JP5225699B2 - サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法及び印画装置 - Google Patents

サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法及び印画装置 Download PDF

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Description

本発明は、サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法及び印画装置に関し、特に、業務用や民生用の各種プリンタ機器に搭載されるサーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法及び、そのサーマルヘッドを搭載した印画装置に関する。
リライトプリンタ、カードプリンタ、ビデオプリンタ、バーコードプリンタ、ラベルプリンタ、ファクシミリ、券売機など各種の印画装置の感熱記録に用いられるサーマルヘッドがある。この種のサーマルヘッドでは、所定温度まで加熱することで、メディアに印字したり、印字された情報を消去したりする。より具体的には、サーマルヘッドは、直線的に設けられた単体もしくは複数の発熱抵抗体に、選択的に電位を与えて発熱させ、得られた熱エネルギによって反応するメディアに文字や絵を印刷もしくは印刷されているものを消去する。
ところで、従来のサーマルヘッドでは、保護層が印画用紙などのメディアによってこすられるために、保護層が帯電する。その帯電した静電気により、発熱体やボンディングパッド部が破壊されることがあり、そのような静電破壊を防止するために様々な技術が提案されている。例えば、保護膜(保護層)上に共通電極や個別電極と同一パターンの導電膜を設ける技術が開示されている(特許文献1参照)。また、保護膜表面にサーメット系の導電膜を設け、耐磨耗性と導電性を付与することを実現した技術がある(特許文献2参照)。さらに、保護膜上を導電膜で覆いかつ発熱体上の導電膜は除去することで、静電気破壊を防止しつつ、メディアとの摺接による導電膜の脱離ゴミを防止する技術がある。この導電膜は、パターニングによって回路基板からグランド電位に落とす構成になっている(特許文献3参照)。
特開平5−286154号公報 特開平10−034990号公報 特開2004−195947号公報
ところで、上記に開示の技術にあっては、導電膜を保護膜表面に設けただけであるので、メディアとの摺接により発生した静電気を摺接部以外に拡散させることができても、静電気を除去しているわけでは無い。従って、残留する静電気により静電破壊が発生するおそれが依然として残っており、特にボンディングパット部の破壊に対しては十分な対応とはいえない。一般には、印字速度が高速になるにつれて帯電する静電気が増えるため、十分に静電気を逃すことができないこともあり、別の技術の導入が要望されていた。また、例えば、特許文献3に開示されているように、導電膜を接地する技術では、導電膜とグランド電極とを電気的に接続するために、導電膜のパターニング等が必要であり、コストや歩留の観点で採用しづらく別の技術が求められていた。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、保護層の帯電した静電気によるボンディングパッド部での静電破壊が発生しない信頼性の高いサーマルヘッドとそのサーマルヘッドの製造方法及び印画装置を提供することにある。
発明のある態様は、サーマルヘッドに関する。このサーマルヘッドは、基板に設けられ
た発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電力を印加するための配線パターンと、前記配線パタ
ーン及び前記発熱抵抗体上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された保護層と、
前記配線パターンの一部であって前記絶縁層から露出したボンディングパッド部を有する
サーマルヘッドであって、前記保護層の端部から前記ボンディングパッド部までの距離は
、90μmより大きく、前記保護層の表面抵抗は1×10 11 Ω/□以下である。
また、前記保護層は、前記基板が固定される金属製のマウントと電気的に接続されても
よい。
本発明の別の態様は、印画装置に関する。この印画装置は、上記のサーマルヘッドを用
いている。
本発明の別の態様は、サーマルヘッドの製造方法に関する。この製造方法は、基板に発
熱抵抗体を形成する工程と、前記発熱抵抗体に電力を印加するための配線パターンをボン
ディングバッド部とともに形成する工程と、前記配線パターンとボンディングパッド部を
絶縁層で覆う工程と、前記ボンディングパッド部を覆う絶縁層を除去する工程と、前記ボ
ンディングパット部との距離が90μm以上離間するように、前記発熱抵抗体を保護層で
覆う保護層被覆工程と、を含み、前記保護層の表面抵抗は1×10 11 Ω/□以下である。
本発明によれば、保護層とボンディングパット部とが所定距離以上離間しているので、保護層の帯電した静電気によるボンディングパッド部での静電破壊が発生しない信頼性の高いサーマルヘッドとそのサーマルヘッドの製造方法及び印画装置を提供できる。
発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)では、サーマルヘッドの保護層に発生した静電気がボンディングパット部に落ちないようにするために、保護層の端部から、ボンディングパット部までの距離を所定以上離間させる。以下の実施形態で具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るサーマルヘッドを搭載した印画装置10の概略図である。図1に示す印画装置10は、六面体状のケーシング11を有しており、ケーシング11の前面には、液晶の表示パネル12、入力キー13及び排紙口14が設けられている。また、ケーシング11内には感熱紙15がロール状に巻き取られた形で収納されており、感熱紙15の先端部は複数本の搬送ローラ16に支持されて排紙口14の手前に位置決めされている。さらに、ケーシング11内にはサーマルヘッドを実装するサーマルヘッドユニット20が感熱紙15の上側に位置決めされて組み込まれている。そのサーマルヘッドユニット20は、感熱紙15を加熱して発色させることにより、文字や画像等のイメージを感熱紙15に印刷する。印刷後の感熱紙15は、排紙口14から排出される。
図2は、サーマルヘッドユニット20を下面側からみた平面図、図3は、図2のサーマルヘッドユニット20のA−A線断面図である。図2及び図3に示すように、サーマルヘッドユニット20は、アルミニウムなどの金属製のマウント21を備えている。マウント21の上面側には、ヒートシンク22及びコネクタ23が取り付けられている。マウント21の下面側には、複数の発熱抵抗体24を有する基板25と集積回路(IC)26が取り付けられている。詳細は図6にて後述するが、基板25上には、発熱抵抗体24に接続された配線パターン27とボンディングパッド部52が設けられている。そして、発熱抵抗体24と配線パターン27は絶縁層50で覆われ、その絶縁層50は、一部は保護層51で覆われ、一部は樹脂層53で覆われている。配線パターン27と集積回路26は、集積回路26の端子とボンディングパッド部52にボンディングワイヤ28を接続することによって電気的に接続されている。
集積回路26とボンディングワイヤ28を保護するためにエポキシ樹脂など硬質樹脂で形成された保護樹脂29により両者を覆っている。また、基板25とマウント21には、メディアと保護樹脂29との干渉を防止するための段差30が設けられている。保護樹脂29は、段差30にまたがるように覆われている。また、マウント21上には、ICカバー31がねじ32によって取り付けられている。なお、図2と図3には、2点鎖線により、感熱紙15を示しており、図3のローラ2によりガイドされる。また、ローラ3によって感熱紙15は、サーマルヘッドに押し当てられ、発熱抵抗体24からの熱により文字や画像等のイメージが感熱紙15に印刷される。
図4は、ICカバー31を取り外して示したマウント21の一部と基板25を下部から見た平面図であり、一部省略して示している。
図4に示すように、基板25上の配線パターン27には、複数の個別電極40及び共通電極41が含まれ、それぞれが交互に副走査方向に対し平行に並設されるように形成されている。なお、1本の共通電極41に対して、個別電極40は2本の割合で設けられている。言い換えれば、共通電極41の両側に個別電極40が形成されるパターンが連続している構成となっている。
これらの個別電極40及び共通電極41は、導電膜形成工程や露光工程(パターンニング)等を経て形成される。ここで、個別電極40は、膜厚が例えば0.2〜1μm程度であり、線幅が例えば30〜70μm程度であるように形成することができる。また、共通電極41は、膜厚が例えば0.2〜1μm程度であり、線幅が例えば30〜70μm程度であるように形成することができる。
また、各個別電極40の基端には、マウント21上に配置された集積回路26のリード端子42に接続される電極パッド43を有するボンディングパッド部52が形成されている。また、各共通電極41の基端には、主走査方向に沿って設けられた共通電極部41Aが形成されている。リード端子42と電極パッド43は、ボンディングワイヤ28で接続されている。また、発熱抵抗体24と配線パターン27は、絶縁層50(図6参照)で覆われ、さらに、絶縁層50の一部は保護層51で覆われ、一部は樹脂層53で覆われている。絶縁層50は、SiO2やSiON等からなり、保護層51は、SiBPなどからなっている。樹脂層53は、エポキシ系や感光性の樹脂からなっている。
また、各個別電極40及び共通電極41の先端部側には、発熱抵抗体24が互いに絶縁された状態で主走査方向に沿って形成されている。ここで、発熱抵抗体24は、膜厚が例えば0.1〜0.6μm程度であり、副走査方向における線幅が例えば30〜200μm程度であるように露出している。
図5は、図4のB部を拡大した図である。ここで、個別電極40を説明の便宜上、図示右側から第1〜第4の個別電極40−1〜40−4と称し、同様に、発熱抵抗体24を右側から第1〜第8の発熱抵抗体24−1〜24−8と称し、共通電極41を右側から第1及び第2の共通電極41−1,41−2と称し、電極47を右側から第1〜第4の電極47−1〜47−4と称する。なお、図6以降の説明では電極47を配線パターン47ともいう。
まず、第1の個別電極40−1は、第1の発熱抵抗体24−1の一方の端部(図示下側の端部)に接続されている。第1の発熱抵抗体24−1の他方の端部(図示上側の端部)は、第1の電極47−1に接続されている。また、第2の発熱抵抗体24−2の一方の端部は第1の電極47−1に接続されており、他方の端部は、第1の共通電極41−1に接続されている。さらに、第1の共通電極41−1は、第3の発熱抵抗体24−3の一方の端部に接続されている。第3の発熱抵抗体24−3の他方の端部は、第2の電極47−2に接続されている。また、発熱抵抗体24−4の一方の端部は第2の電極47−2に接続されており、他方の端部は、第2の個別電極40−2に接続されている。第3の個別電極40−3は、第5の発熱抵抗体24−5の一方の端部に接続されている。第5の発熱抵抗体24−5の他方の端部は、第3の電極47−3に接続されている。また、第6の発熱抵抗体24−6の一方の端部は第3の電極47−3に接続されており、他方の端部は、第2の共通電極41−2に接続されている。さらに、第2の共通電極41−2は、第7の発熱抵抗体24−7の一方の端部に接続されている。第7の発熱抵抗体24−7の他方の端部は、第4の電極47−4に接続されている。また、第8の発熱抵抗体24−8の一方の端部は第4の電極47−4に接続されており、他方の端部は、第4の個別電極40−4に接続されている。第1の発熱抵抗体24−1と第2の24−2、第3の発熱抵抗体24−3と第4の発熱抵抗体24−4、第5の発熱抵抗体24−5と第6の発熱抵抗体24−6、第7の発熱抵抗体24−7と第8の発熱抵抗体24−8とが、それぞれ1組で1ドットを構成している。このような形態の共通電極を一般的にはUターンコモン電極と言う。
図5で示す構成で、例えば、第1の個別電極40−1と第1の共通電極41−1に電圧が印加されたとき、第1の個別電極40−1と第1の発熱抵抗体24−1と第1の電極47−1と第2の発熱抵抗体24−2と第1の共通電極41−1を通して電流が流れる。それにより、第1の発熱抵抗体24−1と第2の発熱抵抗体24−2が発熱する。
図6(a)は、図4のC−C線断面図であり、図6(b)及び(c)は変形例を示している。まず、図6(a)に示すように、マウント21に接着された基板25上にグレーズ48が形成されている。グレーズ48の上には、発熱抵抗体24が、グレーズ48の長さ方向(図6の紙面に垂直方向)に、所定の間隔で離散的に配列されるように形成されている。また、サーマルヘッドの長さ方向(図6の紙面に垂直方向)に、所定の間隔で離散的に配列されて形成され、かつ、発熱抵抗体24の一部領域が露出するように導電層を除去することにより形成された配線パターン27,47と、ボンディングパッド部52とを備えている。発熱抵抗体24と配線パターン27,47は絶縁層50で覆われ、絶縁層50の一部は保護層51で覆われている。
また、保護層51の表面抵抗は、静電気除去の効果を得るために1×1011Ω/□以下であることが好ましい。なおここでは、保護層51と電極層である配線パターン47とが接触することを避けるために、配線パターン47の左端を除去したような構成として、その部分に絶縁層50を形成している。そして、絶縁層50上に保護層51が形成されていない領域において、保護層51の端部51Xからボンディングパッド部52の保護層51側の端部52Xまでの距離Lは、以下に説明するように所定より大きく設定されている。
図7に、上記距離Lと静電腐蝕(破壊)発生頻度の関係についての実験結果を示す。
実験条件は以下の通りである。
絶縁層50: 材料・・・SiON 膜厚・・・1μm(保護層51形成領域)
保護層51: 材料・・・SiBP 膜厚・・・7μm
表面抵抗・・・9×109Ω/□
評価方法:印画中の保護層51の帯電状態を再現するために、保護層51に一定電圧(DC300V)を印加して擬似的に帯電させ、発熱ドットを通常条件で駆動させて、ボンディングパッド部52における静電腐蝕発生率(以下、単に「発生率」という)を測定した。
実験結果に示すように、距離Lが0μmのとき、発生率は9.5%であった。距離Lが10〜20μmとしたとき発生率は概ね半減して5.1%となり、距離Lが50〜60μmのとしたとき発生率は1.2%であった。また、距離Lが90〜100μmのとき発生率は、0.0%となった。
以上の結果から、絶縁層50上に保護層51が形成されていない領域において、保護層51の端部51Xからボンディングパッド部52の保護層51側の端部52Xまでの距離Lは、10μmより大きくすることが好ましく、50μmより大きいことがより好ましく、90μmより大きいことがさらに好ましい。
また、変形例のサーマルヘッドにあっては、図6(b)や(c)に示すように、保護層51(51a)は、基板25の前方壁25a(図示において左側)を覆っている。特に図6(c)では、保護層51(51a)が、基板25の裏面25bまで達するように連続して形成され、基板25の裏面25bまで達した保護層51(51a)と金属製のマウント21と導電接着剤55などで基板25が接着されることで金属製のマウント21と電気的に接続されている。また、マウント21は、符号54で示すようにアースされている。また、マウント21と回り込んだ保護層51(51a)との電気的接続を向上させるために、図示の領域Xに示す部分に導電性接着剤などの導電材料が設けられてもよい。そしてこの構成の場合、マウント21と基板25との接着に導電性接着材55でなく一般的な接着剤が用いられてもよい。これら変形例の構成にあっては、保護層51に帯電した静電気は、マウント21を介してアース電位に引き抜かれるため、少なくなっている。したがって、上記の距離Lを満たすように、保護層51、絶縁層50及びボンディングパッド部52が形成されていれば、図6(a)のサーマルヘッドと同等以上に静電腐蝕を低減できる。
以上のように、本実施形態に係るサーマルヘッドは、保護層51とボンディングパッド部52との間には適当な距離が取られているので、保護層51とボンディングパッド部52との静電破壊が発生しない。それにより、信頼性の高いサーマルヘッドと印画装置を得ることができる。
次に、本発明の実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を図8及び図9に基づいて説明する。なお、ここでは図6(a)に示したサーマルヘッドについて主に説明する。
図8は、本実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を示す工程図である。また、図9は、各工程における基板25上に形成されるサーマルヘッドの断面図である。
まず、ステップS11は、発熱抵抗体形成工程である。図9(a)に示すように、基板25上にスクリーン印刷等によりグレーズ48が形成され、グレーズ48の上には、発熱抵抗体24が、真空蒸着やCVD(化学気相成長法)、スパッタリング等の薄膜形成技術を用いて形成される。例えば、LP−CVD(減圧CVD)法などにより、グレーズ48上に、ポリシリコンの発熱抵抗体24が成膜される。つづいて、成膜された発熱抵抗体24が、フォトリソグラフィーとエッチングにより、グレーズ48の長さ方向(図9の紙面に垂直方向)に所定の間隔で離散的に配列されて形成される。
つぎに、ステップS12は、配線パターン27,47を形成する配線形成工程である。まず、基板25の発熱抵抗体24上の全面に、アルミニウム又はアルミニウム合金の導電層(これをエッチングして配線パターン27,47とする)が形成される。導電層は、スパッタリング等の薄膜形成技術により形成されてもよいし、スクリーン印刷工法により形成されてもよい。つづいて、導電層はフォトリソグラフィーとエッチングによって所望の領域にパターニングされる。具体的には、図4で示したように、導電層はサーマルヘッドの長さ方向(主走査方向)に、所定の間隔で離散的に配列されて形成され、かつ、発熱抵抗体24の一部領域が露出するように除去されて、図9(b)に示すような、配線パターン27,47が形成される。なお、配線パターン27の図9(b)右側の所定の部分が後述の工程においてボンディングパット部52となる(例えば、図6や図9(f)参照)。
つづいて、ステップS13は、絶縁層被覆基板形成工程である。図9(c)に示すように、配線パターン27,47が絶縁層50で覆われて、絶縁層被覆基板60が形成される。より具体的には、発熱抵抗体24と配線パターン27,47の上にSiO2等の無機物質をスパッタリング等により堆積し絶縁層50が形成される。
そして、ステップS14は、保護層形成工程である。図9(d)に示すように、絶縁層被覆基板60は、発熱抵抗体52側の絶縁層50で覆う部分が露出するようにマスク61がなされ、絶縁層被覆基板60に保護層51が堆積される。そして、絶縁層被覆基板60にマスク61がなされた状態で、プラズマCVD等の薄膜形成方法によって、シラン、ジボラン、ホスフィンを原料ガスとして約400℃においてSiBP膜が保護層51として形成される。図9(e)は、マスク61を取り除いた状態を示している。
なお、図6(b)の変形例に示した構成では、保護層51の原料ガスが回り込むようにして、保護層51が基板25の前方壁25aを覆うように形成される。また、図6(c)の変形例に示した構成では、基板25の裏面25bまで達するように保護層51が連続して形成される。このとき、原料ガスが、絶縁層被覆基板60の裏面に確実に回り込んで成膜されるように、絶縁層被覆基板60がある程度傾けられてもよい。
ステップS15は、エッチング工程であり、図9(f)に示すように、ボンディングパッド部52を覆う絶縁層50bがドライエッチングされて、配線パターン27の一部(図示では右側端部)がボンディングパッド部52として露出される。エッチングガスとして、例えばCHF3とO2が用いられる。上述したように、保護層51の端部51Xからボンディングパッド部52の保護層51側の端部52Xまでの距離Lが、好ましくは10μmより大きく、より好ましくは50μmより大きく、さらに好ましくは90μmより大きくなるように、ボンディングパッド部52が露出される。
そして、ステップS16は、樹脂層形成工程であり、図9(g)に示すように、絶縁層50は、保護層51の端部51Xからボンディングパッド部52側の端部52X近傍まで樹脂層53で覆われる。そして、適当な温度で加熱され樹脂層53が硬化される。
ステップS17のマウント接着工程であり、マウント21上に、基板25が導電性接着剤55などで取り付けられて、図6(a)〜(c)に示した構成となる。さらに、図3に示したように、マウント21上に集積回路26が配置され固定される。その後、発熱抵抗体24と集積回路26とがボンディングワイヤ28で電気的に接続され、集積回路26とボンディングワイヤ28が覆われるようにエポキシ樹脂(保護樹脂)29が塗布されて、この状態で、エポキシ樹脂(保護樹脂)29が硬化される。
ここで、サーマルヘッドの製造作業が終了し、図6(a)〜(c)で示したサーマルヘッドが完成する。なお、製造効率を考えた場合には、保護層51を堆積するときに、複数の基板を重ねて行うことができる。この場合には直ぐ上の基板がマスクの働きをする。
なお、図6(b)及び(c)の変形例では、保護膜51で基板25の前方壁25aが覆われたが、保護層51で基板25の側壁(図示せず)が覆われてもよい。また、基板25の前方壁25aと側壁との両方が保護層51で覆われてもよい。
また、本実施形態では、印刷用のサーマルヘッドで説明し、複数の発熱抵抗体を備えている場合について示したが、このほかに、単一の発熱抵抗体からなる消去用サーマルヘッドにも用いることができる。
以上の実施形態で説明された構成、配置関係等については本発明が理解・実施できる程度に例示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、業務用や民生用の各種プリンタ機器に搭載されるサーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法及び、サーマルヘッドを搭載した印画装置に広く利用できる。
本発明の実施形態に係る印画装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る印画装置のサーマルヘッドユニットを示す平面図である。 本発明の実施形態に係る印画装置のサーマルヘッドユニットを示す側面図であり、特に図2のサーマルヘッドユニットのA−A線断面図である。 本発明の実施形態に係るサーマルヘッドを模式的に示す平面図である。 本発明の実施形態に係るサーマルヘッドに関して、図4のB部を拡大した図である。 本発明の実施形態に係るサーマルヘッドに関して、(a)は図4のC−C線断面図であり、(b)及び(c)は変形例の断面図である。 本発明の実施形態に係るサーマルヘッドに関して、保護層の端部からボンディングパッド部の保護層側の端部までの距離Lと静電腐蝕の発生頻度に関する実験結果を示す表である。 本発明の実施形態に係るサーマルヘッドの製造方法を示す工程図である。 本発明の実施形態に係るサーマルヘッドの製造工程における基板上に形成されるサーマルヘッドの断面図である。
符号の説明
10 印画装置
11 ケーシング
12 表示パネル
13 入力キー
14 排紙口
15 感熱紙
16 搬送ローラ
20 サーマルヘッドユニット
21 マウント
22 ヒートシンク
23 コネクタ
24 発熱抵抗体
25 基板
26 集積回路(IC)
27 配線パターン
28 ボンディングワイヤ
29 保護樹脂
30 段差
31 ICカバー
40 個別電極
41 共通電極
50 絶縁層
51 保護層
52 ボンディングパッド部
53 樹脂層
60 絶縁層被覆基板

Claims (4)

  1. 基板に設けられた発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に電力を印加するための配線パターンと、前記配線パターン及び前記発熱抵抗体上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された保護層と、前記配線パターンの一部であって前記絶縁層から露出したボンディングパッド部を有するサーマルヘッドであって、
    前記保護層の端部から前記ボンディングパッド部までの距離は、90μmより大きく、
    前記保護層の表面抵抗は1×10 11 Ω/□以下であることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記保護層は、前記基板が固定される金属製のマウントと電気的に接続されていること
    を特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 請求項1または2に記載のサーマルヘッドを用いたことを特徴とする印画装置。
  4. 基板に発熱抵抗体を形成する工程と、
    前記発熱抵抗体に電力を印加するための配線パターンをボンディングパット部とともに形成する工程と、
    前記配線パターンとボンディングパッド部を絶縁層で覆う工程と、
    前記ボンディングパッド部を覆う絶縁層を除去する工程と、
    前記ボンディングパット部との距離が90μm以上離間するように、前記発熱抵抗体を保護層で覆う保護層被覆工程と、
    を含み、
    前記保護層の表面抵抗は1×10 11 Ω/□以下である
    ことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
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