JP2013081873A - 再活性化ある固体吸収剤のco2回収法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収剤のリサイクル利用率を向上させ、酸素燃焼の低減を図り、排ガス中の低濃度のCO2吸収も可能にするCO2回収システムを提供する。
【解決手段】熱媒体保有燃焼反応器(I)で作られる使用済吸収剤を熱媒体カ焼反応器(II)に送り、使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼し、系外にCO2を取り出し、熱媒体カ焼反応器(II)で得られるカ焼済み吸収剤(CaO)の一部をCO2吸収反応器(III)に送り、得られた水和物(Ca(OH)2)をCO2再吸収反応器(V)に送ってCa(OH)2を分解することにより再活性化吸収剤(CaO)を得、再活性化吸収剤(CaO)をCO2吸収反応器(III)に送り込むと共に、CO2吸収反応器(III)がプラント排ガス及び熱媒体保有燃焼反応器(I)からCO2/N2を受取り、吸収反応器で生成されるCO2吸収後の使用済吸収剤(CaCO3)を熱媒体カ焼反応器(II)に戻す。
【選択図】図1
【解決手段】熱媒体保有燃焼反応器(I)で作られる使用済吸収剤を熱媒体カ焼反応器(II)に送り、使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼し、系外にCO2を取り出し、熱媒体カ焼反応器(II)で得られるカ焼済み吸収剤(CaO)の一部をCO2吸収反応器(III)に送り、得られた水和物(Ca(OH)2)をCO2再吸収反応器(V)に送ってCa(OH)2を分解することにより再活性化吸収剤(CaO)を得、再活性化吸収剤(CaO)をCO2吸収反応器(III)に送り込むと共に、CO2吸収反応器(III)がプラント排ガス及び熱媒体保有燃焼反応器(I)からCO2/N2を受取り、吸収反応器で生成されるCO2吸収後の使用済吸収剤(CaCO3)を熱媒体カ焼反応器(II)に戻す。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱媒体を用いるカ焼方法及び再活性化のある固体吸収剤(代表的には酸化カルシウム(CaO))によるCO2回収法に関し、より詳しくは、石炭、NG等の燃料を熱媒体と共に空気で熱媒体保有燃焼反応器(I)で燃焼させ、熱媒体保有燃焼反応器(I)で作られる高温熱媒体を熱媒体カ焼反応器(II)に送り、酸素と燃料で使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼し、系外にCO2を取り出し、熱媒体カ焼反応器(II)で得られるカ焼済み吸収剤(CaO)をCO2吸収反応器(III)に送り込み、同時にプラント排ガス(CO2, CO, H2S, SO2含有ガス)及び熱媒体保有燃焼反応器(I)排気ガス(CO2/N2)をCO2吸収反応器(III)に送り込み、CO2吸収後の使用済吸収剤(CaCO3)を熱媒体カ焼反応器(II)に戻す、熱媒体保有燃焼反応器(I)、熱媒体カ焼反応器(II)、CO2吸収反応器(III)を用いる固体吸収剤CO2回収方法の改良方法に係るものである。
従来の酸化カルシウム(CaO)ベースの固体CO2吸収剤を利用するCO2回収技術では、高温CO2や硫黄などのガスを吸収するため、CaO吸収剤の特性であるリサイクル活性(CaCO3を熱処理してCaOに戻す場合のCO2吸収能力)が低下することによって、多量の廃吸収剤を発生する。また、高濃度のCO2を回収するため、使用済の吸収剤CaCO3を酸素燃焼によりカ焼反応器でカ焼するため多くの酸素が必要になりCO2回収コストが高くなる。
石炭利用とともに温室ガスCO2の排出を削減しなければならない。一つの方法としてはプラント排ガス中のCO2を回収して地中に貯留することがある。CO2回収は液体吸収剤での吸収回収と固体吸収剤での吸収回収法がある。固体吸収剤として天然石灰石から作られたCaOが注目されている。この方法は吸収剤CaOを使って排ガス中のCO2を高温で吸収し、発生した高温CO2吸収熱を発電などに利用し、使用済みの吸収剤(CaCO3炭酸塩)をカ焼してCO2を回収すると共に、吸収剤を再生してリサイクル使用することである。
ところがカ焼と共にCaOの焼結が進み、CaOのガス吸収活性が低下してしまう。また、CO2を吸収して生成したCaCO3を再生しCO2を回収するため、酸素燃焼法を利用することで、空気分離装置が必要となる。
また、CaO吸収システムの中に、カ焼反応器(II)から生成したCaOを水和反応器(IV)に導入し、水蒸気を吹き付け水酸化カルシウムCa(OH)2を製造し、Ca(OH)2分解反応器(V)でCaOに分解することよってCaO活性を賦活する過程(特許文献1)が知られている。
特開2009−57254号公報
また、CaO吸収システムの中に、カ焼反応器(II)から生成したCaOを水和反応器(IV)に導入し、水蒸気を吹き付け水酸化カルシウムCa(OH)2を製造し、Ca(OH)2分解反応器(V)でCaOに分解することよってCaO活性を賦活する過程(特許文献1)が知られている。
本発明は、従来のCO2回収システムに水和反応器による高温水蒸気によるCaO活性賦活過程を取り込むことにより、吸収剤のリサイクル利用率を大幅に向上させ、空気燃焼で加熱した熱媒体を用いた使用済吸収剤CaCO3カ焼過程をシステムに取り込むことで、酸素燃焼の低減を図り、さらに、低温でのCO2再吸収反応器(V)を設置することにより、排ガス中のCO改質及び低濃度のCO2吸収も可能にする。
上記目的を達成すべく本発明者は鋭意研究を続け、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、燃料を空気で燃焼させる熱媒体保有燃焼反応器(I)で作られる高温熱媒体を熱媒体カ焼反応器(II)に送り、酸素と燃料で使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼し、系外にCO2を取り出し、熱媒体カ焼反応器(II)で得られるカ焼済み吸収剤(CaO)をCO2吸収反応器(III)に送り込み、同時にプラント排ガス(CO2, CO, H2S, SO2含有ガス)及び熱媒体保有燃焼反応器(I)排気ガス(CO2/N2)をCO2吸収反応器(III)に送り込み、CO2吸収後の使用済吸収剤(CaCO3)を熱媒体カ焼反応器(II)に戻す、熱媒体保有燃焼反応器(I)、熱媒体カ焼反応器(II)、CO2吸収反応器(III)を用いる固体吸収剤CO2回収方法において、高濃度の酸素と燃料を用いて、熱媒体カ焼反応器(II)で得られる熱媒体を熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻し、得られるカ焼済み吸収剤(CaO)の一部をCO2吸収反応器(III)に送り、残部を水和反応器(IV)に送り、得られた水和物をCO2再吸収反応器(V)に送ってCa(OH)2を分解することにより再活性化吸収剤(CaO)を得、当該再活性化吸収剤(CaO)をCO2吸収反応器(III)に送り込むと共に、CO2吸収反応器(III)がプラント排ガス(CO2, CO, H2S, SO2含有)及び熱媒体保有燃焼反応器(I)からのCO2/N2を受取り、系外にH2とN2を取り出し、同時にCO2吸収反応器(III)で生成されるCO2吸収後の使用済吸収剤(CaCO3)を熱媒体カ焼反応器(II)に戻すことを特徴とする再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法である。
また、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、熱媒体がSiO2, Al2O3,
或いは酸化カルシウム(CaO)であり、酸化カルシウム(CaO)熱媒体は、CO2吸収剤を兼ねる物質である。高濃度の酸素が90体積%以上の濃度とすることができる。
さらに、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、再活性CO2吸収剤として、水和反応器(IV)において生成されたCa(OH)2を経てCO2再吸収反応器(V)で低温(380〜500℃)のCa(OH)2分解により生成された酸化カルシウム(CaO)とすることができる。
さらに、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、CO2吸収反応器(IV)から排出した排ガス(400-700℃)をCO2再吸収反応器(V)に導入しCa(OH)2分解の熱源として使用し、その時Ca(OH)2によって排ガス中のCOをH2に改質したり、CO2吸収反応器(III)で吸収しきれなかったCO2を低濃度(数ppm)に至るまで吸収させることができる。
或いは酸化カルシウム(CaO)であり、酸化カルシウム(CaO)熱媒体は、CO2吸収剤を兼ねる物質である。高濃度の酸素が90体積%以上の濃度とすることができる。
さらに、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、再活性CO2吸収剤として、水和反応器(IV)において生成されたCa(OH)2を経てCO2再吸収反応器(V)で低温(380〜500℃)のCa(OH)2分解により生成された酸化カルシウム(CaO)とすることができる。
さらに、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、CO2吸収反応器(IV)から排出した排ガス(400-700℃)をCO2再吸収反応器(V)に導入しCa(OH)2分解の熱源として使用し、その時Ca(OH)2によって排ガス中のCOをH2に改質したり、CO2吸収反応器(III)で吸収しきれなかったCO2を低濃度(数ppm)に至るまで吸収させることができる。
また、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、熱媒体保有燃焼反応器(I)、熱媒体カ焼反応器(II)、CO2吸収反応器(III)、水和反応器(IV)、CO2再吸収反応器(V)の温度が、熱媒体保有燃焼反応器(I)850℃〜1100℃であり、熱媒体カ焼反応器(II)850℃〜1100℃であり、CO2吸収反応器(III)の反応温度は400℃〜700℃であり、水和反応器(IV)では100〜400℃の高温水蒸気条件で反応させ、CO2再吸収反応器(V)において350〜500℃で行うことができる。
さらに、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、熱媒体カ焼反応器(II)で得られる熱媒体を熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻し、得られたカ焼済み吸収剤(CaO)の一部をCO2吸収反応器(III)に送り、残部を水和反応器(IV)に送るに際し、各部分の比率を変えることにより、系外に取り出すCO2とH2とN2の比率を制御することができる。
また、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、CO2吸収反応器(III)及び水和反応器(IV)における発熱反応から熱エネルギーを取り出すことができる。
さらに、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、熱媒体カ焼反応器(II)で得られる熱媒体を熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻し、得られたカ焼済み吸収剤(CaO)の一部をCO2吸収反応器(III)に送り、残部を水和反応器(IV)に送るに際し、各部分の比率を変えることにより、系外に取り出すCO2とH2とN2の比率を制御することができる。
また、本発明の再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法においては、CO2吸収反応器(III)及び水和反応器(IV)における発熱反応から熱エネルギーを取り出すことができる。
本発明はCO2回収システム中に高温水蒸気によってCaO活性賦活を行うことで、CaO吸収剤のリサイクル率を大幅に向上させることである。また、熱媒体によるカ焼を行うことで、酸素使用が少なくても高濃度のCO2回収を実現する。さらに、Ca(OH)2分解とCO2再吸収の低温装置をシステム内に設置することで、通常の排ガス中のCO2を吸収するだけではなく、排ガス中のCO改質、低濃度(数ppmまで)のCO2吸収も実現する。
また、天然石灰石から作った高温固体吸収剤(CaO)でCO2を吸収回収するため、吸収熱を高温で回収(発電)できることで、アミンなど液体吸収法よりエネルギー利用率が高い。本発明はこのような高温CO2吸収システムに、さらに吸収剤活性賦活の過程、及び熱媒体による使用済吸収剤カ焼の過程、低温のCa(OH)2分解とCO2再吸収の過程を取り込むことによって、吸収剤使用のリサイクル率を大幅に増大し、カ焼に使用する酸素を極端に低減させることで、CO2回収コストを大幅に低下させることができる。なお、CaOが排ガス中のSO2とH2Sを吸収する効果もあり、プラント排ガスの乾式脱硫も可能である。
さらに、本発明は高温CO2吸収反応器の後に低温のCa(OH)2分解とCO2再吸収反応器を設置し、排ガス中のCO及びCO2吸収反応器(III)から残された低濃度CO2をCa(OH)2で再度に改質、吸収することができるため、本発明は石炭燃焼排ガスのCO2回収だけではなく、天然ガス燃焼排ガス中の低濃度CO2ガスの吸収、ガス化ガス中のCOシフト及びCO2吸収、天然ガス改質等に用途を広げる。
また、天然石灰石から作った高温固体吸収剤(CaO)でCO2を吸収回収するため、吸収熱を高温で回収(発電)できることで、アミンなど液体吸収法よりエネルギー利用率が高い。本発明はこのような高温CO2吸収システムに、さらに吸収剤活性賦活の過程、及び熱媒体による使用済吸収剤カ焼の過程、低温のCa(OH)2分解とCO2再吸収の過程を取り込むことによって、吸収剤使用のリサイクル率を大幅に増大し、カ焼に使用する酸素を極端に低減させることで、CO2回収コストを大幅に低下させることができる。なお、CaOが排ガス中のSO2とH2Sを吸収する効果もあり、プラント排ガスの乾式脱硫も可能である。
さらに、本発明は高温CO2吸収反応器の後に低温のCa(OH)2分解とCO2再吸収反応器を設置し、排ガス中のCO及びCO2吸収反応器(III)から残された低濃度CO2をCa(OH)2で再度に改質、吸収することができるため、本発明は石炭燃焼排ガスのCO2回収だけではなく、天然ガス燃焼排ガス中の低濃度CO2ガスの吸収、ガス化ガス中のCOシフト及びCO2吸収、天然ガス改質等に用途を広げる。
本発明で用いる燃料とは、石炭、石油、天然ガス、バイオマス等の燃料をいう。
本発明の熱媒体保有燃料反応器(I)及び熱媒体カ焼反応器(II)に供給する燃料は石炭、油、天然ガス(NG)、バイオマスいずれでも良い。
石炭は、粉末状ないし顆粒状の石炭として用いることができる。石炭と同様にオイルサンドやタールや油等も用いることができる。
本発明で用いる熱媒体としては、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、シリカ(SiO2)等が挙げられる。経済上安価な酸化カルシウム(CaO)が好ましく用いられる。
本発明の熱媒体保有燃料反応器(I)及び熱媒体カ焼反応器(II)に供給する燃料は石炭、油、天然ガス(NG)、バイオマスいずれでも良い。
石炭は、粉末状ないし顆粒状の石炭として用いることができる。石炭と同様にオイルサンドやタールや油等も用いることができる。
本発明で用いる熱媒体としては、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、シリカ(SiO2)等が挙げられる。経済上安価な酸化カルシウム(CaO)が好ましく用いられる。
本発明では、熱媒体を加熱するため設けた熱媒体保有燃焼反応器(I)で燃料を空気燃焼し、加熱熱媒体によって熱媒体カ焼反応器(II)で使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼するに必要な熱を提供させる工夫があり、高濃度酸素の使用量を極端に低減できる。しかも、製造したCa(OH)2分解に必要な熱エネルギーはCO2吸収反応器(III)からの排ガス(400-700℃)をCO2再吸収反応器(V)に導入し熱源として賄うことができ、その時Ca(OH)2によって排ガス中のCOをH2に改質したり、CO2吸収反応器(III)で吸収しきれなかったCO2を低濃度(数ppm)まで吸収したりもできる。
本発明では、熱媒体カ焼反応器(II)から生成したCaOの大部分はCO2吸収反応器(III)に導入し、外部から導入するプラント排ガス(CO2、CO、H2S、SO2それぞれ含有)中のCO2ガスを吸収し、CaCO3に生成するとともに、発生した高温熱を水蒸気として取り出し、発電などに使用することができる。熱媒体カ焼反応器(II)から回収した熱媒体は再び熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻り、加熱される。
本発明において、
1.熱媒体保有燃焼反応器(I)で加熱した熱媒体(SiO2, Al2O3, CaO)を熱媒体カ焼反応器(II)に導入し、CO2吸収反応器(III)から運んできた使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼させCaOに再生し、同時に高濃度のCO2を回収する。
CaCO3+熱→CaO + CO2 吸熱 (1)
カ焼反応に必要な熱量は熱媒体によって提供する。また、必要な場合に燃料と高濃度酸素をカ焼反応器に導入し燃焼させ、カ焼反応熱を補う。
2.熱媒体カ焼反応器(II)から排出した固体粒子は三つ部分に分けてそれぞれ別の反応器に導入する。
・熱媒体とする部分: 再び熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻り、加熱される。
・CO2吸収剤部分(CaO): CO2吸収反応器(III)に導入し、プラント排ガス中のCO2を吸収する。
・活性賦活部分(CaO): 水和反応器(IV)に導入し、高温水蒸気によって水酸化カルシウムCa(OH)2に転換する。
本発明では、熱媒体カ焼反応器(II)から生成したCaOの大部分はCO2吸収反応器(III)に導入し、外部から導入するプラント排ガス(CO2、CO、H2S、SO2それぞれ含有)中のCO2ガスを吸収し、CaCO3に生成するとともに、発生した高温熱を水蒸気として取り出し、発電などに使用することができる。熱媒体カ焼反応器(II)から回収した熱媒体は再び熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻り、加熱される。
本発明において、
1.熱媒体保有燃焼反応器(I)で加熱した熱媒体(SiO2, Al2O3, CaO)を熱媒体カ焼反応器(II)に導入し、CO2吸収反応器(III)から運んできた使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼させCaOに再生し、同時に高濃度のCO2を回収する。
CaCO3+熱→CaO + CO2 吸熱 (1)
カ焼反応に必要な熱量は熱媒体によって提供する。また、必要な場合に燃料と高濃度酸素をカ焼反応器に導入し燃焼させ、カ焼反応熱を補う。
2.熱媒体カ焼反応器(II)から排出した固体粒子は三つ部分に分けてそれぞれ別の反応器に導入する。
・熱媒体とする部分: 再び熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻り、加熱される。
・CO2吸収剤部分(CaO): CO2吸収反応器(III)に導入し、プラント排ガス中のCO2を吸収する。
・活性賦活部分(CaO): 水和反応器(IV)に導入し、高温水蒸気によって水酸化カルシウムCa(OH)2に転換する。
3.CO2吸収反応器(III)の反応温度は400℃〜700℃である。この反応器でCaOによるCO2を吸収し、熱を発生する。
CaO + CO2 → CaCO3 発熱 (2)
CaO+SO2+1/2O2→CaSO4 (3)
CaO+H2S → CaS + H2O (4)
4.水和反応器(IV)の温度は100〜400℃である。この反応器でCaOが水蒸気と反応してCa(OH)2に転換し、熱を発生する。
CaO + H2O → Ca(OH)2 発熱 (5)
5.水和反応器(IV)から排出したCa(OH)2はCO2再吸収反応器(V)に導入し、CaOに分解する。
Ca(OH)2 + 熱 → CaO + H2O 吸熱 (6)
CaO + CO2 → CaCO3 発熱 (2)
CaO+SO2+1/2O2→CaSO4 (3)
CaO+H2S → CaS + H2O (4)
4.水和反応器(IV)の温度は100〜400℃である。この反応器でCaOが水蒸気と反応してCa(OH)2に転換し、熱を発生する。
CaO + H2O → Ca(OH)2 発熱 (5)
5.水和反応器(IV)から排出したCa(OH)2はCO2再吸収反応器(V)に導入し、CaOに分解する。
Ca(OH)2 + 熱 → CaO + H2O 吸熱 (6)
6.CO2吸収反応器(III)からの排ガスはCO2再吸収反応器(V)に導入し、Ca(OH)2分解の熱量を提供するとともに、Ca(OH)2によって排ガス中のCOを改質し、低濃度CO2を再度に吸収する。
Ca(OH)2 + CO → CaCO3 + H2 (7)
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O (8)
7.熱媒体保有燃焼反応器(I)及び熱媒体カ焼反応器(II)に供給する燃料は石炭、油、NG、バイオマスのいずれである。
C + O2 → CO2 (9)
CaS + 2O2 → CaSO4 (10)
8.プラント排ガスは燃焼ガス、ガス化ガス、及び他CO2/CO含有ガスのいずれである。
Ca(OH)2 + CO → CaCO3 + H2 (7)
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O (8)
7.熱媒体保有燃焼反応器(I)及び熱媒体カ焼反応器(II)に供給する燃料は石炭、油、NG、バイオマスのいずれである。
C + O2 → CO2 (9)
CaS + 2O2 → CaSO4 (10)
8.プラント排ガスは燃焼ガス、ガス化ガス、及び他CO2/CO含有ガスのいずれである。
9.100℃以上の高温水蒸気条件で反応(5)を進行させることにより、一定の強度を持つ粒子状のCa(OH)2を生成することが実験で確認されている。さらに、Ca(OH)2を再分解することにより一定の強度を持つ粒子状のCaOが製造されることも実験で確認している。
(特開2009−57254号公報)
10.CO2吸収反応器(III)と水和反応器(IV)の発熱は回収され、発電や熱源に利用される。
CO2吸収反応器に供給するプラント排ガスは、燃焼ガス、ガス化ガス、及び他CO2/CO含有ガスのいずれである。
(特開2009−57254号公報)
10.CO2吸収反応器(III)と水和反応器(IV)の発熱は回収され、発電や熱源に利用される。
CO2吸収反応器に供給するプラント排ガスは、燃焼ガス、ガス化ガス、及び他CO2/CO含有ガスのいずれである。
次に実施例を示すが、本発明はこれに拘束されるものではない。
図1を参照しながら説明する。
燃料として石炭を用い空気で燃焼させて熱媒体として酸化カルシウム(CaO)を保有させた熱媒体保有燃焼反応器(I)を1000℃に保った。高温度の熱媒体(CaO)を熱媒体カ焼反応器(II)に送り、96%の酸素と石炭で使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼し、系外にCO2を取り出し、900℃に保った熱媒体カ焼反応器(II)で得られるカ焼済み吸収剤(CaO)を取り出して、その40重量%を、同時に、熱媒体保有燃焼反応器(I)からの排気ガス(CO2/N2)が送り込まれている650℃に保ったCO2吸収反応器(III)に送り込み、その50重量%を熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻し、その10重量%を300℃に保った水和反応器(IV)に送った。ここで100℃の水蒸気を吹きつけて上記4.の発熱反応を行った。この時、水和反応器(IV)から大量の熱エネルギーを取り出すことができる。カ焼済吸収剤(CaO)は水和によりCa(OH)2 に化学変化し激しく発熱する。水和反応器(IV)から排出したCa(OH)2を410℃に保ったCO2再吸収反応器(V)に導入し、Ca(OH)2を分解してCaO(再活性化吸収剤)に化学変化させる。当該CaO(再活性化吸収剤)を650℃に保ったCO2吸収反応器(III)に送り込むと共に、CO2吸収反応器(III)がプラント排ガス(CO2, CO, H2S, SO2含有)及び熱媒体保有燃焼反応器(I)からのCO2/N2を受取り、系外にH2とN2を取り出し、同時にCO2吸収反応器(III)で生成されるCO2吸収後の使用済吸収剤を熱媒体カ焼反応器(II)に戻した。
燃料として石炭を用い空気で燃焼させて熱媒体として酸化カルシウム(CaO)を保有させた熱媒体保有燃焼反応器(I)を1000℃に保った。高温度の熱媒体(CaO)を熱媒体カ焼反応器(II)に送り、96%の酸素と石炭で使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼し、系外にCO2を取り出し、900℃に保った熱媒体カ焼反応器(II)で得られるカ焼済み吸収剤(CaO)を取り出して、その40重量%を、同時に、熱媒体保有燃焼反応器(I)からの排気ガス(CO2/N2)が送り込まれている650℃に保ったCO2吸収反応器(III)に送り込み、その50重量%を熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻し、その10重量%を300℃に保った水和反応器(IV)に送った。ここで100℃の水蒸気を吹きつけて上記4.の発熱反応を行った。この時、水和反応器(IV)から大量の熱エネルギーを取り出すことができる。カ焼済吸収剤(CaO)は水和によりCa(OH)2 に化学変化し激しく発熱する。水和反応器(IV)から排出したCa(OH)2を410℃に保ったCO2再吸収反応器(V)に導入し、Ca(OH)2を分解してCaO(再活性化吸収剤)に化学変化させる。当該CaO(再活性化吸収剤)を650℃に保ったCO2吸収反応器(III)に送り込むと共に、CO2吸収反応器(III)がプラント排ガス(CO2, CO, H2S, SO2含有)及び熱媒体保有燃焼反応器(I)からのCO2/N2を受取り、系外にH2とN2を取り出し、同時にCO2吸収反応器(III)で生成されるCO2吸収後の使用済吸収剤を熱媒体カ焼反応器(II)に戻した。
高温水蒸気と反応して得られる粒子状Ca(OH)2の顕微鏡写真と再分解して得られる粒子状CaO(再活性化吸収剤)顕微鏡写真とを図2に示す(特開2009−57254号公報から引用)。
また、粒子状CaO(再活性化吸収剤)の水蒸気水和による活性賦活効果(繰り返し使用回数とCO2吸収能力の関係)を図3に示す。
さらに、熱媒体カ焼反応器(II)、CO2吸収反応器(III)及びCO2再吸収反応器(V)のCO2吸収範囲と反応温度との関係を図4に示す。
また、水和反応器(IV)及びCO2再吸収反応器(V)の水蒸気反応条件を図5に示す。
また、粒子状CaO(再活性化吸収剤)の水蒸気水和による活性賦活効果(繰り返し使用回数とCO2吸収能力の関係)を図3に示す。
さらに、熱媒体カ焼反応器(II)、CO2吸収反応器(III)及びCO2再吸収反応器(V)のCO2吸収範囲と反応温度との関係を図4に示す。
また、水和反応器(IV)及びCO2再吸収反応器(V)の水蒸気反応条件を図5に示す。
本発明はプラント排ガスが高温CO2吸収反応器を通した後、低温のCa(OH)2分解とCO2再吸収反応器を通すことで、排ガス中のCO及び残った低濃度CO2をCa(OH)2で改質及び吸収できるため、石炭燃焼排ガスのCO2回収だけではなく、天然ガス燃焼排ガス中の低濃度CO2ガス吸収、ガス化ガス中のCO改質、天然ガス改質及び他のCO2吸収、ガス改質プロセス等に用途がある。
Claims (8)
- 燃料を空気で燃焼させる熱媒体保有燃焼反応器(I)で作られる高温度の熱媒体を熱媒体カ焼反応器(II)に送り、酸素と燃料で使用済吸収剤(CaCO3)をカ焼し、系外にCO2を取り出し、熱媒体カ焼反応器(II)で得られるカ焼済み吸収剤(CaO)をCO2吸収反応器(III)に送り込み、同時にプラント排ガス(CO2, CO, H2S, SO2含有ガス)及び熱媒体保有燃焼反応器(I)排気ガス(CO2/N2)をCO2吸収反応器(III)に送り込み、CO2吸収後の使用済吸収剤(CaCO3)を熱媒体カ焼反応器(II)に戻す、熱媒体保有燃焼反応器(I)、熱媒体カ焼反応器(II)、CO2吸収反応器(III)を用いる固体吸収剤CO2回収方法において、高濃度の酸素と燃料を用いて、熱媒体カ焼反応器(II)で得られる熱媒体を熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻し、得られるカ焼済み吸収剤(CaO)の一部をCO2吸収反応器(III)に送り、残部を水和反応器(IV)に送り、得られた水和物(Ca(OH)2)をCO2再吸収反応器(V)に送ってCa(OH)2を分解することにより再活性化吸収剤(CaO)を得、当該再活性化吸収剤(CaO)をCO2吸収反応器(III)に送り込むと共に、CO2吸収反応器(III)がプラント排ガス(CO2, CO, H2S, SO2含有)及び熱媒体保有燃焼反応器(I)からのCO2/N2を受取り、系外にH2とN2を取り出し、同時にCO2吸収反応器(III)で生成されるCO2吸収後の使用済吸収剤(CaCO3)を熱媒体カ焼反応器(II)に戻すことを特徴とする再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
- 熱媒体が SiO2, Al2O3,或いは酸化カルシウム(CaO)であり、酸化カルシウム(CaO)熱媒体がCO2吸収剤を兼ねる物質であり、高濃度の酸素が90体積%以上の濃度である請求項1に記載した再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
- 再活性CO2吸収剤が、水和反応器(IV)において生成されたCa(OH)2を経てCO2再吸収反応器(V)で低温(380〜500℃)のCa(OH)2分解により生成された酸化カルシウム(CaO)である請求項2に記載した再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
- CO2吸収反応器(IV)から排出した排ガスをCO2再吸収反応器(V)に導入しCa(OH)2分解の熱源(400-700℃)として使用し、その時Ca(OH)2は排ガス中のCOをH2に改質したり、CO2吸収反応器(III)で吸収しきれなかったCO2を低濃度(数ppm)に至るまで吸収できる請求項2又は請求項3に記載した再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
- 熱媒体保有燃焼反応器(I)、熱媒体カ焼反応器(II)、CO2吸収反応器(III)、水和反応器(IV)、CO2再吸収反応器(V)の温度が、熱媒体保有燃焼反応器(I)850℃〜1100℃であり、熱媒体カ焼反応器(II)850℃〜1100℃であり、CO2吸収反応器(III)の反応温度は400℃〜700℃であり、水和反応器(IV)では100〜400℃の高温水蒸気条件で反応させ、CO2再吸収反応器(V)で380〜500℃で行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載された再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
- 熱媒体カ焼反応器(II)で得られる熱媒体を熱媒体保有燃焼反応器(I)に戻し、得られたカ焼済み吸収剤(CaO)の一部をCO2吸収反応器(III)に送り、残部を水和反応器(IV)に送るに際し、各部分の比率を変えることにより、系外に取り出すCO2とH2とN2の比率を制御する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載した再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
- CO2吸収反応器(III)及び水和反応器(IV)における発熱反応から熱エネルギーを取り出す請求項1ないし請求項5のいずれかに記載した再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
- CO2吸収反応器(III)は熱の取り出しに温度分布の要求があれば、一段又は数段反応から構成する請求項5及び請求項7のいずれかに記載した再活性化固体吸収剤を用いるCO2回収方法。
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JP2011221422A JP2013081873A (ja) | 2011-10-05 | 2011-10-05 | 再活性化ある固体吸収剤のco2回収法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016041154A1 (zh) * | 2014-09-17 | 2016-03-24 | 汪辉明 | 废气处理的方法 |
CN107694340A (zh) * | 2017-04-28 | 2018-02-16 | 安徽建筑大学 | 一种钙基吸收剂活性再生及循环脱除co2的方法 |
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CN109420419A (zh) * | 2017-08-20 | 2019-03-05 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种水合物分解器、混合气分离系统及分离方法 |
-
2011
- 2011-10-05 JP JP2011221422A patent/JP2013081873A/ja active Pending
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