JP2741656B2 - 簡易スタジオ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、楽器の練習を行うのに
室内等でも簡単に組立てて設置でき、また、簡単に分解
して収納できる簡易スタジオに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】楽器の練習を行うのに適する防音室を構
成するには、従来は壁、床、天井を遮音材、防音材をも
って部屋を形成し、室内の音が外部に漏れないようにし
ている。

【０００３】また、庭等にワンルームタイプのプレバブ
の部屋を建てるのに、これを遮音こ構造とすることで防
音室を構成することも行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように建物の部屋
自体を遮音構造とするのでは、新築の際でも手間と費用
がかかるのに、既設建物の部屋の改修工事となると非常
なコスト高となる。

【０００５】庭等にワンルームタイプのプレバブの部屋
を建てるには、それだけのスペースを必要とし、１個建
ての住居でなければ無理である。さらに、プレバブとは
いえ土台等を必要とし、強度と雨水処理等の対策も必要
である。

【０００６】なお、プレバブでビス止めや釘止めで組み
立てるものでは、組立作業が面倒で時間がかかり、ま
た、防音効果も十分なものが期待できない。

【０００７】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、場所をとらず室内での使用が可能で、シンプルな構
造であり、組立てや分解が簡単にでき、移動したり、使
用後の片付けが容易に行え、しかも、耐久性に富み、防
音効果も高いる簡易スタジオを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、遮音性能を有するドアパネル、壁パネル、床
パネル、天井パネルからなり、床パネルを囲むようにド
アパネルと複数の壁パネルを相互にダボとダボ穴の嵌
合、および、受け金具とこの受け金具に掛着して締結す
る締結金具との組み合わせで着脱自在に連結させ、これ
らドアパネル、壁パネルの上端で囲まれる部分に天井パ
ネルを嵌込み載置したことを要旨とするものである。

【０００９】

【作用】本発明によれば、床パネルを床に置き、これを
囲むように複数の壁パネルを立てるが、これら複数の壁
パネルは一方のダボを他方のダボ穴に嵌入させることで
結合させ、かつ、一方の受け金具に他方の締結金具を掛
着してワンタッチで固定できる。そして、天井パネルを
水平に持ち上げて複数の壁パネルの上端に載せ、最後に
ドアパネルを壁パネルにダボとダボ穴の嵌合で結合させ
て立て掛け、受け金具とこの受け金具に掛着して締結す
る締結金具との組み合わせで固定すれば完成する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面について詳細に
説明する。図１は本発明の簡易スタジオの第１実施例を
示す分解斜視図、図２は同上横断平面図である。

【００１１】先に構成部材について説明すると、内側面
に拡散吸音スポンジ１やクロス吸音板12などを貼設した
遮音性能を有するパネルとして、ドアパネル２、壁パネ
ル３、床パネル４、天井パネル５からなる。

【００１２】ドアパネル２や壁パネル３はパネル幅が87
0mm で厚さが30mm 、高さが1.8 ｍ程度のもので、ドア
パネル２のドア２ａには防音ガラスによるガラス窓２ｂ
を形成した。またドアパネル２のドア２ａの枠側で下方
に空気孔６を設ける。

【００１３】これらドアパネル２や壁パネル３は相互に
接合するものであるが、図３、図４にも示すように、そ
の接合面の一方に突起としての金属製のダボ７を突設
し、他方にこのダボ７を嵌め入れるダボ穴８を設ける。
また、この接合面には防音ゴム製のシール９をいずれか
一方に貼設しておく。

【００１４】さらに、ドアパネル２や壁パネル３は接合
する組の一方、例えば前記ダボ穴８を設けた側に鉤型ま
たは輪状の受け金具10を取付け、他方、例えば前記ダボ
７を設けた側に受け金具10に掛着して締結する締結金具
11を設ける。この締結金具11はバネ11ａを備えたひき金
11ｂからなり、先端の固定部11ｃを受け金具10に引っ掛
けてひき金11ｂを下方に圧着するとしっかりと固定され
るものである。

【００１５】図示の例では、これらダボ７、ダボ穴８、
受け金具10、締結金具11は上下３個所とする。

【００１６】床パネル４は床面にクロス吸音板12を貼設
したもので、図８に示すように裏側に吸音板を貼った脚
13を形成した。

【００１７】天井パネル５は換気孔14を有するが、この
換気孔14には消音キャップ15を着脱自在に嵌める。該消
音キャップ15内にはファンを内蔵させてもよい。また、
図示は省略するが、天井パネル５に照明装置を取り付
け、そのコードを壁パネル３を貫通させて外へ引き出す
ようにすることもできる。

【００１８】次に使用法について説明する。床パネル４
を床に置き、これを囲むように３枚の壁パネル３を立て
るが、これら複数の壁パネル３は一方のダボ７を他方の
ダボ穴８に嵌入させることで各コーナーで結合させる。

【００１９】さらに、一方の受け金具10に他方の締結金
具11を掛着してワンタッチで固定する。

【００２０】そして、天井パネル５を水平に持ち上げて
壁パネル３の上端に載せる。この天井パネル５には予め
消音キャップ15を取り付けておいてもよい。

【００２１】最後にドアパネル２を壁パネル３にダボ７
とダボ穴８の嵌合で結合させて立て掛け、天井パネル５
をこれらにしっかりとアジャストさせた上で、受け金具
10とこの受け金具10に掛着して締結する締結金具11との
組み合わせでこのドアパネルと壁パネル３とを固定すれ
ば、図７に示すような簡易スタジオが完成する。なお、
消音キャップ15は最後に取り付けてもよい。

【００２２】このタイプの簡易スタジオは、スペースと
しては0.5 畳程度のものであり、ドラム練習パット、ボ
ーカル等の練習を行うのに適するものである。ちなみに
30ｄＢ〜40ｄＢの遮音値が得られる。

【００２３】さらに、使用後は前記組立とは逆の手順で
分解し、図８にあるように各パネルを重ねて収納でき
る。

【００２４】図５、図６は本発明の第２実施例を示すも
ので、大きさが１畳程度に大きくなる場合である。壁パ
ネル３の枚数が５枚となり、床パネル４、天井パネル５
が倍の大きさになるだけで基本的な構成は前記第１実施
例と同じである。図９に種々のパターンを示す。大きさ
は２畳程度まで拡大可能であり、ギター、サックス、ト
ランペット、キーボード等の練習もできる。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたように本発明の簡易スタジオ
は、場所をとらず、室内での使用が可能であり、また、
シンプルな構造で、組立てや分解が簡単にでき、移動し
たり、使用後の片付けが容易に行え、しかも、耐久性に
富み、防音効果も高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の簡易スタジオの第１実施例を示す分解
斜視図である。

【図２】本発明の簡易スタジオの第１実施例を示す横断
平面図である。

【図３】パネル相互の結合部で締結前の平面図である。

【図４】パネル相互の結合部で締結後の平面図である。

【図５】本発明の簡易スタジオの第２実施例を示す分解
斜視図である。

【図６】本発明の簡易スタジオの第２実施例を示す横断
平面図である。

【図７】本発明の簡易スタジオの組立後の斜視図であ
る。

【図８】本発明の簡易スタジオの分解時の斜視図であ
る。

【図９】本発明の簡易スタジオのバリエーションを示す
説明図である。

【符号の説明】

１…拡散吸音スポンジ ２…ドアパネル ２ａ…ドア ２ｂ…ガラス窓 ３…壁パネル ４…床パネル ５…天井パネル ６…空気孔 ７…ダボ ８…ダボ穴 ９…シール 10…受け金具 11…締結金具 11ａ…バネ 11ｂ…ひき金 11ｃ…固定部 12…クロス吸音板 13…脚 14…換気孔 15…消音キャッ
プ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遮音性能を有するドアパネル、壁パネ
   ル、床パネル、天井パネルからなり、床パネルを囲むよ
   うにドアパネルと複数の壁パネルを相互にダボとダボ穴
   の嵌合、および、受け金具とこの受け金具に掛着して締
   結する締結金具との組み合わせで着脱自在に連結させ、
   これらドアパネル、壁パネルの上端で囲まれる部分に天
   井パネルを嵌込み載置したことを特徴とする簡易スタジ
   オ。