JPH02100696A - ヒト由来分化誘導物質 - Google Patents

ヒト由来分化誘導物質

Info

Publication number
JPH02100696A
JPH02100696A JP63250916A JP25091688A JPH02100696A JP H02100696 A JPH02100696 A JP H02100696A JP 63250916 A JP63250916 A JP 63250916A JP 25091688 A JP25091688 A JP 25091688A JP H02100696 A JPH02100696 A JP H02100696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differentiation
cell
cells
human
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP63250916A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Abe
力 阿部
Tsuneo Sato
恒雄 佐藤
Masanobu Murakami
昌伸 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP63250916A priority Critical patent/JPH02100696A/ja
Publication of JPH02100696A publication Critical patent/JPH02100696A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野〕 本発明は細胞分化誘導活性を有する新規なヒト由来分化
誘導物質に関するものである。
本明細書において、アミノ酸、ペプチドはIUPACl
[IB生化学命名委員会(CBN)で採用された略記法
により表示され、例えば下記の略号が使用される。
なお、アミノ酸などに関し光学異性体がありうる場合は
、特に明示しなければL体を示すものとする。
Pro ニブロリン残基 Leu :ロイシン残基 11e :イソロイシン残基 Val :バリン残基 へla:アラニン残基 × :エドマン分解法にて同定しえない、もしくは同定
が困難なアミノ酸 [従来の技術] 近年、免疫反応を担う細胞群の中で、マクロファージ(
以下、Mφと略記する)が注目されている。Mφは、富
貴作用による抗原物質の生体内処理を始めとして、生体
の防御機構の中で、中心的な役割を演じている。また、
細胞外からの刺激に応じて、Mφは、インターロイキン
−1、腫瘍壊死因子、コロニー形成刺激因子など、多種
の重要な生理活性物質を産生ずることが知られてきた。
血液細胞は、造血幹細胞より、増殖分化を経て、成熟し
て機能細胞へと成熟する。この分化成熟の過程で増殖能
をもち、M[I癌化したものが白血病細胞である。分化
誘導物質は、このII!I瘍細胞を正常な機能をもった
細胞へと分化を促し、新しい癌の治療方法への応用が期
待されている。
なかでも安全性が高いと期待されるヒト由来の蛋白性の
分化誘導物質については、活発に研究がなされてきた。
初期の研究で示された、レクチン刺激したヒト末梢血リ
ンパ球が作り出すとされる分化誘導物質(ジャーナル 
オプ ナショナルキャンサーインスティチュート J、
NationalCancer In5ti−tute
 67S 1225頁(1981年)およびキャンサー
 リサーチCancer Re5earch 42巻3
928頁(1982年))を始め特開昭60−2893
4号など幾多の報告および特許出願があるものの、この
物質を単離しその性質を特定するには至っていない。
しかし注目すべき先行技術もある。マウスの白血病抑制
因子(この物質の精製方法は未だ開示されていない)の
DNA配列を解明し、該配列をプローブとして、ヒトの
ゲノムより類似のDNA配列を捜し出した。そして該D
NA配列を酵母にて蛋白に翻訳し、その生理活性を調べ
たところ、マウスの白血病抑制因子と類似の活性を認め
た(ブロシーデインダス オブ ナショナル アカデミ
オブ サイエンス 米国Proc、 Natl、 Ac
ad。
Sci、 USA 85巻 2623頁(1988) 
)。
白血病抑制因子は、白血病細胞に対し分化誘導活性を示
すとされている。該先行技術は、マウスにおいて特定し
た生理活性物質の遺伝子に相同性の高い遺伝子配列がヒ
トに存在すること、および酵母で発現せしめた遺伝子産
物の分化誘導機能の存在を示しているが、該物質をヒト
の細胞から単離し、その性質を特定するには至っていな
い。
[発明が解決しようとする問題点] このように、ヒト末梢血リンパ球、ヒトT細胞性白血病
細胞株もしくはヒト骨髄性白血病細胞株などから生成さ
れる分化誘導活性を示す蛋白性生理活性物質を単離しそ
の物質的特定を目指す。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記先行知見を認識しつつ、マクロファ
ージ(Mφ)系の細胞が、より安定性に優れた、強い細
胞分化誘導作用を有する蛋白性の生理活性物質を産生ず
るとの作業仮説に基いて、鋭意検討を続けてきた。その
結果、ヒトのMφ前駆細胞に作用して、単独でMφへと
分化を誘導する活性を有するヒト由来の蛋白性の細胞分
化誘導物質を見いだし、培養液中に微量に存在する目的
物質を単離精製し、物質的特定を行ない本発明を完成す
るに至った。
本発明において、効果的な目的物質の採取のためにMφ
の前駆細胞に相当する白血病細胞株を使用する。該細胞
株に分化誘導能を有する物質(以下、分化誘導剤と略記
する)を作用せしめ、Mφ様細胞へ変化させた後、培養
液中に目的物質を生産せしめた培養液を単離精製の出発
物質として用いた。
[発明の内容] すなわち本発明とは、プロリン残基をPro、ロイシン
残基をLeu 、イソロイシン残基をIle、バリン残
基をVal 、アラニン残基をAla 、シてエドマン
分解法にて同定しえないもしくは同定が困難なアミノ酸
を×と表記するとき、アミノ末端のアミノ酸配列が、P
ro−Leu−Pro−11e−X−Pro−νal−
XAla−X−X−Ala−11e−X−X−Pr。
で示され、下記の特性を有する糖蛋白性の生理活性物質
であって、 a)分子量 51,000±5,000(ゲルろ過性)
so、ooo±5,000(非還元5DS−ポリアクリ
ルアミド電気泳動法) b)等電点 8.9±0.3(等電点電気泳動法)C)
レクチン結合性 コンカナバリンAおよびレンチルレク
チンに結合性を有する ヒトおよびマウスの白血病細胞に対する細胞分化誘導作
用を有するヒト由来の生理活性物質である。
本発明において、細胞分化誘導作用を有する物質とはヒ
ト由来の正常細胞もしくは細胞株が産生ずる物質であっ
て、試験管内で少なくともヒトのMφ前駆細胞に相当す
る細胞株THP−1、HL60およびU937、そして
マウス間1細胞を分化させ、貧食能を誘起する能力を有
する物質を意味する。
THP−1は、インターナショナル ジャーナル オブ
 キャンサー(Int、 J、 Cancer) 26
巻、171頁(1980年)、HL−60は、ネイチャ
(Na ture) 、 270巻、347頁(197
7年)、U937は、インターナショナル ジャーナル
 オブ キャンサ−1nt、 J、 Cancer 1
7巻565頁(1976年)、Mlは、ジャーナル オ
ブ セル フィジオロジJ、 Ce1l Physio
l、 74巻223頁(1969年)にその細胞の特性
が記載されている。本発明の分化誘導物質を作る細胞は
、正常細胞の利用も可能であるが、潤沢に細胞を準備す
ることは困難である。
一方、細胞株は無限に細胞を増殖することが可能であり
利用し易い。細胞株には特に制限はないが、多量の分化
誘導物質を産生ずる能力を示すMφの前駆細胞に相当す
る白血病細胞株の利用が好ましく、具体的にはTHP−
1、HL−60およびU937などの細胞株が該当する
。また分化誘導物質の産生に際し、分化誘導剤を作用さ
せることにより、顕著にその産生量を高められる。具体
的には分化誘導剤として、例えばホルボールエステル類
、メゼレインに代表されるジテルペン系化合物およびテ
レオシジンなどが挙げられる。またホルボールエステル
類では、4β−ヒドロキシ体が好ましく、中でも、12
−O−テトラデカノイルホルボルー13−アセテート(
以下、TPAと略記する)が適切である。
またMφの活性化物質であるビタミンA誘導体、例えば
、ビタミンA酸、ビタミンAアルコール、ビタミンAア
セテートそしてビタミンAアルコールなど、ジメチルス
ルホキシド、酪酸ナトリウム塩、ハイドロコーチシン、
ダラム陰性菌由来のりボポリサンカライド、リピッドA
、BCG菌などの菌体壁、ムラミルジペプチドなどもそ
れぞれ単独、あるいは適宜組み合わせて用いることによ
り、Mφを活性化させ、細胞分化誘導物質の産生を促進
する。
分化誘導物質の産生に充分な時間をかけヒト由来細胞株
を培養した後、培養上清を収集し、遠心分離により細胞
層を除去することにより、分化誘導物質を含む溶液が得
られる。この細胞分化誘導物質を含む溶液を用い、生化
学的単離精製操作、例えば限外ろ過による濃縮および脱
塩、陽イオン交換体および陰イオン交換体によるイオン
交換クロマトグラフィー、レクチンあるいは特異抗体に
よるアフィニティークロマトグラフィー、ゲルろ過、電
気泳動等を適宜組み合わせて精製することにより、分化
誘導物質の高純度精製標品が取得できる。
分化誘導物質の活性の測定は、試験管内でマウス間1細
胞に官金能を誘起する効果により行なった。本発明者ら
が用いている方法は、トキシコロジーフォーラム7巻5
0頁(1984年)に示された林の方法に改良を施した
方法である。
すなわち、増殖期にある10万個のM1細胞を培地(イ
ーグルMEM十通常の2倍世のアミノ酸とビタミン助剤
+10%牛脂児血清)に加え、試験液(分化誘導活性を
含む)を混じ、0.5ml とし、24ウエル培養プレ
ートに入れ、炭酸ガス培養器中で、37°Cで2日間培
養する。続いて遠心処理(11000rp、10分間)
を施し、上澄み液を捨て、血清を含まない前述の培養液
0.5mlを加えて再び細胞を懸濁し、終濃度2μl/
mlのポリスチレン・ラテックス粒子(1,004μl
Yl:積木化学製)を加え撹拌した後、さらに4時間培
養する。この細胞を1m!のリン酸緩衝化生理的食塩液
(以下、PBSと略記する)でよく洗浄、遠心し、細胞
外のラテックス粒子を除去する。この操作を2回繰り返
したのち、遠心管の底に沈殿した細胞をピペットで吸い
上げ、スライドガラス上に1滴落とす。これに0.5%
エオシン液1滴を加え、カバーガラスをのせ、顕微鏡で
観察する。赤く染色される死細胞を除き、生細胞のみに
ついて、10個以上のラテックス粒子を官女した細胞と
官金していない細胞とを計数し、賞金細胞の比率を求め
る。試験液を適宜希釈して上記条件にて測定を行ない、
富含細胞の比率が10%になるのに必要な、分化誘導物
質の活性量を1単位と定義する。以下本発明における分
化誘導物質の活性量は、この官金能測定法によって測定
した単位で示されている。
上記の細胞の培養により産生される、本発明の細胞分化
誘導物質の性質を詳しく述べる。
A)分子量: 51,000±5 、000 (ゲルろ
過法)PBSに0.01χ(w/v)のポリエチレング
リコール6000 (以下、P!EG6000と略記す
る)と0.02X(W/V)のアジ化ナトリウムを添加
した?fI>&(以下、緩衝液Aと略記する)にて平衡
化したゲルろ過カラム(Superose 12、ファ
ルマシア社!!りにてゲルろ過法による分子量を決定す
る。分化誘導物質の溶出位置は280nmの紫外部吸収
ならびにM1細胞を用いた亥食能測定法を用いる。
参照する分子量の標準物質として、カタラーゼ(24万
)、牛血清アルブミン(6,7万)、キモトリプシ、ノ
ーゲンA (2,5万)およびチトクロムC(1,25
万)を用いる。
B)分子量750.000±5,000(非還元5DS
−ポリアクリルアミド電気泳動法) レムリの方法(ネーチャー Nature 227巻6
80頁(1970年))に準じアクリルアミドゲル濃度
10%にて非還元状態で電気泳動を行なう。また泳動さ
れた蛋白の存在位置は、モリセイの銀染色法(アナリテ
ィ力ル バイオケミストリーAna1.Bi。
chem、 244巻1976頁(1981年))によ
る。参照する分子量の標準物質として、フォスフォリラ
ーゼb (9,4万)、生血清アルブミン(6,7万)
、卵白アルブミン(4,3万)、カルボニックアンヒド
ラーゼ(3万)およびソイビイーントリプシンインヒビ
ター(2万)を用いる。
C)等電点:8.9±0.3(等電点電気泳動法)LK
B社製の等電点電気泳動装置(110ml)を用い、ま
た等電点電気泳動担体としてアンフオライン(LKB社
製、pH3,5〜10と7〜9を4対1で混合し用いる
)を)用いLKB社の示す作業手順により電気泳動を実
施する。電気泳動終了後、1.5dずつにpH勾配が作
成された液を分取し、分化誘導物質の溶出位置は280
nmの紫外部吸収ならびにM1細胞を用いた官金能測定
法を用いて測定する。
D)レクチンカラムへの吸着性: 市販の各種レクチン固定化樹脂をセパコールミニカラム
(バイオラド社製)に充填し緩衝液Aにて充分に洗浄し
た後、本発明の分化誘導物質試料を添加し、更に緩衝液
Aにて洗浄し、次いで各種糖類を含む溶離液で溶出を行
なう。
コンカナバリンA、およびレンチルレクチンのカラムを
用いた場合、レクチンカラムへの吸着が認められ、いず
れのカラムにおいても0.2〜0.5Mのα−メチル−
d−マンノースを含む緩衝液Aにより、分化誘導活性が
溶出する。
E)アミノ末端のアミノ酸配列: Pro−Leu−Pro−1ie −X−Pro−Va
l−X −Ala−X −X −Ala−41e−X−
X−Pro− 本発明の分化誘導物質の前期A−D項の物性値を満たす
高純度精製標品を用い、アミノ末端のアミノ酸配列を決
定する。アプライドバイオシステムズ社のシークエンサ
ーを用い、同社の標準処方にてシーフェンスを求める。
同処方により、16残基程度までのアミノ酸配列の決定
は可能であるが、ここで×で示した残基は、同定できな
いもしくは同定し難かったアミノ酸であり、糖鎖が結合
したアスパラギン、スレオニンおよびセリン、そしてト
リプトファン、シスチン、アルギニン、ヒスチジンなど
が該当する。本性で配列決定が可能であることは、試料
が高純度であることの証明である。
F)ヒト白血病細胞に対する生理作用:10%牛脂児血
清を含むRP M l−1640培地にヒト単球性白血
病細胞株(THP−1)、ヒト前骨髄性白血病細胞株(
HL−60)を37°C1炭酸ガス培養器中でそれぞれ
培養し、増殖期にて細胞を集め、PBSでよく洗浄する
。続いて5%牛脂児血清および10 nMビタミンA酸
を添加したRPMl−1640培地(通常の2倍量のア
ミノ酸とビタミン助剤添加)に加え、それぞれ20 、
000細胞を含む懸濁液100μlとする。このものと
細胞分化誘導物質溶液(試験液) 100μlとの混合
液を96穴プレートに入れ、3日間培養する。0.2%
ニトロブルーテトラゾリウム(以下、NBTと略記する
、シグマ社)と0.2μs/mlのTPAを含有する培
地100μlを加えて、さらに45分間培養後、顕微鏡
下で観察する。青く沈着した色素を有する細胞がNBT
還元能陽性細胞として観察される。
本発明の分化誘導物質と3日間培養することにより、T
HP−1およびHL−60細胞にNBT還元能が誘起さ
れるのみならず、ラテックス粒子官金能、培養容器壁へ
の付着能、酵母菌殺菌能、酸性ホスファターゼ活性、β
−グルクロニダーゼ活性など、Mφの特徴として、細胞
鑑定に常用される各種指標の活性の増強が認められる(
マニュアル オプ マクロファージ メソドロジー(M
anual of Macrophage Metho
dology)、マーセル デツカ−社、米国、198
1年、および図解白血球、金芳堂、1982年、参照)
なお、これまでの説明で明らかなように、本発明になる
新規生理活性物質は、Mφの前駆細胞に相当するヒトお
よびマウスの骨髄性白血病細胞に作用して、Mφ様細胞
へと分化を誘導し、Mφに特有な各種機能の昂進をもた
らし、溶液中での分子量、すなわちゲルろ適時の分子量
が51,000±5.000であり、5DS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動での分子量も50,000±5
,000であること、コンカナバリンAおよびレンチル
レクチンに対して結合性を有することから、本発明の細
胞分化誘導物質は、糖蛋白質であると考えられる。
また本発明の用途分野としては、医薬品への応用がある
。具体的には、白血病などのMffi m fil域、
そして骨形成、消化管などの機能不全に対する治療薬な
どがある。
本発明で使用される細胞の培養には、高等動物細胞の培
養に適した各種合成培地が用いられる。
代表的な培地としては、例えばRP M l−1640
培地、イーグルのMEM培地、ダルベツコ変法のMEM
培地、α−MEM培地、ハムの培地、199培地、フシ
コイ5A培地、イスコツの培地などを単独もしくは適宜
混合し、た培地が用いられる。これらの培地の組成は、
底置、「細胞m織培養マニュアル」講談社 1982年
に記載されている。これらの培地には、アルブミン、イ
ンシュリン、トランスフェリンなどの血清由来の蛋白質
、ヒト血清、牛胎児血清、牛血清、馬血清などの動物血
清を単独で、あるいは適宜組み合わせて添加してもよい
培養容器の材質は特に限定しないが、プラスチック、ガ
ラスあるいは金属製のものであって、細胞の増殖が可能
であり、細胞の接着性に優れたものが好ましい。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが
、本発明はこれらに限定されるものではない。なお以下
の記載において、%は特に記載しない限り容量パーセン
ト(V/V)%を表わす。
また特に記載がない限り、培養は37°C2湿度90〜
100%、5%炭酸ガス含有空気中で行なった。
実施例I A)培養上清の採取 ヒト単球性白血病細胞株THP−1を、5〜10%の牛
胎児血清を含むRP M l−1640培地(通常の2
倍量のアミノ酸とビタミン助剤を含む)にて培養した後
、血清を含まない前述の培地(分化誘導剤の12−〇−
テトラデカノイルホルボールー13−アセテート(TP
A) 0. 1 μg/mlとMφ活性化物質のビタミ
ンA酸(RA)  1μg / m I含む)に細胞を
懸濁し細胞密度600,000個/ml とした。同溶
液3リツトルをスピナーフラスコ(ベルコ社製)に加え
72時間培養した。培養終了後上清を収集し、1000
 rpmで10分間、続いて2000 rpmで15分
間遠心し細胞層を除去した。同繰作を繰り返し合計30
リツトルの培養上清を得た。該上清中の分化誘導物質の
活性をB)に示す方法により測定した。
B)分化誘導物質の活性測定法 増殖期にある10万個のM1細胞を培地(イグルMEM
十通常の2倍量のアミノ酸とビタミン助剤+10%牛脂
児血清)に加え、試験液(分化誘導活性を含む)を混じ
、0.5ml とし、24ウエル培養プレートに入れ、
炭酸ガス培養器中で、2日間培養した。続いて遠心処理
(1000rpmで10分間)を施し、上澄み液を捨て
、血清を含まない前述の培養液0.5mlを加えて再び
細胞を懸濁し、終濃度2μI/mlのポリスチレン・ラ
テックス粒子(1,004μI :積木化学社製)を加
え撹拌した後、さらに4時間培養した。この細胞を1償
1のPBSでよく洗浄、遠心し、細胞外のラテックス粒
子を除去した。この操作を2回繰り返した後、遠心管の
底に沈殿した細胞をピペットで吸い上げ、スライドガラ
ス上に1滴落とし、これに0.5%エオシン液1滴を加
え、カバーガラスをのせ、顕微鏡で観察した。赤く染色
される死細胞を除き、生細胞のみについて、10個以上
のラテックス粒子を官女した細胞と官女していない細胞
とを計数し、官女細胞の比率を求めた。試験液を適宜希
釈して、上記の測定を行ない、露文細胞の比率が10%
になるのに必要な、分化誘導物質の活性量を1単位と定
義した。A)で得られた培養液の活性量は、138単位
/mlであった。
C)分化誘導物質の単離精製 得られた培養液のレクチンにたいする吸着性を予備的に
検討した。市販の各種レクチン固定化樹脂を市販セパコ
ールミニカラム(バイオラド社製)に充填し、PBSに
0.01χ(−/ν)のPEG6000および0.02
χ(w/v)のアジ化ナトリウムを添加した溶液(以下
、緩衝液Aと略記する)で充分に洗浄後、培養液試料を
添加し、同緩衝液にて洗浄し、次いで、各種IJ!lを
含む溶離液で溶出を行なった。コンカナバリンAおよび
レンチルレクチンのカラムを用いた場合吸着が認められ
、いずれのカラムにおいても0.2〜0.5Mのα−メ
チル−d−マンノース溶液により、分化誘導活性が溶出
した。
この知見を基に、分化誘導物質の単離精製を実施した。
A)の操作で得られた培養上清を、ゼタブレップ15(
QAE)ディスク(AMF社製)に通液し、固形分およ
び酸性夾雑物を除去した。
続いて該溶液をポリスルフォン限外ろ過モジュール(カ
ットオフ分子量1万、旭化成工業)にて濃縮し440m
1とした。つぎに該溶液をレンチルレクチン−セファロ
ース(ファルマシア社)を充填したカラム(50ml容
量)に吸着させ、0.5Mのα−メチル−d−マンノー
スを含む緩衝液Aにて溶出し60m1とした。この段階
までで分化誘導活性の53%が回収された。
つぎに、該粗精製試料を陽イオン交換クロマトグラフ法
にて精製した。液体クロマトシステムとしては、PPL
Cシステム(ファルマシア社)を用いた。  0.01
χ(w/v)のPEG6000および0.02χ(++
/v)のアジ化ナトリウムを含む50mMメス(2(N
−Morph。
1ino)ethanesulfonic acid)
緩衝液(pH5,0、以下、緩衝液Bと略記する)で平
衡化したMonoSカラム(5×5、ファルマシア社製
)に塩酸にてpHを5.0に合わせた20m lの粗精
製試料を添加し、緩衝液Bで洗浄した後、緩衝液Bのp
Hを6.0とした液(以下、緩衝液Cと略記する)にて
再度洗浄し、IMの塩化ナトリウムを含む緩衝液Cにて
塩濃度勾配溶出し、活性画分(3i1)を取得した。該
操作を繰り返し粗精製試料の全量処理を施して得られた
活性画分を、同様の処方にて更にMonoSカラム(5
×5、ファルマシア社)にかけ、濃縮精製試料を得た。
次に、該試料を0.01χ(iy/v)のPEG600
0および0.02$(w/v)のアジ化ナトリウムを含
む10mM )リス(Tris (hydroxyme
thyl)aminomethane)緩衝液(pH8
,8、以下、緩衝液りと略記する)にて平衡化した脱塩
カラム(PD−10、ファルマシア社製)に添加し、次
の陰イオンクロマト操作のための緩衝液交換を行なった
緩衝液りにて平衡化したMonoQカラム(5×5、フ
ァルマシア社製)に上記操作で得られた試料を添加し、
緩衝液りで洗浄した後、IMの塩化ナトリウムを含む緩
衝液りにて塩濃度勾配溶出し、溶出位置が異なり、分化
誘導活性を示す2つの最終精製標品(標品AおよびBと
名づけだ)各0.5mlを得た。
D)最終精製標品AおよびBの分子量の測定ゲルろ適法
による分子量は各々、51 、000±5,000であ
った。
緩衝液Aにて平衡化したゲルろ過カラム(Supero
se 12、ファルマシア社製)を用いて分子量を決定
した、分化誘導物質の溶出位置は280nmの紫外部吸
収ならびにM1細胞を用いた官金能測定法を用い、また
参照する分子量の標準物質として、カタラーゼ(24万
)、牛血清アルブミン(6゜7万)、キモトリプシノー
ゲンA (2,5万)およびチトクロムC(1,25万
)を用いた。
非還元状態での5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動による分子量は各々、50.000±5,000であ
った。
レムリの方法に準じアクリルアミドゲル濃度10%にて
非還元状態で電気泳動を行なった。また泳動された蛋白
の存在位置は、モリセイの銀染色法にて検出した。参照
する分子量の標準物質として、フォスフォリラーゼb 
(9,4万)、牛血清アルブミン(6,7万)、卵白ア
ルブミン(4,3万)、カルポニンクアンヒドラーゼ(
3万)およびソイビイーントリプシンインヒビター(2
万)ヲ用いた。
E)分化誘導物質の等電点の測定 アンフオラインを用いた等電点電気泳動法による等電点
は、標品AはpI9.0に、また標品Bはpr8.8に
ピークを示し、いづれの標品もpI8.9±0.3の範
囲の等電点を示した。
LKB社製の等電点電気泳動装置(110ml)を用い
、また等電点電気泳動担体としてアンフオライン(LK
B社製、3.5〜10と7〜9のpl+範囲のものを4
対1に混合し用いる)を用いLKB社の示す作業手順に
より、分化誘導物質の等電点電気泳動を実施した。電気
泳動終了後、1.5mlずつにpH勾配が作成された液
を分取し、分化誘導物質の溶出位置は280nmの紫外
部吸収ならびにM1細胞を用いた官金能測定法を用いて
測定した。
F)分化誘導物質に存在する糖鎖の確認コンカナバリン
Aおよびレンチルレクチン(ファルマシア社製)をセパ
コールミニカラム(バイオラド社製)に充填し、緩衝e
Aにて充分に洗浄した後、分化誘導物質の最終精製標品
AおよびBを添加し、更に緩衝液Aにて洗浄し、次いで
0.5Mのα−メチル−d−マンノースを含む緩衝液A
により?客用したところ、いづれも分化誘導゛活性の?
客用が認められた。
G)アミノ末端のアミノ酸配列の決定 Pro−Leu−Pro−11e−X −Pro−Va
l−X−^1a−X −XAla−11e−X−X−P
r。
本発明の分化誘導物質の前記D−F項の物性値を満たず
最終精製標品AおよびBについて、アミン末端の16個
のアミノ酸配列を決定した。その結果いづれの標品も、
上記のアミノ末端のアミノ酸配列を示すことが判明した
。アプライドバイオシステムズ社のシークエンサーを用
い、また同社の標卓処方にてアミノ酸配列を求めた。同
処方により、高純度かつ適当量の試料を用いれば16残
基程度までのアミノ酸配列の決定は通常可能である。
しかし、該分化誘導物質の場合、×で示したが、同定で
きないもしくは同定し難かったアミノ酸が存在していた
。この原因として糖鎖が結合したアスパラギン、スレオ
ニンおよびセリン、そしてトリプトファン、シスチン、
アルギニン、ヒスチジンなどが該当する。末法による配
列の特定より、単離精製を完成し、かつ物質の物理化学
的同定をなしえた。
H)分化誘導物質の生理機能 ヒト白血病細胞に対する生理作用を確認すべく、牛胎児
血清を10%含むRP M T−1640培地にヒト単
球性白血病細胞(THP−1)およびヒト前骨髄性白血
病細胞(HL−60)をそれぞれ培養し、増殖期にある
細胞をPBSにてよく洗浄した。続いて5%牛脂児血清
および10nFIビタミンA酸を添加したR P M 
l−1640培地(通常の2倍最のアミノ酸とビタミン
助剤を含む)に加え、それぞれ20.000細胞を含む
懸濁液100μlとする。このものと細胞分化誘導物質
溶液(試験液)100μlとの混合液を96穴プレート
に入れ、30間培養した。0.2%のNBTと0.2 
u g/mlのTPAを含有する培地100μmを加え
て、さらに45分間培養後、′J1微鏡下で観察したと
ころ、青く沈着した色素を有する細胞がNBT還元能陽
性細胞として観察され、Mφ様細胞への分化誘導能が示
された。
実施例2 ヒト前骨髄性白血病細胞株(HL−60)を用い実施例
1と同様の操作を施したところ、その培養液中に、約7
0単位/ m lの分化誘導活性が検出され、また該培
養液より、物理化学的および生理機能においても、実施
何重と同一の物理化学的および生物学的特性を存する分
化誘導物質を取得した。
以上詳細に説明した、本発明の分化誘導物質を医薬品製
造の常套手段、例えば加熱処理、ろ過滅菌、凍結乾燥、
分注等の処理を適宜層して製剤化することにより、従来
にない新しい医薬品を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 プロリン残基をPro、ロイシン残基をLeu、イソロ
    イシン残基をIle、バリン残基をVal、アラニン残
    基をAlaそしてエドマン分解法にて同定しえないもし
    くは同定が困難なアミノ酸を×と表記するとき、アミノ
    末端のアミノ酸配列が、【アミノ酸配列があります】 で示され、下記の特性を有する糖蛋白性の生理活性物質
    であって、 a)分子量51,000±5,000(ゲルろ過法)5
    0,000±5,000(非還元SDS−ポリアクリル
    アミド電気泳動法) b)等電点8.9±0.3(等電点電気泳動法) c)レクチン結合性コンカナバリンAおよびレンチルレ
    クチンに結合性を有する ヒトおよびマウスの白血病細胞に対する細胞分化誘導作
    用を有するヒト由来の生理活性物質。
JP63250916A 1988-10-06 1988-10-06 ヒト由来分化誘導物質 Pending JPH02100696A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63250916A JPH02100696A (ja) 1988-10-06 1988-10-06 ヒト由来分化誘導物質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63250916A JPH02100696A (ja) 1988-10-06 1988-10-06 ヒト由来分化誘導物質

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02100696A true JPH02100696A (ja) 1990-04-12

Family

ID=17214926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63250916A Pending JPH02100696A (ja) 1988-10-06 1988-10-06 ヒト由来分化誘導物質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02100696A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4342828A (en) Method for producing substance capable of stimulating differentiation and proliferation of human granulopoietic stem cells
US4406830A (en) Regulatory glycoprotein for immune response and the use thereof in the production of T-cell growth factor
Fischer Tissue culture; studies in experimental morphology and general physiology of tissue cells in vitro
JPS5813397A (ja) 免疫インタ−フエロン及びそのmRNAの製造方法
JPS5970620A (ja) 均質なヒトインタ−ロイキン2及びその製造方法
JPS58198293A (ja) インタ−ロイキン等免疫調節因子の製造方法
KONDO et al. Demonstration and preliminary characterization of reaggregation‐promoting substances from embryonic sea urchin cells
US4760021A (en) Biological response modifier having cell differentiation-induction activity and process for production thereof
MXPA02000190A (es) Preparacion de una composicion terapeutica.
JPH02100696A (ja) ヒト由来分化誘導物質
US4681844A (en) Process for producing an Interleukin-1 preparation
JPH0296598A (ja) リンフォカイン活性化キラー細胞誘導抑制因子laksf,その製造法およびそれを有効成分とする免疫抑制剤
JPH02100697A (ja) ヒト由来分化誘導物質の製造法
US6331403B1 (en) Use of mCRP to slow cell growth and to promote maturation of cells
JPH0348798B2 (ja)
US4808533A (en) Method of preventing T-cell blastogenesis
JPH0348797B2 (ja)
JPH0474360B2 (ja)
US5093479A (en) Regulatory glycoprotein for immune response and the use, thereof in the production of t-cell growth factor
JPS6028935A (ja) 新規ヒト抗体産生増強因子およびその製造法
JP2005529857A (ja) 治療効果のある血液組成物の調製のための方法及び手段
CN116425857B (zh) 一种无糖基化修饰的il-15及制备方法
JPH02502640A (ja) Gm‐csfの精製
EP0136375A1 (en) A regulatory glycoprotein for immune response in the production of T-cell growth factor
RU2128513C1 (ru) Способ получения лечебного средства, регулирующего дифференциацию клетки