JP2733405B2 - 多重伝送システムの信号伝送方式 - Google Patents

多重伝送システムの信号伝送方式

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JP2733405B2
JP2733405B2 JP4054058A JP5405892A JP2733405B2 JP 2733405 B2 JP2733405 B2 JP 2733405B2 JP 4054058 A JP4054058 A JP 4054058A JP 5405892 A JP5405892 A JP 5405892A JP 2733405 B2 JP2733405 B2 JP 2733405B2
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克彦 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集合住宅管理システム
等のように長距離で信号伝送が行われ、信号線に多数の
送受信器が接続される多重伝送システムの信号伝送方式
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多重伝送システムでは、図2に示すよう
に、2線の信号線2に複数の送受信器1を接続し、夫々
の送受信器1間で信号線2を介してパケット通信により
信号伝送が行れるものがある。この多重伝送システムの
送受信器1間で送受信されるパケットの構成は、図3
(a)に示すように、優先コードPR、自己アドレスコ
ードSA、相手アドレスコードDA、制御コードCC、
電文長コードBC、データDATA、チェックコードF
CC、ダミーコードDMY、応答コードACK/NAK
からなる。ここで、データDATA及びダミーコードD
MYを除く各コードは11ビット構成となっており、図
3(b)に示すように、1ビットのスタートビットS
T、b0 〜b7 の8ビットのデータ、1ビットのパリテ
ィビットP、1ビットのストップビットSPからなる。
なお、データDATAは11×最大256ビットで、ダ
ミーコードDMYは11ビット相当期間となっている。
【0003】この多重伝送システムの信号伝送方式とし
ては、図3(c)に示すAMI方式を採用しており、1
04μsec の1ビットの前半部にパルス幅が52μsec
のパルス信号があると「0」、無ければ「1」であり、
「0」の場合にはその前の「0」の場合と極性を反転す
るようになっている。ところで、この種の多重伝送シス
テムでは、送受信器Aが同時に送信を開始する(所謂競
合が発生する)と、正常な信号伝送を行えなくなる。そ
こで、CSMA/CD方式により競合制御を行ってい
る。このCSMA/CD方式では、優先コードPRと自
己アドレスコードSAとを用いて優先順位の判定を行
い、優先順位の高い送受信器1だけの信号伝送を継続さ
せて、その他の送受信器1の信号伝送を中止させる。
【0004】具体的には、競合状態にある送受信器1
は、互いに競合相手の送信するパケット(以下、受信パ
ケットと呼ぶ)と、自己の送信するパケット(以下、送
信パケットと呼ぶ)との優先コードPRと自己アドレス
コードSAとをビット毎に照合する(以下、この照合を
ビット照合と呼ぶ)。なお、この場合のビット照合は、
優先コードPRのLSB(b0 )から順に行う。例え
ば、競合する一方の送受信器11 の優先コードPRと自
己アドレスコードSAが図4(a)に示すようになって
おり、他方の送受信器12 の優先コードPRと自己アド
レスコードSAが同図(b)に示すようになっていると
して以下の説明を行う。なお、図4(c),(d)は夫
々送受信器11 ,12 の送信信号波形を示す。この場合
においては、自己アドレスコードSAのb2 ビットにお
いて、ビットデータが不一致であることが検出され、競
合状態にあることが送受信器11 ,12 で検出される。
そして、このとき自己アドレスコードSAのb2 ビット
で送受信器12 が同図(d)に示すように送信を中止
し、送受信器11 がそのまま信号伝送を継続する。つま
り、この場合にはビットデータが「0」がビットデータ
「1」よりも優先順位が高くなっている。従って、信号
線2上で伝送される信号波形は図4(e)に示す波形と
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記多重伝
送システムを例えば集合住宅管理システムに適用した場
合には、伝送距離が長くなり、送受信器1の数も増加す
る。従って、これに伴って伝送信号に歪みを生じる。い
ま、図5(a),(b)に示すように歪みを生じたパケ
ットA及びパケットBが衝突したとすると、照合してい
るビット(b0 )の論理が同じであるにもかかわらず、
両方の送受信器11 ,12 で競合負けと判断し、パケッ
トA,Bの送出を共に停止する状況が発生することがあ
る。なお、図5における白丸はサンプリングポイントを
示す。つまり、パケットA及びパケットBが衝突したと
きの信号線2上の信号波形は図5(c)に実線で示すよ
うになり、送受信器11 ,12 での受信パケットの信号
波形は歪みにより上記ビット(b0 )が「0」となる。
即ち、パケットA,Bに歪みがあると、パケットA,B
の信号を加え合わせた形になる信号線2上の信号波形は
図5(c)に示すようになるからである。従って、両送
受信器11 ,12 が競合負けと判断して、共にパケット
A,Bの送信を中止するのである。
【0006】そして、図2(a)に示す休止期間T後に
送受信器11 ,12 は同一のパケットA,Bを再送する
のであるが、上記休止期間Tが一定であると、図6に示
すように、上述した送受信器11 ,12 が共に競合負け
であると判断してパケットA,Bの送信を中止する状況
が再度発生し、以下この状況が無限回繰り返され、結果
的にシステムがラッチアップするという現象を起こす。
【0007】本発明は上述の点に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは、伝送波形歪みが生じる
多重伝送システムにおいても、正常に信号伝送が行える
ようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、送受信装置で競合負けと判断された場
合、信号の送信を停止するための割込処理が自己の備え
るマイクロコンピュータで行われた際の戻りアドレスの
値に応じて乱数を決定するとともに、この乱数に応じ
て、競合負けとなった送受信器から信号を再送する場合
の送信タイミングを決定している
【0009】
【作用】本発明は、上述のように送受信装置で競合負け
と判断された場合、信号の送信を停止するための割込処
理が自己の備えるマイクロコンピュータで行われた際の
戻りアドレスの値に応じて乱数を決定するとともに、こ
の乱数に応じて、競合負けとなった送受信器から信号を
再送する場合の送信タイミングを決定することで、例え
ば伝送波形の歪みにより競合する送受信器の双方が競合
負けを起こした場合、その競合する送受信器から再送さ
れる信号の再度衝突を防止して、正常な信号伝送を可能
し、しかも、信号の送信を停止するための割込処理が
自己の備えるマイクロコンピュータで行われた際の戻り
アドレスの値に応じて乱数を決定することで乱数を発生
する手段を不要としている。
【0010】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。本実施例の
多重伝送システムのシステム構成及び信号伝送方式は基
本的には従来のものと同じであり、本実施例の特徴とす
る点は競合負けとなった送受信器1がパケットを再送す
る場合のタイミングの決定方法にある。例えば、図5で
説明した伝送波形の歪みにより衝突を起こした送受信器
1 ,12 の双方で競合負けであると判断されたとする
と、各送受信器11,12 はパケットA,Bの再送タイ
ミングを乱数的に決定する。このようにすれば、その競
合する送受信器11 ,12 から再送される信号が再度衝
突することがなく、正常な信号伝送が行える。
【0011】ところで、上記再送タイミングは、送受信
器11 ,12 に乱数発生回路を設け、競合発生時点で乱
数発生回路から出力される乱数を用いて決定することも
可能であるが、本実施例の場合には以下の方法で乱数を
決定している。つまり、本実施例の場合には、上記競合
負けと判断されたときにパケットA,Bの送出を停止さ
せる割込がかかったときの自己の信号処理回路として備
えるマイクロコンピュータの戻りアドレスの値に応じて
乱数を決定している。このように戻りアドレスを用いて
乱数的に再送タイミングを設定すれば、乱数発生回路な
どを不要とできる。
【0012】本実施例の再送タイミングの決定方法を以
下に具体的に説明する。いま、送受信器11 ,12 の双
方で得られた戻りアドレスによる乱数がαA,αB(α
A<αB)であったとすると、各送受信器11 ,12
マイクロコンピュータは、この乱数に応じた時間を休止
期間Tに加えた時点で、夫々の送受信器11 ,12 がパ
ケットA,Bを再送する。このようにすれば、再送時の
パケットA,B(再送パケットは*で示す)の再衝突を
回避でき、図1に示すように送受信器11 ,1 2 のパケ
ットA,Bが正常に信号伝送される。
【0013】なお、上述の説明では1回の衝突でパケッ
トA,Bの再送タイミングを乱数的に決定する場合を説
明したが、伝送効率を上げるために、複数回(N回)の
衝突が繰り返されたときに、上述のようにパケットA,
Bの再送タイミングを乱数的に決定するようにしてもよ
い。また、本発明は伝送遅延時間が発生しないような送
受信器1間における正常な信号伝送を可能とする場合に
も適用できる。
【0014】
【発明の効果】本発明は上述のように、送受信装置で競
合負けと判断された場合、信号の送信を停止するための
割込処理が自己の備えるマイクロコンピュータで行われ
た際の戻りアドレスの値に応じて乱数を決定するととも
に、この乱数に応じて、競合負けとなった送受信器から
信号を再送する場合の送信タイミングを決定しているの
で、例えば伝送波形の歪みにより競合する送受信器の双
方が競合負けを起こした場合でも、その競合する送受信
器から再送される信号が再度衝突することがなく、正常
な信号伝送が行える。しかも、信号の送信を停止するた
めの割込処理が自己の備えるマイクロコンピュータで行
われた際の戻りアドレスの値に応じて乱数を決定してい
るため、乱数発生手段を別個に必要としない利点が得ら
れる。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の信号伝送方式の説明図であ
る。
【図2】多重伝送システムのシステム構成図である。
【図3】同上のパケット構成及び信号波形の説明図であ
る。
【図4】CSMA/CD方式による競合制御方法の説明
図である。
【図5】システムがラッチアップする状況の発生原因の
説明図である。
【図6】ラッチアップ状況の説明図である。。
【符号の説明】
1 送受信器 2 信号線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−192242(JP,A) 特開 平2−156751(JP,A) 特開 平1−117543(JP,A) 特開 昭63−167543(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号線に複数の送受信器を接続し、これ
    ら送受信器間で信号伝送を行い、複数の送受信器が同時
    に信号伝送を行う競合状態において、送受信器間で伝送
    される伝送信号の先頭部に付されるコードデータのビッ
    ト照合を行うことにより優先的に信号伝送を継続可能な
    送受信器を決定する競合制御を行う多重伝送システムに
    おいて、上記送受信装置で競合負けと判断された場合、
    信号の送信を停止するための割込処理が自己の備えるマ
    イクロコンピュータで行われた際の戻りアドレスの値に
    応じて乱数を決定するとともに、この乱数に応じて、
    合負けとなった送受信器から信号を再送する場合の送信
    タイミングを決定して成ることを特徴とする多重伝送シ
    ステムの信号伝送方式
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JPH01117543A (ja) * 1987-10-30 1989-05-10 Nec Corp アクセス制御装置
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