JP2722199B2 - 繊維材料を精開繊およびクリーニングする装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、繊維材料が充填室（filling chamber）へ
送られ、その切綿室の一方の側は、上下に重ねて配置さ
れたいくつかの開繊（opening）ローラーと、それらの
開繊ローラーに続き、クリーニング手段と協働するテー
クオフローラーとで形成され、そのテークオフローラー
から繊維材料が空気流により通路を通って吸込まれて処
理機械等へ供給される、木綿、レーヨンステーブルのよ
うな繊維材料、紡績材料等を精開繊およびクリーニング
する装置に関するものである。

〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕

繊維材料が開繊ローラーヘルーズに供給される種類の
既知の組立体においては、開繊ローラーの繊維材料の供
給はラチスまたは重力シュート板により直接行われる。
両方の場合に、開繊ローラーヘの材料の供給は要求に合
致するものではない。ラチスを用いた場合には、ある決
めた量をまとめて供給することができるが、その場合に
は障害が起きやすい。そのように供給する場合には装置
が大型となり、ラチスの摩耗がかなり大きい。更に、軌
条外れの運動が行われる危険があり、それにより繊維材
料の供給に悪影響を及ぼす確実が高い。一方、重力シュ
ート板を用いた場合は、ハウジングの構造は小型にでき
るが、繊維材料の供給は良く制御できない。また、供給
を急停止させることができない。制御動作は不可能であ
る。したがって、紡績量は明らかに、かつ障害無しに装
置により調節することができない。

本発明の目的は、繊維材料の送りと、繊維材料の送り
量の制御を大幅に改良し、かつ繊維材料の一様なクリー
ニングと開繊を改良した前記した種類の装置を得ること
である。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、下側の開繊ローラーの前段に供給ローラー
が設けられ、この供給ローラーの直径は上側の開繊ロー
ラーの直径より短く、かつ供給ローラーは開繊ローラー
より遅く回転することを特徴とするものである。

開繊手段の前段に供給ローラーが設けられているか
ら、材料の供給を簡単な手段で障害無しに、かつ完全に
制御できるやり方で監視できる。最初から、送り部分た
とえばコンベヤベルトまたは重力シュート板と開繊ロー
ラーの間に、比較的鋭い角度で繊維材料が集積すること
が避けられる。供給ローラーによって、開繊ローラーへ
の繊維材料の送りを簡単かつ効果的なやり方で自動制御
できる。同時に、開繊ローラーへ供給すべきフロックの
寸法に対して制御しつつ作用することが可能であり、そ
の制御は充填室における積重ねられている繊維材料の圧
力からほぼ独立している。したがって、繊維材料は従来
の装置より一層一様かつ均質に流れることができる。更
に、開繊ローラーへ繊維材料を送るための自動化を容易
に達成できる。それぞれの点における供給ローラーの構
造も、たとえば容易に摩耗するラチスを使用する装置よ
り安価である。

本発明の別の特徴によれば、供給ローラーは上側の開
繊ローラーの速さの1/7〜1/10以内の速さで回転する。
供給ローラーが低速で回転するために繊維材料を完全か
つ安全につかんで、かなりの高速で回転している開繊ロ
ーラーへ送ることができるから、開繊効果も同様に改良
される。簡単な手段で調節できるように供給ローラーに
は専用の駆動装置を設けることが好ましい。このように
して１回の送りで送られる決められた量の繊維材料を容
易に調節できる。供給ローラーの回転方向は上側の開繊
ローラーの回転方向と同じにできる。

更に、開繊ローラーの前段に供給ローラーを設けたと
すると、供給装置と供給ローラーの間の三角形の領域に
集積される繊維材料が積重ならないために、その三角形
の領域内に集積されている繊維材料から汚れをとること
が容易であり、この効果は、供給ローラーの前段に、縦
方向と横方向の少なくとも一方の方向に動くことができ
る樋形要素、たとえば穴、なるべく細長い穴、があけら
れている板、またはくし形格子を設けることにより、か
なり支持される。少なくとも１つの可動樋形部分は駆動
される振動要素として構成できる。回転している供給ロ
ーラーに関連して、穴あき板またはくし形振動要素等に
より加工される用意ができている繊維材料へ伝えられる
運動により、汚染粒子その他の汚染物を穴あき樋形部分
を通って落すことができ、それにより装置の充填室が制
限される。汚染粒子は紡績材料の繊維またはフロックか
ら容易に分離され、穴あき樋形板を通って落ちて、充填
室から出る。

更に、装置の上側部分に塵吸込み装置を設けることに
より、この装置の充填室内の繊維材料から汚れを一層落
すことができる。開繊ローラーの上方に設けられている
ストリッパーローラーにより充填室の中に投入された繊
維材料は、充填室の中で飛んでいる間に吸収により除塵
されるから、充填室の中で繊維材料が多少とも強く循環
させられると、開繊ローラーへ送られる繊維材料は一層
効果的に除塵される。これに関連して、開繊ローラーの
上側に、ストリッパーローラーから投入された繊維材料
をはね返えす傾斜面を設けると適当である。

クリーニングされた繊維材料を吸込み空気流により完
全に放出させるために、開繊ローラーに対して接線方向
に延びる吸込み通路をノズル型にする。テークオフロー
ラーへ空気流を送る送り機構はテーパーを成し、吸込み
通路の延長部はノズルのように末拡がりにされる。テー
クオフローラーは吸込み通路の横断面の中へ延び、テー
クオフローラーと吸込み通路の反対側の壁は、テークオ
フローラーの横方向平面上でみて、たとえば、通路の横
断面の約1/4またはそれ以下である、というように狭く
することが好ましい。

以上述べた構造は、比較的簡単な手段を用いて紡績材
料の非常に効果的な精開繊とクリーニングを行なうため
のものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。

木綿等が好ましい紡績材料フロックを精開繊（fine−
opening）およびクリーニングする装置１は送り込み開
口部４を有する充填室（filling chamber）３を受ける
ハウジング２を有する。充填室３の一方の側に開繊ロー
ラー5,6が設けられる。それらの開繊ローラーの上方に
ストリッパーローラー７が設けられる。テークオフロー
ラー８が開繊ローラー5,6と協働する。そのテークオフ
ローラー８の下側にクリーニング格子（cleaning gri
d）10,11が設けられる。ばらばらにされて、オープンさ
れた（opened）繊維材料が空気流により通路12を通って
上方へ運ばれる。13はじょうご形のウェイスト室（wast
e chamber）を示す。このウェイスト室13から糸屑を、
たとえばウォームコンベヤ14により運び出すことができ
る。充填室13の他方の側ではシュート板15が開繊ローラ
ー６の上流側に設けられている供給ローラー16の接線方
向に延びる。供給ローラー16の直径はその供給ローラー
の上方のローラー5,6,7の直径より短い。また、供給ロ
ーラー16の回転速度は開繊ローラー5,6の回転速度より
十分に低い。供給ローラー16の回転速度は開繊ローラー
5,6の回転速度の1/7〜1/10とすることが好ましい。開繊
ローラー5,6の回転速度はたとえば400r.p.mであり、供
給ローラー16の回転速度は50r.p.m.である。供給ローラ
ー16には専用の駆動装置、たとえばモータ17が設けられ
る。このモータ17には伝動部材18が設けられる。供給ロ
ーラー16と、開繊ローラー5,6と、ストリッパーローラ
ー７およびテークオフローラ８はモータ20により一緒に
駆動される。しかし、ストリッパーローラー７は開繊ロ
ーラー5,6より十分に高い回転速度、たとえば開繊ロー
ラー5,6の回転速度の２倍またはそれ以上の回転速度で
駆動するべきである。テークオフローラー８の回転速度
は開繊ローラー5,6の回転速度の２〜６倍にすると便利
である。ローラー16,6,5,7は時計回りに回転させ、テー
クオフローラー８は逆時計回りに回転させることができ
る。

供給ローラー16へ向かう供給端部の少し前において、
汚れた粒子を自由に落下させるために樋形のシュート15
に横方向の狭いスロット22が設けられる。更に、汚れた
粒子がウェイスト室13の中に落下するように、樋形シュ
ート15の部分23,24に穴が設けられる。樋形板を使用で
きる。その樋形板には細長い穴を設けることが好まし
く、またはくし形構造とすることができる。樋形板の部
分23,24の少なくとも一方の繊維材料を送る方向と、そ
の方向を横切る方向との少なくとも一方の方向の移動が
可能であるか、その方向に振動できるように、樋形板の
部分23,24の少なくとも一方は動くことができなければ
ならない。そのために、樋形板の部分24を軸25に枢着で
きる。駆動装置26により樋形板の部分24を常に上下運動
すなわち振動させることができる。したがって、繊維材
料に含まれている糸屑の分離を最適に行うことができ
る。屑粒子は穴または隙間を通って落下するが、繊維材
料は樋形板の部分の上に残り、上側の繊維材料の圧力に
より繊維材料は供給ローラー16へ向って移動させられ
る。したがって、クリーニングの強さは比較的大きい。

ストリッパーローラー７により取りあげられた繊維材
料は充填室３へ投げ戻される。その繊維材料の大部分
が、はね返えし要素として機能する傾斜したハウジング
壁27aに当る。塵吸込み管28により細かい塵は吸収され
る。ハウジング壁27aの機能を隣接するはね返えし壁27b
で補うことができる。精開繊（fine opening）のために
行われる繊維材料の達成される除塵は強烈である。

テークオフローラー８の接線方向に延びている吸込み
通路12はノズル型の構造である。吸込み空気流のための
送り部分30がテークオフローラー８へ向ってテーパーを
成す。吸込み通路12の延長部分31をノズルのように拡げ
ることができる。テークオフローラー８の領域において
吸込み通路12の一部の横断面を変えないままとすること
が可能である。テークオフローラーが吸込み通路12,32
の横断面の中にできるだけ深く入りこんで、テークオフ
ローラー８と吸込み通路の壁32の間に非常に狭い自由横
断面が生ずるから、高い吸込み効果が実現される。たと
えば、テークオフローラーの横方向平面内で見て通路の
横断面の1/4を自由に残すべきである。距離はより短く
でき、その結果として通路12を通る吸込み空気流の吸込
み効果が一層高くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は不純物の自動案内機構を備えた繊維材料の精開
繊およびクリーニングのための本発明の装置の一実施例
の概略側面図、第２図は供給ローラーにおけるシュート
板の構造を示す第１図のII−II線に沿う詳しい断面図で
ある。 ３……充填室、5,6……開繊ローラー、７……ストリッ
パーローラー、８……テークオフローラー、12……吸込
み通路、15……樋形シュート、16……供給ローラー、1
7,26……駆動装置、23,24……樋形板、30……送り部
分。

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】繊維材料が重力シュート板（15）によって
   充填室（３）へ送られ、その充填室（３）の一方の側
   は、上下に重ねて配置されたいくつかの開繊ローラー
   （5,6）と、それらの開繊ローラー（5,6）に続き、クリ
   ーニング手段（10,11）と協働するテークオフローラー
   （８）とで形成され、そのテークオフローラー（８）か
   ら繊維材料が空気流により通路（12）を通って吸込まれ
   て処理機械等へ供給される、木綿、レーヨンステープル
   のような繊維材料、紡績材料等を精開繊およびクリーニ
   ングする装置において、 下側の開繊ローラー（６）の前段に供給ローラー（16）
   が設けられ、この供給ローラー（16）の直径は上側の開
   繊ローラー（5,6）の直径より短く、かつ供給ローラー
   （16）は開繊ローラー（5,6）より遅くかつ該開繊ロー
   ラー（5,6）と同じ方向に回転することを特徴とする繊
   維材料を精開繊およびクリーニングする装置。
2. 【請求項２】供給ローラー（16）は上側の開繊ローラー
   （5,6）の速さの1/7〜1/10以内の速さで回転することを
   特徴とする請求項（１）記載の繊維材料を精開繊および
   クリーニングする装置。
3. 【請求項３】供給ローラー（16）には専用の駆動装置
   （17,18）が設けられることを特徴とする請求項（１）
   および（２）のうちのいずれかに記載の繊維材料を精開
   繊およびクリーニングする装置。
4. 【請求項４】少なくとも１つの可動樋形部分（24,2
   3）、たとえば穴あき板、くし状格子等が供給ローラー
   （16）の前方に設けられることを特徴とする請求項
   （１）乃し（３）のうちのいずれかに記載の繊維材料を
   精開繊およびクリーニングする装置。
5. 【請求項５】樋形の重力シュート板（15）には、穴あき
   部分（23）より前に付加穴あき部分（24）が設けられ、
   可動樋形部分（23,24）は駆動される振動要素（25,26）
   として構成されることを特徴とする請求項（１）乃し
   （４）のうちのいずれかに記載の繊維材料を精開繊およ
   びクリーニングする装置。
6. 【請求項６】充填室（３）の頂部側に塵吸込み管（28）
   が設けられることを特徴とする請求項（１）乃し（５）
   のうちのいずれかに記載の繊維材料を精開繊およびクリ
   ーニングする装置。
7. 【請求項７】角度を成して延びるばね返えし壁（27a,27
   b）がストリッパーローラー（７）の上側に設けられる
   ことを特徴とする請求項（１）乃し（６）のうちのいず
   れかに記載の繊維材料を精開繊およびクリーニングする
   装置。
8. 【請求項８】充填室（３）からそらされている側におい
   て、ストリッパーローラー（７）にはカバー（29）が設
   けられることを特徴とする請求項（１）乃し（７）のう
   ちのいずれかに記載の繊維材料を精開繊およびクリーニ
   ングする装置。
9. 【請求項９】ストリッパーローラー（７）は下側の開繊
   ローラー（5,6）の速さの約２倍の速さで回転し、テー
   クオフローラー（８）の回転速度は開繊ローラー（5,
   6）の回転速度の少なくとも２倍〜６倍の範囲内である
   ことを特徴とする請求項（１）乃し（８）のうちのいず
   れかに記載の繊維材料を精開繊およびクリーニングする
   装置。
10. 【請求項１０】テークオフローラー（８）の接線方向へ
    延びる吸込み通路（12）の構造はノズル型であり、テー
    クオフローラー（８）へ空気流を送る送り機構（30）は
    テーパーを成したノズル形をしており、吸込み通路の延
    長部（31）はノズルのように末拡がりにされることを特
    徴とする請求項（１）乃し（９）のうちのいずれかに記
    載の繊維材料を精開繊およびクリーニングする装置。
11. 【請求項１１】テークオフローラー（８）は吸込み通路
    （12）の横断面の中へ延び、テークオフローラー（８）
    と吸込み通路（12）の反対側の壁（32）は、テークオフ
    ローラー（８）の横方向平面上でみて、たとえば、通路
    （12）の横断面の約1/4またはそれ以下である、という
    ように狭いことを特徴とする請求項（１）乃し（10）の
    うちのいずれかに記載の繊維材料を精開繊およびクリー
    ニングする装置。