JP2742338B2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2742338B2
JP2742338B2 JP3136735A JP13673591A JP2742338B2 JP 2742338 B2 JP2742338 B2 JP 2742338B2 JP 3136735 A JP3136735 A JP 3136735A JP 13673591 A JP13673591 A JP 13673591A JP 2742338 B2 JP2742338 B2 JP 2742338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ファクシミリやプリ
ンタの印字素子として広く利用されているサーマルヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドの保護膜に静電気が帯電
することがあり、これを放置するとサーマルヘッドが静
電破壊されてしまう恐れがある。そのため、従来より種
々の対策が提案されており、代表的なものには以下のよ
うなものがある。すなわち、感熱紙や感熱フィルム等に
帯電防止処理を施す対策や、感熱紙の走行系に除電ブラ
シを取り付ける対策がある。また、感熱紙やインクフィ
ルムなどに導電性樹脂カバーまたは金属製カバーを接触
させて除電する方法も提案されている(特開平2−21
5546等)。さらに、サーマルヘッドの保護膜を2層
構造にして、そのうちの上層の保護膜に、接地されてい
るカバーを接触させて電荷を除電する方法もある(実開
昭63−166430)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の帯電防止対策および除電対策には、各々以下の問題点
がある。まず、感熱紙や感熱フィルムによる帯電防止処
理であるが、この処理だけでは帯電現象を完全に防止で
きない。そのため、帯電防止処理後の感熱紙等によって
サーマルヘッドが静電破壊される事例も報告されてい
る。次に、除電ブラシによる対策であるが、この除電ブ
ラシはサーマルヘッド部と離れて設置せざるを得ない場
合が多いので、完全な除電ができないことが多い。ま
た、この設置スペースの問題の他、設置に伴う付加コス
トの増加の問題もある。
【0004】また、除電用カバーを感熱紙などに接触さ
せる方法(特開平2−215546)では、感熱紙にキ
ズを付けてしまい印字の品位を劣化させる恐れがある。
特に感熱紙や感熱フィルムやインクフィルムが高感度で
ある程この危険が大きい。さらに、実開昭63−166
430で提案されている2層構造の保護膜であるが、こ
の場合はヘッドの製造工程が複雑となり製造コストが増
大するという欠点がある。
【0005】この発明は以上の諸点に鑑みたものであ
り、サーマルヘッド保護膜の静電破壊を防止する安価な
装置を提供することを目的にする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るサーマルヘッドは、発熱抵抗体及び
発熱抵抗体の電極が形成され、その表面が保護膜で被覆
されるヘッド基板と、前記発熱抵抗体を駆動する半導体
素子と、前記ヘッド基板の一部及び半導体素子を覆うカ
バーとを備えるサーマルヘッドにおいて、前記カバー
が、導電性材からなり、前記保護膜に接触する接触片
と、前記発熱抵抗体側に延在する内側部とを有し、この
カバーが接地接続されたことを特徴とする。
【0007】
【作用】このサーマルヘッドでは、導電性材のカバーが
発熱抵抗体の保護膜に接触し、かつ接地点にも接続され
るので、発熱抵抗体の保護膜は、常にアース電位とな
る。そのため、発熱抵抗体の保護膜が帯電することはな
く、サーマルヘッドの静電破壊の恐れもない。
【0008】
【実施例】図1は本発明に係るサーマルヘッドの一実施
例を示す概略図である。また、図2は図1のサーマルヘ
ッドの断面図である。以下、図1、図2に則して、この
サーマルヘッドを説明する。このサーマルヘッドの電子
回路部は、ヘッド基板1と回路基板2で構成されてお
り、2枚の基板は全体として一面をなしている。この2
枚の基板1,2は、導電性の放熱板(例えばアルミ板)
3にそれぞれ接触しており、電子回路部からの発熱は、
この放熱板3から放熱される。また2枚の基板1,2の
接続部付近は、導電性の金属カバー4で覆われており、
導電性の金属カバー4は、導電性のビス5によって回路
基板2と放熱板3とに固着されている(以上、図1参
照)。
【0009】ヘッド基板1には、多数の発熱抵抗体6が
列設されており、各発熱抵抗体6は、基板上の導体パタ
ーン7,ワイボンワイヤ9-1により回路基板2と接続さ
れている。そして、この各発熱抵抗体6と導体パターン
7の上表面は、保護膜8で覆われている。回路基板2に
は、前記の発熱抵抗体を選択して駆動するドライバーI
C9と、各ドライバーIC9を外部に接続する導体パタ
ーン11が列設されて構成されている。そして、各ドラ
イバーIC9は、保護用樹脂10で覆われ、外部の制御
回路とは、回路基板2の導体パターン11で接続されて
いる。また、導体パターン11の上表面は、絶縁層12
で覆われているが、図示しないコネクタにより外部接続
される。
【0010】導電性の金属カバー4は、絶縁層12を介
して回路基板2と接触し、回路基板2と接触する面の両
端付近には、前記ビス5を貫通させるための貫通穴が2
つ設けられている。また、回路基板2-1と絶縁層12に
も、(金属カバー4の貫通穴と重なる位置において)、
上下貫通穴が2つ設けられ、さらに放熱板3の同じ位置
にも穴が設けられている。そして、この放熱板3の穴の
周面にはビス5のネジ溝に合致するネジ溝が設けられて
いる。このように、金属カバー4と回路基板2 -1と放熱
板3の同じ位置には、ネジ5を挿入する穴が設けられて
いるので、これら3つの部材4,2,3は、ネジ5によ
って固着される。なお、この実施例の場合、ネジ5は、
回路基板2の導体パターン11に接触しないよう導体パ
ターン11を外して配置されている。一方、導電性金属
カバー4の発熱抵抗体側の端面には、その端面の両側
に、端面と直交する切り込み溝4-3を設け、切り込み溝
-3の外側に部分接触片4-1をヘッド基板1の側に折り
曲げて形成し、ヘッド基板表面上の保護膜8と接触させ
ている。そして、保護膜8と導電性金属カバー4の接触
片4-1の下面には、グランドライン以外の導体パターン
がないように配線されている。なお、導電性金属カバー
4の切り込み溝の内側部4-2は、その先端部が保護膜8
と接触しない程度にヘッド基板1の向きに折り曲げられ
ている。この金属カバー4の材料は、特に限定されない
が、例えば厚さ0.3mm程度のステンレス板を用いる
ことができ、この場合、上記の折り曲げ工作などは容易
である。
【0011】金属性の放熱板3は、ヘッド基板1の絶縁
(アルミナ)基板1-1と、また回路基板2のプリント基
板2-1と接触しており、また、この放熱板3はアース電
位点13に接続されている。図1、図2のサーマルヘッ
ドは、以上のように構成されており、従って、サーマル
ヘッドの保護膜8とアース点13とが、金属カバー4の
接触片-1、ビス5、放熱板3の経路で電気的に接続さ
れるので、サーマルヘッドの保護膜8が帯電することが
ない。また、金属カバー4の保護膜8との接触-1
下面には、グランドライン以外の導体パターンはないの
で、たとえ保護膜8にピンホールが生じていてもドット
基板1の導体パターン7から金属カバー4に電流がリー
クすることがない。
【0012】図3は、この発明の他の実施例を示す断面
図である。図2の構成とほぼ同じであり、導電性の金属
カバー4と回路基板2と放熱板3とが、ビス5によって
固着されている(尚、他の部分でも、図2と同じ箇所に
は同じ番号を付している)。この実施例の特徴は、導電
性金属カバー4と回路基板2の導体パターン14との接
触状態にあり、ビス5の挿入される位置付近の導体パタ
ーンには絶縁層12を設けることなく、導電性金属カバ
ー4に直接接触させている。そして、この導体パターン
14は、他の導体パターン11と異なりアース点に接続
されている。この実施例の場合、アース点と発熱抵抗体
の保護膜8が、導電性金属カバー4と導体パターン(G
NDパターン)14を介して接続されるので、発熱抵抗
体の保護膜8が帯電することがない。
【0013】なお、上記各実施例においてドライバーI
C9は、回路基板2側に搭載されているが、この発明
は、トライバーIC9がヘッド基板1側に搭載されてい
るものにも適用できる。また上記実施例では回路基板2
上に導体パターン11が形成されているが、この部分
は、補助基板とパターン形成されたフレキシブル基板と
から構成されるものであってもよい。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るサー
マルヘッドは、接地接続された導電性のカバーの接触片
が保護膜に接触するので、ヘッド基板の発熱抵抗体と印
字媒体(感熱紙)との間で発生する静電気を接触片によ
り保護膜から除電することができると共に、カバーの内
側部が発熱抵抗体側に延在するので、印字媒体が印字動
作以外で帯びてしまう静電気を内側部により印字媒体か
ら除電することができる。従って、サーマルヘッドが静
電破壊されることがなくなる。又、カバーの内側部が発
熱抵抗体側に延在するので、印字媒体の除電を発熱抵抗
体の近くで行うこととなり、それにより静電気による発
熱抵抗体の破壊を効果的に防止することができる。更
に、サーマルヘッドに従来より使用されている金属カバ
ーの形状を一部変更(プレス型を変更)するだけで実現
できるので、コストがアップすることがない。その上、
導電性のカバーが印字媒体等に接触することがないの
で、それらを傷付けることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すサーマルヘッドの概略
図である。
【図2】図1のサーマルヘッドの断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ヘッド基板 4 導電性金属カバー 4-1 金属カバーの保護膜との接触片 6 発熱抵抗体 8 保護膜 9 ドライバーIC 13 アース電位点

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱抵抗体及び発熱抵抗体の電極が形成さ
    れ、その表面が保護膜で被覆されるヘッド基板と、前記
    発熱抵抗体を駆動する半導体素子と、前記ヘッド基板の
    一部及び半導体素子を覆うカバーとを備えるサーマルヘ
    ッドにおいて、 前記カバーは、導電性材からなり、前記保護膜に接触す
    る接触片と、前記発熱抵抗体側に延在する内側部とを有
    し、このカバーが接地接続されたことを特徴とするサー
    マルヘッド。
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