JP2722700B2 - ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

ポリマー粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [従来の技術] 従来、高度に架橋したポリマー微粒子をポリマーマト
リックス中に分散することにより、ポリマーの物性を向
上させるという技術は知られており、その有用性が検討
されている。
例えば、文献J.Oil Col.Chem.Assoc.,60,438(1977)
には、50〜230Åの高度に架橋した微粒子をポリスチレ
ン樹脂中や不飽和ポリエステル中に分散させ、これを補
強材として応用することが知られている。
また、塗料の分野では、特開昭59−64673号,同59−6
4674号,同59−64675号,同60−250067号,同60−23177
0号、同60−250068号,同61−42579号,同61−42580
号,同61−83201号,同63−314281号公報等に開示され
ているように、高度に架橋した微粒子を添加することに
より、塗膜の耐熱性、耐軟化性、耐ブロッキング性、耐
候性等を向上させることができること、また、塗料の流
動特性が向上することに伴い、結果的に溶剤を減らすこ
とが可能となること、さらに、塗料に構造粘性が付与さ
れ、タレ性能が向上することによって厚塗りが可能とな
ること等の種々の利点が指摘されている。
[発明が解決しようとする問題点] このように、高度に架橋したポリマー微粒子の用途と
しては、従来のバインダーとしてのラテックスにない新
しい分野が期待されるが、製造上次のような問題点があ
る。
まず、第1の問題点としては、ポリマーマトリックス
と架橋ポリマー粒子表面との接着性が悪いため、膜の強
度が低下する点が挙げられる。
日本歯科材料器械学会雑誌、31巻,3号,P.165(1974)
に記載されているように、球状架橋ポリマーを非架橋ポ
リマーでカプセル化すれば、相溶性が良くなり、ポリマ
ー粒子とポリマーマトリックスとの接着が良好になる
が、かかるカプセル化の工程は煩雑であり、汎用性の素
材に応用するには実用上難しい点がある。
第2の問題点としては、架橋ポリマー微粒子の製造時
における生産性の点がある。すなわち、重合終盤での粒
子間の凝集を防ぐため、水の量を相対的に多くして、ポ
リマー固形分濃度を10重量%以下の低濃度にする必要が
あり、したがって、重合時の生産性が低いだけでなく、
さらに、水分散体から非水分散体に置換する際にも大量
に水を分留する必要があり、この点でも生産効率が低い
という問題点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、ビニル基を2以上有する架橋性モノマーを
10重量%以上の割合で含有する高架橋性モノマー成分A1
00重量部に対し、前記架橋性モノマーの含有割合が0ま
たは5重量%以下である非架橋性または低架橋性モノマ
ー成分Bを5〜900重量部使用し、下記の第1工程およ
び第2工程を含むことを特徴とする。
第1工程; 水系媒体中に前記モノマー成分Aを一括もしくは連続
的に添加してラジカル重合開始剤の存在下で重合を行
い、高架橋ポリマー粒子を合成する工程。
第2工程; 前記第1工程において、モノマー成分Aを一括添加し
た場合には、その重合転化率が10〜90%に達した時点、
もしくはモノマー成分Aを連続添加した場合には、その
添加率が10〜90重量%に達した時点において、前記モノ
マー成分Bを連続的または間欠的に添加し、前記モノマ
ー成分Aの重合が実質的に終了した後もモノマー成分B
を添加しながら重合を完了させる工程。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1工程で用いられる架橋性モノマーとして
は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールエタントリメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミドを
例示することができ、特にジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレートが好ましい。これらは2種
以上を組みあわせて使用してもよい。
樹脂や塗料の改質剤として十分な性能を発揮するため
には、モノマー成分Aのうち架橋性モノマーの使用割合
は6重量%以上、好ましくは10重量%以上とする必要が
ある。
なお、工業用には架橋性モノマーとして用いられるも
のの中には、ビニル基を1つしか有さないモノマーや、
ビニルモノマー以外の溶剤が含まれる場合があるので、
前述した架橋性モノマーの使用割合は有効成分であるビ
ニル基を2個以上有するモノマー成分のみを基準とす
る。
本発明の第1工程において、前記架橋性モノマーと共
に用いられる非架橋性重合性モノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピ
リジンなどの芳香族モノビニル化合物、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、メチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、グリシジルアクリレート、N,N′−ビメチルア
ミノエチルアクリレートなどのアクリル酸エステルモノ
マー、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、N,
N′−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのメタ
クリル酸エステルモノマー、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボ
ン酸およびジカルボン酸の酸無水物、アクリルアミド、
メタクリルアミドなどのアミド系モノマー、さらにスチ
レンスルホン酸ナトリウム、スルホン化イソプレンなど
のイオン性モノマーなどを用いることができる。また重
合速度および重合安定性の点で許容される範囲内におい
て、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物
や酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物、4−メチル
−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物も使用
することができる。
本発明の第1工程において用いられる乳化剤として
は、通常の乳化重合で使用されるものを用いることがで
き、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートア
ンモニウム塩などのアニオン系界面活性剤を例示するこ
とができ、さらにポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ソ
ルビタンモノステアレートなどのノニオン系界面活性剤
を例示することができる。
さらに、市販の乳化剤であるニューフロンティアA−
229E,同N177E(第一工業製薬(株)製)やエレミノール
JS−2,同RS−30(三洋化成工業(株)製)などを使用す
ることもできる。
これら乳化剤としては、1種類でもよいが2種類以上
を組み合せて使用すれば、さらに安定性の点で効果があ
る。さらに好ましい組み合せとしては、アニオン系界面
活性剤とノニオン系界面活性剤との組み合せがある。
また、必要に応じてポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水
溶性高分子を安定化剤として使用してもよい。
本発明の第1工程で使用される重合開始剤としては、
通常の乳化重合で用いられるものであれば特に制限され
ないが、過硫酸カリウム,過硫酸ナトリウム,過硫酸ア
ンモニウム等の過硫酸塩系開始剤、および過酸化水素,
有機過酸化物等を単独であるいはアスコルビン酸等の各
種還元剤と組み合せて使用してもよい。
また、第1工程においては、シート粒子の存在下にお
いて重合を行う、いわゆるシード重合法を採用すること
ができ、この場合には、重合開始剤としてアゾ系開始剤
や有機過酸化物等を単独で使用することもできる。
本発明の第1工程の重合方法としては、モノマー成分
Aを反応容器に一括して添加し重合する方法(以下、こ
れを「イ法」という)、またはモノマー成分Aを連続的
に添加しながら重合する方法(以下、これを「ロ法」と
いう)の二つがある。なお、上記ロ法においては、間欠
的に連続添加する場合も含まれる。
以上説明した第1工程において、数平均粒子径が5〜
10,000nmで高度に架橋したポリマー粒子が水分散体とし
て得られる。
本発明の第2工程においては、架橋性モノマーが0ま
たは5重量%以下である非架橋性または低架橋性モノマ
ー成分Bを、第1工程で合成した架橋性ポリマー粒子の
存在下で重合するにあたり、イ法の場合には、モノマー
成分Aの重合転化率が10〜90%、好ましくは20〜80%に
達した時点、ロ法の場合には、モノマー成分Aのうち10
〜90重量%、好ましくは20〜80重量%を添加した時点に
おいて、モノマー成分Bを連続的または間欠的に添加開
始する点に本発明の最大の特徴がある。
イ法において重合転化率が10%に満たない場合、ある
いはロ法においてモノマー成分Aの添加率が10重量%に
満たない場合に、モノマー成分Bの添加を開始すると、
粒子中心部のポリマーの架橋度が低下し、物性上好まし
くない。また、イ法において重合転化率が90%より大き
い場合、あるいはロ法においてモノマー成分Aの添加率
が90重量%より大きい場合に、モノマー成分Bの添加を
開始すると、モノマー成分Aのポリマー部分とモノマー
成分Bのポリマー部分との接着性が不十分となり、ポリ
マー改質用として他のポリマーに添加した場合十分な強
度が得られないだけでなく、第1工程の終了時点で粒子
が凝集しやすいといった問題がある。
また、本発明の第2工程においては、イ法の場合には
モノマー成分Aの重合が実質的に終了した後、またロ法
の場合には、モノマー成分Aの反応系への添加が終了し
た後、引き続きモノマー成分Bの添加を続行しながら重
合を完了させる必要がある。
本発明の第2工程において使用されるモノマー成分B
の種類としては、第1工程で例示したものを使用するこ
とができ、これらの2種類以上を組合わせてもよい。モ
ノマー成分Bにおいて重要なことは、架橋性モノマーを
全く含まないかあるいは5重量%以下とし、非架橋性あ
るいは低架橋性モノマーとすることである。モノマー成
分Bにおいて、架橋性モノマーの割合が5重量%を超え
ると、ポリマー粒子表面の架橋度が高くなりすぎ、該ポ
リマー粒子とポリマーマトリックスとの相溶性が低下
し、十分な改質効果を得ることができない。
また、モノマー成分Bの使用量は、モノマー成分A100
重量部に対し、5〜900重量部、好ましくは10〜400重量
部である。モノマー成分Bの使用量が5部より少ない
と、ポリマー改質剤として応用した場合、ポリマーマト
リックスとの相溶性が不十分となり、物性改質上の効果
がほとんどなく、逆に900重量部より多いと粒子内部の
高架橋ポリマーによる物性改質上の効果が不十分とな
り、好ましくない。
また、本発明の第2工程においては、乳化剤,重合開
始剤,水は新たに添加しなくてもよいが、必要に応じて
第1工程で例示したものを少量だけ添加してもよい。
このように第1工程および第2工程を経ることによ
り、数平均粒子径が10〜20,000nmで、粒子内部に高度に
架橋されたポリマー微粒子の核を有するポリマー粒子の
水分散体を重合安定性良く効率的に製造することができ
る。
[実施例] 以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によってなんら制御され
るものではない。なお、以下の記載において、「部」お
よび「%」は重量部および重量%を意味する。
実施例1〜3,比較例1〜3 まず、第1工程として、第1表に示す組成の乳化剤、
イオン交換水、重合開始剤を容量100lのステンレス製反
応容器に仕込み、系の温度を70℃に上昇させ、モノマー
成分Aを第1表に示す時間配分で一定量ずつ連続的に添
加し、重合を行った。
次に、第2工程として、第1工程開始後、第1表に示
す時間経過後にモノマー成分Bの連続的な添加を開始
し、そして一定時間後に重合を終了するようにした。
なお、比較例1は、モノマー成分Aを完全に添加完了
した後1時間後にモノマー成分Bを添加した例であり、
比較例2は、モノマー成分Aを添加終了したと同時にモ
ノマー成分Bを添加した例であり、これらのいずれの例
においても重合開始後数時間で系がゲル化し、重合を続
行することが不可能となった。また、比較例3は、モノ
マー成分Aの添加が10%に満たない時点でモノマー成分
Bを添加した例であり、この例の場合にはフィルム成膜
性が劣っていた。
なお、フィルム成膜性は、高さ3mmの枠体が載置され
たガラス板上に、乾燥後のフィルムの厚さが0.5mmとな
る量のポリマー粒子分散体を流し入れ、温度23℃,湿度
60%の条件下で7日間乾燥し、得られたフィルムの成膜
状態が均一で良好なものを○、成膜状態が不均一で不良
なものを×とした。
以上の結果より、モノマー成分Aの添加途中からモノ
マー成分Bの添加を開始することによって、重合安定性
が良好になることが明らかである。また、モノマー成分
Aの添加開始時間とモノマー成分Bの添加開始時間が非
常に接近すると、得られるポリマー粒子の成膜性が著し
く低下することがわかる。
実施例4 まず、第1工程で、シードとして粒子径100nmのポリ
スチレンラテックスを固形分で10部、モノマー成分Aと
してメチルメタクリレート20部およびエチレングリコー
ルジメタクリレート40部、ドデシル硫酸ナトリウム0.3
部、イオン交換水400部を100lのステンレス製反応容器
に一括して仕込み、系の温度を70℃に上昇させ、シード
中にモノマー成分Aを吸収させた後、過硫酸カリウム0.
5部を添加し重合を開始した。
重合転化率が80%となった時点で、モノマー成分Bと
してメチルメタクリレート50部を添加開始し、4時間に
わたって一定量で連続的に添加した。
重合安定性は良好で、得られた粒子を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、平均粒子径は323nmであった。
この粒子を乾燥し粉体化したもの10部に対し、ポリカ
ーボネート樹脂(出光社製A−2200)90部をヘンシェル
ミキサーで混合し、さらに押出機でペレット化し、射出
成形機で成形してテストピースを作成した。
そして、このテストピースについて、アイゾット衝撃
強度試験(JIS K7110),引張り強度試験(JIS K711
3),滑り摩耗試験(JIS K7218),流れ試験(JIS K721
0)を行った。その結果を第2表に示す。なお、ポリカ
ーボネート単体のテストピースについての試験結果を、
比較例7として併記する。
第2表に示す結果より明らかなように、実施例4によ
って得られたポリマーを添加した樹脂は、このポリマー
を添加しない比較例7に比較し、アイゾット衝撃強度,
引張り強度を維持したまま、耐摩耗性ならびに流動性の
点で著しく改善されており、樹脂補強剤として有効なも
のであることが確認された。
比較例4 実施例4において、モノマー成分Aの重合転化率80%
でモノマー成分Aの添加を開始する代りに、モノマー成
分Aの重合転化率97%でモノマー成分Bの添加を開始す
る以外は、実施例4と同様に重合した。
重合安定性の点では、凝集物が3%程度発生し、不良
であったが、得られた水分散体を500メッシュの金網で
濾過し、次の実験に用いた。すなわち、実施例4と同様
に、得られたポリマーをポリカーボネート樹脂に混合し
てその基本的物性を調べた。その結果を第2表に示す。
この例においては、耐摩耗性などの点では改質効果が認
められたものの、アイゾット衝撃強度が60%低下し、引
張り強度も30%低下し、総合的にみて本比較例のポリマ
ー粒子を樹脂に複合したメリットはなかった。
比較例5 実施例4において、モノマー成分Aの重合転化率80%
でモノマー成分Bの添加を開始する代りに、モノマー成
分Aの重合転化率7%でモノマー成分Bの添加を開始す
る以外は、実施例4と同様に重合した。
重合安定性の点では、凝集物が1%程度発生し不良で
あったが、得られた水分散体を500メッシュの金網で濾
過し、次の実験に用いた。すなわち、実施例4と同様
に、得られたポリマー粒子をポリカーボネート樹脂に混
合してその基本的物性を調べた。その結果を第2表に示
す。この例においては、耐摩耗性,流動性の点での改質
効果は小さく、さらにアイゾット衝撃強度,引張り強度
は大きく低下し、本比較例のポリマー粒子を複合したメ
リットはなかった。
実施例5 第1工程として、100lの反応容器中にイオン交換水40
0部とポリビニルアルコールGH20(日本合成(株)製)1
0部とを添加し、そこへモノマー成分Aとしてスチレン2
0部,ジビニルベンゼン18部およびエチルビニルベンゼ
ン12部と開始剤としてパーブチルO(日本油脂(株)
製)3部とを混合したものを添加し、分散粒子の平均粒
子径が5μmとなるまで攪拌乳化した。そして、通常の
攪拌に切り換え、80℃に昇温し重合を開始した。
そして、モノマー成分Aの重合転化率が75%に達した
時点で、スチレン50部を3時間にわたって連続的に添加
し、重合を行った。
重合安定性は非常に良好であり、得られたポリマー粒
子を光学顕微鏡で観察したところ、粒子径は1〜15μm
の範囲に分布し、数平均粒子径は4.8μmであった。
この水分散体を遠心沈降法により粉体として取り出し
た。
そして、油長40%のトール油脂肪酸変性エポキシ樹脂
ワニスET−4(日本ペイント(株)製)100部に対し、
顔料混合物100部と上記ポリマー微粒子3部とを配合
し、塗料を調整した。この塗料を用いスプレーガンで種
々の膜厚の塗装を行い、ダレ限界膜厚を評価したとこ
ろ、ポリマー微粒子の使用により、これを使用しないと
きの40μmから70μmにまで向上させることができた。
比較例6 実施例5において、第2工程のモノマー成分Bの添加
をモノマー成分Aの重合転化率が9%のときに開始する
以外は、実施例5と同様に重合した。重合安定性は良好
であり、粒子径は1〜15μmの範囲に分布し、数平均粒
子径は4.8μmであった。
実施例5と同様に粉体化した後、得られたポリマー粒
子を塗料に添加し同様の評価をしたが、このポリマーを
添加しない場合とくダレ限界膜厚も大差なく、改質効果
はほとんどなかった。
[発明の効果] 本発明によれば、粒子内部が高度に架橋されたポリマ
ーから構成され、表面が非架橋または低架橋のポリマー
から構成された複合型ポリマー粒子を簡易な方法で生産
性良く製造することができる。
本発明によって得られたポリマー粒子の水分散体は、
そのまま水系コーティング剤として好適に用いることが
できる。
また、本発明によって得られたポリマー粒子は、樹脂
の高性能補強材として好適に用いることができる。
さらに、分留,乾燥,遠心沈降などにより水を除去し
たポリマー粒子を有機溶剤中に分散することにより、溶
剤系塗料の塗膜強度、塗料の粘度特性などの改質剤とし
て利用することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル基を2以上有する架橋性モノマーを
    10重量%以上の割合で含有する高架橋性モノマー成分A1
    00重量部に対し、前記架橋性モノマーの含有割合が0ま
    たは5重量%以下である非架橋性または低架橋性モノマ
    ー成分Bを5〜900重量部使用し、下記の第1工程およ
    び第2工程を含むことを特徴とするポリマー粒子の製造
    方法。 第1工程; 水系媒体中に前記モノマー成分Aを一括もしくは連続的
    に添加してラジカル重合開始剤の存在下で重合を行い、
    高架橋ポリマー粒子を合成する工程。 第2工程; 前記第1工程において、モノマー成分Aを一括添加した
    場合には、その重合転化率が10〜90%に達した時点、も
    しくはモノマー成分Aを連続添加した場合には、その添
    加率が10〜90重量%に達した時点において、前記モノマ
    ー成分Bを連続的または間欠的に添加し、前記モノマー
    成分Aの重合が実質的に終了した後もモノマー成分Bを
    添加しながら重合を完了させる工程。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記高架橋性モノマー成分Aの架橋性モノマーは、10重
    量%以上70重量%以下の割合で含有されることを特徴と
    するポリマー粒子の製造方法。
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