JP2725028B2 - リン酸カルシウム系ガラスの結晶化方法 - Google Patents

リン酸カルシウム系ガラスの結晶化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は歯科用材料などに有用なリン酸カルシウム系
ガラスの成形体を結晶化して結晶化ガラスを製造する方
法に関するものである。
〔従来の技術〕
リン酸カルシウム系結晶化ガラスは生体の骨や歯と組
成が類似しており、生体とのなじみのよさから注目され
ている歯科用あるいは人工骨材料である。このリン酸カ
ルシウム系結晶化ガラスは通常原料を溶融し、ロストワ
ックス法などで鋳造してガラス鋳造体を製造した後、熱
処理により結晶化することによって製造される。
リン酸カルシウム系ガラスを結晶化するには鋳造成形
されたガラスを鋳型のまゝ熱処理して結晶化させる方法
と、鋳型からガラス鋳造体を分離した後処理して結晶化
させる方法とがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記2種の結晶化法のうち前者においては鋳型材の成
分であるSiO2,Al2O3,MgO,ZrO2などがガラス鋳造体の表
面に接触しているため、その接触点の成分によって結晶
核の生成状態が異なったり異常な結晶核の生成や成長が
起こり勝ちであった。このように結晶核の生成や成長に
ムラがあると、リン酸カルシウム系ガラスは表面失透機
構によって結晶化が進行するため、一旦結晶核の生成に
ムラが生じると結晶全体が均一とはならず、外観的に劣
ったり、内部に欠陥を生じやすい欠点がある。
また、後者においてはガラス表面の状態、即ち表面粗
さ、水分や油脂分等の吸着、付着の程度によって結晶化
は微妙に影響を受け、結果として前者ほどではないにし
ても均一な結晶体となる。また、ガラスの結晶化はその
軟化点付近の温度領域で行われるため、後者には軟化変
形によって鋳造体が歪み易い欠点もある。
これらの欠点が解消されて、均一な結晶化ガラスが得
られゝば高強度のリン酸カルシウム系結晶化ガラスが製
造できるのである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはリン酸カルシウム系結晶化ガラスの表面
がリン酸アルミニウムと接触していると均一な結晶化ガ
ラスができるとを見出し本発明を完成させたものであ
る。すなわち、本発明はリン酸カルシウム系ガラスを結
晶化する際に成形体表面に結晶質あるいは無定形のリン
酸アルミニウムを5重量%以上含有し残部が耐熱材料ま
たは結晶質あるいは無定形のリン酸カルシウムを10重量
%以上含有する耐熱材料よりなる被覆層を形成した後熱
処理して結晶化し、結晶化後被覆層を除去することを特
徴とするリン酸カルシウム系ガラスの結晶化方法であ
る。この方法によれば、外観的には極めて優れており、
かつ内部欠陥のないリン酸カルシウム系結晶化ガラスが
得られるものである。
〔作用〕
リン酸アルミニウム粒子がリン酸カルシウム系ガラス
表面と接触し、ガラス表面に多数の均一な結晶核を誘起
するため結果としてガラス全体がムラ無く一定の結晶化
度合に制御することが可能となる。このリン酸アルミニ
ウム粒子の結晶核を誘起する作用は他のSiO2やAl2O3
どと比較して速く、リン酸アルミニウムが他の成分と接
触していても、リン酸アルミニウム粒子がある程度以上
存在すれば、その結晶核を誘起する作用は生ずる。
また、リン酸カルシウムをリン酸アルミニウムと併用
することにより、更にその作用を強めることができる。
この理由については不明な点もあるが、リン酸カルシウ
ム自体には均一結晶核誘起作用は見られないので、リン
酸アルミニウムの持つ均一結晶核誘起作用に対する一種
の触媒硬化を持つものと考えられる。
〔発明の構成〕
本発明の結晶化方法において被覆に使用される材料の
主体であるリン酸アルミニウムとしてはオルトリン酸ア
ルミニウム(Al2O3・P2O5)あるいはメタリン酸アルミ
ニウム(Al2O3・3P2O5)が使用可能である。さらに成形
体の結晶化温度以下でリン酸アルミニウムとなる前駆体
であってもよい。これらのリン酸アルミニウムが主体で
あれば、他の成分が多少入ることはさしつかえない。ま
た、その結晶形態は無定形(ガラスを含む)であっても
結晶質であってもあるいはそれらの混合物であっても構
わない。その使用量は溶媒や分散剤を除いた被覆材料全
体の5重量%以上であることが必要である。5重量%未
満では他の耐熱材料の影響を受け結晶核の生成が均一と
ならない。
本発明の結晶化方法に使用される被覆剤の残部の耐熱
材料は結晶化する温度で軟化や溶融せず、しかも成形体
材料と反応などの悪影響を与えないものであればよく、
シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの耐材料
やその他のガラス、セラミックスなどが使用可能であ
る。特にその耐火熱材料の一部をリン酸カルシウムとす
ることにより、既述したようにその作用を一層高めるこ
とができる。このリン酸カルシウムも各種のものが使用
でき、CaO・P2O5,2CaO・P2O5,3CaO・P2O5あるいは4CaO
・3P2O5など、あるいはそれらの混合物であって、これ
以外の成分が多少混入することは構わない。この場合も
結晶形態は無定形であっても結晶質であってもあるいは
それらの混合物であってもよい。リン酸カルシウムを使
用する場合には耐熱材料中の10重量%以上ないとリン酸
カルシウムの効果が発揮されにくい。
この被覆材の粒度は100μm以下が好ましい。大きい
粒子が入ると被覆材とガラス体との微細な接触が悪くな
り、本発明の効果が発揮できず好ましくない。
本発明の結晶化方法は次の通りである。まずリン酸ア
ルミニウムと耐熱材料を選び適当な溶媒、例えば水、メ
タノール、エタノールなどのアルコール類、エーテル
類、グリコール類などに溶解あるいは懸濁させる。濃度
は後の塗布などができればよく、特に規定しない。水中
に懸濁あるいはペースト状とするのが一般的で最適であ
る。この液を鋳造、焼結など適当な方法で成形した、通
常はロストワックス法により鋳造成形したが、ガラス体
の全表面にハケ塗りやスプレーなどの方法により塗布
し、常温あるいは加熱により乾燥させる。被覆層の厚み
は特に制限はないが、通常数μm〜数mmである。こうし
て被覆層が形成されたガラス体を通常の方法で熱処理し
て結晶化させる。結晶化が完成した後、被覆層を軽いブ
ラストあるいは希酸で処理して剥離除去する。リン酸ア
ルミニウムはこの操作で完全に剥離できる。
〔実施例〕
実施例 1 リン酸カルシウム系ガラス(CaO38.5mol%,P2O548.1m
ol%,Al2O39.1mol%,Li2O4.3mol%)をロストワックス
法により歯冠形状に鋳造した。鋳型からガラスを分離し
た後、その表面に粒径1〜68μmのリン酸アルミニウム
粉末(結晶質70重量%)に水を加えてペースト状とした
ものをハケ塗りした。その後アルミナ中に包埋して650
℃で10hr熱処理して結晶化した。結晶化終了後、1N−HC
lで洗浄すると被覆層は完全に除去できた。
調製した結晶化ガラスは半透明の象牙色で外観も内部
にも欠陥は見られなかった。1m上から鉄板上に落下させ
る衝撃試験でも壊れなかった。
実施例 2 被覆層材料としてリン酸アルミニウム(結晶質70重量
%)65重量%、アルミナ25重量%、シリカ10重量%で構
成される粒径1〜68μmの粉末を使用した以外は実施例
1と同様に処理してリン酸カルシウム系結晶化ガラスを
得た。結晶化後の被覆層の除去にはブラストを用いた。
この結晶化ガラスも半透明の象牙色で外観も内部にも
欠陥は見られず、衝撃試験もクリアした。
比較例 1 実施例1で得られた歯冠形状のリン酸カルシウム系ガ
ラスを鋳型(SiO290重量%、MgO5重量%、その他5重量
%)のまゝ650℃で10hr熱処理した。
得られた結晶化ガラスは不透明の白色で審美性が悪
く、中心部には微細な気孔が生成していた。そのためか
落下試験では破壊してしまった。
比較例 2 粒系1〜68μmのアルミナ粉末を水でペーストとした
ものを用いた以外は実施例1と同様に処理してリン酸カ
ルシウム系結晶化ガラスを得た。
得られた結晶化ガラスはいずれも半透明の象牙色中に
白色不透明部分の混った外観で、中心部には微細な気孔
が生成しており、落下試験により破壊した。
〔発明の効果〕
本発明のリン酸アルミニウムを含む被覆層を形成して
結晶化すると均一な結晶となるため、実施例に見られる
ように審美性に優れて、内部欠陥もなく、強度的にも優
れた結晶化ガラスを得ることができた。
しかし、ガラス鋳造体を鋳型のまゝ結晶化(比較例
1)したり、リン酸アルミニウムを含まない被覆層で結
晶化(比較例2)すると、均一な結晶化の生成と成長が
行われないため、内部に気泡が生成し、そのため外観も
悪く、強度も低下してしまうのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 徳永 英男 (56)参考文献 特開 昭62−87427(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム系ガラスを結晶化する際
    に成形体表面に結晶質あるいは無定形のリン酸アルミニ
    ウムを5重量%以上含有し残部が耐熱材料よりなる被覆
    層を形成した後熱処理して結晶化し、結晶化後被覆層を
    除去することを特徴とするリン酸カルシウム系ガラスの
    結晶化方法。
  2. 【請求項2】耐熱材料が結晶質あるいは無定形のリン酸
    カルシウムを10重量%以上含有することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のリン酸カルシウム系ガラスの
    結晶化方法。
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