JP2722918B2 - ゲートターンオフサイリスタ及びこれを用いた電力変換装置 - Google Patents

ゲートターンオフサイリスタ及びこれを用いた電力変換装置

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JP2722918B2
JP2722918B2 JP4042758A JP4275892A JP2722918B2 JP 2722918 B2 JP2722918 B2 JP 2722918B2 JP 4042758 A JP4042758 A JP 4042758A JP 4275892 A JP4275892 A JP 4275892A JP 2722918 B2 JP2722918 B2 JP 2722918B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大電流遮断と低ターンオ
フ損失が可能な改良されたゲートターンオフサイリスタ
(以下GTOと略称する)及びそれを使用した電力変換
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】GTOのターンオフは、ゲートに逆バイ
アスを印加することによりゲート電極の方にアノード電
流を引き抜くことによってなされるが、アノード電流が
除去される間中pエミッタ層から注入される正孔はゲー
ト電極から離れたnエミッタ層の中央部に集中する。特
に大電流を制御するGTOにおいては導通領域の面積が
極端に小さく、かつターンオフ時間が長い場合、その領
域への電流集中により素子の熱破壊が生じる欠点を有し
ている。これを解決するための手段が特開昭59−132665
号公報に提案されている。その手段は、高濃度のn型不
純物領域をnエミッタ層と対向するpエミッタ層に接す
るように形成するものである。これによって、pエミッ
タ層から高濃度のn型不純物領域に注入された正孔が再
結合により減少させて高濃度のn型不純物領域からの注
入効率を下げ、nエミッタ層の中央部への正孔の注入を
少なくするものである。ところが、大電流を制御する素
子に於いては、定常オン状態ではpエミッタ層から注入
される正孔の数は高濃度のn型不純物領域の不純物濃度
と比較し充分に多く、高濃度のn型不純物領域に注入さ
れた正孔はその大部分が再結合することなしにnエミッ
タ層に到達するという欠点があり、上述の欠点を確実に
解決することはできないのである。
【0003】また、高耐圧のGTOにおいては、オン電
圧の増加及び動作スピードの低下を抑制するために、n
ベース層を低不純物濃度を有する第1の層部分と高不純
物濃度を有する第2の層部分から構成するpnipn 構造が
採用されている(特開昭63−205954号公報)。この場
合、第2の層部分の形成法としてはアノード側の主表面
からの不純物拡散を行い形成する方法、及び第1の層部
分の主表面上に高不純物濃度層をエピタキシャル成長す
る方法が一般的に知られている。
【0004】さらに、高耐圧でオフ性能の優れたGTO
を実現するために、pnipn 構造にアノード短絡構造を併
用することが採用されている(特開昭63−186473号公
報)。また、一般に大容量GTOは多数の単位素子を放
射状かつ同心リング状に配列した構造を有し、単位素子
のnエミッタを取り囲むようにゲート電極が形成されて
いる。このゲート電極に供給されるゲート電流によりG
TOのターンオン,ターンオフを制御するが、この時全
ての単位素子が同時にオン,オフすることが理想的であ
る。しかし、取り出し用のゲート電極から遠い位置に形
成された単位素子ではゲート電極抵抗が大きくなるた
め、nエミッタ−pベース間に印加される電圧が小さく
なりターンオフ時間が長くなる。このためターンオフの
遅い単位素子に電流が集中し、単位素子が熱破壊してし
まうという問題があった。ゲート電極から遠い単位素子
での電流集中を防止するものとして、例えば特願平1−3
3832号に記載された技術がある。これはゲート電極抵抗
の影響によるターンオフの遅れを、ターンオフ時間が短
くなるように単位素子の構造を順次変えるものである。
具体的にはpエミッタをnエミッタに対向するようにリ
ング状に設け、取り出し用ゲート電極から順次pエミッ
タの幅を狭くしpエミッタから注入される正孔の数を調
整し、ターンオフ時における取り出し用ゲート電極から
遠い素子への電流集中を緩和するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、大電
流密度で制御するGTOにおいて、定常オン状態におけ
るnベース層内に形成された高濃度不純物領域でのキャ
リアの再結合について考慮されておらず、大電流を制御
するGTOにおいて電流集中が生じ破壊耐量が低いとい
う問題があった。
【0006】さらに、大容量のGTOにおいては取り出
し用ゲート電極から遠い位置に配置された単位素子にお
けるnエミッタ中央部への電流集中が発生するという問
題があった。また、高耐圧のGTOにおいてはnベース
層の厚さの増加は避けられず、テール電流の減衰が遅く
なるという問題があった。さらに、以上述べた従来技術
によるGTOの耐圧は4.5kV 、可制御電流は3kA
が限界であり、このGTOを用いた単位インバータ容量
は8.3MVA と小さく大容量化が困難であった。
【0007】本発明の目的は以上の問題点を解決したG
TO及びそれを使用した電力変換装置を提供することに
ある。
【0008】本発明の別の目的は電流集中を緩和したG
TO及びそれを使用した電力変換装置を提供することに
ある。
【0009】本発明の他の目的は、nベース層内に残っ
たキャリアを迅速に排出しテール電流の減衰を速くした
GTO及びそれを使用した電力変換装置を提供すること
にある。
【0010】本発明の更に他の目的は以下の実施例の説
明から明らかとなろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
GTOの特徴とするところは、一対の主表面を有し、一
対の主表面間に一方の主表面に隣接する一方導電型の一
方のエミッタ層、一方のエミッタ層に隣接する他方導電
型の一方のベース層、一方のベース層及び他方の主表面
に隣接する一方導電型の他方のベース層、他方のベース
層及び他方の主表面に隣接する他方導電型の他方のエミ
ッタ層を有し、一方のベース層が一方のエミッタ層に隣
接する第1の層部分と、他方のベース層に隣接し第1の
層部分より低不純物濃度を有する第2の層部分とからな
る半導体基体と、半導体基体の一方の主表面において一
方のエミッタ層にオーミック接触する一方の主電極と、
半導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層に
オーミック接触する他方の主電極と、半導体基体の他方
の主表面において他方のベース層にオーミック接触する
制御電極とを具備するものにおいて、一方のベース層内
に一方のエミッタ層から注入され他方のエミッタ層に至
るキャリアの進行経路を変更する手段を設けた点にあ
る。キャリアの進行経路を変更する手段としては、一
方のベース層内に一方のエミッタ層及び他方のベース層
から離れ第1の層部分及び第2の層部分の少なくとも一
方に隣接して一方の主表面と平行をなす面に部分的に設
けられた第1の層部分及び第2の層部分より高不純物濃
度を有する第3の層部分を設けること、及び第3の層
部分の代わりに絶縁性層又は半絶縁性層を設けることが
代表的な手段である。第3の層部分,絶縁性層及び半絶
縁性層は、第1の層部分及び第2の層部分の境界に設け
る、一方の主表面に投影したとき他方のエミッタ層と互
いに重なり合うか又は重なり合わないように設ける、一
方の主表面に投影したとき一方のベース層のアノード短
絡部と互いに重なり合うか又は重なり合わないように設
ける等の具体的構成が考えられる。どのような構成を採
用するかは対象とするGTOに要求される仕様を満たす
ために適宜選択される。
【0012】また、本発明の目的を達成するGTOを特
長とするところは、一対の主表面を有し、一対の主表面
間に一方の主表面に隣接する一方伝導型の一方のエミッ
タ層、一方のエミッタ層に隣接する他方導電型の一方の
ベース層、一方のベース層及び他方の主表面に隣接する
一方伝導型の他方のベース層、他方のベース層及び他方
の主表面に隣接する他方伝導型の複数個の他方のエミッ
タ層を有し、一方のベース層は一方のエミッタ層に隣接
する第1の層部分と、他方のベース層に隣接する第2の
層部分からなる半導体基体と、半導体基体の一方の主表
面において一方のエミッタ層にオーミック接触する一方
の主電極と、半導体基体の一方の主表面において各他方
のエミッタ層にオーミック接触する他方の主電極と、半
導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層を包
囲するように他方のベース層にオーミック接触する制御
電極とを具備するものにおいて、一方のベース層内に一
方のエミッタ層から注入され他方のエミッタ層に至るキ
ャリアの進行経路を変更する手段を設け、かつキャリア
の進行経路を変更する効果が取り出し用ゲートから離れ
るに従い順次または段階的に強くした点にある。キャリ
アの進行経路を変更する効果を強くする手段としては、
一方のベース層内に一方のエミッタ層及び他方のベース
層から離れ第1の層部分及び第2の層部分の少なくとも
一方に隣接して一方の主表面と平行をなす面に部分的に
第3の層部分を設けかつ、この第3の層部分の面積また
は不純物濃度を取り出し用ゲート電極から離れるに従い
順次または段階的に増加または高くするものである。
【0013】また、本発明の目的を達成する電力変換装
置の特徴とするところは、一対の直流端子と、交流出力
の相数と同数の交流端子と、一対の直流端子間に接続さ
れ、それぞれGTOと逆極性のダイオードの並列回路を
2個直列接続した構成からなり、並列回路の相互接続点
が異なる交流端子に接続された交流出力の相数と同数の
電力変換単位とを具備し、各GTOが、一対の主表面を
有し、一対の主表面間に一方の主表面に隣接する一方導
電型の一方のエミッタ層、一方のエミッタ層に隣接する
他方導電型の一方のベース層、一方のベース層及び他方
の主表面に隣接する一方導電型の他方のベース層、他方
のベース層及び他方の主表面に隣接する他方導電型の他
方のエミッタ層を有し、一方のベース層が一方のエミッ
タ層に隣接する第1の層部分と、他方のベース層に隣接
し第1の層部分より低不純物濃度を有する第2の層部分
とからなる半導体基体と、半導体基体の一方の主表面に
おいて一方のエミッタ層にオーミック接触する一方の主
電極と、半導体基体の他方の主表面において他方のエミ
ッタ層にオーミック接触する他方の主電極と、半導体基
体の他方の主表面において他方のベース層にオーミック
接触する制御電極とを具備するものにおいて、一方のベ
ース層内に一方のエミッタ層から注入され他方のエミッ
タ層に至るキャリアの進行経路を変更する手段を設けた
点にある。この電力変換装置は、例えば交流電力を直流
電力に変換するコンバータ,直流電力を交流電力に変換
するインバータとして使用するものである。
【0014】
【作用】本発明GTOによれば、一方のベース層内に一
方のエミッタ層から注入され他方のエミッタ層に至るキ
ャリアの進行経路を変更する手段即ち第3の層部分を設
けているため、一方のエミッタ層から注入されたキャリ
アは第3の層部分に注入されるものと第3の層部分を避
けるように通過するものとに分けられ、第3の層部分内
に注入されたキャリアは再結合により消滅し、この結
果、定常オン状態で他方のエミッタ層の中央部直下での
正孔濃度及び電子濃度は他方のエミッタ層周辺部直下よ
りも減少させることができ、ターンオフ時において電流
集中を緩和することができる。キャリアの進行経路を変
更する手段として半絶縁性層又は絶縁性層を設ける場合
においても、一方のエミッタ層から注入されたキャリア
は半絶縁性層又は絶縁性層を避けるように進行経路が変
更されて他方のエミッタ層に到達し、この結果、第3の
層部分を設ける場合に比較して多少効果は少ないが定常
オン状態で他方のエミッタ層の中央部直下での正孔濃度
及び電子濃度は他方のエミッタ層周辺部直下よりも減少
させることができ、ターンオフ時において電流集中を緩
和することができる。
【0015】さらに、大容量のGTOにおいては取り出
し用のゲート電極から離れるに従い順次または段階的に
nエミッタ中央部直下での正孔密度を下げるように第3
nベースを形成することにより、取り出し用のゲート電
極から遠いところに形成された単位素子での電流集中を
緩和できる。従って、これまでの半導体素子に比べ同じ
単位素子数でも大電流を制御することができる。
【0016】また、本発明GTOにおいて、第3の層部
分を一方の主表面に投影したとき一方のベース層のアノ
ード短絡部と重なり合うように構成することにより、タ
ーンオフのときに一方のベース層内に残ったキャリアを
第3の層部分に引き寄せ、アノード短絡部からアノード
電極に排出することが可能となり、テール電流を減らす
ことができる。半絶縁性層又は絶縁性層を設ける場合に
おいても、半絶縁性層又は絶縁性層を一方の主表面に投
影したとき一方のベース層のアノード短絡部と重なり合
わないように即ち一方のエミッタ層と重なり合うように
構成すれば、一方のベース層内に残ったキャリアをアノ
ード短絡部からアノード電極に排出することが速くな
り、テール電流を減らすことができる。
【0017】上述のように本発明によれば、GTOの高
耐圧化及び大電流化の際に障害となっていた問題が解決
でき、高耐圧及び大電流のGTOの実現が可能となる。
この結果、GTOを使用した電力変換装置の1アーム1
GTOにおける容量が増大化でき、またGTOの並列数
及び直列数を低減でき制御が容易となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例として示した図面を用
いて詳細に説明する。
【0019】図1は本発明GTOの一実施例を示す単位
GTOの概略断面図で、実際のGTOは半導体基板内に多
数個の単位GTOが並設された構成となっている。図に
おいて、1は1対の主表面11及び12をもつ半導体基
板、13は一方の主表面11に隣接するp型導電型のエ
ミッタ層(pエミッタ層)、14は一方の主表面11及
びpエミッタ層13に隣接するn型導電型のベース層
(nベース層)、15はnベース層14及び他方の主表
面12に隣接するp型導電型のベース層(pベース
層)、16はpベース層15及び他方の主表面12に隣
接するn型導電型のエミッタ層(nエミッタ層)であ
る。nベース層14は、pエミッタ層13に隣接する第
1の層部分141と、pベース層15及び第1の層部分
141に隣接し第1の層部分141より低不純物濃度を
有する第2の層部分142と、第1の層部分141と第
2の層部分142との境界に位置し第1の層部分141
及び第2の層部分142より高不純物濃度を有する第3
の層部分143と、一方の主表面11,第1の層部分1
41及びpエミッタ層13に隣接する第1の層部分14
1より高不純物濃度を有する第4の層部分144とから
なっている。第3の層部分143は、それを一方の主表
面11に投影したときpエミッタ層13及びnエミッタ
層16と重なり合うように、かつ一方の主表面11と平
行をなすように第1の層部分141と第2の層部分14
2との境界に部分的に形成されている。17は一方の主
表面11においてpエミッタ層13及びnベース層14
の第4の層部分144にオーミック接触するアノード側
の主電極、18は他方の主表面12においてnエミッタ
層16にオーミック接触するカソード側の主電極、19
は他方の主表面12が例えばエッチダウンされてnエミ
ッタ層16の周囲に露出したpベース層15にオーミッ
ク接触するゲート電極である。
【0020】かかる構成のGTOによれば、定常オン状
態においてpエミッタ層13から第1の層部分141に
注入された正孔は、第3の層部分143を避けるように
nベース層14内を通過するものと、第3の層部分14
3内に注入されるものに分かれる。第3の層部分143
内に注入された正孔は、第3の層部分143内の電子と
再結合して殆ど消滅する。そして第3の層部分143を
避けるようにnベース層14内を通過する正孔がnエミ
ッタ層16に到達する。図1のように、第3の層部分1
43がそれを一方の主表面11に投影したときpエミッ
タ層13及びnエミッタ層16と重なり合うように構成
すれば、第3の層部分143を避けるようにnベース層
14内を通過する正孔は相当少なくなる。従って、nエ
ミッタ層16の中央部直下のpベース層15に到達する
正孔の量は第3の層部分143が存在しない場合に比較
して相当減少し、ターンオフ時におけるnエミッタ層1
6の中央部での電流集中は相当緩和される。この場合、
定常オン状態におけるpエミッタ層13から注入される
正孔の数は充分に多いため、第3の層部分143の不純
物濃度がpエミッタ層13の不純物濃度より低い場合に
は注入された正孔が十分再結合されることなしに通過し
てしまい、ターンオフ時における電流集中の緩和効果が
弱くなってしまう。従って、第3の層部分143の不純
物濃度はpエミッタ層のより高い方が好ましい。実際の
GTO設計においては、要求される仕様を考慮して第3
の層部分143とpエミッタ層13及びnエミッタ層1
6との重なり具合を適宜調整して最適構造にする。
【0021】図1において、第3の層部分143を半絶
縁性層または絶縁性層で形成してもよい。この場合に
は、第3の層部分143によって正孔の再結合は期待で
きないが、正孔の進路を変更する機能は十分期待できる
ので、ターンオフ時におけるnエミッタ層16の中央部
での電流集中は相当緩和することができる。
【0022】図2は図1のGTOのnベース層14の製
造法の一例を示す工程図である。まず、高比抵抗(低不
純物濃度)のn型シリコン基板14を準備し(a)、n
型シリコン基板14の表面に熱酸化シリコン膜SiO2
を形成する(b)。熱酸化シリコン膜SiO2 を周知の
ホトエッチング技術により窓を形成し(c)、n型不純
物例えば燐を拡散し第3の層部分143を形成する
(d)。次に、n型シリコン基板14の第3の層部分14
3を形成した側の面上にエピタキシャル法によって第1
の層部分141を形成してnベース層14が出来上がる
(e)。第3の層部分143は燐や砒素のイオン打ち込み
法によって形成することも可能である。この後、n型シ
リコン基板14の露出面及び第1の層部分141に不純
物拡散によってpベース層15及びpエミッタ層13を
形成し、次にpベース層15及びpエミッタ層13に不
純物拡散によってnエミッタ層16及び第4の層部分1
44を形成し、しかる後nエミッタ層16を選択的に除
去し、電極を形成して、GTOが完成する。一方、半絶
縁性層または絶縁性層を形成する場合は、n型不純物の
代わりに酸素や窒素を高濃度でイオン打ち込みし、その
後アニールすることにより形成できる。酸素や窒素の打
ち込み量が多い場合はSiO2 やSi34が形成されて
絶縁性層となり、打ち込み量が少ない場合には半絶縁性
層が形成される。第3の層部分143は、基板14の表
面を超ミラー仕上げした後、第1の層部分141となる
シリコンウエハを直接接着して形成することも可能であ
る。基板14と第1の層部分141となるシリコンウエ
ハとは、これらを王水等の溶液に浸し表面を親水性にし
た後、重ねて約1000度に加熱することにより直接接
着することができる。
【0023】図3は本発明GTOの異なる実施例を示す
もので、図1に示すGTOとは第3の層部分143を第
1の層部分141内に形成した点で相違している。この
構成によれば、図1の実施例に比較して製法は難しくな
るが、第3の層部分143がpエミッタ層13に接近し
て設けられているため、pエミッタ層13からnベース
層14に注入された正孔を速くかつ効率良く再結合する
ことが可能となり、図1の実施例に比較してテール電流
を減少させることができ、ターンオフ速度の速いGTO
を得ることができる。
【0024】図4は本発明GTOの更に異なる実施例を
示すもので、図1に示すGTOとは第3の層部分143
を第2の層部分142内に形成した点で相違している。
この構成によれば、図1の実施例に比較して製法は難し
くなるが、第3の層部分143がnエミッタ層16に接近
して設けられているため、正孔のnエミッタ層16中央
直下への集中を図1の実施例に比較して緩和させること
が可能である。
【0025】図5は本発明GTOの別の実施例を示すも
ので、図1に示すGTOとは第4の層部分144を除去
してアノード側が非短絡構造となっている点で相違す
る。この場合においても、第3の層部分143によって
正孔の進路を変更することができるので、nエミッタ層
16の中央部での電流集中は相当緩和することができ、
図1の構造と同様にターンオフ時における電流集中を緩
和させる効果がある。この種GTOは図1とは異なり逆
方向にも高耐圧を有しており、双方向に耐圧を必要とす
る用途に適用される。
【0026】図6は本発明GTOの更に別の実施例を示
すもので、図1に示すGTOとは第3の層部分143の
位置が異なっている。即ち、第3の層部分143はそれ
を一方の主表面11に投影したときpエミッタ層13及
びnエミッタ層16と重なり合わないように、換言すれ
ば第3の層部分143はnベース層14のアノード短絡
部と重なり合うように形成されている。このような構成
にすることにより、ターンオフ時にnベース層14のア
ノード短絡部から離れたところに残ったキャリアを効率
よくnベース層14のアノード短絡部から電極側に排出
することが可能であり、テール電流を減少させることが
できる。図6についても図3及び図4のように第3の層
部分143を第1の層部分141内又は第2の層部分1
42内に形成することができ、ターンオフ時のテール電
流を減少させることができる。
【0027】図7は本発明GTOの他の実施例を示すも
ので、図1に示すGTOとは第4の層部分144の位置
が異なっている。即ち、第4の層部分144はそれを一
方の主表面11に投影したときnエミッタ層16及び第
3の層部分143と重なり合うよに、換言すればnエミ
ッタ層16の真下に第3の層部分143及びnベース層
14のアノード短絡部が存在するように形成されてい
る。この構成によれば、nエミッタ層16直下の正孔密
度及び電子密度をnベース層14のアノード短絡構造と
第3の層部分143によりさらに低減できるのでターン
オフ時におけるテール電流の低減と共に電流集中を緩和
させることが可能である。図7についても図3及び図4
のように第3の層部分143を第1の層部分141内又
は第2の層部分142内に形成するができ、ターンオフ
時のテール電流を減少させることができる。
【0028】図8は本発明GTOの更に他の実施例を示
すもので、図1に示すGTOとは、第1の層部分141
と第2の層部分142との境界に第3の層部分143よ
り低不純物濃度で薄い第5の層部分145を形成した点
で相違している。この構成によれば、第1の層部分14
1と第2の層部分142とが両部分より高不純物濃度の
薄い第5の層部分145で分離されいるため、nベース
層14とpベース層15との間のpn接合を逆バイアス
したときに形成される空乏層がpエミッタ層13に到達
するのを未然に防止でき、GTOの高耐圧化に寄与す
る。この効果は第1の層部分141をエピタキシャル成
長法によって形成する場合に特に顕著である。
【0029】図8の実施例では、第3の層部分143と
第5の層部分145とを同じ平面内に形成したが、両者
の厚さ方向の位置は同じ平面に限定されるものではな
い。それぞれ別の層部分内に形成すること、同一層部分
内で異なる面に形成することが可能である。
【0030】図9は図1から図8に示した本発明GTO
のカソード側からみた4分の1円の平面パターンの一例
を示す。図から明らかなように、nエミッタ層16は
(その上に設けたnエミッタ層16と略同形状のカソー
ド側の主電極18から判るように)ストライプ状を有
し、多重同心円状をなすように放射状に配置されてい
る。次に、図5に示した実施例よりさらにテール電流を
減少させることが可能な実施例を図10,図11及び図
12を用いて説明する。図10は平面図、図11及び図
12は図10のA−A線及びB−B線に沿う断面図であ
る。このGTOは、図5に示すGTOとはnエミッタ層
16を一方の主表面11に投影したとき長手方向の両側
にnエミッタ層16と重なり合わないようにアノード短
絡部を形成した点、及び第3の層部分143を一方の主
表面11に投影したときpエミッタ層13及びnベース
層14のアノード短絡部の両方と重なり合うように形成
した点で相違している。このように構成することによ
り、ターンオフ時にnベース層14の第2の層部分14
2内に残っているキャリアを迅速に排出できると共に、
nベース層14のアノード短絡部の面積を増加すること
なしにnエミッタ層16の中央部と対向する第1の層部
分141内に残るキャリアを排出することが可能であ
る。
【0031】図13及び図14は、本発明GTOの基板
端面構造の一実施例を示す平面図及び断面図である。図
8に示すGTOとは、第3の層部分143を基板1の端
面に露出する個所にも形成した点で相違している。nベ
ース層14のアノード短絡部も基板1の端面に露出する
ように形成され、第3の層部分143と重なり合うよう
になっている。このように構成することにより、図8に
示すGTOが持つ効果の他に基板1の端面部分での耐圧
低下を防止する効果がある。
【0032】図15,図16及び図17は、図8に示す
本発明GTOの改良案を示す平面図及び断面図である。
図8に示すGTOとは、第4の層部分144をnエミッ
タ層16と重なり合わないような個所及びnエミッタ層
16と長手方向の中央部で交差する個所に設けられてい
る点で相違している。このように構成することにより、
nエミッタ層16の中央部直下のpベース層15に到達
する正孔の量は減少し、ターンオフ時においてnエミッ
タ層16の中央部での電流集中を図8に示すGTOに比
較して緩和することができる。
【0033】図18は本発明の他の実施例のGTOをカ
ソード側から見た平面パターンであり、円形GTOの1
/4を示したものである。円形半導体基板1に複数の細
長いnエミッタ層16が10重リングに放射状に配置さ
れ、その周辺に露出するpベース層15には図示されて
はいないがゲート電極が設けられている。図19は本発
明を説明するために図18の中の取り出し用のゲート電
極から順に1,5,10番目のリングのイ,ロ,ハの単
位素子を拡大したものである。イ,ロ,ハの第3層部分
の長さをL1,L2,L3とし、幅をW1,W2,W3
としている。図20は図18の切断面F−F′にそって
イ,ロ,ハの概略断面図を示している。取り出し用のゲ
ート電極191の位置は円形半導体基板の中心部であ
る。図18,図19,図20が示すように第3の層部分
nベース143の長さおよび幅を取り出し用のゲート電
極から遠ざかるにつれて、 第3の層部分の長さ:L1<L1<L3 第3の層部分の幅 :W1<W2<W3 としている。つまり、取り出し用ゲート電極に最も近い
イの第3の層部分の面積が最も小さく、最も遠いハの第
3の層部分の面積が最も大きくなるようにしている。本
発明の動作について説明する。大容量GTOにおいては
図18のように単位素子を複数円形半導体基板状に配置
して大容量を達成しているが、GTOは大容量になるに
つれて単位素子の数を増加する必要があり、取り出し用
のゲート電極から遠いところにも単位素子を配置しなけ
ればならない。しかし、取り出し用のゲート電極から遠
い単位素子ではゲート電極抵抗が大きくなるためnエミ
ッタ−pベース間に印加される電圧が小さくなりターン
オフ時間が長くなる傾向にある。なぜならターンオフは
nベース層中の過剰キャリアである正孔をゲート電極か
ら掃き出すことによってなされるが、取り出し用ゲート
電極から遠い単位素子では近い単位素子に比べnエミッ
タ−pベース間に印加される電圧が小さく、同じ数の正
孔を掃き出すのに長い時間を必要とするためである。従
って、大容量のGTOにおいて同じペレット内に単位素
子間のターンオフ時間のバラツキがある場合ターンオフ
時間の長い単位素子へ電流が集中しやすい。一方、単位
素子内のターンオフについてみてみると、最もゲート電
極から遠く、pベース層の横方向抵抗(以下RPBとす
る)が大きいnエミッタ中央部でのターンオフが最も遅
くなるため、nエミッタ中央部へ電流が集中しやすい。
従って、全ての単位素子で同時に局所的な電流集中なし
にターンオフを完了させるためには、ゲート電極から遠
い単位素子では定常オン状態におけるnベース層の正孔
の数を減らしかつ、nエミッタ中央部への電流の集中を
緩和する必要がある。図18,図19,図20に示す構
造では不純物濃度の高い第3の層部分をnエミッタの中
央部を投影した投影部分を含むように形成し、その面積
を順次増加することによりnベース層中の正孔の数を減
らすことができる。さらにnエミッタ中央部直下での正
孔密度が減少するためターンオフ時にnエミッタ中央部
への電流集中を緩和することができる。また、正孔がn
エミッタの周辺部に集中するためRPBが小さくなり正
孔の掃き出しが容易になり、ターンオフ時間を短くする
効果がある。以上のことから、ペレット全体においてタ
ーンオフが均一にでき、大電流の遮断が可能である。
【0034】図21は図20のG−G′の不純物濃度分
布を概略的に示したものである。図では不純物濃度分布
を横軸に深さ方向を縦軸にとっている。
【0035】図22は本発明の他の実施例の概略断面図
であり、第3の層部分の不純物濃度を取り出し用のゲー
ト電極から離れるに従い順次高くなるように形成したも
のであり、図18のGTOに適用した場合のイ,ロ,ハ
の単位素子について示したものである。図23は図22
のH−H′,I−I′,J−J′の不純物分布を概略的
に示したものである。図22の構造では、pエミッタか
ら注入された正孔が第3の層部分に入るものと避けるよ
うに通過するものとに別れる。第3の層部分に入った正
孔は第3の層部分を通過する間に再結合によってその数
を減らしていくが、再結合の割合は第3の層部分の不純
物濃度によって決まっている。特に、定常オン状態では
pエミッタから注入される正孔の数は十分に多く、第3
の層部分に入った正孔のほとんどを再結合させるために
は第3の層部分の不純物濃度をpエミッタの不純物濃度
と同程度以上にした方がより効果的である。しかし、第
3の層部分の不純物濃度はpエミッタの不純物濃度以下
でも第3の層部分を通過する正孔の数をある割合で減少
させる効果がある。本実施例では第3の層部分を通過す
る正孔の数を取り出し用のゲート電極から離れるに従い
減少するように形成したものであり、この構造によって
ペレット全体においてターンオフが均一にでき、大電流
の遮断が可能である。
【0036】図24は図18,図19,図20の実施例
にさらに改良を加えた他の実施例の概略断面図であり、
図18のイ,ロ,ハの単位素子について示したものであ
る。この構造では取り出し用ゲートから離れるに従い順
次pエミッタの幅を取り出し用ゲート電極から順にd
1,d2,d3とすると、 pエミッタの幅:d1>d2>d3 としたものであり、pエミッタから注入される正孔の数
を順次少なくなるようにしたものであり、さらにペレッ
ト全体でターンオフタイムを揃えることが可能であり、
大電流の遮断が可能である。
【0037】図25は図18,図19,図20の第1実
施例にさらに改良を加えた他の実施例の概略断面図であ
り、図18のイ,ロ,ハの単位素子について示したもの
である。この構造では取り出し用のゲート電極から離れ
るに従い順次pエミッタの不純物濃度を順次低くしたも
のである。つまり、pエミッタ層131,132,13
3の不純物濃度のピークをNPE1,NPE2,NPE
3とすると、取り出し用ゲート電極から離れるに従いN
PE1>NPE2>NPE3のように形成するものであ
る。この構造により順次pエミッタから注入される正孔
密度を小さくできるため、さらにペレット全体でターン
オフタイムを揃えることができ、大電流の遮断が可能で
ある。
【0038】図26は本発明による他の実施例のGTO
をカソード側から見た平面パターンであり、円形1/4
を示したものである。図26では第3の層部分の位置も
同時に示している。図27は図26のK−K′のイ,
ロ,ハの単位素子の概略断面図を示したものである。こ
の構造は第3の層部分をリング状に設けかつ、リングの
幅をW1,W2,W3とすると、取り出し用のゲート電
極から順に リングの幅:W1<W2<W3 としたものである。第3の層部分を単位素子に対し帯状
になるように設けることにより、nエミッタ中央部への
正孔の注入をさらに減らすことができるのでnエミッタ
中央部への電流集中をさらに緩和することができる。
【0039】これまであげてきた実施例ではnエミッタ
層16が10重リングになっている場合について示して
いるが、電流容量によってリングの数を増加または減少
した場合や、nエミッタがほかの規則に従って配置され
ている場合、例えば図28,図29に示すようなnエミ
ッタを並行に配置した構造でも同等の効果を有する。更
にこれまでの実施例では、取り出し用のゲート電極を円
形半導体基板(GTOペレット)の中心部に配置した場合
について示したが、それ以外に外周リング状や中間リン
グ状に配置した構造でも同様に適用できる。
【0040】また、本実施例では単位素子内で第3の層
部分をnエミッタの中央部への電流集中が起こらないよ
うな位置に形成しているが、何もこの位置は決まったも
のではなくnエミッタへの電流集中を防ぐような位置で
あれば問題はない。例えば、取り出し用ゲート電極から
最も遠い単位素子では第3の層部分をnエミッタの中央
よりも取り出し用ゲート電極とは反対側よりに配置する
ものである。
【0041】また、本実施例では第3の層部分をすべて
の単位素子に形成しているが何もすべての単位素子に形
成する必要は無くゲート電極から離れた外周部だけに形
成しても同様の効果を有する。
【0042】なお本発明はpエミッタからの正孔の注入
を制御するものであり、SIサイリスタや、MCTへ応
用しても同様の効果がある。
【0043】図30は本発明GTOを使用した3相イン
バータの一実施例を示す回路図である。図において、T
1及びT2は直流電源Eに接続される一対の直流端子、G
1 及びG2,G3及びG4,G5及びG6はそれぞれ直列接
続されて一対の直流端子T1及びT2間に極性を揃えて並
列接続された本発明GTO、D1,D2,D3,D4,D5
及びD6 は各GTOに極性を逆にして並列接続された負
荷電流を還流させるダイオード、T3,T4及びT5 は直
列接続された2個のGTOの接続点からそれぞれ引き出
された交流出力の相数と同数(3個)の交流端子であ
る。このようにインバータを本発明GTOで構成すれ
ば、GTO1個当りの容量(耐圧×通電電流)が大きく
なることから、GTOの直並列接続数が低減でき、イン
バータの信頼性及び制御性の向上を図ることができる。
【0044】大容量のインバータではGTOの耐圧がシ
ステムに必要な電圧より低いことから、図30にG1
6で示すGTOは複数個のGTO素子を直列接続して
構成する必要がある。この直列接続の具体例を図31に
示す。図において、LAはGTOがターンオンするときの
電流上昇率di/dtを抑制したり、GTOが転流失敗
したときの過電流を抑制する働きをするアノードリアク
トル、RAはアノードリアクトル回路の減流抵抗、DA
はアノードリアクトル回路の還流ダイオード、DFは負
荷電流を還流させるダイオード、DSはスナバダイオー
ド、RSはスナバ抵抗、CSはスナバコンデンサ、GU
はGTOをオン,オフするためのゲート回路である。大
容量インバータが扱える電力は、半導体素子の高耐圧
化,大電流化や素子の直列接続数増大によって決定され
る。従来は耐圧が4.5kV で可制御電流が3kAのG
TOを4個直列接続して構成した単位インバータ容量は
例えば図30の1相のみでは8.3MVA であったが、
本発明のGTOは耐圧が8kVで可制御電流が5kAで
あり、このGTOを4個直列接続した単位インバータ容
量は25MVAとなり、大幅な容量アップが図れる。さ
らに、この単位インバータを4多重にして使うことによ
り、100MVAの大容量GTOインバータが実現で
る。
【0045】以上は本発明GTO及びそれを使用した電
力変換装置を特定の実施例を例に挙げて説明したが、本
発明はこれらに限定されることなく本発明の思想の範囲
内で種々の変形が可能である。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればn
ベース層内に選択的に高不純物濃度の第3の層部分また
は半絶縁性層や絶縁性層を形成することにより、ターン
オフ時にカソード側における電流集中を緩和することが
でき、破壊耐量を大幅に増大したGTOを実現できる。
【0047】また、大容量GTOにおいてペレット内の
ターンオフタイムを均一にできるとともに、ターンオフ
時に発生するnエミッタでの局所的な電流集中を緩和す
ることができるので可制御電流を増加することが可能で
ある。また、nベース層内に残っているキャリアを迅速
に排出することができるため、テール電流の減衰を早く
することが可能である。さらに、この大容量GTOを電
力変換装置に適用すれば大容量化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明GTOの一実施例を示す概略断面図であ
る。
【図2】図1に示すGTOの製造方法を説明するための
概略工程図である。
【図3】本発明GTOの異なる実施例を示す概略断面図
である。
【図4】本発明GTOの更に異なる実施例を示す概略断
面図である。
【図5】本発明GTOの別な実施例を示す概略断面図で
ある。
【図6】本発明GTOの更に別な実施例を示す概略断面
図である。
【図7】本発明GTOの他の実施例を示す概略断面図で
ある。
【図8】本発明GTOの更に他の実施例を示す概略断面
図である。
【図9】本発明GTOのカソード側からみた4分の1円
の平面パターン図である。
【図10】図5に示した本発明GTOの実施例の改良案
を示す平面図である。
【図11】図10のA−A線に沿う概略断面図である。
【図12】図10のB−B線に沿う概略断面図である。
【図13】図8に示した本発明GTOの実施例の改良案
を示す平面図である。
【図14】図13のC−C線に沿う概略断面図である。
【図15】図8に示した本発明GTOの実施例の異なる
改良案を示す平面図である。
【図16】図15のD−D線に沿う概略断面図である。
【図17】図15のE−E線に沿う概略断面図である。
【図18】本発明GTOのカソード側からみた4分の1
の平面パターン図である。
【図19】図18のイ,ロ,ハの拡大図である。
【図20】図18のF−F′に沿った概略断面構造であ
る。
【図21】図20のG−G′に沿った不純物濃度分布で
ある。
【図22】本発明のさらに異なる実施例を示す概略断面
図である。
【図23】図22のH−H′,I−I′,J−J′に沿
った不純物濃度分布である。
【図24】本発明のさらに異なる実施例を示す概略断面
図である。
【図25】本発明のさらに異なる実施例を示す概略断面
図である。
【図26】本発明GTOのカソード側からみた4分の1
の平面パターン図である。
【図27】図26のK−K′切断面に沿った概略断面図
である。
【図28】カソード側からみた4分の1の平面パターン
である。
【図29】カソード側からみた3分の1の平面パターン
である。
【図30】本発明のGTOを用いたインバータを示す概
略回路図である。
【図31】本発明GTOの直列接続回路である。
【符号の説明】
1…半導体基板、13,131,132,133…pエ
ミッタ層、14…nベース層、15…pベース層、16
…nエミッタ層、17…アノード側の主電極、18…カ
ソード側の主電極、19…ゲート電極、191…取り出
し用のゲート電極の位置、141…nベース層の第1の
層部分、142…nベース層の第2の層部分、143…
nベース層の第3の層部分、144…nベース層の第4
の層部分、145…nベース層の第5の層部分、G1
6…GTO、D1〜D2…還流ダイオード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松吉 聡 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 望月 康弘 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 小野瀬 秀勝 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−81290(JP,A) 特開 平1−258476(JP,A) 実公 昭51−4598(JP,Y1)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の主表面を有し、一対の主表面間に一
    方の主表面に隣接する一方導電型の一方のエミッタ層、
    一方のエミッタ層及び一方の主表面に隣接する他方導電
    型の一方のベース層、一方のベース層及び他方の主表面
    に隣接する一方導電型の他方のベース層、他方のベース
    層及び他方の主表面に隣接する他方導電型の複数個の他
    方のエミッタ層を有し、一方のベース層が一方のエミッ
    タ層及び一方の主表面に隣接する第1の層部分と、他方
    のベース層に隣接し第1の層部分より低不純物濃度を有
    する第2の層部分と、一方のエミッタ層及び他方のベー
    ス層から離れ第1の層部分及び第2の層部分の少なくと
    も一方に隣接して一方の主表面と平行をなす面に部分的
    に設けられ第1の層部分及び第2の層部分より高不純物
    濃度を有する第3の層部分とからなり、第3の層部分が
    第1の層部分及び第2の層部分に隣接して設けられてい
    る半導体基体と、 半導体基体の一方の主表面において一方のエミッタ層及
    び一方のベース層にオーミック接触する一方の主電極
    と、 半導体基体の他方の主表面において各他方のエミッタ層
    にオーミック接触する他方の主電極と、 半導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層を
    包囲するように他方のベース層にオーミック接触する制
    御電極とを具備することを特徴とするゲートターンオフ
    サイリスタ。
  2. 【請求項2】請求項1において、一方のベース層の第1
    の層部分及び第2の層部分間に第1の層部分及び第2の
    層部分より高く第3の層部分より低い不純物濃度を有す
    る第4の層部分が設けられていることを特徴とするゲー
    トターンオフサイリスタ。
  3. 【請求項3】一対の主表面を有し、一対の主表面間に一
    方の主表面に隣接する一方導電型の一方のエミッタ層、
    一方のエミッタ層及び一方の主表面に隣接する他方導電
    型の一方のベース層、一方のベース層及び他方の主表面
    に隣接する一方導電型の他方のベース層、他方のベース
    層及び他方の主表面に隣接する他方導電型の複数個の
    方のエミッタ層を有し、一方のベース層が一方のエミッ
    タ層及び一方の主表面に隣接する第1の層部分と、他方
    のベース層に隣接し第1の層部分より低不純物濃度を有
    する第2の層部分と、一方のエミッタ層及び他方のベー
    ス層から離れ第1の層部分及び第2の層部分の少なくと
    も一方に隣接して一方の主表面と平行をなす面に部分的
    に設けられ第1の層部分及び第2の層部分より高不純物
    濃度を有する第3の層部分とからなり、第3の層部分が
    第1の層部分内に設けられている半導体基体と、 半導体基体の一方の主表面において一方のエミッタ層及
    び一方のベース層にオーミック接触する一方の主電極
    と、 半導体基体の他方の主表面において各他方のエミッタ層
    にオーミック接触する他方の主電極と、 半導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層を
    包囲するように他方のベース層にオーミック接触する制
    御電極とを具備することを特徴とするゲートターンオフ
    サイリスタ。
  4. 【請求項4】一対の主表面を有し、一対の主表面間に一
    方の主表面に隣接する一方導電型の一方のエミッタ層、
    一方のエミッタ層及び一方の主表面に隣接する他方導電
    型の一方のベース層、一方のベース層及び他方の主表面
    に隣接する一方導電型の他方のベース層、他方のベース
    層及び他方の主表面に隣接する他方導電型の複数個の他
    方のエミッタ層を有し、一方のベース層が一方のエミッ
    タ層及び一方の主表面に隣接する第1の層部分と、他方
    のベース層に隣接し第1の層部分より低不純物濃度を有
    する第2の層部分と、一方のエミッタ層及び他方のベー
    ス層から離れ第1の層部分及び第2の層部分の少なくと
    も一方に隣接して一方の主表面と平行をなす面に部分的
    に設けられ第1の層部分及び第2の層部分より高不純物
    濃度を有する第3の層部分とからなり、第3の層部分が
    第2の層部分内に設けられている半導体基体と、 半導体基体の一方の主表面において一方のエミッタ層及
    び一方のベース層にオーミック接触する一方の主電極
    と、 半導体基体の他方の主表面において各他方のエミッタ層
    にオーミック接触する 他方の主電極と、 半導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層を
    包囲するように他方のベース層にオーミック接触する制
    御電極とを具備することを特徴とするゲートターンオフ
    サイリスタ。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3、又は4において、一方
    のベース層内に一方のエミッタ層から注入され他方のエ
    ミッタ層に至るキャリアの進行経路を変更する手段を設
    けたことを特徴とするゲートターンオフサイリスタ。
  6. 【請求項6】一対の主表面を有し、一対の主表面間に一
    方の主表面に隣接する一方伝導型の一方のエミッタ層、
    一方のエミッタ層に隣接する他方導電型の一方のベース
    層、一方のベース層及び他方の主表面に隣接する一方伝
    導型の他方のベース層、他方のベース層及び他方の主表
    面に隣接する他方伝導型の複数個の他方のエミッタ層を
    有し、一方のベース層は一方のエミッタ層に隣接する第
    1の層部分と、他方のベース層に隣接する第2の層部分
    と、一方のエミッタ層及び他方のベース層から離れ第1
    の層部分及び第2の層部分の少なくとも一方に隣接して
    一方の主表面と平行をなす面に部分的に設けられた第3
    の層部分からなる構造であり、第3の層部分は他方のエ
    ミッタ層とともに一方の主表面に投影したときにお互い
    に重なり、かつ第3の層部分の面積を取り出し用のゲー
    ト電極から離れるに従い順次または段階的に増加した半
    導体基体と、 半導体基体の一方の主表面において一方のエミッタ層に
    オーミック接触する一方の主電極と、 半導体基体の一方の主表面において各他方のエミッタ層
    にオーミック接触する他方の主電極と、 半導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層を
    包囲するように他方のベース層にオーミック接触する制
    御電極とを具備することを特徴とするゲートターンオフ
    サイリスタ。
  7. 【請求項7】一対の主表面を有し、一対の主表面間に一
    方の主表面に隣接する一方伝導型の 一方のエミッタ層、
    一方のエミッタ層に隣接する他方導電型の一方のベース
    層、一方のベース層及び他方の主表面に隣接する一方伝
    導型の他方のベース層、他方のベース層及び他方の主表
    面に隣接する他方伝導型の複数個の他方のエミッタ層を
    有し、一方のベース層は一方のエミッタ層に隣接する第
    1の層部分と、他方のベース層に隣接する第2の層部分
    からなる半導体基体と、一方の主表面において一方のエ
    ミッタ層にオーミック接触する一方の主電極と、一方の
    主表面において各他方のエミッタ層にオーミック接触す
    る他方の主電極と、他方の主表面において他方のエミッ
    タ層を包囲するように他方のベース層にオーミック接触
    する制御電極とを具備するものにおいて、一方のベース
    層内に一方のエミッタ層から注入され他方のエミッタ層
    に至るキャリアの進行経路を変更する手段を設け、かつ
    キャリアの進行経路を変更する効果が取り出し用ゲート
    から離れるに従い順次または段階的に強くしたことを特
    徴とするゲートターンオフサイリスタ。
  8. 【請求項8】一対の主表面を有し、一対の主表面間に一
    方の主表面に隣接する一方伝導型の一方のエミッタ層、
    一方のエミッタ層に隣接する他方導電型の一方のベース
    層、一方のベース層及び他方の主表面に隣接する一方伝
    導型の他方のベース層、他方のベース層及び他方の主表
    面に隣接する他方伝導型の複数個の他方のエミッタ層を
    有し、一方のベース層は一方のエミッタ層に隣接する第
    1の層部分と、他方のベース層に隣接する第2の層部分
    と、一方のエミッタ層及び他方のベース層から離れ第1
    の層部分及び第2の層部分の少なくとも一方に隣接して
    一方の主表面と平行をなす面に部分的に設けられた第3
    の層部分からなる構造であり、第3の層部分は他方のエ
    ミッタ層とともに一方の主表面に投影したときにお互い
    に重なり、かつ第3の層部分の不純物濃度を取り出し用
    ゲートから離れるに従い順次または段階的に高くした半
    導体基体と、 半導体基体の一方の主表面において一方のエミッタ層に
    オーミック接触する一方の主電極と、 半導体基体の一方の主表面において各他方のエミッタ層
    にオーミック接触する他方の主電極と、 半導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層を
    包囲するように他方の ベース層にオーミック接触する制
    御電極とを具備することを特徴とするゲートターンオフ
    サイリスタ。
  9. 【請求項9】請求項6,7、又は8において、一方のエ
    ミッタ層は分割されて配置され、取り出し用のゲート電
    極から離れるに従い順次一方のエミッタの幅を狭くした
    ことを特徴とするゲートターンオフサイリスタ。
  10. 【請求項10】請求項6,7、又は8において、順次ま
    たは段階的に一方のエミッタ層の不純物濃度を減少させ
    たことを特徴とするゲートターンオフサイリスタ。
  11. 【請求項11】一対の直流端子と、 交流出力の相数と同数の交流端子と、 一対の直流端子間に接続され、それぞれゲートターンオ
    フサイリスタと逆極性のダイオードの並列回路を2個直
    列接続した構成からなり、並列回路の相互接続点が異な
    る交流端子に接続された交流出力の相数と同数の電力変
    換単位とを具備し、各ゲートターンオフサイリスタが、 一対の主表面を有し、一対の主表面間に一方の主表面に
    隣接する一方導電型の一方のエミッタ層、一方のエミッ
    タ層に隣接する他方導電型の一方のベース層、一方のベ
    ース層及び他方の主表面に隣接する一方導電型の他方の
    ベース層、他方のベース層及び他方の主表面に隣接する
    他方導電型の他方のエミッタ層を有し、一方のベース層
    が一方のエミッタ層に隣接する第1の層部分と、他方の
    ベース層に隣接し第1の層部分より低不純物濃度を有す
    る第2の層部分と、一方のエミッタ層及び他方のベース
    層から離れ第1の層部分及び第2の層部分の少なくとも
    一方に隣接して一方の主表面と平行をなす面に部分的に
    設けられ第1の層部分及び第2の層部分より高不純物濃
    度を有する第3の層部分とからなる半導体基体と、 半導
    体基体の一方の主表面において一方のエミッタ層にオー
    ミック接触する一方の主電極と、 半導体基体の他方の主表面において他方のエミッタ層に
    オーミック接触する他方の主電極と、 半導体基体の他方の主表面において他方のベース層にオ
    ーミック接触する制御電極と、 を具備することを特徴とする電力変換装置。
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