JP2724950B2

JP2724950B2 - 平台式移動観覧席装置

Info

Publication number: JP2724950B2
Application number: JP7070193A
Authority: JP
Inventors: 恒夫下村
Original assignee: Okamura Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Okamura Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1993-03-08
Filing date: 1993-03-08
Publication date: 1998-03-09
Anticipated expiration: 2013-03-09
Also published as: JPH06257296A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、体育館等において、不
必要時にはステージの床下に収納し、必要時にはステー
ジ前方のフロアに押出して利用する平台式移動観覧席装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年体育館等においては、館内を多目的
に活用するため、多数の折畳椅子を載設した平台を、必
要時にはフロアに引き出し、不必要時にはステージの床
下に収納するようにした平台式移動観覧席を設置するこ
とが多くなってきている。

【０００３】このような観覧席は、既に実公平１-13143
号公報、実開昭63-159055号公報、実開平３-50166号公
報等に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし従来のものの多
くは、観覧席をフロアに引き出した際、観覧席とステー
ジの間隔が狭いため、観客の通行に不便であるととも
に、前列の観客はステージを見上げるようになり、また
視界が狭くなり、疲労感も多かった。

【０００５】実開平３-50166号公報に開示されている装
置は、観覧席とこれを進退させる駆動ユニットを切り離
して、観覧席をステージより十分に離れた適宜の位置に
設置しうるようにして、上述の問題点の解決を図ってい
る。

【０００６】しかしこの装置は、駆動ユニットが自走式
のため、駆動機構と直進性確保のためのガイド機構が複
雑となって高価となる。また、観覧席をステージより遠
く移動させようとすると、駆動ユニットの前後長を長寸
とするか、ステージの前方に延びるガイドを長寸とする
必要があり、前者の場合はステージの床下に収納する観
覧席の前後長が短寸となり、後者の場合は直進安定性や
強度の面で問題が生じる。

【０００７】本発明は、駆動ユニットの前後長を長くす
ることなく、観覧席をステージより遠く押出しうるよう
にした、機構が簡単で安価な平台式移動観覧席装置を提
供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、ステージの床
下に設けた前面開口する収納室に、平台式観覧席を収納
して、必要時には観覧席をフロアに押し出すようにした
平台式移動観覧席装置において、観覧席を収納室より出
し入れする駆動ユニットが、フロアに連続する収納室の
床面上に前後方向に移動自在に設けられた後部枠と、収
納室の床面及びフロア上に前後方向に移動自在に設けら
れるとともに、後部枠に対して前後方向に移動自在に嵌
合された前部枠と、収納室内に設けられ、前記後部枠及
び前部枠を前後方向に移動させる駆動手段とを備え、か
つ前部枠の前部に、観覧席の後端部に係脱して、前部枠
と観覧席とを連結したり切離したりする連結装置を設け
ることにより上述の課題の解決を図った。

【０００９】

【作用】本発明の装置は、駆動ユニットが前部枠と後部
枠とを備え、収納室に観覧席を引き入れた状態では、前
部枠は後部枠内に嵌合するので、駆動ユニットの前後長
は短寸となり、その分観覧席の前後長を長くすることが
できる。

【００１０】また観覧席を押出した時は、前部枠が前限
に位置する後部枠より更に前方に突出するので、観覧席
をステージより十分前方に押し出すことができる。

【００１１】

【実施例】図面は、本発明の一実施例を示すもので、フ
ロア(１)の一端に設けたステージ(２)の床下には、前面
開口する収納室(３)が形成され、フロア(１)の延長面が
収納室(３)の床面(４)となっている。

【００１２】床面(４)の前部には、軸線を上下に向けた
左右１対の固定プーリ(５)が枢設され、床面(４)の４角
部にはそれぞれ第１ストッパ(６)が立設され、床面(４)
の左右両側部には、前後方向を向く左右１対のガイドレ
ール(７)が敷設されている。

【００１３】床面(４)の後端に左右方向に向けて枢設し
た回転軸(８)の両端には、ワイヤ巻き取り用の左右１対
のドラム(９)が嵌設され、モータ(10)により両方向に回
転させられるようになっている。

【００１４】床面(４)上には、横長方形の後部枠(12)
が、その両側枠杆(12a)の下面に枢設した第１車輪(13)
を介して載置されている。後部枠(12)は、両側枠杆(12
a)の外側面に枢設した第１ローラ(14)がガイドレール
(７)の内側面に接して、床面(４)の前後の第１ストッパ
(６)の間を、ガイドレール(７)に沿って走行することが
できる。両側枠杆(12a)の上面後部には第２ストッパ(1
5)が立設されている。

【００１５】後部枠(12)の前枠杆(12b)は、両側枠杆(12
a)の上前部に架設され、その下面には軸線を上下に向け
た左右１対の第１反転プーリ(16)が枢設され、後枠杆(1
2c)の前面には、軸線を左右に向けて上下に近接して並
ぶ、左右２対の第２反転プーリ(17)が枢設されている。

【００１６】後部枠(12)の内方には、後部枠(12)とほぼ
同形かつ若干小寸の前部枠(18)が嵌合され、その両側枠
杆(18a)の下面に枢設した第２車輪(19)を介して床面
(４)上に載置されている。前部枠(18)は、両側枠杆(18
a)の外側面に枢設した第２ローラ(20)が、後部枠(12)の
両側枠杆(12a)の内面に接し、両側枠杆(18a)の上面後端
に突設した突起(21)が、後部枠(12)の前枠杆(12b)と第
２ストッパ(15)とのいずれかに当接する間を、両側枠杆
(12a)に沿って走行することができる。

【００１７】(22)は観覧席で、床面(４)に近接して平行
をなす平台(23)上には、多数の折畳椅子(24)が載設さ
れ、平台(23)の下面要所には多数の第３車輪(25)と、ガ
イドレール(７)の内側面に接しうる第３ローラ(26)が枢
設されて、観覧席(22)は前後に走行可能となっている。

【００１８】前部枠(18)の前部には、観覧席(22)の後部
要所に設けた上下方向を向く左右１対の係合ピン(28)に
両側方より係脱しうる牽引フック(27)を備える連結装置
(29)が設けられている。

【００１９】上記各ドラム(９)に基部を巻回して基端を
止着したロープ又はチェーン等よりなる左右１対の引込
み用索条(30)の遊端は、前部枠(18)の後枠杆(18c)に止
着されている。

【００２０】各ドラム(９)に基部を引込み用索条(30)と
逆向きとして巻回して基端を止着した左右１対の押出し
用索条(31)は、上記固定プーリ(５)に掛け回されて後方
に反転し、ついで上記両第２反転プーリ(17)に掛け回さ
れて上方に向かった後前方に向かい、ついで第１反転プ
ーリ(16)に掛け回されて、再び後方に反転して、遊端が
前部枠(18)の後枠杆(18c)に止着されている。

【００２１】かくして、ドラム(９)、モータ(10)、後部
枠(12)、前部枠(18)、両索条(30)(31)等により、駆動ユ
ニット(11)が形成され、そのうちのドラム(９)、モータ
(10)及び両索条(30)(31)等により、後部枠(12)と前部枠
(18)とを前後方向に移動させる駆動手段が形成されてい
る。

【００２２】図３(Ａ)は本発明装置が観覧席(22)を収納
室(３)内に収納した時の状態を示すもので、引込み用索
条(30)が両ドラム(９)に巻き込まれるとともに、両押出
し用索条(31)が両ドラム(９)より繰り出され、後部枠(1
2)は床面(４)上を後限まで後退し、前部枠(18)は後部枠
(12)内を後限まで後退し、観覧席(22)は連結装置(29)に
より前部枠(18)に連結されて収納室(３)に引き込まれて
いる。

【００２３】この状態より、モータ(10)により両ドラム
(９)を回転させて、押出し用索条(31)を巻き込むととも
に、両引込み用索条(30)を繰り出すと、図１と図３(Ｂ)
とに示すように、後部枠(12)と前部枠(18)と観覧席(22)
とはともに前進させられる。

【００２４】図３(Ｃ)に示すように、後部枠(12)が床面
(４)上を前限まで前進すると、前部枠(18)も後部枠(12)
内の前限まで前進して(どちらが先に前限に達するかは
問題ではない。)、観覧席(22)は、ステージ(２)の前方
のフロア(１)上まで押し出される。

【００２５】ついで連結装置(29)を適宜の駆動手段(図
示略)の作動により外した後、ドラム(９)により引込み
用索条(30)を巻き込むとともに、押出し用索条(31)を繰
り出せば、駆動ユニット(11)の後部枠(12)と前部枠(18)
とは収納室(３)内に収納される。

【００２６】上述と逆の操作により、フロア(１)上の観
覧席(22)を図３(Ａ)に示すように、収納室(３)に収納さ
れた元の状態に戻すことができる。

【００２７】

【発明の効果】本発明の装置は、駆動ユニットが前部枠
と後部枠とを備え、それらが収納室の後限まで後退する
と、互いに嵌合し合って駆動ユニットの前後長が短寸と
なるので、その分観覧席の前後長を長くすることができ
る。

【００２８】また観覧席を押し出した時は、前部枠が後
部枠より更に前進し、ステージの前方に突出するので、
観覧席をステージより十分に前方に押し出すことがで
き、駆動ユニットは連結装置を外して、収納室に収納し
うるので、観覧席とステージの間を多人数の観客が通行
することができ、また前列の観客もステージの全景を容
易に見渡すことができる。

【００２９】しかも本発明装置は、構成が比較的簡単
で、安価に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の観覧席を押し出し中の状況
を、ステージの床板を取り外して示す一部省略平面図で
ある。

【図２】図１のＸ−Ｘ線一部省略断面図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ線一部省略拡大断面図である。

【図４】図１のＺ−Ｚ線一部省略拡大断面図である。

【図５】実施例の動作を略示する作動説明図である。

【符号の説明】

(１)フロア (２)ステ
ージ (３)収納室 (４)床面 (５)固定プーリ (６)第１
ストッパ (７)ガイドレール (８)回転
軸 (９)ドラム (10)モー
タ (11)駆動ユニット (12)後部
枠 (12a)側枠杆 (12b)前
枠杆 (12c)後枠杆 (13)第１
車輪 (14)第１ローラ (15)第２
ストッパ (16)第１反転プーリ (17)第２
反転プーリ (18)前部枠 (18a)側
枠杆 (18b)前枠杆 (18c)後
枠杆 (19)第２車輪 (20)第２
ローラ (21)突起 (22)観覧
席 (23)平台 (24)折畳
椅子 (25)第３車輪 (26)第３
ローラ (27)牽引フック (28)係合
ピン (29)連結装置 (30)引込
み用索条 (31)押出し用索条

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ステージの床下に設けた前面開口する収
納室に、平台式観覧席を収納して、必要時には観覧席を
フロアに押し出すようにした平台式移動観覧席装置にお
いて、観覧席を収納室より出し入れする駆動ユニット
が、フロアに連続する収納室の床面上に前後方向に移動
自在に設けられた後部枠と、収納室の床面及びフロア上
に前後方向に移動自在に設けられるとともに、後部枠に
対して前後方向に移動自在に嵌合された前部枠と、収納
室内に設けられ、前記後部枠及び前部枠を前後方向に移
動させる駆動手段とを備え、かつ前部枠の前部に、観覧
席の後端部に係脱して、前部枠と観覧席とを連結したり
切離したりする連結装置を設けたことを特徴とする平台
式移動観覧席装置。
【請求項２】前部枠を後部枠に入子式に嵌合してなる
請求項１記載の平台式移動観覧席装置。
【請求項３】収納室の内側面に、後部枠を案内する前
後方向を向くガイドレールを設けた請求項１又は２記載
の平台式移動観覧席装置。