JP2002275664A - 高温水系または蒸気発生系の腐食抑制剤 - Google Patents

高温水系または蒸気発生系の腐食抑制剤

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JP2002275664A
JP2002275664A JP2001075915A JP2001075915A JP2002275664A JP 2002275664 A JP2002275664 A JP 2002275664A JP 2001075915 A JP2001075915 A JP 2001075915A JP 2001075915 A JP2001075915 A JP 2001075915A JP 2002275664 A JP2002275664 A JP 2002275664A
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corrosion inhibitor
salt
corrosion
temperature water
steam generation
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Kosuke Shimura
幸祐 志村
Junichi Takahashi
淳一 高橋
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害な分解生成物を生成することなく、安全
で腐食抑制効果の高い高温水系または蒸気発生系の腐食
抑制剤を得る。 【解決手段】 タンニン酸またはその塩と、コハク酸ま
たはその塩とを含む高温水系または蒸気発生系の腐食抑
制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラ、蒸気発生プ
ラント等の高温水系または蒸気発生系の腐食抑制剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ボイラ、蒸気発生プラント等の高温水系
または蒸気発生系の腐食抑制剤としては、ヒドラジンお
よび亜硫酸ナトリウムが広く使われてきた。しかしヒド
ラジンは安全上問題があるとされている。また亜硫酸ナ
トリウムは食品添加物であって素材としての安全性は高
いが、給水中の溶存酸素と反応して腐食性アニオンであ
る硫酸イオンを生成するため、添加濃度が溶存酸素に対
して不足すると、かえって腐食を促進する恐れがあると
いう問題点がある。
【0003】これらに替わる安全性の高い腐食抑制剤の
素材として糖類やタンニン等が用いられている。このう
ちグルコースに代表される糖類は、食品もしくは食品添
加物であり、素材としての安全性は高いが、酸素との反
応生成物が熱分解することにより、アセトアルデヒド、
アセトン、メチルエチルケトン等の揮発性有機物を発生
する恐れがあるため、添加量が多かったり、あるいはド
レン回収率が高い場合には蒸気を加湿に用いると加湿空
気に着臭する恐れがあるという問題点がある。
【0004】また、タンニンは天然物であり、安全性の
高い素材であるが、単独では十分な防食効果が得られな
いという問題点がある。タンニンの防食効果を改善する
ものとして、タンニンと亜硫酸塩の併用(特開平4−2
6782号)などがあるが、亜硫酸塩と併用するため、
反応生成物として腐食性アニオンである硫酸イオンが生
成し、管理が難しいという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、有害
な分解生成物を生成することなく、安全で腐食抑制効果
の高い高温水系または蒸気発生系の腐食抑制剤を得るこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンニン酸ま
たはその塩と、コハク酸またはその塩とを含む高温水系
または蒸気発生系の腐食抑制剤である。
【0007】本発明で腐食抑制の対象となるのは高温水
系または蒸気発生系であり、ボイラ、温水ボイラ、蒸気
発生装置、冷却水系など40〜250℃の高温水と接触
して蒸気を発生させ、あるいは発生させない水系が含ま
れる。
【0008】本発明で腐食抑制剤の成分として用いるタ
ンニン酸はタンニンと同義の広義のタンニン酸であり、
タンニン酸塩はその水溶性の金属塩を意味する。タンニ
ン酸に相当するタンニンには加水分解型タンニンと縮合
型タンニンがあるが、いずれでもよい。加水分解型タン
ニンとしては五倍子タンニン、没食子タンニン、チェス
ナットタンニン等があり、縮合型タンニンとしてはケプ
ラチョタンニン、ミモザタンニン等があげられるが、特
に限定されることなく使用可能である。タンニン酸また
はその塩は、給水中に含まれる溶存酸素と反応して、こ
れを除去すると共に、金属表面に対して不溶性のタンニ
ン鉄皮膜を生成し、これが防食皮膜となって腐食を抑制
するが、単独では十分な防食効果は得られない。
【0009】コハク酸はHOOCCH2CH2COOHで
表わされる二塩基酸、コハク酸塩はその水溶性塩であ
る。タンニン酸およびコハク酸は、どちらも天然物で安
全であり、通常水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ剤によって中和して塩として用いられる。コハ
ク酸またはその塩は金属表面にキレート結合することに
より皮膜を形成し、これが防食皮膜となってマグネタイ
ト皮膜の生成を促進して防食するが、コハク酸は単独で
は脱酸素効果がないため、高温水系で溶存酸素が存在す
る場合に単独で使用すると、十分な防食効果が得られな
い。
【0010】本発明ではタンニン酸またはその塩とコハ
ク酸またはその塩とを併用することにより、タンニン酸
の脱酸素効果によってボイラ水中の溶存酸素を除去し、
コハク酸が皮膜を形成して防食する。また、コハク酸は
脱酸素環境においてはボイラ缶内における熱分解によっ
て発生する揮発性有機物の量が極めて少なく、糖類を併
用する場合のような問題がなく、また、腐食性物質を生
成することもないため、亜硫酸ナトリウムを併用する場
合のような問題もない。タンニン酸またはその塩とコハ
ク酸またはその塩の比率は給水中の溶存酸素濃度、電気
伝導率等の水質条件やボイラの運転条件によって異なる
が、通常は重量比で1:0.02〜1:50、好ましく
は1:0.05〜1:20である。本発明の腐食抑制剤
は上記2成分のほかに脱酸素剤その他の腐食抑制効果を
有する成分、pH調整剤等の補助剤成分あるいはスケー
ル防止剤等の他の成分が配合されていてもよい。
【0011】上記の腐食抑制剤は対象系である高温水系
または蒸気発生系における金属、特に鉄の腐食が生じる
部分に添加して腐食を防止する。添加する位置は特に限
定されず、腐食発生部分、例えばボイラ水中に直接添加
してもよく、またその前の部分、例えば給水系に添加し
てもよい。上記の腐食抑制剤は気化性ではなく、発生蒸
気中に移行しないが、高温水中で脱酸素されているため
発生蒸気が凝縮して生成する復水系の腐食抑制も可能で
ある。このため復水系の腐食を抑制する目的で蒸気発生
系の高温水または給水に添加してもよい。
【0012】本発明の腐食抑制剤はタンニン酸またはそ
の塩とコハク酸またはその塩を混合した状態で対象水系
に添加してもよく、また別々に添加してもよい。添加量
は対象水系中の濃度として、タンニン酸またはその塩が
0.1〜1000mg/l、好ましくは0.5〜500
mg/l、コハク酸またはその塩が0.01〜500m
g/l、好ましくは0.05〜200mg/l程度とす
ることができる。
【0013】本発明の腐食抑制剤を高温水系または蒸気
発生系の水系に添加すると、水中の溶存酸素が除去さ
れ、かつ防食皮膜が金属表面に付着することにより、腐
食が抑制される。溶存酸素の除去および防食皮膜の生成
は高温において特に顕著であり、高い腐食抑制効果が得
られる。そしてタンニン酸またはその塩およびコハク酸
またはその塩は安全な物質であり、素材の安全性はもち
ろんのこと、蒸気にアセトアルデヒド、アセトン、メチ
ルエチルケトン等の有害な揮発性有機物が発生すること
もなく、効果の高い腐食抑制剤が得られる。
【0014】
【発明の効果】以上の通り、本発明の腐食抑制剤は、タ
ンニン酸またはその塩とコハク酸またはその塩を含むた
め、有害な分解生成物を生成することなく、安全で腐食
抑制効果の高い高温水系または蒸気発生系の腐食抑制剤
を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0016】比較例1〜6 40℃に調整した厚木市水軟化水に、表1の薬剤を表1
の濃度で添加し、これを容量5Lの実験用テストボイラ
に給水し、圧力1.0MPa、蒸発量5L/h、ブロー
率10%の条件にて運転した。テストボイラの缶内に
は、あらかじめ鋼材製のテストピース(50×15×1
mm)を2枚取り付けた。240時間運転後にボイラを
停止し、冷却後伝熱チューブとテストピースを取り出
し、伝熱チューブについては腐食の発生状況を観察し、
テストピースについては脱錆後の重量を測定し、あらか
じめ測定しておいた初期重量との差より腐食減量を求め
た。結果を表1に示した。
【0017】実施例1〜4 表1の薬剤を表1の濃度で添加し、同様の試験を実施し
た。結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1より、タンニン酸とコハク酸を併用す
ることにより、腐食抑制効果は、タンニン酸およびコハ
ク酸のそれぞれ単独の場合よりも、優れた腐食抑制効果
を示すことがわかる。
【0020】実施例5〜8 純水に表2の薬剤を表2の濃度となるように溶解し、こ
れに水酸化ナトリウムを加えてpH11.5に調整し
た。この溶液1Lを容量1.5Lのオートクレーブに入
れ、180℃に加熱した。5時間経過後に、蒸気を冷却
器で10℃以下に冷却しながら初留20mlをサンプリ
ングライン洗浄のために捨て、その後500mL採取
し、このサンプル中のアセトアルデヒド、アセトン、メ
チルエチルケトンの濃度を測定した。結果を表2に示し
た。
【0021】表2より、タンニン酸とコハク酸を併用し
たものは、熱分解によって発生する揮発性有機物の量が
極めて少ないことがわかる。
【0022】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンニン酸またはその塩と、コハク酸ま
    たはその塩とを含む高温水系または蒸気発生系の腐食抑
    制剤。
JP2001075915A 2001-03-16 2001-03-16 高温水系または蒸気発生系の腐食抑制剤 Pending JP2002275664A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005054398A1 (ja) * 2003-12-01 2005-06-16 Shishiai-Kabushikigaisha 冷却液組成物
JP6120475B2 (ja) * 2008-08-05 2017-04-26 栗田工業株式会社 ボイラ水処理剤及び水処理方法

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WO2005054398A1 (ja) * 2003-12-01 2005-06-16 Shishiai-Kabushikigaisha 冷却液組成物
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