JPH10137533A - 燃焼排ガス中の特定ガス成分の回収方法 - Google Patents

燃焼排ガス中の特定ガス成分の回収方法

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JPH10137533A
JPH10137533A JP8312821A JP31282196A JPH10137533A JP H10137533 A JPH10137533 A JP H10137533A JP 8312821 A JP8312821 A JP 8312821A JP 31282196 A JP31282196 A JP 31282196A JP H10137533 A JPH10137533 A JP H10137533A
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carbon dioxide
temperature
gas
adsorbed
desorption
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JP8312821A
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English (en)
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Kenji Suzuki
憲司 鈴木
Toyohiko Sugiyama
豊彦 杉山
Hiroyuki Masuda
浩之 増田
Toshihiko Ozaki
利彦 尾崎
Tatsuro Horiuchi
達郎 堀内
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面塩基性を示すセラミックスを用いた二酸
化炭素の高温分離法を提供する。 【解決手段】 燃焼ガスとして排出される高温の燃焼排
ガスから特定ガス成分(二酸化炭素)を分離、回収する
に当たり、該高温の燃焼排ガスをそのまま若しくは所定
温度に設定した後、表面塩基性を示すセラミックスを含
む吸着剤中を通過させて、特定ガス成分を表面塩基性を
示すセラミックスに吸着させ、次いで、表面塩基性を示
すセラミックスに対する各特定ガス成分の吸着および脱
離の温度差により、各特定ガス成分を選択的に分離し、
回収することを特徴とする燃焼排ガス中の特定ガス成分
の回収方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼ガスとして排
出される高温状態の燃焼排ガスから、該燃焼排ガスを冷
却することなく高温のままで二酸化炭素を分離、回収す
る方法に関する。高温のままで分離、回収された二酸化
炭素は、該二酸化炭素の有する顕熱をそのまま触媒反応
等に利用して熱エネルギ−の損失を伴うことなく化学変
換反応に供することが可能であり、これにより、該二酸
化炭素を効率よく有用な種々の有機物質等に変換するこ
とが可能であり、燃焼排ガス中の二酸化炭素を低コスト
で再資源化することができる。
【0002】
【従来の技術】最近、異常気象は地球的規模で生じてい
るが、その代表的な現象である地球温暖化現象は人類の
生存を危うくする正しく地球的規模の環境問題である。
温暖化の原因物質として最も注目されているのが二酸化
炭素であり、現状のまま二酸化炭素が排出され続けるな
らば人類の生存にとって将来重大な問題となることが多
くの専門家により指摘されている。
【0003】すなわち、近年、科学技術の進歩に伴い世
界の人口は増加し、生活水準も著しく向上した。人々の
要求を満足させるために消費されるエネルギ−は膨大な
ものとなり、各種の地球規模での環境問題を引き起こし
ている。その中でも大きな問題となっているものの一つ
に地球温暖化現象がある。地球温暖化の主要原因物質と
して注目されているのが二酸化炭素であり、化石燃料の
消費が現状のまま増加し続けると仮定すると排出される
二酸化炭素の影響だけでも地球の平均気温が今後30〜
60年の間に1〜5℃上昇すると予測されている(進藤
勇治編、「地球を包む大気」p.99、オ−ム社、19
93年)。この温度上昇により、南極やグリ−ンランド
の氷床やアルプスの氷河等の異常気象の発生等が考えら
れ、人類を含む全生物の生存に重大な危機をもたらすお
それが指摘されている。
【0004】したがって、二酸化炭素排出の抑制は人類
にとって極めて重大かつ緊急な問題である。原子力エネ
ルギ−、太陽エネルギ−、水素燃料等二酸化炭素を排出
しない代替エネルギ−の利用の拡大は、長期的には重要
な解決策となり得るが、緊急の要にはほとんど役に立た
ない。今後50〜60年の間の緊急の解決策としては化
石燃料の使用により発生する二酸化炭素を分離、回収す
るしかない。また、回収した大量の二酸化炭素をどのよ
うに処理するかも大きな課題である。
【0005】問題の解決には二酸化炭素の排出量を規制
することが重要であるが、エネルギ−源を化石燃料に求
める限り二酸化炭素の発生を無くすことは出来ない。し
たがって、化石燃料を燃やすことにより発生する二酸化
炭素を分離、回収した後、再資源化することが重要にな
る。今日考えられる再資源化は、二酸化炭素を一酸化炭
素に還元し、引き続きメタノ−ルや酢酸、エチレングリ
コ−ル等に変換することである。
【0006】ところで、従来、混合ガスから二酸化炭素
を分離、回収する方法としては、ガス吸収法、深冷分離
法(蒸留法)、膜分離法、ガス吸着法(圧力スイング吸
着法および温度スイング吸着法)等が知られている(川
井利長編、「炭酸ガス回収技術」p.22、株式会社N
TS、1991年、進藤勇治編、「地球を包む大気」
p.115、オ−ム社、1993年)。このうち、ガス
吸収法は、二酸化炭素を選択的に吸収することのできる
アミン等の吸収液に低温で混合ガスを接触させて二酸化
炭素を選択的に吸収させ、次いでその溶液を加熱して二
酸化炭素を気化させて分離する方法である。また、深冷
分離法(蒸留法)は、混合ガスを圧縮冷却して液化し、
次いでその液体混合物を分別蒸留して二酸化炭素を分離
する方法である。また、膜分離法は、二酸化炭素を選択
的に透過させる高分子膜の前後に圧力差をつけて混合ガ
スを通過させて二酸化炭素を分離する方法である。ガス
吸着法のうちの圧力スイング吸着法(PSA法)は、微
細孔を有する活性炭やモレキュラ−シ−ブ等の吸着剤に
加圧状態で混合ガスを接触させて二酸化炭素を微細孔中
に選択的に吸着させ、次いで減圧状態にして、吸着され
ていた二酸化炭素を脱着させて分離する方法である。ま
た、温度スイング吸着法(TSA法)は、同様の吸着剤
に常温あるいは低温の状態で混合ガスを接触させて二酸
化炭素を選択的に吸着させ、次いで温度を上昇させて、
吸着されていた二酸化炭素を脱着させて分離する方法で
ある。以上の分離、回収方法は、今日、室温あるいはそ
れ以下の温度域での適用であり、高温域の分離、回収に
は適用されていない。
【0007】従来、排ガスから特定のガス成分を回収す
る方法として、種々の技術が開発されている。例えば、
排ガス中の有価成分の回収方法として、ファ−ネス式ポ
ンプラック製造設備のカ−ボンブラックを除去した後の
排ガスの処理において、該排ガスを冷却し昇圧した後、
排ガス中の二酸化炭素及び一酸化炭素を夫々好適の溶剤
(吸収剤)により吸収回収した後、吸着法又は深冷分離
法により該排ガス中の水素ガスを分離回収することを特
徴とする排ガス中の有価成分の回収方法(特開昭57−
27902号公報)、が提案されている。しかしなが
ら、該方法は、排ガス中の二酸化炭素及び一酸化炭素を
吸収液により吸収し、回収するものであり、特に、二酸
化炭素の吸収方法として、一般に使用されているエタノ
−ルアミンの水溶液又は炭酸カリウムの水溶液を吸収液
として用いるアルカリ溶液循環式の脱二酸化炭素法を利
用するものである。
【0008】また、燃焼排ガスから二酸化炭素、アルゴ
ン及び窒素を製造する方法として、低空気比バ−ナ−か
ら排出される実質的に酸素を含有しない燃焼排ガスから
第1のプレッシャ− スイング アドソ−プション(圧
力スイング吸着)工程において二酸化炭素を選択的に吸
着、分離し、第2のプレッシャ− スイング アドソ−
プション(圧力スイング吸着)工程において窒素又はア
ルゴンを選択的に吸着、分離し、残余のアルゴン又は窒
素を回収することを特徴とする燃焼排ガスから二酸化炭
素、アルゴン及び窒素を製造する方法(特開昭63−1
47805号公報)、が提案されている。しかしなが
ら、該方法は、極低温の圧力スイング吸着法により、二
酸化炭素を選択的に吸着分離して、回収することを特徴
とするものである。
【0009】さらに、混合ガスからの特定ガス成分の回
収方法として、圧力変動式吸着分離法(圧力スイング吸
着法、PSA法)により、燃焼排ガスから二酸化炭素等
の特定排ガス成分を回収する方法(特開平1−1802
18号公報)、が提案されている。しかしながら、該方
法は、特定ガス成分の分圧が高められたガスを低温常圧
で供給し、該特定ガス成分をクリノプチロライト系吸着
剤に吸着させたものを減圧下で脱離させ、回収すると共
に、各工程をサイクリックに行うことを特徴とするもの
である。
【0010】このように、従来、排ガスから特定のガス
成分を分離、回収する方法が種々提案されているもの
の、これらの分離方法は、いずれも高温の排出ガスを一
旦冷却してから分離操作を行うものであり、高温のまま
で分離操作を行う方法はこれまで知られていない。すな
わち、二酸化炭素等の特定ガス成分の高温分離は、上記
のいずれの方法を用いても、今日の技術レベルでは不可
能とされていた。
【0011】しかるに、分離、回収した大量の二酸化炭
素の処理については、緊急に大量処理することを主眼と
して、地中隔離や海中貯留等が検討されている。しか
し、それとは別個に、未利用資源の有効利用の観点から
二酸化炭素や一酸化炭素、メタン等のC1 化合物を有用
なメタノ−ルや酢酸、エチレングリコ−ル等に変換する
方法が検討されている。また、さらに利用価値の高いよ
り炭素数の多い有機化合物への変換も併せて検討されて
おり、これらの技術が確立されれば二酸化炭素の大規模
な再資源化が可能となる。そのうえ、これらの変換反応
は、二酸化炭素の一酸化炭素への還元が必要であり、そ
れには熱エネルギ−を必要とする触媒反応によって実施
される。排出ガスからの二酸化炭素の分離、回収操作を
高温のままで行うことができれば二酸化炭素の持つ熱エ
ネルギ−をそのまま二酸化炭素の還元反応の熱エネルギ
−として利用でき、省エネルギ−の観点からも望まし
い。
【0012】このように、二酸化炭素の再資源化は、熱
エネルギ−を必要とする触媒反応で実施される。二酸化
炭素を高温のままで分離、回収できるならば、二酸化炭
素の有する顕熱を触媒反応に利用することにより触媒反
応時に供給すべき熱エネルギ−を減らすことができる。
このことは、さらなる二酸化炭素の発生防止になる。以
上の理由により、二酸化炭素を冷やすことなく高温のま
まで分離、回収することのできる材料及びシステムの開
発が望まれている状況にあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、以上のような考えのもと、本発明者らは、燃焼ガス
として排出された高温の排出ガスから二酸化炭素等の特
定ガス成分を高温のまま分離、回収する方法について種
々研究した結果、高温の排出ガスを高温(好適には20
0〜600℃)に保持したアルカリ金属酸化物、アルカ
リ土類金属酸化物、希土類酸化物、酸化アルミニウム、
セピオライト、タルク、ドロマイト、方解石、ハイドロ
タルサイトの1種、あるいはこれら2種以上の混合物の
粉末あるいは微粒子の上を通過させることにより二酸化
炭素等の特定ガス成分が吸着し、次いで二酸化炭素等の
特定ガス成分が吸着したセラミックスを吸着温度以上に
昇温すると二酸化炭素が脱離することを見出し、本発明
を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、燃焼ガスとして排出
される高温の燃焼排ガスから高温のままで特定ガス成分
を分離、回収する方法を提供することを目的とするもの
である。
【0015】また、本発明は、高温の燃焼排ガス中の二
酸化炭素等の特定ガス成分を高温のままで分離、回収し
て、該特定ガス成分の有する顕熱をそのまま触媒反応等
に利用して熱エネルギ−の損失を伴うことなく化学変換
反応に供して、該特定ガス成分を効率良く再資源化する
ことを可能とする高温の特定ガス成分の分離、回収方法
を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の第1の態様は、燃焼ガスとして排出される高
温の燃焼排ガスから特定ガス成分を分離、回収するに当
たり、該高温の燃焼排ガスを所定温度(好適には200
〜600℃)に設定した後、表面塩基性を示すセラミッ
クスを含む吸着剤中を通過させて、該特定ガス成分を表
面塩基性を示すセラミックスに吸着させ、次いで、該特
定ガス成分を吸着した表面塩基性を示すセラミックスの
温度を吸着温度以上に昇温せしめ、特定ガス成分の吸
着、脱離の温度差により、特定ガス成分を選択的に分離
し、回収することを特徴とする燃焼排ガス中の特定ガス
成分の回収方法、である。
【0017】また、本発明の他の態様は、吸着温度が好
適には200〜600℃、脱離温度が1000℃以下で
あることを特徴とする上記特定ガス成分の回収方法、で
ある。
【0018】また、本発明の他の態様は、特定ガス成分
が、二酸化炭素及び/又は窒素ガスであることを特徴と
する上記特定ガス成分の回収方法、である。
【0019】また、本発明の他の態様は、高温の燃焼排
ガスが、炭酸カルシウムやドロマイトを加熱する石灰工
場あるいはセメント工場、化石燃料を燃焼する工場ある
いは内燃機関からの排出ガスであることを特徴とする上
記特定ガス成分の回収方法、である。
【0020】さらに、本発明の他の態様は、表面塩基性
を示すセラミックスが、アルカリ金属酸化物、アルカリ
土類金属酸化物、希土類酸化物、酸化アルミニウム、セ
ピオライト、タルク、ドロマイト、方解石、ハイドロタ
ルサイトの1種、あるいはこれら2種以上の混合物であ
ることを特徴とする上記特定ガス成分の回収方法、であ
る。
【0021】続いて、本発明についてさらに詳細に説明
する。本発明は、排ガス中の二酸化炭素を冷やすことな
く、高温(好適には200〜600℃)のままで分離、
回収することのできる材料、すなわち高温で表面塩基性
を示すセラミックスとしてアルカリ金属酸化物、アルカ
リ土類金属酸化物、希土類酸化物、酸化アルミニウム、
セピオライト、タルク、ドロマイト、方解石、ハイドロ
タルサイトを見出したものである。二酸化炭素は酸性ガ
スとして知られており、表面活性点として塩基性点を有
するセラミックスが求められていた。
【0022】本発明の基本原理は、吸着剤として表面塩
基性を示すセラミックスの1種あるいは2種以上の混合
物を用いることにある。二酸化炭素は、酸性物質であ
り、塩基性を示すセラミックスの表面に選択的に吸着さ
れ、昇温することにより脱離されるものと考えられる。
そして、この選択的吸着及び脱離性が高温で発揮されて
いることを示している。
【0023】本発明で用いる塩基性セラミックスについ
て述べる。本発明で用いる塩基性セラミックスのうち、
アルカリ金属酸化物は、酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、酸化ルビジウム、酸化セシウムである。アルカリ土
類金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化ストロンチウム、酸化バリウムである。希土類酸化
物は、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジ
ム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユ−ロピウ
ム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ディスプ
ロシウム、酸化イッテルビウムである。さらに、本発明
で用いる塩基性セラミックスは、酸化アルミニウム、セ
ピオライト、タルク、ドロマイト、方解石、ハイドロタ
ルサイトである。
【0024】本発明で用いる塩基性セラミックスのう
ち、代表的なものについてその性質を挙げる(化学大辞
典編集委員会編、「化学大辞典」、共立出版株式会社1
993年)。いずれの酸化物ともに二酸化炭素との親和
性あるいは反応性が強い。アルカリ金属酸化物のうち酸
化ナトリウムは、「二酸化炭素との反応性が強く常温で
も二酸化炭素を吸収して炭酸ナトリウムとなる。」。ア
ルカリ土類金属酸化物のうち酸化マグネシウムは、「空
気中では水および二酸化炭素を吸収して徐々にヒドロオ
キシ炭酸マグネシウムに変化する。」。希土類酸化物の
うち酸化ランタンは、「塩基性が強く、アンモニア水に
匹敵する。二酸化炭素を吸収しやすく、空気中で炭酸塩
を生じる。」。以上挙げたこれらの炭酸塩は高温で熱す
ると熱分解し、二酸化炭素を放出して元の酸化物に戻
る。すなわち、炭酸塩を生じることにより二酸化炭素が
吸収され、熱分解することにより二酸化炭素の放出が起
きる。二酸化炭素との親和性の大きな酸化物ほど、より
低温で炭酸塩を生じる。
【0025】酸化アルミニウムは天然にコランダムとし
て存在する。ルビ−やサファイアは酸化アルミニウムに
コン跡の重金属が入って着色しているものである。各種
の変態が知られており、すべて無色または白色で水に不
溶である。αアルミナは融点1999〜2032℃、β
アルミナは1500℃以上で安定と言われる。γアルミ
ナは三水化物またはα水化アルミナを加熱脱水し、さら
に900℃に保つと得られるもので、1000℃以上に
するとαアルミナに転移する。酸化アルミニウムは触
媒、吸着剤、耐火材、研磨材などに用いられる。
【0026】セピオライトはマグネシウムの含水イノケ
イ酸塩鉱物であリ、二次成鉱物としてジャ紋岩中に産す
る。ミクロポアを有する繊維状であり、数百 m2/gも
の大きな比表面積を有する。
【0027】タルクはカッ石とも言われ、マグネシウム
の含水ケイ酸塩鉱物である。ジャ紋岩、リョクデイ石片
岩、ドロマイト中にトウカクセン石、リョクデイ石、ジ
テッ鉱などを少量伴って産するほか、火成岩中のカンラ
ン石、キ石の変質物としても見られる。融解しにくく、
875〜960℃付近で結晶水の脱水が起こる。
【0028】ドロマイトは堆積岩の一種であり、一般に
灰白色で塊状である。苦灰石とも言われ、その化学式は
CaMg(CO32である。結晶構造は三方晶系であ
り、白色で、菱面体の結晶をなしたり、粒状集合をな
す。方解石に似ているが、冷希塩酸で発泡しないこと、
屈折率が高いこと、X線回折の最強線が2.886オン
グストロ−ムに出ること、示差熱分析で約800℃と9
50℃前後の2つの吸熱を示すことによって方解石と区
別される。加熱することにより熱分解し、約800℃で
酸化マグネシウム、約950℃で酸化カルシウムが得ら
れる。(日本粘土学会編、「粘土ハンドブック 第二
版」、p.106,技報堂、1987年)。
【0029】方解石はカルシウムの炭酸塩鉱物であリ、
カルサイト (CaCO3)とも呼ばれる。産状は、1)
石灰岩、大理石の主成分として、2)あらゆる岩石中に
多くの場合二次成鉱物として、3)アルカリ岩中にしば
しば初生鉱物として、4)石灰分を含む地下水からの沈
殿物、5)温泉の沈殿物、6)熱水性鉱脈として、7)
動植物化石がしばしばホウカイ石化して、8)現生物の
骨質物としてなど実に広く産出する。化学的性質は、融
解しにくく、強熱すれば二酸化炭素を放出してCaOと
なる。この分解温度は1気圧で約900℃である。
【0030】ハイドロタルサイトはマグネシウム、アル
ミニウムの含水塩基性炭酸塩鉱物であり、板状、繊維
状、塊状の形態を有する。
【0031】なお、排出ガスの平均組成は、石油火力発
電所からは、CO2 :10%、N2:75%、O2 :3
%、 H2O:12%である(進藤勇治編、「地球を包む
大気」p.109、オ−ム社、1993年)ので、排出
ガスからの二酸化炭素の分離、回収のためには、基本的
には、二酸化炭素と窒素ガスとが分離できるかどうかを
検討すればよい。
【0032】本発明で対象とされる燃焼ガスとして排出
される高温の燃焼排ガスは、炭酸カルシウムやドロマイ
トを加熱する石灰工場あるいはセメント工場、化石燃料
を使用する工場あるいは内燃機関からの燃焼排ガスが代
表的なものとして例示されるが、これらに限らず、少な
くとも二酸化炭素を含んだ高温の排ガスないしそれと同
等のものであればその種類を問わず対象とされる。具体
的には、例えば、電気炉、転炉、高炉、発生炉、コ−ク
ス炉等から得られるガス、燃焼ガス、各種反応ガス又は
それに副生するガス、天然に存在又は産出されるガス等
が代表的なものとして挙げられる。
【0033】高温状態で排出された高温の燃焼排ガス
は、所定の温度範囲内(好適には200〜600℃)の
ものであれば特に温度調整をすることなく、そのまま直
ちに吸着工程に送ることができるが、所定の温度範囲以
外のものである場合は、予め温度調整して所定温度に設
定する。なお、600℃以上の場合であっても、適当な
表面塩基性を示すセラミックスを使用することにより吸
着分離は可能であり、本発明を実施することができる。
【0034】次に、高温の燃焼排ガスから二酸化炭素等
の特定排ガス成分を分離するために、高温の燃焼排ガス
を表面塩基性を示すセラミックスと接触させて上記特定
ガス成分を吸着させ、次いで特定ガス成分を吸着した表
面塩基性を示すセラミックスを吸着温度以上の温度に加
熱し該特定ガス成分を脱離させることにより各特定ガス
成分を分離する。該表面塩基性を示すセラミックスの温
度は固定床式でも流動床でも温度を変えることができさ
えすればどのような方式でも構わない。また、該表面塩
基性を示すセラミックスの形状は、粉末、微粒子、顆粒
状、成型体等が例示されるが、その形状は特に限定され
るものではない。
【0035】本発明者等の知見によれば、後記する実施
例に示されるように、例えば、二酸化炭素と窒素ガスの
場合、200〜600℃の温度範囲においては、本発明
で用いる塩基性セラミックスは窒素ガスを全く吸着しな
い。一方、本発明で用いる塩基性セラミックスに二酸化
炭素はよく吸着することが判明した。また、上記吸着工
程における高温の燃焼排ガス中の特定成分の吸着量は、
用いる塩基性セラミックスの種類により異なる。一般
に、吸着工程や脱離工程の温度により、適した塩基性セ
ラミックスを選択するようにする。
【0036】表面塩基性を示すセラミックスに吸着し、
脱離した各特定成分ガス量(V)は、各特定成分ガスの
吸着温度における吸着量(V1 )と脱離温度における吸
着量(V2 )の差を利用して分離されるが、各特定成分
ガスについて好適な表面塩基性を示すセラミックス、吸
着および脱離の温度条件等を設定しておくことにより、
該特定成分ガスを簡便に分離することができる。なお、
V=V1 −V2 の関係が成立する。
【0037】炭酸カルシウムやドロマイトを加熱する石
灰工場あるいはセメント工場、火力発電所や製鉄所等の
大量固定発生源、自動車や家庭等の小口分散発生源等個
々の排出ガス発生源にしたがって分離装置の大きさ、
形、耐熱容器の材料、温度保持装置の形態等様々の形態
を取り得るが、表面塩基性を示すセラミックスを用いて
高温(好適には200〜600℃)で二酸化炭素と窒素
ガスとを分離することを基本とする本発明の分離、回収
方法は、前記形態の如何にかかわらず実施し得るもので
あることは言うまでもない。
【0038】
【発明の実施の形態】以下にこの発明を具体化した実施
形態について詳細に説明する。本発明の表面塩基性を示
すセラミックスに、高温状態(好適には200〜600
℃)において燃焼排ガスを通し、二酸化炭素を選択的に
吸着させる。次に、加熱により該表面塩基性を示すセラ
ミックスの温度を上げ、吸着温度より高い温度にするこ
とにより該表面塩基性を示すセラミックスに吸着してい
た二酸化炭素を脱離させる。二酸化炭素の脱離温度は、
実用上1000℃以下が望ましい。次に、再び該表面塩
基性を示すセラミックスの温度を下げた後、燃焼排ガス
を通し、二酸化炭素を選択的に吸着させる。そして、該
表面塩基性を示すセラミックスの温度を上げ、脱離温度
を吸着温度より高い温度にすることにより該表面塩基性
を示すセラミックスに吸着していた二酸化炭素を脱離さ
せる。以上の操作を繰り返すことにより燃焼排ガス中か
ら二酸化炭素を分離・回収する。該表面塩基性を示すセ
ラミックスの温度は、上げたり下げたりサイクリックに
変えることが必要であり、そのための方式は固定床式で
も流動床式でも、該表面塩基性を示すセラミックスの温
度を変えることがことができれば、いずれの方式でも構
わない。
【0039】
【実施例】次に、実施例に基ずいて本発明を具体的に説
明するが、下記の実施例は表面塩基性を示すセラミック
スを用いて高温で二酸化炭素と窒素ガスとが分離できる
ことを示すものであって本発明を限定するものではな
い。
【0040】実施例1 二酸化炭素の高温分離評価法 二酸化炭素の高温分離評価装置の概要を図1に示す。内
径10mmφ、長さ300mmの石英ガラス製試料管に
粉末状(粒度は規定しなくてもよい。ガスが流れさえす
れば問題ない。)の試料(表面塩基性を有するセラミッ
クス)の5gを充填し、キャリアガスとしてヘリウムを
30ml/min流しながら、管状炉で所定の温度(1
000℃以下の任意の温度)に加熱し、2時間保持し
た。その後、所定の吸着温度に設定し直して保持した。
キャリアガスと共に二酸化炭素あるいは窒素ガスを流
し、それぞれのガスを表面塩基性を有するセラミックス
に吸着させた。二酸化炭素あるいは窒素ガスを平衡に達
するまで十分に吸着させた後、二酸化炭素あるいは窒素
ガスを止め、キャリアガスのみを1時間流した。次いで
管状炉の温度を温度コントローラを用いて10℃/mi
nの昇温速度で徐々に上げて、最高1000℃までに脱
離してくる吸着ガスを検出器にて測定し、記録計にて記
録した。以上の操作を繰り返し行い、再現性の確認を行
った。
【0041】実施例2 酸化カルシウムによる二酸化炭素の高温分離評価 (2−1) 図1に示した装置を用いて測定した。酸化
カルシウム5gを石英ガラス製試料管に詰め管状炉に設
置した。キャリアガスとしてヘリウムを30ml/mi
n流しながら1000℃で2時間加熱した。加熱後、試
料温度を300℃に設定した後、二酸化炭素あるいは窒
素ガスを飽和吸着に達するのに十分な量だけ導入した。
その後、キャリアガスのみを1時間流し、次いで温度を
10℃/minの昇温速度で1000℃まで徐々に上げ
て、脱離してくる吸着ガスを測定した。得られた結果を
図2(a)に示す。縦軸は試料から脱離したガス(二酸
化炭素または窒素ガス)量、横軸は試料温度である。二
酸化炭素に関しては、520℃から約700℃までの範
囲で僅かな二酸化炭素の脱離が生じ、750℃を越える
温度から脱離量が急激に増加し、約900℃で最高に達
した後、1000℃で脱離は認められなくなった。繰り
返し測定したところ、良い再現性が得られた。一方、窒
素ガスに関しては、図2(c)に示すが、300〜10
00℃で脱離は認められなかった。すなわち、窒素ガス
は同温度範囲で酸化カルシウムに吸着しないことがわか
る。以上の結果から、酸化カルシウムは300℃で二酸
化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二酸化炭素を脱
離し、1000℃で吸着した二酸化炭素の全量を脱離す
ることがわかった。二酸化炭素の吸着、脱離をそれぞれ
300℃および1000℃でサイクリックに行えば二酸
化炭素を分離・回収することができる。なお、吸着およ
び脱離の温度は300〜1000℃の範囲内であれば適
当に選ぶことができる。但し、脱離温度は吸着温度より
高くする。
【0042】(2−2) 酸化カルシウムを用いて、上
記(2−1)と同様の実験を行った。但し、1000
℃、2時間加熱後、試料温度を500℃に設定した後、
二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。100
0℃まで加熱して脱離するガス量を測定した。結果を図
2(b)に示す。500〜700℃で二酸化炭素の脱離
は認められず、700℃を越える温度から急激に二酸化
炭素の脱離が観測された。二酸化炭素の脱離量は約90
0℃を最高に、1000℃で脱離は認められなくなっ
た。繰り返し測定したところ、良い再現性が得られた。
一方、窒素ガスに関しては、500〜1000℃で脱離
は認められない。すなわち、酸化カルシウムに窒素ガス
は同温度範囲で吸着しないことがわかる。以上の結果か
ら、酸化カルシウムは500℃で二酸化炭素を吸着し、
温度上昇により徐々に二酸化炭素を脱離し、1000℃
で吸着した二酸化炭素の全量を脱離することがわかっ
た。二酸化炭素の吸着、脱離をそれぞれ500℃および
1000℃でサイクリックに行えば二酸化炭素を分離・
回収することができる。なお、吸着および脱離の温度は
500〜1000℃の範囲内であれば適当に選ぶことが
できる。但し、脱離温度は吸着温度より高くする。
【0043】実施例3 酸化マグネシウムによる二酸化炭素の高温分離評価 (3−1) 図1に示した装置を用いて測定した。酸化
マグネシウム5gを石英ガラス製試料管に詰め管状炉に
設置した。キャリアガスとしてヘリウムを30ml/m
in流しながら900℃で2時間加熱した。加熱後、試
料温度を300℃に設定した後、二酸化炭素あるいは窒
素ガスを飽和吸着に達するのに十分な量だけ導入した。
その後、キャリアガスのみを1時間流し、次いで温度を
10℃/minの昇温速度で700℃まで徐々に上げ
て、脱離してくる吸着ガスを測定した。得られた結果を
図3(a)に示す。縦軸は試料から脱離したガス(二酸
化炭素または窒素ガス)量、横軸は試料温度である。二
酸化炭素に関しては、脱離は300℃から始まり、38
0℃を最高に700℃まで続いた。繰り返し測定したと
ころ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関して
は、図3(e)に示すが、300〜700℃で脱離は認
められなかった。すなわち、酸化マグネシウムに窒素ガ
スは同温度範囲で吸着しなかった。以上の結果から、酸
化マグネシウムは300℃で二酸化炭素を吸着し、温度
上昇により徐々に二酸化炭素を脱離し、700℃で吸着
した二酸化炭素の全量を脱離することがわかった。二酸
化炭素の吸着、脱離をそれぞれ300℃および700℃
でサイクリックに行えば二酸化炭素を分離・回収するこ
とができる。なお、吸着および脱離の温度は300〜7
00℃の範囲内であれば適当に選ぶことができる。但
し、脱離温度は吸着温度より高くする。
【0044】(3−2) 酸化マグネシウムを用いて、
上記(3−1)と同様の実験を行った。但し、900
℃、2時間加熱後、試料温度を400℃に設定した後、
二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。700
℃まで加熱して脱離するガス量を測定した。結果を図3
(b)に示す。二酸化炭素に関しては、脱離は400℃
から始まり、550℃を最高に700℃まで続いた。繰
り返し測定したところ、良い再現性が得られた。一方、
窒素ガスに関しては、400〜700℃で脱離は認めら
れなかった。すなわち、酸化マグネシウムに同温度範囲
で窒素ガスは吸着しなかった。以上の結果から、酸化マ
グネシウムは400℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇
により徐々に二酸化炭素を脱離し、700℃で吸着した
二酸化炭素の全量を脱離することがわかった。二酸化炭
素の吸着、脱離をそれぞれ400℃および700℃でサ
イクリックに行えば二酸化炭素を分離・回収することが
できる。なお、吸着および脱離の温度は400〜700
℃の範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱
離温度は吸着温度より高くする。
【0045】(3−3) 酸化マグネシウムを用いて、
上記(3−1)と同様の実験を行った。但し、900
℃、2時間加熱後、試料温度を500℃に設定した後、
二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。700
℃まで加熱して脱離するガス量を測定した。結果を図3
(c)に示す。二酸化炭素に関しては、脱離は500℃
から始まり、600℃を最高に700℃まで続いた。繰
り返し測定したところ、良い再現性が得られた。一方、
窒素ガスに関しては、500〜700℃で脱離は認めら
れなかった。すなわち、酸化マグネシウムに同温度範囲
で窒素ガスは吸着しなかった。以上の結果から、酸化マ
グネシウムは500℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇
により徐々に二酸化炭素を脱離し、700℃で吸着した
二酸化炭素の全量を脱離することがわかった。二酸化炭
素の吸着、脱離をそれぞれ500℃および700℃でサ
イクリックに行えば二酸化炭素を分離・回収することが
できる。なお、吸着および脱離の温度は500〜700
℃の範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱
離温度は吸着温度より高くする。
【0046】(3−4) 酸化マグネシウムを用いて、
上記(3−1)と同様の実験を行った。但し、900
℃、2時間加熱後、試料温度を600℃に設定した後、
二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。700
℃まで加熱して脱離するガス量を測定した。結果を図3
(d)に示す。二酸化炭素に関しては、脱離は600℃
から始まり、700℃まで続いた。繰り返し測定したと
ころ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関して
は、600〜700℃で脱離は認められなかった。すな
わち、酸化マグネシウムに同温度範囲で窒素ガスは吸着
しなかった。以上の結果から、酸化マグネシウムは60
0℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二酸
化炭素を脱離し、700℃で吸着した二酸化炭素の全量
を脱離することがわかった。二酸化炭素の吸着、脱離を
それぞれ600℃および700℃でサイクリックに行え
ば二酸化炭素を分離・回収することができる。なお、吸
着および脱離の温度は600〜700℃の範囲内であれ
ば適当に選ぶことができる。但し、脱離温度は吸着温度
より高くする。
【0047】実施例4 酸化ユ−ロピウムによる二酸化炭素の高温分離評価 (4−1) 図1に示した装置を用いて測定した。酸化
ユ−ロピウム5gを石英ガラス製試料管に詰め管状炉に
設置した。キャリアガスとしてヘリウムを30ml/m
in流しながら900℃で2時間加熱した。加熱後、試
料温度を500℃に設定した後、二酸化炭素あるいは窒
素ガスを飽和吸着に達するのに十分な量だけ導入した。
その後、キャリアガスのみを1時間流し、次いで温度を
10℃/minの昇温速度で1000℃まで徐々に上げ
て、脱離してくる吸着ガスを測定した。得られた結果を
図4(a)に示す。縦軸は試料から脱離したガス(二酸
化炭素または窒素ガス)量、横軸は試料温度である。二
酸化炭素に関しては、脱離は520℃から始まり、10
00℃まで続いた。繰り返し測定したところ、良い再現
性が得られた。一方、窒素ガスに関しては、図4(e)
に示すが、500〜1000℃で脱離は認められなかっ
た。すなわち、酸化ユ−ロピウムに窒素ガスは500℃
で吸着しなかった。以上の結果から、酸化ユ−ロピウム
は500℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々
に二酸化炭素を脱離し、1000℃でも吸着した二酸化
炭素の全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭
素の吸着、脱離をそれぞれ500℃および1000℃で
サイクリックに行えば二酸化炭素を分離・回収すること
ができる。なお、吸着および脱離の温度は500〜10
00℃の範囲内であれば適当に選ぶことができる。但
し、脱離温度は吸着温度より高くする。
【0048】(4−2) 酸化ユーロピウムを用いて、
上記(4−1)と同様の実験を行った。但し、1000
℃、2時間加熱後、試料温度を600℃に設定した後、
二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。100
0℃まで加熱して脱離するガス量を測定した。結果を図
4(b)に示す。二酸化炭素に関しては、脱離は600
℃から始まり、1000℃まで続いた。繰り返し測定し
たところ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関
しては、600〜1000℃で脱離は認められなかっ
た。すなわち、酸化ユ−ロピウムに600℃で窒素ガス
は吸着しなかった。以上の結果から、酸化ユ−ロピウム
は600℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々
に二酸化炭素を脱離し、1000℃でも吸着した二酸化
炭素の全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭
素の吸着、脱離をそれぞれ600℃および1000℃で
サイクリックに行えば二酸化炭素を分離・回収すること
ができる。なお、吸着および脱離の温度は600〜10
00℃の範囲内であれば適当に選ぶことができる。但
し、脱離温度は吸着温度より高くする。
【0049】(4−3) 酸化ユーロピウムを用いて、
上記(4−1)と同様の実験を行った。但し、1000
℃、2時間加熱後、試料温度を700℃に設定した後、
二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。100
0℃まで加熱して脱離するガス量を測定した。結果を図
4(c)に示す。二酸化炭素に関しては、脱離は700
℃から始まり、1000℃まで続いた。繰り返し測定し
たところ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関
しては、700〜1000℃で脱離は認められなかっ
た。すなわち、酸化ユ−ロピウムに700℃で窒素は吸
着しなかった。以上の結果から、酸化ユ−ロピウムは7
00℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二
酸化炭素を脱離し、1000℃でも吸着した二酸化炭素
の全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭素の
吸着、脱離をそれぞれ700℃および1000℃でサイ
クリックに行えば二酸化炭素を分離・回収することがで
きる。なお、吸着および脱離の温度は700〜1000
℃の範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱
離温度は吸着温度より高くする。
【0050】(4−4) 酸化ユーロピウムを用いて、
上記(4−1)と同様の実験を行った。但し、1000
℃、2時間加熱後、試料温度を800℃に設定した後、
二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。100
0℃まで加熱して脱離するガス量を測定した。結果を図
4(d)に示す。二酸化炭素に関しては、脱離は800
℃から始まり、1000℃まで続いた。繰り返し測定し
たところ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関
しては、800〜1000℃で脱離は認められなかっ
た。すなわち、酸化ユ−ロピウムに800℃で窒素ガス
は吸着しなかった。以上の結果から、酸化ユ−ロピウム
は800℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々
に二酸化炭素を脱離し、1000℃でも吸着した二酸化
炭素の全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭
素の吸着、脱離をそれぞれ800℃および1000℃で
サイクリックに行えば二酸化炭素を回収することができ
る。なお、吸着および脱離の温度は800〜1000℃
の範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱離
温度は吸着温度より高くする。
【0051】実施例5 セピオライトによる二酸化炭素の高温分離評価 (5−1) 図1に示した装置を用いて測定した。セピ
オライト5gを石英ガラス製試料管に詰め管状炉に設置
した。キャリアガスとしてヘリウムを30ml/min
流しながら600℃で2時間加熱した。加熱後、試料温
度を100℃に設定した後、二酸化炭素あるいは窒素ガ
スを飽和吸着に達するのに十分な量だけ導入した。その
後、キャリアガスのみを1時間流し、試料温度を室温ま
で下げた。次いで温度を10℃/minの昇温速度で5
00℃まで徐々に上げて、脱離してくる吸着ガスを測定
した。得られた結果を図5(a)に示す。縦軸は試料か
ら脱離したガス(二酸化炭素または窒素ガス)量、横軸
は試料温度である。二酸化炭素に関しては、脱離は10
0℃から始まり、180℃を最高に300℃まで続い
た。繰り返し測定したところ、良い再現性が得られた。
一方、窒素ガスに関しては、図5(c)に示すが、室温
〜500℃で脱離は認められなかった。すなわち、セピ
オライトに窒素ガスは100℃で吸着しなかった。以上
の結果から、セピオライトは100℃で二酸化炭素を吸
着し、温度上昇により徐々に二酸化炭素を脱離し、30
0℃までに吸着した二酸化炭素の全量を脱離することが
わかった。二酸化炭素の吸着、脱離をそれぞれ100℃
および300℃でサイクリックに行えば二酸化炭素を分
離・回収することができる。なお、吸着および脱離の温
度は100〜300℃の範囲内であれば適当に選ぶこと
ができる。但し、脱離温度は吸着温度より高くする。
【0052】(5−2) セピオライトを用いて、上記
(5−1)と同様の実験を行った。但し、600℃、2
時間加熱後、試料温度を300℃に設定した後、二酸化
炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。500℃まで
加熱して脱離するガス量を測定した。二酸化炭素の結果
を図5(b)に示す。窒素ガスの結果も図5(b)と同
様であり、二酸化炭素、窒素ガス共に室温〜500℃で
脱離は認められなかった。以上の結果から、同温度範囲
では二酸化炭素の分離・回収は無理であった。
【0053】実施例6 タルクによる二酸化炭素の高温分離評価 (6−1) 図1に示した装置を用いて測定した。タル
ク5gを石英ガラス製試料管に詰め管状炉に設置した。
キャリアガスとしてヘリウムを30ml/min流しな
がら700℃で2時間加熱した。加熱後、試料温度を3
00℃に設定した後、二酸化炭素あるいは窒素ガスを飽
和吸着に達するのに十分な量だけ導入した。その後、キ
ャリアガスのみを1時間流し、次いで温度を10℃/m
inの昇温速度で700℃まで徐々に上げて、脱離して
くる吸着ガスを測定した。得られた結果を図6(a)に
示す。縦軸は試料から脱離したガス(二酸化炭素または
窒素ガス)量、横軸は試料温度である。二酸化炭素に関
しては、脱離は320℃から始まり、420℃を最高に
500℃まで続いた。繰り返し測定したところ、良い再
現性が得られた。一方、窒素ガスに関しては、図6
(c)に示すが、300〜700℃で脱離は認められな
かった。すなわち、タルクに窒素ガスは同温度範囲で吸
着しなかった。以上の結果から、タルクは300℃で二
酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二酸化炭素を
脱離し、500℃までに吸着した二酸化炭素の全量を脱
離することがわかった。二酸化炭素の吸着、脱離をそれ
ぞれ300℃および500℃でサイクリックに行えば二
酸化炭素を分離・回収することができる。なお、吸着お
よび脱離の温度は300〜700℃の範囲内であれば適
当に選ぶことができる。但し、脱離温度は吸着温度より
高くする。
【0054】(6−2) タルクを用いて、上記(6−
1)と同様の実験を行った。但し、700℃、2時間加
熱後、試料温度を500℃に設定した後、二酸化炭素あ
るいは窒素ガスを飽和吸着させた。700℃まで加熱し
て脱離するガス量を測定した。結果を図6(b)に示
す。二酸化炭素、窒素ガス共に500〜700℃で脱離
は認められなかった。以上の結果から、同温度範囲では
二酸化炭素の分離・回収は無理であった。
【0055】実施例7 ドロマイトによる二酸化炭素の高温分離評価 (7−1) 図1に示した装置を用いて測定した。ドロ
マイト5gを石英ガラス製試料管に詰め管状炉に設置し
た。キャリアガスとしてヘリウムを30ml/min流
しながら900℃で2時間加熱した。加熱後、試料温度
を400℃に設定した後、二酸化炭素あるいは窒素ガス
を飽和吸着に達するのに十分な量だけ導入した。その
後、キャリアガスのみを1時間流し、試料温度を室温ま
で下げた。次いで温度を10℃/minの昇温速度で9
00℃まで徐々に上げて、脱離してくる吸着ガスを測定
した。得られた結果を図7に示す。縦軸は試料から脱離
したガス(二酸化炭素または窒素ガス)量、横軸は試料
温度である。二酸化炭素に関しては、図7(a)に示す
が、脱離は200℃から始まり、600℃を最高に90
0℃まで続いた。繰り返し測定したところ、良い再現性
が得られた。一方、窒素ガスに関しては、図7(f)に
示すが、室温〜900℃で脱離は認められなかった。す
なわち、ドロマイトに窒素ガスは400℃で吸着しなか
った。以上の結果から、ドロマイトは400℃で二酸化
炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二酸化炭素を脱離
し、900℃までに吸着した二酸化炭素の全量が脱離仕
切らないことがわかった。二酸化炭素の吸着、脱離をそ
れぞれ400℃および900℃でサイクリックに行えば
二酸化炭素を分離・回収することができる。なお、吸着
および脱離の温度は400〜900℃の範囲内であれば
適当に選ぶことができる。但し、脱離温度は吸着温度よ
り高くする。
【0056】(7−2) ドロマイトを用いて、上記
(7−1)と同様の実験を行った。但し、900℃、2
時間加熱後、試料温度を500℃に設定した後、二酸化
炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。900℃まで
加熱して脱離するガス量を測定した。二酸化炭素の結果
を図7(b)に示す。二酸化炭素の脱離は200℃から
始まり、900℃まで続いた。繰り返し測定したとこ
ろ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関して
は、図7(f)と同様、室温〜900℃で脱離は認めら
れなかった。すなわち、ドロマイトに500℃で窒素ガ
スは吸着しなかった。以上の結果から、ドロマイトは5
00℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二
酸化炭素を脱離し、900℃でも吸着した二酸化炭素の
全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭素の吸
着、脱離をそれぞれ500℃および900℃でサイクリ
ックに行えば二酸化炭素を分離・回収することができ
る。なお、吸着および脱離の温度は500〜900℃の
範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱離温
度は吸着温度より高くする。
【0057】(7−3) ドロマイトを用いて、上記
(7−1)と同様の実験を行った。但し、900℃、2
時間加熱後、試料温度を600℃に設定した後、二酸化
炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。900℃まで
加熱して脱離するガス量を測定した。二酸化炭素の結果
を図7(c)に示す。二酸化炭素の脱離は500℃から
始まり、900℃まで続いた。繰り返し測定したとこ
ろ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関して
は、図7(f)と同様、室温〜900℃で脱離は認めら
れなかった。すなわち、ドロマイトに600℃で窒素ガ
スは吸着しなかった。以上の結果から、ドロマイトは6
00℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二
酸化炭素を脱離し、900℃でも吸着した二酸化炭素の
全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭素の吸
着、脱離をそれぞれ600℃および900℃でサイクリ
ックに行えば二酸化炭素を分離・回収することができ
る。なお、吸着および脱離の温度は600〜900℃の
範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱離温
度は吸着温度より高くする。
【0058】(7−4) ドロマイトを用いて、上記
(7−1)と同様の実験を行った。但し、900℃、2
時間加熱後、試料温度を700℃に設定した後、二酸化
炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。900℃まで
加熱して脱離するガス量を測定した。二酸化炭素の結果
を図7(d)に示す。二酸化炭素の脱離は200℃から
始まり、900℃まで続いた。繰り返し測定したとこ
ろ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関して
は、図7(f)と同様、室温〜900℃で脱離は認めら
れなかった。すなわち、ドロマイトに700℃で窒素ガ
スは吸着しなかった。以上の結果から、ドロマイトは7
00℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二
酸化炭素を脱離し、900℃でも吸着した二酸化炭素の
全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭素の吸
着、脱離をそれぞれ700℃および900℃でサイクリ
ックに行えば二酸化炭素を分離・回収することができ
る。なお、吸着および脱離の温度は700〜900℃の
範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱離温
度は吸着温度より高くする。
【0059】(7−5) ドロマイトを用いて、上記
(7−1)と同様の実験を行った。但し、900℃、2
時間加熱後、試料温度を800℃に設定した後、二酸化
炭素あるいは窒素ガスを飽和吸着させた。900℃まで
加熱して脱離するガス量を測定した。二酸化炭素の結果
を図7(e)に示す。二酸化炭素の脱離は200℃から
始まり、900℃まで続いた。繰り返し測定したとこ
ろ、良い再現性が得られた。一方、窒素ガスに関して
は、図7(f)と同様、室温〜900℃で脱離は認めら
れなかった。すなわち、ドロマイトに800℃で窒素ガ
スは吸着しなかった。以上の結果から、ドロマイトは8
00℃で二酸化炭素を吸着し、温度上昇により徐々に二
酸化炭素を脱離し、900℃でも吸着した二酸化炭素の
全量が脱離仕切らないことがわかった。二酸化炭素の吸
着、脱離をそれぞれ800℃および900℃でサイクリ
ックに行えば二酸化炭素を分離・回収することができ
る。なお、吸着および脱離の温度は800〜900℃の
範囲内であれば適当に選ぶことができる。但し、脱離温
度は吸着温度より高くする。
【0060】
【比較例】実施例と同様にシリカゲルを試料として図1
に示した装置を用いて測定した。シリカゲル5gを石英
ガラス製試料管に詰め管状炉に設置した。キャリアガス
としてヘリウムを30ml/min流しながら600℃
で2時間加熱した。加熱後、試料温度を200、30
0、400、500℃にそれぞれ設定した後、二酸化炭
素あるいは窒素ガスを飽和吸着に達するのに十分な量だ
け導入した。その後、キャリアガスのみを1時間流し、
次いで試料温度を室温に下げた後、温度を10℃/mi
nの昇温速度で600℃まで徐々に上げて、脱離してく
る吸着ガスを測定した。二酸化炭素、窒素ガス共に20
0、300、400、500℃の吸着温度で、室温〜6
00℃で脱離は認められなかった。すなわち、シリカゲ
ルには上記吸着温度にて二酸化炭素、窒素ガス共に吸着
しないことが判明した。以上の結果から、シリカゲルを
用いた二酸化炭素の高温分離・回収は無理であった。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明は、高温の燃
焼排ガスから特定ガス成分を分離、回収するに当たり、
該高温の燃焼排ガスをそのまま若しくは所定温度に設定
した後、表面塩基性を示すセラミックスを含む吸着剤中
を通過させて、該特定ガス成分を表面塩基性を示すセラ
ミックスに吸着させ、次いで、該特定ガス成分を吸着し
た表面塩基性を示すセラミックスを吸着温度より高い温
度に加熱し、該特定ガス成分を選択的に脱離させ、回収
することを特徴とする燃焼排ガス中の特定ガス成分の分
離・回収方法に関するものであり、本発明によれば、高
温の燃焼排ガスとして排出される排ガス中の二酸化炭素
等の特定ガス成分を冷やすことなく、高温(好適には2
00〜600℃)のままで分離、回収することができ
る。また、分離、回収した二酸化炭素等の特定ガス成分
の有する顕熱を触媒反応に利用することにより該特定ガ
ス成分を効率良く、かつ低コストで再資源化することが
できる。さらに、触媒反応時に供給すべき熱エネルギ−
を減らすことができるので、さらなる二酸化炭素の発生
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二酸化炭素および窒素ガスの高温分離評価装置
の概要図を示す。
【図2】実施例2において、酸化カルシウムの各種吸着
温度における脱離ガス量と加熱温度の測定結果を示す。
【図3】実施例3において、酸化マグネシウムの各種吸
着温度における脱離ガス量と加熱温度の測定結果を示
す。
【図4】実施例4において、酸化ユーロピウムの各種吸
着温度における脱離ガス量と加熱温度の測定結果を示
す。
【図5】実施例5において、セピオライトの各種吸着温
度における脱離ガス量と加熱温度の測定結果を示す。
【図6】実施例6において、タルクの各種吸着温度にお
ける脱離ガス量と加熱温度の測定結果を示す。
【図7】実施例7において、ドロマイトの各種吸着温度
における脱離ガス量と加熱温度の測定結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01B 31/20 (72)発明者 尾崎 利彦 愛知県西尾市熊味町南十五夜91番地 (72)発明者 堀内 達郎 愛知県名古屋市守山区新守山19番地 メゾ ン新守302号室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼ガスとして排出される高温の燃焼排
    ガスから特定ガス成分を分離、回収するに当たり、該高
    温の燃焼排ガスを表面塩基性を示すセラミックスを含む
    吸着剤中を通過させて、該特定ガス成分を該表面塩基性
    を示すセラミックスに吸着させ、次いで、該表面塩基性
    を示すセラミックスを吸着温度より高い温度に加熱し、
    該特定ガス成分を選択的に脱離させ、回収することを特
    徴とする燃焼排ガス中の特定ガス成分の回収方法。
  2. 【請求項2】 該高温の燃焼排ガスが、石灰工場、セメ
    ント工場、化石燃料を燃焼する工場、あるいは内燃機関
    からの排出ガスであることを特徴とする請求項1記載の
    特定ガス成分の回収方法。
  3. 【請求項3】 該特定ガス成分が、二酸化炭素であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の特定ガス成分の回収方
    法。
  4. 【請求項4】 該表面塩基性を示すセラミックスが、ア
    ルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸
    化物、酸化アルミニウム、セピオライト、タルク、ドロ
    マイト、方解石、ハイドロタルサイトの1種、あるいは
    これら2種以上の混合物であることを特徴とする請求項
    1記載の特定ガス成分の回収方法。
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