JP2730959B2 - 球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法 - Google Patents

球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] <産業上の利用分野> 本発明は高靭性の球状黒鉛鋳鉄に関する。
<従来の技術> 従来のフェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄FCD37或い
はFCD40は伸び及び低温時以外の衝撃値は比較的高いが
低温時の衝撃値が低いため、−40℃程度の低温下でも使
用される自動車用或いは産業用鋳物部品等に用いるのに
適当ではない。そこで、例えば特公昭61−33897号公報
には、低温時に於ける衝撃値を向上するべくニッケル
(Ni)を添加し、フェライト化焼なましを行った球状黒
鉛鋳鉄が開示されているが、実際にはニッケルを添加
し、焼なましを行うのみでは、−15℃で最低1.7kgf・m/
cm2の衝撃値しか得ることができない。これは、低温時
の衝撃値にはニッケルの含有量以外に珪素(Si)の含有
量が影響するためであり、上記公報に於ける実施例では
この珪素の含有量が2.0重量%以上となっていることに
よる。また、製造上好ましくは工数の削減及び製造コス
トを低減するべく焼なましを行わず鋳放しの状態で使用
可能とすると良い。
そこで、特公昭59−17183号公報に開示されているよ
うに、本発明者らは球状黒鉛鋳鉄にニッケルを添加する
ことにより引張り強さ及び耐力を向上させ、かつ珪素の
含有量を低くすることにより伸びと衝撃値を向上させる
に至ったが、特に低温時に於ける衝撃値を更に改善する
ことが望まれる。
<発明が解決しようとする課題> このような従来技術の問題点と本発明者らの知見に鑑
み、本発明の主な目的は、伸び及び特に低温に於ける衝
撃値を向上し、また熱処理を省略或いは容易とすること
で製造コストが低減化された球状黒鉛鋳鉄及びその製造
方法を提供することにある。
[発明の構成] <課題を解決するための手段> このような目的は本発明によれば、炭素(C)3.0重
量%〜4.0重量%、珪素(Si)1.5重量%〜2.3重量%、
マンガン(Mn)0.3重量%未満、燐(P)0.03重量%未
満、クロム(Cr)0.10重量%未満、マグネシウム(Mg)
0.02重量%〜0.06重量%、ビスマス0.0015重量%〜0.00
4重量%、残余鉄及び不可避的不純物からなり、かつCE
値(炭素当量)3.9〜4.6重量%であることを特徴とする
球状黒鉛鋳鉄を提供することによって達成される。特に
黒鉛粒数が300個/mm2以上であると良い。またニッケル
(Ni)を0.5重量%〜2.0重量%含むと良い。
<作用> このように、適量のビスマスを添加することにより黒
鉛粒数を300個/mm2以上とすることでパーライトを減少
させ、低温かつ短時間の熱処理或いは熱処理することな
しに充分な伸び及び高い衝撃値を有し、かつ適量のニッ
ケルを添加することにより高い引張り強さ及び耐力を有
する球状黒鉛鋳鉄を容易に得ることができる。云うまで
もなくこの球状黒鉛鋳鉄に焼なましを行うことによりフ
ェライト組織とすれば更に高い伸びや靭性が得られる。
以下に、各添加物の数値限定に理由について説明す
る。
炭素は、3.0重量%(以下wt%と記す)未満では鋳造
性が悪くなり、かつ黒鉛粒数が減少することからパーラ
イトが多くなる。また、4.0wt%を超えるとキッシュ黒
鉛が出易くなり強度が低下する。
珪素は、1.5wt%未満では炭化物が析出し易くなり、
衝撃値及び伸びが共に低下する。また、2.3wt%を超え
るとシリコフェライトの影響で衝撃値及び伸びが低下す
る。
マンガンは、0.3wt%を超えるとパーライトが多くな
り衝撃値及び伸びが低下する。
燐は、0.03wt%を超えるとステダイトの影響で衝撃値
及び伸びが低下する。
ニッケルは、0.5wt%未満では強度が得られない。ま
た、2.0wt%を超えるとパーライトが多くなり衝撃値及
び伸びが低下する。
クロムは、0.1wt%を超えると炭化物が析出し易くな
り衝撃値及び伸びが低下する。
マグネシウムは、0.02wt%未満では黒鉛が球状化しな
い。また、0.06wt%を超えるとひけ巣及び炭化物が出易
くなるばかりでなく製造コストも高騰化する。
CE値は、3.9wt%未満では炭化物が出易くなり鋳造性
も悪くなる。また、4.6wt%を超えるとキッシュ黒鉛が
出易くなる。ここで、CE値は、 CE=総炭素wt%+(珪素wt%+燐wt%)/3 により求められる。
ビスマスは、その残留含有量が0.0015wt%未満では黒
鉛粒数の増大効果が低下し、鋳放し組織中にセメンタイ
トが発生するようになる。また、残留含有量が0.004wt
%を越えると黒鉛球状化の阻害効果が現れ、黒鉛の球状
化率が顕著に低く(90%以下)となり、機械的諸性質が
劣化する。特に、自動車のブレーキに用いるキャリパ
等、伸び、衝撃値、引張り強さ、耐力、延いては疲労強
度を必要とする用途にはビスマスの残留含有率を0.0015
wt%〜0.004wt%として黒鉛の球状化率が90%以上と
し、高い機械的諸性質を得ることが望ましい。尚、ビス
マスは球状黒鉛鋳鉄溶湯に対する溶け込み歩留り率が悪
く、歩留り率の変動も大きいことから残留含有物を0.00
15wt%〜0.004wt%の範囲にするためには、溶湯に対す
るビスマスの添加量を0.005wt%〜0.015wt%の範囲に設
定する必要がある。ここで、ビスマスの残留含有率が0.
0015wt%〜0.004wt%の間では殆ど黒鉛の球状化率のば
らつきがないことから(第10図)、溶湯に対するビスマ
スの添加量の管理も容易になる。
黒鉛粒数は、300個/mm2未満では、黒鉛粒間の距離が
大きくなりパーライトの析出が多くなることから衝撃値
及び伸びが低下する。
<実施例> 第1表は、本発明に基づく第1の実施例に於ける球状
黒鉛鋳鉄の成分表である。
本実施例の鋳型は厚さ25mm、長さ250mmのYブロック
(JIS G 5502)の鋳型を二酸化炭素(CO2)鋳型にて造
型した。
この鋳型に第1表の成分からなる各溶湯を注入し、Fe
−Si合金(Si70wt%〜75wt%)からなる粘度20〜100メ
ッシュの接種剤をこの溶湯に対して0.10wt%の割合で接
種してテストピースを作成した。ここで、実際には上記
接種剤を0.05wt%〜0.30wt%の割合で接種すれば良く、
0.30wt%よりも多いと鋳鉄中の珪素の含有量が過多とな
り、0.05wt%よりも少ないと黒鉛生成効果が低下する。
尚、本実施例ではビスマスを高さ15mm、底面の直径25mm
〜30mmの円錐形をなす塊状で溶湯に添加したために比較
的歩留りが悪かったが、例えば、直径1mm〜3mmの粒状に
し、紙等に包み溶湯に添加することにより添加率0.015w
t%に対して含有率0.004wt%、添加率0.005wt%に対し
て含有率0.0015wt%とすることができる。
このように作成したテストピースについて第1図
(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)に顕微鏡組
織写真を示す。第1図(a)に示す鋳鉄(1)、第1図
(b)に示す鋳鉄(2)及び第1図(c)に示す鋳鉄
(3)は本発明に基づく球状黒鉛鋳鉄であり、第1図
(d)及び(e)は各々従来の球状黒鉛鋳鉄FCD40及びF
CD60を示す。
第1図(a)、(b)及び(c)に良く示すように、
ニッケルの添加量が多くなるに従い、パーライト量が増
加していく。また、従来のFCD40及びFCD60に比較して本
発明に基づく鋳鉄(1)〜(3)は黒鉛粒数が黒鉛粒数
が多くなっている。これは、各鋳鉄(1)〜(3)に適
量のビスマスが添加されていることによる。
第2図及び第3図にこれら各鋳鉄の機械的性質を示
す。両図に良く示すように、本発明に基づく鋳鉄(1)
は引張り強さ及び耐力はFCD40に比較してやや劣るもの
の伸び及び衝撃値が極めて優れている。また、鋳鉄
(2)は、引張り強さ、耐力及び伸びが共にFCD40と略
同等であるが、衝撃値が著しく優れている。ここで、云
うまでもなくFCD60に比較するとより高い伸び及び衝撃
値を示している。更に、本発明に基づく鋳鉄(3)は、
FCD40に比較して引張り強さに優れ、伸びがやや劣り衝
撃値が略同等である。また、FCD60に比較すると、引張
り強さ及び耐力はやや低いが伸び及び衝撃値が優れてい
る。
このように本発明に基づく鋳鉄(1)〜(3)は従来
の鋳鉄(FCD40、FCD60)に比較して極めて優れている。
第4図(a)、(b)、(c)及び(d)は本発明に
基づく第2の実施例に於ける第1の実施例と同様の顕微
鏡組織写真である。第4図(a)に示す鋳鉄(4)は第
1の実施例の鋳鉄(1)、第4図(b)に示す鋳鉄
(5)は鋳鉄(2)、第4図(c)に示す鋳鉄(6)は
鋳鉄(3)、第4図(d)に示すFCD40(熱処理)はFCD
40に各々以下の熱処理サイクルにてフェライト化焼なま
しを行ったものである。
900℃×2時間→720℃×2時間→炉冷 第4図(a)、(b)及び(c)に示すように、ニッ
ケルの添加量を増加し、2.0wt%まで含有させても完全
にフェライト化している。また、上記熱処理を施した後
でも本発明に基づく鋳鉄(4)〜(6)の黒鉛粒数は第
4図(d)に示すFCD40の熱処理材よりも多い。
第5図及び第6図にこれら各鋳鉄の機械的性質を示
す。両図に良く示すように、鋳鉄(4)は、引張り強さ
及び耐力はFCD40(熱処理)と略同様であるが、伸び及
び衝撃値が著しく優れている。特に低温(−40℃)に於
ける衝撃値が優れている。また、鋳鉄(5)は、FCD40
(熱処理)に比較して引張り強さ、耐力、伸び及び衝撃
値が共に優れている。更に、鋳鉄(6)は、FCD40(熱
処理)に比較して伸び及び衝撃値がやや低いものの引張
り強さ及び耐力が著しく優れている。
第2表は、本発明に基づく第3の実施例に於ける球状
黒鉛鋳鉄の成分表である。
本実施例の鋳型は、第1の実施例と同様に厚さ25mm、
長さ250mmのYブロックの鋳型を二酸化炭素(CO2)鋳型
にて造型した。
この鋳型に溶湯を注入し、第1の実施例と同様Fe−Si
合金(Si70wt〜75wt%)からなる粘度20〜100メッシュ
の接種剤をこの溶湯に対して0.10wt%の割合で接種して
作成したテストピースについて第7図(a)、(b)、
(c)及び(d)に顕微鏡組織写真を示す。尚、第1の
実施例と同様に本実施例に於てもビスマスを高さ15mm、
底面の直径25mm〜30mmの円錐形をなす塊状で溶湯に添加
した。
第7図(a)に示す鋳鉄(7)は本発明に基づく球状
黒鉛鋳鉄であり、第7図(b)は従来の球状黒鉛鋳鉄FC
D40、第7図(c)は珪素の含有wt%を低くしたFCD40、
第7図(d)はビスマスを添加したFCD40を示す。
第7図(a)、(b)、(c)及び(d)に良く示す
ように、FCD40、珪素の含有wt%を低くしたFCD40及びビ
スマスを添加したFCD40に比較して本発明に基づく鋳鉄
(7)は、黒鉛粒数が多くかつフェライト組織が多くな
っている。これに対してFCD40は黒鉛粒数が少なくパー
ライトが多くなっている。また、珪素の含有wt%の低い
FCD40にあっては黒鉛粒数が少なくパーライトが極めて
多くなっている。更に、ビスマスを添加したFCD40は、
黒鉛粒数が比較的多く、かつフェライト組織も多くなっ
ている。
第8図及び第9図にこれら各鋳鉄の機械的性質を示
す。両図に良く示すように、鋳鉄(7)は、引張り強さ
及び耐力はFCD40よりも低くなっているが、伸び及び衝
撃値に優れている。特に、低温時(−40℃)に於ける衝
撃値は、1.7kgf・m/cm2程度の良好な値が得られる。ま
た、珪素の含有wt%の低いFCD40では、パーライトが多
いことにより引張り強さ及び耐力が高くなっているが、
伸び及び衝撃値が著しく低くなっている。更に、ビスマ
スを添加したFCD40は黒鉛が微細化され各フェライト組
織が多くなっているが、鋳鉄(7)に比較すると延び及
び衝撃値が低くなっている。特に−40℃に於ける低温時
の衝撃値は鋳鉄(7)の方が著しく高いことがわかる。
このように、本発明に基づく鋳鉄(7)は従来の鋳鉄
(FCD40、珪素低含有FCD40、ビスマス添加FCD40)に比
較して極めて優れている。
尚、本実施例の鋳鉄(7)は熱処理を行わなくとも優
れた性質が得られる。
第10図のグラフ及び第11図(a)〜(l)の顕微鏡組
織写真は、球状黒鉛鋳鉄のビスマスの含有率(wt%)に
よる黒鉛球状化率(%)の変化を示す。ここで本実施例
の球状黒鉛鋳鉄は、炭素3.55wt%〜3.75wt%、珪素2.0w
t%〜2.3wt%、マンガン0.3wt%未満、リン0.03wt%未
満、クロム0.05wt%未満、硫黄0.005wt%未満、マグネ
シウム0.027wt%〜0.040wt%及びビスマスを含有し、残
余鉄及び不可避的不純物からなり、ビスマスの添加率を
調整してその含有率を0.0010wt%〜0.096wt%の範囲で
変化させて鋳造した。
第11図(a)〜(l)から求めたビスマス含有率に対
する黒鉛球状化率をグラフ化した第10図に示すように、
ビスマスの含有率が0.0015wt%〜0.004wt%の範囲であ
ると、黒鉛球状化率が90%以上となり、また比較的黒鉛
球状化率のばらつきもなくなる。
ここで、ビスマス含有率が0.0015wt%未満であるとチ
ルの発生が懸念され、ビスマス含有率が0.008wt%を越
えると黒鉛球状化率が80%未満となり所望量の球状黒鉛
が得られず鋳鉄の低温時の衝撃値、伸び、引張り強さ、
耐力、延いては疲労強度が著しく劣化する。このとき、
ビスマスの含有率を0.0015wt%〜0.004wt%の範囲にす
るためには、鋳造時の溶湯にビスマス0.005wt%〜0.015
wt%を直径1mm〜3mmの粒状として紙に包んで添加すると
良い。ここで、ビスマスの残留含有率が0.0015wt%〜0.
004wt%の間では殆ど黒鉛の球状化率のばらつきがない
ことから(第10図)、溶湯に対するビスマスの添加量の
管理も容易になる。
尚、成分中のマグネシウムは黒鉛の球状化を促進する
が、硫黄は、MgSやMg2S等を形成することによりこのマ
グネシウムを非金属介在物に変化させることにより黒鉛
の形成及び球状化を阻害する元素として知られている。
従って、上記鋳鉄のマグネシウムを多くするか或いは硫
黄を少なくすることにより第10図の曲線の傾きが小さく
なり、ビスマスの含有率がやや多くても所望の黒鉛球状
化率が得られるようになる。
[発明の効果] このように本発明によれば、鋳放し状態で優れた引張
り強さ、延び及び衝撃値を有する球状黒鉛鋳鉄が得られ
るようになることから、また、特に黒鉛の球状化率を90
%以上とするためのビスマスの溶湯に対する添加量の管
理も容易であることから、製造工程を簡略化することが
できる。また、この鋳鉄に熱処理を施することにより一
層優れた延び及び衝撃値が得られ、特に低温に於ける衝
撃値が著しく向上する。従って、本発明は球状黒鉛鋳鉄
の機械的性質の向上及び製造原価の低減化に極めて高い
効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、
本発明に基づく第1の実施例を示す金属顕微鏡組織写真
である。 第2図及び第3図は、共に第1図(a)〜(e)に示す
本発明に基づく各鋳鉄及び比較材の機械的性質を示すグ
ラフである。 第4図(a)、(b)、(c)、及び(d)は、本発明
に基づく第2の実施例を示す金属顕微鏡組織写真であ
る。 第5図及び第6図は、共に第4図(a)〜(d)に示す
本発明に基づく各鋳鉄及び比較材の機械的性質を示すグ
ラフである。 第7図(a)、(b)、(c)、及び(d)は、本発明
に基づく第3の実施例を示す金属顕微鏡組織写真であ
る。 第8図及び第9図は、共に第7図(a)〜(d)に示す
本発明に基づく鋳鉄及び比較材の機械的性質を示すグラ
フである。 第10図は、球状黒鉛鋳鉄のビスマス含有率と黒鉛球状化
率との関係を示すグラフである。 第11図(a)〜(l)は球状黒鉛鋳鉄のビスマスの含有
率と黒鉛球状化率との関係を示す金属顕微鏡組織写真で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 酒井 潤 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 夏目 毅 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−245(JP,A) 特開 昭64−246(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素(C)3.0重量%〜4.0重量%、珪素
    (Si)1.5重量%〜2.3重量%、マンガン(Mn)0.3重量
    %未満、燐(P)0.03重量%未満、クロム(Cr)0.10重
    量%未満、マグネシウム(Mg)0.02重量%〜0.06重量
    %、ビスマス(Bi)0.0015重量%〜0.004重量%、残余
    鉄及び不可避的不純物からなり、かつCE値(炭素当量)
    3.9重量%〜4.6重量%であることを特徴とする球状黒鉛
    鋳鉄。
  2. 【請求項2】黒鉛粒数が300個/mm2以上であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  3. 【請求項3】ニッケル(Ni)を0.5重量%〜2.0重量%含
    むことを特徴とする特許請求の範囲第1項若しくは第2
    項に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  4. 【請求項4】炭素(C)3.0重量%〜4.0重量%、珪素
    (Si)1.5重量%〜2.3重量%、マンガン(Mn)0.3重量
    %未満、燐(P)0.03重量%未満、クロム(Cr)0.10重
    量%未満、マグネシウム(Mg)0.02重量%〜0.06重量
    %、残余鉄及び不可避的不純物からなり、かつCE値(炭
    素当量)3.9重量%〜4.6重量%である溶湯に、ビスマス
    (Bi)を0.005重量%〜0.015重量%添加すると同時にま
    たは添加後に接種し、黒鉛粒数を300個/mm2以上とした
    ことを特徴とする球状黒鉛鋳鉄の製造方法。
  5. 【請求項5】前記溶湯がニッケル(Ni)を0.5重量%〜
    2.0重量%含むことを特徴とする特許請求の範囲第4項
    に記載の球状黒鉛鋳鉄の製造方法。
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