JP2729696B2 - ファクシミリ端末代行機能を備えた自動交換システム - Google Patents

ファクシミリ端末代行機能を備えた自動交換システム

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、ファクシミリ端末代行機能を備えた自動交
換システムに関する。
《従来の技術》 ファクシミリ端末(ファクシミリ装置等)を使用して
画情報(ファクシミリ情報)の送信を行なおうとする場
合に、送信先のファクシミリ端末が使用中あるいは不応
答であるために通信不能のときには、時間をおいて再度
送信を試みることになる。そのため通常のファクシミリ
端末には、自動再送信等の機能が備えられている。しか
しながら、その再送信が成功するまでの間に、更に別の
送信を行なう必要が生じたような場合には、セットして
ある送信原稿を取り出して交換する等の手間がかかり、
非常に面倒であった。
この不便を解消するための方策として、ファクシミリ
を対象とした電子メールサービスである、いわゆるファ
クシミリメールサービスを利用するという方法がある。
このファクシミリメールサービスは、例えば、自動交換
機に付設した「ファクシミリメール装置」等と呼ばれる
画情報蓄積装置を使用して提供されるサービスである。
このファクシミリメール装置は、画情報を受信して蓄積
すると共に、必要に応じて取り出すことのできる装置で
ある。
上記した再送信の際の不便を解消するためには、ファ
クシミリメールサービスの中でも特に「代行サービス」
と呼ばれているサービス機能が利用され、これは、発信
元ファクシミリ端末から送信されてくる画情報即ちファ
クシミリ情報を、何らかの理由で受信不能状態にある送
信先ファクシミリ端末に代わって、ファクシミリメール
装置が代行受信するようにしたものである。代行受信し
て蓄積したファクシミリ情報は、本来の送信先ファクシ
ミリ端末から要求を受けたときにファクシミリメール装
置がその端末へ向けて送信したり、また、ファクシミリ
メール装置がその送信先ファクシミリ端末に対する呼び
出しを定期的に行ない、呼び出しが成功したならばこの
蓄積情報をそこへ送信するようにしている。
このようにファクシミリ端末の代行をするファクシミ
リ端末代行サービスは、一例としては、日本電信電話株
式会社(NTT)が、同社の運営するファクシミリ通信網
におけるサービスの1つとして提供しており、同社はそ
れを「ファクシミリボックス」と呼んでいる。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、従来のこの種の、ファクシミリ端末代
行機能を備えた自動交換システムにおいては、例えば送
信先ファクシミリ端末からの呼を自動的にファクシミリ
メール装置に着信させるようにはしているものの、発信
者は、このファクシミリメール装置が応答した後に、PB
信号(プッシュボタン信号)にて、サービスコードや配
達先ファクシミリ端末番号等を含む、ファクシミリメー
ルアクセスコードを指示する必要があり、操作が複雑で
面倒であるという問題があった。
ファクシミリ端末代行サービス機能は、本来、ファク
シミリの再送信の手間と面倒を省くことを主目的とした
ものであるから、それを利用するための操作が複雑であ
るということは看過し得ない問題であり、利用効率の低
下にもつながりかねない。
また、ファクシミリ端末代行機能は、送信先ファクシ
ミリ端末が使用中のときばかりでなく、用紙切れや故障
等で応答不能ととなっている場合にも有用なものである
が、従来はそのための対応がなされていなかった。
従って本発明の目的は、ファクシミリ端末代行機能を
利用する際に発信者が面倒な操作を要求されることがな
く、従って利便性に優れ高い利用効率を見込める、ファ
クシミリ端末代行機能を備えた自動交換システムを提供
することにある。
《課題を解決するための手段》 本発明は、上記目的を達成するために、複数のファク
シミリ端末が接続される自動交換機と、該自動交換機に
複数のメール回線で接続されたファクシミリ情報の蓄積
及び配達の機能を有するファクシミリメール装置とを含
んでなる自動交換システムにおいて、 前記複数のファクシミリ端末に対して第1の内線代表
を構成する手段と、 前記ファクシミリメール装置を接続するメール回線に
対して第2の内線代表を構成する手段と、 発信元ファクシミリ端末からのファクシミリ情報を、
前記第1の内線代表に所属する前記複数のファクシミリ
端末の内の送信先ファクシミリ端末が受信できない状態
にあるときに、その送信先ファクシミリ端末の受信不能
状態を検出する検出手段と、 該検出手段が前記送信先ファクシミリ端末の受信不能
状態を検出した場合には、前記メール回線に対して設定
された第2の内線代表に基づいて代表選択を行うメール
回線代表選択手段と、 該メール回線代表選択手段がメール回線を捕捉選択し
たときには、前記発信元ファクシミリ端末からの呼を前
記ファクシミリメール装置内の転送先へ自動的に転送す
る転送手段と、 前記転送手段による転送が行われたときの前記ファク
シミリメール装置からの応答を検出し、代行受信サービ
ス情報及び前記送信先ファクシミリ端末を示す情報を含
むファクシミリ端末代行要求情報をプッシュボタン信号
で送出するプッシュボタン信号送出手段と、 前記メール回線代表選択手段が全ての前記メール回線
が塞がり状態にあることを認識したときには、前記第1
の内線代表による回線選択を行い、前記複数のファクシ
ミリ端末の内の他の送信先ファクシミリ端末の代表選択
を行うファクシミリ端末代表選択手段と、 該ファクシミリ端末代表選択手段が選択した前記他の
送信先ファクシミリ端末に、前記発信元ファクシミリ端
末からの呼を転送する手段と、 を設けたことを特徴とするものである。
《作用》 従って本発明によれば、送信先ファクシミリ端末が使
用中あるいは不応答であるために通信不能のときには、
以下のようにして、自動的にファクシミリメール装置に
よって代行受信が行なわれ、複雑な操作を必要とするこ
となく、ファクシミリ端末代行機能を利用することがで
きる。
即ち、先ず、転送先登録手段に、転送手段による転送
が行なわれる際のファクシミリメール装置内の転送先を
登録しておく。
検出手段は、発信元ファクシミリ端末からのファクシ
ミリ情報を送信先ファクシミリ端末が受信できない状態
にあるときにその状態を検出する。この送信先ファクシ
ミリ端末受信不能状態には、例えば送信先ファクシミリ
端末が使用中(話中)の場合や、紙切れ等のトラブルの
ために不応答である場合などが含まれる。また、この検
出手段は、内線代表を組んだ一群のファクシミリ端末を
送信先とする呼が自動交換機に着信したときに、それら
一群のファクシミリ端末の全てが送信先ファクシミリ端
末受信不能状態にあることを検出し得るように構成する
ことができ、そのようにすれば、送信先の内線代表を組
んだ一群のファクシミリ端末の全てが送信先ファクシミ
リ端末受信不能状態にあるときにのみ、ファクシミリメ
ール装置がそれら一群の送信先ファクシミリの代行をし
て、ファクシミリ情報を受信及び蓄積するように、する
ことができる。
送信先ファクシミリ端末受信不能状態が検出されたな
らば、転送手段が、発信元ファクシミリ端末からの呼を
ファクシミリメール装置内の転送先へと自動的に転送す
る。
転送手段による転送が行なわれたならば、自動交換機
は、ファクシミリメール装置からの応答を受信する。す
ると、この応答を検知したプッシュボタン信号送出手段
が、ファクシミリメール装置へ、ファクシミリ端末代行
のために必要とされる必要情報を、プッシュボタン信号
で送出する。この必要情報は、例えば、サービスコード
や送信先ファクシミリ端末番号等を含むファクシミリメ
ールアクセスコードである。
以上で、ファクシミリメール装置は受信準備が完了す
る。
送信者が、例えば、ファクシミリメール装置からの受
信準備完了音を聴き、ファクシミリ送信ボタンを押すこ
と等により、ファクシミリ情報がファクシミリメール装
置へ送信される。
ファクシミリメール装置はファクシミリ情報の受信を
終了すると、ファクシミリメール装置内の転送先を収容
した内線端子を解放し、それによって通信路が切断され
る。
これ以後、ファクシミリメール装置は先にPB信号にて
受信した本来の送信先ファクシミリ端末のアクセスコー
ド(ファクシミリ端末番号)を自動交換機へ定期的に送
出して、該当ファクシミリ端末の呼出しを行なう。自動
交換機は、そのファクシミリ端末からの応答を検知した
ならば、その端末をファクシミリメール装置に接続し、
この接続により、代行受信して蓄積しておいたファクシ
ミリ情報の配達が行なわれるようになる。
以上のように動作するため、ファクシミリ情報の発信
者は、送信先ファクシミリ端末の状態と無関係に発信を
行なうことができ、また、ファクシミリメール装置と接
続された後にメールアクセスコードを指示する必要もな
いため、ファクシミリ端末代行機能を利用する際に発信
者が面倒な操作を要求されることがなく、優れた利便性
を有するファクシミリ端末代行機能が得られる。
《実施例》 以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係るファクシミリ端末
代行機能を備えた自動交換システムの、ハードウェア構
成を示すブロック図である。
第1図中、引用符号10で示す破線で囲んだ部分は自動
交換機を構成している。この自動交換機10は、通話路ス
イッチ11とその周辺に接続された諸要素とからなるもの
であり、それらの諸要素のうちで特に本実施例にとって
重要なものを挙げると、バスを介してこの通話路スイッ
チ11に接続された中央処理装置(CPU)12及びメモリ装
置(MEM)13、他のPBXないし局線等に接続される局線ト
ランク(COT)14、PB信号(プッシュボタン信号)受信
トランク(PBR)15、それに中央処理装置12に接続され
た入出力装置16等がある。
引用符号20は、自動交換機10に接続されたファクシミ
リメール装置(以下、メール装置という)である。この
メール装置(MAIL)20の中には複数のいわゆるメールボ
ックスが設定されている。さらに、このメール装置20
は、複数本の回線を介して自動交換機10に接続されてお
り、それらの回線は、通話路スイッチ11の夫々の内線端
子に収容されている(この自動交換機10の、メール装置
20に接続されている内線(または回線)を、以下、MAIL
内線(MAIL回線)という)。通話路スイッチ11の更にそ
の他の内線端子には、複数のファクシミリ端末30が接続
されている。
以上の構成において、メモリ装置13には、この自動交
換システムを制御する中央処理装置12のプログラムと、
その制御に必要とされる種々のデータとが格納される。
また、中央処理装置12には入出力装置16から各種データ
を登録することも可能となっている。
以下に本発明を更に詳述するが、理解を容易にするた
めに、ここでは非常に単純化した例に即して説明するこ
とにする。即ち、第2図に示すように、自動交換機10に
は3台のファクシミリ端末が、夫々、内線番号「10
0」、「200」、「300」が割当てられてそこに収容され
ているものとし(これらのファクシミリ端末を、夫々、
FAX100,FAX200,FAX300で表わす)、また、メール装置20
は、自動交換機10の3つの内線端子に接続されていて、
これらの、メール装置接続の内線端子には夫々、内線番
号(MAIL番号)「400」、「401」、「402」が割当てら
れているものとする(これらの内線を夫々、MAIL400,MA
IL401,MAIL402で表わす)。第2図では更に、3台の端
末FAX100,FAX200,FAX300のいずれもが、その使用中/不
応答時の転送先のMAIL番号としてMAIL400を登録した状
態にあることを、点線の矢印で模式的に示している。ま
たこの実施例においては、以上の3つのMAIL内線MAIL40
0,MAIL401,MAIL402は、内線代表を組んでいる。
尚、第2図以下の図面では、図を簡明にするために、
自動交換機10の要素のうち特にその図面において重要で
はないものは図示省略してある。
次に第3図、第4図を用いて、ファクシミリ端末が使
用中(話中)ないし不応答のときの転送先を登録する場
合の操作方法と、転送先登録時の内線メモリ構成につい
て説明する。
第3図に示すように、先ず登録者は、ファクシミリ端
末FAX100を操作して発呼し(S1)、自動交換機10からの
発信音を聴取する(S2)。次に、話中/不応答時転送登
録特番をダイヤルし(S3)、引き続き転送先のMAIL番号
(この場合は「400」)をダイヤルする(S4)。登録許
容であれば、第4図に示すように、中央処理装置12はメ
モリ装置13の中に端末FAX100の内線メモリ40のための転
送登録エリアを確保し、そこに話中/不応答時転送登録
中データと転送先MAIL番号とを記憶する(このように転
送のためのデータを登録したファクシミリ端末を、以
下、話中/不応答時転送登録中ファクシミリ端末とい
う)。こののち、中央処理装置12は自動交換機10に登録
確認音を送出させ(S5)、ファクシミリ端末FAX100の終
話を待つ(S6)。
以上の登録操作は、自動交換機10に予め定められてい
る話中/不応答時転送登録特番をファクシミリ端末から
ダイヤルすることにより行うものであるが、別法とし
て、中央処理装置12に接続した入出力装置16から、コマ
ンド等のデータ投入により登録操作を行うようにしても
良い。
上記登録操作を繰り返すことにより、中央処理装置12
は、メモリ装置13の中に設定される各々のファクシミリ
端末用内線メモリ40、41、42に、話中/不応答時転送の
ための内容を記憶することになる。
第5図及び第6図は、話中/不応答時転送登録中ファ
クシミリ端末(ここではFAX200)に着信呼が発生した
が、そのとき該当ファクシミリ端末が使用中ないし不応
答であったという場合に、その着信呼がメール装置20に
自動転送される状況を模式的に示すものである。第5図
は発信元ファクシミリ端末が、送信先ファクシミリ端末
FAX200と同じ交換機の内線に接続されている場合、一
方、第6図は、外部からトランク14を介して着信があっ
た場合である。
第5図について説明すると、まず、発信元の端末FAX1
00から送信先の端末FAX200へのダイヤルが行なわれる。
このとき、中央処理装置12はFAX200の内線状態をチェッ
クし、空き状態であったならば呼び出しを行い、また、
使用中であったならば(ここではFAX200は使用中である
と想定している)、メモリ装置13の中に設定されている
FAX200の内線メモリ41(第4図)を参照して話中/不応
答時転送先のチェックを行い、話中/不応答時転送登録
中であったならば、転送先のMAIL番号を読み出し、該当
するメールボックスへ着信呼を転送して呼び出しを行
う。
第6図についても、端末FAX200が使用中の場合、単に
外部から着信があるというだけで本質的に以上に説明し
たものと異なる点はない。また、端末FAX200を送信先と
する呼が着信したときにこの端末FAX200が用紙切れ、あ
るいは故障等により応答不能状態にあった場合には、中
央処理装置12は所定の時間だけこの端末FAX200からの応
答を待ち、その時間が経過したならば、メモリ装置13の
中の、FAX200用の内線メモリ41の転送登録エリアを参照
し、話中/不応答時転送登録中であれば、転送先のMAIL
番号を読み出して該当するメイルボックスへ着信呼を転
送し呼び出しを行う。
本実施例のシステムでは、メール装置20に接続されて
いる内線端子は複数回線あり、それらの回線は内線代表
を組んであるため、着信呼をメール装置20へ転送する際
には、内線代表選択して、空き回線を呼び出すことがで
きる。
このようにしてメール装置20へ着信呼転送が行なわれ
たならば、メール装置20はそれに対して応答し、そして
自動交換機10は、その応答を検知したならば自動的に、
ファクシミリメールアクセスコードをメール装置20へPB
信号で送出する。
第7図は、このとき送出されるファクシミリメールア
クセスコード(以下MAILアクセスコード)の構成図を示
す。第7図において、FROM情報70は発信元ファクシミリ
端末の番号であり、ファクシミリ情報不達時の不達通知
の通知先番号として必要なものである。サービスコード
71は、話中/不応答時代行受信サービスを利用するため
の番号である。また、TO情報72は、話中ないし不応答の
ためにファクシミリ情報を送ることのできなかった本来
の送信先ファクシミリ端末の番号であって、即ち、メー
ル装置20から呼び出しを行なって、先に代行受信したフ
ァクシミリ情報を配達すべき配達先の番号である。最後
の終了コード73は、このMAILアクセスコードの終了を示
すものである。
次に、第8図の状態遷移図と第9図の制御シーケンス
図とを用いて、内線収容の発信元ファクシミリ端末(以
下、発信元FAX)からの発呼に対し、送信先ファクシミ
リ端末(以下、送信先FAX)が使用中であった場合に、
その発信元FAXと自動交換機とメール装置との間で行な
われる通信手順について、その動作例を説明する。これ
らの図には、発信元FAXからの発呼から始まって、着信
呼のメール装置への転送、メール装置からの応答、PB信
号によるMAILアクセスコードの自動送出、発信元FAXと
メール装置との接続と解放までを示している。
第9図に示す制御シーケンスは、ファクシミリ発信者
が発信元FAXから送信先FAXのファクシミリ端末番号(以
下、ファクシミリ端末番号をFAX番号という)をダイヤ
ルして発呼することから始まる(第9図:90)。中央処
理装置12は、ダイヤルされた送信先FAX番号を認識し、
該当するファクシミリ端末が使用中か否かをチェックす
る(第9図:91)。使用中であったならば、メモリ装置1
3の中の、その送信先FAXに対応する内線メモリに転送先
として登録されているMAIL番号(内線番号)を読み出
し、そしてタスク80(第8図)を走行して、発信元FAX
には呼出音(RBT)、送信先FAXには呼出信号(IR)を夫
々送出し、メール装置20からの応答を待つ(第9図:92,
93)。
中央処理装置12は、メール装置20からの応答を検知す
ると、タスク81を走行させ、発信元FAXへ特殊音(RT)
を送出し、プレポーズタイマをセットする(第9図:94,
95)。その後、プレポーズタイムアウトのタスク82によ
り、中央処理装置12は、第7図に示す内容のMAILアクセ
スコードを編集し、そしてそれをPB信号にて自動送出す
る(第9図:96)。
更に中央処理装置12は、PB信号送出を終了したなら
ば、タスク83を走行させて受信準備タイマを設定し、タ
スク84における受信準備タイムアウトの判定により、発
信元FAXへ送出中の特殊音(RT)を停止し、発信元FAXと
メール装置20を二者接続とする。
メール装置20は、受信準備が完了したならば自動交換
機10へ可聴音を送出する。ファクシミリ発信者がこの受
付準備完了音を聴取して発信元FAXの送信ボタン等を操
作することにより、あるいは発信元FAXがこの受付準備
完了音に反応することによって、ファクシミリ通信に入
る(第9図:97,98)。
ファクシミリ通信の終了後、発信元FAXがオンフック
すると、中央処理装置12はタスク85を走行させ、発信元
FAXとメール装置の通話路を切断して解放処理を行う
(第9図:99,99−1)。
続いて、第10図の状態遷移図と第11図の制御シーケン
ス図とを用いて、送信先FAXが不応答の場合について説
明する。これらの図は、局線トランク14を介して、いわ
ゆるダイヤルイン着信があった場合の動作例を示すもの
である。
局線トランク14にダイヤルイン着信が発生すると、中
央処理装置12は、この着信を検知してPB信号受信トラン
ク(PBR)15に接続する(第10図:状態5)。
その後引き続いて到来するPB信号をPB受信トランク15
にて受信する(第11図:110)。中央処理装置12は、受信
したPB信号から送信先FAX番号を認識し、該当するファ
クシミリ端末が空き状態か否かを判定する。空きであれ
ば、タスク101(第10図)を走行させ、局線トランク14
には呼出音(RBT)を送出し、また、送信先FAXには呼出
信号IRを送出して呼び出しを行い、その応答を待つ(第
11図:111,112)。
中央処理装置12は、この送信先FAXからの応答を待つ
が、ここでは不応答を想定しているためこの送信先FAX
からの応答はない。従って所定の時間が経過しても応答
を検知できないため、中央処理装置12はメモリ装置13の
中のこの送信先FAXに対応する内線メモリの転送登録エ
リアを参照し、話中/不応答時転送先MAIL内線を読み出
す。そしてタスク102を走行させ、メール装置20へ呼出
信号IRを送出して、それに対する応答を待つ(第11図:1
13)。
これ以後、着信呼の転送からメール装置20が代行受信
を完了するまでの動作は、第8図及び第9図に関して先
に説明した、送信先FAXが使用中の場合の動作と同じで
あるため、説明を省略する。
尚、第9図に関して先に説明した中では、中央処理装
置12がメール装置からの応答を検知したときには、ファ
クシミリ発信者に特殊音RTを送出するという動作例を示
したが、別法として、特殊音の送出の代わりに音声装置
に接続して、話中ないし不応答である旨をメッセージに
て送出する様にしても良い。
以上のようにしてメール装置20が代行受信したファク
シミリ情報は、メール装置20から本来の送信先FAXへ配
達されることになる。この配達は、メール装置20が、先
にPB信号にて受信したMAILアクセスコードの中に含まれ
ているTO情報72に基づいて、定期的に発呼して送信先フ
ァクシミリのFAX番号(即ち配達先番号)を自動交換機1
0に送出することによって行なうのであるが、この配達
手順は通常の交換機における内線相互接続と同様である
ため、説明を省略する。
既に述べたように、本実施例のシステムにおいては、
交換機10に接続されている複数のファクシミリ端末30と
複数のMAIL内線端子とは、各々内線代表を組んであり、
この内線代表の構成を第12図に示す。また、この第12図
の中の点線の矢印は転送動作の一例を示しており、この
動作例は後述の第14図の動作例に対応するものである。
次に、第12図のように両者共に内線を組んだ場合の、
着信呼転送制御方式の好適な2種類の動作例について、
第13図ないし第15図を用いて説明する。
第13図は、このように内線代表を組んだ場合にメモリ
装置13内に設定される内線代表リストの、記憶内容のデ
ータ構成を示すものである。図示の如く、親内線表示の
次に親内線番号が続き、更に複数の子内線番号がその序
列に従って続いている。
第14図は、内線代表を組んだ一群のファクシミリ端末
FAX100,FAX200,FAX300の全てが使用中ないし不応答の場
合にのみ、メール装置20へ転送して代行受信させるよう
にした転送制御方式について示しており、ここでは、話
中/応答時転送登録がされているのは、第13図のリスト
中の序列が最後のファクシミリ端末FAX300だけである。
この第14図の方式では、一例として、局線トランク14
よりファクシミリ端末FAX100への着信呼が発生すると、
中央処理装置12はこのファクシミリ端末FAX100の内線状
態を判定する。そしてもし使用中であったならば、メモ
リ装置13に記憶されている内線代表リスト(第13図)に
従い、リスト中の次の子内線のファクシミリ端末FAX200
を抽出し、その内線状態を判定する。中央処理装置12は
以下同様にして、空き状態の子内線を検出するまで、次
々にファクシミリ端末を収容した内線の内線状態を調べ
てゆく。
内線代表リスト中の最終子内線のファクシミリ端末FA
X300までの全てのファクシミリ端末が使用中であったな
らば、中央処理装置12は、この最終子内線のファクシミ
リ端末FAX300の話中/不応答時転送登録データに基づい
て、メール装置20への転送を行なうが、その際には、転
送先のMAIL収容回線についても、ファクシミリ端末の代
表選択と同様に、空き回線の内線代表選択を行って、空
きMAIL回線の呼び出しを行う。
この第14図の転送制御の動作例の場合、ファクシミリ
端末の内線代表選択を行うようにしてあるため、メール
装置20の代行受信を介すことなく、空き状態のファクシ
ミリ端末を有効に利用することができる。
第15図は更に別の転送制御動作例を示しており、この
動作例では、内線代表を組んだ一群のファクシミリ端末
FAX100,FAX200,FAX300の全てについて、各々ごとに、メ
モリ装置13の中の内線メモリに話中/不応答時転送登録
がなされている。また、ここでは、具体的な状況の例と
して、ファクシミリ端末FAX100が使用中であり、また全
てのMAIL回線が使用中であった場合の、着信呼転送制御
動作について説明する。
例えば、局線トランク14よりファクシミリ端末FAX100
に着信呼が発生すると、中央処理装置12はこのファクシ
ミリ端末FAX100の内線状態を判定する。ここではFAX100
は使用中であると想定しており、この場合、中央処理装
置12は、メモリ装置13より話中/不応答時転送先のMAIL
回線を抽出する。その後、第13図の内線代表リストに基
づいてMAIL回線の代表選択を行うが、ここではMAIL回線
は全てが塞がっていると想定しており、この場合中央処
理装置12は、「転送元」ファクシミリ端末(ここではFA
X100)の内線代表リストに基づき、そのリスト中の序列
が次のファクシミリ端末(ここではFAX200)を抽出して
それが空き状態か否かを調べ、空き状態であれば呼び出
しを行う。
この第15図の動作例は、例えば、1つの会社の中でそ
の夫々の部署毎に使用するファクシミリ端末が決められ
ており、メール装置にて代行受信できないときのみ他部
署のファクシミリ端末に受信するような運用の場合等に
特に有効である。
《発明の効果》 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、複
数のファクシミリ端末が接続される自動交換機と、該自
動交換機に複数のメール回線で接続されたファクシミリ
情報の蓄積及び配達の機能を有するファクシミリメール
装置とを含んでなる自動交換システムにおいて、 前記複数のファクシミリ端末に対して第1の内線代表
を構成する手段と、 前記ファクシミリメール装置を接続するメール回線に
対して第2の内線代表を構成する手段と、 発信元ファクシミリ端末からのファクシミリ情報を、
前記第1の内線代表に所属する前記複数のファクシミリ
端末の内の送信先ファクシミリ端末が受信できない状態
にあるときに、その送信先ファクシミリ端末の受信不能
状態を検出する検出手段と、 該検出手段が前記送信先ファクシミリ端末の受信不能
状態を検出した場合には、前記メール回線に対して設定
された第2の内線代表に基づいて代表選択を行うメール
回線代表選択手段と、 該メール回線代表選択手段がメール回線を捕捉選択し
たときには、前記発信元ファクシミリ端末からの呼を前
記ファクシミリメール装置内の転送先へ自動的に転送す
る転送手段と、 前記転送手段による転送が行われたときの前記ファク
シミリメール装置からの応答を検出し、代行受信サービ
ス情報及び前記送信先ファクシミリ端末を示す情報を含
むファクシミリ端末代行要求情報をプッシュボタン信号
で送出するプッシュボタン信号送出手段と、 前記メール回線代表選択手段が全ての前記メール回線
が塞がり状態にあることを認識したときには、前記第1
の内線代表による回線選択を行い、前記複数のファクシ
ミリ端末の内の他の送信先ファクシミリ端末の代表選択
を行うファクシミリ端末代表選択手段と、 該ファクシミリ端末代表選択手段が選択した前記他の
送信先ファクシミリ端末に、前記発信元ファクシミリ端
末からの呼を転送する手段と、 を設けたため、ファクシミリ端末への着信要求があった
ならば、自動交換機が、そのファクシミリ端末の状態を
判定し、そして使用中あるいは不応答のときには、自動
的にメール装置へその着信呼を転送する。
システムがこのように動作することから、ファクシミ
リ情報の発信者は、送信先ファクシミリ端末の状態と無
関係に発信を行なうことができ、再送信等の手間がかか
らなくなる。
また特に、自動交換機が、その着信転送呼に対するメ
ール装置からの応答を検知して、ファクシミリ端末代行
機能のために必要な、例えばファクシミリメールアクセ
スコード等の情報をメール装置へPB信号にて自動送出す
るため、発信元ファクシミリ端末がファクシミリメール
装置と接続された後に、発信者が手動操作でメールアク
セスコードを指示する必要がなく、面倒な操作を要求さ
れることなしに、優れた利便性を有するファクシミリ端
末代行機能を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る自動交換システムの
ハードウェア構成を示すブロック図、 第2図は、第1図のハードウェア構成における内線割当
ての一例を示す図、 第3図は、ファクシミリ端末から行なう話中/不応答時
転送登録操作のフローチャート、 第4図は、話中/不応答時転送登録操作に関わるファク
シミリ端末用内線メモリの構成図、 第5図及び第6図は、送信先ファクシミリ端末の話中/
不応答時の着信呼転送動作の例を示す模式図、 第7図は、ファクシミリメールアクセスコードの構成
図、 第8図及び第9図は、内線収容の発信元ファクシミリ端
末からの発呼に対し代行受信が行なわれるときの転送動
作例に関する、状態遷移図と制御シーケンス図、 第10図及び第11図は、ダイヤルイン着信があったときの
代行受信の転送動作例に関する、状態遷移図と制御シー
ケンス図、 第12図は、ファクシミリ端末とメール装置の内線代表構
成図、 第13図は、内線代表リストのデータ構成図、 第14図及び第15図は、ファクシミリ端末及びメール装置
の内線代表編成時の着信呼転送動作例を示す模式図であ
る。 10……自動交換機、11……通話路スイッチ、12……中央
処理装置(CPU)、13……メモリ装置(MEM)、14……局
線トランク(COT)、15……PB信号受信トランク(PB
R)、16……入出力装置、20……ファクシミリメール装
置(MAIL)、30……ファクシミリ端末(FAX)、40〜42
……ファクシミリ端末内線メモリ、70……FROM情報、71
……サービスコード、72……TO情報、73……終了コー
ド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−151242(JP,A) 特開 昭61−3548(JP,A) 特開 昭62−196950(JP,A) 特開 昭61−295741(JP,A) 特開 昭57−201357(JP,A) 特開 昭49−95507(JP,A) 特開 昭63−90938(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のファクシミリ端末が接続される自動
    交換機と、該自動交換機に複数のメール回線で接続され
    たファクシミリ情報の蓄積及び配達の機能を有するファ
    クシミリメール装置とを含んでなる自動交換システムに
    おいて、 前記複数のファクシミリ端末に対して第1の内線代表を
    構成する手段と、 前記ファクシミリメール装置を接続するメール回線に対
    して第2の内線代表を構成する手段と、 発信元ファクシミリ端末からのファクシミリ情報を、前
    記第1の内線代表に所属する前記複数のファクシミリ端
    末の内の送信先ファクシミリ端末が受信できない状態に
    あるときに、その送信先ファクシミリ端末の受信不能状
    態を検出する検出手段と、 該検出手段が前記送信先ファクシミリ端末の受信不能状
    態を検出した場合には、前記メール回線に対して設定さ
    れた第2の内線代表に基づいて代表選択を行うメール回
    線代表選択手段と、 該メール回線代表選択手段がメール回線を捕捉選択した
    ときには、前記発信元ファクシミリ端末からの呼を前記
    ファクシミリメール装置内の転送先へ自動的に転送する
    転送手段と、 前記転送手段による転送が行われたときの前記ファクシ
    ミリメール装置からの応答を検出し、代行受信サービス
    情報及び前記送信先ファクシミリ端末を示す情報を含む
    ファクシミリ端末代行要求情報をプッシュボタン信号で
    送出するプッシュボタン信号送出手段と、 前記メール回線代表選択手段が全ての前記メール回線が
    塞がり状態にあることを認識したときには、前記第1の
    内線代表による回線選択を行い、前記複数のファクシミ
    リ端末の内の他の送信先ファクシミリ端末の代表選択を
    行うファクシミリ端末代表選択手段と、 該ファクシミリ端末代表選択手段が選択した前記他の送
    信先ファクシミリ端末に、前記発信元ファクシミリ端末
    からの呼を転送する手段と、 を設けたことを特徴とするファクシミリ端末代行機能を
    備えた自動交換システム。
  2. 【請求項2】送信先ファクシミリ端末の受信不能状態を
    検出する前記検出手段を、少なくとも前記送信先ファク
    シミリ端末の不応答を検出するように構成し、それによ
    って、前記送信先ファクシミリ端末が不応答のときに前
    記メール回線に対して設定された第2の内線代表に基づ
    いて代表選択を行うことを特徴とする請求項1記載のフ
    ァクシミリ端末代行機能を備えた自動交換システム。
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JPS613548A (ja) * 1984-06-15 1986-01-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> フアクシミリ通信代表接続方式
JPS61295741A (ja) * 1985-06-24 1986-12-26 Nec Corp 代行受信方式
JPS62196950A (ja) * 1986-02-25 1987-08-31 Nec Corp フアクシミリ蓄積交換方式
JPS63151242A (ja) * 1986-12-16 1988-06-23 Nec Corp フアクシミリ交換システム

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