JP2732515B2 - リボヌクレアーゼ二量体の製造方法 - Google Patents

リボヌクレアーゼ二量体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ウイルスおよび細菌性の感染症の治療に使
用することのできるリボヌクレアーゼ二量体の製造およ
び精製に使用する一連の技術に関する。
発明の背景 公知の抗生物質に対して抵抗性の細菌種およびウイル
スによる病気の数が増えつづけていることから、新規な
種類の薬剤を導入して人間や動物を治療する必要が生じ
ている。現在使用されている多くの既存の治療および薬
剤の中には、酵素を単量体の形状で投与して、各種の疾
患の患者を処置するものが知られている。症例によって
は、特定の疾病状態の結果として特定の酵素の活性が低
減するので、こうした処置が必要となる。酵素は、生体
中のほぼ全ての主要な生命過程を進行させる触媒活性タ
ンパク質である。したがって、多くの酵素は、生理化学
的、生理学的、あるいは生物学的効果に応じて、単独
で、あるいは特定の組合せで単離されている。
治療効果を有する、あるいは特定の疾病状態で活性の
低下をきたすことが知られている各種の酵素の一つに、
リボヌクレアーゼがある。リボヌクレアーゼは、多くの
動物および植物の生体中に一般に見出される、一群の核
酵素である。リボヌクレアーゼの特性とこの酵素の単離
方法についての研究は、1950年代半ばにシュミットとマ
クドナルドによって開発された。この酵素についての多
くの知見のなかに、癌性の組織ではリボヌクレアーゼの
活性が大幅に低減しているという知見がある。ある例で
は、白血病マウスの酸リボヌクレアーゼ活性が相当低下
しているのが見出され、こうした酵素活性の低下は、白
血病マウスの脾臓組織から得たミトコンドリアおよびミ
クロソーム分画について特に観察された。こうした研究
から、ウイルス性白血病に関連した症状を防止あるいは
改善するうえでの、リボヌクレアーゼの投与の使用可能
性が示唆された。
残念ながら、リボヌクレアーゼの使用により達成でき
たかもしれない有利な効果は、実際には達成できなかっ
た。これは主に、この酵素が単量体の形状は著しい細胞
毒性効果を有するという理由によるものである。たとえ
ば、培養した繊維母細胞を用いた試験では、単量体形状
のリボヌクレアーゼは、極めて少量を投与した場合であ
っても、細胞毒性効果を有することが観察されている。
リボヌクレアーゼが有する可能性のある有利な効果を最
大限発揮させ、なおかつ、単量体形状のこの酵素に伴う
おそれのある有害な細胞毒性効果を最小限にとどめる方
法を開発することが明らかに必要とされていたのであ
る。
最近になって、二量体形状の酵素を主要成分とする組
成物を製造すれば、リボヌクレアーゼから細胞毒性効果
を示さない抗ウイルスあるいは抗細菌性組成物を構成で
きることが見出されてた。すなわち、リボヌクレアーゼ
二量体組成物を使用すると、数多くの感染症の治療に効
果があり、なおかつ、リボヌクレアーゼ単量体に通常伴
う高度の細胞毒性効果を生じないことが見出された。種
々の治療的処置へのリボヌクレアーゼ二量体の使用は、
係続中の出願であるPCT出願米国第88/01785号に開示さ
れている。
単量体形状のリボヌクレアーゼから二量体形状のリボ
ヌクレアーゼを製造する方法はいくつかが公知であるも
のの、大量の二量体形状のリボヌクレアーゼを安価に、
しかも効率良く製造できることが現在重要となってい
る。すなわち、単量体、多量体、あるいは他の混入物質
をはじめとする不純物の含量を最小限にとどめた、大量
の精製リボヌクレアーゼ二量体を製造し、試験するシス
テムを開発することが高度に所望されているのである。
発明の開示 本発明は、精製リボヌクレアーゼ二量体生成物の効率
的な製造方法を提供する。この方法は、 a)単量体リボヌクレアーゼを緩衝液に加え、pHを少な
くとも約9に調整することによってリボヌクレアーゼ溶
液を製造し、 b)スベリミデートカップリング剤、たとえばジメチル
スベリミデートを加えて、リボヌクレアーゼ溶液中のリ
ボヌクレアーゼ単量体を二量化し、その間、pHを少なく
とも約9に保持し、 c)pHを約7に下げることによって、二量化反応を所定
の時点で停止させ、 d)リボヌクレアーゼ溶液をイオン交換樹脂を通して溶
出させ、実質的な量の二量体形状のリボヌクレアーゼを
含有する分画を集める第一濾過工程を実施することによ
って二量体リボヌクレアーゼ溶液を精製し、 e)第一濾過工程で集めた分画を、イオン交換樹脂を通
して溶出させる第二濾過工程を実施し、そして f)第二濾過工程で得られた、高度に精製されたリボヌ
クレアーゼ二量体生成物を集める 工程を含むものである。
この方法を使用すると、大量の精製リボヌクレアーゼ
二量体生成物を製造することができ、そしてこの生成物
は、種々のウイルスおよび細菌性疾患を治療するうえで
極めて有用なものである。
図面の簡単な説明 図1および図2は、本発明にしたがってイオン交換ク
ロマトグラフィーを行った際に得られた溶出の分布をグ
ラフに示したものである。
好適実施態様の詳細な説明 本発明にしたがって二量体形状のリボヌクレアーゼを
製造するにあたっては、現在入手可能な任意にリボヌク
レアーゼ単量体を、出発材料として使用することができ
る。本発明では、使用するリボヌクレアーゼ単量体を、
セルバ・ファイネ・ビオヒェミカ有限会社(Selva Fein
e Biochemica,GmbH)(ハイデルベルク)から入手した
(カタログ番号28260)。使用単量体は、リボヌクレア
ーゼAをはじめとする任意の各種の入手可能なリボヌク
レアーゼとすることができる。リボヌクレアーゼ単量体
は、リボヌクレアーゼ単量体を室温で燐酸塩緩衝液に溶
解して、リボヌクレアーゼ単量体溶液を製造することに
よって、カップリング反応用に調製する。緩衝液は、0.
1M燐酸水素二ナトリウム二水和物緩衝液を使用するのが
好ましく、溶液を約2時間以上連続的にかきまぜること
によって単量体を溶解させる。約70グラムの燐酸水素二
ナトリウム二水和物を約1,000mlのH2Oに溶かすことによ
って適当な緩衝液を製造した。本発明で実際に使用する
反応物質ならびに溶液の量は各種のものとすることがで
きるが、本発明の二量化反応を実施するにあたっては、
40〜約60グラムのリボヌクレアーゼ単量体を、ビーカー
に入った約5lの燐酸水素二ナトリウム二水和物緩衝液に
溶解して使用した。また単量体溶液は、約9以上、特に
好ましくは約10以上のpHに調製するのが好ましい。pHの
調製を行うにあたっては、0.1NのNaOHを使用することが
できる。
二量体反応は、リボヌクレアーゼ単量体溶液に応じて
スベリミデートカップリング剤を添加し、その間、pHを
約9あるいはそれ以上、好ましくは10(±0.2)に保つ
ことによって進行させる。本発明では、ジメチルスベリ
ミデートカップリング剤を使用するのが好ましいが、他
の公知のスベリミデートカップリング剤を用いることも
できる。以上のようにして製造した単量体の溶液に、好
ましくは4〜6gのジメチルスベリミデートを加えると、
約1分以内にカップリング剤が溶解する。マグネティッ
クスターラー等の手段で連続的にかきまぜると、約25℃
(±5℃)の室温で、二量化反応が約30〜60分間にわた
って進行する。反応は、pHを7.0(±0.2)に下げること
によって停止することができ、この操作は、1MのHCl溶
液を添加することによって行うことができる。この時点
で、得られた混合物を、後でもっと詳しく説明するよう
に、接線流装置を使用して濃縮しておくのが好適であ
る。
カップリング反応開始後の各種の時点で、溶液から試
験サンプルを取り出して、ゲル電気泳動で分析しておく
のが有用である。ゲル電気泳動で調べると、単量体形状
の酵素が、分析したほぼ全ての分画で明瞭に見えるのに
対し、二量体形状のリボヌクレアーゼに対応するバンド
は、反応時間が約10分経過した後に視認可能となること
が示された。二量体形状の酵素に対応するバンドが明瞭
に視認可能となるのは約15分後からで、このバンドは、
反応が進行するにつれて一層はっきりする。カップリン
グ剤の添加後約30分が経過すると、オリゴマー形状の酵
素も観察されるようになる。単量体形状のリボヌクレア
ーゼの相対分子量は15,000で、二量体形状のリボヌクレ
アーゼのサイズはその2倍となる。
主に精製リボヌクレアーゼ二量体からなる大量の生成
物を製造するには、二量化したリボヌクレアーゼ溶液
を、少なくとも2工程の濾過工程で処理して、リボヌク
レアーゼ二量体を単離し、単量体あるいは多量体形状の
リボヌクレアーゼを除去することが好ましい。除去した
未二量化リボヌクレアーゼ単量体は捕集することがで
き、これを本発明に再循環させることにより、二量体形
状の酵素を製造する際の効率をさらに上げるのが好適で
ある。
二量化リボヌクレアーゼ溶液からオリゴマーを分離す
るには、溶液をイオン交換樹脂を通して濾過するのが好
適である。好適実施態様では、セファデックスイオン交
換材料を用いて調製したカラムを使用して、濾過を行
う。直径約25cm、高さ約120cmのセファデックスカラム
を調製し、約60リットルの容積のpH約8.6の50mM炭酸水
素アンモニウムで洗浄した。この炭酸塩緩衝液は、約4g
の炭酸水素アンモニウムを1,000mlの水に溶解すること
によって調製したものである。さきに調製しておいた全
リボヌクレアーゼ溶液を、このカラムに注ぎ、平衡緩衝
液とともに溶出させる。溶液の分画はフラクションコレ
クター、たとえばLKB2111シュプレック(Suprec)で分
取し、溶液の流量はおおよそ80ml毎分とする。溶出の分
布は記録装置、たとえばLKB2210記録装置で0.5mm/分の
速度にて記録し、吸収は、280nmで、LKB2238ユビコール
(UVICOR)SIIを用いることによって測定することがで
きる。
この濾過工程で得られる溶出の分布は、通常3つのピ
ークを示す。すなわち、第一のピークがリボヌクレアー
ゼの多量体を表し、第二のピークが二量体を表し、そし
て最後のピークが残存量の単量体形状の酵素に対応す
る。この時点で、ゲル電気泳動分析を使用して個々の分
取分画を分析しておくのも賢明である。この種の分析
は、トーマス(Thomas)ら、ピーエヌエイエス(PNAS)
72:2626(1975)に記載されたSDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法(すなわちSDS-PAGE)によって実施するこ
とができる。このようにして電気泳動で調べる際には、
好ましくは約50μlの各分取分画を約50μlのコーティ
ング緩衝液と混合し、約10分間にわたって約95℃に加熱
する。次に、約25mlのこの混合物をゲルポケットに分配
する。最後に、約4時間にわたって20〜35mAで電気泳動
を行って、各種の形状のリボヌクレアーゼ酵素を分離さ
せる。タンパク質のバンドは、染料、たとえばクーマシ
ーブルーR250(メルック)で着色することによって可視
化する。
このSDS-PAGE法を使用すると、単量体、二量体、ある
いはオリゴマー形状のリボヌクレアーゼ、あるいはそれ
らの混合物を含む分画を同定し、分別することができ
る。分画の組成を同定した後、その時点でほぼ二量体形
状となっている分画を単離して集める。集めた二量体分
画を、好ましくは接線流装置で約800mlまでさらに濃縮
する。接線流装置の膜型ダイヤフラムを再度適当な溶剤
で洗浄して、さらに多くの量の二量体を保持できるよう
にする。この溶液を凍結乾燥すると、さらなる再処理を
行うまで約4℃の温度で保存することができるので好適
である。理想的には、この凍結乾燥を行うにあたって
は、溶液を約200mlずつ500mlの丸底フラスコに分けて入
れ、回転蒸発装置中で液体窒素雰囲気下に置く。このフ
ラスコを密封して閉じ、−30℃で30分間保存すると、材
料が凍結乾燥している。
出発材料は往々にして高価なので、上記の濾過工程で
濾別した単量体は、本発明の二量化過程に再循環させる
のが特に好ましい。この操作は、実質的な量の単量体リ
ボヌクレアーゼを含有すると同定された分画を集め、集
めた分画を接線流装置を使用して濃縮し、そして上述の
カップリング剤を添加することによって行うことができ
る。カップリング反応は上述のようにして進行するの
で、好ましくは上述の濾過工程も実施する。再循環させ
たリボヌクレアーゼを凍結乾燥させた後、この新たに形
成した二量体を、最初の二量化サイクルで得られた二量
化生成物と十分に混合する。こうした再循環技法を用い
ることによって、二量体生成物の収量をさらに30%以下
の範囲で上昇させることが可能となる。
以上のようにして得られた主に二量体を含有する溶液
を、第二濾過工程で処理することによってさらに精製し
て、さらに二量体を単量体ならびにオリゴマーから分離
して取り出し、最終生成物の純度を上昇させる。第二濾
過工程では、上記のようにして得られた凍結乾燥酵素混
合物を、好ましくはイオン交換樹脂、たとえばセファデ
ックスG50Fカラムを通して溶出させる。またこの工程で
は、イオン交換カラムのpHを約5に調整しておくのが好
ましく、この調整の際には、0.2Mの酢酸ナトリウム緩衝
液を使用できる。pH5の酢酸ナトリウム緩衝液は、約27g
の酢酸ナトリウム三水和物の1,000mlの水への溶液を使
用して調製した。
第一濾過工程での測定の際に決定しておいた第二のピ
ークに対応する分取分画を、上記のセファデックスカラ
ムに適用する。上記分画を第二濾過工程で処理する際に
は、第一濾過工程について説明した条件ならびに材料を
この工程でも用いるのが好ましい。第二濾過工程でも溶
出の分布を記録し、第二濾過工程後に所望の分取分画を
同定および単離する際に使用する。今回の溶出の分布
は、極めて大型の二量体含有ピークと、2つの二次的な
弱いピークとを示す。
この場合も、分取分画から取り出したリボヌクレアー
ゼ酵素を、上述のようにしてSDS-PAGEで分析するのが好
ましい。こうして調べると、溶出分布の主ピークに対応
する分画が、高度に精製されたリボヌクレアーゼ二量体
生成物を含有しているのがわかる。この時点で、主ピー
クの分画を集め、好ましくは接線流装置を用いて濃縮す
る。また、この時点で、集めた分画をセファデックスG2
5カラムに通過させることによって脱塩処理しておくの
が好ましい。脱塩処理を実施するにあたっては、直径約
25cm、高さ65cm、基本容量32lのカラムを、流速15l毎時
で運転した。また、50mM炭酸水素アンモニウム緩衝液を
使用した。
生成物はこの時点で、高度に精製されたリボヌクレア
ーゼ二量体組成物から構成されている。しかし、凍結乾
燥リボヌクレアーゼ二量体を製剤学的に有用な形態とし
て製造するには、この二量体をさらに、エンドトキシン
の除去が可能な過程で処理することが望ましい。すなわ
ち、上記で得られた精製二量体生成物を、エンドトキシ
ンに対する結合特性の高いクロマトグラフィー手段、た
とえばデトキシゲル(Detoxigel)を通してさらに溶出
させるのが好適である。デトキシゲルのエンドトキシン
に対するおおよその結合能力は、約2mg/mlである。他の
成分、たとえばタンパク質二量体との非特異的結合も生
じうるので、二量体材料を最大限回収するには、生理学
的pH範囲の緩衝液を使用する。0.1〜0.5Mの塩溶液(た
とえばNaCl)を添加すると、二量体の収量を最大とする
うえで必要はpHの範囲が得られる。通常、1,500酵素単
位/mlを含有する溶液を解毒カラムでクロマトグラフィ
ーにかけると、1.0酵素単位/ml以下まで低減させること
ができる。
リボヌクレアーゼ二量体溶液からエンドトキシンを除
去した後、溶液を集めて滅菌濾過し、滅菌丸底フラスコ
に入れて凍結乾燥を行う。最終製剤のエンドトキシン含
量は、診断キット、たとえば「コーテスト(R)(Coat
est(R))」(ミュンヘン、カビ−ビトラム(Kabi−V
itrum)社)を用いることによって測定できる。この試
験は、エンドトキシンによるリルムス−アモエボサイテ
ン−リサート(Limulus-Amoebocyten-Lysat、LAL)の活
性化に基づくものである。活性化されたLALは、色素原
基質(S-2423)から黄色の染料であるp−ニトロアニリ
ンを分離させるので、その吸光をエンドトキシン含量の
めやすとして405nmで分光光度計を使用して測定する。
エンドトキシン含量が0.1ng/mg未満の場合に、二量体溶
液を丸底フラスコに入れて凍結乾燥する。
上記の過程は、所望量の最終リボヌクレアーゼ二量体
生成物が得られるまで何回でも繰り返すことができる。
精製後の個々のバッチの二量体は、必要に応じて滅菌す
ることも、あるいはさらに凍結乾燥することもでき、そ
の結果、均質なリボヌクレアーゼ二量体充填物が得られ
る。こうして得られたリボヌクレアーゼ二量体は、多く
のウイルス性および細菌性疾患の治療、たとえば係続中
の出願であるPCT/US88/01785に開示された治療で高度に
有用である可能性がある。抗ウイルスおよび抗細菌効果
に加え、リボヌクレアーゼ二量体が有している他の治療
上の利点、たとえば抗炎症剤あるいは抗ヒスタミン剤と
しての使用も、単量体形状の酵素が有していた潜在的細
胞毒性を伴うことなく得ることができる。本発明は、大
量の有用な精製リボヌクレアーゼ二量体生成物を効率的
に製造しうるという点で特に有用である。本発明の方法
を使用することによって得られた特定のリボヌクレアー
ゼ二量体生成物は、リボ核酸溶液に対する酵素活性につ
いて調べ、リボヌクレアーゼ二量体の適用後に分光光度
計を使用することによって監視することができる。この
ように、本発明の方法を使用すると、高度に精製された
二量体酵素を生成し、そしてその活性を調べることが可
能となる。
以下の実施例は本発明を例示するために提示するもの
であって、本発明の範囲は、これらの実施例によって何
ら制限されるものではない。
実施例1:リボヌクレアーゼ二量体の製造 50gのリボヌクレアーゼ単量体を、カバー付きビーカ
ーに入れた5lの0.1Mの燐酸水素二ナトリウム二水和物に
溶解し、0.1NのNaOHを用いてpH10.0に調整した。燐酸水
素二ナトリウム二水和物緩衝液は、70.98gの燐酸水素二
ナトリウム二水和物を1,000mlの水に溶解することによ
って調製したものである。次に、5gのカップリング剤、
ジメチルスベリミデート(シグマ(Sigma)、バッチ番
号29F 3687)を25℃(室温)で加えると、ジメチルスベ
リミデートは1分以内に溶解した。0.1NのNaOHを使用し
て、溶液のpHレベルを制御し、連続的にpH10に調整し
た。マグネティックスターラーを使用して溶液を連続的
にかきまぜ、約25℃で45分間にわたって反応を進行させ
た。1MのHClを使用することによりpHを約7.0まで下げ
て、反応を停止させた。
カップリング反応開始後の各種の時点で、試験サンプ
ルを取り出し、ゲル電気泳動によって分析した。SDSゲ
ル内で、リボヌクレアーゼの単量体、二量体、および多
量体が分離して展開された。使用した単量体形状のリボ
ヌクレアーゼの相対分子量は15,000で、二量体形状のリ
ボヌクレアーゼは、この約2倍のサイズであった。電気
泳動分析では、二量体のバンドがカップリング剤の添加
後15分で明瞭に形成させるのが視認され、このバンドが
反応の進行につれて太くなることがわかった。また30分
後には、オリゴマー形状のリボヌクレアーゼが生成し
た。
二量化リボヌクレアーゼ溶液を接線流装置(ミリポア
(Millipore))で800mlまで濃縮した。ミリポアの装置
は、フィルトロン・アウスシュラス(Filtron Ausschlu
ss)の10,000dのフィルター、引裂抵抗が7バールのオ
レフィン膜、およびバーダー(Verder)の80W型20-30♯
60079ポンプを備えていた。投入圧力は、2バールと
し、排出圧力は最低で0.2バールとした。作業能力は約
1/時であった。この装置の死容積は400mlであった
ので、濃縮過程の終了時に400mlの溶液で洗浄した。そ
の結果、最終容積は1,200mlとなった。
次に、濃縮リボヌクレアーゼ溶液を、セファデックス
G50F(ファルマシア)を使用した濾過工程で処理して、
二量化過程で生成した各種のオリゴマーを分離した。こ
の濾過では、直径25.2cm、高さ120cmのカラムを、60lの
容積の、50mMの炭酸水素アンモニウム、pH8.6で洗浄し
た。50mMの炭酸水素アンモニウム緩衝液は、3.95gの炭
酸水素アンモニウムを1,000mlの水に溶解することによ
って調製した。次に、1,200mlのタンパク質溶液の全量
を、ゲルベッド上にコーティングし、平衡緩衝液で溶出
させた。約1,000mlの分画をフラクションコレクター(L
KB2111シュプレック)で約15分間にわたって分取し、こ
れは80ml/分の流量に相当していた。溶出の分布をLKB22
10記録装置を用いて0.5mm/分の速度で記録し、吸収を28
0nmでLKB2238ユビコール(UVICOR)SIIを用いて測定し
た。図1に示すように、溶出の分布は3つのピークを示
しており、第一のピークはリボヌクレアーゼの多量体
を、第二のピークは二量体を、そして最後のピークはこ
の酵素の単量体形状を示すものである。図1で太線は、
グラフの下側の細線より高い感度で検出を行った場合の
リボヌクレアーゼ溶液の吸収の分布を示す。
次に、個々の分画のリボヌクレアーゼ混合物を、SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)法で、ト
ーマス(Thomas)ら、PNAS72:2626(1975)にしたがっ
て分析した。この過程では、50μlの各分画を50μlの
コーティング緩衝液と混合し、混合物を95℃にて10分間
加熱する。次に、25μlのこの混合物を、ゲルポケット
に分配する。試験に際しては、標準IV(メルック)タン
パク質混合物を、12,300、30,000、45,000、66,200およ
び76,000の分子量をカバーする対象標準として分配す
る。使用したコーティング緩衝液は、以下の成分を含有
していた。
0.72g トリス・HCl(0.06M) 0.136g EDTA(III)(5mM) 0.18g グリセリン(10%) 5g SDS、pHを7.2に設定(90mlの水を添加) 10mlのβ−メルカプトエタノール(10%) ゲル電気泳動の過程を行うにあたっては、18%の分離
用ゲルを調製し、その上に、3.9%の回収用ゲルを積層
した。18%アクリルアミド用の分離用ゲル溶液は、以下
の成分を含有していた。
9g アクリルアミド 0.045g ビスアクリルアミド 0.136g トリス・HCl、pH8.8(0.325M) 0.03g SDS 200μl 10%過硫酸アンモニウム溶液 20μl TEMED 3.9%アクリルアミド用の分離用ゲル溶液は、以下の
成分を含有していた。
0.39g アクリルアミド 10.4mg ビスアクリルアミド 0.125m トリス・HCl、pH6.8 10mg SDS 100μl 10%過硫酸アンモニウム溶液 10μl TEMED SDSポリアクリルアミドゲルを調製するにあたって
は、2枚のガラス板を取り出してエタノールで十分に洗
浄化し洗浄して、重ね合わせた。2枚の厚さ1mmのスペ
ーサストリップ(長さ20cm、幅1cm)を配置して、2枚
のガラス板の間にゲル注入用の間隙を確保した。スペー
サストリップは、ガラス板の左および右の縁に取り付け
る。底の縁は粘着性繊維ストリップで封止し、三方の縁
をすべてクランプで補強する。縁をさらに1%アガロー
ス溶液で封止する。アガロースが硬化したら、隙間に、
さきに調製しておいた分離用ゲル溶液を、鉛直位置でガ
ラス板の上縁から約3cm下まで充填し、その上にパスツ
ールピペットを使って水の層を堆積する。ゲルは約30分
後に重合する。水のコーティングを注ぎ流し、ゲルの縁
を上述の回収用ゲル溶液で1回洗う。
次に、回収用ゲル溶液を縁まで充填し、テフロン製の
サンプル回収用コームを差し込んで、サンプルポケット
の下端が分離用ゲル層前端の約1cm手前までくるように
する。約15分後に回収用ゲルが重合するので、コームを
取り除くことができる。次に、粘着性繊維ストリップを
除去し、ゲルを鉛直位置として電気泳動装置に連結す
る。緩衝液室に電気泳動用緩衝液(6gのトリス・塩基
(0.05M)、28.5gのグリシン(0.38M)、1gのSDS(0.1
%)、および1,000mlのH2O)を充填し、ゲルポケットを
緩衝液のスプレーを使用して1回洗う。リボヌクレアー
ゼ二量体サンプルを、緩衝液コーティング中で95℃にて
約10分間加熱し、容器、すなわちゲルポケットに対応す
る試験用サンプルポケットの領域に充填する。
電気泳動を約20mAで約4時間実施した。一晩電気泳動
するのが望ましい場合には、印加電流を約6〜8mAまで
おとして泳動させればよい。コーティング緩衝液に0.02
%のブロモフェノール・ブルーを混合しておくと、移動
の前端を目で確認できる。泳動の前端がゲルの下端に達
したところで電気泳動を停止した。分離量ゲルを切り出
し、固定液中で約30分間染色し、そして再度、400mlの
メタノール、140mlの酢酸、および2,000mlのH2Oからな
る脱色溶液中で2時間にわたって脱色する。固定液は、
500mlの脱色溶液を、1gのクーマシー・ブルー(R250、
メルック)、50mlのH2O、および50mlのメタノールから
なる12mlの染色液と配合することによって調製した。次
に、この染色液で着色することによって、タンパク質の
バンドを目で見えるようにした。このSDS-PAGE法を使用
して追跡したところ、サンプル中の二量化リボヌクレア
ーゼの量が次第に増大し、最終的には多量体を含有する
分画も含まれるようになることが示唆された。
主に二量体形状であった分画をすべて集め、接線流装
置(ミリポア)で800mlまで濃縮した。膜型ダイヤフラ
ムを再度400mlの透過液で洗浄し、二量体を含有する1,2
00mlの溶液が残るようにした。次に、この溶液を凍結乾
燥し、次の工程まで4℃で保存した。凍結乾燥にあたっ
ては、溶液を約200mlずつ500mlの丸底フラスコに分配
し、このフラスコを液体窒素中に置いて、回転蒸発装置
(ヘイドルフ(Heydolph)VV60)中で凍結させた。さら
に、フラスコを密封して閉じ、約30分間−30℃にて保存
した。最後に、この材料を通常の作業法で凍結乾燥し
た。
次の作業工程の前に、第一濾過工程で濾別しておいた
単量体リボヌクレアーゼを集め、二量化過程に再循環さ
せた。この際、主に単量体形状のリボヌクレアーゼから
なる濾過工程での濾別分画を集め、上述した接線流装置
を使用して4lまで濃縮した。次に、上述のようにしてカ
ップリング剤を使用することにより、単量体分画を二量
化した。再循環させた単量体を使用したカップリング工
程にひき続いて、上述のようにして濾過工程を実施する
と、再循環させた単量体が二量体形状となって得られ
た。最初に二量化工程で得られた凍結乾燥生成物を、単
量体を再循環させることによって得られた二量体凍結乾
燥生成物と配合する。
上記の工程で得られた凍結乾燥リボヌクレアーゼ混合
物の配合物を、ここで再度セファデックスG50Fでクロマ
トグラフィーにかけ、二量体を単量体およびオリゴマー
からさらに分離する。このクロマトグラフィー過程を実
施する際には、セファデックスG50F(ファルマシア)カ
ラムを、pH5の0.2M酢酸ナトリウム緩衝液を用いて使用
した。この0.2M酢酸ナトリウム緩衝液は、27.22gの酢酸
ナトリウム三水和物を1,000mlの水に溶解することによ
って調製した。クロマトグラフィーを実施するにあたっ
ては、第一濾過工程についてさきに説明した条件ならび
に装置を使用した。
この場合も溶出の分布を調べ、その結果を図2に示
す。この図で、太線は、グラフの下側の細線が示す吸収
の分布より高い感度で検出を行った場合のリボヌクレア
ーゼ溶液の吸収の分布を示すものである。高感度の方の
溶出分布の中央には、二量体含有分の大型の主ピークが
みられ、あとの2つの二次的なピークは低いものにとど
まっている。ピークの分画から取り出した酵素をSDS-PA
GEで分析すると、第一濾過工程の溶出分布と比べて、二
量体が主ピークにより多く蓄積していることがわかる。
主ピークの分画を集め、上述の接線流装置を用いて濃
縮した。脱塩の目的で、これらの集めた分画を、セファ
デックスG25カラムを通過させた。カラムは直径25.2c
m、高さ65cm、基本容量32lで、15l/時の流速で処理を行
った。最大で5リットルの、第二の溶出分布での主ピー
クに由来するリボヌクレアーゼ溶液の全量を、セファデ
ックスカラムにコーティングした。脱塩は、50mMの炭酸
水素アンモニウム緩衝液を使用して実施した。脱塩サイ
クルは90分間継続し、この時点で5lが補集された。サイ
クルの残存分は廃棄した。溶出の分布を記録したとこ
ろ、5lのショットフラスコに単一ピークのものが補集さ
れていた。生成した最終生成物のサンプルを、β−メル
カプトエタノールを用いた還元条件下で非還元形状で追
跡し、プロットした。最終精製生成物をSDS-PAGEで調べ
たところ、二量体形状のリボヌクレアーゼのみが存在し
ていた。
凍結乾燥タンパク質を製剤上有用な形状とするには、
リボヌクレアーゼ二量体からエンドトキシンを除去する
必要があった。この目的で、精製二量体を、デトキシゲ
ルカラムを使用したクロマトグラフィーで処理した。目
的とするリボヌクレアーゼ二量体材料を最大限回収する
には、生理学的pH範囲の緩衝液を使用する必要があり、
そのために塩溶液を添加した。酵素溶液をデトキシゲル
カラムにコーティングし、1,500酵素単位/ml以下の量の
エンドトキシンを除去した。各サイクルの前後に、デト
キシゲルを1%デオキシコレートで再生し、洗浄液中に
エンドトキシンが検出されなくなるまで水で十分洗浄し
た。カラムの容量は750ml(直径9.5cm、高さ14cm)と
し、カラムは0.1M重炭酸アンモニウムで平衡化した。エ
ンドトキシンを除去した緩衝液を、滅菌水と混合した。
2lの容積のリボヌクレアーゼ溶液をゲルベッドにコーテ
ィングし、ゲルに浸透させた。次に、タンパク質を平衡
化緩衝液で溶出させ、滅菌ビーカーに集めた。次に、こ
の溶液を丸底フラスコに移して凍結乾燥した。
調製物のエンドトキシン含量を、ミュンヘンのカビ−
ビトラム(Kabi-Vitrum)社の「コーテスト(Coatest)
(R)」という名称の診断キットで測定した。この試験
は、エンドトキシンによるリムルス−アモエボサイテン
−リサート(Limulus-Amoebocyten-Lysat(LAL)の活性
化に基づくものである。活性化したLALは、色素原基質
(S-2423)から染料であるp−ニトロアニリンを遊離さ
せるので、褪色を。エンドトキシン含量のめやすとし
て、分光光度計を用いて405nmで測定する。0.1ng/mg未
満の精製リボヌクレアーゼ二量体生成物を丸底フラスコ
に移し、凍結乾燥した。得られた生成物は、さらなる使
用の際に必要となるまで保存しておくことができる、高
度に精製されたリボヌクレアーゼ二量体の凍結乾燥物で
あった。
実施例2:酵素活性試験 本発明で調製した二量体リボヌクレアーゼの酵素活性
は、活性試験、たとえばクニッツ(Kunitz)、遺伝生理
学雑誌(J.Gen.Physiol.)24:15(1940)に記載された
活性試験を使用することによって調べることができる。
この試験は、リボヌクレアーゼがリボ核酸に影響を及ぼ
す結果、吸光スペクトルが紫外範囲内で波長の短い方に
移動するという事実に基づくものである。290〜305nmの
範囲では、リボヌクレアーゼによる消化の結果、核酸の
濃度が減少する。反応の初期のフェーズでは、この減少
が線形で生じるので、酵素活性の尺度として使用でき
る。本試験では、核酸の減少量を300nmで測定する。
試験は25℃の定温で実施し、テンペラブルキュベット
を使用して、すべての溶液を使用の前に25℃で5分間処
理できるようにした。測定は、分光光度計を使用して、
300nmにて実施した。反応容積は3mlとし、反応は、1cm
の厚さの層が入る3mlのキュベットで実施する。
反応混合物の調製にあたっては、1.5mlのリボ核酸溶
液、0.05〜0.5mlのリボヌクレアーゼ分画含有試験サン
プル、および10mlとなるまで加えた水を使用した。リボ
核酸溶液は、80mgのリボ核酸、および50mlの酢酸塩緩衝
液に溶解したナトリウム塩(ベルリンガー)を使用して
調製した。酢酸塩緩衝液は、0.57mlの氷酢酸と約80mlの
蒸留水を混合し、1NのNaOHでpH5に調整し、蒸留水を100
mlまで足してから滅菌濾過することによって調製した。
pH5の0.1M酢酸塩緩衝液とした。リボヌクレアーゼ二量
体含有試験サンプル液は、5mlの蒸留水に溶解した5mgの
リボヌクレアーゼ二量体サンプルを、測定値が好適な範
囲内におさまるように希釈することによって調製した。
リボ核酸と試験サンプル液をキュベット中で混合し、
核酸の減少を分光光度計スペクトロニック1001(ボシュ
ロム)を使用して約20分間追跡した。吸収の分布を記録
し、約8分間にわたって線形の範囲を観察した。反応
は、約3時間後に反応が完了するまで25℃でひき続き進
行させた。その時点で溶液を再度測定して最終的な地を
決定し、測定は2回繰り返して、それらの平均値を計算
した。
酵素活性を計算するにあたっては、反応開始時の核酸
の吸光(E0)、ならびにΔE/分で進行する線形の初期範
囲の反応の最終的な吸光(Ee)を測定する必要がある。
リボヌクレアーゼ二量体の試験サンプルの希釈度は、Δ
E/分が0.007以下となるように選択すべきである。ブラ
ンク値を、リボヌクレアーゼと水から調製した反応バッ
チを用いて設定し、この値を測定値から差し引く必要が
ある。1酵素単位を、試験条件において、25℃の基質に
ついてE-Eeの値の減少が100%/分となる酵素の量とし
て定義する。300nmで観察される可能性のある吸光の最
大値は、E0‐Eeである。酵素の比活性の計算は以下のよ
うにした行った。
本発明の二量体リボヌクレアーゼ酵素は、有意な量の
酵素活性を示した。

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)単量体リボヌクレアーゼを緩衝液に加
    え、pHを少なくとも約9に調整することによってリボヌ
    クレアーゼ溶液を製造し、 b)スベリミデートカップリング剤を加えて、リボヌク
    レアーゼ溶液中のリボヌクレアーゼ単量体を二量化し、
    その間、pHを少なくとも約9に保持し、 c)pHを約7に下げることによって、二量化反応を所定
    の時点で停止させ、 d)二量化リボヌクレアーゼ溶液の濾過を、溶液を陽イ
    オン交換樹脂を通して溶出させ、二量体形状のリボヌク
    レアーゼから実質的に構成される分画を集める第一濾過
    工程を実施することによって行い、 e)第一濾過工程で集めた分画を、陽イオン交換樹脂を
    通して溶出させる第二濾過工程を実施し、そして f)第二濾過工程で得られた、高度に精製されたリボヌ
    クレアーゼ二量体生成物を集める 工程を含む精製リボヌクレアーゼ二量体生成物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】単量体リボヌクレアーゼ溶液をpH約10に調
    整する請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】単量体リボヌクレアーゼ溶液を、NaOHを加
    えることによってpH10に調整する請求の範囲第2項記載
    の方法。
  4. 【請求項4】単量体リボヌクレアーゼ溶液に使用する緩
    衝液が、燐酸水素二ナトリウム二水和物緩衝液である請
    求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】カップリング剤の単量体リボヌクレアーゼ
    溶液への添加を、溶液のpHを約10に保持しつつ行う請求
    の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】スベリミデートカップリング剤が、ジメチ
    ルスベリミデートである請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】二量化工程を室温で実施する請求の範囲第
    1項記載の方法。
  8. 【請求項8】二量化工程を、溶液を連続的にかきまぜな
    がら実施する請求の範囲第1項記載の方法。
  9. 【請求項9】二量化反応を、HClを添加することによっ
    て停止する請求の範囲第1項記載の方法。
  10. 【請求項10】二量化リボヌクレアーゼ溶液を、接線流
    装置を使用することにより、濾過工程の前に濃縮する請
    求の範囲第1項記載の方法。
  11. 【請求項11】第一濾過工程を、架橋デキストランイオ
    ン交換樹脂を使用することによって実施する請求の範囲
    第1項記載の方法。
  12. 【請求項12】リボヌクレアーゼ単量体溶液が、40〜60
    gのリボヌクレアーゼ単量体と、4〜6lの緩衝液を含有
    し、そして約4〜6gの量のカップリング剤を添加する請
    求の範囲第1項記載の方法。
  13. 【請求項13】第一濾過工程の後に集めた分画を、ゲル
    電気泳動によって分析する請求の範囲第1項記載の方
    法。
  14. 【請求項14】第一濾過工程の後に集めた分画を凍結乾
    燥する請求の範囲第1項記載の方法。
  15. 【請求項15】第一濾過工程の後に集めた、主に単量体
    リボヌクレアーゼからなる分画を、二量化過程に再循環
    させる請求の範囲第1項記載の方法。
  16. 【請求項16】第二濾過工程を、架橋デキストランイオ
    ン交換樹脂を使用することによって実施する請求の範囲
    第1項記載の方法。
  17. 【請求項17】第二濾過工程を、pH約5で実施する請求
    の範囲第1項記載の方法。
  18. 【請求項18】第二濾過工程のpHを、酢酸ナトリウム緩
    衝液を使用することによって得る請求の範囲第17項記載
    の方法。
  19. 【請求項19】第二濾過工程の間に集めた分画を、ゲル
    電気泳動によって分析する請求の範囲第1項記載の方
    法。
  20. 【請求項20】第二濾過工程の後に、脱塩工程を実施す
    る請求の範囲第1項記載の方法。
  21. 【請求項21】脱塩工程を、架橋デキストランG25カラ
    ムを使用することによって実施する請求の範囲第20項記
    載の方法。
  22. 【請求項22】さらに、精製リボヌクレアーゼ二量体生
    成物から、エンドトキシンを除去する工程を含む請求の
    範囲第1項記載の方法。
  23. 【請求項23】エンドトキシンの除去を、デトキシゲル
    カラムを使用することによって実施する請求の範囲第22
    項記載の方法。
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