JPH0193439A - 歯科材料用結晶化ガラスの製造法及び埋没材 - Google Patents

歯科材料用結晶化ガラスの製造法及び埋没材

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JPH0193439A
JPH0193439A JP24797987A JP24797987A JPH0193439A JP H0193439 A JPH0193439 A JP H0193439A JP 24797987 A JP24797987 A JP 24797987A JP 24797987 A JP24797987 A JP 24797987A JP H0193439 A JPH0193439 A JP H0193439A
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crystallized glass
mold
dental materials
casting
crystals
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JP24797987A
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Akira Matsui
昌 松井
Takehiro Shibuya
武宏 渋谷
Yoshinori Morita
義典 森田
Atsushi Kishimoto
淳 岸本
Akihiko Yamanaka
昭彦 山中
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KORUKOOTO KK
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
KORUKOOTO KK
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は欠損した歯質(生体歯牙)の充填・補綴、ある
いは人工歯冠などに供される審美性に優れた歯科材料用
結晶化ガラスの鋳造法による製造方法、及びその鋳造時
の鋳型成形に不可欠な珪酸ゾル系結合剤を用いた埋没材
に関するものである。
(従来の技術) 従来、歯質の充填・補綴、あるいは人工歯冠などの歯科
用材料としては。
・アマルガム銀合金、貴金属、準貴金属、非貴金属また
はその合金、 ・陶材、メタルボンドと呼ばれる陶材と金属との複合材
料、 ・シリケートセメント、リン酸亜鉛セメント、グラスア
イオノマーセメント、カルホキシールセメントなどの無
機質セメント、 ・コンポジットレジンと呼ばれる高分子と無機強化フィ
ラーとの複合材料、 などが使用されている。しかしながら前記した歯科用材
料のうち全屈材料は鋳造法によって高精度の形状のもの
が出来、物性はほぼ満足すべきものであるが、その色調
が生体歯牙と全く異なり、しかも金属によっては有害イ
オンを溶出し、口腔内での安全性・安定性にも問題があ
る。陶材とメタルボンドとの複合材料は生体歯牙と調和
した外観が得られ、口腔内での安定性も良いが、製作す
るのに陶材粉末の盛付、焼成、形態修正といった煩雑な
工程が不可欠である6 更に、無機質セメントやコンポジットレジンの場合は、
製作も容易で色調も良好であるが、摩耗、変色、溶解が
生じ、かつ口腔内での耐久性に問題がある。
最近、前記した各種の歯科材料のほかに、バイオセラミ
ックス(Bioceramics)の下位概念に位置づ
けられる生体関連セラミックスが注目され、アパタイト
セラミックス(より正確にはヒドロキシアパタイト焼結
体、Ca1n (PO4)G (OH)iで示されるリ
ン酸カルシウムの焼結体)、バイオガラスセラミックス
(SiO□−Na、 O系ガラスに多量のCaOとp、
 o。
を配合したもの)、各種のガラスセラミックス(結晶化
ガラス)が開発されているが物理的強度、安定性、外観
特性などの面で問題がある。
一方、歯科材料の効率的な製造法という観点からみると
、鋳造法は好ましいものである。前記した材料のうち、
特に結晶化ガラス(ガラスセラミックス)は鋳造、及び
それに引き続く加熱処理による結晶化という製造工程を
考えると鋳造法が適用される好ましい材料である0本発
明者らは、この関連で先に特開昭62−123042号
、特願昭62−6867号等において審美性に優れた歯
科材料用結晶化ガラス組成物を提案した。
従来より金属材料系歯科材料を鋳造法により製造するこ
とは公知である。
例えば、Co−Cr系歯科材料の鋳造に用いられている
リン酸塩系または石膏系埋没材(鋳型材料)を用いた鋳
造法を前記結晶化ガラス組成物の鋳造に適用しようとす
ると、溶融したガラスと埋没材との間で反応し、得られ
る結晶化ガラス成形体の表面が反応層で覆われてしまい
実用に供した場合破断欠陥が生ずるので初期の目的を達
成することができない、また、これらの埋没材において
は、硬化時間及び乾燥時間が遅く作業性が悪いうえ、得
られる鋳型の通気性も悪く、転写性にも問題がある。さ
らに、得られた結晶化ガラス成形体を取り出す際、鋳型
を衝撃により破壊しなければならないが、これらの埋没
材は鋳型の崩壊性が悪く過度の衝撃により形成体にキズ
をつける恐れが高い。
一方、エチルシリケート/酸性配合物/アルカリ性配合
物/耐火性骨材の四梱包からなるエチルシリケート系埋
没材がCo −Cr系などの高温鋳造用埋没材として市
販されている((株)亀水化学工業社製、ワシヒート)
が、この埋没材の場合、前記成分を使用直前に混合し、
加水分解反応をさせてから使用しなければならず、安定
した混和状態のもとで鋳型を得ることができず焼結によ
って亀裂を生ずるので結晶化ガラス系歯科材料の鋳造に
適しているとは言い難い。
従って、歯科材料としての要求物性、外観性を考慮した
結晶化ガラスの原料組成の開発はもとより1g造工程に
おいて鋳型成形に用いられる非反応性の埋没材の開発は
急務である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、前記した結晶化ガラス歯科材料の鋳造法
における問題点に鑑み、鋭意検討したとところ、珪酸エ
ステルを加水分解して得られる珪酸ゾル系結合剤、硬化
剤、耐火性骨材を配合したスラリーを精密鋳造法の1つ
であるセラミックモールド(流込み)法の手順に従って
鋳造した場合、理想的状態で結晶化ガラス組成物を審美
性に優れた歯科材料に成形することができることを見い
出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は生体
歯牙と色調物性が近似し、生体親和性が良く、口腔内で
安定であり、化学的及び物理的強度の優れた歯科材料用
結晶化ガラスを、非反応性の埋没材で製作した鋳型を用
いて鋳造し、結晶化させることにより効率よく製造する
方法及び前記鋳造時に用いられる埋没材を提供すること
を目的とするものである。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明を概説すれば1本発明の第1の発明は。
結晶化ガラスの原料組成物を、珪酸ゾル系結合剤、硬化
剤及び耐火性骨材から成る埋没材で製作した鋳型内で鋳
造することを特徴とする歯科材料用結晶化ガラスの製造
法に関し、そして第2の発明は結晶化ガラスの原料組成
物を前記鋳型内で鋳造し、次いで加熱処理して結晶を析
出させることを特徴とする歯科材料用結晶化ガラスの製
造法に関し、更に第3の発明は前記歯科材料用結晶化ガ
ラスの鋳造法に適用される鋳型成形用珪酸ゾル系結合剤
、硬化剤及び耐火性骨材から成る埋没材に関するもので
ある。
以下、本発明の構成について詳しく説明する。
まず、本発明に用いられる結晶化ガラスの原料組成につ
いて説明する。
歯科材料用結晶化ガラスを調製するうえで留意しなけれ
ばならないことは、生体歯牙と色調物性が近似すること
、かつ高強度で化学耐久性が良く機械加工性に優れた結
晶構造のものを得るようにしなければならない、これら
の要求を満足させるには結晶化ガラスの組成はもとより
析出結晶粒子のサイズや結晶の析出状態などに配慮しな
ければならないことはいうまでもない。
本発明で使用される結晶化ガラスとしては、アパタイト
系結晶、マイカ系結晶、トレモライト系結晶、メタリン
酸カルシウム系結晶、β−トリカルシウムホスフェート
、ウオラストナイト、ジオプサイト、β−スポジュメン
、β−エクリプタイト、チタン酸マグネシウム系結晶等
の一種または二種以上の結晶を析出させ得る結晶化ガラ
スである。好ましくは、主結晶としてアパタイト系結晶
を析出させ得るもので、その基本組成は、SiO,−A
L 03− P2O5−CaO−MgO系のガラスであ
る。そして、この基本組成のものから優れた物性の高い
結晶化ガラスを製作するには、主としてアパタイト結晶
(Ca、。(po4)、 (oH)a)、ウオルストナ
イト結晶、β−トリカルシウムホスフェート結晶(Ca
、 (po4)z)、ジオプサイト結晶(MgO・Ca
O・2SiO□)を、さらに焼成条件の設定により結晶
サイズの小さいβ−石英固溶体やネフェリンなどのアル
ミノ珪酸塩系結晶を析出させれば良い。
また、生体歯牙との色調和、即ち審美性を保つには析出
結晶粒サイズや析出構造に留意すれば良い。例えば半透
光性の結晶化ガラスを得るためには、析出結晶粒子サイ
ズを1μs以下にすれば良い。
結晶粒子サイズを小さくかつ緻密にするにはTie、 
ZrO,などの結晶粒子調整剤(核形成剤)を用いれば
良い。前記したTie、を含有する好適な結晶化ガラス
組成は、重量%でP2O,5〜30%、 CaO12〜
40%、 SiO220〜55%、MgO4〜20%、
Aら0,10.1〜25%、 R,O(R=LL、Na
、またはKを示す)0.5〜12%。
TiO2O,5〜15%、 ZrO,O〜10%の組成
を有するものである。
さらに、生体歯牙との色調調和を図る方法として、前記
したSin、−Affi2O.−P、O,−CaO−M
gO系のガラス組成に、B、 03を0.001〜5%
、 CaF2を0.1〜5%添加し、これにより緻密な
分相構造が複雑にからみあった中にさらに微細なアパタ
イト結晶が均一に析出した構造をとらせることにより達
成することができる。
即ち、B2O.を添加すると、加熱処理によって5L0
2分の多いガラス相と、そうでないガラス相に分離する
とともに、2つのガラス相が0.1声程度の大きさで網
目状に絡みあった構造となり、この結果、分相ガラス特
有の乳白色半透明の外観を呈し1審美性に優れた結晶化
ガラスが得られる。また、CaF、を添加すると分相の
界面から低温の加熱処理によって緻密なアパタイト結晶
が多数析出する効果があるとともに、析出したアパタイ
ト結晶が他のリン酸カルシウム結晶に転移し、強度低下
を招くということを抑制する効果がある。このようにし
て乳白色半透明の外観を呈するとともに、高強度で化学
耐久性が良く機械加工性(切削加工性)に優れた結晶化
ガラスが得られる。前記の8□0.、CaF、を配合し
た好適な結晶化ガラス組成は、重量%でSin、 20
〜62%、A60.3〜30%、 P2O,2.5〜3
0%、 CaO5〜40%、MgO3〜25%* Rx
 O(R=Ll *NaまたはKを示す)0〜10%、
 B2O30.001〜5%。
CaF、 0.1〜5%の組成を有するものである。
本発明の歯科材料用結晶化ガラスの鋳造法に適用される
ガラス組成は前記したものに限定されず、他のガラス組
成のものも使用される。
前記したガラス組成のものから乳白色の色調のものが得
られるが、生体歯牙は通常黄色を帯びており、これに近
い外観を有する歯科材料を得るには着色することが必要
である。結晶化ガラスを着色するには、ガラス組成中に
着色剤を添加し結晶化ガラス自体を着色したり、あるい
は結晶化ガラスで歯冠などの歯科材料を成形したのちに
、所望の上薬をかけて着色すれば良い、結晶化ガラス自
体の着色に用いられる着色剤としては、V、Cr。
Mn、 Fe、 Co、 Ni、 Cu、 Ag、 A
u、 Ce、 Ndの酸化物、ハロゲン化物、水酸化物
、炭酸塩等各種塩よりなる群から選ばれる化合物の1種
あるいは2種以上を用いれば良い。
次に1本発明の歯科材料用結晶化ガラスの製造法、特に
鋳造用鋳型の成形及び結晶化ガラスの結晶析出加熱処理
に用いられる珪酸ゾル系結合材、硬化剤及び骨材とから
なる結晶化ガラスと非反応性の埋没材について説明する
(i)珪酸ゾル系結合剤について。
本発明で使用する珪酸ゾル系結合剤とは、珪酸エステル
の加水分解生成物、あるいは前記珪酸エステルの加水分
解生成物と水またはアルコール分散型シリカゾル(コロ
イダルシリカ)との混合物などからなる結晶化ガラスと
非反応性で保存安定性に優れる結合剤で、好ましくは珪
酸エステル(エステル部位の炭素数が1〜4のもの)の
加水分解生成物である。
珪酸エステルの加水分解反応は、アルコール類、ケトン
類、エステル類、芳香族類の1種または2種以上からな
る溶媒のもと、かつ酸性触媒存在下に常法に従って行な
われる。これらの溶媒のうち、鋳型に大きなりラックを
生じさせることなく均一に硬化させるためには、アルコ
ール類(C工〜C4)、より好ましくはエタノールを用
いるのが良い。このようにして調製される珪酸エステル
の加水分解反応物は、例えばエチルシリケートの場合は
、主としてエチルシリケート単量体が多数重合したポリ
マー状のゾル体である。
珪酸ゾル系結合剤の固形分は5%〜40%である。固形
分が5%以下だと鋳型強度が低く使用が難しい。また4
0%以上だと結合剤の粘性が高くなって取扱いにくく、
かつ耐火性骨材との混合の際に高い結合剤の含有量に起
因して耐火性骨材同士の隙間が大きくなり、これが鋳型
焼成時の収縮を大きくしてクラックの発生、寸法精度の
低下をもたらすので好ましくない。従って。
保存安定性、鋳型強度等を勘案して、珪酸ゾル系結合剤
の固形分は、10〜30%が好ましく、より好適には1
5〜20%である。
珪酸ゾル系結合剤の保存安定性は、歯科技工士が現場で
作業する際に重要となる特性であるが、特開昭49−9
8847号、特開昭57−216632号、及びアメリ
カ特許節4,154,617に開示されている保存性を
改善した加水分解法を用いても良いことはいうまでもな
いことである。
前記珪酸エステルの加水分解生成物としては、例えばコ
ルコート(株)社製のHAS−6、水またはアルコール
分散型シリカゾル(コロイダルシリカ)として日産化学
(株)社製スノーテックス、触媒化成(株)社製オスカ
ル等が挙げられる。
(it)硬化剤について。
本発明の歯科材料用結晶化ガラスの鋳造法において、鋳
型成形時に前記(i)の珪酸ゾル系結合剤をゲル化させ
るために硬化剤が必要である。
この種の硬化剤としては、アンモニア、↓チルアミノ、
エタノールアミン等のアミン類、炭酸アンモニウム塩な
どの塩基性アンモニウム塩、苛性ソーダ、アルカリケイ
酸塩水溶液、安定剤として苛性ソーダを含むコロイダル
シリカなど。
塩基性化合物あるいはそれを含有するものであれば良い
。これらのうち、鋳型成形時の焼成工程で容易に分解蒸
発するか、鋳型内に残留しても耐火性骨材や結晶化ガラ
スに悪影響を及ぼさないものを使用する−ことが望まし
い、また、これら硬化剤は、水溶液またはアルコール溶
液として使用されるが、その配合濃度は硬化剤の添加後
のゲル化時間が、例えば5分〜10分にセットされるよ
うに、かつ前記(i)の珪酸ゾル系結合剤に対する配合
量が計量し易い量となるように決定すれば良い。
(tit)耐火性骨材について。
結晶化ガラスの鋳湯温度は、1000〜1600℃と高
いので、骨材は軟化点及び融点の高い物性をもち、かつ
結晶化ガラスと非反応性であるものが好ましい。
また、結晶化ガラス原料組成物の鋳型内での鋳造、及び
それに引き続く加熱処理によるアパタイト結晶の析出と
いう作業時間と資材削減を勘案して高温で焼結しにくい
物性をもつ骨材が好ましい。
以上の観点より、耐火性骨材はSL、AQ、Ti、Zr
Mg、Ca、Ta、V、Mnなどの酸化物、窒化物、炭
化物の1種又は2種以上から成る組成で、ガラス化温度
、焼結温度、軟化温度の高い共有結合性の耐火性骨材が
好ましい。共有結合性であることが好ましいのは、前述
したように結晶化ガラス原料組成物には、P、 B、 
Mg、 Ca等が多く含まれこれらが化学結合性の強い
物質になっており、このため耐火性骨材成分としては共
有結合性の安定した物質が好ましいのである。従って、
前記した点、物性面での要求及び入手の容易性、経済性
を勘案すると、耐火性骨材として非晶質及び/又は結晶
質シリカ、好ましくはα−クリストバライト、α−石英
の結晶質シリカ系粉体を主成分とした組成のものが望ま
しい。より具体的には、結晶化ガラスの膨張係数に近く
、がつ高温強度の点から、α−クリストバライトが10
%以上、好ましくは30〜80%のものが望ましい。
耐火性骨材の粒径は、結晶化ガラスの表面粗度に大きく
影響するので2O.1〜1000.、好ましくは0.5
〜200.のちのが良い、骨材の粒度分布は、寸法性、
表面粗度、鋳型強度に影響が大きいので、最密充填とな
るようにし、収縮を最少にするように調整する。
以上、本発明の埋没材成分((1)珪酸ゾル系結合剤、
(it)硬化剤、(in)耐火性骨材)について説明し
たが、その他に種々の成分を用いることができるのはい
うまでもないことである0例えば、結合剤としての珪酸
ゾル成分は鋳型焼成時に低温で5iOa (シリカ)と
なるが、これはアモルファス石英である。前記した如く
これを鋳型焼成温度、例えば800℃の焼成温度で、そ
の最適量がと一クリへ ストパライト化するように各種の結晶化剤を結合剤成分
もしくは硬化剤成分に配合しておくことは好ましいこと
である。
この種の結晶化剤としては、NaNO3などのアルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物、NaFなとのフ
ッ素化合物などがあり、これらは結合剤から生成するS
iO□をβ−クリストバライト化し、鋳型の強度を改善
することになる。
次に、本発明の結晶化ガラスの鋳造法、鋳造プロセスを
説明する。
精密さを要求する鋳造法には、インベストメントキャス
ティング、セラミックモールド、ソリッドモールドなど
周知の方法があるが、ここではセラミックモールド法に
よるプロセスを説明する。
く鋳造プロセス〉 ■ 形成歯牙の歯質欠損部にパラフィンをもって成形し
て、ワックスパターンを採取する。
■ パターンにスプルー線(脱ロウ後は湯道になる)を
セットする。
■ 専用円錐台に■をセットする。
(イ)専用リングをセットする。
■ 埋没材の結合剤、硬化剤、耐火性骨材を計量する。
(0前記■で計量した結合剤と硬化剤をよく撹拌混合し
く約30秒間)、次いで耐火性骨材を混合して、1〜2
分間よく撹拌する。十分にスラリー化し、振動を加えな
がら減圧し、撹拌時に巻き込んだ気泡を脱泡する。
■ 前記6)でセットした専用リング内に、■で調製し
た埋没材を気泡を巻き込まないように振動を加えなが7
ら流し込む。結合剤と硬化剤の混合から5〜10分で硬
化するので、硬化後専用円錐台を取除く。
(ハ) 次いで、硬化した鋳型を、炉にセットし100
〜200℃で脱ロウする。引き続いて800〜900℃
で、30〜60分間鋳型を焼成する。この場合、予め8
00〜900℃に昇温した炉に硬化した鋳型を入れて脱
ロウ及び鋳型を作るようにしても良い。
■)前記■で調製した焼成鋳型を用いて、遠心鋳造機ま
たは真空加圧鋳造機にて、別途に調製しかつ脱泡した結
晶化ガラス溶融物を鋳湯し、鋳造成形する。
(10)次いで鋳型を取りはずすことなく、引き続いて
結晶化処理(例えば700〜950℃)を行なう。
結晶化加熱処理後、放冷、サンドプラスターなどを行な
って所望の形状の歯科補綴物を得る。
前記した鋳造プロセスは、一つの実施態様であり、本発
明はこれに限定されないことはいうまでもないことであ
る。
(実施例) 次に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが
、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例のもの
に限定されるものではない。
実施例1゜ 第1表に示す結晶化ガラスの原料組成物を白金るつぼに
入れ、電気炉中で1300〜1500℃で30分〜1時
間溶融し、脱泡処理した。
一方、調整された歯牙模型にパラフィンをもって形体を
作製し、パラフィンのスプルー線を溶着して後、リング
内に装着し、リング内に練和した埋没材を流し込み、埋
没した。
埋没材は、結合剤13cc (エチルシリケートの部分
加水分解液であるアルコール性シリカゾル。
5in2含量18%、エタノール溶剤、加水分解率80
%。
)、硬化剤1cc(炭酸アンモニウム1%水溶液と微量
の結晶化剤)、及び耐火性骨材50g(α−クリストバ
ライト60%、α−石英40%でタッピング密度1.9
)からなるものを用いた。これは5分程度で硬化するの
で、その間振動を与えチクソトロピーで流動性を出すと
ともに真空脱泡を行なって転写性の改善及び気泡の発生
防止を図る。
埋没材がゲル化して硬化した後、徐々に120〜150
℃まで昇温しでワックス模型及びスプルー線を脱ロウし
、さらに徐々に昇温して900℃前後に約30分〜1時
間焼成して鋳型を作製した。この鋳型に、前記脱泡処理
された1300〜1500℃の結晶化ガラス溶融液を、
該鋳造型の上面は注ぎ、遠心鋳造機を用いて鋳造を完了
した。
鋳造完了後、鋳型をはずすことなく結晶化を行なう、結
晶化は60〜b 熱し、750〜950℃で30分〜120分保持して行
なった。
結晶化処理後、放冷、鋳型の取り出し、サンドブラスト
を行ないアパタイト結晶またはβ−トリカルシウムホス
フェートなどのリン酸カルシウム結晶等が析出した審美
性に優れた半透明の歯科材料用結晶化ガラスを得ること
ができた。
また、第1表中、試料&4のガラス組成に1%のCeO
よを添加して、1500℃で2時間溶融した後、前記し
たと同様に鋳造し、950℃で1時間結晶析出加熱処理
を行なったところ、アパタイト、ネフェリン結晶が析出
し、黄色を帯びた半透明の生体歯牙の外観に近似した結
晶化ガラスを得ることができた。
第1表に1本発明の鋳造法に適用された各種のガラス組
成のほかに、結晶化ガラス体、生体歯牙のエナメル質の
物性(曲げ強度、ヌープ硬度)をあわせて示す。
(以下余白) 実施例2゜ 第2表に示す結晶化ガラスの原料組成物を用いる以外は
、実施例1と全く同様に実施したところ結晶構造に分相
がみられ、かつ主結晶として緻密なアパタイト結晶が析
出した歯科材料用結晶化ガラスを得た。
第2表に、各種のガラス組成のほか、結晶化ガラス体の
各種物性をあわせて示す。
(注) (i)曲げ強度は、5φX50mの棒状の結晶化ガラス
を3点荷重方法で測定したものである。
(n)ビッカース硬度は、ビッカース硬度計を用いて測
定した。
(nu)化学耐久性は、20X20X5■の平板を作製
し、結晶化させた後、鏡面研磨し、これを1%乳酸にて
37℃で7日間浸漬して減量を測定した。
(以下余白) なお、比較の意味で、当業界において周知である高温鋳
造用埋没材としてのリン酸塩系、石膏系埋設材を用いて
鋳造してみたが。
(i)結晶化ガラスの表面に反応層が生成すること(イ
)該反応層はクララ楯−生、強度低下、美感低下(これ
らは歯科材料として極めて重要な評価ポイントである)
を引き起こす。
(ロ)反応層を削り去る工程が必要となる。
(ハ)寸法性が低下する。
(n)崩壊性が悪く、成形したガラスを取り出す際、こ
われる危険性が高い。
(iii)硬化速度が遅く(本発明の5分程度に対し、
1時間を要する)、かつ乾燥時間も長いため作業性が極
めて悪い。
(tv)通気性が悪いので鋳造安定性に乏しく鋳造時に
気泡の発生や転写性が悪い。
(v)特にリン酸塩系の埋没材は、硬化反応に際して高
温発熱するのでワックスパターンを変形させて鋳造体の
精度を損う危険性が高い。
などの欠点が見い出された。
本発明の珪酸ゾル系結合剤を用いた埋没材も、高温鋳造
用埋没材として知られているものであるが、結晶化ガラ
スの鋳造に際して非反応性の埋没材となること、結晶化
ガラスの結晶化工程において何らの悪影響を及ぼさない
ことなど、結晶化ガラスの鋳造において優れた特異的効
果を発現するものである。
〔発明の効果〕
本発明の歯科材料用結晶化ガラスの鋳造法は、珪酸ゾル
系結合剤、硬化剤及び耐火性骨材から成る埋没材を用い
るものであるが、この埋没材は結晶化ガラスの原料組成
物が溶融鋳造されるとき、及びその後に結晶化処理され
るとき何らの悪影響を与えない非反応性であるため、物
性の安定した、かつ後加工(鋳肌の削り加工など)を不
要とした歯科材料用結晶化ガラスを効率よく製造するこ
とができる。
特許出願人 コルコート株式会社 特許出願人 日本電気硝子株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、結晶化ガラス原料組成物を、珪酸ゾル系結合剤、硬
    化剤及び耐火性骨材から成る埋没材で製作した鋳型内で
    鋳造することを特徴とする歯科材料用結晶化ガラスの製
    造法。 2、珪酸ゾル系結合剤が、珪酸エステルの加水分解液で
    ある特許請求の範囲第1項に記載の歯科材料用結晶化ガ
    ラスの製造法。 3、珪酸ゾル系結合剤が、珪酸エステルの加水分解液及
    び水又はアルコール分散型シリカゾルである特許請求の
    範囲第1項に記載の歯科材料用結晶化ガラスの製造法。 4、硬化剤が、塩基性化合物である特許請求の範囲第1
    項に記載の歯科材料用結晶化ガラスの製造法。 5、耐火性骨材が、非晶質シリカ及び/又は結晶質シリ
    カである特許請求の範囲第1項に記載の歯科材料用結晶
    化ガラスの製造法。 6、結晶化ガラス原料組成物が、アパタイト系結晶、マ
    イカ系結晶、トレモライト系結晶、メタリン酸カルシウ
    ム系結晶、β−トリカルシウムホスフェート、ウオラス
    トナイト、ジオプサイト、β−スポジュメン、β−エク
    リプタイト、チタン酸マグネシウムの一種または二種以
    上の結晶を祈出させ得るものである特許請求の範囲第1
    項に記載の歯科材料用結晶化ガラスの製造法。 7、結晶化ガラス原料組成物が、重量%でP_2O_5
    5〜30%、CaO12〜40%、SiO_220〜5
    5%、MgO4〜20%、Al_3O_310.1〜2
    5%、R_2O(R=Li、Na、またはKを示す)0
    .5〜12%、TiO_20.5〜15%、ZrO_2
    0〜10%の組成を有する主結晶としてアパタイト系結
    晶を析出させるものである特許請求の範囲第1項に記載
    の歯科材料用結晶化ガラスの製造法。 8、結晶化ガラス原料組成物が、重量%でSiO_22
    0〜62%、Al_2O_33〜30%、P_2O_5
    2.5〜30%、CaO5〜40%、MgO3〜25%
    、R_2O(R=Li、Na、Kを示す)0〜10%、
    B_2O_30.001〜5%、CaF_20.1〜5
    %の組成を有する主結晶としてアパタイト系結晶を析出
    させるものである特許請求の範囲第1項に記載の歯科材
    料用結晶化ガラスの製造法。 9、結晶化ガラス原料組成物を、珪酸ゾル系結合剤、硬
    化剤及び耐火性骨材から成る埋没材で製作した鋳型内で
    鋳造し、次いで加熱処理により結晶化させることを特徴
    とする歯科材料用結晶化ガラスの製造法。 10、加熱処理により結晶化させる工程が、鋳型内での
    鋳造後、鋳型を崩壊することなく引き続いて行なう特許
    請求の範囲第9項に記載の歯科材料用結晶化ガラスの製
    造法。 11、結晶化ガラス原料組成物を鋳型内で鋳造し、次い
    で加熱処理により結晶化させて歯科材料用結晶化ガラス
    を製造するに際して、鋳造用鋳型の埋没材として珪酸ゾ
    ル系結合剤、硬化剤及び耐火性骨材からなるものを用い
    ることを特徴とする歯科材料用結晶化ガラスの鋳造鋳型
    用埋没材。 12、珪酸ゾル系結合剤が、珪酸エステルの加水分解液
    である特許請求の範囲第11項に記載の歯科材料用結晶
    化ガラスの鋳造鋳型用埋没材。 13、珪酸ゾル系結合剤が、珪酸エステルの加水分解液
    及び水又はアルコール分散型シリカゾルである特許請求
    の範囲第11項に記載の歯科材料用結晶化ガラスの鋳造
    鋳型用埋没材。 14、硬化剤が、塩基性化合物である特許請求の範囲第
    11項に記載の歯科材料用結晶化ガラスの鋳造鋳型用埋
    没材。 15、耐火性骨材が、非晶質シリカ及び/又は結晶質シ
    リカである特許請求の範囲第11項に記載の歯科材料用
    結晶化ガラスの鋳造鋳型用埋没材。
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