JP2729395B2 - 液体加圧噴霧用ノズルチップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液体を高圧力に加圧し、小径の噴孔から空
気中に高速度で噴射して空気との摩擦により微粒化する
スプレイノズルに関する。

従来より、エアレス塗装等に用いられるスプレイノズ
ルには、パターン（塗料の塗装面上の吹付形状をいう。
以下同じ）を紡錘状にする扇型ノズルが使用されてい
る。パターン幅（吹付形状の長手方向の幅）は、ノズル
チップ背面の先端穴径（先端部の円筒部）と曲率半径そ
して鋭角の三角溝の角度、ノズルチップへの切込み深さ
によって形成される。三角溝の角度が広角になるとパタ
ーン幅は狭くなり、鋭角にしていくほどパターン幅は広
くなる。

しかし、パターン幅を広くする為に、三角溝の角度を
鋭角にすれば、パターン幅を広くできるが、噴霧分布の
関係から良好な塗装面が得られるための許容限界があ
り、噴霧分布が不均一になると塗膜が平滑とならず、ま
たテールが発生したり中央部が薄くなり、良好な塗膜が
得られない。また、エアレス塗装に用いる水性塗料の中
には、パターン幅が広がりにくいものもある。

本発明は、上記の問題点を解決するために、ノズルチ
ップにおいてＶ溝を角溝のスリットに変え、且つそのス
リットの開口部の稜角に、ある角度で面取りを行い、広
く且つ安定なパターン幅を得られるようにしたものであ
る。

実施例 以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。

従来の三角溝による扇型ノズルの断面図を第１図に示
す。１はノズルチップであり、２のノズルケースに打込
まれ構成されている。３は三角溝を表す。第２図は、第
１図の左方よりの側面図である。４はノズルチップのオ
リフィス、５はノズルチップである。第３図は第２図の
ノズルチップの拡大図であり、６はオリフィス、７は三
角溝によるノズルチップの切込みを示す。第４図は、第
１図のノズルチップ先端部の拡大図である。８はオリフ
ィスの短径端を表し、９は三角溝、11は先端穴径、10は
円筒部と曲率の境界を示し、三角溝の切込み深さは、10
までとする。12は三角溝の切込み角度を示す。

第５図は、今回の発明のノズルチップを示し13はオリ
フィス、14はノズルチップへの溝切込みを示す。第６図
は、ノズル断面図であり角溝のスリット16を穴径18と曲
率半径の境界17まで切込み、稜角の面取り15を行う。19
は面取りの角度を示す。

第７図は、従来の三角溝を鋭角とした塗膜の断面を示
す。被塗装物ａに塗着した塗膜ｂは、十分に広いパター
ン幅を得られず、中央部が薄い。

第８図は、今回の発明により塗装した塗膜の断面を示
し、塗膜ｂ′は被塗装物ａ上に平坦に形成され、第７図
で示すような欠点が解消されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は 従来のエアレスノズル 第２図は 第１図の側面図 第３図は 第２図の部分拡大図 第４図は 第１図の部分拡大図 第５図は 本発明の実施例 1:ノズルチップ 2:ノズルケース 3:三角溝 4:オリフィス 15:稜角の面取り 16:角溝のスリット 第６図は 本発明実施例のノズルチップの断面図 第７図は 従来のノズルチップを用いて塗装した場合の
塗膜断面図 第８図は 本発明実施例のノズルチップを用いて塗装し
た場合の塗膜断面図

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】背面に円錐台と円筒との組合せによる凹部
   を持ち、前面から前記凹部に達するＶ溝を切ることによ
   ってオリフィスを開口し、加圧された液体を前記オリフ
   ィスから射出して大気と衝突させて霧化するためのノズ
   ルチップにおいて、前記Ｖ溝を角溝のスリットとし、且
   つスリットの開口部の稜角を面取りすることを特徴とす
   る液体加圧噴霧用ノズルチップ。