JP2725210B2 - 除塵装置 - Google Patents

除塵装置

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JP2725210B2
JP2725210B2 JP1256958A JP25695889A JP2725210B2 JP 2725210 B2 JP2725210 B2 JP 2725210B2 JP 1256958 A JP1256958 A JP 1256958A JP 25695889 A JP25695889 A JP 25695889A JP 2725210 B2 JP2725210 B2 JP 2725210B2
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潔 杭岡
良一 山本
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は海水または河川水から塵芥を除去する除塵装
置に係り、特に除塵装置前後の水位差を僅少に留めるた
めの構造に関する。
[従来の技術] 従来、一般に使用される除塵装置においては、工業用
水の用水路または発電所などの冷却水を取水するための
水路に広く使用され、最もよく知られているものとして
は、水路の両側にリンクチエンを設け、このリンクチエ
ンの各リンク毎にバースクリーンあるいは金網よりなる
網体を流れ方向に対し垂直またはほぼ垂直に立設し、こ
れを回動することによって網体に引掛かった塵芥を水路
外に除去する構造のものがある。
第4図,第5図は従来の除塵装置の1実施例を示し、
第4図は全体概要図、第5図はバケット部を有する枠体
の詳細縦断面図(a)と正面図(b)である。
第4図において、1は上部スプロケットホイル、2は
下部スプロケットホイル、3は両スプロケットホイル1,
2に無端状に装架されたリンクチエン、4はリンクチエ
ン3に取り付けられ下部に捕捉した塵芥を収納するバケ
ット部を有する枠体、5は伝動チエン6と鎖車7を介し
て上部スプロケットホイル1に動力を伝達する動力装
置、8は上部スプロケットホイル1の軸、9はトラフ10
に塵芥を誘導させる案内板、11は除塵装置のハウジン
グ、12は流水路、F矢印は流水の方向を示す。枠体4は
第5図に示すように、リンクチエン3の1ピッチ毎に取
り付けられ、14は網体で、金網または鋤状に多数配設し
た棒材(バー)よりなり、かつ流水中の塵芥などを阻止
するとともに、これをすくいあげる部材である。15は前
記網体14の上端部に設けられた上部ビームで、この上部
ビーム15は水路の幅に応じて好適な直径を有するパイプ
または溝形鋼などの形鋼からなり、その側部に取付板16
を介し前記網体14を一体的に固定している。17は前記網
体14の下端部に設けられた断面コ字状の下部ビームで、
この下部ビーム17はその下部に隣設する枠体4の上部ビ
ーム15の上方部を回動自在に覆うように設けられ、その
上部に突設された取付板18を介し、前記枠体14を一体的
に固定している。19は網体14をその側部から保持する側
板で、この側板19は第5図(a)に示すようにリンクチ
エン3のリンク幅より広い幅を備え、かつ上部ビーム15
と下部ビーム17の左右端面にそれぞれ一体的に固定され
ている。換言すれば、この側板19と前記上部ビーム15お
よび下部ビーム17とにより枠体4を形成している。そし
て、この枠体4はその側板19をボルト20によりリンク3a
の側面に固定することによりリンクチエン3に固定され
る。21は前記下部ビーム17に突設された塵芥バケット
で、この塵芥バケット21は網体14の下部前方を斜めに覆
うように設けられており、その左右端部は指示板22を介
して側板19に一体的に固着されている。なお60は下降す
る網体14の背部に設けたスプレイパイプで、鎖線で示す
ようにスプレイ水を網体14の背面に噴射することによ
り、網体14に付着している塵芥を離脱させるためのもの
である。したがって、流れ中に浮遊する塵芥などは、ま
ず、網体14によって阻止され、リンクチエン3の上昇に
ともなって、塵芥バケット21によってすくい上げられ、
塵芥を収納した塵芥バケット21はさらに上昇し、上部ス
プロケット1の頂部で水平となり、次いで反転して降下
する。
そして、塵芥バケット21内に存する塵芥はその重力に
より落下し、塵芥バケット21の外面とガイドプレート9
に案内されてトラフ10内に排出される。一方、網体14に
付着している塵芥などは、スプレイ水によって離脱され
前記同様塵芥バケット21の外面とガイドプレート9を介
してトラフ10に排出される。
以上のように構成された枠体4を接合した無端のリン
クチエン3は通常第4図に示すようにおおよそ6歯の上
部スプロケットホイル1により駆動されている。なおL
矢印はリンクチエン駆動方向を示す。
[発明が解決しようとする課題] 近年、取水量の増大に伴ない水路幅も広くなる一方、
水路に浮遊する塵芥が増加する傾向にあり、特に一時
的,集中的に多量の水母などの塵芥が流入殺到した場合
には、設置した除塵装置の処理能力を超え、それらの塵
芥を処理しきれず、網枠またはバー枠などの枠体の通水
部分は次第に閉塞し遂には十分な通水の確保ができなく
なり、除塵装置の前後の水位差が急上昇するという事態
を招いていた。
このため、除塵装置前後の水位差がある一定値を超え
ると網枠やバー枠などの枠体に加わる流水圧力が過大と
なり装置に構造的損傷を及ぼすことになるので、止むを
得ず工場の取水量を制限するなどの処置を講じていた。
しかしこういう事態が電力需要期に起こった場合に
は、発電所においては電力の供給が電力の需要に追いつ
かず停電という公共上由々しき異常事態を来たしてい
た。
[課題を解決するための手段] 本発明は以上の課題を解決して一時的に多量の水母な
ど塵芥の流入の際(以下「緊急時」とする)、塵芥装置
の過負荷による前後の異常な水位差を解消するため、無
端状のリンクチエンに塵芥捕集用のスクリーンまたはバ
ーを備えた枠体(網枠またはバー枠)を接合し、前記リ
ンクチエンを上下一対のスプロケットホイルを介して駆
動する除塵装置において、上流側または下流側の前記リ
ンクチエンを装架し、かつ、水平方向へ進退自在な中間
スプロケットホイルを設けた構成とした。
[作用] 本発明では、上下スプロケットホイル間の上流側また
は下流側の中間部において、リンクチエンを装架する中
間スプロケットホイルを設けてこの中間スプロケットを
水平に移動させることによって、水母大量発生等の緊急
時に、下部スプロケットを上昇させ、上下スプロケット
間を短かくして水流を除塵装置の上流側から下流側へ円
滑に通過させて上下流間に生じる異常な水位差を解消す
るものである。
この一時的な異常現象を回避した後、もとの正常な状
態に戻ったときには、中間スプロケットを再びもとの位
置に水平移動して操業を続行する。
以上のように対応することにより、上下流間に生じる
水位差を最小に留めて機器の安全と取水の確保を図るこ
とができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
第1図〜第3図は本発明に係る除塵装置の実施例を示
し、第1図は全体概略側面図で、第1図(a)は通常時
の運転状態、第1図(b)は緊急時の運転状態を示す。
第2図は第1図(a)のII−II視の平面図を示す。
また、第3図は本発明の他の実施例を示す全体概略側
面図で、第3図(a)は通常時の運転状態、第3図
(b)は緊急時の運転状態を示す。
図において、1は上部スプロケットホイル、2は下部
スプロケットホイル、3はリンクチエン、4は枠体、5
は動力装置、6は伝動チエン、110,120はリンクチエン
の案内スプロケットホイル、100は中間スプロケットホ
イルであり、案内スプロケットホイル110,120は回転自
在で位置固定であり、中間スプロケットホイル100は回
転自在で、かつ、第2図に示すように軸受102,102が油
圧シリンダ130のロッド130aに連結され、水平方向に往
復動可能に構成されている。
第1図の実施例では、下側の案内スプロケットホイル
120の近くに図示しない塵芥投棄用のトラフが設けら
れ、下側から上昇してきた枠体4のバケットに捕集され
た塵芥を90゜方向転回したときに排出する。
第3図は他の実施例を示し、第1の実施例である第1
図のものが中間スプロケットホイル100を前方(上流
側)へ配置したのに対して、後方(下流側)へ配置した
点が異なり、塵芥排出用のトラフ10が、第4図に示す位
置、すなわち上部スプロケットホイル1を反転した位置
に設けてあるので、案内スプロケットホイル110,120近
くには設けなくてもよい。
枠体4は第5図に示すように、上部ビーム15と下部ビ
ーム17とを側板19,19で連結した直方形を形成し、水路
の下流側に網体14を全面に張架するか、または、上下ビ
ーム15,17間に枠体4の内法寸法の複数のバーを立設
し、枠体4の横幅方向にほぼ等間隔のピッチで配列す
る。枠体14の網目は6〜30mmで適宜選定し、バー枠の場
合バー間隙が10〜50mmの範囲で使用個所の塵芥の状態
(大きさ,流入量)により決定する。枠体4の下部には
支持板22を介して塵芥バケット21が設けられる。塵芥バ
ケット21は平板のほか、通常の金網やパンチングメタル
を使用しても良い。
以上のように構成されたバーまたは網体(金網)から
なる枠体を有する本発明の除塵装置の作動について説明
する。
塵芥がそれほど多くないとき、すなわち、通常時にお
いては、第1図(a)(第2の実施例では第3図
(a))に示すように、上流側より流れてくる流水中ま
たは流水表面に漂う塵芥は枠体4に当接し、網体14また
はバー列によりその進行を阻止され、枠体4の上昇作用
にしたがって下方へ移動し、塵芥バケット21へ収納さ
れ、案内スプロケットホイル120で90゜方向転換し、塵
芥を排出しながら、中間スプロケットホイル100,案内ス
プロケット110を経由し、上部スプロケットホイル1で
反転して再び水路12へ導かれる。
第2の実施例では、上部スプロケットホイル1までは
そのまま枠体4は上昇し、上部スプロケットホイル1に
おける反転時に塵芥を排出する。
一方、水母が大量に流入する緊急時においては、第1
実施例,第2実施例とも各々第1図(b),第3図
(b)に示すように、中間スプロケットホイル100を除
塵装置より遠ざかるよう水平に移動して、下部スプロケ
ットホイル2の高さを上昇させる。こうすることによっ
て、今まで水路12の高さ方向ほぼ全面に位置していた除
塵装置が、緊急時には水路底と下部スプロケットホイル
2との間に障害物のない流路空間が確保される。したが
って、除塵装置の処理能力以上の水母等の塵芥が押し寄
せても、水路12の下方に抵抗の少ない流路があるため、
除塵装置の上下流間の水位差は軽減される。また、一般
に水母は比較的比重が小さく1以下であることが多いの
で流水表面近くに密集しているため、緊急時にも塵芥捕
集作用が継続して機能する。中間スプロケットホイル10
0の水平移動は前述したように油圧シリンダの作動によ
って任意に行なうことができる。
塵芥の発生が減少し、通常時に復起したときには中間
スプロケットホイル100を元の位置に復元することによ
り、水路全面の塵芥捕集が回復される。
以上説明したように、本発明にあっては、水平移動で
きる中間スプロケットホイルを設けることにより、緊急
時に抵抗の少ない流路を形成できるので、上下流水位差
は小さく、機器の保護と取水の確保を実現できる。
[発明の効果] 本発明においては、上流側または下流側にリンクチエ
ンを装架し、かつ、水平方向へ進退自在な中間スプロケ
ットホイルを設けたので、流水中に含有する塵芥が一時
的に多量になった、いわゆる、緊急時においても、水路
内に抵抗の少ない流路を確保することができる。したが
って、除塵装置前後に生じる水位差をできるだけ小さく
留めておくことができる。そのため除塵装置の各機器部
品へ加わる負荷を軽減でき、機器の損傷を防止すること
ができるので安全性が向上する。また、緊急時にも必要
最小限の取水が確保できるので連続安定運転が可能で装
置使用上の信頼性が高まり、装置の維持管理,運転操作
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明に係る除塵装置の実施例を示
し、第1図は全体概略側面図で、第1図(a)は通常時
の運転状態、第1図(b)は緊急時の運転状態を示す。
第2図は第1図(a)のII−II視の平面図を示す。 また、第3図は本発明の他の実施例を示す全体概略側面
図で、第3図(a)は通常時の運転状態、第3図(b)
は緊急時の運転状態を示す。 第4図,第5図は従来の除塵装置の実施例を示し、第4
図は概略全体縦断面図、第5図は枠体の部分拡大図で、
第5図(a)は側面図、第5図(b)は正面図である。 1……上部スプロケットホイル、 2……下部スプロケットホイル、 3……リンクチエン、4……枠体、 12……水路、 14……網体(またはバー列)、 100……中間スプロケットホイル、 110,120……案内スプロケットホイル、 102……軸受、130……油圧シリンダ、 F……流水の流れ方向、 L……リンクチエンの駆動方向。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無端状のリンクチエンに塵芥捕集用のスク
    リーンまたはバーを備えた枠体(網枠またはバー枠)を
    接合し、前記リンクチエンを上下一対のスプロケットホ
    イルを介して駆動する除塵装置において、上流側または
    下流側の前記リンクチエンを装架し、かつ、水平方向へ
    進退自在な中間スプロケットホイルを設けたことを特徴
    とする除塵装置。
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