JP2722857B2 - レンズ板の製作方法 - Google Patents

レンズ板の製作方法

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JP2722857B2
JP2722857B2 JP12663591A JP12663591A JP2722857B2 JP 2722857 B2 JP2722857 B2 JP 2722857B2 JP 12663591 A JP12663591 A JP 12663591A JP 12663591 A JP12663591 A JP 12663591A JP 2722857 B2 JP2722857 B2 JP 2722857B2
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lens
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plate
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誠 岩原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光カード等に用いられる
レンズ板の製作方法で関する。
【0002】
【従来の技術】近年になって銀行カード、クレジット・
カード、身分証明カード、メモリ・カード、その他、各
種用途のカードが広く実用されていることは周知のとお
りである。前記のように広く社会に普及しているクレジ
ット・カード等と同様な形状寸法の矩形のカードに、光
学的な記録材料層を備えさせて、カードを所謂光カード
として各種情報の記録媒体として利用することについて
の試みも行われるようになったが、例えば広く社会に普
及しているクレジット・カード等と同様な形状寸法の矩
形のカードに、所定の閾値以下の光強度の光の長時間の
照射によっても記録されることがなく、また、前記した
所定の閾値以上の光強度の光の照射によって記録が行わ
れるような記録材料により2次元的な拡がりを有する記
録層を設けて構成した光カードは、記録層に対する情報
信号の記録動作時と、記録層からの情報信号の再生動作
時とに記録層と記録再生素子とを相対的に直線的に往復
運動させるための変位駆動機構が、円盤状の情報記録媒
体(ディスク)の記録再生装置におけるディスクの回転駆
動機構に比べて構造が複雑な上に、動作に際して運動エ
ネルギの損失や振動が多いという欠点が指摘されてはい
るが、広く社会に普及しているクレジット・カード等と
同様な形状寸法の矩形のカードには、世間一般のなじみ
があり、また、一枚の光カードには約2メガ・バイトの
情報の記録が可能であるということから各種の用途での
利用が有望視されており、例えば米国のドレクスラ・テ
クノロジー社から前記のような光カードの一例構成のも
のが発表されている。
【0003】前記した米国のドレクスラ・テクノロジー
社の光カードは、カードの記録面に予め設定された記録
領域の一方の端部にクロック・トラックが予め記録形成
されているとともに、他方の端部にトラッキング制御用
の情報として連続した直線状の溝によるトラッキング制
御用トラックが予め記録形成されていて、前記したクロ
ック・トラックとトラッキング制御用トラックとの間の
部分に情報信号のトラックが記録形成されるようになさ
れていて、光カードにおける情報信号のトラックに記録
の対象にされている情報信号を記録する際には、記録再
生装置における光源から放射されたレーザ光をコリメー
タレンズにより平行光にして回折格子に入射させて、前
記の回折格子から出射した3本の光束を集光レンズに入
射させ、集光レンズでは前記した3本の光束を集束し
て、光カードにおける記録領域のクロック・トラックに
微小な径の光点として結像させ、また、トラッキング制
御用トラックに微小な径の光点を結像させ、さらに、情
報信号のトラックに記録の対象にされている情報信号に
よって強度変調されている微小な径の光点を結像させて
光カードと前記した光点とが相対的に変位駆動されるよ
うにして、光カードにおける順次の記録領域における情
報信号のトラックに、記録対象の情報信号によって強度
変調されている微小な径の光点により情報信号が記録さ
れるようにしている。
【0004】すなわち、光カードは所定の閾値以下の光
強度の光の長時間の照射によっても記録されることがな
く、前記した所定の閾値以上の光強度の光の照射によっ
て記録が行われるような記録材料による2次元的な拡が
りを有する記録層を備えており、記録動作時に情報信号
のトラックに対して、前記した所定の閾値以上の光強度
の光を情報信号によって強度変調して照射することによ
り微小な径の光点Siにより記録の対象にされている情
報信号が記録層に記録されることになる。また、光カー
ドからの情報信号の再生動作は、光カードにおける記録
層に記録が行われないように、所定の閾値以下で一定の
光強度の3本の光束を集光レンズに入射させて、記録領
域におけるクロック・トラックに微小な径の光点を結像
させ、また、トラッキング制御用トラックに微小な径の
光点を結像させて、前記した光カードと前記した光点と
を相対的に変位駆動し、前記した光点からの反射光を光
検出器に与えることによって行う。ところで、光カード
に多くの情報量の情報信号の記録を行うようにした場合
には、当然のことながら情報信号のトラックのトラック
・ピッチは小さなものになるが、広く一般に使用される
ことが前提になされる光カードや光カードの記録再生装
置についてみると、光カードや光カードの記録再生装置
における機械的な精度を上げて高密度記録に対応するこ
とは価格の面からも実施することができず、そのために
既述した従来例においてもトラッキング制御等の手段を
適用して高密度記録再生を行えるようにしている。しか
しながら、既述した従来の光カードでは記録領域の全体
が情報信号の記録のために使用されるのではなく、各記
録領域には情報信号のトラックの他にクロック・トラッ
クと、トラッキング制御用トラックとが設けられている
ために、面積当りの記録容量が減少されていたので、ト
ラッキング制御用(ならびにフォーカシング制御用)トラ
ックなどが不要で、高密度記録の可能な光カードの出現
が待望された。
【0005】前記の問題点が解決できる光カードとし
て、本出願人会社では先に特開平2ー66724号公報
及び特開平2ー68720号公報に開示されたような光
カードLACを提案している。図10及び図12は前記
した特開平2ー66724号公報によって開示された光
カードLACの構成例を示す斜視図と動作説明用の側断
面図であり、また図11(及び図12)は前記した特開
平2ー68720号公報によって開示された光カードL
ACの構成例を示す斜視図と動作説明用の側断面図であ
る。図10に例示してある光カードLACは微小な複数
の凸レンズを所定の配列態様で2次元的に配列して構成
させた凸レンズ板FELと、前記の凸レンズ板FELを
構成している個々の凸レンズと個別に対応する記録再生
領域が形成される記録層RMLと、前記した記録層RM
Lにおける前記の個々の記録再生領域をそれぞれ2次元
的に分割してそれぞれ個別な情報が記録再生されるべく
設定した予め定められた個数の単位の記録再生領域の個
々のものは、前記の凸レンズの光軸に対してそれぞれ異
なる予め定められた角度から凸レンズを通して見たとき
に、それぞれ特定な1個の単位の記録再生領域だけが凸
レンズにより拡大されて見えるように前記した凸レンズ
板FELにおける各凸レンズの焦点面付近に記録層RM
Lを位置させた構成態様のものである。
【0006】また、図11に例示してある光カードLA
Cは微小な幅のシリンドリカル凸レンズを並列に密接配
置してなるシリンドリカル凸レンズ板CLAと、前記の
シリンドリカル凸レンズ板CLAを構成している個々の
シリンドリカル凸レンズと個別に対応する個々の記録再
生領域が形成される記録層RMLと、前記した記録層R
MLにおける前記の個々の記録再生領域をそれぞれ2次
元的に分割してそれぞれ個別な情報が記録再生されるべ
く設定した予め定められた個数の単位の記録再生領域の
個々のものにおいてシリンドリカル凸レンズの円筒軸に
平行なそれぞれ個別な一つの直線上に並ぶ各一群の単位
の記録再生領域は、それをシリンドリカル凸レンズの光
軸に対してそれぞれ異なる予め定められた角度からシリ
ンドリカル凸レンズを通して見たときに、それぞれ特定
な一群の単位の記録再生領域だけがシリンドリカル凸レ
ンズにより拡大されたものとして見えるように、前記し
たシリンドリカル凸レンズ板CLAにおける各シリンド
リカル凸レンズの焦点面付近に記録層RMLを位置させ
た構成態様のものである。
【0007】図10及び図11に示してある光カードL
ACにおいて、基板BPは保護層1と基材2との積層構
成からなり、また、記録層RMLは所定の閾値以下の光
強度の光の長時間の照射によっても記録されることがな
く、前記した所定の閾値以上の光強度の光の照射によっ
て記録が行われるような記録材料の2次元的な拡がりに
よって形成されているものとして示されている。そし
て、前記の記録層RMLとしては、例えば、銀塩パター
ン層(クラスト層)4と下層のゼラチン層3との2層構造
として、情報信号の記録のために閾値の光強度以上の光
を光カード1に入射させたときに、その光の熱で光カー
ドLACに設けられている凸レンズ板FELの凸レンズ
の焦点面に設けられている銀粒子を含む有機物コロイド
状(ゼラチン)の銀塩パターン層4の銀粒子を下層のゼラ
チン層3に溶け込ませてピットを形成させて、情報信号
と対応する記録が記録層に行われるような構成形態の記
録層RMLが使用されているとして説明されている。図
11における60は保護膜である。
【0008】前記のように構成された光カードLACに
おける記録層RMLに対して、所要の情報の記録(書込
み)を行うのには、例えば特開平2ー66724公報,
特開平2ー68720公報の各第8図に示されているよ
うな構成の光カードの記録再生装置を用いて行なうこと
ができる。図12は図示されていない記録再生構体から
図10に示されているような構成の凸レンズ板FELを
備えている光カードLACに設けられている凸レンズ板
FELの1個の凸レンズの形状及び寸法と略々等しい断
面形状及び断面寸法の平行光束を凸レンズ板FELにお
ける1個の凸レンズに入射させる場合に、その凸レンズ
に対する入射光の入射方向をそれぞれ特定な方向となる
ように変化させることによって、その光が入射されてい
る凸レンズと対応している記録再生領域中に結像される
光点の位置を記録再生領域中のそれぞれ特定な位置とす
ることができる、ということを図示説明しているととも
に、図示されていない記録再生構体から図11に示され
ているような構成のシリンドリカル凸レンズ板CLAを
備えている光カードLACに設けられているシリンドリ
カル凸レンズ板CLAの1個のシリンドリカル凸レンズ
の形状及び寸法と略々等しい断面形状及び断面寸法の平
行光束をシリンドリカル凸レンズ板CLAにおける1個
のシリンドリカル凸レンズに入射させる場合に、そのシ
リンドリカル凸レンズに対する入射光の入射方向をそれ
ぞれ特定な方向となるように変化させることによって、
その光が入射されているシリンドリカル凸レンズと対応
している記録再生領域中に結像される光点の位置を記録
再生領域中のそれぞれ特定な位置とすることができる、
ということを図示説明しているものである。
【0009】すなわち、図12では記録再生構体のレン
ズ5から凸レンズ板FEL(またはシリンドリカル凸レ
ンズ板CLA)における1個の凸レンズ(または1個の
シリンドリカル凸レンズ)の形状及び寸法と略々等しい
断面形状及び断面寸法の平行光束が光カードLACに設
けられている凸レンズ板FEL(またはシリンドリカル
凸レンズ板CLA)における1個の凸レンズLα(また
はシリンドリカル凸レンズLα)に入射されるようにな
されている場合に、記録再生構体から凸レンズ板FEL
(またはシリンドリカル凸レンズ板CLA)における1
個の凸レンズLα(または1個のシリンドリカル凸レン
ズ)に入射させる光の方向を図12中のP1,P2,P3の
ように変化させた場合に、前記したP1,P2,P3のよう
な各方向の入射光は、前記した凸レンズLα(または1
個のシリンドリカル凸レンズ)と対応している記録再生
領域中におけるそれぞれ異なる位置に光点Sα1,光点S
α2,光点Sα3が生じることを示している。
【0010】図12を参照して説明したように記録再生
構体から光カードLACに設けられている凸レンズ板F
ELにおける順次の1個の凸レンズに入射させる光の方
向をそれぞれ特定な方向にして、凸レンズ板FELにお
ける各凸レンズにそれぞれ対応している各記録再生領域
を2次元的に分割して、前記の各記録再生領域にそれぞ
れ対応している各記録再生領域に予め定められた個数の
単位の記録再生領域にそれぞれ記録された情報を、前記
した単位の記録再生領域に情報信号を記録する際に凸レ
ンズに入射させた光の入射方向と同じ入射方向で、か
つ、前記した単位の記録再生領域に情報信号を記録する
際に凸レンズに入射させた光と同じ断面積の光を凸レン
ズに入射させて得られる反射光によって読出すようにす
ると、読出される記録情報は1つの凸レンズと対応して
いる記録再生領域に設定された複数の単位の記録再生領
域の内の特定な1個が凸レンズの大きさに拡大されたも
のとして読出される。
【0011】また、図12を参照して説明したように記
録再生構体から光カードLACに設けられているシリン
ドリカル凸レンズ板CLAにおける順次の1個のシリン
ドリカル凸レンズに入射させる光の方向をそれぞれ特定
な方向にして、シリンドリカル凸レンズ板CLAにおけ
る各シリンドリカル凸レンズにそれぞれ対応している各
記録再生領域を2次元的に分割して、前記の各記録再生
領域にそれぞれ対応している各記録再生領域に予め定め
られた個数の単位の記録再生領域にそれぞれ記録された
情報を、前記した単位の記録再生領域に情報信号を記録
する際にシリンドリカル凸レンズに入射させた光の入射
方向と同じ入射方向で、かつ、前記した単位の記録再生
領域に情報信号を記録する際にシリンドリカル凸レンズ
に入射させた光と同じ断面積の光をシリンドリカル凸レ
ンズに入射させて得られる反射光によって読出すように
すると、読出される記録情報は1つのシリンドリカル凸
レンズと対応している記録再生領域に設定された複数の
単位の記録再生領域の内の特定な1個がシリンドリカル
凸レンズの幅に拡大されたものとして読出されることに
なる。したがって、前記のように1つの凸レンズまたは
シリンドリカル凸レンズと対応している記録再生領域に
設定された複数の単位の記録再生領域にそれぞれ記録さ
れている情報信号は、前記したそれぞれの情報信号の記
録時に使用された光と同一の方向及び同一の断面形状寸
法の光を凸レンズまたはシリンドリカル凸レンズに入射
させることによって記録層RMLで生じる反射光によ
り、凸レンズと同じ大きさまたはシリンドリカル凸レン
ズと同じ幅のものとして得られる。このように図10
(または図11)に示されている光カードLACは、所
定の閾値以下の光強度の光の長時間の照射によっても記
録されるようなことがなく、前記した所定の閾値以上の
光強度の光の照射によって記録が行われるような記録材
料の2次元的な拡がりによって形成させた記録層RML
と、前記した記録層RMLの片面に微小な複数の凸レン
ズを所定の配列態様で2次元的に配列して構成させた凸
レンズ板FEL(または記録層RMLの片面に微小な幅
の複数のシリンドリカル凸レンズを所定の配列態様で2
次元的に配列して構成させたシリンドリカル凸レンズ板
CLA)と、前記の凸レンズ板FELを構成している個
々の凸レンズ(または前記のシリンドリカル凸レンズ板
CLAを構成している個々のシリンドリカル凸レンズ)
と個別に対応して前記した記録層RMLへ形成される個
々の記録再生領域の中に、前記した個々の記録再生領域
を2次元的に分割して予め定められた個数の単位の記録
再生領域を設定し、それぞれ個別な情報が記録再生され
るべき前記した単位の記録再生領域の個々のものは凸レ
ンズ(またはシリンドリカル凸レンズ)の光軸に対して
それぞれ異なる予め定められた角度から凸レンズ(また
はシリンドリカル凸レンズ)を通して見たときに、それ
ぞれ特定な1個の単位の記録再生領域だけが凸レンズと
同じ大きさ(またはシリンドリカル凸レンズの幅と同じ
大きさ)のものとして見えるように、前記した凸レンズ
板(またはシリンドリカル凸レンズ板CLA)における各
凸レンズ(またはシリンドリカル凸レンズ)の焦点面に記
録層を位置させてなる凸レンズ板FEL(またはシリン
ドリカル凸レンズ板CLA)と記録層RMLとの対より
なる構成部分が少なくとも一部に設けられている光カー
ドであるために、凸レンズ板FEL(またはシリンドリ
カル凸レンズ板CLA)を構成している各1個毎の凸レ
ンズ(またはシリンドリカル凸レンズ)にそれぞれ対応し
ている記録再生領域が複数の単位の記録再生領域の集ま
りから構成されたものとなるように2次元的に分割し
て、それぞれの単位の記録再生領域でそれぞれ異なる情
報信号の記録再生が行なわれるので高密度記録再生が行
なわれ、また、再生は前記した単位の記録再生領域の情
報信号が凸レンズの大きさ(幅)に迄拡大されて読出さ
れるので、自動トラッキング制御の手段を用いなくても
高密度記録再生を容易に行なうことができ、さらに、記
録再生は平行な光によって行なわれるので自動フォーカ
ス制御の無い簡単な機構の記録再生装置で情報信号の記
録再生を実施できるのであり、さらにまた、レンズ板F
EL(またはシリンドリカル凸レンズ板CLA)と記録
層RMLとの組合せ構成の記録部材が用いられているの
で、例えば特開平2-66724号公報の第7図または
特開平2-68720号公報の第8図に例示されている
ようなXYZプロッタを使用すれば、光カードLACに
おける記録層RMLへ簡単に立体画像情報を記録し再生
することもできる。
【0012】図10及び図11を参照して説明した既提
案の光カードでは前記のように自動トラッキング制御の
手段を用いなくても高密度記録再生が容易に行なうこと
ができ、また、記録再生は平行な光によって行なわれる
ので自動フォーカス制御の無い簡単な機構の記録再生装
置で情報信号の高密度記録再生が容易にできる等の優れ
た利点を有する。しかし、図10及び図11を参照して
説明した既提案の光カードでは、凸レンズ板FELを構
成している個々の凸レンズ(またはシリンドリカル凸レ
ンズ板CLAを構成している個々のシリンドリカル凸レ
ンズ)の収差によって、凸レンズ板FELを構成してい
る個々の凸レンズ(またはシリンドリカル凸レンズ板C
LAを構成している個々のシリンドリカル凸レンズ)へ
の入射光が、前記の凸レンズ(またはシリンドリカル凸
レンズ)の光軸に平行な光Paの場合に、記録層RML
に記録形成されるピットの大きさPapに比べて、凸レ
ンズ(またはシリンドリカル凸レンズ)の光軸に平行でな
い光Pbの場合に記録層RMLに記録形成されるピット
の大きさPbpの方が大きくなるので、記録再生領域中
に形成させるべき単位の記録再生領域の個数が多くでき
ないことが生じ、結果としてより一層の高密度記録再生
を行なうことのできる光カードの実現に支障を与えてい
た。そして、前記の問題点は凸レンズ(またはシリンド
リカル凸レンズ)が非球面レンズの場合であっても同様
に生じる。前記した光Pa,Pb,ピットPap,Pb
p等は、後述の説明に使用される図15中にも示されて
いるので、それを参照されるとよい。
【0013】前記の問題点の解決のために、本出願人会
社では凸レンズ板FELを構成している個々の凸レンズ
(またはシリンドリカル凸レンズ板CLAを構成してい
る個々のシリンドリカル凸レンズ)における曲率中心付
近に、図15に示されている光学的な絞りI(またはス
リットI)を設けて、レンズの曲面に対して大きく斜入
射する光を記録層RMLに到達させないようにすること
により、どの方向から入射する光についても球面収差が
小さくなるように収差が改善されるようにして、記録層
RLMに径の小さなピットを記録形成させて、より一層
高密度記録の可能な光カードを提供できるようにした。
すなわち、凸レンズ板FELを構成している個々の凸レ
ンズにおける曲率中心付近に、図15に示されている光
学的な絞りIを設けて、レンズの曲面に対して大きく斜
入射する光を記録層RMLに到達させないようして、ど
の方向から入射する光についても球面収差が小さくなる
ように収差が改善されるようにした光カードLACの構
成例が図13に例示されており、また、シリンドリカル
凸レンズ板CLAを構成している個々のシリンドリカル
凸レンズにおける円筒軸付近に図15に示されているス
リットIを設けて、レンズの曲面に対して大きく斜入射
する光を記録層RMLに到達させないようにすることに
より、斜に入射する光についても球面収差が小さくなる
ように収差が改善されるようにした光カードLACの構
成例が図14に例示されているが、前記した図13及び
図14に示されている光カードLACにおける絞りIや
スリットIは、光学的な絞りの形成板IPをレンズ板中
に設けることによって形成させていた。図14において
60は保護膜であり、図15においてRはレンズの曲面
の曲率半径、FPは焦点面、θ1は光線の方向とレンズ
面とのなす角である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記したような光カー
ドは多量生産されることが必要とされるが、そのために
は前記のように凸レンズ板FELを構成している個々の
凸レンズにおける曲率中心付近、またはシリンドリカル
凸レンズ板CLAを構成している個々のシリンドリカル
凸レンズにおける円筒軸付近に、それぞれ絞りIやスリ
ットIが形成されるようにするための光学的な絞りの形
成板IPを設けてある構成態様の凸レンズ板FELやシ
リンドリカル凸レンズ板CLA等のレンズ板が多量生産
されることが必要とされるために、前記のような構成態
様を備えているレンズ板を容易に製作することのできる
製作方法が求められた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は複数の凸レンズ
を所定の配列態様で2次元的に配列して構成させた凸レ
ンズ板における個々の凸レンズの結像領域をそれぞれ2
次元的に分割して、それぞれ個別な情報が結像されるよ
うに設定した予め定められた個数の単位の結像領域の個
々のものが、前記の凸レンズの光軸に対してそれぞれ異
なる予め定められた角度から凸レンズを通して見たとき
に、それぞれ特定な1個の単位の結像領域だけが凸レン
ズにより拡大されて見えるようになされている凸レンズ
板における各凸レンズの曲率中心付近に開口中心を有す
る如き絞りを設けてなるレンズ板を製作するのに、一方
の面に所定の配列態様で2次元的に配列されている各凸
レンズの曲面が形成されているとともに、他方の面にお
ける前記した各凸レンズの曲率中心付近に形成させる絞
りの開口部以外の部分に遮光材料の塗付面を形成させた
レンズ板半体の素材を得る工程と、前記したレンズ板半
体の素材における遮光材料の塗付面に遮光材料を塗付し
て一方のレンズ板半体を得る工程と、前記した一方のレ
ンズ板半体における絞りが形成されている方の面に、前
記した一方のレンズ板半体と一体化されることによりレ
ンズ板を構成させる他方のレンズ板半体を形成させる工
程とからなるレンズ板の製作方法、及びシリンドリカル
凸レンズを並列に密接配置してなるシリンドリカル凸レ
ンズ板における個々のシリンドリカル凸レンズの結像領
域を、前記のシリンドリカル凸レンズの円筒軸に平行な
それぞれ個別な一つの直線上に並ぶ各一群の単位の結像
面として2次元的に分割し、それぞれ個別な情報が結像
されるように設定した予め定められた個数の単位の結像
領域の個々のものが、前記のシリンドリカル凸レンズの
光軸に対してそれぞれ異なる予め定められた角度からシ
リンドリカル凸レンズを通して見たときに、それぞれ特
定な一群の単位の結像面だけがシリンドリカル凸レンズ
により拡大されたものとして見えるようになされている
シリンドリカル凸レンズ板における各シリンドリカル凸
レンズの円筒軸付近に開口の中心を有するスリットを設
けてなるレンズ板を製作するのに、一方の面に所定の配
列態様で2次元的に配列されている各シリンドリカル凸
レンズの曲面が形成されているとともに、他方の面にお
ける前記した各シリンドリカル凸レンズの円筒軸付近に
開口の中心を有するようにして形成させたスリット以外
の部分に遮光材料の塗付面を形成させてあるレンズ板半
体の素材を得る工程と、前記したレンズ板半体の素材に
おける遮光材料の塗付面に遮光材料を塗付して一方のレ
ンズ板半体を得る工程と、前記した一方のレンズ板半体
における遮光材料の塗付面が形成されている方の面に、
前記した一方のレンズ板半体と一体化されることにより
レンズ板を構成させる他方のレンズ板半体を形成させる
工程とからなるレンズ板の製作方法、ならびに一体化に
よりレンズ板を構成させうる2つのレンズ板半体の内の
一方のレンズ板半体における片面にレンズの曲面形状を
形成させるために使用される第1の成形用型と、前記し
た一方のレンズ板半体の他方の片面に遮光材料の塗付面
を形成させるために使用される第2の成形用型とを同一
の原型から製作したものを用いるレンズ板の製作方法、
一体化によりレンズ板を構成させうる2つのレンズ板半
体の内の一方のレンズ板半体における片面にレンズの曲
面形状を形成させるために使用される第1の成形用型と
して、レンズ板を構成している複数のレンズの所定の配
列態様に対応している凸曲面形状を有する第1の成形用
型を用い、また、前記した一方のレンズ板半体の他方の
片面に遮光材料の塗付面を形成させるために使用される
第2の成形用型として、前記のレンズ板における複数の
レンズの所定の配列態様に対応している凹曲面形状を有
する第2の成形用型を用いるようにしたレンズ板の製作
方法を提供する。
【0016】
【作用】一体化によりレンズ板を構成させうる2つのレ
ンズ板半体の内の一方のレンズ板半体における片面にレ
ンズの曲面形状を形成させるために使用される第1の成
形用型を用いて、一方の面に所定の配列態様で2次元的
に配列されている各凸レンズの曲面(または各シリンド
リカル凸レンズの曲面)を形成させるとともに、前記し
た一方のレンズ板半体の他方の片面に遮光材料の塗付面
を形成させるために使用される第2の成形用型を用い
て、前記した各凸レンズの曲率中心付近(各シリンドリ
カル凸レンズの円筒軸付近)に形成させる絞りの開口部
以外の部分に遮光材料の塗付面を形成させたレンズ板半
体の素材における遮光材料の塗付面に遮光材料を塗付し
て一方のレンズ板半体を作る。次に、前記した一方のレ
ンズ板半体における絞りが形成されている方の面に、前
記した一方のレンズ板半体と一体化されることによりレ
ンズ板を構成させうる他方のレンズ板半体を形成させて
レンズ板を作る。
【0017】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明のレンズ板
の製作方法の具体的な内容について詳細に説明する。図
1乃至図7はそれぞれ本発明のレンズ板の製作方法の各
実施例の工程の概要を説明するための図であり、また、
図8は問題点の説明に使用される図、図9は本発明のレ
ンズ板の製作方法に用いられる原型の製作工程の概略、
ならびにレンズ板の製作の過程を説明するために用いら
れる図である。まず図9に示されている概略工程図を参
照して本発明のレンズ板の製作方法に用いられる成形用
型の原型の製作例を、製作の対象にされているレンズ板
が凸レンズ板FEL(蠅の目レンズ板)の場合における
成形用型の原型を製作する方法の一例について説明す
る。なお、レンズ板がシリンドリカル凸レンズ板CLA
(レンチキュラー板)の場合のレンズ板の製作方法で用
いられる成形用型の原型の製作に際しては、図9につい
ての説明中における球体S,S…の代わりに円柱に置換
えればよい。図9の(a)において5はプレス機であ
り、5aはプレス機の基板、56は塑性を有する材料層
であり、プレス機5の基板5a上に置かれた塑性を有す
る材料層56上には同一の大きさの多数の球体S,S…
が所定の配列態様で2次元的に配列される。図9の
(a)には多数の球体S,S…が平板状の基板5a上に
塑性を有する材料56を介して同一の大きさを有する多
数の球体S,S…が互に接触している状態で2次元的に
配列されている場合の構成例が示されているが、前記し
た多数の球体S,S…を基板5a上に2次元的に配列さ
せるのには、例えば、多数の球体S,S…の個々のもの
が配置されるべき基板5aにおけるそれぞれの位置毎
に、予め凹部または小孔を設けておいて、前記した多数
の球体S,S…における個々のものが、前記した凹部や
小孔の部分に容易に配置できるようにした場合には、平
板状の基板5a上に多数の球体S,S…における個々の
ものを互に所定の間隔を隔てて所定の配列パターンとな
るように2次元的に配列させることも容易となる他、基
板上に配列する多数の球体S,S…の個々のものの大き
さに多少の誤差があっても配列パターンに乱れを生じさ
せない等の利点が得られる。
【0018】図9の(a)において5aは基板であり、
56は熱可塑性樹脂材21の軟化温度以上の温度におい
ても塑性を有する材料であって、前記の熱可塑性樹脂材
21の軟化温度以上の温度においても塑性を有する材料
56の層の上に、熱可塑性樹脂材21の軟化温度以上の
温度においても剛性を有する材料を用いて構成されてい
る同一の大きさを有する多数の球体S,S…を2次元的
に所定の配列態様に配列させてある。7はプレス機5の
加圧板であり、前記の加圧板7と基板5aとに圧力8,
9を加えると、前記した熱可塑性樹脂材21の軟化温度
以上の温度においても塑性を有する材料56が、多数の
球体S,S…と基板5aとの間の隙間に圧入されて行
く。前記した熱可塑性樹脂材21の軟化温度以上の温度
においても塑性を有する材料56の量を適当に設定して
おくことにより、前記した多数の球体S,S…と基板5
aとの間の隙間が、図9の(b)のように前記した熱可
塑性樹脂材21の軟化温度以上の温度においても塑性を
有する材料56によって良好に充填されている状態にす
ることができる。
【0019】図9の(c)において多数の球体S,S…
の片面側に、軟化温度以上の温度に加熱したレンズ板の
母盤用の熱可塑性樹脂材21を載置した後に加圧板7と
基板5aとに圧力8,9を加えて、前記した軟化温度以
上の温度に加熱されているレンズ板の母盤用の熱可塑性
樹脂材21を、前記した球体Sにおける略々半分の部分
までレンズ板の母盤用の熱可塑性樹脂材21中に埋まる
状態となるように圧着させると、前記した熱可塑性樹脂
材21の面に前記した多数の球体S,S…による凹部
α,α…が形成されてレンズ板の母盤MOが得られる{図
9の(d)参照}。図9の(d)に示されているように球
体S,S…の球面の一部と対応する形状の凹みα,α…
が形成されている熱可塑性樹脂材21aよりなるレンズ
板の母盤MOに無電界メッキ層(10)をつけた後に、電
鋳法で金属層11によるレンズ板のマスタ盤MA{図9
の(e)参照}を作り、またレンズ板のマスタ盤MAから
電鋳法により金属層13によるレンズ板のスタンパST
{図9の(f)参照}を構成させたり、あるいはレンズ板の
母盤MOの凹みα,α…が形成されている面に離型材層
(10)を設けた後に、前記の面の状態が転写された状態
の樹脂製のレンズ板のマスタ盤MA{図9の(f)参照}を
作り、次に前記の樹脂製のレンズ板のマスタ盤MAの面
に無電界メッキ層(12)を設けた後に、電鋳法の適用に
より金属層13によるレンズ板のスタンパST{図9の
(f)参照}を構成させるようにし、前記の金属層13に
よるレンズ板のスタンパSTをマスタ盤MAから剥離し
た後に、必要に応じてその表面に例えばクロムのような
硬い金属層(または離型材の層)を付着形成させてレンズ
板のスタンパST(レンズ板成形型)を得る。
【0020】図9の(g)において前記したレンズ板の
スタンパSTは接着材14によって加圧部材16に固着
されて、前記した加圧部材16と一体的にプレス機の下
型を構成する。18は蠅の目レンズ板の材料として用い
られる透明な熱可塑性樹脂材であり、また、17はプレ
ス機の上型である。そして、前記したプレス機の下型と
上型との間にレンズ板の材料として用いられる透明な熱
可塑性樹脂材18を加熱して挟着し、前記した上型と下
型との間に所定の圧力19,20を加えると、レンズ板
のスタンパSTにおける面の形状が、レンズ板の材料と
して用いられる透明な熱可塑性樹脂材18に転写されて
透明な熱可塑性樹脂材18はレンズ板に成形される。図
中において15は離型材層である。
【0021】図9を参照して説明した本発明のレンズ板
の製作方法に用いられる原型の製作工程の概略、ならび
にレンズ板の製作の過程より明らかなように、本発明の
レンズ板の製作方法に用いられる成形用型の原型は、製
作の対象にされているレンズ板が凸レンズ板FEL(蠅
の目レンズ板)の場合には多数の球体の2次元的な配列
をもとにして作られ、また、製作の対象にされているレ
ンズ板がシリンドリカル凸レンズ板CLA(レンチキュ
ラー板)の場合のレンズ板の製作方法で用いられる成形
用型の原型は、前記した球体の代わりに多数の円柱の2
次元的な配列をもとにして作られる。本発明のレンズ板
の製作方法において、一体化によりレンズ板を構成させ
うる2つのレンズ板半体の内の一方のレンズ板半体にお
ける片面にレンズの曲面形状を形成させるために使用さ
れる第1の成形用型と、前記した一方のレンズ板半体の
他方の片面に遮光材料の塗付面を形成させるために使用
される第2の成形用型との製作に際して共通に使用され
る原型は、前記したレンズ盤の母盤MOまたはレンズ板
のスタンパSTの場合と、レンズ盤のマスタ盤MAの場
合とがある。まず、本発明のレンズ板の製作方法の製作
工程の概略を示している図1において、図1の(a)に
示されている型部材22は、製作の対象にされているレ
ンズ板の母盤MOあるいはレンズ板のスタンパSTと同
様な面形状を備えているものであって、この型部材22
は図9を参照して既述したようにして製作することがで
きる。前記の型部材22として製作の対象にされている
レンズ板の母盤MOあるいはレンズ板のスタンパSTが
用いられてもよいことは勿論である。
【0022】図1の(a)に示されている23は前記し
た製作の対象にされているレンズ板の母盤MOあるいは
レンズ板のスタンパSTと同様な面形状を有する型部材
22の面上に、例えば電鋳法を適用して形成させた金属
層23であり、この金属層23における型部材22から
の転写面の形状は、製作の対象にされているレンズ板に
おけるレンズの形成面側の表面形状と同じである。次
に、前記した金属層23を型部材22から剥離した後
に、それに例えば切削加工あるいは研磨加工のような機
械加工を施して、図1の(b)中の点線で示されている
部分23bを除去して平坦部23cを有する状態の部材
23aを得る。次いで、図1の(b)に示されている前
記の部材23aに電鋳法を適用して金属層24を付着形
成させた後に、金属層24の部分を前記した部材23a
から剥離する。図1の(d)は前記の部材23aから剥
離した部材24aについて、それの突起状の部分の一部
における点線図示の部分24bを、適当な機械加工によ
り除去した状態の部材であり、突起部24d,24d…
と平坦部24c,24c…とを備えている。次に、図1
の(d)に示されているように突起部24d,24d…
と平坦部24c,24c…とを備えている部材24aに
電鋳法を適用して図1の(e)に示されているように金
属層25を付着形成させた後に、金属層25の部分を前
記した部材24aから剥離すると図1の(f)の下方に
示されている部材25aのように、前記した部材24a
における平坦部24c,24c…に対応している平坦部
25c,25c…と、部材24aにおける突起部24
d,24d…に対応している凹部25b,25b…とを
備えている成形用型、すなわち、既述したレンズ板半体
の他方の片面に遮光材料の塗付面を形成させるために使
用される第2の成形用型が得られる。
【0023】図1の(f)において18はレンズ板の一
方のレンズ半体の構成材料として用いられる透明な熱可
塑性樹脂材である。また、22は製作の対象にされてい
るレンズ板の母盤MOあるいはレンズ板のスタンパST
と同様な面形状を備えている型部材であって、この型部
材22は、一体化されることによってレンズ板を構成す
る2つのレンズ板半体の内の一方のレンズ板半体におけ
る片面に対してレンズの曲面形状を形成させるために第
1の成形用型として加熱プレス機における上型に使用さ
れ、また、前記の型部材22に基づいて作られた金属層
の部分25aは第2の成形用型として加熱プレス機にお
ける下型に使用される。図1の(f)中に示されている
レンズ板の一方のレンズ半体の構成材料として用いられ
る透明な熱可塑性樹脂材18は、前記した型部材22に
よる第1の成形用型が上型として用いられ、また、金属
層の部分25aが第2の成形用型として用いられている
加熱プレス機によって、軟化している状態に加熱されて
いる熱可塑性樹脂材18に対して図中の矢印19,20
のように上型と下型とにより圧力が加えられることによ
り、それの両面に前記した第1,第2の成形用型の表面
形状が転写されて、図1の(g)に示されているように
一方の面にレンズ群の外表面形状が形成されているとと
もに、他方の面に前記したレンズ群における個々のレン
ズに対応している平面部18c,18c…と、レンズ群
における個々のレンズ間に設けられている突起部18
b,18b…とを有しているような一方のレンズ板半体
18aの中間製品となされる。
【0024】次に、前記した一方のレンズ板半体18a
の中間製品における各突起部18b,18b…上に、図
1の(h)に26,26…として示されているように遮
光材料の塗布層26,26を付着形成させると一方のレ
ンズ板半体18aが得られる。前記した遮光材料の塗布
層26,26…は、例えば黒インクを付着させることに
よって形成できる。次いで図1の(i)に示されている
ように、内面に離型材層6が設けられている型容器29
内に、一方のレンズ板半体18aにおける前記した遮光
材料の塗布層26,26が付着形成されている方の面を
上にして取付けた後に、光硬化樹脂27が入っている容
器7から型容器29内に、光硬化樹脂27を型容器29
から溢れ出る状態にさせうるような余分な量の光硬化樹
脂27を注入する。前記のように型容器29内から溢れ
出る状態となる余分な量の光硬化樹脂27が注入されて
いる型容器29の上面の開放端部に、離型材層6を設け
た蓋板28における離型材層6側の面を圧着させる。前
記の蓋板28は光硬化樹脂を硬化させるのに用いられる
光に対して透明な材料によって構成されている。
【0025】前記のように型容器29の上面の開放端部
に、離型材層6を設けた蓋板28における離型材層6側
の面を圧着させる際には、光硬化樹脂27内に含まれて
いる空気が除去されるようにする。次に、図1の(j)
に示されているように蓋板28を通して図示されていな
い光源からは光硬化樹脂を硬化させるのに用いられる光
を前記した型容器29内の光硬化樹脂27に照射して、
型容器29内の光硬化樹脂27を硬化させると、型容器
29内には既述のように型容器29内に装着した一方の
レンズ板半体18aと、前記のように型容器29に注入
された光硬化樹脂27によって構成された他方のレンズ
板半体27aとが一体化された状態の完成されたレンズ
板が得られるのであり、図1の(k)は前記した完成さ
れたレンズ板を前記した型容器29から取出した状態の
側断面図を示している。図1の(k)に側断面図が示さ
れている完成されたレンズ板は、図13及び図14を参
照して既述した凸レンズ板FELやシリンドリカル凸レ
ンズ板CLA等のレンズ板と同様に、レンズ板を構成し
ている多数のレンズ毎に絞りIやスリットIが設けられ
ている構成態様のレンズ板となされるのである。図1の
(k)に示されている遮光材料の塗布層26,26は、
図13及び図14を参照して既述した凸レンズ板FEL
やシリンドリカル凸レンズ板CLA等のレンズ板におけ
る光学的な絞りの形成板IPと対応する構成部材であ
る。
【0026】これまでの説明から明らかなように、本発
明のレンズ板の製作方法によれば図13及び図14を参
照して既述した凸レンズ板FELやシリンドリカル凸レ
ンズ板CLA等における光学的な絞りの形成板IPをレ
ンズ板中に備えているような構成態様のレンズ板を容易
に製作できるのである。すなわち、既述した図13及び
図14に示されている凸レンズ板FELやシリンドリカ
ル凸レンズ板CLA等のレンズ板においては、レンズ板
を構成している多数の凸レンズにおける個々の凸レンズ
と対応している絞りIや、レンズ板を構成している多数
のシリンドリカル凸レンズの個々のシリンドリカル凸レ
ンズと対応しているスリットIがレンズ板中に正しく形
成されるように、光学的な絞りの形成板IPがレンズ板
中に設けられなければならないが、本発明のレンズ板の
製作方法では、一体化によりレンズ板を構成させうる2
つのレンズ板半体の内の一方のレンズ板半体における片
面にレンズの曲面形状を形成させるために使用される第
1の成形用型を用いて、一方の面に所定の配列態様で2
次元的に配列されている各凸レンズの曲面(または各シ
リンドリカル凸レンズの曲面)を形成させるとともに、
前記した第1の成形用型と同一の原型に基づいて作られ
た第2の成形用型、すなわち、前記した一方のレンズ板
半体の他方の片面に遮光材料の塗付面を形成させるため
に使用される第2の成形用型を用いて、前記した各凸レ
ンズの曲率中心付近(各シリンドリカル凸レンズの円筒
軸付近)に形成させる絞りの開口部以外の部分に遮光材
料の塗付面を形成させたレンズ板半体の素材における遮
光材料の塗付面に遮光材料を塗付して一方のレンズ板半
体を作っているから、前記した第1の成形用型によって
このレンズ板半体の片面に形成される2次元的に配列さ
れている各凸レンズの曲面(または各シリンドリカル凸
レンズの曲面)の配列態様と、前記した第2の成形用型
により前記のレンズ板半体の他の片面に形成される2次
元的に配列されている各凸レンズ(または各シリンドリ
カル凸レンズ)毎の遮光材料の塗付面の配列態様とは、
正しく対応している状態のものになる。したがって、原
型となされるものにおける多数のレンズの配列態様にむ
らがあっても、前記の多数のレンズにおける個々のレン
ズと対応して設けられる絞りやスリットの配列態様も、
前記した多数のレンズの配列態様のむらと同じ配列態様
のむらを持っているために、完成されたレンズ板におけ
る個々の凸レンズ(あるいはシリンドリカル凸レンズ)と
対応して設けられる絞りI(あるいはスリットI)は、そ
れの中心位置が対応している凸レンズ(あるいはシリン
ドリカル凸レンズ)の中心位置と正しく対応している状
態になされ、本発明のレンズ板の製作方法によれば多数
の微小な凸レンズを配列して構成した凸レンズ板や多数
の微小なシリンドリカル凸レンズを配列して構成したシ
リンドリカル凸レンズ板のようなレンズ板を良好な特性
ものとして容易に多量生産することができる。
【0027】次に、図2に製作工程の概略が示されてい
る本発明のレンズ板の製作方法について説明する。図2
の(a)に示されている型部材30は、製作の対象にさ
れているレンズ板のマスタ盤MAと同様な面形状を備え
ているものであって、この型部材30は図9を参照して
既述したようにして製作することができる。前記の型部
材30として製作の対象にされているレンズ板のマスタ
盤MAが用いられてもよいことは勿論である。図2の
(a)に示されている31は前記した製作の対象にされ
ているレンズ板のマスタ盤MAと同様な面形状を有する
型部材30の面上に、例えば電鋳法を適用して形成させ
た金属層31であり、この金属層31における型部材3
0からの転写面の形状は、製作の対象にされているレン
ズ板におけるレンズの母盤MOまたはスタンパSTの表
面形状と同じである。次に、前記した金属層31を型部
材30から剥離した後に、それに例えば切削加工あるい
は研磨加工のような機械加工を施して、図2の(b)中
の点線で示されている部分31bを除去して突平面部3
1cを有する状態の部材31aを得る。次いで図2の
(b)に示されている前記の部材31aに電鋳法を適用
して、図2の(c)に示されているように金属層32を
付着形成させた後に、金属層32の部分を前記した部材
31aから剥離する。図2の(d)は前記の部材31a
から剥離した部材32aについて、それの球面状の部分
の一部における点線図示の部分32bを適当な機械加工
により除去して平坦部32d,32d…とした部材であ
り、32c,32c…は部材31aにおける既述の突平
面部31c,31c…と対応している凹平面部である。
【0028】図2の(d)に示されている構成の部材3
2aは、図1の(e)に示されている部材25aと同様
な構成態様の部材である。それで、前記の部材32aは
図2の(e)の下方に示されている部材32aのよう
に、平坦部32d,32d…と、凹平面部32c,32
c…とを備えている成形用型、すなわち、既述したレン
ズ板半体の他方の片面に遮光材料の塗付面を形成させる
ために使用される第2の成形用型となされる。図2の
(e)において18はレンズ板の一方のレンズ半体の構
成材料として用いられる透明な熱可塑性樹脂材である。
また、31は図2の(a)について既述したようにマス
タ盤MAと同様な表面形状を備えている型部材30から
転写された表面形状、すなわち、製作の対象にされてい
るレンズ板の母盤MOあるいはレンズ板のスタンパST
と同様な面形状を備えている部材であって、この部材3
1は一体化されることによってレンズ板を構成する2つ
のレンズ板半体の内の一方のレンズ板半体における片面
に対してレンズの曲面形状を形成させるために第1の成
形用型として加熱プレス機における上型に使用される。
また、前記の型部材30に基づいて作られた部材32a
は第2の成形用型として加熱プレス機における下型に使
用される。
【0029】図2の(e)中に示されているレンズ板の
一方のレンズ半体の構成材料として用いられる透明な熱
可塑性樹脂材18は、前記した部材30による第1の成
形用型が上型として用いられ、また、部材32aが第2
の成形用型として用いられている加熱プレス機に軟化し
ている状態に加熱されている状態のものとして供給さ
れ、図中の矢印19,20のように上型と下型とにより
圧力が加えられることにより、それの両面に前記した第
1,第2の成形用型の表面形状が転写されて、図1の
(g)を参照して既述したとおりに一方の面にレンズ群
の外表面形状が形成されているとともに、他方の面に前
記したレンズ群における個々のレンズに対応している平
面部18c,18c…と、レンズ群における個々のレン
ズ間に設けられている突起部18b,18b…とを有し
ているような一方のレンズ板半体18aの中間製品とな
されるから、以後の工程は図1の(h)〜(j)につい
て既述したと同じであり、最終的には図1の(k)に示
されているような構成態様のレンズ板が得られる。
【0030】次に図3に製作工程の概略が示されている
本発明のレンズ板の製作方法について説明する。図3の
(a)において33は容器であり、この容器33の内壁
面には離形材層6が形成されている。前記した容器33
の底板には同一の大きさの球体(あるいは円筒)S,S
…が所定の配列態様で2次元的に配列されている。前記
の容器33内に別の容器7からポッティング樹脂34を
注入して固化する。前記のようにした球体(あるいは円
筒)S,S…を含んで一体的に固化された状態の樹脂の
ブロック34adを容器33から取出した後に、それを
裏返しの状態にして前記の容器33中に入れてから、図
3の(b)に例示しているように前記の容器33内に別
の容器7からポッティング樹脂34を注入して固化す
る。図3の(c)は前記のようにして作られた球体(あ
るいは円筒)S,S…を含んで一体的に固化された状態
の樹脂のブロック34ad,34adを容器33外に取
出した状態のものを示している。次に、前記した図3の
(c)に示されているように球体(あるいは円筒)S,
S…を含んで一体的に固化された状態の樹脂のブロック
34ad,34adを、図3の(d)に示されているよ
うに34a1の部分と34a2の部分との2つの樹脂のブ
ロック部分に機械的に切断する。
【0031】前記した2つの樹脂のブロック34a1,
34a2にそれぞれ含まれている球体(あるいは円筒)
S,S…を除去すると、前記した樹脂のブロック34a
1は図3の(i)中に示されている上型34a1cとなさ
れ、また、前記した樹脂のブロック34a2は図3の
(e)に示されている部材34a2cとなされる。図3
の(e)に示されている部材34a2cには、図3の
(f)に示されているようにそれに電鋳法を適用して金
属層35を付着形成させる。図3の(g)は前記した金
属層35を部材34a2cから剥離した後に、それに例
えば切削加工あるいは研磨加工のような機械加工を施し
て、図3の(g)中の点線で示されている部分35dを
除去して平坦部35c,35c…と凹平面部35bとを
有する状態の部材35aを得たものである。次いで、図
3の(g)に示されている前記の部材35aに電鋳法を
適用して金属層36を付着形成させた後に、金属層36
の部分を前記した部材35aから剥離すると、その剥離
された部材36aは凹平坦部36c,36c…と突平面
部36b,36b…とを備えている成形用型、すなわ
ち、既述したレンズ板半体の他方の片面に遮光材料の塗
付面を形成させるために使用される第2の成形用型とな
されるのであり、この部材36aは図3の(i)におけ
る下方に示されている下型として使用される。
【0032】図3の(i)において18はレンズ板の一
方のレンズ半体の構成材料として用いられる透明な熱可
塑性樹脂材である。また、34a1cは製作の対象にさ
れているレンズ板の母盤MOあるいはレンズ板のスタン
パSTと同様な面形状を備えている型部材であり、この
型部材34a1cは一体化されることによってレンズ板
を構成する2つのレンズ板半体の内の一方のレンズ板半
体における片面に対してレンズの曲面形状を形成させる
ために第1の成形用型として加熱プレス機における上型
に使用される。図3の(i)中に示されているレンズ板
の一方のレンズ半体の構成材料として用いられる透明な
熱可塑性樹脂材18は、前記した型部材34a1cによ
る第1の成形用型が上型として用いられ、また、前記し
た部材36aが第2の成形用型として用いられている加
熱プレス機によって、軟化している状態に加熱されてい
る熱可塑性樹脂材18に対して上型と下型とにより圧力
が加えられることにより、それの両面に前記した第1,
第2の成形用型の表面形状が転写されて、図3の(j)
に示されているように一方の面にレンズ群の外表面形状
が形成されているとともに、他方の面に前記したレンズ
群における個々のレンズに対応している平面部18c,
18c…と、レンズ群における個々のレンズ間に設けら
れている凹部18e,18e…とを有しているような一
方のレンズ板半体18aの中間製品となされる。
【0033】次に、前記した一方のレンズ板半体18a
の中間製品における各凹部18e,18e…内に、図3
の(k)に26,26…として示されているように遮光
材料の塗布層26,26を付着形成させると一方のレン
ズ板半体18aが得られる。前記した遮光材料の塗布層
26,26…は、例えば黒インクを付着させることによ
って形成できる。次いで図3の(l)に示されているよ
うに、内面に離型材層6が設けられている型容器29内
に、一方のレンズ板半体18aにおける前記した遮光材
料の塗布層26,26が付着形成されている方の面を上
にして取付けた後に、光硬化樹脂27が入っている容器
7から型容器29内に、光硬化樹脂27が型容器27か
ら溢れ出る状態にさせうるような余分な量の光硬化樹脂
27を注入する。前記のように型容器29内から溢れ出
る状態となる余分な量の光硬化樹脂27が注入されてい
る型容器29の上面の開放端部に、離型材層6を設けた
蓋板28における離型材層6側の面を圧着させる。前記
の蓋板28は光硬化樹脂を硬化させるのに用いられる光
に対して透明な材料によって構成されている。
【0034】前記のように型容器29の上面の開放端部
に、離型材層6を設けた蓋板28における離型材層6側
の面を圧着させる際には、光硬化樹脂27内に含まれて
いる空気が除去されるようにする。次に、図3の(m)
に示されているように蓋板28を通して図示されていな
い光源からは光硬化樹脂を硬化させるのに用いられる光
を前記した型容器29内の光硬化樹脂27に照射して、
型容器29内の光硬化樹脂27を硬化させると、型容器
29内には既述のように型容器29内に装着した一方の
レンズ板半体18aと、前記のように型容器29に注入
された光硬化樹脂27によって構成された他方のレンズ
板半体27aとが一体化された状態の完成されたレンズ
板が得られるのであり、図3の(n)は前記した完成さ
れたレンズ板を前記した型容器29から取出した状態の
側断面図を示している。図3の(n)に側断面図が示さ
れている完成されたレンズ板は、図13及び図14を参
照して既述した凸レンズ板FELやシリンドリカル凸レ
ンズ板CLA等のレンズ板と同様に、レンズ板を構成し
ている多数のレンズ毎に絞りIやスリットIが設けられ
ている構成態様のレンズ板となされるのである。図1の
(k)に示されている遮光材料の塗布層26,26は、
図13及び図14を参照して既述した凸レンズ板FEL
やシリンドリカル凸レンズ板CLA等のレンズ板におけ
る光学的な絞りの形成板IPと対応する構成部材であ
る。これまでの説明から明らかなように、この本発明の
レンズ板の製作方法によっても図13及び図14を参照
して既述した凸レンズ板FELやシリンドリカル凸レン
ズ板CLA等における光学的な絞りの形成板IPをレン
ズ板中に備えているような構成態様のレンズ板を容易に
製作できるのである。
【0035】次に、図4に製作工程の概略が示されてい
る本発明のレンズ板の製作方法について説明する。図4
の(a)において5は加熱プレス機であり、基板5a上
には同一の大きさの球体(あるいは円筒)S,S…が所
定の配列態様で2次元的に配列されている。21は熱可
塑性樹脂材であり、前記した所定の配列態様で2次元的
に配列されている同一の大きさの球体(あるいは円筒)
S,S…上に軟化状態に加熱されている熱可塑性樹脂材
21を載置して加圧板7と基板5aとの間に圧力8,9
を加えて前記した熱可塑性樹脂材21を前記した球体
(あるいは円筒)S,S…の中心付近にまで到達させ、
その状態で固化することにより、熱可塑性樹脂材21と
球体(あるいは円筒)S,S…とが一体化された状態の
ブロック体21aが得られる。前記のブロック体21a
を加熱プレス機5から取出し、前記したブロック体21
aにおける球体(あるいは円筒)S,S…の表面に離型
材層47を形成させた後に、前記の離型材層47を設け
た面が上方となるような状態として、前記したブロック
体21aを内壁面に離形材層6が形成されている容器3
3中に入れて、図4の(b)に示されているように前記
の容器33内に別の容器7からポッティング樹脂34を
注入してそれを固化する。
【0036】前記のポッティング樹脂34が固化した後
に、容器33内からブロック体21aとともに取出し、
固化したポッティング樹脂34aの部分と既述したブロ
ック体21aの部分とを離型材層47の部分で分離す
る。次に、前記のように固化したポッティング樹脂34
aの部分における図4の(c)中で点線によって示され
ている突起部の一部を切断すると、この図4の(c)に
示されている部材34aは図3の(e)について既述した
部材34a2cと同様な構成の部材となされるから、以
後の工程は図3の(f)〜(n)について既述したと同
じであり、最終的には図3の(n)に示されているよう
な構成態様のレンズ板が得られる。なお、前記したポッ
ティング樹脂34を使用する代わりに光硬化樹脂を用い
て実施してもよい。
【0037】次に、図5は図3の(e)及び図4の
(c)に示されている部材34aを得た後に行なわれる
ものとして既述された図3の(f)〜(m)の各工程の内
で、図3の(f)〜(h)の各工程の代わりに実施され
てもよい各工程を示している。まず、図5の(a)に示
す工程では図3の(e)及び図4の(c)に示されてい
る部材34aに電鋳法を適用して金属層37を付着形成
させ、次に、図5の(b)に示す工程では図5の(a)
に示されている部材34aから金属層37を剥離した後
に、図中の点線図示の部分37bを例えば切削加工また
は研磨加工等の機械加工を施して平坦部37c,37c
…を形成させた部材37aを作り、次に前記の部材37
aに電鋳法を適用して図5の(c)に示すように金属層
38を付着形成させ、次に、図5の(c)に示されてい
る部材37aから金属層38を剥離した後に、図5の
(d)に示されている工程では図中の点線図示の突起の
部分38bを除去することにより、図3中で36aで示
してある部材を得るようにしたものである。
【0038】図6は図1等を参照して既述した製作工程
によって作られた一方のレンズ板半体18a、または図
3等を参照して既述した製作工程によって作られた一方
のレンズ板半体18aにおける遮光材料の塗布層26が
設けられている方の面に透明な接着材39を用いて透明
樹脂板40を接着させて完成されたレンズ板を製作する
場合を図示説明している図であって、この図6において
41はローラ、42はローラの回転軸であり、レンズ板
半体18aにおける遮光材料の塗布層26が設けられて
いる方の面上に透明な接着材39と透明樹脂板40とを
のせてから、透明樹脂板40上からローラ42を押圧し
ながら図中の矢印Xの方向に進行させることにより、透
明な樹脂板40を接着材39によって一方のレンズ板半
体18aにおける遮光材料の塗布層26が設けられてい
る方の面に接着させて、完成されたレンズ板を製作する
のである。
【0039】また、図7は図1等を参照して既述した製
作工程によって作られた一方のレンズ板半体18a、ま
たは図3等を参照して既述した製作工程によって作られ
た一方のレンズ板半体18aにおける遮光材料の塗布層
26が設けられている方の面に透明な熱融着材層43を
用いて透明樹脂板40を接着させて完成されたレンズ板
を製作する場合を図示説明している図であって、この図
6において44は加熱ローラ、45は加熱ローラの回転
軸であり、レンズ板半体18aにおける遮光材料の塗布
層26が設けられている方の面に透明な熱融着材層43
付きの透明樹脂板40における透明な熱融着材層43が
当接するようにのせてから、透明樹脂板40上から加熱
ローラ42を押圧しながら図中の矢印Xの方向に進行さ
せることにより、透明な樹脂板40を熱融着材層43に
よって一方のレンズ板半体18aにおける遮光材料の塗
布層26が設けられている方の面に接着させて完成され
たレンズ板を製作するのである。
【0040】図6及び図7について説明したようなレン
ズ板の製作方法において、多数のレンズと遮光材料の塗
布層26とを備えているレンズ半体における遮光材料の
塗布層26が設けられている方の面に、透明な樹脂板4
0を透明な接着材層39または透明な熱融着材層43に
よって接着させる場合には、遮光材料の塗布層26が塗
布後に収縮して空間が生じることがあるが、図3を参照
して既述したような工程によって作られたレンズ半体1
8aのように遮光材料の塗布層26があたかも凹販印刷
の場合と同様に、黒色の印刷インクが凹部を充填するよ
うな状態で塗布されている場合には塗布後に黒色インク
が収縮し、それにより図8に例示されているように遮光
材料の塗布層26の部分に空間46が生じたとしても、
その空間46は遮光材料の塗布層26の部分にあること
によりレンズ板の作用には何の悪影響も及ぼすことがな
い。
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明のレンズ板の製作方法は、一体化により
レンズ板を構成させうる2つのレンズ板半体の内の一方
のレンズ板半体における片面にレンズの曲面形状を形成
させるために使用される第1の成形用型を用いて、一方
の面に所定の配列態様で2次元的に配列されている各凸
レンズの曲面(または各シリンドリカル凸レンズの曲
面)を形成させるとともに、前記した第1の成形用型と
同一の原型を用いて作られた第2の成形用型、すなわ
ち、前記した一方のレンズ板半体の他方の片面に遮光材
料の塗付面を形成させるために使用される第2の成形用
型を用いて、前記した各凸レンズの曲率中心付近(各シ
リンドリカル凸レンズの円筒軸付近)に形成させる絞り
の開口部以外の部分に遮光材料の塗付面を形成させたレ
ンズ板半体の素材における遮光材料の塗付面に遮光材料
を塗付して一方のレンズ板半体を作り、次いで前記した
一方のレンズ板半体における絞りが形成されている方の
面に、前記した一方のレンズ板半体と一体化されること
によりレンズ板を構成させうる他方のレンズ板半体を形
成させてレンズ板を作るようにしたから、多数のレンズ
の配列態様にむらがあっても、前記の多数のレンズにお
ける個々のレンズと対応して設けられる絞りやスリット
の配列態様も、前記した多数のレンズの配列態様のむら
と同じ配列態様のむらを持っているために、前記した多
数のレンズの配列むらが完成されたレンズ板を不良品に
することもないので、本発明のレンズ板の製作方法によ
れば多数の微小な凸レンズを配列して構成した凸レンズ
板や多数の微小なシリンドリカル凸レンズを配列して構
成したシリンドリカル凸レンズ板のようなレンズ板を良
好な特性ものとして容易に多量生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ板の製作方法の実施例の工程の
概要を説明するための図である。
【図2】本発明のレンズ板の製作方法の実施例の工程の
概要を説明するための図である。
【図3】本発明のレンズ板の製作方法の実施例の工程の
概要を説明するための図である。
【図4】本発明のレンズ板の製作方法の実施例の工程の
概要を説明するための図である。
【図5】本発明のレンズ板の製作方法の実施例の工程の
概要を説明するための図である。
【図6】本発明のレンズ板の製作方法の実施例の工程の
概要を説明するための図である。
【図7】本発明のレンズ板の製作方法の実施例の工程の
概要を説明するための図である。
【図8】問題点の説明に使用される図である。
【図9】本発明のレンズ板の製作方法に用いられる原型
の製作工程の概略、ならびにレンズ板の製作の過程を説
明するために用いられる図である。
【図10】凸レンズ板を備えた光カードの斜視図であ
る。
【図11】シリンドリカル凸レンズ板を備えた光カード
の斜視図である。
【図12】レンズ板の動作を説明するための側断面図で
ある。
【図13】絞り付き凸レンズ板を備えた光カードの斜視
図である。
【図14】スリット付きシリンドリカル凸レンズ板を備
えた光カードの斜視図である。
【図15】レンズ板の動作を説明するための側断面図で
ある。
【符号の説明】
LAC…光カード、FEL…凸レンズ板、CLA…シリ
ンドリカル凸レンズ板、RML…記録層、BP…基板、
I…光学的な絞り(またはスリット)、IP…光学的な
絞りの形成板、α…凹部、MO…レンズ板の母盤、MA
…レンズ板のマスタ盤、ST…レンズ板のスタンパ、S
…球体(あるいは円筒)、1…保護層、2…基材、3…
ゼラチン層、4…銀塩パターン層(クラスト層)、5…
プレス機、5a…プレス機の基板、6,47…離型材
層、7,33…容器、14…接着材、16…加圧部材、
17…プレス機の上型、18…レンズ板の材料として用
いられる透明な熱可塑性樹脂材、18a…一方のレンズ
板半体、21…熱可塑性樹脂材、22…型部材、26…
遮光材料の塗布層、27…光硬化樹脂、29…型容器、
34…ポッテイング樹脂、39…透明な接着材、40…
透明樹脂板、41…ローラ、42…ローラの回転軸、4
3…透明な熱融着材層、44…加熱ローラ、45…加熱
ローラの回転軸、56…塑性を有する材料層、60…保
護層、

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の凸レンズを所定の配列態様で2次
    元的に配列して構成させた凸レンズ板における個々の凸
    レンズの結像領域をそれぞれ2次元的に分割して、それ
    ぞれ個別な情報が結像されるように設定した予め定めら
    れた個数の単位の結像領域の個々のものが、前記の凸レ
    ンズの光軸に対してそれぞれ異なる予め定められた角度
    から凸レンズを通して見たときに、それぞれ特定な1個
    の単位の結像領域だけが凸レンズにより拡大されて見え
    るようになされている凸レンズ板における各凸レンズの
    曲率中心付近に開口中心を有する如き絞りを設けてなる
    レンズ板の製作方法であって、一方の面に所定の配列態
    様で2次元的に配列されている各凸レンズの曲面が形成
    されているとともに、他方の面における前記した各凸レ
    ンズの曲率中心付近に形成させる絞りの開口部以外の部
    分に遮光材料の塗付面を形成させたレンズ板半体の素材
    を得る工程と、前記したレンズ板半体の素材における遮
    光材料の塗付面に遮光材料を塗付して一方のレンズ板半
    体を得る工程と、前記した一方のレンズ板半体における
    絞りが形成されている方の面に、前記した一方のレンズ
    板半体と一体化されることによりレンズ板を構成させる
    他方のレンズ板半体を形成させる工程とからなるレンズ
    板の製作方法。
  2. 【請求項2】 シリンドリカル凸レンズを並列に密接配
    置してなるシリンドリカル凸レンズ板における個々のシ
    リンドリカル凸レンズの結像領域を、前記のシリンドリ
    カル凸レンズの円筒軸に平行なそれぞれ個別な一つの直
    線上に並ぶ各一群の単位の結像面として2次元的に分割
    し、それぞれ個別な情報が結像されるように設定した予
    め定められた個数の単位の結像領域の個々のものが、前
    記のシリンドリカル凸レンズの光軸に対してそれぞれ異
    なる予め定められた角度からシリンドリカル凸レンズを
    通して見たときに、それぞれ特定な一群の単位の結像面
    だけがシリンドリカル凸レンズにより拡大されたものと
    して見えるようになされているシリンドリカル凸レンズ
    板における各シリンドリカル凸レンズの円筒軸付近に開
    口の中心を有するスリットを設けてなるレンズ板の製作
    方法であって、一方の面に所定の配列態様で2次元的に
    配列されている各シリンドリカル凸レンズの曲面が形成
    されているとともに、他方の面における前記した各シリ
    ンドリカル凸レンズの円筒軸付近に開口の中心を有する
    ようにして形成させたスリット以外の部分に遮光材料の
    塗付面を形成させてあるレンズ板半体の素材を得る工程
    と、前記したレンズ板半体の素材における遮光材料の塗
    付面に遮光材料を塗付して一方のレンズ板半体を得る工
    程と、前記した一方のレンズ板半体における遮光材料の
    塗付面が形成されている方の面に、前記した一方のレン
    ズ板半体と一体化されることによりレンズ板を構成させ
    る他方のレンズ板半体を形成させる工程とからなるレン
    ズ板の製作方法。
  3. 【請求項3】 一体化によりレンズ板を構成させうる2
    つのレンズ板半体の内の一方のレンズ板半体における片
    面にレンズの曲面形状を形成させるために使用される第
    1の成形用型と、前記した一方のレンズ板半体の他方の
    片面に遮光材料の塗付面を形成させるために使用される
    第2の成形用型とを同一の原型から製作したものを用い
    るレンズ板の製作方法。
  4. 【請求項4】 一体化によりレンズ板を構成させうる2
    つのレンズ板半体の内の一方のレンズ板半体における片
    面にレンズの曲面形状を形成させるために使用される第
    1の成形用型として、レンズ板を構成している複数のレ
    ンズの所定の配列態様に対応している凸曲面形状を有す
    る第1の成形用型を用い、また、前記した一方のレンズ
    板半体の他方の片面に遮光材料の塗付面を形成させるた
    めに使用される第2の成形用型として、前記のレンズ板
    における複数のレンズの所定の配列態様に対応している
    凹曲面形状を有する第2の成形用型を用いるようにした
    レンズ板の製作方法。
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