JPH0140900B2 - - Google Patents

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JPH0140900B2
JPH0140900B2 JP4966985A JP4966985A JPH0140900B2 JP H0140900 B2 JPH0140900 B2 JP H0140900B2 JP 4966985 A JP4966985 A JP 4966985A JP 4966985 A JP4966985 A JP 4966985A JP H0140900 B2 JPH0140900 B2 JP H0140900B2
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JP
Japan
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graphite
fatigue strength
particle size
bainite
mold
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JP4966985A
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English (en)
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JPS61210151A (ja
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Takeshi Okazaki
Kazuo Sato
Yasushi Asai
Katsunori Hanakawa
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、疲労強度、靭性に優れた球状黒鉛鋳
鉄鋳物に関するのである。 (従来技術) 従来より、球状黒鉛鋳鉄鋳物としては、例えば
特公昭55−3422号もしくは特公昭59−10988号に
開示されるように、組成として、C,Si,P,
S,Mg,Mo,Mn等を所定の比率で含有し、基
地組織が残留オーステナイトとベイナイトとの混
在組織からなるものが公知であるが、上記先行例
ではMoを0.1%以上と多量に含有している。この
Moはベイナイト化を促進して靭性の向上が得ら
れるものであるが、Moの含有量が高いと、自動
車部品のように薄肉小物部品では、Moの炭化物
が鋳造時に晶出し、この炭化物が熱処理(オース
テンパー処理)後も分解しないため、逆に疲労強
度、靭性を低下させるとともに、コスト的に不利
となるものである。 また、特開昭59−129730号に開示されている球
状黒鉛鋳鉄鋳物は、Cuの含有量が0.1〜0.5%と少
ないために、鋳放し状態でフエライト晶出しやす
く、再加熱時に黒鉛からフエライト基地中への炭
素の再固溶が生じ、ヤング率が低下する問題を有
している。 一方、上記のような配合組成の調整によつては
それぞれ配合量の増減に対して長短があることか
ら、疲労強度、靭性の向上には限度がある。しか
して、上記配合組成に加えて球状黒鉛の粒径の大
きさを調整することにより、さらに特性の優れた
球状黒鉛鋳鉄鋳物が得られることが判明した。特
に、球状黒鉛の粒径を小さくすることが、疲労強
度を向上する効果があるものである。 (発明の目的) 本発明は上記事情に鑑み、Moを少なくする一
方、Cuを多くするように各種組成の配合を調整
するとともに、球状黒鉛の粒径を小さく調整する
ことによつて疲労強度、靭性に優れた球状黒鉛鋳
鉄鋳物を提供することを目的とするものである。 (発明の構成) 第1の発明の球状黒鉛鋳鉄鋳物は、重量比で、
C:2.6〜4.0%、Si:1.5〜3.5%、Mn:0.20〜1.0
%、Mo:0.03〜0.09%、Cu:0.60〜1.5%、Mg:
0.005〜0.08%、Fe:実質的残部の組成からなり、
平均黒鉛粒径が35μ以下で、基地組織が残留オー
ステナイトとベイナイトとの混在組織からなるこ
とを特徴とするものである。 また、第2の発明の球状黒鉛鋳物は、上記第1
の発明の配合組成に、重量比でNiを0.3〜1.5%の
割合で添加し、同様に平均黒鉛粒径が35μ以下
で、基地組織が残留オーステナイトとベイナイト
との混在組織からなることを特徴とするものであ
る。 上記Cは、2.6%未満では鋳造性が低下し、建
全な製品がつくれない。また、4.0%を越えると
鋳造時、初晶黒鉛を核として巨大な黒鉛が生成さ
れ、これが微細黒鉛中に多く混在するようになる
結果、強度、耐摩耗性が低下するものである。 Siは、1.5%未満では鋳造性を悪化させるとと
もに、チルが生成し易くなり、その結果オーステ
ンパーによる寸法変化が大きくなり、寸法管理が
困難となる。また、3.5%を越えるとドロス欠陥
が発生しやすくなるとともに、素材に多量のフエ
ライトが析出し、オーステンパー処理後の疲労強
度および剛性が低下する。 Mnは、0.2%未満では焼入性が低下し、オース
テンパー処理時にパーライトが析出し、疲労強
度、靭性が大幅に低下する。1.0%を越えると炭
化物が晶出しやすく、疲労強度、靭性が低下す
る。 Moは、焼入れ性を増し、ベイナイトおよび残
留オーステナイトの生成を促進する必須元素であ
るが0.03%未満ではその効果なく、0.09%を越え
ると粒界に炭化物として偏析し、疲労強度を低下
させる。 Cuは、熱処理前における素材のフエライトの
析出を抑制し、再加熱時に黒鉛から基地中への炭
素の再固溶を抑制して、ヤング率の低下を来たす
ことなく、オーステンパー処理を可能にするもの
である。0.6%未満ではフエライトが多量に析出
し、オーステンパー処理によつてヤング率が低下
する。特に黒鉛を微細化するとフエライトが非常
に析出し易くなるため、0.6%以上添加し、Moの
共存下においてベイナイトを促進し、疲労強度に
有益な残留オーステナイトを増す効果を得るとと
もに、鋳放し素材をパーライト化してオーステン
パー処理時、黒鉛から基地中への炭素の拡散を抑
制することによつてヤング率の低下を最小限に抑
制する。一方、1.5%を越えるとその効果が飽和
するとともに、球状化を阻害する結果、機械的性
質を損う。 また、前記球状黒鉛の平均粒径は、粒径の増大
とともに疲労強度が低下し(第2図参照)、35μ
を越えて粒径が大きくなると所要の疲労強度が得
られず、クランクシヤフトなどにおいては、メタ
ルとの耐焼付性が劣化する。この黒鉛粒径の調整
は、金型の急冷効果により、もしくはインモール
ド接種により黒鉛を微細化するものである。 さらに、基地組織を残留オーステナイトとベイ
ナイトとの混在組織とする熱処理いわゆるオース
テンパー処理は、前記組成よりなる溶湯を鋳造
後、A1変態点以上で型ばらしし、A1変態点付近
を速やかに冷却することにより、実質的に全てパ
ーライト組織とした素材を、800〜950℃で4時間
以内で加熱後、300〜420℃に急冷し、この温度で
15分以上加熱保持するものである。 一方、前記第2の発明で添加するNiはCuと同
様の効果があり、肉厚の薄い鋳物では添加する必
要はないが、クランクシヤフトのように肉厚の大
きい鋳物の場合には、この肉厚に応じて添加し、
0.3%未満ではその効果がなく、1.5%を越えると
効果が飽和するとともにコストが高くなる。 また、上記球状黒鉛鋳鉄鋳物は、強度および靭
性が要求される種々の部品への適用が可能であ
る。さらに、疲労強度を向上させる目的で、球状
黒鉛鋳鉄鋳物の表面にシヨツトピーニング、コイ
ニング、ロール加工等の一般に知られている強化
法を施すようにしてもよい。 (発明の効果) 本発明によれば、Moが0.09%以下と少ないた
め、Mo炭化物の生成がなく、疲労強度、靭性を
向上できるとともに、Cuの0.6%以上の添加によ
りフエライトの晶出が抑制され、炭素の再固溶が
生じず、ヤング率が低下しないものである。ま
た、平均黒鉛粒径が35μ以下と小さいため、疲労
強度をより向上することができるものである。 なお、この黒鉛の微細化による疲労強度の向上
は、次の理由によると考えられる。基地組織はベ
イナイトと残留オーステナイトで構成されてお
り、この残留オーステナイトは準安定相で極低温
あるいは強い歪みを与えるとマルテンサイトに変
態し、膨張するものである。一方、黒鉛は内部切
欠として働き黒鉛周囲には歪みが発生していると
考えられ、黒鉛粒径が小さくなるに従つてその程
度は増大する。つまり、黒鉛粒径を小さくするこ
とによつて黒鉛周囲の歪みが大きくなり、準安定
相である残留オーステナイトがマルテンサイトへ
変態し、それに伴う体積膨張で圧縮歪みが形成さ
れ、その結果疲労強度が向上するものと考えられ
る。 (実施例) 以下、本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 この実施例は、次に示す6種類の配合組成の球
状黒鉛鋳鉄を高周波溶解炉にて溶解し、金型もし
くはダイス付シエル型によつて鋳造した後、オー
ステンパー処理を行つて、鋳物として1ピン2ジ
ヤーナルのクランクシヤフトを製造したものであ
り、この鋳物の黒鉛粒径、基地組織を求めるとと
もに、平面曲げ疲れ強さを測定したものである。 また、同様に比較例として5種類の配合組成の
球状黒鉛鋳鉄を用意し、金型もしくはシエル型に
よつて鋳造し、オーステンパー処理したものを同
様に測定した結果を示す。 なお、実施例1,3,4は金型鋳造である。ま
た、実施例2,5はダイス付シエルモールド鋳造
(シエル厚さ5mm)で、この場合、黒鉛微細化の
ため鋳型内に接種剤を配置したインモールド接種
を行つた。さらに、実施例6は通常のシエルモー
ルド鋳造で、インモールド接種を行つている。 また、上記オーステンパー処理は、890℃に2
時間加熱した後、塩浴急冷して395℃に2時間加
熱保持した後、水洗したものである。 平面曲げ疲れ強さは、鋳物を所定の寸法に機械
加工した後、平面曲げ疲労試験を実施したもので
ある。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 上記実施例および比較例において、 オーステンパー処理前の基地組織は、 実施例1〜6および比較例2〜4がパーライ
ト、比較例1がパーライト+フエライト、 比較例5がパーライト+セメンタイトであり、 オーステンパー処理後の基地組織は、 実施例1〜6および比較例2,4がベイナイト
+残留オーステナイト、 比較例1,3がベイナイト+残留オーステナイ
ト+パーライト、 比較例5がベイナイト+残留オーステナイト+
セメンタイトである。 上記実施例1による球状黒鉛鋳鉄鋳物の金属組
織状態を第1図の光学顕微鏡による金属相織写真
に示す。黒色の球状体が黒鉛であり、その平均粒
径は10μである。また、この黒鉛を取巻く基地組
織が、白色の残留オーステナイトと針状のベイナ
イトとの混在によつて構成されている。 また、基地組織が残留オーステナイトとベイナ
イトとの混在組織からなる上記実施例1〜6およ
び比較例2,4による平面曲げ疲労強度と平均黒
鉛粒径との関係を第2図に示す。この第2図から
分るように、黒鉛の粒径が小さく微細なほど、疲
労強度が向上するものであり、この平均粒径は
35μ以下に設定するのが例えばクランクシヤフト
の素材として必要な疲労強度を有するものであ
る。なお、クランクシヤフトの場合には、応力が
集中して作用するコーナー部分には、ロール加工
等を施してさらに疲労強度を向上するものであ
る。 上記実施例1および2の組成は、本発明の代表
的配合例であり、実施例1は金型による鋳造で、
この鋳造時に急激に冷却して黒鉛を微細化したも
のであり、実施例2はダイスの内部にシエルを設
け、鋳型内の空間部に接種剤(球状化処理剤)を
挿入し、黒鉛の微細化を行つたものである。 また、実施例3の組成は、Mnの上限、Moの
下限近傍の配合で、金型による急冷である。実施
例4の組成は、Mnの下限、Mo,Cu,Niの上限
近傍の配合で、金型による急冷である。実施例5
の組成は、Mnの上限、Moの下限近傍の配合で、
ダイス付シエル型によるインモールド接種であ
る。さらに、実施例6の組成は、Mnの下限、
Mo,Cu,Niの上限近傍の配合で、シエル型によ
るインモールド接種であり、いずれも良好な疲労
強度を有している。 一方、比較例1は、金型で黒鉛微細化をしてい
るが、非合金で素材のフエライトが80%以上であ
り、焼入れによつても冷却速度の遅いコーナー部
分ではベイナイト組織が得られなかつた。 比較例2の組成は実施例1と同等であり、単な
るシエル型で黒鉛粒径が大きく、疲労強度が低く
なつている。 比較例3はMoを含有せず、バーライトが混在
してベイナイトの生成が不十分であり、金型で黒
鉛粒径は小さいが、疲労強度は低い値となつてい
る。 比較例4は、Moの含有量が高く、セメンタイ
トの晶出および黒鉛粒径が大きいことにより、疲
労強度が低いものである。 比較例5は、Moの含有量がさらに高く、急冷
によりチリが生成し、加工性が悪く、疲労強度も
低いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における球状黒鉛鋳
鉄鋳物の金属組織を示す光学顕微鏡写真、第2図
は平均黒鉛粒径と平面曲げ疲労強度との関係を示
すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量比で、C:2.6〜4.0%、Si:1.5〜3.5%、
    Mn:0.20〜1.0%、Mo:0.03〜0.09%、Cu:0.60
    〜1.5%、Mg:0.005〜0.08%、Fe:実質的残部
    の組成からなり、平均黒鉛粒径が35μ以下で、基
    地組織が残留オーステナイトとベイナイトとの混
    在組織からなることを特徴とする球状黒鉛鋳鉄鋳
    物。 2 重量比で、C:2.6〜4.0%、Si:1.5〜3.5%、
    Mn:0.20〜1.0%、Mo:0.03〜0.09%、Cu:0.60
    〜1.5%、Mg:0.005〜0.08%、Ni:0.3〜1.5%、
    Fe:実質的残部の組成からなり、平均黒鉛粒径
    が35μ以下で、基地組織が残留オーステナイトと
    ベイナイトとの混在組織からなることを特徴とす
    る球状黒鉛鋳鉄鋳物。
JP4966985A 1985-03-13 1985-03-13 球状黒鉛鋳鉄鋳物 Granted JPS61210151A (ja)

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