JP2722120B2 - ガスエンジンのミキサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、燃料ガス用メインジェットをミキサ本体に
装着し、ミキサ本体内の概ね水平方向に貫通するベンチ
ュリー通路部の周囲に環状ガス通路を形成すると共に、
該環状ガス通路からベンチュリー通路部に向いて開口す
る複数のガス噴出孔を形成し、ブリーザパイプを介して
ブローバイガスを吸気のエア内に還元してミキサ内でエ
アと燃料ガスを混合する形式のガスエンジンのミキサに
関する。

（従来技術及びその問題点） 従来例を示す第４図において、エアクリーナ10の下流
側にはエンジンのブリーザ室５からブローバイガスが還
元されるようになっており、ブローバイガスを含むエア
（吸気）はベンチュリー通路部18a内で燃料ガス噴出孔2
1からのガスと混合し、スロットル28部分へと送られる
ようになっている。各ガス噴出孔21はベンチュリー18の
環状ガス通路20を介してメインジェット25に連通してい
る。

ところがメインジェット25はミキサ本体15の下端部に
上向きに備えられているため、エンジン停止時にブロー
バイガス中の潤滑油成分がメインジェット25に溜り、燃
料ガスの流量に影響を与える場合がある。

（発明の目的） 本発明の目的は、ブローバイガス中の潤滑油成分がメ
インジェットに付着するのを防止することである。

（目的を達成するための技術的手段） 上記目的を達成するために本発明は、燃料ガス用メイ
ンジェット25をミキサ本体15に装着し、ミキサ本体15内
の概ね水平方向に貫通するベンチュリー通路部18aの周
囲に環状ガス通路20を形成すると共に、該環状ガス通路
20からベンチュリー通路部18aに向いて開口する複数の
ガス噴出孔21を形成し、ブリーザパイプ12を介してブロ
ーバイガスを吸気のエア内に還元してミキサ内でエアと
燃料ガスを混合する形式のガスエンジンのミキサにおい
て、ミキサ本体15には環状ガス通路20の上端部に連通す
ると共に上方に延びるガス通路23を形成し、該ガス通路
23の上端部分に、メインジェット25を横向きに配置して
いる。

（実施例） 第３図は本発明のミキサを備えたガスエンジンを操作
側から見た正面部分図であり、この第３図において、１
はエンジン本体、２はシリンダーヘッド、３は弁腕ケー
スであって、シリンダーヘッド２の吸気口部分に吸気マ
ニホールド７が固着され、該吸気マニホールド７にミキ
サ８が接続され、該ミキサ８のエア入口側にエアクリー
ナ10が接続されている。弁腕ケース３の上端には該ケー
ス３内に連通するブリーザ室５が設けられ、該ブリーザ
室５はブリーザパイプ12を介してエアクリーナ10の下流
側（クリーンサイド側）に接続されていれる。10aはエ
アクリーナのエア取入れ部である。

ミキサ８の縦断面図を示す第１図において、ミキサ本
体15内には水平な吸気通路16が形成され、該通路16の上
流側の部分にはベンチュリー通路部18aを有する環状の
ベンチュリー体18が嵌着され、下流側部分にはスロット
ル弁28が回動自在に設けられている。ベンチュリー体18
には環状ガス通路20が形成されると共に、ベンチュリー
通路部18aに開口するガス噴出孔（ノズル）21が形成さ
れている。該噴出孔21は例えば円周方向に等間隔を隔て
て上下左右に４カ所形成されると共に、上記環状ガス通
路20に連している。

ベンチュリー体18より上側のミキサ本体部分には、環
状ガス通路20の上端部に連通すると共に上方に延びるガ
ス通路23が形成されており、該ガス通路23の上端部分に
メインジェット25が配置されている。

第１図のII−II断面を示す第２図において、ガス通路
23の上部には水平にエンジン操作側Ａに延びるジェット
装着孔24が形成されており、該装着孔24内に上記メイン
ジェット25及び筒ホルダ31が嵌着されると共に、メイン
ニードル26が差し込まれ、該メインニードル26の流量調
節ねじ部26aが螺着されている。該ねじ部26aは操作側Ａ
に突出し、操作側Ａから回動操作できるようになってい
る。

上記メインニードル26の外周空間部は下方に延びるガ
ス通路27を介して下方のガス入口29に連通している。ガ
ス入口29は操作側Ａに形成されると共にガス供給管32を
介してガス供給源33に接続されている。

作動を説明する。エンジン運転中、潤滑油成分を含む
ブローバイガスは第３図の弁腕ケース３内からブリーザ
室５に入り、ブリーザパイプ12を通ってエアクリーナ10
の下流側のエアに還元される。上記ブローバイガスを含
むエアは第１図のエア入口部16aからベンチュリー通路
部18a内に入り、ここで噴出孔21から吸い出されるガス
と混合し、スロットル弁28部分を通って第３図の吸気マ
ニホールド７へと供給される。

エンジン停止時、ブローバイガス中の潤滑油成分は噴
出孔21から環状ガス通路20迄侵入するかも知れないが、
メインジェット25はベンチュリー体18より上方に配置さ
れているので、メインジェット25部分まで至ることはな
い。

また第２図のようにメインニードル26を横置きにして
調節ねじ部26aをガス入口29と同じ側の操作側Ａに突出
していることにより、エンジン操作側Ａから簡単にガス
噴出量の調節ができると共に、ガス管32等の接続が行な
える。

またメインニードル26を横置きにしていることによ
り、譬えメインニードル26をミキサ本体15の上部に備え
ていても、上方のブリーザパイプ12と干渉することはな
い。即ち高さの低い機関室内にもコンパクトにエンジン
を収納できる。

（発明の効果） 以上説明したように本発明は、燃料ガス用メインジェ
ット25をミキサ本体15に装着し、ミキサ本体15内の概ね
水平方向に貫通するベンチュリー通路部18aの周囲に環
状ガス通路20を形成すると共に、該環状ガス通路20から
ベンチュリー通路部18aに向いて開口する複数のガス噴
出孔21を形成し、ブリーザパイプ12を介してブローバイ
ガスを吸気のエア内に還元してミキサ内でエアと燃料ガ
スを混合する形式のガスエンジンのミキサにおいて、ミ
キサ本体15には環状ガス通路20の上端部に連通すると共
に上方に延びるガス通路23を形成し、該ガス通路23の上
端部分に、メインジェット25を横向きに配置しているの
で、次のような利点がある。

横向きのベンチュリー通路部18aの周囲に環状ガス通
路20を設けているミキサにおいては、環状ガス通路20の
下端部に潤滑油成分が溜まり、従来のようにメインジェ
ットをベンチュリー通路の下側に配置していたのでは、
メインジェットに潤滑油成分が付着し、燃料ガスの流量
に影響を与えるという場合があるが、本願発明では、環
状ガス通路20の上端に上方に延びるガス通路23を形成
し、該ガス通路23の上端部分に、メインジェット25を横
向きに配置しているので、エンジ停止時、ブローバイガ
ス中の潤滑油成分は、メインジェット25部分まで至るこ
とはなく、ブローバイガス中の潤滑油成分がメインジェ
ットに付着するのを防止し、燃料ガスの流量変動を防止
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用したガスエンジンのミキサの縦断
面図、第２ずは第１図のII−II断面部分図、第３図は第
１図のミキサを備えたガスエンジンの正面部分図、第４
図は従来例の縦断面図である。10…エアクリーナ、12…
ブリーザ通路、15…ミキサ本体、16…吸気通路、18a…
ベンチュリー通路部、20…環状ガス通路、21…ガス噴出
孔、25…メインジェット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料ガス用メインジェット25をミキサ本体
   15に装着し、ミキサ本体15内の概ね水平方向に貫通する
   ベンチュリー通路部18aの周囲に環状ガス通路20を形成
   すると共に、該環状ガス通路20からベンチュリー通路部
   18aに向いて開口する複数のガス噴出孔21を形成し、ブ
   リーザパイプ12を介してブローバイガスを吸気のエア内
   に還元してミキサ内でエアと燃料ガスを混合する形式の
   ガスエンジンのミキサにおいて、ミキサ本体15には環状
   ガス通路20の上端部に連通すると共に上方に延びるガス
   通路23を形成し、該ガス通路23の上端部分に、メインジ
   ェット25を横向きに配置したことを特徴とするガスエン
   ジンのミキサ。