JPH0742544B2 - 耐肌荒性に優れた圧延ロール用高合金グレン鋳鉄材 - Google Patents

耐肌荒性に優れた圧延ロール用高合金グレン鋳鉄材

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JPH0742544B2
JPH0742544B2 JP2082285A JP8228590A JPH0742544B2 JP H0742544 B2 JPH0742544 B2 JP H0742544B2 JP 2082285 A JP2082285 A JP 2082285A JP 8228590 A JP8228590 A JP 8228590A JP H0742544 B2 JPH0742544 B2 JP H0742544B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は強度に優れ、特に耐肌荒性を改善し、鋳造組織
が極めて微細で均一分布している圧延ロール用高合金グ
レン鋳鉄材に関するものである。
[従来の技術] 特開平1−191746号は、Tiを含有する成分で、恒温変態
でベイナイト組織とし、更に表面に圧縮応力を与える熱
処理を施した熱間圧延用ロール材である。しかしこの圧
延用ロール材の成分範囲では、本発明者等の知見による
と、金属組織を構成する基地、炭化物および黒鉛がミク
ロ的に摩耗摺動面で摩耗差が発生し、凹凸の肌荒れが生
じ易いという問題点がある。
[発明が解決しようとする課題] 例えば圧延ロールのように圧延材の肌に直接影響を与え
るような製品では、凹凸は問題になりやすい。
鋳鉄組織中の黒鉛は固体潤滑剤として耐摩耗特性に及ぼ
す効果は大きいものの、その量が多すぎると鋳鉄自体の
強度が低下するので黒鉛量については、自ずと限界が生
じる。
また炭化物についても、それ自体高硬度、高融点を有
し、耐摩耗特性に及ぼす効果は大きいものがある。しか
し黒鉛同様に炭化物の過量は鋳鉄に脆化、加工性の低下
をもたらすためやはり限界が存在する。
かかる理由より耐摩耗性を維持しつつ、耐肌荒性を向上
させるためには、黒鉛および炭化物量は変えずに、均一
に微細分散させる必要がある。その方法として鋳造凝固
速度を上げ、急冷によることが最も容易であるが、高合
金鋳鉄材は、ワレ感受性が高いため凝固速度が大きすぎ
ると鋳造ワレ等の欠陥が発生する。特に、炭化物は比較
的小さな冷却速度で微細分散が可能であるが、黒鉛はあ
る一定以上の冷却速度が得られないと、耐肌荒性を改善
するまでの微細分散組織が得られない。
本発明の目的は、炭化物が微細分散が可能な程度の冷却
速度において黒鉛を均一に微細分散させ耐肌荒性を改善
した高合金鋳鉄材を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明はB添加により黒鉛の均一微細分散を図ったもの
で、化学成分が重量比でC:3.0〜4.0%,Si:0.5〜1.5%,M
n:0.4〜1.5%,P:0.1%以下,S:0.05%以下,Ni:3.0〜5.0
%,Cr:1.2〜2.5%,Mo:0.1〜1.4%,B:0.01〜0.20%残部
不純物および実質的にFeからなり、黒鉛晶出量が面積率
で2%以上であることを特徴とする耐肌荒性に優れた圧
延ロール用高合金グレン鋳鉄材である。
[作用] 上記の組成にすることにより、黒鉛および炭化物を均一
微細分散させ耐肌荒性を改善したものである。
以下合金成分を上記範囲に限定した理由を述べる。
C:3.0〜4.0%の限定について、Cは炭化物生成元素であ
り、かつ、後述のSi,Niの黒鉛化生成元素により微細黒
鉛を晶出する。よって炭化物と黒鉛が共存し、耐摩耗性
の劣化が少ない3.0〜4.0%とした。
Si:0.5〜1.5%の限定について、Siは黒鉛晶出に不可欠
な元素であり、黒鉛晶出のための必要量および耐摩耗性
を劣化させない0.5〜1.5%の範囲とした。本成分系は、
Siの接種によって黒鉛晶出量を面積率で2%以上に制御
するために、最終製品の成分で上記範囲内に調整する。
Mn:0.4〜1.5%の限定について、Mnは機械的性質、特に
靭性の劣化を生じない0.4〜1.5%の範囲とした。
P:0.1%以下の限定について、Pは材質を脆くするとい
う点から0.1%以下とした。
S:0.05%以下の限定について、Sは材質を脆くするとい
う点から0.05%以下とした。
Ni:3.0〜5.0%の限定について、Niはニハード鋳鉄で明
らかなように基地組織の改善元素でありかつ黒鉛化促進
元素である。よって基地組織改善および黒鉛化促進効果
の得られる、3.0〜5.0%の範囲とした。
Cr:1.2〜2.5%の限定について、CrはCと結合して硬いC
r炭化物を形成するが、耐摩耗性、耐肌荒性を劣化させ
ない1.2〜2.5%の範囲とした。
Mo:0.1〜1.4%の限定について、Moは、焼入れ、焼戻し
抵抗を維持し炭化物中に入り炭化物硬度を高める0.1〜
1.4%の範囲とした。
B:0.01〜0.20%の限定について、Bは一般的に鋼に極く
少量添加することにより、高硬度のホウ化物を生成さ
せ、耐摩耗性を改善させている。一方、鋳鉄材では、B
粉末を鋳型内面に塗布することにより、高硬度のチル層
を得ているが、適用可能な材質が限定され、一般的には
白銑化促進元素として一般鋳鉄材にはあまり好ましい元
素ではない。
本発明は、Bの共晶セル増加効果に着眼目し、上記成分
系にある一定範囲内のBを添加すると、白銑化等の悪影
響がなく、かつ黒鉛を均一微細分散できることを見いだ
したものである。
すなわちBを過量に添加すると、均一微細分散効果よ
り、むしろ優先的にB含有炭化物を生成させ黒鉛量を減
少させかつ鋳鉄の脆化をもたらす。従って0.01〜0.20%
の範囲にした。
本発明に係る成分は以上の成分の他、残部不純物および
実質的にFeで形成される。
次に本発明に至った基礎データ例を説明する。
第1図に黒鉛量とB添加の関係を示す。Bは0.01%より
黒鉛晶出に対して増加効果をもたらし、0.2%を越える
と急激に低下し、無添加のものより減少する。
第2図に黒鉛微細度を表わす黒鉛粒数とB添加の関係を
示す。Bは0.01%より粒数を増加させ、0.2%を越える
と黒鉛量と同様急激に低下する。
第3図に炭化物量とB添加の関係を示す。炭化物量は、
B添加量0.2%までは大きな変動はないが、0.2%を越え
ると急激に増加する。これは前述の第1図、第2図よ
り、Bが黒鉛化を阻害し、B含有炭化物を優先的に生成
したことをうかがわせるものである。
第4図に材料強度とB添加の関係を示す。材料強度はB
添加量0.2%を越えるとB含有炭化物の増加と相まって
急激に低下する。
[実施例] 製品胴径800mmφ、胴長2500mm、全長5120mmの高合金鋳
鉄複合ロールを下記の如く製造し、種々の調査に供し
た。
外層材として第1表に示す化学成分の溶湯を用い、
これを遠心鋳造機上で回転する、内面に塗型を施した円
筒状の金型鋳型に、1320℃の鋳込温度で肉厚105mm(鋳
込4900kg)鋳込んだ。
第1表は本発明で製造した高合金鋳鉄複合ロールの溶湯
化学成分である。
外層が完全に凝固した後(鋳込開始から22.5分後)
に1350℃の軸部芯材用溶湯を同様に遠心鋳造機上で鋳込
み、外層、内層を完全に溶着させた一体型ロールとし
た。
内層鋳込後に鋳型を起立させて、完全に冷却した
後、ロールを鋳型から抜き出し所要の熱処理を実施し
た。
第2表に示す溶湯化学成分にて上述のロール製造法で同
一形状のロールを製造し、両者を比較調査した。
第5図に両者の外層材組織を示す。B添加したものは、
目的とする黒鉛が、均一微細分散して晶出することが確
認できた。
さらに第3表に両ロールの製造品質を示す。B添加ロー
ルは材質強度を低下することなく黒鉛の微細化を達成し
ている。
以上のように本発明ロールにおいては、B:0.01〜0.2%
添加により黒鉛を均一微細分散して晶 出することが可能であり、特に耐肌荒れ性の改善に有効
である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の圧延ロール用高合金グレ
ン鋳鉄材は従来の高合金鋳鉄材に比べ黒鉛を均一微細分
散して晶出させることにより耐肌荒性を改善することが
出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図は晶出黒鉛量とB添加の関係を示す図、 第2図は黒鉛粒数とB添加の関係を示す図、 第3図は炭化物量とB添加の関係を示す図、 第4図は材料強度とB添加の関係を示す図、 第5図はB添加材と非添加材の金属組織の写真、 である。
フロントページの続き (72)発明者 橋本 光生 福岡県北九州市戸畑区大字中原46―59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内 (56)参考文献 特開 昭64−25940(JP,A) 特開 昭54−107421(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学成分が重量比で C:3.0〜4.0%,Si:0.5〜1.5%, Mn:0.4〜1.5%,P:0.1%以下, S:0.05%以下,Ni:3.0〜5.0%, Cr:1.2〜2.5%,Mo:0.1〜1.4%, B:0.01〜0.20% 残部不純物および実質的にFeからなり、黒鉛晶出量が面
    積率で2%以上であることを特徴とする耐肌荒性に優れ
    た圧延ロール用高合金グレン鋳鉄材。
JP2082285A 1990-03-29 1990-03-29 耐肌荒性に優れた圧延ロール用高合金グレン鋳鉄材 Expired - Fee Related JPH0742544B2 (ja)

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