JP4525444B2 - 熱間圧延用鋳造ロール材および熱間圧延用ロール - Google Patents
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(1)質量%で、C:0.8〜2.5%、Si:0.2〜2%、Mn:0.2〜2%、Cr:0.8〜4%、Mo:0.5〜3%を含み、さらに、P:0.1〜0.6%、B:0.05〜0.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐焼付き性に優れた熱間圧延用鋳造ロール材。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:3%未満および/またはNb:1%未満を含有する組成とすることを特徴とする熱間圧延用鋳造ロール材。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:3%以下を含有する組成とすることを特徴とする熱間圧延用鋳造ロール材。
(4)(1)ないし(3)のいずれかに記載の熱間圧延用鋳造ロール材を、ロール使用層としてなることを特徴とする熱間圧延用ロール。
P:0.1〜0.6%
Pは、本発明では重要な元素であり、融点の低いM−C−P系共晶化合物(Mは金属)を形成することにより耐焼付き性を向上させる作用を有する。このような効果はBとの複合添加において、0.1%以上の含有で認められる。一方、0.6%を超える含有は、材料を脆化させる。このため、本発明ではPは0.1〜0.6%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.5%である。
Bは、Pと共存して、融点の低いM−C−(P,B)系共晶化合物(Mは金属)を形成して耐焼付き性を著しく向上させる作用を有し、本発明では重要な元素である。Bは、Pとともに含有することにより、P単独含有にくらべ、さらに融点の低い共晶化合物相を多量に形成させる重要な作用を有する。このような効果はB:0.05%以上の含有で認められる。一方、B:0.5%を超える含有は、材料を脆化させる。このため、本発明ではBは0.05〜0.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.07〜0.4%である。
Cは、基地硬さを増加させるとともに、Cr、Mo等と結合して硬質炭化物を形成し、ロールの耐摩耗性を向上させるために必要な元素であり、本発明では、0.8%以上の含有を必要とする。一方、2.5%を超えて含有すると共晶炭化物が多量に出現し、材料が脆化する。このため、Cは0.8〜2.5%の範囲に限定した。
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、また、湯流れ性を向上させる作用も有する。このような効果を得るために本発明では0.2%以上の含有を必要とする。一方、2%を超えて含有しても、上記した効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できず、経済的に不利となる。このため、Siは0.2〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.3〜1.6%である。
Mnは、溶鋼中のSをMnSとして固定し、耐摩耗性を阻害するSを除去する作用を有するとともに、焼入れ性を向上し材料の硬さを増加させ、耐摩耗性を向上させる効果を有する。このような効果は0.2%以上の含有で認められる。一方、2%を超えて含有すると、偏析が顕著となると共に、材料が脆化する。このため、Mnは0.2〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.3〜1.6%である。
Crは、基地の耐熱性を向上させて、ヒートクラックの発生や高温における塑性流動を抑制するとともに、焼入れ性を向上させる作用を有し、炭化物の安定化にも寄与する有用な元素であり、本発明では0.8%以上の含有を必要とする。一方、4%を超えて含有すると、クロム系共晶炭化物が生成し、ロール表面が平滑化してスリップが発生しやすくなり耐スリップ性が低下する。このため、Crは0.8〜4%の範囲に限定した。
Moは、基地の高温強度を増加させて、高温における塑性流動を抑制して耐摩耗性を向上させる作用を有する元素であり、本発明では、Mo:0.5%以上の含有を必要とする。一方、3%を超えて含有すると、共晶炭化物が生成し、材料が脆化する。このため、Moは0.5〜3%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.8〜2.5%である。
V:3%未満、Nb:1%未満
V、Nbはともに、スリップ防止に有効な硬質なMC炭化物を形成する元素であり、必要に応じ選択して単独又は複合して含有できる。含有する場合には上記した効果を得るためには0.1%以上含有することが望ましい。一方、Vを3%以上、Nbを1%以上含有すると硬質炭化物が粗大化したり、鋳造時に偏析したり、溶湯の流動性を阻害する。このため、Vは3%未満、Nbは1%未満とすることが好ましい。
Niは、焼入れ性を向上し、基地硬さを増加させる作用を有する元素であり、通常の焼入れでは所望の硬さが確保できない恐れのある場合に含有することが好ましい。このような効果は、0.05%以上の含有で顕著となるが、3%を超えて含有すると、オーステナイトが安定化し、残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下し、耐摩耗性が低下する。このため、本発明ではNiは3%以下に限定することが好ましい。
つぎに、本発明鋳造ロール材の好ましい製造方法について説明する。
また、上記した組成の溶湯を遠心鋳造法でリング状に外層(ロール使用層)を鋳造しリングロールとした後、該外層の凝固途中あるいは完全凝固後、鋳型の回転を停止し内層材を静置鋳造して、鋳造ロール(複合ロール)とすることもできる。これにより、外層の内面側が再溶解され外層と内層とが溶着一体化した複合ロールとなる。
また、上記した組成の溶湯を遠心鋳造法でリング状に外層(ロール使用層)を鋳造し、リングロールとした後、該外層の凝固途中あるいは完全凝固後、上記した内層材あるいは中間層材を遠心鋳造して、外層と中間層材あるいは外層と内層材とが溶着一体化した円筒状スリーブロール(複合スリーブロール)とすることもできる。
なお、本発明の鋳造ロール材をロール使用層(外層)とするロールは、その後800〜1000℃に加熱し冷却する焼入れ処理と、靭性確保を目的とした400〜750℃に加熱し焼戻しする焼戻処理を施してもよい。焼戻し温度が400℃未満では、靭性が不足し、一方、750℃を超えて高くなると、硬さが低下する。
表1に示す組成を有する溶湯を、高周波溶解炉で溶製し、遠心鋳造法によりリング状試験片(外径:250mmφ、肉厚:70mm)に鋳造した。なお、鋳込み温度は1400〜1600℃、遠心力は重力倍数で150Gとした。鋳造後、得られたリング状試験片に、950℃に加熱し冷却する焼入れ処理と530〜580℃で焼戻す焼戻し処理を施した。なお、鍛造アダマイト製ロール材を従来例(リング状試験材No.FAD)とした。
(1)摩耗試験
リング状試験材から試験片(外径:60mmφ、肉厚:10mm)を採取し、相手材(材質:S45C,大きさ:190mmφ、肉厚:15mm)と試験片との2円盤すべり摩耗方式で摩耗試験を実施した。試験片を回転数700rpmで回転させながら。相手材を900℃に加熱し、試験片を水冷し、試験片と相手材のすべり率を15%として、荷重75kgf(735N)で圧接しながら30min間転動させる摩耗試験を4回行った。試験後、試験片の摩耗減量(摩耗量)を測定した。耐摩耗性は、鍛造アダマイト製ロール材の摩耗量に対する比(=(FADの摩耗量)/(試験片の摩耗量))で評価した。この数値が大きい場合が耐摩耗性に優れることを意味する。
(3)焼付き試験
リング状試験材から試験片(25mm厚の板状)を採取し、図1に示す方式の試験機で焼付き試験を実施した。試験片に、高周波誘導加熱コイルにより、950℃に加熱されて175rpmで回転する円板状の相手材(材質:SUS410、大きさ:190mmφ、肉厚:15mm)を荷重100kgf(980N)で20s間圧接した。試験後の試験片表面に相手材がへばり付いたように焼付いている場合を「焼付き有り」(×)、へばり付きがなく表面が摩耗している場合を「焼付きなし」(○)として、耐焼付き性を評価した。
(実施例2)
表3に示す組成の溶湯を低周波炉で溶製し、金型に鋳込み遠心鋳造した。なお、鋳込温度は1480℃とした。
これらスリーブロールをSCM440材製の芯材に焼嵌めしてマンネスマン式ピアサロールとした。これらロールをピアサミルスタンドに組込み、13Crマルテンサイト系ステンレス鋼を素材とする鋼管圧延に供し、同一ロールで累積圧延本数が最大2000本に達するまで圧延した。なお、途中で噛込み不良が発生した場合にはその時点で圧延を中止した。なお、圧延後にロール表面を目視で観察した。圧延結果を表4に示す。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.8〜2.5%、 Si:0.2〜2%、
Mn:0.2〜2%、 Cr:0.8〜4%、
Mo:0.5〜3%
を含み、さらに、
P:0.1〜0.6%、 B:0.05〜0.5%
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐焼付き性に優れた熱間圧延用鋳造ロール材。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:3%未満および/またはNb:1%未満を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延用鋳造ロール材。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:3%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間圧延用鋳造ロール材。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱間圧延用鋳造ロール材をロール使用層としてなることを特徴とする熱間圧延用ロール。
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