JP2741743B2 - 二酸化炭素の高温分離法 - Google Patents

二酸化炭素の高温分離法

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JP2741743B2
JP2741743B2 JP6308311A JP30831194A JP2741743B2 JP 2741743 B2 JP2741743 B2 JP 2741743B2 JP 6308311 A JP6308311 A JP 6308311A JP 30831194 A JP30831194 A JP 30831194A JP 2741743 B2 JP2741743 B2 JP 2741743B2
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憲司 鈴木
達郎 堀内
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼ガスとして排出さ
れる高温状態の燃焼排出ガスから、該燃焼排ガスを冷却
することなく高温のままで二酸化炭素等の特定ガス成分
を分離、回収する方法に関する。高温のままで分離、回
収された二酸化炭素等の特定ガス成分は、該特定ガス成
分の有する顕熱をそのまま触媒反応等に利用して熱エネ
ルギーのロスを伴うことなく化学変換反応に供すること
が可能であり、これにより、該特定ガス成分を効率良く
有用な種々の有機物質等に変換することが可能であり、
燃焼排ガス中の二酸化炭素等の特定ガス成分を低コスト
で再資源化することができる。
【0002】
【従来の技術】最近、異常気象は地球的規模で生じてい
るが、その代表的な現象である地球温暖化現象は人類の
生存を危うくする正しく地球的規模の環境問題である。
温暖化の原因物質として最も注目されているのが二酸化
炭素であり、現状のまま二酸化炭素が排出され続けるな
らば人類の生存にとって将来重要な問題となることが多
くの専門家により指摘されている。
【0003】すなわち、近年、科学技術の進歩に伴い世
界の人口は増加し、生活水準も著しく向上した。人々の
要求を満足させるために消費されるエネルギーは膨大な
ものとなり、各種の地球規模での環境問題を引き起こし
ている。その中でも大きな問題となっているものの一つ
に地球温暖化現象がある。地球温暖化の主要原因物質と
して注目されているのが二酸化炭素であり、化石燃料の
消費が現状のまま増加し続けると仮定すると排出される
二酸化炭素の影響だけでも地球の平均気温が今後30〜
60年の間に1〜5℃上昇すると予測されている(進藤
勇治編、「地球を包む大気」p.99、オーム社、19
93年)。この温度上昇により、南極やグリーンランド
の氷床やアルプスの氷河などの融解による海面の上昇、
急激な温暖化速度による生態系の破壊、大暴風雨などの
異常気象の発生などが考えられ、人類を含む全生物の生
存に重大な危機をもたらすおそれが指摘されている。
【0004】したがって、二酸化炭素排出の抑制は人類
にとって極めて重大かつ緊急な問題である。原子力エネ
ルギー、太陽エネルギー、水素燃料など二酸化炭素を排
出しない代替エネルギーの利用の拡大は、長期的には重
要な解決策となり得るが、緊急の要にはほどんど役に立
たない。今後50〜60年の間の緊急の解決策としては
化石燃料の使用により発生する二酸化炭素を分離、回収
するしかない。また、回収した大量の二酸化炭素をどの
ように処理するかも大きな課題である。
【0005】問題の解決には二酸化炭素の排出量を規制
することが重要であるが、エネルギー源を化石燃料に求
める限り二酸化炭素の発生を無くすことは出来ない。し
たがって、化石燃料を燃やすことにより発生する二酸化
炭素を分離、回収した後、再資源化することが重要にな
る。今日考えられる再資源化は、二酸化炭素を一酸化炭
素に還元したり、メタノールや酢酸、エチレングリコー
ル等に変換することである。
【0006】ところで、従来、混合ガスから二酸化炭素
を分離、回収する方法としては、ガス吸収法、深冷分離
法(蒸留法)、ガス吸着法(圧力スイング吸着法および
温度スイング吸着法)、膜分離法などが知られている
(川井利長編、「炭酸ガス回収技術」p.22、株式会
社NTS、1991年、進藤勇治編、「地球を包む大
気」p.115、オーム社、1993年)。このうち、
ガス吸収法は、二酸化炭素を選択的に吸収することので
きる吸収液に低温で混合ガスを接触させて二酸化炭素を
選択的に吸収させ、次いでその溶液を加熱して二酸化炭
素を気化させて分離する方法である。また、深冷分離法
(蒸留法)は、混合ガスを圧縮冷却して液化し、次いで
その液体混合物を分別蒸留して二酸化炭素を分離する方
法である。また、ガス吸着法のうちの圧力スイング吸着
法(PSA法)は、活性炭やモレキュラーシーブなどの
吸着剤に加圧状態で混合ガスを接触させて二酸化炭素を
選択的に吸着させ、次いで減圧状態にして、吸着されて
いた二酸化炭素を脱着させて分離する方法であり、温度
スイング吸着法(TSA法)は、同様の吸着剤に常温あ
るいは低温の状態で混合ガスを接触させて二酸化炭素を
選択的に吸着させ、次いで温度を上昇させて、吸着され
ていた二酸化炭素を脱着させて分離する方法である。ま
た、膜分離法は、二酸化炭素を選択的に透過させる膜の
前後に圧力差をつけて混合ガスを通過させて二酸化炭素
を分離する方法である。
【0007】これらのうち、従来、混合ガスからガス成
分を回収する標準的な方法として知られている、圧力ス
イング吸着法(PSA法)と温度スイング吸着法(TS
A法)について更に説明すると、前者のPSA法は、高
圧で被吸着成分を吸着剤に吸着させた後、吸着系の圧力
を常圧以下に下げることによって吸着剤に吸着されてい
る被吸着成分を脱離させ、被吸着成分を分離する方法で
あり、一般に、吸着塔において、昇圧、吸着、洗浄、脱
気の一連の操作をサイクリックに行うことによって連続
的に分離、回収が行われており、該PSA法は、種々の
分野で利用されている。しかしながら、一般に、PSA
法は、加圧工程におけるエネルギーコストが大きいとい
う難点があり、また、吸着工程においては、設備コスト
や吸着剤コストが大きくなるという不利がある。
【0008】一方、後者のTSA法は、低温で被吸着成
分を吸着剤に吸着させた後、吸着系の温度を上げること
によって被吸着成分を脱離させ、分離、回収する方法で
あり、種々の分野で利用されているが、吸着剤の再生を
スチームなどを利用して行うため、再生工程におけるエ
ネルギーコストが大きくなる上、高温と常温の切り換え
に時間がかかり、かつ大型の加熱設備が必要になるとい
う不利がある。
【0009】このように、上記の標準的なPSA法やT
SA法は、種々の混合ガスから特定のガス成分を分離、
回収する方法として、汎用性の高い技術ではあるもの
の、例えば低品位の燃焼廃ガスなどから特定のガス成分
を回収する方法としては、コストの面で適用し難く、従
って、従来、当業界においては、低品位ガスなどから特
定ガス成分を効率良く回収することが可能な新しい技術
を開発することが強く求められている実情にあった。
【0010】このような実情の中で、従来、廃ガスから
特定のガス成分を回収する方法として、種々の技術が開
発されており、例えば、廃ガス中の有価成分の回収方法
として、フアーネス式ポンプラック製造設備のカーボン
ブラックを除去した後の廃ガスの処理において、該廃ガ
スを冷却し昇圧した後、廃ガス中の炭酸ガス及び一酸化
炭素を夫々好適の溶剤(吸収液)により吸収回収した
後、吸着法又は深冷法により該廃ガス中の水素ガスを分
離回収することを特徴とする廃ガス中の有価成分の回収
方法(特開昭57−27902号公報)、が提案されて
いる。しかしながら、該方法は、廃ガス中の炭酸ガス及
び一酸化炭素を吸収液により吸収し、回収するものであ
り、特に、炭酸ガスの吸収方法として、一般に使用され
ているエタノールアミンの水溶液又は炭酸カリの水溶液
を吸収液として用いるアルカリ溶液循環式の脱炭酸ガス
法を利用するものである。
【0011】また、燃焼廃ガスからCO2 、Ar及びN
2 を製造する方法として、低空気比バーナーから排出さ
れる実質的に酸素を含有しない燃焼廃ガスから第1のプ
レッシャー スイング アドソープション(圧力スイン
グ吸着)工程においてCO2を選択的に吸着、分離し、
第2のプレッシャー スイング アドソープション(圧
力スイング吸着)工程においてN2 又はArを選択的に
吸着、分離し、残余のAr又はN2 を回収することを特
徴とする燃焼廃ガスからCO2 、Ar及びN2を製造す
る方法(特開昭63−147805号公報)、が提案さ
れている。しかしながら、該方法は、吸着剤としてカー
ボンモレキュラーシーブ、合成ゼオライト、活性アルミ
ナ、シリカゲル等を使用して、極低温のPSA法によ
り、CO2を選択的に吸着分離して、回収することを特
徴とするものである。
【0012】更に、混合ガスからの特定ガス成分の回収
方法として、圧力変動式吸着分離法(圧力スイング吸着
法、PSA法)により、燃焼廃ガスからCO2 等の特定
ガス成分を回収する方法(特開平1−180218号公
報)、が提案されている。しかしながら、該方法は、特
定ガス成分の分圧が高められたガスを低温常圧で供給
し、該特定ガス成分をクリノブチロライト系吸着剤に吸
着させたものを減圧下に脱離させ、回収すると共に、各
工程をサイクリックに行うことを特徴とするものであ
る。
【0013】このように、従来、廃ガスから特定のガス
成分を分離、回収する方法が種々提案されているもの
の、これらの分離方法は、いずれも高温の排出ガスを一
旦冷却してから分離操作を行う方法であり、高温のまま
で分離操作を行う方法はこれまで知られていない。即
ち、二酸化炭素等の特定ガス成分の高温分離は、上記の
いずれの方法を用いても、今日の技術レベルでは不可能
とされていた。
【0014】しかるに、分離、回収した大量の二酸化炭
素の処理については、緊急に大量処理することを主眼と
して、地中隔離や海中貯留などが検討されている。しか
し、それとは別個に、未利用資源の有効利用の観点から
二酸化炭素や一酸化炭素、メタンなどのC1 化合物を有
用なメタノールや酢酸、エチレングリコールなどに変換
する方法が検討されている。また、さらに利用価値の高
いより炭素数の多い有機化合物への変換も併せて検討さ
れており、これらの技術が確立されれば二酸化炭素の大
規模な再資源化が可能となる。そのうえ、これらの変換
反応は、熱エネルギーを必要とする触媒反応によって実
施される。排出ガスからの二酸化炭素の分離、回収操作
を高温のままで行うことができれば二酸化炭素の持つ熱
エネルギーをそのまま変換反応の熱エネルギーとして利
用でき省エネルギーの観点からも望ましい。
【0015】このように、二酸化炭素の再資源化は、熱
エネルギーを必要とする触媒反応で実施される。二酸化
炭素を高温のままで分離、回収できるならば、二酸化炭
素の有する顕熱を触媒反応に利用することにより触媒反
応時に供給すべき熱エネルギーを減らすことが出来る。
このことは、さらなる二酸化炭素の発生防止になる。以
上の理由により、二酸化炭素を冷やすことなく高温のま
まで分離、回収することのできる材料及びシステムの開
発が望まれている状況にあった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、以上のような考えのもと、本発明者らは、燃焼ガス
として排出された高温の排出ガスから二酸化炭素等の特
定ガス成分を高温のまま分離、回収する方法について種
々研究した結果、高温の排出ガスを、高温に保持した耐
熱性の細長い円筒形の容器の中に充填したマグネシア
(MgO)等の表面塩基性を示す無機固体物質の粉末あ
るいは微粒子の上を通過させることにより二酸化炭素等
の特定ガス成分を高温のまま分離することができること
を見いだし、本発明を完成した。
【0017】すなわち、本発明は、燃焼ガスとして排出
される高温の燃焼排ガスから高温のままで特定ガス成分
を分離、回収する方法を提供することを目的とするもの
である。
【0018】また、本発明は、高温の燃焼排ガス中の二
酸化炭素等の特定ガス成分を高温のままで分離、回収し
て、該特定ガス成分の有する顕熱をそのまま触媒反応等
に利用して熱エネルギーのロスを伴うことなく化学変換
反応に供して、該特定ガス成分を効率良く再資源化する
ことを可能とする高温の特定ガス成分の分離、回収方法
を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の第1の態様は、燃焼ガスとして排出される高
温の燃焼排ガスから特定ガス成分を分離、回収するに当
たり、該高温の燃焼排ガスをそのまま若しくは所定温度
に設定した後、マグネシア(MgO)を構成要素とする
表面塩基性を示す無機固体物質を含む吸着剤中を通過さ
せて、該特定ガス成分を表面塩基性を示す無機固体物
質に吸着させ、次いで、該表面塩基性を示す無機固体物
質に対する各特定ガス成分の吸着、脱離の時間(リテン
ションタイム)差により、各特定ガス成分を選択的に分
離し、回収することを特徴とする燃焼排ガス中の特定ガ
ス成分の回収方法、である。
【0020】また、本発明の他の態様は、所定温度が、
300〜800℃であることを特徴とする上記特定ガス
成分の回収方法、である。
【0021】また、本発明の他の態様は、特定ガス成分
が、二酸化炭素及び/又は窒素ガスであることを特徴と
する上記特定ガス成分の回収方法、である。
【0022】また、本発明の他の態様は、高温の燃焼排
ガスが、化石燃料を使用する工場あるいは内燃機関から
の排出ガスであることを特徴とする上記特定ガス成分の
回収方法、である。
【0023】続いて、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0024】本発明は、排ガス中の二酸化炭素を冷やす
ことなく、高温(好適には300〜800℃)のままで
分離、回収することのできる材料として、マグネシア
(MgO)等の特定の表面塩基性を示す無機固体物質を
見出したものである。二酸化炭素は酸性ガスとして知ら
れており、表面活性点として塩基性点を有する無機物質
(セラミックス)が求められていた。
【0025】本発明の基本原理は、吸着剤としてマグネ
シア(MgO)等の表面塩基性を示す無機固体物質を用
いることにある。二酸化炭素は、酸性物質であり、塩基
性を示す無機固体物質の表面に選択的に吸着され、脱離
されるものと考えられる。そして、この選択的吸着及び
脱離性が高温で発揮されていることを示している。
【0026】表面塩基性を示す無機固体物質としては、
マグネシア(MgO)以外にもLi2 O,Na2 O,K
2 O,Rb2 O,Cs2 O,BeO,CaO,SrO,
BaO,ZnO,Al2 3 ,Y2 3 ,La2 3
CeO2 ,ThO2 ,ZrO2 ,SnO2 ,アルカリ又
はアルカリ土類金属イオンで交換された各種ゼオライト
などがあり(触媒学会編、「触媒講座10、触媒各論」
p.51−63、講談社サイエンティフィック、198
6年)、これらの無機固体物質も、本発明の表面塩基性
を示す無機固体物質として使用することができる。
【0027】なお、排出ガスの平均組成は、石油火力発
電所からは、CO2 :10%、N2:75%、O2 :3
%、H2 O:12%であり、製鉄所の高炉からはC
2 :20%、N2 :46%、CO:20%、H2 :2
%、H2 O:12%である(進藤勇治編、「地球を包む
大気」p.109、オーム社、1993年)ので、排出
ガスからの二酸化炭素の分離、回収のためには、基本的
には、二酸化炭素と窒素ガスとが分離できるかどうかを
検討すればよい。
【0028】本発明で対象とされる燃焼ガスとして排出
される高温の燃焼排ガスは、化石燃料を使用する工場あ
るいは内燃機関からの燃焼排ガスが代表的なものとして
例示されるが、これに限らず、少なくとも二酸化炭素を
含んだ高温の排ガスないしそれと同等のものであればそ
の種類を問わず対象とされる。具体的には、例えば、電
気炉、転炉、高炉、発生炉、コークス炉などから得られ
るガス、燃焼ガス、各種反応ガス又はそれに副生するガ
ス、天然に存在又は産出されるガスなどが代表的なもの
としてあげられる。
【0029】高温状態で排出された高温の燃焼排ガス
は、所定の温度範囲(好適には300〜800℃)内の
ものであれば特に温度調整をすることなく、そのまま直
ちに吸着工程に送ることができるが、所定の温度範囲外
のものである場合は、予め温度調整して所定温度に設定
する。この場合、燃焼排ガスの温度を、300〜800
℃、好ましくは300〜500℃の温度に設定すること
が好適な温度条件としてあげられる。このような好適な
温度条件を達成するための温度調整手段は適宜のもので
よく、特に限定されるものではない。尚、300℃未満
の場合であっても、高温分離は可能であり、本発明を実
施することができる。
【0030】次に、高温の燃焼排ガスから二酸化炭素等
の特定排ガス成分を分離するために、高温の燃焼排ガス
をマグネシア(MgO)等の表面塩基性を示す無機固体
物質を含む吸着剤と接触させて上記特定ガス成分を該吸
着剤に吸着させ、各特定ガス成分がマグネシア(Mg
O)等の吸着剤中を吸着、脱離を繰り返しながら通過し
て行く時間(リテンションタイム)の差を利用して、各
特定ガス成分を分離する。上記マグネシア(MgO)等
の吸着剤は、例えば、両端に気体の流入口及び流出口を
有する耐熱性の細長い円筒形の容器等の中に粉末あるい
は微粒子の形態で充填して使用する方法が例示される
が、その使用形態、使用方法等は、特に限定されるもの
ではない。
【0031】本発明者らの知見によれば、後記する実施
例に示されるように、例えば、二酸化炭素と窒素ガスの
場合、300〜800℃の温度範囲においては、二酸化
炭素のリテンションタイムの方が長く、該リテンション
タイムの差を利用して、両者の高温分離が可能であるこ
とが判明した。また、上記吸着工程における高温の燃焼
排ガス中の特定ガス成分のリテンションタイムは、吸着
工程における該燃焼排ガスの流量の多少により異なり、
一般に、流量が多い程リテンションタイムが短くなる傾
向にあることから、流量を調節して、各特定成分のリテ
ンションタイムを調整するようにすればよい。
【0032】上記マグネシア(MgO)等の吸着剤に吸
着し、脱離した各特定成分ガスは、各特定成分ガスのリ
テンションタイムの差を利用して分離されるが、各特定
成分ガスについて好適な温度条件、流量及び流速条件等
を設定しておくことにより、該特定成分ガスを簡便に分
離することができる。
【0033】火力発電所や製鉄所などの大量固定発生
源、自動車や家庭などの小口分散発生源など個々の排出
ガス発生源にしたがって分離装置の大きさ、形、耐熱容
器の材料、温度保持装置の形態など様々の形態を取り得
るが、前記表面塩基性を示す無機固体物質を用いて高温
(好適には300〜800℃)で二酸化炭素と窒素ガス
とを分離することを基本とする本発明の分離、回収方法
は、前記形態の如何にかかわらず実施し得るものである
ことは云うまでもない。
【0034】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、下記の実施例は表面塩基性を示す無機固体物
質としてマグネシア(MgO)を用いて高温(300〜
800℃)で二酸化炭素と窒素ガスとが分離できること
を示すものであって本発明を限定するものではない。 実施例1 (1)二酸化炭素の高温分離評価法 二酸化炭素の高温分離評価装置の概要を図1に示す。内
径10mmφの石英ガラス製試料管に粉末状(粒度は規
定しなくてもよい。ガスが流れさえすれば問題ない。)
のMgOの1.00gを充填し、管状炉で所定の温度
(300〜800℃の任意の温度)に加熱した。キャリ
アガスとしてヘリウムを流しながら(本実験における流
量=30ml/min、流量の多少により二酸化炭素あ
るいは窒素のリテンションタイムは異なる。流量が多い
ほどリテンションタイムは短くなる。)圧力1kg/c
2 の二酸化炭素あるいは窒素を0.1mlパルスし、
二酸化炭素あるいは窒素がMgO中を吸着・脱離を繰り
返しながら通過して行く時間(リテンションタイム)を
ガスクロマトグラフィ(検出器=TCD)にて測定し
た。二酸化炭素あるいは窒素をパルスした時をゼロ秒
(リテンションタイムの測定開始時間)とした。試料温
度500℃のもとで得られたチャートの一例を図2に示
す。図2において、横軸は時間(分)、縦軸はMgOを
通過してガスクロマトグラフィで検出された二酸化炭素
あるいは窒素の脱離量である。図2から明らかなよう
に、二酸化炭素の脱離は、長時間を要し、また、窒素ガ
スの脱離は、短時間で終了することが、その特徴である
ことが示される。
【0035】(2)二酸化炭素と窒素の分離 図1に示した装置を用いて測定した。粉末状MgO
1.00gを石英ガラス製試料管に詰め、石英ウールで
試料の両端を押さえた。管状炉に設置し、キャリアーガ
スとしてヘリウムを30ml/min流しながら800
℃、2時間仮焼した。仮焼の目的は試料表面に吸着して
いる水を除去し、クリーンにすることと、試料に共存す
るMg(OH)2 をMgOにすることである。その後、
試料温度を希望の所定値(300〜800℃)にセット
した後、二酸化炭素あるいは窒素を0.1mlパルスし
た。得られたクロマトグラムから二酸化炭素あるいは窒
素のリテンションタイムを測定した。それぞれのリテン
ションタイムの差を求め、300〜800℃の全ての温
度で二酸化炭素の高温分離が可能であることが見出され
た。300℃未満のデータは無いが、当然分離可能であ
る。なお、リテンションタイムの差が大きいほど二酸化
炭素と窒素の分離は容易であり、特に、300〜800
℃の温度範囲において、二酸化炭素と窒素ガスが好適に
分離できることが分かる。試料温度とリテンションタイ
ムを表1にまとめて示す。
【0036】
【表1】 試料温度/℃ リテンションタイム/秒 二酸化炭素 窒素 差 300 120 68 52 400 120 68 52 500 150 63 87 600 86 61 25 700 68 58 10 800 61 56 5
【0037】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、燃焼ガ
スとして排出される高温の燃焼排ガスから特定ガス成分
を分離、回収するに当たり、該高温の燃焼排ガスをその
まま若しくは所定温度に設定した後、マグネシア(Mg
O)を構成要素とする表面塩基性を示す無機固体物質を
含む吸着剤中を通過させて、該特定ガス成分を表面塩
基性を示す無機固体物質に吸着させ、次いで、該表面塩
基性を示す無機固体物質に対する各特定ガス成分の吸
着、脱離の時間(リテンションタイム)差により、各特
定ガス成分を選択的に分離し、回収することを特徴とす
る燃焼排ガス中の特定ガス成分の回収方法に関するもの
であり、本発明によれば、高温の燃焼排ガスとして排出
される排ガス中の二酸化炭素等の特定ガス成分を冷やす
ことなく、高温(好適には300〜800℃)のままで
分離、回収することができる。また、分離、回収した二
酸化炭素等の特定ガス成分の有する顕熱を触媒反応に利
用することにより該特定ガス成分を効率良く、かつ低コ
ストで再資源化することができる。さらに、触媒反応時
に供給すべき熱エネルギーを減らすことができるので、
さらなる二酸化炭素の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二酸化炭素の高温分離評価装置の概要図を示
す。
【図2】本発明の実施例1におけるクロマトグラフィー
によるリテンションタイムの測定結果を示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼ガスとして排出される高温の燃焼排
    ガスから二酸化炭素及び/又は窒素ガスを含む特定ガス
    成分を分離、回収するに当たり、該高温の燃焼排ガスを
    そのまま若しくは300〜800℃の所定温度に設定し
    た後、マグネシア(MgO)を構成要素とする表面塩基
    性を示す無機固体物質を含む吸着剤中を通過させて、該
    特定ガス成分を表面塩基性を示す無機固体物質に吸着
    させ、次いで、該表面塩基性を示す無機固体物質に対す
    る各特定ガス成分の吸着、脱離の時間(リテンションタ
    イム)差により、各特定ガス成分を上記高温のままで選
    択的に分離し、回収することを特徴とする燃焼排ガス中
    の二酸化炭素及び/又は窒素ガスを含む特定ガス成分の
    回収方法。
  2. 【請求項2】 所定温度が、300〜500℃であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の特定ガス成分の回収方
    法。
  3. 【請求項3】 特定ガス成分が、二酸化炭素及び/又は
    窒素ガスであることを特徴とする請求項1記載の特定ガ
    ス成分の回収方法。
  4. 【請求項4】 高温の燃焼排ガスが、化石燃料を使用す
    る工場あるいは内燃機関からの排出ガスであることを特
    徴とする請求項1記載の特定ガス成分の回収方法。
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