JP2630088B2 - ゲートターンオフサイリスタ - Google Patents
ゲートターンオフサイリスタInfo
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- JP2630088B2 JP2630088B2 JP3052150A JP5215091A JP2630088B2 JP 2630088 B2 JP2630088 B2 JP 2630088B2 JP 3052150 A JP3052150 A JP 3052150A JP 5215091 A JP5215091 A JP 5215091A JP 2630088 B2 JP2630088 B2 JP 2630088B2
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- JP
- Japan
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- layer
- main surface
- semiconductor substrate
- thyristor
- adjacent
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゲートターンオフサイリ
スタ(以下GTOと略記)に係り、特に高耐圧GTOの
低損失化に好適な接合構造に関するものである。
スタ(以下GTOと略記)に係り、特に高耐圧GTOの
低損失化に好適な接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GTOを高耐圧化するには一般にn型べ
ース層を厚くするが、オン電圧やターンオフ損失が増え
るため素子で発生する電力損失が増加する。このため、
高耐圧GTOでは低損失化が重要なポイントになる。高
耐圧のGTOを低損失化するためには、n型ベース層の
厚みを低減して素子全体を薄くすることが必要である。
高耐圧を保持しかつ素子を薄くできる従来技術として
は、p型エミッタ層に隣接した領域にn型ベース層より
も不純物濃度が高いn型の半導体層(以下n型バッファ
層と略記)を設ける構造(以下pnipn構造と略記)
が一般のサイリスタにおいて公知である。本構造を設計
する場合には次の点に注意しなければならない。電圧阻
止状態において発生するキャリア(リーク電流)により
p型エミッタ層が動作してわずかにホールが注入される
が、高耐圧を得るためにはn型バッファ層を少数キャリ
アの拡散長より十分厚くして注入されたホールを再結合
消滅させる必要がある。しかしアノード短絡型GTOで
は発生したキャリアが短絡部から排出されるためp型エ
ミッタ層が動作しずらいので、短絡がないときに比べn
型バッファ層の厚さを薄く出来る。従ってGTOを高耐
圧かつ低損失にするためには、アノード短絡型GTOに
pnipn構造を適用するのが効果的である。しかしこ
のときn型バッファ層により短絡抵抗が小さくなるため
にGTOをトリガするのに必要なゲート電流(以下トリ
ガゲート電流と略記)が著しく大きくなる。これを解決
する従来技術としては、特開昭63−265465号公報記載の
ように短絡部をn型エミッタ層の長さ方向に関してその
一部分に限定して設ける構造や、電気学会研究会資料E
DD−88−57に記載のようなリング状の短絡部を設
ける構造が知られている。
ース層を厚くするが、オン電圧やターンオフ損失が増え
るため素子で発生する電力損失が増加する。このため、
高耐圧GTOでは低損失化が重要なポイントになる。高
耐圧のGTOを低損失化するためには、n型ベース層の
厚みを低減して素子全体を薄くすることが必要である。
高耐圧を保持しかつ素子を薄くできる従来技術として
は、p型エミッタ層に隣接した領域にn型ベース層より
も不純物濃度が高いn型の半導体層(以下n型バッファ
層と略記)を設ける構造(以下pnipn構造と略記)
が一般のサイリスタにおいて公知である。本構造を設計
する場合には次の点に注意しなければならない。電圧阻
止状態において発生するキャリア(リーク電流)により
p型エミッタ層が動作してわずかにホールが注入される
が、高耐圧を得るためにはn型バッファ層を少数キャリ
アの拡散長より十分厚くして注入されたホールを再結合
消滅させる必要がある。しかしアノード短絡型GTOで
は発生したキャリアが短絡部から排出されるためp型エ
ミッタ層が動作しずらいので、短絡がないときに比べn
型バッファ層の厚さを薄く出来る。従ってGTOを高耐
圧かつ低損失にするためには、アノード短絡型GTOに
pnipn構造を適用するのが効果的である。しかしこ
のときn型バッファ層により短絡抵抗が小さくなるため
にGTOをトリガするのに必要なゲート電流(以下トリ
ガゲート電流と略記)が著しく大きくなる。これを解決
する従来技術としては、特開昭63−265465号公報記載の
ように短絡部をn型エミッタ層の長さ方向に関してその
一部分に限定して設ける構造や、電気学会研究会資料E
DD−88−57に記載のようなリング状の短絡部を設
ける構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術ではアノ
ード面に占めるp型エミッタ層の面積の割合が大きくな
るためにp型エミッタ層からのホールの注入が多くなり
素子内部の過剰キャリアが増えるので、ターンオフ損失
が大きくなりpnipn構造であるにもかかわらず素子
の発生損失が増大するという問題があった。
ード面に占めるp型エミッタ層の面積の割合が大きくな
るためにp型エミッタ層からのホールの注入が多くなり
素子内部の過剰キャリアが増えるので、ターンオフ損失
が大きくなりpnipn構造であるにもかかわらず素子
の発生損失が増大するという問題があった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、高耐圧でかつ低損失、しかもトリガゲート電流の
小さなpnipn構造を有するアノードエミッタ短絡型
GTOを提供することを目的とする。
あり、高耐圧でかつ低損失、しかもトリガゲート電流の
小さなpnipn構造を有するアノードエミッタ短絡型
GTOを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、アノード
側において外側のp層またはその近傍にアノード側から
のキャリアの注入を抑制する手段を設けることにより達
成できる。キャリアの注入を抑制する手段としては、外
側のp層を不純物濃度の高い部分と低い部分または厚い
部分と薄い部分から構成すること、外側のp層の近傍に
ショットキ−接合または絶縁層を設けることがある。
側において外側のp層またはその近傍にアノード側から
のキャリアの注入を抑制する手段を設けることにより達
成できる。キャリアの注入を抑制する手段としては、外
側のp層を不純物濃度の高い部分と低い部分または厚い
部分と薄い部分から構成すること、外側のp層の近傍に
ショットキ−接合または絶縁層を設けることがある。
【0006】
【作用】キャリアの注入を抑制する手段を設けることに
より短絡抵抗が小さくならないのでトリガゲート電流が
増加せず、しかも上記手段を施すことによりp型エミッ
タ層の面積が広くなってもターンオフ損失の増大を防ぐ
ことができる。さらに短絡部の位置をキャリアの注入が
抑制されていない領域に隣接させれば、ターンオフ時に
おける短絡部のキャリア排出効果によってよりいっそう
ターンオフ損失を低減できる。
より短絡抵抗が小さくならないのでトリガゲート電流が
増加せず、しかも上記手段を施すことによりp型エミッ
タ層の面積が広くなってもターンオフ損失の増大を防ぐ
ことができる。さらに短絡部の位置をキャリアの注入が
抑制されていない領域に隣接させれば、ターンオフ時に
おける短絡部のキャリア排出効果によってよりいっそう
ターンオフ損失を低減できる。
【0007】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。各図面中の同一物及び相当物には同じ符号を付け
た。
る。各図面中の同一物及び相当物には同じ符号を付け
た。
【0008】図1,図2及び図3は本発明を実施したア
ノードエミッタ短絡型GTOの一実施例で、図1はカソ
ード側平面パターンの四分の一を、図2は図1のA−A
線に沿う縦方向断面を、図3はアノード側の平面構造を
それぞれ示している。図において、円形状の半導体基体
1はアノ−ド側主表面とカソ−ド側主表面との間にp型
エミッタ層6,n型ベース層4,p型ベース層3及びn
型エミッタ層2の連続した四層を有している。カソ−ド
側主表面には細長い形状のn型エミッタ層2が多数個そ
の長手方向を放射状方向にして6重リング状に配列さ
れ、それらの周囲にはp型ベース層3がn型エミッタ層
2を取り囲むように露出している。n型ベース層4はp
型ベース層3に隣接する第1の部分41,第1の部分4
1及びp型エミッタ層6に隣接し第1の部分より高不純
物濃度の第2の部分(バッファ層)42及び第2の部分
42,p型エミッタ層6及びアノ−ド側主表面に隣接し
第2の部分42より高不純物濃度の第3の部分43から
成っている。p型エミッタ層6は第1の部分61とそれ
より低不純物濃度の第2の部分62から成っている。ア
ノ−ド側主表面においては、n型エミッタ層2の各リン
グを投影した個所にp型エミッタ層6の第1の部分61
と第2の部分62とが第1の部分61の間に第2の部分
62が位置する同心円状に配置され、残りの個所にn型
ベース層4の第3の部分43が置かれている。アノ−ド
側主表面にはアノ−ド電極30が全面に設けられ、カソ
−ド側主表面には各n型エミッタ層2にカソ−ド電極1
0,p型ベース層3にゲ−ト電極20がそれぞれ設けら
れている。ゲ−ト電極20は各n型エミッタ層2を包囲
するように設けられている。pn接合が露出する面は酸
化膜やシリコンゴムにより保護されているが図では省略
している。n型エミッタ層6の第3の部分63は複数の
n型エミッタ層2の間のゲート電極20が設けられた領
域をアノード側へ投影した領域に形成されており、pエ
ミッタ層の面積を広げてpninp構造による短絡抵抗
の減少を防ぐ配慮がなされている。本実施例では、p型
エミッタ層6の第2の部分62の不純物濃度がp型エミ
ッタ層6の第1の部分61よりも低不純物濃度に設定さ
れている。このためp型エミッタ層全体としては面積が
広くなるが、第2の部分62からのキャリアの注入量が
第1の部分61からのそれよりも少なくなるために導通
時における素子全体での過剰キャリアを少なくすること
ができ、その結果ターンオフ損失を低減できる。さら
に、本実施例ではキャリアの注入量が多いp型エミッタ
層6の第1の部分61に隣接させてnベ−ス層4の第3
の部分43(短絡層)を形成しているので、ターンオフ
時においてキャリアが速やかに短絡層から排出されター
ンオフ損失の低減効果がいっそう高められる。また、p
型エミッタ層6にキャリア注入量が多い第1の部分61
とキャリア注入量が少ない第2の部分62とを併置させ
たことでオン電圧の上昇も少なくできる。ところで、本
実施例においてp型エミッタ層6を第2の部分62のみ
で構成した構造、即ちp型エミッタ層全体を低濃度化す
る構造もターンオフ損失の低減に効果がある。しかし本
発明者等が検討したところオン電圧を大きくしないため
にはp型エミッタ層の不純物濃度のピーク値を5×1017
Atoms/cm3から3×1018Atoms/cm3に制御する必要があ
り、所望の特性を得るにはこの範囲で高精度の不純物濃
度制御をしなければならない。従って素子の製作が難し
くなったり、大口径素子では素子面内で特性がばらつき
やすくなる欠点がある。これに対し本発明では、図2に
示すようにp型エミッタ層6の第1の部分61及び第2
の部分62の不純物濃度のみならず、それらの寸法X1
とX2を変えることによっても特性を変えることができ
るので、容易に所望の特性を得ることができる。しかも
一個の素子で部分的にX1,X2を変えることもホトマ
スクパターンにより簡単にできるので、例えば図1のn
型エミッタ層2の各リングごとに特性を調整して素子全
体のスイッチング動作を均一にして遮断耐量を向上する
こともできる。
ノードエミッタ短絡型GTOの一実施例で、図1はカソ
ード側平面パターンの四分の一を、図2は図1のA−A
線に沿う縦方向断面を、図3はアノード側の平面構造を
それぞれ示している。図において、円形状の半導体基体
1はアノ−ド側主表面とカソ−ド側主表面との間にp型
エミッタ層6,n型ベース層4,p型ベース層3及びn
型エミッタ層2の連続した四層を有している。カソ−ド
側主表面には細長い形状のn型エミッタ層2が多数個そ
の長手方向を放射状方向にして6重リング状に配列さ
れ、それらの周囲にはp型ベース層3がn型エミッタ層
2を取り囲むように露出している。n型ベース層4はp
型ベース層3に隣接する第1の部分41,第1の部分4
1及びp型エミッタ層6に隣接し第1の部分より高不純
物濃度の第2の部分(バッファ層)42及び第2の部分
42,p型エミッタ層6及びアノ−ド側主表面に隣接し
第2の部分42より高不純物濃度の第3の部分43から
成っている。p型エミッタ層6は第1の部分61とそれ
より低不純物濃度の第2の部分62から成っている。ア
ノ−ド側主表面においては、n型エミッタ層2の各リン
グを投影した個所にp型エミッタ層6の第1の部分61
と第2の部分62とが第1の部分61の間に第2の部分
62が位置する同心円状に配置され、残りの個所にn型
ベース層4の第3の部分43が置かれている。アノ−ド
側主表面にはアノ−ド電極30が全面に設けられ、カソ
−ド側主表面には各n型エミッタ層2にカソ−ド電極1
0,p型ベース層3にゲ−ト電極20がそれぞれ設けら
れている。ゲ−ト電極20は各n型エミッタ層2を包囲
するように設けられている。pn接合が露出する面は酸
化膜やシリコンゴムにより保護されているが図では省略
している。n型エミッタ層6の第3の部分63は複数の
n型エミッタ層2の間のゲート電極20が設けられた領
域をアノード側へ投影した領域に形成されており、pエ
ミッタ層の面積を広げてpninp構造による短絡抵抗
の減少を防ぐ配慮がなされている。本実施例では、p型
エミッタ層6の第2の部分62の不純物濃度がp型エミ
ッタ層6の第1の部分61よりも低不純物濃度に設定さ
れている。このためp型エミッタ層全体としては面積が
広くなるが、第2の部分62からのキャリアの注入量が
第1の部分61からのそれよりも少なくなるために導通
時における素子全体での過剰キャリアを少なくすること
ができ、その結果ターンオフ損失を低減できる。さら
に、本実施例ではキャリアの注入量が多いp型エミッタ
層6の第1の部分61に隣接させてnベ−ス層4の第3
の部分43(短絡層)を形成しているので、ターンオフ
時においてキャリアが速やかに短絡層から排出されター
ンオフ損失の低減効果がいっそう高められる。また、p
型エミッタ層6にキャリア注入量が多い第1の部分61
とキャリア注入量が少ない第2の部分62とを併置させ
たことでオン電圧の上昇も少なくできる。ところで、本
実施例においてp型エミッタ層6を第2の部分62のみ
で構成した構造、即ちp型エミッタ層全体を低濃度化す
る構造もターンオフ損失の低減に効果がある。しかし本
発明者等が検討したところオン電圧を大きくしないため
にはp型エミッタ層の不純物濃度のピーク値を5×1017
Atoms/cm3から3×1018Atoms/cm3に制御する必要があ
り、所望の特性を得るにはこの範囲で高精度の不純物濃
度制御をしなければならない。従って素子の製作が難し
くなったり、大口径素子では素子面内で特性がばらつき
やすくなる欠点がある。これに対し本発明では、図2に
示すようにp型エミッタ層6の第1の部分61及び第2
の部分62の不純物濃度のみならず、それらの寸法X1
とX2を変えることによっても特性を変えることができ
るので、容易に所望の特性を得ることができる。しかも
一個の素子で部分的にX1,X2を変えることもホトマ
スクパターンにより簡単にできるので、例えば図1のn
型エミッタ層2の各リングごとに特性を調整して素子全
体のスイッチング動作を均一にして遮断耐量を向上する
こともできる。
【0009】図4は本発明を適用した他の実施例の縦方
向断面図である。この実施例ではp型エミッタ層6を第
1の部分61と表面における不純物濃度が同じで厚さの
小さい第3の部分とから構成した点が前述の実施例と異
なる。即ち、第3の部分63のアノード側主表面からの
接合深さが第1の部分61のそれよりも浅くなってい
る。従って、p型エミッタ層6の第1の部分61及び第
3の部分63に隣接するn型ベ−ス層4の第2の部分4
2の縦方向の寸法L1,L3がL1≦L3の関係に設定
される。このためpエミッタ層の第3の部分63から注
入されたキャリアのうち再結合により消滅せずにn型ベ
ース層4の第1の部分41へ到達するものはp型エミッ
タ層6の第1の部分61からのそれよりも少なくなる。
従って、本構造によっても導通時の過剰キャリアが低減
されターンオフ損失を低減できる。さらに本実施例と前
述の実施例を併用、すなわち図4のp型エミッタ層6の
第3の部分63の不純物濃度を第1の部分61のそれよ
りも低くすることによりいっそうターンオフ損失の低減
効果が高まる。
向断面図である。この実施例ではp型エミッタ層6を第
1の部分61と表面における不純物濃度が同じで厚さの
小さい第3の部分とから構成した点が前述の実施例と異
なる。即ち、第3の部分63のアノード側主表面からの
接合深さが第1の部分61のそれよりも浅くなってい
る。従って、p型エミッタ層6の第1の部分61及び第
3の部分63に隣接するn型ベ−ス層4の第2の部分4
2の縦方向の寸法L1,L3がL1≦L3の関係に設定
される。このためpエミッタ層の第3の部分63から注
入されたキャリアのうち再結合により消滅せずにn型ベ
ース層4の第1の部分41へ到達するものはp型エミッ
タ層6の第1の部分61からのそれよりも少なくなる。
従って、本構造によっても導通時の過剰キャリアが低減
されターンオフ損失を低減できる。さらに本実施例と前
述の実施例を併用、すなわち図4のp型エミッタ層6の
第3の部分63の不純物濃度を第1の部分61のそれよ
りも低くすることによりいっそうターンオフ損失の低減
効果が高まる。
【0010】さて、図2並びに図4の実施例においては
p型エミッタ層6にキャリアの注入量が押えられた領域
を部分的に設けたこと自体に損失低減の効果があるわけ
であり、p型エミッタ層の第1,第2,第3の部分6
1,62,63、及び短絡層43の位置関係はこれらの
実施例に限定されるものではない。例えば、図5のよう
な構造でもよい。この実施例ではp型エミッタ層の第2
の部分が短絡層43に隣接して形成されている。
p型エミッタ層6にキャリアの注入量が押えられた領域
を部分的に設けたこと自体に損失低減の効果があるわけ
であり、p型エミッタ層の第1,第2,第3の部分6
1,62,63、及び短絡層43の位置関係はこれらの
実施例に限定されるものではない。例えば、図5のよう
な構造でもよい。この実施例ではp型エミッタ層の第2
の部分が短絡層43に隣接して形成されている。
【0011】本発明を実施したGTOのアノード側の製
造方法を図6と図7に示す。これらは図4に示した実施
例のGTOつにいて示したが、前述の各実施例について
適用できる。図6は熱拡散による製造方法である。まず
半導体基体1にあらかじめ形成されたn型バッファ層4
2に短絡層43とp型エミッタ層6の第1に部分61を
部分的に設けたあと、ホウ素などのp型不純物をアノー
ド側主表面全体にデポジションしてさらに適宜ドライブ
インを施すことによりp型エミッタ層6の第2の部分6
2を形成する。なお、p型エミッタ層6の第2の部分6
2を形成する場合のデポジションは選択的に施してもよ
い。一方、図7はエピタキシャル成長による製造方法で
ある。まずアノード側主表面全面にエピタキシャル成長
によりp型エミッタ層6の第2の部分62を形成する。
そのあと短絡層43とp型エミッタ層6の第1の部分6
1を部分的に設ける。
造方法を図6と図7に示す。これらは図4に示した実施
例のGTOつにいて示したが、前述の各実施例について
適用できる。図6は熱拡散による製造方法である。まず
半導体基体1にあらかじめ形成されたn型バッファ層4
2に短絡層43とp型エミッタ層6の第1に部分61を
部分的に設けたあと、ホウ素などのp型不純物をアノー
ド側主表面全体にデポジションしてさらに適宜ドライブ
インを施すことによりp型エミッタ層6の第2の部分6
2を形成する。なお、p型エミッタ層6の第2の部分6
2を形成する場合のデポジションは選択的に施してもよ
い。一方、図7はエピタキシャル成長による製造方法で
ある。まずアノード側主表面全面にエピタキシャル成長
によりp型エミッタ層6の第2の部分62を形成する。
そのあと短絡層43とp型エミッタ層6の第1の部分6
1を部分的に設ける。
【0012】本発明の別の実施例のGTOの縦方向断面
図を図8と図9に示す。図8の実施例ではアノード側の
キャリアの注入を抑制するためにショットキー接合10
0が部分的に設けられている。GTOをトリガーする場
合、導通状態になる前の低注入状態においてはショット
キー接合部分は熱平衡に近い状態なので電子のバリアと
して働く。従って、この部分は非短絡の状態となるので
pnipn構造としてもトリガゲート電流が増加しな
い。さらに、導通状態となってもショットキー接合部分
からはホールの注入はほとんど無いので過剰キャリアが
少なくなりターンオフ損失を低減できる。他方、図9の
実施例ではn型半導体層9が設けられているが、この半
導体層とアノード電極30は絶縁物200(例えば酸化
シリコン)によって非短絡になっているので、トリガゲ
ート電流が増加しない。さらにn型の半導体層なのでホ
ールは注入されず、ターンオフ損失も低減できる。ま
た、n型半導体層9は短絡層43と同じに形成できるの
で、従来とほとんど同一のプロセスで製作が可能であ
る。
図を図8と図9に示す。図8の実施例ではアノード側の
キャリアの注入を抑制するためにショットキー接合10
0が部分的に設けられている。GTOをトリガーする場
合、導通状態になる前の低注入状態においてはショット
キー接合部分は熱平衡に近い状態なので電子のバリアと
して働く。従って、この部分は非短絡の状態となるので
pnipn構造としてもトリガゲート電流が増加しな
い。さらに、導通状態となってもショットキー接合部分
からはホールの注入はほとんど無いので過剰キャリアが
少なくなりターンオフ損失を低減できる。他方、図9の
実施例ではn型半導体層9が設けられているが、この半
導体層とアノード電極30は絶縁物200(例えば酸化
シリコン)によって非短絡になっているので、トリガゲ
ート電流が増加しない。さらにn型の半導体層なのでホ
ールは注入されず、ターンオフ損失も低減できる。ま
た、n型半導体層9は短絡層43と同じに形成できるの
で、従来とほとんど同一のプロセスで製作が可能であ
る。
【0013】アノード側の平面構造は前記図3のものに
限定されない。他の平面構造を図10,図11並びに図
12に示す。各図ともn型エミッタ層2の輪郭のみ破線
で表した。いずれの平面構造においても図3の場合と同
様に、短絡層43は複数のn型エミッタ層2の間のゲー
ト電極20が設けられた領域をアノード側へ投影した領
域に形成して短絡抵抗の減少を防止している。図10で
は、p型エミッタ層6の第1の部分61と短絡層43は
細長い短冊状に形成され、p型エミッタ層6の第2の部
分62は第1の部分61と短絡層43を取り囲むように
設けられている。図11ではp型エミッタ層6の第1及
び第2の部分は図10と同じパターン構造であるが、短
絡層43が小孔状に形成されているので図10の場合よ
りもさらに短絡抵抗が小さくなりトリガゲート電流が低
減される。図12では、短絡層43は図3と同じく素子
全体でリング状に設けられているが、p型エミッタ層6
の第2の部分62の中に第1の部分61が小孔状に分散
させて形成されている。このようなパターンではn型エ
ミッタ層2とp型エミッタ層6のパターンのアラインメ
ントにあまり精度を要しないという利点がある。なお、
以上の平面構造は図8や図9の実施例とも併用が可能で
ある。その場合には、p型エミッタ層6の第2の部分6
2がショットキー接合または非短絡のn型半導体層に置
き換わった構造となる。
限定されない。他の平面構造を図10,図11並びに図
12に示す。各図ともn型エミッタ層2の輪郭のみ破線
で表した。いずれの平面構造においても図3の場合と同
様に、短絡層43は複数のn型エミッタ層2の間のゲー
ト電極20が設けられた領域をアノード側へ投影した領
域に形成して短絡抵抗の減少を防止している。図10で
は、p型エミッタ層6の第1の部分61と短絡層43は
細長い短冊状に形成され、p型エミッタ層6の第2の部
分62は第1の部分61と短絡層43を取り囲むように
設けられている。図11ではp型エミッタ層6の第1及
び第2の部分は図10と同じパターン構造であるが、短
絡層43が小孔状に形成されているので図10の場合よ
りもさらに短絡抵抗が小さくなりトリガゲート電流が低
減される。図12では、短絡層43は図3と同じく素子
全体でリング状に設けられているが、p型エミッタ層6
の第2の部分62の中に第1の部分61が小孔状に分散
させて形成されている。このようなパターンではn型エ
ミッタ層2とp型エミッタ層6のパターンのアラインメ
ントにあまり精度を要しないという利点がある。なお、
以上の平面構造は図8や図9の実施例とも併用が可能で
ある。その場合には、p型エミッタ層6の第2の部分6
2がショットキー接合または非短絡のn型半導体層に置
き換わった構造となる。
【0014】本発明のGTOは高耐圧でかつターンオフ
損失が低減されるので、これを応用した大容量の装置で
は効率が向上できる。高速のスイッチングを必要とする
図13に示したようなインバータ装置では特に効果が大
きい。但し、図13は主回路の一部を示し、GTOに並
列接続されるスナバ回路やフリーホイールダイオードは
省略してある。
損失が低減されるので、これを応用した大容量の装置で
は効率が向上できる。高速のスイッチングを必要とする
図13に示したようなインバータ装置では特に効果が大
きい。但し、図13は主回路の一部を示し、GTOに並
列接続されるスナバ回路やフリーホイールダイオードは
省略してある。
【0015】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば高
耐圧でかつ低損失のpnipn構造を有するアノード短
絡型GTOを得られる。
耐圧でかつ低損失のpnipn構造を有するアノード短
絡型GTOを得られる。
【図1】図1は本発明を実施したアノード短絡型GTO
のカソード側平面パターン。
のカソード側平面パターン。
【図2】図2は図1の切断線における断面図。
【図3】図3は実施例のアノード側の平面構造。
【図4】図4は他の実施例の縦方向断面図。
【図5】図5は他の実施例の縦方向断面図。
【図6】図6は本発明の製造方法。
【図7】図7は本発明の製造方法。
【図8】図8は本発明の他の実施例の縦方向断面図。
【図9】図9は本発明の他の実施例の縦方向断面図。
【図10】図10は本発明の他のアノード側の平面構
造。
造。
【図11】図11は本発明の他のアノード側の平面構
造。
造。
【図12】図12は本発明の他のアノード側の平面構
造。
造。
【図13】図13は本発明のGTOを応用したインバー
タ装置の主回路の一部分である。
タ装置の主回路の一部分である。
1…半導体基体、2…n型エミッタ層、3…p型ベース
層、4…n型ベース層、41…n型ベース層の第1の部
分、42…n型ベース層の第2の部分、43…n型ベー
ス層の第3の部分、6…p型エミッタ層、61…p型エ
ミッタ層の第1の部分、62…p型エミッタ層の第1の
部分、63…p型エミッタ層の第1の部分、9…n型半
導体層、10…カソード電極、20…ゲート電極、30
…アノード電極、100…ショットキー接合領域、20
0…絶縁物。
層、4…n型ベース層、41…n型ベース層の第1の部
分、42…n型ベース層の第2の部分、43…n型ベー
ス層の第3の部分、6…p型エミッタ層、61…p型エ
ミッタ層の第1の部分、62…p型エミッタ層の第1の
部分、63…p型エミッタ層の第1の部分、9…n型半
導体層、10…カソード電極、20…ゲート電極、30
…アノード電極、100…ショットキー接合領域、20
0…絶縁物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 秀男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平1−258476(JP,A)
Claims (8)
- 【請求項1】一対の主表面間に少なくともpnpn4層
を有し、中間のn層が中間のp層に隣接する第1の部分
と、第1の部分及び外側のp層に隣接し第1の部分より
高不純物濃度の第2の部分と、第2の部分及び一方の主
表面に隣接し第2の部分より高不純物濃度の第3の部分
とから成り、外側のp層が一方の主表面と中間のn層の
第2の部分に隣接し、第1の部分とそれより低不純物濃
度の第2の部分とから成る半導体基体、 半導体基体の一方の主表面において、外側のp層及び中
間のn層の第3の部分に接触するアノード電極、 半導体基体の他方の主表面において、外側のn層に接触
するカソード電極、 半導体基体の他方の主表面において、中間のp層に接触
し外側のn層を包囲するゲート電極を有し、 外側のp層の第1の部分の厚さが外側のp層の第2の部
分のそれより大きい ことを特徴とするゲートターンオフ
サイリスタ。 - 【請求項2】請求項1において、半導体基体が円形状を
有し、外側のn層が多数個の細長い形状に分割され、そ
れぞれは他方の主表面において長手方向を放射状にして
多重リング状に配置され、外側のp層の第1の部分及び
第2の部分がリング状で外側のn層の各リングを他方の
主表面に投影したときそれと重なるように配置されてい
ることを特徴とするゲートターンオフサイリスタ。 - 【請求項3】一対の主表面間に少なくともpnpn4層
を有し、中間のn層が中間のp層に隣接する第1の部分
と、第1の部分及び外側のp層に隣接し第1の部分より
高不純物濃度の第2の部分とから成り、外側のp層が一
方の主表面と中間のn層の第2の部分に隣接し、第1の
部分とそれより低不純物濃度の第2の部分とから成る半
導体基体、 半導体基体の一方の主表面において、外側のp層及び中
間のn層の第2の部分に接触するアノード電極、 半導体基体の他方の主表面において、外側のn層に接触
するカソード電極、 半導体基体の他方の主表面において、中間のp層に接触
し外側のn層を包囲するゲート電極を有し、 外側のp層の第1の部分の厚さが外側のp層の第2の部
分のそれより大きい ことを特徴とするゲートターンオフ
サイリスタ。 - 【請求項4】請求項3において、半導体基体が円形状を
有し、外側のn層が多数個の細長い形状に分割され、そ
れぞれは他方の主表面において長手方向を放射状にして
多重リング状に配置され、外側のp層の第1の部分及び
第2の部分がリング状で外側のn層の各リングを他方の
主表面に投影したときそれと重なるように配置されてい
ることを特徴とするゲートターンオフサイリスタ。 - 【請求項5】一対の主表面間に少なくともpnpn4層
を有し、中間のn層が中間のp層に隣接する第1の部分
と、第1の部分及び外側のp層に隣接し第1の部分より
高不純物濃度の第2の部分とから成り、外側のp層が一
方の主表面と中間のn層の第2の部分に隣接し、第1の
部分とそれより厚さの小さい第2の部分とから成る半導
体基体、 半導体基体の一方の主表面において、外側のp層及び中
間のn層の第2の部分に接触するアノード電極、 半導体基体の他方の主表面において、外側のn層に接触
するカソード電極、 半導体基体の他方の主表面において、中間のp層に接触
し外側のn層を包囲するゲート電極を有することを特徴
とするゲートターンオフサイリスタ。 - 【請求項6】請求項5において、外側のp層の第1の部
分と第2の部分の一方の主表面における不純物濃度が略
同一であることを特徴とするゲートターンオフサイリス
タ。 - 【請求項7】請求項5または6において、中間のn層の
第2の部分のアノード電極に接触する個所に中間のn層
の第2の部分より高不純物濃度の第3の部分を設けたこ
とを特徴とするゲートターンオフサイリスタ。 - 【請求項8】請求項5,6または7において、半導体基
体が円形状を有し、外側のn層が多数個の細長い形状に
分割され、それぞれは他方の主表面において長手方向を
放射状にして多重リング状に配置され、外側のp層の第
1の部分及び第2の部分がリング状で外側のn層の各リ
ングを他方の主表面に投影したときそれと重なるように
配置されていることを特徴とするゲートターンオフサイ
リスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3052150A JP2630088B2 (ja) | 1991-03-18 | 1991-03-18 | ゲートターンオフサイリスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3052150A JP2630088B2 (ja) | 1991-03-18 | 1991-03-18 | ゲートターンオフサイリスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04287373A JPH04287373A (ja) | 1992-10-12 |
JP2630088B2 true JP2630088B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=12906838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3052150A Expired - Lifetime JP2630088B2 (ja) | 1991-03-18 | 1991-03-18 | ゲートターンオフサイリスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2630088B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5460247B2 (ja) * | 2009-11-10 | 2014-04-02 | 新電元工業株式会社 | サイリスタ |
JP5462595B2 (ja) * | 2009-11-11 | 2014-04-02 | 新電元工業株式会社 | サイリスタ |
JP5518440B2 (ja) * | 2009-11-18 | 2014-06-11 | 新電元工業株式会社 | サイリスタ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0642542B2 (ja) * | 1988-04-08 | 1994-06-01 | 株式会社東芝 | 高耐圧半導体装置の製造方法 |
-
1991
- 1991-03-18 JP JP3052150A patent/JP2630088B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04287373A (ja) | 1992-10-12 |
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