JP2728438B2 - 保温性布帛 - Google Patents

保温性布帛

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JP2728438B2 JP63169043A JP16904388A JP2728438B2 JP 2728438 B2 JP2728438 B2 JP 2728438B2 JP 63169043 A JP63169043 A JP 63169043A JP 16904388 A JP16904388 A JP 16904388A JP 2728438 B2 JP2728438 B2 JP 2728438B2
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俊三 川崎
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、保温性布帛に関する。
(従来技術) 従来から、織物,編物,不織布等の布帛の保温性を高
めるために布帛自体の厚さを増やすものや、布帛の表面
を起毛して布帛の空気含有率を増加させるもの等が知ら
れていた。
しかし、これらの布帛は布帛自体が厚いため、重いこ
とや、起毛しているために嵩ばる等の欠点がありその用
途も限られていた。一方、布帛に樹脂をコーティングし
たり、フイルムをラミネートする手段により保温性を上
げる方法が知られている。これらは布帛の通気性を低く
し、対流による熱損失を少くして保温性を上げる方法で
ある。さらに、該樹脂やフイルムとして、アルミニュー
ム等の金属粉末を含有するものを用いることも行なわれ
ている。これは通気性を低くすることに加えて金属粉末
が有する体からの輻射熱に対する反射率が高い性質を利
用して衣服の内側の保温性を上げる方法である。
又、樹脂やフイルムと金属粉末の組合せにおいて、該
金属粉末の代りにセラミックス粉末を組合せることも行
われている。この場合は、通気性を低くすることと衣服
に内側に用いて、セラミック粉末の体からの輻射熱(遠
赤外等)の放射性を利用した保温方法と考えられてい
る。
放射性等の熱的性質はセラミックス自体の組成で決ま
るもので一般に高い放射特性値を持ったものが選ばれ
る。しかしながら、これらの金属粉末やセラミックスを
用いて、コーティング又は、ラミネートした布帛を衣服
内側に用いた場合、これらの金属粉末やセラミックスを
含有する樹脂はせいぜい人体からの放射熱を利用するに
すぎず、その保温性には限界がある。
(発明の目的) 本発明の目的は、布帛表面からの太陽放射等の熱を積
極的に蓄熱し、この熱によって赤外線放射物質を加熱し
て、さらに効率的に衣服の内部に熱放射させることがで
きる保温性の布帛を提供することにある。
(発明の構成) 波長領域700ミリミクロン〜2000ミリミクロンの範囲
で吸収能を有する近赤外線吸収物質を含有する布帛の表
面に赤外線放射率が0.4以上の赤外線放射物質を含有す
る樹脂若しくは、フィルムが積層されてなり、該近赤外
線吸収物質の蓄熱作用により加熱された該赤外線放射物
質から熱放射させるようにしたことを特徴とする保温性
布帛。
本発明に使用する700mμから2000mμの波長領域に吸
収能のある近赤外線吸収物質としてはアンソラキノン系
化合物,ナフタロシアニン化合物,金属錯体化合物が有
効に使用される。
かかる近赤外吸収性物質を含有する布帛を得るには、 合成繊維のポリマーに該近赤外吸収物質をブレンド
した後、通常の方法で繊維となし、この繊維を全部又は
一部に使用して通常の方法で織編し、必要に応じ染色及
び仕上加工を行って得るもの。
布帛を該近赤外線吸収物資を含む水中又は溶媒中で
浸漬処理し、吸着させて得る。
この場合の吸着処理は、通常の染色と同時に、又は染
色の前又は後に行っても良い。
熱可塑性合成繊維を含む布帛の場合に於ては水中又は
溶媒中での吸着処理の代りにパディング処理と熱処理等
を組合せて吸着させる事も可能である。
糸又は線状での処理で吸着させた後、通常の方法で
布帛となしと同様に染色や加工を行って得る方法であ
る。
本発明は、これらの布帛に赤外線放射性物質を付与す
る。本発明で使用する赤外線放射率が0.4以上の物質と
は酸化ジリコニューム,酸化ケイ素,酸化チタン等の金
属酸化物,炭化ジリコニューム,炭化ケイ素等の金属炭
化物,其の他窒化チタンや各種セラミックス等が単独に
又は組合せて使用できる。また、これらの赤外線放射性
物質を近赤外線吸収物質を含有する布帛に付与するに
は、コーティングする方法や、フイルムラミネートする
方法を使用するが、かかるコーティングやフイルムラミ
ネートに於て使用される樹脂としてはウレタン系樹脂,
アクリル系樹脂が一般に使用される。
赤外線放射物質は、樹脂コーティングの場合は樹脂に
ブレンドして、また、フイルムラミネートの場合はフイ
ルム作成用の樹脂に予めブレンドしてフイルム層に入れ
るか、または、接着剤にブレンドして接着層に入れる
か、さらに好ましくはフイルム層,接着層の両方に入れ
ることも可能である。
また、一般の衣料用に用いる場合に於ては特に樹脂
層,フイルム層は着用快適性の点から透湿性の良いもの
が好ましい。
(発明の作用) 本発明によって得られた布帛は、近赤外線量の多いア
ウトドアーの太陽光線の下で使用した場合には、近赤外
線吸収物質の影響で、まず布帛の温度が高くなる。次い
で、布帛の温度と共に樹脂層若しくは、フイルム層の温
度が高くなりセラミックからの熱放射が増加して布帛裏
面の温度が高まる。
本発明の布帛は、かかる性質を利用して吸熱性放熱性
の両方の性質を有するすぐれた衣服用素材として使用さ
れる。更に、中綿入りの布団の側地や、中綿入りの衣服
部材として、本発明の布帛に用いた場合には、中綿の優
れた蓄熱効果を組合されることにより一層の保温性が増
す。
本発明の布帛は、通常の染色を行うだけでなく、必要
に応じて撥水性や、制電加工,濃染加工等の各種の加工
を行うことは何等差支えない。アウトドアー用の衣服と
して使用される場合は、特に撥水加工によって防水性を
向上させておくことは好ましい事である。以下、実施例
により本発明の詳細を説明する。
(実施例1) 経糸及び緯糸にポリエステル仮撚加工糸(75デニール
/72フィラメント)を用いた平組織織物を経糸密度187本
/3.79cm,緯糸密度140本/3.79cmで織成し、該織物を通常
の方法でリラックス・精練後に乾燥セットして基布とし
た。
次いで、該基布に近赤外吸収物質としてIRG−750(最
大吸収波長は700ミリミクロン,日本化薬社製)の30%
水分散体を用い、基布重量に対して4%が付着するよう
染色機にて処理(温度130℃×時間60分)を行った。
得られた処理布帛(緑色)を乾燥後、沸素系の撥水剤
(アサヒガードAG170旭ガラス社製)の5%水溶液でパ
ディング法による撥水加工を行った。更に、温度160℃
の熱カレンダーで圧縮加工を行って原布とした。
該原布に、表1に示すポリレタン系樹脂を用いて作成
した透湿性フイルムを、表2に示す組成を有する接着剤
を用いてラミネートして、本発明の布帛を得た。
比較用として、前記基布にIRG−750の代りに700ミリ
ミクロンから2000ミリミクロンの波長領域に最大吸収波
長を持たない分散染料、ディパースブルーK(チバガイ
ギー社製)ダイヤニックスブルーACE(三菱化成工業社
製),ダイヤニックスイエローACE(三菱化成社製)を
各々織物重量に対して0.5%,0.14%,0.24%を用いて該
原布と同等の色相濃度に染色し、原布と同様に撥水加
工,カレンダー処理を行った染色基布に、表1に示す組
成を有するフイルムを表2に示す接着剤を用いて比較的
1の布帛を得た。
さらに、比較用として、前記原布に、表1に示す樹脂
組成から炭化ジリコニューム粉末を除いたものを用いた
フイルムを、表2の接着用樹脂組成から炭化ジリコニュ
ーム粉末を除いたものを用いた接着剤によりラミネート
して比較例2の布帛を得た。
表1 フイルム作成用樹脂組成 クリスボン3314 100部(大日本インキ社製) クリスボンアシスターSD−17 3.3部(大日本インキ社製) アディティブ No.10 0.5部(大日本インキ社製) イソプロピルアルコール 12 部 トルエン 12 部 炭化ジリコニューム粉末 13 部(日本新金属社製) 表2 接着用樹脂組成 クリスボン4260 50 部(大日本インキ社製) クリスボン4070 50 部(大日本インキ社製) ゾルテックスCL−15 15 部(大日本インキ社製) アクセル T 1.5部(大日本インキ社製) トルエン 70 部 ジメチルホルムアルデヒド 10 部 炭化ジリコニューム粉末 5 部(日本新金属社製) さらに、前記原布にフイルムラミネートをしないものを
比較例3として用い、太陽光線に近い波長分布を有する
東芝(株)製陽光ランプD400を用いて10分間照射し、各
布帛の裏面温度を温度センサーを用いて表面に接触させ
て実測した結果を表3に示す。
実施例1によるものは、近赤外線吸収物質および赤外
線放射物質を含まないもの(比較例4)に比して優れて
いることは勿論、近赤外線吸収物質又は、赤外線放射物
質のいずれか一方を含有するもの(比較例1,比較例2)
と比べても優れているものである。
(実施例2) 実施例1に示した方法で作成した本発明の布帛を側地
に使用し、中綿にアイザックIp−80k(帝人(株)製)
を用いた布団(実施例2)と、比較用として、比較例1
で得た布帛を側地に使用し、中綿としては実施例2で用
いたものを用いた布帛(比較例5)と用い、太陽光線の
下に60分間放置し、その間中綿の温度を温度センサーに
て測定した。
測定した温度は、実施例2によるものが43℃、比較例
5によるものが温度35℃であり、本発明の布帛使用の布
団は、吸熱性に優れるものであった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長領域700ミリミクロン〜2000ミリミク
    ロンの範囲で吸収能を有する近赤外線吸収物質を含有す
    る布帛の表面に赤外線放射率が0.4以上の赤外線放射物
    質を含有する樹脂若しくは、フィルムが積層されてな
    り、該近赤外線吸収物質の蓄熱作用により加熱された該
    赤外線放射物質から熱放射させるようにしたことを特徴
    とする保温性布帛。
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