JP2735798B2 - 腐食抑制剤 - Google Patents

腐食抑制剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラ、熱水系等の高
温水系に使用する腐食抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボイラー缶内等の高温水系の腐食
抑制のために脱酸素剤とアルカリ剤を併用して、これら
を高温水系に添加する方法が取られており、当該脱酸素
剤としては、古くはヒドラジンが使用されていたがその
強い毒性のため種々の改良がなされてきた。特に、タン
ニン酸は防錆効果を有する天然物であることに注目され
検討されたが、タンニン酸及びその塩は特開平4−26
784号公報に記載されるように「安全性は問題ないが
単独では特に初期において十分な腐食抑止効果を発揮し
ない。」と認識されていた。更に、特公平4−2731
3号公報では「孔食発生を防止することができず、腐食
抑制能が不十分である。」とも認識されていた。その結
果、タンニン酸と他の成分の併用系が提案されている。
【0003】例えば、特開平1−212781号公報に
はタンニン酸・糖類・ヘキソースのアルドン酸の3種併
用が提案され、また特開平2−129325号公報には
タンニン酸そして/またはタンニン酸塩及び亜硫酸塩そ
して/または重亜硫酸塩の併用が記載されいる。更に特
開平4−26783号公報にはタンニン酸そして/また
はタンニン酸塩とアスコルビン酸化合物の併用が提案さ
れており、一般にはグルコン酸、エリソルビン酸等が使
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平1−2
12781号公報記載の糖類・ヘキソースのアルドン
酸、特開平4−26783号公報記載のアスコルビン酸
化合物、また実用に供されているグルコン酸、エリソル
ビン酸等の糖類や糖類より誘導した酸類はいずれも、p
Hが11.5付近のアルカリ性であって180℃程度と
いう高温高圧条件下にあるボイラ缶内ではアセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、グ
リセラルアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類等の人体に有害な分解生成
物を発生し、それらが発生する蒸気中に含まれることが
分析結果より確認されている。従って、このような有害
物質を含有する蒸気、高温水が直接に人体、製品に接触
する可能性のある病院、食品工場では使用することがで
きない。
【0005】また、特開平2−129325号公報記載
のように亜硫酸塩、重亜硫酸塩を併用すると、安全性に
は問題はないが、所定の防食効果を得るための脱酸素効
果を達成するには多量の添加が必要であり、この結果、
脱酸素後の生成物の電気伝導度が上昇するためブロー量
(ボイラにおいて蒸気を発生させた後、残され、濃縮さ
れ排出される水の量)が増加し、水、燃料の使用量の増
加、ひいてはエネルギーコストの上昇という弊害をもた
らすとともに、伝導度の高い生成物は腐食因子となり、
十分な腐食抑制効果が得られないという問題がある。
【0006】そこで、上記従来技術の問題点に鑑み、本
発明の目的は高温時においても分解による有害物質の発
生が少ないため安全性に問題がなく、脱酸素効果が加熱
初期の水の温度が低い状態から高温時まで有効であり、
かつ高温時の分解物による電気伝導度上昇が低いため腐
食防止効果が優れた高温水系に用いる腐食抑制剤を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はボイラー缶
内等の高温水系に使用され、発生する蒸気、高温水が有
害物質によって汚染されないような腐食防止剤の研究を
行った。特に、タンニンはそのままでも人体に対して害
はなく、加熱によっても有害物質を発生せず好ましいも
のであるため、タンニンを中心として研究を進めた。そ
の結果、タンニンと称される物質には異なる作用を示す
ものがあり、加水分解性タンニンとして分類されるタン
ニンは低温時には脱酸素効果が大きいが、高温になると
分解によりその効果が低下し、一方縮合型タンニンとし
て分類されるタンニンは低温時の脱酸素効果は加水分解
性タンニン程よくないが高温時の脱酸素効果が大きいこ
とを見いだした。そしてこれらを所定の割合にて混合す
ると、低温時から高温時まで脱酸素効果が大きく、腐食
防止効果が優れるとともに加熱による分解生成物である
アルデヒド類、ケトン類の発生が極めて小さいことを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明の特徴構成は加水分解性
タンニンと縮合型タンニンの両成分を含むボイラー水系
の腐食抑制剤である。
【0009】ここに、加水分解性タンニンとは希酸と加
熱すると加水分解されて低分子化合物となるタンニンを
いい、五倍子タンニン、没食子タンニン、タラタンニ
ン、スマックタンニン等があり、縮合型タンニンとは希
酸と加熱すると水に不溶の褐色沈殿フロバフェンを生成
するタンニンをいい、ケブラチヨタンニン(ケブラコタ
ンニン)、マングローブタンニン等がある(化学大辞典
共立出版社)。縮合型タンニンと加水分解性タンニン
は一般性状は類似するが、化学構造上は異種の化合物群
である。
【0010】本発明においては特に、加水分解性タンニ
ンとしては五倍子タンニン、没食子タンニンが好まし
く、縮合型タンニンとしてはケブラチヨタンニンが好ま
しい。
【0011】また、加水分解性タンニンと縮合型タンニ
ンの重量比は9/1〜2/8の範囲が好ましく、特に8
/2〜4/6の範囲が好ましい。加水分解性タンニンと
縮合型タンニンの重量比が9/1以上(縮合型タンニン
の重量比が1以下)の場合は高温時の腐食抑制効果が不
十分となり、2/8以下(縮合型タンニンの重量比が8
以上)の場合は低温時の腐食抑制効果が不十分となる。
縮合型タンニンの中で2種以上のタンニンを組み合わせ
て使用することは自由であり、その混合比率は任意であ
る。また加水分解性タンニンについても2種以上を組み
合わせて使用することは自由であり、その混合比率は任
意である。
【0012】薬剤の使用量は水中の溶存酸素濃度に応じ
て使用する必要がある。一般には、溶存酸素濃度1pp
mを消費するタンニンの濃度は3mg/lであり、室温
付近での溶存酸素濃度は約10ppmであるから、室温
付近の水に対してタンニン濃度は少なくとも30ppm
が必要で、これ以下では腐食防止効果が不十分となる。
またボイラ缶内での分解、水分の蒸発による濃縮等を考
慮しても1000mg/l以上は腐食防止効果は向上せ
ず、経済的観点よりも好ましくない。即ち、通常ボイラ
缶水として使用される水の溶存酸素濃度に対しては、使
用する加水分解性タンニンと縮合型タンニンを併せた量
は、水中濃度として30〜1000mg/l、好ましく
は50〜500mg/lである。それぞれのタンニンは
別々に添加、溶解してもよいし、あらかじめ固形分にて
混合し添加してもよく、さらに水溶液として添加しても
よい。
【0013】本発明でいう高温水とは40℃以上200
℃以下の水をいい、これらの水温を有する加熱または冷
却循環系あるいはボイラ水系の防食に本薬剤は使用でき
る。また本発明の腐食抑制剤は水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のpH調
整剤、燐酸カリウム、ヘキサメタ燐酸ナトリウム等の燐
酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナト
リウム等の分散剤、及びオクタデシルアミン、シクロヘ
キシルアミン等の蒸気系腐食抑制剤と併用することは何
ら差し支えない。この特徴構成を実施する上で好ましい
他の構成については作用と共に後述する。
【0014】
【作用】上記の特徴構成によれば、タンニンの腐食防止
作用の作用機構は詳細な反応は明らかではないが、水溶
液中での分解又は縮合の際に溶存酸素を捕捉すること及
び分解又は縮合生成物が金属表面に皮膜を形成するとい
う2つの効果によるものと考えられる。
【0015】縮合型タンニン、特にケブラチヨタンニン
は、脱酸素の反応速度の温度依存性が大きく、ボイラ給
水として良く用いられるpH10〜11の範囲において
は、室温ではほとんど反応せず、従って水温の低い給水
管内の腐食防止効果は乏しい。しかし、温度が10℃上
昇するごとに反応時間は約2分の1に短縮され、120
℃では約10秒で反応し、ボイラにて通常使用される約
180℃の高温高圧下ではさらに短時間で反応して早く
かつ強く脱酸素効果を発揮する。また、反応生成物自体
も脱酸素効果を有すると共に缶内表面に防食皮膜を形成
し、その不動態化作用により高温水中の金属に対し優れ
た腐食防止効果を発揮する。
【0016】一方加水分解性タンニン、特に五倍子タン
ニンや没食子タンニンは、反応性は室温でも高く、その
脱酸素効果は優れた脱酸素剤とされている銅触媒存在下
でのヒドラジンに匹敵するものであり、従って水温の低
い給水管内にて優れた腐食防止効果を発揮する。しか
し、反応性が高いためボイラ缶内まで残存して腐食防止
効果を発揮する能力は低い。
【0017】本発明は、従来区別して使用されていなか
った加水分解性タンニンと縮合型タンニンを、それぞれ
の特徴を把握し、併用することにより、2種のタンニン
の欠点を補い合って低温の水の流れる給水管から高温高
圧となるボイラ缶内に至るまで、ボイラ系全体の給水系
に脱酸素効果を発揮し、さらにはボイラ缶内では金属表
面に防食皮膜をも形成することにより優れた腐食抑止効
果を発揮する薬剤としたのである。
【0018】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、縮合型タ
ンニン及び加水分解性タンニンの両方を有効成分として
含ませるようにしているので、温度の低い給水管部にお
いては加水分解性タンニンの分解による脱酸素効果によ
り、また高温高圧となるボイラ缶内においては、低温部
において縮合せず保持されてきた縮合型タンニンの縮合
による脱酸素効果及び当該縮合物の金属表面への防食皮
膜形成により、ボイラ系全体に対し優れた腐食抑制効果
を得ることができる。
【0019】また、本発明を構成するタンニンはいずれ
も比較的少ない添加量で効果を発揮し、しかも高温高圧
の水溶液における反応生成物が、有害な有機物質として
発生蒸気に混入することが少なく、直接人体、製品に接
触する可能性のある病院、食品工場においても安全に使
用できる。しかも、本発明を構成するタンニンはいずれ
も比較的少ない添加量で効果を発揮するため、ブロー量
が低減でき、その結果、水及びエネルギーの節約に貢献
する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面及び実験例に基
づいて説明する。 実験例1 最初に、高温高圧下での分解生成する有機化合物の蒸気
への混入の程度の定量分析を行った。
【0021】純水に縮合型タンニンとしてケブラチヨタ
ンニン、加水分解型タンニンとして五倍子タンニン及び
没食子タンニンを溶解して200mg/lの濃度とし、この
水溶液に水酸化ナトリウムを加えてpHを11〜11.
5の範囲に調整する。こうして得られた水溶液200ml
を300ml容量のオートクレーブに投入し、180℃に
て2時間加熱し、その後180℃にて発生する蒸気のう
ち初留蒸気を約10ml捨て、以後に出てくる蒸気を還水
し、その35mlを採取し中に含まれるアルデヒド類、ケ
トン類の定量分析を行った。比較例としてエリソルビン
酸(L-アスコルビン酸)、グルコン酸、市販の還元糖複
合清缶剤(ニューベスコンFX−210 東西化学産業
(株)製品、還元糖30%含有)も同様の条件にて加熱
し、分析を行った。結果を表1に示す。
【0022】この結果より、本発明に使用した縮合型タ
ンニンであるケブラチヨタンニン、加水分解型タンニン
である五倍子タンニン及び没食子タンニンはいずれも高
温高圧条件下において分解生成するアルデヒド類、ケト
ン類は、蒸気を人体に直接接触する用途に供しても問題
ない程度に微量であった。タンニン同志は全く反応しな
いためこれらを混合し使用した場合でも、アルデヒド
類、ケトン類の発生は本実験例と同等である。
【0023】
【表1】
【0024】実験例2 次に、室温における脱酸素効果を測定した。これは、水
温の低い給水配管系の腐食防止効果に関連するものであ
る。純水中に実施例としてケブラチヨタンニンと没食子
タンニンの等量混合物を、また比較例として五倍子タン
ニン単独系、没食子タンニン単独系、銅触媒として硫酸
銅を含む水加ヒドラジンを所定量溶解し、室温における
溶存酸素の経時変化を隔膜式溶存酸素計を用いて測定し
た。使用した溶存酸素計は超精密型DOメーター UD
−1(セントラル科学(株))である。
【0025】使用した薬剤とその濃度は表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】実験結果は図1に示す。単独で使用した場
合、縮合型タンニンであるケブラチヨタンニンは脱酸素
効果が小さいが、加水分解性タンニンである没食子タン
ニンその効果が大きい。ケブラチヨタンニンと没食子タ
ンニンを等量で併用した実施例1の場合は没食子タンニ
ンの効果により比較例3、4に匹敵する脱酸素効果を示
している。
【0028】実験例3 本実験例では室温における軟鋼の腐食テストを実施した
結果を示す。本実験も実験例2同様、水温の低い給水配
管系の腐食防止効果に関連するものである。300ml容
量の栓付三角フラスコに薬剤を所定量溶解させた近江八
幡市の軟化水をいれ、この中にサンドペーパ#400に
て研磨した軟鋼(SS#400)製テストピース(20
×80×2mm)を浸漬し、新たに酸素が入らないように
密栓し、室温にて7日間放置し、M.D.D.腐食度の
測定を行った。M.D.D.腐食度は腐食後のテストピ
ースの重量と腐食前のテストピースの重量の差を錆(腐
食)量とし、テストーピースの表面積を計算し、時間
(day)、単位面積(dm2 )当たりの錆増加重量
(mg)として求めた。数値が大きいほど腐食度が大きい
ことを示す。
【0029】結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】本結果より、縮合型タンニンと加水分解性
タンニンを併用した系、加水分解性タンニン単独系では
腐食は抑制されているが、縮合型タンニン(ケブラチヨ
タンニン)単独系及び還元糖添加系、無添加系では軟鋼
は腐食された。
【0032】実験例4 実験例4には、高温水系における脱酸素効果を溶存酸素
の測定により示す。これは、ボイラ缶内における腐食抑
止効果に関連するものである。 実験例4−1 5℃に冷却し、曝気して十分に酸素を溶解させた純水に
濃度が50mg/lとなるようにタンニン等の薬剤と濃度が
50mg/lとなるように水酸化ナトリウムを添加、溶解
し、この液を100ml容量のメジューム瓶に満杯になる
ように移し、密栓をして121℃のオートクレーブ中で
2時間加熱し、密栓状態のままで室温まで冷却した後、
隔膜式溶存酸素計(超精密DOメーターDU−1)にて
溶存酸素量を測定した。(メジューム瓶は180℃には
耐えられないため121℃にて実験を行ったが、脱酸素
効果は大きな差はないと考えられる。)
【0033】実験例4−2 純水に濃度が1重量%となるように試験薬剤を溶解し、
180℃に加熱したオートクレーブ中で2時間加熱した
後冷却し、各試料を5℃に冷却し、曝気して十分に酸素
を溶解させた純水にて薬剤濃度が50mg/lとなるように
20倍希釈し、25℃にて溶存酸素濃度が安定化するま
で放置したのち隔膜式溶存酸素計(超精密DOメーター
DU−1)にて溶存酸素量を測定した。本実験は、特に
薬剤を溶解させて運転したボイラを一旦停止し冷却させ
た場合の腐食抑制効果に関する実験である。
【0034】各実施例・比較例ごとにコントロールとし
て薬剤を添加しない試料を作成し、その溶存酸素濃度を
測定し脱酸素効率を求めた。その結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】本結果より、縮合型タンニンと加水分解性
タンニンを併用した場合は、高温高圧水中での酸素除去
効果が優れていること及び一旦ボイラを停止、冷却し、
外部より酸素が缶内に入ってきた場合に相当する条件下
においてもなお酸素除去効果を発揮することが明確とな
った。ケブラチヨタンニン単独でもかなり良好な除去効
果を示しているが、実験例2、3にて明らかなように室
温付近での酸素除去効果は不十分である。
【0037】実験例5 本実験例には、実験用ボイラを使用し、高温高圧水中で
の各薬剤の腐食抑止効果を評価した結果を示す。これ
は、ボイラ缶内における腐食抑止効果を、極めて類似し
た条件下にてテストしたものである。2種の軟鋼(SS
#400)製テストピース(20×50×2mm)、即ち
テストピースをサンドペーパー#400にて研磨したも
の及び一度研磨した後自然放置して全体に赤錆を発生さ
せたものを用意し、これらを実験用ボイラ缶内に設置し
て、ボイラ缶内の水量と薬剤濃度が所定濃度となるよう
に軟水と試験薬剤を自動補給しながら下記の条件にて4
0時間連続運転を行った。 ボイラ運転条件: ボイラ圧力 5 kgf/cm2-G ブロー量 10 % ボイラ水質(平均) pH 11.5 塩化物イオン 150 mgCl- /l pアルカリ度 400 mgCaCO3 /l
【0038】試験終了後テストピースを取り出し、研磨
したテストピースについてはM.D.D.腐食度を測定
し、自然放置により予備的に赤錆を発生させたテストピ
ースについては表面観察を行い、これらの結果を表5に
示した。M.D.D.腐食度の測定方法は実験例3記載
の方法と同一である。
【0039】
【表5】
【0040】本実験の結果によっても縮合型タンニンで
あるケブラチヨタンニンと加水分解型タンニンである五
倍子タンニンまたは没食子タンニンを併用することによ
り従来の還元糖複合清缶剤や縮合型タンニン或いは加水
分解型タンニンを単独で使用するよりも優れた防食効果
を得ることができることが明確となった。ケブラチヨタ
ンニン単独系はかなり良好な結果を示しているが、前述
のように室温に近い温度ではその防食効果は十分ではな
い。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】室温における各種薬剤存在下での水中溶存酸素
の経時変化。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合型タンニン及び加水分解性タンニン
    を含むボイラー水系の腐食抑制剤。
  2. 【請求項2】 前記縮合型タンニンがケブラチヨタンニ
    ンである請求項1記載の腐食抑制剤。
  3. 【請求項3】 前記加水分解性タンニンが五倍子タンニ
    ン、没食子タンニンまたはこれらの混合物である請求項
    1記載の腐食抑制剤。
  4. 【請求項4】 前記縮合型タンニンと前記加水分解性タ
    ンニンの重量比が9/1〜2/8の範囲である請求項1
    記載の腐食抑制剤。
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