JP2620695B2 - 高強度を有する鉄系鋳物 - Google Patents

高強度を有する鉄系鋳物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高強度、高剛性を有する鉄系鋳物に関する
ものであり、さらに詳細には、Fe−C−Si系の過共析組
成を有し、球状黒鉛とパーライト組織とからなる鉄系鋳
物に関するものである。
先行技術 近年、自動車用部品においては、軽量化のニーズか
ら、材料の高強度化が、また、振動、騒音対策の面か
ら、材料の高剛性化が、それぞれ求められている。
今日、自動車用部品として多く用いられている球状黒
鉛鋳鉄は、優れた鋳造性を有し、また、オーステンパー
処理などによって高強度化が図られているが、この球状
黒鉛鋳鉄は、通常、2.5重量%以上の炭素を含んでいる
ため、弾性係数が低く、剛性の面で劣るという問題があ
った。また、鋳鋼は、強度、剛性面で優れているが、製
造がしにくく、加工性に劣るという欠点があった。
このような状況下で、特開昭61−174358号公報は、Fe
−C−Si系の過共析組成を有し、マグネシウム、カルシ
ウム、セリウムなどの球状化元素を加えることにより球
状化した黒鉛と、ベイナイト組織からなる低炭素の球状
黒鉛鋳鉄を提案している。
発明の解決しようとする問題点 しかしながら、このようにマグネシウム、カルシウ
ム、セリウムなどの球状化元素を加えることにより黒鉛
の球状化を図るときは、球状化処理時に激しい反応や温
度低下が生じて、歩留まりが悪く、製造上の管理が困難
であるだけでなく、球状黒鉛が微細化しにくく、強度、
剛性に劣るなど、自動車のクランクシャフト、コンロッ
ド、カムシャフトなどの部品に使用するには、十分な性
能が得られないという問題があった。
発明の目的 本発明は、製造が容易で、高強度、高剛性を有する鉄
系鋳物を提供することを目的とするものである。
本発明の別の目的は、自動車のクランクシャフト、コ
ンロッド、カムシャフトなどの部品に適した、製造が容
易で、高強度、高剛性を有する鉄系鋳物を提供すること
にある。
発明の構成 本発明のかかる目的は、0.5〜2.5重量%の炭素、1.0
〜4.0重量%の珪素、0.6重量%以下のマンガン、0.05重
量%以下のイオウ、0.01〜0.1重量%の硼素を含み、基
地が球状黒鉛が分散したパーライト組織よりなる過共析
組成を有するように鉄系鋳物を構成することによって達
成される。
本発明において、炭素は、珪素とともに、黒鉛の生成
を促進する元素である。炭素の含有量が、0.5重量%未
満では、鋳造性、とくに、流動性および引け性が悪化す
るとともに黒鉛の生成が少なく、炭化物が多く析出し、
延性が低くなってしまう。他方、2.5重量%を越える
と、黒鉛の析出が多くなりすぎ、強度が低下するととも
に弾性係数が低下して、剛性を十分高めることができな
くなる。
本発明において、珪素は、黒鉛の生成を促進する元素
であり、この含有量が、1.0重量%未満では、黒鉛の生
成が少なく、炭化物が多く析出すにとともに、鋳造性が
著しく悪化し、他方、3.0重量%を越えると、黒鉛およ
びフエライトが多く析出し、強度および剛性が低下して
しまう。
本発明において、マンガンは、炭化物の生成を促進す
る元素であるが、この含有量が、0.6重量%を越える
と、黒鉛の生成が阻害され、また、不純物であるイオウ
と化合して、MnSを生成し、黒鉛の球状化が不十分とな
り、延性も悪化してしまう。
本発明において、イオウは不純物であり、マンガンと
化合して、MnSを作り、黒鉛の球状化を悪化させるの
で、0.05重量%以下に抑えることが必要である。
本発明において、硼素は、黒鉛の球状化を促進させる
元素である。硼素を添加することにより、基地中に適度
な黒鉛核が生成し、鋳造性が著しく改善されるとともに
微細な球状黒鉛が組織中に分散され、強度が大幅に向上
する。硼素は、その含有量が、0.01重量%未満では、か
かる効果が十分でなく、また、0.1重量%を越えて添加
しても、かかる効果が飽和してしまうので、意味がな
い。
本発明において、さらに、必要に応じて、ビスマス、
チタンおよびテルルのうち、少なくとも1種を、0.05重
量%以下、添加してもよい。硼素のみでは、黒鉛は比較
的粗大となるため、機械的性質が必ずしも十分でない場
合があるが、これらを添加すると、黒鉛のより一層の微
細化を図ることができ、好ましい。
また、本発明において、さらに、必要に応じて、バナ
ジウム、銅、スズなどのパーライト化元素を添加して、
基地のパーライト化を促進し、強度の一層の向上を図る
こともできる。バナジウムは、強力な炭化物生成元素で
あるが、本発明にかかる組成条件では、硼素との併用に
より、炭化物を過度に生成させることはなく、パーライ
ト量を増大させて、強度をより向上させることができ、
好ましい。パーライト化元素の添加量は、バナジウムは
0.05〜0.2重量%、銅は、0.3〜1.5重量%、スズは、0.0
2〜0.2重量%が、それぞれ好ましい。
本発明において、基地をパーライト化する方法は、と
くに限定されず、公知の方法が使用でき、鋳造後、熱処
理を施しても、また、熱処理を施さず、鋳放しによって
もよい。
実施例 以下、本発明の効果を、より一層明確にするため、実
施例を掲げる。
実施例 第1表に示す組成のJIS45,No.12に規定される試験片
サンプルを作り、機械的特性および鋳造性を調べた。サ
ンプル#1〜6は、本発明の実施例にかかり、サンプル
#7〜9は、比較例である。第1表の化学組成中、りん
(P)は、不純物である。鋳型としては、Y型ブロック
形状の鋳型で、サンプル#1は、背面金型シエル、サン
プル#2は、金型を用い、その他のサンプルは、シエル
型を用いた。サンプル#1、2および4については、0.
15重量%のFe−Si−Bi接種剤を取鍋添加した。また、溶
解炉としては、10kg高周波溶解炉を用いた。鋳造後、サ
ンプル#2は、焼準処理、すなわち、930℃で2時間に
わたり、加熱した後、空冷し、また、サンプル#8は、
調質処理(焼入れ後、焼戻し処理)を施したが、その他
のサンプルは、鋳放しによった。第1表中、硬度Hvは、
ビッカース硬度を示す。
こうして得られた本発明の実施例にかかるサンプル#
1〜6は、いずれも球状黒鉛にパーライトおよび少量の
フエライトを含んだ組織を形成していた。第1図(a)
〜(d)に、サンプル#1、2、3および4の組織を示
す写真が示されている。第1図(a)〜(d)の写真に
おいて、黒い円形の部分は球状黒鉛を、黒鉛のまわりの
白い部分はフエライトを、また、その他の部分はパーラ
イトを、それぞれ示している。また、第1表より明らか
なように、これらのサンプルは、いずれも所望以上の強
度、剛性を備えていることがわかった。第1図(a)〜
(d)に示されるサンプルのうち、金型を用いて鋳造
し、焼準処理を施したサンプル#2は、他のサンプルに
比べて、球状黒鉛のサイズが微細で、数多く分散してお
り、その結果、強度も剛性も、他のサンプルに比し、優
れていることがわかる。
また、比較例であるサンプル#7は、硼素を添加して
いないため、黒鉛の生成がほとんどなく、セメンタイト
が多量に析出した組織となっており、そのため、硬度が
著しく高く、機械的性質および鋳造性が劣っている。同
じく比較例であるサンプル#8は、鋳鋼であり、強度お
よび剛性は十分であるが、溶解温度が高いために鋳造性
が劣り、また、加工性も悪かった。さらに、もう1つの
比較例であるサンプル#9は、通常の球状黒鉛鋳鉄であ
り、引張強度もヤング率も小さく、強度も剛性も不十分
であった。
第2表は、サンプル#1、3、8、9につき、直径75
mmのシエル型ボール状試験片を用いて、引け巣の量を調
べた結果を示している。第2表より、サンプル#1、2
および9における引け巣の量はほぼ同等であり、これら
は鋳造性に優れていることがわかったが、サンプル#8
は、所定以上の強度および剛性を有するものの、引け巣
の量が、他のサンプルに比べて、著しく大きく、鋳造性
に劣っていることが明らかになった。
本発明は、以上の実施例に限定されることなく特許請
求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能
であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであ
ることはいうまでもない。
発明の効果 本発明によれば、製造が容易で、高強度、高剛性をす
る鉄系鋳物を得ることが可能となり、軽量で、かつ高い
強度、剛性が要求される自動車のクランクシャフト、コ
ンロッド、カムシャフトなどの部品に適した鉄系鋳物を
容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は、実施例におけるサンプルの組
織を示す写真である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5〜2.5重量%の炭素、1.0〜4.0重量%の
    珪素、0.6重量%以下のマンガン、0.05重量%以下のイ
    オウ、0.01〜0.1重量%の硼素を含み、基地が球状黒鉛
    が分散したパーライト組織よりなる過共析組成を有する
    ことを特徴とする高強度を有する鉄系鋳物。
JP62265901A 1987-10-21 1987-10-21 高強度を有する鉄系鋳物 Expired - Lifetime JP2620695B2 (ja)

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