JP2729313B2 - セルローストリアセテートフィルムの製造方法 - Google Patents
セルローストリアセテートフィルムの製造方法Info
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- JP2729313B2 JP2729313B2 JP1030491A JP3049189A JP2729313B2 JP 2729313 B2 JP2729313 B2 JP 2729313B2 JP 1030491 A JP1030491 A JP 1030491A JP 3049189 A JP3049189 A JP 3049189A JP 2729313 B2 JP2729313 B2 JP 2729313B2
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- Japan
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- cellulose triacetate
- die
- film
- solvent
- casting
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセルローストリアセテートフィルムの製造方
法に関し、さらに詳しくはダイス巾方向両端部(以下エ
ッヂという)に発生する皮膜防止に関する。
法に関し、さらに詳しくはダイス巾方向両端部(以下エ
ッヂという)に発生する皮膜防止に関する。
セルローストリアセテートフィルムを製造する際、通
常、溶液流延装置が使用されるが、ダイスよりセルロー
ストリアセテート溶液(以下、ドープという)を流下す
る時ダイスエッヂに皮膜(スケール)が発生し易い。こ
の皮膜は流延するドープの流れを乱し、安定なセルロー
ストリアセテートフィルムの製造を阻害する。
常、溶液流延装置が使用されるが、ダイスよりセルロー
ストリアセテート溶液(以下、ドープという)を流下す
る時ダイスエッヂに皮膜(スケール)が発生し易い。こ
の皮膜は流延するドープの流れを乱し、安定なセルロー
ストリアセテートフィルムの製造を阻害する。
この対策として従来、例えばダイスの刃先に溶剤の飽
和ガスを吹き込んだり、あるいはダイスの刃先部分にカ
バーをすることにより流延された膜からの溶剤蒸発を抑
制し、皮膜発生を防止する方法が知られているが、これ
らの方法は確実性に欠け、かつ条件がコントロールしに
くく、逆に流延膜に悪影響(故障)を生じさせることも
あった。さらに多層逐次流延する場合においては、先行
する層のエッヂ皮膜が、続いて重ね流延する層の均一性
を阻害する。
和ガスを吹き込んだり、あるいはダイスの刃先部分にカ
バーをすることにより流延された膜からの溶剤蒸発を抑
制し、皮膜発生を防止する方法が知られているが、これ
らの方法は確実性に欠け、かつ条件がコントロールしに
くく、逆に流延膜に悪影響(故障)を生じさせることも
あった。さらに多層逐次流延する場合においては、先行
する層のエッヂ皮膜が、続いて重ね流延する層の均一性
を阻害する。
上記のような問題点に対して本発明の目的は、セルロ
ーストリアセテートフィルムの製造において、流延時の
皮膜発生を防止し、安定な流延製膜ができるセルロース
トリアセテートフィルムの製造方法を提供することであ
る。
ーストリアセテートフィルムの製造において、流延時の
皮膜発生を防止し、安定な流延製膜ができるセルロース
トリアセテートフィルムの製造方法を提供することであ
る。
本発明の上記目的は、セルローストリアセテート溶液
を流延ダイスを用いて支持体上に流延する際、ダイスエ
ッヂに発生する皮膜を防止するためにダイスエッヂ部に
セルローストリアセテート可溶な溶剤を流下させること
を特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造
方法により達成される。
を流延ダイスを用いて支持体上に流延する際、ダイスエ
ッヂに発生する皮膜を防止するためにダイスエッヂ部に
セルローストリアセテート可溶な溶剤を流下させること
を特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造
方法により達成される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でいうドープとはセルローストリアセテート
と、その可塑剤およびこれらを溶解せしめる有機溶媒か
らなる。
と、その可塑剤およびこれらを溶解せしめる有機溶媒か
らなる。
可塑剤としては、りん酸エステル系として、トリフェ
ニルフォスフェイト、トリクレジルフォスフェイト、ト
リエチルフォスフェイト、ビフェニルジフェニルフォス
フェイト等、グリコール酸エステル系としてはエチルフ
タリルエチルグリコレートその他トルエンスルホンアミ
ド系、トリアセチン等を単独あるいは混合して用いられ
る。また可塑剤含有量は、セルローストリアセテートに
対して5〜30重量%が好ましい。
ニルフォスフェイト、トリクレジルフォスフェイト、ト
リエチルフォスフェイト、ビフェニルジフェニルフォス
フェイト等、グリコール酸エステル系としてはエチルフ
タリルエチルグリコレートその他トルエンスルホンアミ
ド系、トリアセチン等を単独あるいは混合して用いられ
る。また可塑剤含有量は、セルローストリアセテートに
対して5〜30重量%が好ましい。
有機溶剤としては、塩素系炭化水素、好ましくはメチ
レンクロライドを主溶剤に、副溶剤として炭素数1〜6
までの飽和脂肪族アルコール、好ましくはメタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、secブタノール、tert
−ブタノール、n−ヘキシルアルコール等さらに炭素数
3〜7の炭素化合物で環状の脂肪族炭化水素、好ましく
はシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等、脂肪族エ
ステルとしては酢酸エチル、酢酸プロピル、等ケトン類
ではメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、
エーテル類ではメチルセルソルブ、テトラヒドロフラン
等及び炭素数6の芳香族炭化水素、好ましくはベンゼ
ン、モノクロルベンゼン等から選ばれた1種または2種
以上を混合し混合溶剤がある。
レンクロライドを主溶剤に、副溶剤として炭素数1〜6
までの飽和脂肪族アルコール、好ましくはメタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、secブタノール、tert
−ブタノール、n−ヘキシルアルコール等さらに炭素数
3〜7の炭素化合物で環状の脂肪族炭化水素、好ましく
はシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等、脂肪族エ
ステルとしては酢酸エチル、酢酸プロピル、等ケトン類
ではメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、
エーテル類ではメチルセルソルブ、テトラヒドロフラン
等及び炭素数6の芳香族炭化水素、好ましくはベンゼ
ン、モノクロルベンゼン等から選ばれた1種または2種
以上を混合し混合溶剤がある。
有機溶剤のセルローストリアセテート溶液中に占める
割合は、約75〜95重量%であり、80〜92重量%を標準と
して用いるのが好ましい。また有機溶剤中に主溶剤の塩
素系炭化水素の占める割合は、70〜95重量%を標準とし
て用いるのが好ましい。
割合は、約75〜95重量%であり、80〜92重量%を標準と
して用いるのが好ましい。また有機溶剤中に主溶剤の塩
素系炭化水素の占める割合は、70〜95重量%を標準とし
て用いるのが好ましい。
本発明に使用されるセルローストリアセテート溶液と
して好ましい有機溶剤組成例を次に示すが、これにより
本発明が制限を受けるものではない。
して好ましい有機溶剤組成例を次に示すが、これにより
本発明が制限を受けるものではない。
(括弧内の数字は、重量%を示す。) (1)メチレンクロライド(70〜95) +メタノール(5〜30) (2)メチレンクロライド(70〜95) +エタノール(5〜30) (3)メチレンクロライド(70〜90) +メタノール(5〜15) +シクロヘキサン(5〜15) (4)メチレンクロライド(70〜90) +エタノール(5〜15) +シクロヘキサン(5〜15) (5)メチレンクロライド(80〜93) +メタノール(2〜7) +n−ブタノール(5〜13) (6)メチレンクロライド(80〜93) +エタノール(2〜7) +n−ブタノール(5〜13) (7)メチレンクロライド(80〜93) +メタノール(2〜7) +イソブタノール(5〜13) (8)メチレンクロライド(80〜93) +メタノール(2〜7) +イソブタノール(5〜13) 本発明においてダイスエッジに流下させる溶剤も上記
組成のものを用いることができる。
組成のものを用いることができる。
その場合の流下量としては0.1〜3.0cc/mであり、好ま
しくは0.1〜1.0cc/mである。
しくは0.1〜1.0cc/mである。
流下は間欠に行っても、連続でもよく、状況に応じて
選択することができる。また供給はダイスの内部からで
も外部からでもよい。
選択することができる。また供給はダイスの内部からで
も外部からでもよい。
第1図はダイスエッジ部に溶剤を供給する1例を示す
フロー図である。
フロー図である。
貯槽タンク2より送液装置4及び流量検知器により流
量制御された溶剤1は送液配管6を通り、ダイス3の溶
剤通路7よりダイスエッジに供給される。第2図はダイ
スの側面図であって、ダイス中央部を通る溶剤通路7に
よりダイスエッジ部より流延膜に溶剤を供給する。
量制御された溶剤1は送液配管6を通り、ダイス3の溶
剤通路7よりダイスエッジに供給される。第2図はダイ
スの側面図であって、ダイス中央部を通る溶剤通路7に
よりダイスエッジ部より流延膜に溶剤を供給する。
以下実施例により本発明の効果を示す。
実施例1 セルローストリアセテート(結合酢酸量61.4%)100
倍をメチレンクロライド550部、メタノール33部、シク
ロヘキサン65部の混合有機溶媒に溶解し、さらにこの溶
液にトリフェニルホスフェイト15部を加えた溶解後、濾
過、脱泡し、ドープを調製した。このドープをダイスか
ら、2つのドラムにはられた長さ6m、幅0.3mのエンドレ
スのステンレスベルト上に流下した。このときのステン
レスベルトの速度は5m/minであり、ドープ流量は100cc/
mである。
倍をメチレンクロライド550部、メタノール33部、シク
ロヘキサン65部の混合有機溶媒に溶解し、さらにこの溶
液にトリフェニルホスフェイト15部を加えた溶解後、濾
過、脱泡し、ドープを調製した。このドープをダイスか
ら、2つのドラムにはられた長さ6m、幅0.3mのエンドレ
スのステンレスベルト上に流下した。このときのステン
レスベルトの速度は5m/minであり、ドープ流量は100cc/
mである。
この場合、ダイスエッジに皮膜の発生がみられた。次
に第1図にしめした方法によりダイスエッジにメチレン
クロライドを0.5cc/min滴下したところ、皮膜の発生が
なくなった。さらに滴下量を3.5cc/minにしたところ、
かえって溶媒が流延膜内部にしみこみ膜品質が劣化し
た。
に第1図にしめした方法によりダイスエッジにメチレン
クロライドを0.5cc/min滴下したところ、皮膜の発生が
なくなった。さらに滴下量を3.5cc/minにしたところ、
かえって溶媒が流延膜内部にしみこみ膜品質が劣化し
た。
〔発明の効果〕 本発明により、流延製膜法において、ダイスエッジに
発生する皮膜による膜品質の劣化のないセルローストリ
アセテートフィルムの製造方法を提供することができ
た。
発生する皮膜による膜品質の劣化のないセルローストリ
アセテートフィルムの製造方法を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明において用いられるフローの1例を示す
説明図である。第2図はダイスの側面図である。 1:溶剤、6:送液配管 3:ダイス、7:溶剤通路 9:ダイスエッジ、10:流延膜
説明図である。第2図はダイスの側面図である。 1:溶剤、6:送液配管 3:ダイス、7:溶剤通路 9:ダイスエッジ、10:流延膜
Claims (1)
- 【請求項1】セルローストリアセテート溶液を流延ダイ
スを用いて支持体上に流延する際、ダイス巾方向両端部
にセルローストリアセテート可溶な溶剤を流下させるこ
とを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1030491A JP2729313B2 (ja) | 1989-02-08 | 1989-02-08 | セルローストリアセテートフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1030491A JP2729313B2 (ja) | 1989-02-08 | 1989-02-08 | セルローストリアセテートフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02208650A JPH02208650A (ja) | 1990-08-20 |
JP2729313B2 true JP2729313B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=12305307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1030491A Expired - Lifetime JP2729313B2 (ja) | 1989-02-08 | 1989-02-08 | セルローストリアセテートフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2729313B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2687260B2 (ja) * | 1991-09-30 | 1997-12-08 | 富士写真フイルム株式会社 | 溶液製膜方法 |
JP4514976B2 (ja) * | 2000-07-24 | 2010-07-28 | 富士フイルム株式会社 | 溶液製膜用流延ダイ、及び溶液製膜方法 |
US7470384B2 (en) | 2001-06-15 | 2008-12-30 | Fujifilm Corporation | Method of producing of cellulose ester film |
JP5153496B2 (ja) | 2007-07-26 | 2013-02-27 | 富士フイルム株式会社 | 溶液製膜方法及びカワバリ防止装置 |
WO2011096161A1 (ja) * | 2010-02-04 | 2011-08-11 | コニカミノルタオプト株式会社 | 樹脂フィルムの製造方法、樹脂フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
JPWO2013035249A1 (ja) * | 2011-09-08 | 2015-03-23 | コニカミノルタ株式会社 | 光学フィルムの製造方法 |
JP5817944B1 (ja) * | 2015-01-20 | 2015-11-18 | 富士ゼロックス株式会社 | 無端ベルトの製造方法 |
-
1989
- 1989-02-08 JP JP1030491A patent/JP2729313B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02208650A (ja) | 1990-08-20 |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219 Year of fee payment: 11 |
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