、第4図(a)に示すように、高低2値の電圧が一
定周期で交互に得られる。発振回路2の出力Vは、4個
のトランジスタQ1〜Q4を備えた一対のカレントミラー回
路よりなるレベルシフト回路3を通してバアッファであ
るドライブ回路41に入力され、ドライブ回路41の出力Vc
1によってスイッチング素子SW1がオン・オフ制御され
る。また、発振回路2の出力Vは、レベルシフト回路3
に入力されるとともに、反転回路よりなるドライブ回路
42にも入力され、ドライブ回路42から得られるドライブ
回路41の出力Vc1とは相反した出力Vc2によりスイッチン
グ素子SW2がオン・オフ制御される。 電圧制御回路6は、昇圧型のチョッパ回路であって、
電源Eの両端間にチョークコイルCHとスイッチング素子
であるトランジスタT1との直列回路を挿入し、トランジ
スタT1のコレクタ−エミッタ間にダイオードDとコンデ
ンサC1との直列回路を接続し、トランジスタT1のベース
に制御信号を入力するとともに、コンデンサC1の両端間
より出力電圧Viを得るようにしたものである。トランジ
スタT1は、「555」として知られているタイマ用集積回
路に周辺部品を外付して構成されたオン期間制御回路8
の出力により制御される。オン期間制御回路8は、抵抗
R1とトランジスタT2との直列回路のインピーダンスを調
節することによって、トランジスタT1のオン期間を変え
ることができるように構成されている。また、トランジ
スタT2のインピーダンスの調節は、トランジスタT3,T4
と抵抗R4〜R7とにより構成された回路を通して行われ
る。すなわち、基準状態では、トランジスタT3はオフ、
トランジスタT4はオンであって、トランジスタT2はほぼ
完全にオンになる。トランジスタT3のオン期間が増加す
れば、トランジスタT2のインピーダンスが低下してトラ
ンジスタT1のオン期間が短くなり、電圧制御回路6の出
力電圧Viは低くなる。また、トランジスタT4のオフ期間
が増加すれば、トランジスタT2のインピーダンスが上昇
してトランジスタT1のオン期間が長くなり、電圧制御回
路6の出力電圧Viが高くなる。 抵抗R2、コンデンサC2、ツェナーダイオードZD2は、
ドライブ回路41の電源回路、抵抗R3、コンデンサC3、ツ
ェナーダイオードZD3は、制御回路1の他部分の電源回
路である。 ゼロクロス検出回路7は、負荷回路5の両端間電圧を
抵抗R8,R9により分圧した電圧と、スイッチング素子SW
2に直列接続されたインピーダンスZの両端電圧に基づ
いて、負荷回路5の共振電流のゼロクロス点を検出す
る。以下に、第4図ないし第6図とともに、ゼロクロス
検出回路7の構成と動作を説明する。 負荷回路5の共振電流のゼロクロス点とスイッチング
素子SW1,SW2の切換タイミングとが一致している場合の
動作を第4図に示す。この場合には、第4図(h)に示
すインピーダンスZの両端電圧Vaは、コンパレータ11の
基準電圧より低く、第4図(i)に示すコンパレータ11
の出力レベルVbは“L"になる。したがって、第4図
(l)に示すアンド回路12の出力レベルVeは“L"であ
り、第4図(m)に示す反転回路13の出力レベルVfは
“H"になる。したがって、トランジスタT3はオフ、トラ
ンジスタT4はオンになり、上述した基準状態になり、電
源制御回路6の出力電圧Viは現状維持される。 次に、負荷lへの供給エネルギーを減少させるように
発振回路2の出力周波数を高くすると、第5図(f)
(g)のように、スイッチング素子SW1,SW2の切換時
に、スイッチング素子SW1,SW2には、第3図の矢印とは
逆向きに電流I1,I2が流れることになる。したがって、
第5図(h)のように、インピーダンスZの両端電圧Va
も電流I1,I2と同じ向きに発生する。また、反転回路14
とコンデンサC10と抵抗R10とにより、立ち下がり検出回
路が構成されており、負荷回路5の両端電圧の立ち下が
り時に、第5図(j)に示すように、反転回路14の入力
電圧Vcも立ち下がるから、コンデンサC10と抵抗R10との
接続点の電位Vdは、第5図(k)のように一時的に増大
する。このときに、コンパレータ11の出力レベルVbも一
時的に“H"になる。したがって、第5図(l)に示すよ
うに、アンド回路12の出力レベルVcは一時的に“H"にな
り、トランジスタT3がオンになり、トランジスタT2のイ
ンピーダンスを低減する。一方、コンデンサC10と抵抗R
10との接続点の電位が上昇してアンド回路12の入力レベ
ルが“H"であるときには、反転回路15を通してアンド回
路16の入力端が“L"となり、インタロックされることに
なるから、アンド回路17の出力レベルも“L"であり、反
転回路13の出力レベルVfは“H"に保たれる。したがっ
て、トランジスタT4は基準状態のままオン状態を続け
る。 以上のようにして、第5図(n)に示すオン期間制御
回路8の出力Vgにより、トランジスタT1のオン期間が減
少し、第5図(o)に示す電圧制御回路6の出力電圧Vi
が下がるのである。これにより、負荷回路5への供給エ
ネルギーが減少し、負荷lのインピーダンスが増大して
共振周波数が上昇し、第5図(f)(g)に破線で示す
ように、スイッチング素子SW1,SW2に流れる電流I1,I2
が変化し、スイッチング素子SW1,SW2の切換タイミング
が負荷回路5の共振電流のゼロクロス点にほぼ一致する
ようになるのである。 次に、負荷lへの供給エネルギーを増大させるように
発振回路2の出力周波数を低減した場合について、第6
図に基づいて説明する。この場合、スイッチング素子SW
1,SW2に流れる電流I1,I2は、第6図(f)(g)に示
すようになり、スイッチング素子SW1,SW2の切換時に、
第3図に矢印で示す向きの電流が流れることになる。し
たがって、第6図(h)に示すように、インピーダンス
Zの両端電圧Vaも電流I1,I2に対応する極性になる。コ
ンパレータ11への入力電圧Vaが負になると、コンパレー
タ11の出力レベルVbは“H"になる。また、第6図(e)
のように、負荷回路5の両端電圧V0が0である期間に
は、反転回路18の出力レベルは“H"であり、かつまた、
この期間の後半部分では、第6図(k)に示すように、
コンデンサC10と抵抗R10との接続点の電位Vdが0であっ
て、反転回路15の出力レベルが“H"であるから、アンド
回路16の出力レベルは“H"になる。したがって、アンド
回路17の出力レベルが“H"になり、第6図(m)に示す
反転回路13の出力レベルVfは一時的に“L"になる。その
結果、トランジスタT4がオフになり、オン期間制御回路
8の出力Vgが第6図(n)のようになり、トランジスタ
T1のオン期間が長くなって、電圧制御開6の出力電圧Vi
が高くなるのである。すなわち、負荷lへの供給エネル
ギーの増加により、負荷lのインピーダンスが減少し、
負荷回路5の共振周波数が低下して、第6図(f)
(g)に破線で示すように電流I1,I2が変化する。 以上のようにして、発振回路2の出力周波数を変化さ
せて負荷回路5への供給エネルギーを調節すれば、電圧
制御回路6の出力電圧が変化することにより、スイッチ
ング素子SW1,SW2の切換タイミングが、負荷回路5の共
振電流のゼロクロス点と一致するように制御されるので
あり、その結果、スイッチングロスがほとんど発生せ
ず、ノイズの発生が低減されるのである。 上記実施例において、スイッチング素子SW1,SW2とし
て電界効果トランジスタを用いているが、トランジスタ
やサイリスタのようなスイッチング素子にダイオードを
逆並列に接続したものを用いてもよい。また、電圧制御
回路6に昇圧型のチョッパ回路を用いているが、降圧型
としてもよく、出力電圧が可変できれば実施例の形式に
限定されるものではない。
【実施例2】 蛍光ランプのような放電ランプを負荷lとすると、点
灯状態ではほぼ一定な低インピーダンスになり、不点灯
状態ではインピーダンスが非常に高くなるのであって、
インピーダンスの変化が大きいものである。したがっ
て、不点灯状態において、負荷回路5の共振電流のゼロ
クロス点付近でスイッチング素子SW1,SW2の切換を行う
状態を維持し続けると、負荷回路5におけるインダクタ
ンスLとコンデンサCaとの直列回路に非常に大きな電流
が流れ、スイッチング素子SW1,SW2の破壊につながる可
能性がある。 この問題を解決するために、本実施例では、第7図に
示すように、負荷lが点灯しているか不点灯であるかを
検出する負荷状態検出回路10と、負荷lの状態に応じて
電圧制御回路6の出力電圧の調節を停止する検出停止回
路9と設けているのである。 すなわち、検出停止回路9は、負荷lである放電ラン
プが始動から点灯するまでの時間、および立ち消えなど
によって不点灯状態になっている期間には、ゼロクロス
検出回路7の動作を停止させるのである。これによっ
て、負荷lが高インピーダンスであるときに、負荷回路
5のインダクタンスLとコンデンサCaとに必要以上に電
流が流れるのを防止できる。ゼロクロス検出回路7の動
作が停止している期間において、発振回路2の出力周波
数は、負荷回路5の共振周波数でなければ、どのような
周波数としてもよいが、発振回路2の出力周波数を負荷
回路5の共振周波数よりも高くしておくほうが、スイッ
チング素子SW1,SW2へのストレスが少なくなる。 第8図に、負荷状態検出回路10と検出停止回路9との
簡単な具体構成を示す。負荷lの状態は、負荷lの両端
電圧で検出しており、負荷lの両端電圧を抵抗R11,R12
により分圧してスイッチング用のトランジスタSのベー
スに印加し、トランジスタSのコレクタ−エミッタ間を
インピーダンスZの両端に接続してある。したがって、
負荷lである放電ランプが不点灯であるときには、負荷
lの両端電圧が高くなってトランジスタSがオンにな
り、ゼロクロス検出回路7への検出電圧が0になるか
ら、ゼロクロス検出回路7を停止させることができるの
である。負荷lが点灯すれば、トランジスタSがオフに
なるから、ゼロクロス検出回路7は通常の動作をする。
【実施例3】 本実施例では、第9図に示すように、スイッチング素
子SW1,SW2を発振回路2の出力によって制御するのでは
なく、負荷回路5のインダクタンスを、チョークコイル
CH1と、帰還巻線を有したインダクタンスLaとの直列回
路とし、帰還巻線の出力によりスイッチング素子SW1,S
W2を制御する自励型の構成としている。チョークコイル
CH1にはスイッチSWが並列接続され、スイッチSWを開閉
することにより、負荷lへの供給エネルギーが調節され
るようになっている。この構成においても、実施例1と
同様に、電圧制御を行うことによって、スイッチングロ
スが低減されるのである。
【実施例4】 本実施例では、第10図に示すように、スイッチング素
子SW2については、実施例1と同様に発振回路2によっ
てオン・オフ制御し、スイッチング素子SW1について
は、負荷回路5のインダクタンスLに設けた帰還巻線の
出力によって制御するようにしている。 この構成でもスイッチングロスの低減効果について
は、実施例1と同様である。
【実施例5】 本実施例は、第11図に示すように、電源Eを得る整流
平滑回路11の前段階において、交流電源ACを制御するよ
うにた例であって、効果上は実施例1と同様である。 以上に示した実施例ではハーフブリッジ型のインバー
タ装置を基本構成としたが、フルブリッジ型や一石型で
あっても、負荷回路の共振電流のゼロクロス点でスイッ
チング素子の切換を行うように設定できるものであれ
ば、どのような構成のインバータ装置でも本発明の技術
思想は適用可能である。また、電源Eとしては、交流電
源を整流平滑したものでもよく、実施例1に示した構成
の電圧制御回路6への入力では交流電源を整流しただけ
でもよい。さらに、共振電流のゼロクロス点を検出する
インピーダンスZも実施例の位置に限定されるものでは
ない。
【発明の効果】
上述のように、請求項1の構成によれば、供給エネル
ギーに応じて共振周波数が変化するように負荷回路を構
成し、負荷回路の共振電流のゼロクロス点を検出するゼ
ロクロス検出回路と、ゼロクロス検出回路の出力に基づ
いてスイッチング素子の切換タイミングが上記ゼロクロ
ス点に一致するように上記直流電源の出力電圧を制御す
る電圧制御回路とを設けているので、スイッチング素子
の切換タイミングが、負荷回路の共振電流のゼロクロス
点にほぼ一致するのであって、スイッチングロスやノイ
ズを低減されるのである。また、直流電源の出力電圧を
制御するようにしているから、負荷回路への供給エネル
ギーを連続的に変化させるようにしても、回路構成が複
雑にならず、実現が容易になるという利点がある。 請求項2の構成によれば、少なくとも負荷回路が安定
動作状態ではないときに、ゼロクロス検出回路の動作を
停止させる検出停止回路を設けているので、負荷回路が
安定動作状態でないときに、直流電源の出力電圧を一定
にすることによって、スイッチング素子に過大な電流が
流れるのを防止し、スイッチング素子の破壊などを防止
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1を示す回路図、第2図は同上
の動作説明図、第3図は同上の具体構成を示す回路図、
第4図ないし第6図は同上の動作説明図、第7図は本発
明の実施例2を示す回路図、第8図は同上の要部具体回
路図、第9図は本発明の実施例3を示す回路図、第10図
は本発明の実施例4を示す回路図、第11図は本発明の実
施例5を示す要部回路図、第12図は従来例を示す回路
図、第13図ないし第15図は同上の動作説明図である。 5…負荷回路、6…電圧制御回路、7…ゼロクロス検出
回路、9…検出停止回路、E…電源、SW1,SW2…スイッ
チング素子、l…負荷。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オン・オフ制御されるスイッチング素子を
    備え、直流電源を交流出力に変換するとともに、交流出
    力を負荷回路に供給するインバータ装置において、供給
    エネルギーに応じて共振周波数が変化するように負荷回
    路を構成し、負荷回路の共振電流のゼロクロス点を検出
    するゼロクロス検出回路と、ゼロクロス検出回路の出力
    に基づいてスイッチング素子の切換タイミングが上記ゼ
    ロクロス点に一致するように上記直流電源の出力電圧を
    制御する電圧制御回路とを設けて成ることを特徴とする
    インバータ装置。
  2. 【請求項2】少なくとも負荷回路が安定動作状態ではな
    いときに、ゼロクロス検出回路の動作を停止させる検出
    停止回路を具備して成ることを特徴とする請求項1記載
    のインバータ装置。
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