JP2738419B2 - ボビンケース交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの回転カマ内に
装着されたボビンケースを交換するボビンケース交換装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】衣服等繊維製品の縫製には、本縫いミシ
ンが使用されている。本縫いミシンの欠点は、ボビンの
下糸巻量が、上糸に比較して大変少ない。このため、縫
製時に縫製作業者は、ボビン交換を頻繁に行う必要があ
る。継ぎ縫いができない製品の縫製を行う場合、下糸を
使い切った状態で縫製が行われると、縫い合わされた部
分を解いて再縫製を行うか、不良品として廃棄してい
る。このため、縫製作業者は、縫製中に下糸を使い切る
不安が大変大きく、しばしばボビン内における下糸の残
量を確認し、下糸が不足する前にボビンを交換してい
る。

【０００３】そこで、ボビンケースを自動的に交換する
装置の開発が進められている。この自動交換装置は、交
換用ボビンケースを供給するボビンケース供給手段と、
ボビンケースを着脱するチャックと、このチャックを回
転カマに向けて移動させる第１作動を行うとともに、チ
ャックを前記ボビンケース供給手段によって供給された
交換用ボビンケースに向けて移動させる第２作動を行う
チャック駆動手段とを備える。そして、従来のチャック
駆動手段は、第１作動を行うための第１アクチュエータ
と、第２作動を行うための第２アクチュエータとを有す
るものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】通常、回転カマに対向
する部分のスペースは、大変狭い。そして、ボビンケー
スの自動交換器は、この狭いスペースに配置するべく、
小型化が要求される。しかるに、従来の自動交換器は、
チャックを駆動するために、２つのアクチュエータを用
いるため、体型が大型化し、回転カマに対向する狭いス
ペースに収納するのが困難で、実現しがたい不具合があ
った。また、２つのアクチュエータを用いるために、コ
ストが高くなる不具合も有していた。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、チャックを駆動するチャック駆動
手段を小型化することができ、且つコストを低く抑える
ことのできるボビンケース交換装置の提供にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のボビンケース交
換装置は、次の技術的手段を採用した。 〔請求項１の手段〕請求項１のボビンケース交換装置
は、交換用ボビンケースを供給するボビンケース供給手
段と、ボビンケースを着脱するチャックと、このチャッ
クを回転カマに向けて移動させる第１作動を行うととも
に、前記チャックを前記ボビンケース供給手段によって
供給された交換用ボビンケースに向けて移動させる第２
作動を行うチャック駆動手段とを備える。

【０００７】そして、このチャック駆動手段は、（ａ−
１）ミシンに固定された平板状を呈し、前記回転カマの
軸方向に向かう第１カム溝、前記交換用ボビンケースに
向かう第２カム溝、前記第１カム溝の前記回転カマとは
異なった側と前記第２カム溝の前記交換用ボビンケース
とは異なった側とを結ぶ第３カム溝を備えた支持プレー
トと、（ｂ−１）この支持プレートに設けられた規制軸
に嵌まり合う従動逃げ溝を備えるとともに、前記第１、
第２、第３カム溝と嵌まり合う移動軸を備え、前記規制
軸を中心に前記第１、第２、第３カム溝に沿う移動を行
う前記チャックを備えた従動レバーと、（ｃ−１）前記
移動軸を前記第１、第２、第３カム溝に沿って往復移動
させる移動軸駆動手段とを備える。

【０００８】〔請求項２の手段〕請求項２のボビンケー
ス交換装置は、交換用ボビンケースを供給するボビンケ
ース供給手段と、ボビンケースを着脱するチャックと、
このチャックを回転カマに向けて移動させる第１作動を
行うとともに、前記チャックを前記ボビンケース供給手
段によって供給された交換用ボビンケースに向けて移動
させる第２作動を行うチャック駆動手段とを備える。

【０００９】そして、このチャック駆動手段は、（ａ−
２）ミシンに固定された平板状を呈し、前記回転カマの
軸方向に向かう第１カム溝、前記交換用ボビンケースに
向かう第２カム溝、前記第１カム溝の前記回転カマとは
異なった側と前記第２カム溝の前記交換用ボビンケース
とは異なった側とを結ぶ第３カム溝を備えた支持プレー
トと、（ｂ−２）この支持プレートに設けられた規制溝
に嵌まり合ってスライド可能な棒状のスライド体を備え
るとともに、前記第１、第２、第３カム溝と嵌まり合う
移動軸を備え、前記規制溝を中心に前記第１、第２、第
３カム溝に沿う移動を行う前記チャックを備えた従動レ
バーと、（ｃ−２）前記移動軸を前記第１、第２、第３
カム溝に沿って往復移動させる移動軸駆動手段とを備え
る。

【００１０】〔請求項３の手段〕請求項３のボビンケー
ス交換装置は、請求項１または請求項２の好ましい態様
の一例として、移動軸駆動手段は、前記支持プレートに
設けられた回動軸を中心に回動可能に支持され、前記第
１、第２、第３カム溝と交差する部分に前記移動軸に嵌
まり合う駆動逃げ溝を備える駆動レバーと、前記駆動レ
バーを所定範囲内で往復回動させるチャック移動用アク
チュエータとから構成されたことを特徴とする。

【００１１】〔請求項４の手段〕請求項４のボビンケー
ス交換装置は、請求項３の好ましい態様の一例として、
前記チャック移動用アクチュエータは、エアシリンダー
を用いた空気圧アクチュエータであることを特徴とす
る。

【００１２】

【発明の作用】

〔請求項１の作用〕移動軸駆動手段が作動すると、移動
軸が第１、第２、第３カム溝に沿って移動する。この移
動軸は、従動レバーに設けられたものであるため、従動
レバーが第１、第２、第３カム溝に沿って移動する。一
方、従動レバーの従動逃げ溝は、支持プレートに設けら
れた規制軸に嵌め合わされている。このため、従動レバ
ーは、移動軸が第１カム溝に沿って移動する時に回転カ
マの方向に沿って移動し、移動軸が第２カム溝に沿って
移動する時に交換用ボビンケース方向に沿って移動し、
移動軸が第３カム溝に沿って移動する時に規制軸を中心
に回動する。このように、移動軸駆動手段により移動軸
が第１、第２、第３カム溝に沿って移動することによっ
て、従動レバーに設けられたチャックが回転カマに向け
て移動する第１作動を行うとともに、従動レバーに設け
られたチャックが交換用ボビンケースに向けて移動する
第２作動とを行う。

【００１３】〔請求項２の作用〕移動軸駆動手段が作動
すると、移動軸が第１、第２、第３カム溝に沿って移動
する。この移動軸は、従動レバーに設けられたものであ
るため、従動レバーが第１、第２、第３カム溝に沿って
移動する。一方、従動レバーのスライド体は、支持プレ
ートに設けられた規制溝に嵌め合わされている。このた
め、従動レバーは、移動軸が第１カム溝に沿って移動す
る時に回転カマの方向に沿って移動し、移動軸が第２カ
ム溝に沿って移動する時に交換用ボビンケース方向に沿
って移動し、移動軸が第３カム溝に沿って移動する時に
規制溝を中心に回動する。このように、移動軸駆動手段
により移動軸が第１、第２、第３カム溝に沿って移動す
ることによって、従動レバーに設けられたチャックが回
転カマに向けて移動する第１作動を行うとともに、従動
レバーに設けられたチャックが交換用ボビンケースに向
けて移動する第２作動とを行う。

【００１４】

【発明の効果】

〔請求項１または請求項２の効果〕ボビンケース交換装
置は、上述のように、１つの移動軸駆動手段によって、
第１作動と第２作動とを行うことができる。このため、
ボビンケース交換装置の体型を小型化でき、回転カマに
対向するミシン内の狭いスペース内にボビンケース交換
装置を配置することが容易になる。また、第１作動と第
２作動とを行うアクチュエータが１つの移動軸駆動手段
で済むため、第１作動と第２作動とを２つのアクチュエ
ータで行った場合に比較してボビンケース交換装置のコ
ストを低く抑えることができる。

【００１５】

【実施例】次に、本発明のボビンケース交換装置を、図
に示す一実施例に基づき説明する。 〔第１実施例の構成〕図１ないし図６は請求項１、請求
項３および請求項４を用いた実施例を示すもので、図１
ないし図３はボビンケース交換装置の要部正面図、図４
はボビンケース交換装置の要部後面図、図５はボビンケ
ース交換装置の要部側面図、図６はチャックの概略平面
図である。

【００１６】ボビンケース交換装置１は、交換用ボビン
ケース２を順次供給するボビンケース供給手段３と、交
換用ボビンケース２や使用済ボビンケース４を着脱する
チャック５と、このチャック５を回転カマ６に向けて移
動させる第１作動を行うとともに、チャック５をボビン
ケース供給手段３によって供給された交換用ボビンケー
ス２に向けて移動させる第２作動を行うチャック駆動手
段７とを備える。

【００１７】ボビンケース供給手段３は、図５に示すよ
うに、支持プレート（後述する）に斜めに固定され、上
面に形成された断面コ字形のケース溝８を斜めに取り付
けたものである。この構造によって、ケース溝８に配置
された交換用ボビンケース２が、重力によってケース溝
８の下端へ送られる。このケース溝８の幅は、各交換用
ボビンケース２の糸確認溝（図示しない）がケース溝８
の側面に当たるように設けられたもので、ケース溝８内
における交換用ボビンケース２の回転が規制される。な
お、ケース溝８に配置される交換用ボビンケース２内に
は、予め下糸が充分巻かれたボビン（図示しない）が配
されたものである。

【００１８】チャック５は、図６に示すもので、従動レ
バー（後述する）の端部に取り付けられたもので、ボビ
ンケース本体１１の筒部の側面を保持する保持プレート
１２および保持用板バネ１３、交換用ボビンケース２や
使用済ボビンケース４のロックレバー１４を引き起こす
回動爪１５、この回動爪１５によって引き起こされたロ
ックレバー１４を回動爪１５とともに挟むためのレバー
当接部材１６を備える。

【００１９】回動爪１５は、爪用エアシリンダー１７の
作動によってロックレバー１４の爪を引き起こす方向に
回動駆動されるとともに、爪復元バネ１７ａによって元
の位置に復元する。この回動爪１５は、チャック５が回
転カマ６内の使用済ボビンケース４を外す際にロックレ
バー１４を引き起こす方向に回動駆動され、回転カマ６
から取り外した使用済ボビンケース４を落下シュート
（図示しない）の上方に移動させた際に復元され、チャ
ック５が交換用ボビンケース２を保持する際にロックレ
バー１４を引き起こす方向に回動駆動され、交換用ボビ
ンケース２を回転カマ６内に装着した際に復元されるも
のである。なお、爪用エアシリンダー１７にエアを供給
するコンプレッサ１８は、上記回動爪１５の回動作動を
行うように制御回路１９によって制御される。

【００２０】チャック駆動手段７は、ミシンの縫製台の
下部で、回転カマ６に対向するスペースに固定されたカ
ム溝２１を備えた平板状の支持プレート２２と、この支
持プレート２２の下面に設けられた駆動レバー２３と、
支持プレート２２の上面に設けられ、カム溝２１を介し
て下面の駆動レバー２３によって駆動される従動レバー
２４と、支持プレート２２の下面に設けられ、駆動レバ
ー２３を所定範囲内で往復回動させるチャック移動用ア
クチュエータ２５とから構成される。

【００２１】支持プレート２２に設けられたカム溝２１
は、回転カマ６の軸方向に向かう直線状の第１カム溝２
１ａと、交換用ボビンケース２に向かう直線状の第２カ
ム溝２１ｂと、第１カム溝２１ａの回転カマ６とは異な
った側と第２カム溝２１ｂの交換用ボビンケース２とは
異なった側とを結ぶ略円弧状の第３カム溝２１ｃとを備
える。また、支持プレート２２の上面には、第１カム溝
２１ａと第２カム溝２１ｂとをそれぞれ延長した交点
に、従動レバー２４の移動軌跡を規制するための規制軸
２６が設けられている。さらに、支持プレート２２の下
面には、規制軸２６とカム溝２１を介した反対側に、駆
動レバー２３の回動中心となる回動軸２７が設けられて
いる。

【００２２】駆動レバー２３は、一端側が回動軸２７を
中心に回動可能に支持された板状レバーで、回動支持部
とは反対側の第１、第２、第３カム溝２１ａ、２１ｂ、
２１ｃと交差する部分には、直線状の駆動逃げ溝２８が
形成されている。なお、この駆動逃げ溝２８には、カム
溝２１に沿って移動する従動レバー２４の移動軸（後述
する）が、カム溝２１を貫通した状態で嵌め合わされて
いる。つまり、駆動レバー２３を回動軸２７を中心に回
動することにより、従動レバー２４の移動軸（後述す
る）が、カム溝２１に沿って移動するものである。

【００２３】従動レバー２４は、駆動レバー２３によっ
て駆動される板状レバーで、上述のように、駆動レバー
２３の駆動逃げ溝２８に、カム溝２１を介して嵌め合わ
された移動軸２９を備える。この従動レバー２４の一端
側には、チャック５が取り付けられており、チャック５
とは異なった側の端部側には、支持プレート２２の規制
軸２６に嵌まり合う直線状の従動逃げ溝３０が設けられ
ている。この結果、移動軸２９がカム溝２１に沿って移
動すると、従動レバー２４は、規制軸２６を中心に第
１、第２、第３カム２１ａ、２１ｂ、溝２１ｃに沿う移
動を行う。

【００２４】チャック移動用アクチュエータ２５は、図
５に示すように、レバー回動用エアシリンダー３１を使
用したもので、支持プレート２２の下面に設けられてい
る。レバー回動用エアシリンダー３１にコンプレッサ３
２からエアが供給されると、図４に示すように、アーマ
チュア３１ａが駆動レバー２３を押圧し、移動軸２９が
第１カム溝２１ａの回転カマ６側端部に当接するまで駆
動レバー２３を回動（行動）する。コンプレッサ３２か
らのエアの供給が停止されると、レバー回動用エアシリ
ンダー３１と平行に設けられたコイルバネ３３（図５参
照）の復元力によって、駆動レバー２３を交換用ボビン
ケース２側へ回動（復動）する。つまり、コンプレッサ
３２の作動をON、OFF させることによって、駆動レバー
２３が所定の範囲内で往復回動する。

【００２５】このコンプレッサ３２は、ボビンケース交
換信号を受けると、回転カマ６内の使用済ボビンケース
４をチャック５でつかむためにONされ、チャック５が回
転カマ６内の使用済ボビンケース４をつかんだ後、交換
用ボビンケース２をチャック５でつかむためにOFF さ
れ、チャック５が交換用ボビンケース２をつかんだ後、
交換用ボビンケース２を回転カマ６内に装着するために
ONされ、交換用ボビンケース２が回転カマ６内に装着さ
れた後に、OFF されるものである。このコンプレッサ３
２の制御は、制御回路１９によって行われる。なお、本
実施例では、駆動レバー２３、チャック移動用アクチュ
エータ２５から、移動軸２９をカム溝２１に沿って往復
移動させる移動軸駆動手段が構成される。

【００２６】〔実施例の作動〕次に、本発明にかかるチ
ャック駆動手段７の作動を説明する。補正作業者から手
動操作によって、あるいはボビン自動交換装置の作動シ
ーケンスによって、制御回路１９がボビンケース交換信
号を受けると、まず、チャック移動用アクチュエータ２
５のレバー回動用エアシリンダー３１にコンプレッサ３
２からエアが供給され、駆動逃げ溝２８が下方から上方
へ向かうように駆動レバー２３が行動する。すると、駆
動逃げ溝２８に嵌まり合う移動軸２９が、第２、第３、
第１カム溝２１ｂ、２１ｃ、２１ａの順に沿って移動す
る。すると、規制軸２６に従動逃げ溝３０が嵌まり合う
従動レバー２４、およびこの従動レバー２４の逃げ溝と
は異なった側に取り付けられたチャック５が、第２カム
溝２１ｂに沿って交換用ボビンケース２から離れる方向
へ移動し、次いで、第３カム溝２１ｃに沿って回動し、
さらに、第１カム溝２１ａに沿って回転カマ６内の使用
済ボビンケース４に向かって移動する（第１作動）。

【００２７】チャック５の作動によって、回転カマ６内
に保持された使用済ボビンケース４のロックレバー１４
が引き起こされ、チャック５が使用済ボビンケース４を
保持すると、チャック移動用アクチュエータ２５のレバ
ー回動用エアシリンダー３１へのエアの供給が停止さ
れ、コイルバネ３３の復元力によって駆動逃げ溝２８が
上方から下方へ向かうように駆動レバー２３が復動す
る。すると、駆動逃げ溝２８に嵌まり合う移動軸２９
が、第１、第３、第２カム溝２１ａ、２１ｃ、２１ｂの
順に沿って移動する。すると、規制軸２６に従動逃げ溝
３０が嵌まり合う従動レバー２４、およびこの従動レバ
ー２４の逃げ溝とは異なった側に取り付けられたチャッ
ク５が、第１カム溝２１ａに沿って回転カマ６から離れ
る方向へ移動し、次いで、第３カム溝２１ｃに沿って回
動し、さらに、第２カム溝２１ｂに沿って交換用ボビン
ケース２に向かって移動する（第２作動）。なお、移動
軸２９が第１カム溝２１ａの回転カマ６とは異なった側
に位置する時に、チャック５によって保持されていた使
用済ボビンケース４が離され、使用済ボビンケース４が
下方の落下シュートに向けて落下する。

【００２８】チャック５の作動によって、ボビンケース
供給手段３によって供給された交換用ボビンケース２の
ロックレバー１４が引き起こされ、チャック５が交換用
ボビンケース２を保持すると、チャック移動用アクチュ
エータ２５のレバー回動用エアシリンダー３１にコンプ
レッサ３２からエアが供給され、駆動逃げ溝２８が下方
から上方へ向かうように駆動レバー２３が行動する。す
ると、駆動逃げ溝２８に嵌まり合う移動軸２９が、第
２、第３、第１カム溝２１ｂ、２１ｃ、２１ａの順に沿
って移動する。すると、規制軸２６に従動逃げ溝３０が
嵌まり合う従動レバー２４、およびこの従動レバー２４
の逃げ溝とは異なった側に取り付けられたチャック５
が、第２カム溝２１ｂに沿って交換用ボビンケース２か
ら離れる方向へ移動し、次いで、第３カム溝２１ｃに沿
って回動し、さらに、第１カム溝２１ａに沿って回転カ
マ６に向かって移動する（第１作動）。

【００２９】回転カマ６内に交換用ボビンケース２を装
着した後、チャック５に保持されていた交換用ボビンケ
ース２が離されると、チャック移動用アクチュエータ２
５のレバー回動用エアシリンダー３１へのエアの供給が
停止され、コイルバネ３３の復元力によって駆動逃げ溝
２８が上方から下方へ向かうように駆動レバー２３が復
動する。すると、駆動逃げ溝２８に嵌まり合う移動軸２
９が、第１、第３、第２カム溝２１ａ、２１ｃ、２１ｂ
の順に沿って移動する。すると、規制軸２６に従動逃げ
溝３０が嵌まり合う従動レバー２４、およびこの従動レ
バー２４の逃げ溝とは異なった側に取り付けられたチャ
ック５が、第１カム溝２１ａに沿って回転カマ６から離
れる方向へ移動し、次いで、第３カム溝２１ｃに沿って
回動し、さらに、第２カム溝２１ｂに沿って交換用ボビ
ンケース２に向かって移動し、作動開始前の状態に戻
り、作動を終了する。

【００３０】〔実施例の効果〕本実施例のボビンケース
交換装置１は、１つのチャック移動用アクチュエータ２
５によって、第１作動と第２作動とを行うことができる
ため、ボビンケース交換装置１の体型を小型化でき、回
転カマ６に対向するミシン内の狭いスペース内にボビン
ケース交換装置１を配置することが容易になる。また、
第１作動と第２作動とを行うアクチュエータが１つのチ
ャック移動用アクチュエータ２５で済むため、第１作動
と第２作動とを２つのアクチュエータで行った場合に比
較してボビンケース交換装置１のコストを低く抑えるこ
とができる。

【００３１】チャック移動用アクチュエータ２５にレバ
ー回動用エアシリンダー３１を用いた空気アクチュエー
タを用いることにより、チャック移動用アクチュエータ
２５の占めるスペースを小さく抑えることができる。こ
れによっても、回転カマ６に対向するミシン内の狭いス
ペース内にボビンケース交換装置１を配置することが容
易になる。

【００３２】〔第２実施例〕図７は請求項２を用いた実
施例を示すもので、ボビンケース交換装置の要部正面図
である。本実施例は、第１実施例の規制軸２６を規制溝
２６ａに置き換え、従動レバー２４の従動逃げ溝３０を
規制溝２６ａに嵌まり合ってスライド可能な棒状のスラ
イド体３０ａに置き換えたもので、第１実施例と同一作
動を行うものである。なお、本実施例では、規制溝２６
ａを支持プレート２２に対して回動自在に取り付けた例
を示すが、スライド体３０ａが規制溝２６ａでスライド
し、且つ回動可能であれば、回動しないように設けても
良い。

【００３３】〔変形例〕上記の実施例では、チャック移
動用アクチュエータが従動レバーを駆動するとによって
移動軸をカム溝に沿って移動させた例を示したが、チャ
ック移動用アクチュエータが直接移動軸を駆動しても良
い。また、駆動レバーに逃げ溝を設けて移動軸の回転径
方向の動きを吸収させた例を示したが、移動軸に溝を設
け、その溝内に駆動レバーを溝に対してスライド可能に
挿通して動きの吸収を行っても良い。さらに、移動軸駆
動手段に空気圧アクチュエータを用いた例を示したが、
サーボモータなど他のアクチュエータを用いたり、ミシ
ンの動力をギヤやベルト等によって導いて作動させても
良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】移動軸が第１カム溝に位置する状態でのボビン
ケース交換装置の要部正面図である（第１実施例）。

【図２】移動軸が第２カム溝に位置する状態でのボビン
ケース交換装置の要部正面図である（第１実施例）。

【図３】移動軸が第３カム溝に位置する状態でのボビン
ケース交換装置の要部正面図である（第１実施例）。

【図４】移動軸が第１カム溝に位置する状態でのボビン
ケース交換装置の要部後面図である（第１実施例）。

【図５】ボビンケース交換装置の要部側面図である（第
１実施例）。

【図６】チャックの概略平面図である（第１実施例）。

【図７】移動軸が第２カム溝に位置する状態でのボビン
ケース交換装置の要部正面図である（第２実施例）。

【符号の説明】 １ ボビンケース交換装置 ２ 交換用ボビンケース ３ ボビンケース供給手段 ５ チャック ６ 回転カマ ７ チャック駆動手段 ２１ カム溝 ２１ａ 第１カム溝 ２１ｂ 第２カム溝 ２１ｃ 第３カム溝 ２２ 支持プレート ２３ 駆動レバー ２４ 従動レバー ２５ チャック移動用アクチュエータ ２６ 規制軸 ２６ａ 規制溝 ２７ 回動軸 ２８ 駆動逃げ溝 ２９ 移動軸 ３０ 従動逃げ溝 ３０ａ スライド体 ３１ レバー回動用エアシリンダー

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】交換用ボビンケースを供給するボビンケー
   ス供給手段と、 ボビンケースを着脱するチャックと、 このチャックを回転カマに向けて移動させる第１作動を
   行うとともに、前記チャックを前記ボビンケース供給手
   段によって供給された交換用ボビンケースに向けて移動
   させる第２作動を行うチャック駆動手段とを備え、 このチャック駆動手段は、 （ａ−１）ミシンに固定された平板状を呈し、前記回転
   カマの軸方向に向かう第１カム溝、前記交換用ボビンケ
   ースに向かう第２カム溝、前記第１カム溝の前記回転カ
   マとは異なった側と前記第２カム溝の前記交換用ボビン
   ケースとは異なった側とを結ぶ第３カム溝を備えた支持
   プレートと、 （ｂ−１）この支持プレートに設けられた規制軸に嵌ま
   り合う従動逃げ溝を備えるとともに、前記第１、第２、
   第３カム溝と嵌まり合う移動軸を備え、前記規制軸を中
   心に前記第１、第２、第３カム溝に沿う移動を行う前記
   チャックを備えた従動レバーと、 （ｃ−１）前記移動軸を前記第１、第２、第３カム溝に
   沿って往復移動させる移動軸駆動手段とを備えるボビン
   ケース交換装置。
2. 【請求項２】交換用ボビンケースを供給するボビンケー
   ス供給手段と、 ボビンケースを着脱するチャックと、 このチャックを回転カマに向けて移動させる第１作動を
   行うとともに、前記チャックを前記ボビンケース供給手
   段によって供給された交換用ボビンケースに向けて移動
   させる第２作動を行うチャック駆動手段とを備え、 このチャック駆動手段は、 （ａ−２）ミシンに固定された平板状を呈し、前記回転
   カマの軸方向に向かう第１カム溝、前記交換用ボビンケ
   ースに向かう第２カム溝、前記第１カム溝の前記回転カ
   マとは異なった側と前記第２カム溝の前記交換用ボビン
   ケースとは異なった側とを結ぶ第３カム溝を備えた支持
   プレートと、 （ｂ−２）この支持プレートに設けられた規制溝に嵌ま
   り合ってスライド可能な棒状のスライド体を備えるとと
   もに、前記第１、第２、第３カム溝と嵌まり合う移動軸
   を備え、前記規制溝を中心に前記第１、第２、第３カム
   溝に沿う移動を行う前記チャックを備えた従動レバー
   と、 （ｃ−２）前記移動軸を前記第１、第２、第３カム溝に
   沿って往復移動させる移動軸駆動手段とを備えるボビン
   ケース交換装置。
3. 【請求項３】請求項１または請求項２のボビンケース交
   換装置において、 移動軸駆動手段は、 前記支持プレートに設けられた回動軸を中心に回動可能
   に支持され、前記第１、第２、第３カム溝と交差する部
   分に前記移動軸に嵌まり合う駆動逃げ溝を備える駆動レ
   バーと、 前記駆動レバーを所定範囲内で往復回動させるチャック
   移動用アクチュエータとから構成されたことを特徴とす
   るボビンケース交換装置。
4. 【請求項４】請求項３のボビンケース交換装置におい
   て、 前記チャック移動用アクチュエータは、エアシリンダー
   を用いた空気圧アクチュエータであることを特徴とする
   ボビンケース交換装置。