JP2720897B2 - 持続性抗精神病薬 - Google Patents
持続性抗精神病薬Info
- Publication number
- JP2720897B2 JP2720897B2 JP62213802A JP21380287A JP2720897B2 JP 2720897 B2 JP2720897 B2 JP 2720897B2 JP 62213802 A JP62213802 A JP 62213802A JP 21380287 A JP21380287 A JP 21380287A JP 2720897 B2 JP2720897 B2 JP 2720897B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- injection
- timiperone
- antipsychotics
- persistent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明はS−アシル化チミペロンを含有する持続性抗
精神病薬注射製剤、特に懸濁化注射剤である用時調製注
射剤に関する。 従来の技術 チミペロンは、化学名を4′−フルオロ−[4−(2
−チオキソ−1−ベンズイミダゾリニル)ピペリジノ]
ブチロフェノンといい、ブチロフェノン系の抗精神病薬
であり、精神分裂病の幻覚・妄想等の異常体験や興奮状
態に対して優れた鎮静効果を示し、また、自発性欠如、
感情鈍麻、接触性障害等に対して賦活作用を発揮する
(特公昭54−16505号参照)。このものの注射剤は精神
分裂病のほかに躁病にも有用性が認められている。本発
明で使用するS−アシル化合物のうちの一つは特公昭58
−7634号公報に記載されているが、持続製剤については
全く触れられていない。 解決すべき問題点 抗精神病薬は、患者のなかには医師や薬剤師の指示通
りに服用しない人があることから長期持続化が必要であ
る。フルフェナジン、フルフェンチキソーソル、ハロペ
リドール等の抗精神病薬はデカン酸又はエナント酸のエ
ステルとして患者に投与され、その長期持続性が確認さ
れている。 発明の構成 本発明は一般式 (式中、nは4乃至18の整数を意味する)で表される化
合物を主成分とする持続性抗精神病薬注射製剤、特に懸
濁化注射剤である用時調製注射剤に関する。 この化合物Iはチミペロンを酸クロリドIIを用いてア
シル化することにより容易に合成することができる。 チミペロン+CH3(CH2)nCOCl→化合物I II 本アシル化反応はよく知られた方法によって、たとえ
ばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ベンゼン等のもとで反応成分を一緒に攪拌するこ
とによって行うのが好ましい。いくらか高い温度にすれ
ば反応の速度を速めることができる。反応中に放出され
る塩化水素を捕捉するために適当な塩基、たとえばピリ
ジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、炭
酸ナトリウム等を加えるのが好ましい。 化合物Iは、解決すべき問題点に述べたように、指示
通りに服用しない人を対象とするので非経口投与、特に
注射剤が望ましく、剤型としては化合物Iの物性より懸
濁液等の注射剤が好適である。 化合物Iの製剤化は常法により行うことができる。以
下に例を挙げる。 化合物Iを懸濁化注射液として使用可能な大きさに細
かくし、用時、注射用蒸留水又は注射剤として使用可能
な液体に懸濁し懸濁化注射剤とする。 合成例1 チミベロン4g及びジメチルアミノピリジン1.5gをベン
ゼン100m1中に懸濁させ、強く攪拌しながら塩化デカノ
イル2m1を加える。得られた混合物を2時間加熱還流す
る。冷後ベンゼンを留去し、残留物にクロロホルム100m
1を加えて残留物を溶解させる。クロロホルム層を、0.1
N塩酸、水、飽和炭酸ナトリウム各々200m1ずつで2回洗
浄後、クロロホルム層を無水炭酸ナトリウムで乾燥させ
る。クロロホルムを留去し、残留物をクロロホルム:メ
タノール(98:2)を溶離液としてカラムクロマトグラフ
ィーにより精製する。溶媒を留去し、エタノールより再
結晶を行うとS−デカノイルチミベロン3.05gが白色結
晶として得られる。 合成例2 合成例1の塩化デカノイルの代りに塩化ヘキサノイル
を用いて処理し、S−ヘキサノイルチミベロン2.10gを
得た。同様にして、各種の化合物を製造した。 構造は元素分析、NMR及びマススペクトルで確認し
た。それらの化合物の性状を表に示す。 溶解度は、25℃のブリットン−ロビンソン緩衝液(pH
7)に各化合物のエタノール溶液を加えて攪拌し、析出
した沈殿を濾過し、濾液について高速液体クロマトグラ
フィーで各化合物の濃度(μg/m1)を求めた。また、化
合物I及びチミペロンは全て白色結晶であった。 化合物Iは水に溶けず、その溶解度は炭素鎖の長いほ
ど小さいことが確認された。化合物Iは水に溶解後は速
やかにチミペロンとなり、活性本体となって薬効を発揮
する。 また、化合物Iを微分化してブリットン−ロビンソン
緩衝液(pH7)に懸濁させて透析チューブに入れ、37℃
の同緩衝液へのチミペロンの放出を時間の経過に従って
紫外部吸収スペクトルで測定した。結果を第1図に示す
が、長期的な0次放出が確認され、炭素鎖が長いほど放
出の速度は遅いことが確認された。図面中○、●、△、
▲、□、■、◎はそれぞれチミペロン、およびnの数が
2、4、6、8、10、12の化合物Iである。 以上のことから、化合物Iの炭素鎖の長さ(nの大き
さ)を変えることにより生体内での効果の持続化の程度
を変えることができ、意図する投与間隔に従って炭素鎖
の長さを選択すればよく、数日乃至数週間の薬効が期待
できる。 投与量は脂肪酸の炭素鎖の長さ、つまり持続化の程度
によっても異なるが、通常は1人当り1回10〜200mgが
好ましく、年令症状等に応じて適宜増減できる。
精神病薬注射製剤、特に懸濁化注射剤である用時調製注
射剤に関する。 従来の技術 チミペロンは、化学名を4′−フルオロ−[4−(2
−チオキソ−1−ベンズイミダゾリニル)ピペリジノ]
ブチロフェノンといい、ブチロフェノン系の抗精神病薬
であり、精神分裂病の幻覚・妄想等の異常体験や興奮状
態に対して優れた鎮静効果を示し、また、自発性欠如、
感情鈍麻、接触性障害等に対して賦活作用を発揮する
(特公昭54−16505号参照)。このものの注射剤は精神
分裂病のほかに躁病にも有用性が認められている。本発
明で使用するS−アシル化合物のうちの一つは特公昭58
−7634号公報に記載されているが、持続製剤については
全く触れられていない。 解決すべき問題点 抗精神病薬は、患者のなかには医師や薬剤師の指示通
りに服用しない人があることから長期持続化が必要であ
る。フルフェナジン、フルフェンチキソーソル、ハロペ
リドール等の抗精神病薬はデカン酸又はエナント酸のエ
ステルとして患者に投与され、その長期持続性が確認さ
れている。 発明の構成 本発明は一般式 (式中、nは4乃至18の整数を意味する)で表される化
合物を主成分とする持続性抗精神病薬注射製剤、特に懸
濁化注射剤である用時調製注射剤に関する。 この化合物Iはチミペロンを酸クロリドIIを用いてア
シル化することにより容易に合成することができる。 チミペロン+CH3(CH2)nCOCl→化合物I II 本アシル化反応はよく知られた方法によって、たとえ
ばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ベンゼン等のもとで反応成分を一緒に攪拌するこ
とによって行うのが好ましい。いくらか高い温度にすれ
ば反応の速度を速めることができる。反応中に放出され
る塩化水素を捕捉するために適当な塩基、たとえばピリ
ジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、炭
酸ナトリウム等を加えるのが好ましい。 化合物Iは、解決すべき問題点に述べたように、指示
通りに服用しない人を対象とするので非経口投与、特に
注射剤が望ましく、剤型としては化合物Iの物性より懸
濁液等の注射剤が好適である。 化合物Iの製剤化は常法により行うことができる。以
下に例を挙げる。 化合物Iを懸濁化注射液として使用可能な大きさに細
かくし、用時、注射用蒸留水又は注射剤として使用可能
な液体に懸濁し懸濁化注射剤とする。 合成例1 チミベロン4g及びジメチルアミノピリジン1.5gをベン
ゼン100m1中に懸濁させ、強く攪拌しながら塩化デカノ
イル2m1を加える。得られた混合物を2時間加熱還流す
る。冷後ベンゼンを留去し、残留物にクロロホルム100m
1を加えて残留物を溶解させる。クロロホルム層を、0.1
N塩酸、水、飽和炭酸ナトリウム各々200m1ずつで2回洗
浄後、クロロホルム層を無水炭酸ナトリウムで乾燥させ
る。クロロホルムを留去し、残留物をクロロホルム:メ
タノール(98:2)を溶離液としてカラムクロマトグラフ
ィーにより精製する。溶媒を留去し、エタノールより再
結晶を行うとS−デカノイルチミベロン3.05gが白色結
晶として得られる。 合成例2 合成例1の塩化デカノイルの代りに塩化ヘキサノイル
を用いて処理し、S−ヘキサノイルチミベロン2.10gを
得た。同様にして、各種の化合物を製造した。 構造は元素分析、NMR及びマススペクトルで確認し
た。それらの化合物の性状を表に示す。 溶解度は、25℃のブリットン−ロビンソン緩衝液(pH
7)に各化合物のエタノール溶液を加えて攪拌し、析出
した沈殿を濾過し、濾液について高速液体クロマトグラ
フィーで各化合物の濃度(μg/m1)を求めた。また、化
合物I及びチミペロンは全て白色結晶であった。 化合物Iは水に溶けず、その溶解度は炭素鎖の長いほ
ど小さいことが確認された。化合物Iは水に溶解後は速
やかにチミペロンとなり、活性本体となって薬効を発揮
する。 また、化合物Iを微分化してブリットン−ロビンソン
緩衝液(pH7)に懸濁させて透析チューブに入れ、37℃
の同緩衝液へのチミペロンの放出を時間の経過に従って
紫外部吸収スペクトルで測定した。結果を第1図に示す
が、長期的な0次放出が確認され、炭素鎖が長いほど放
出の速度は遅いことが確認された。図面中○、●、△、
▲、□、■、◎はそれぞれチミペロン、およびnの数が
2、4、6、8、10、12の化合物Iである。 以上のことから、化合物Iの炭素鎖の長さ(nの大き
さ)を変えることにより生体内での効果の持続化の程度
を変えることができ、意図する投与間隔に従って炭素鎖
の長さを選択すればよく、数日乃至数週間の薬効が期待
できる。 投与量は脂肪酸の炭素鎖の長さ、つまり持続化の程度
によっても異なるが、通常は1人当り1回10〜200mgが
好ましく、年令症状等に応じて適宜増減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はチミペロンの経時放出図である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一般式 (式中、nは4乃至18の整数を意味する)で表わされる
化合物を主成分とする持続性抗精神病薬注射製剤 2.剤型が懸濁化注射剤である特許請求の範囲第1項記
載の持続性抗精神病薬注射製剤 3.懸濁化注射剤が用時調製注射剤である特許請求の範
囲第1項または第2項記載の持続性抗精神病薬注射製剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62213802A JP2720897B2 (ja) | 1987-08-27 | 1987-08-27 | 持続性抗精神病薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62213802A JP2720897B2 (ja) | 1987-08-27 | 1987-08-27 | 持続性抗精神病薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6456617A JPS6456617A (en) | 1989-03-03 |
JP2720897B2 true JP2720897B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=16645288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62213802A Expired - Fee Related JP2720897B2 (ja) | 1987-08-27 | 1987-08-27 | 持続性抗精神病薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2720897B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2651030B2 (ja) * | 1990-01-17 | 1997-09-10 | 株式会社日立製作所 | 発電機の制御装置及び制御方法とそれを応用した車両用発電機の制御装置及び制御方法 |
DE19952146A1 (de) * | 1999-10-29 | 2001-06-07 | Boehringer Ingelheim Pharma | Arylalkane, Arylalkene und Aryl-azaalkane, diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel und Verfahren zu ihrer Herstellung |
JP4742707B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2011-08-10 | 井関農機株式会社 | 多条施用機 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS587634B2 (ja) * | 1974-12-13 | 1983-02-10 | 第一製薬株式会社 | ベンズイミダゾリ−ルピペリジンユウドウタイノ セイゾウホウ |
-
1987
- 1987-08-27 JP JP62213802A patent/JP2720897B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Med.Chem.(1978)Vol.21,No.11,pp.1116−1120 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6456617A (en) | 1989-03-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4738985A (en) | Pharmaceutical composition and treatment | |
JPH05504956A (ja) | トリシクロ化合物 | |
JP2009046486A (ja) | ケルセチンのアナログまたは誘導体(プロドラッグ) | |
JPS62212322A (ja) | 医薬組成物および処置法 | |
US4599355A (en) | Treatment of sleep disorders | |
JP2720897B2 (ja) | 持続性抗精神病薬 | |
JPS61129119A (ja) | 新規免疫抑制剤 | |
JPS63501498A (ja) | L‐ドーパの新規誘導体、その製法とそれを含有する医薬組成物 | |
JPH03503162A (ja) | 化学療法における毒性特性の改良 | |
JPH05500822A (ja) | 経口的に活性な非中毒性鎮痛薬 | |
JPH06504541A (ja) | 4−アミノ−3−アシルキノリン誘導体の塩およびその胃酸分泌抑制剤としての使用 | |
JPS6131118B2 (ja) | ||
JPH03500533A (ja) | 医薬品に安定な白金化合物 | |
JPS63502189A (ja) | ノル−コラン酸誘導体、それらの製造方法、それらの用途及びそれらを含有する治療用組成物 | |
CN114848585A (zh) | 一种改进的低毒高效原酸酯混溶物药用辅料、制备方法、包含该辅料的局部缓释给药制剂 | |
PT1457492E (pt) | Cristais de um derivado de taxano e processo para a sua produção | |
JPH0840893A (ja) | インターロイキン−1産生抑制剤 | |
PT98215B (pt) | Processo para a preparacao de citrato de 2-hidroxi-1,2,3-propanotricarboxilato de 3-{(5-metil-2-furanil)metil}-n-(4-piperidinil)-3h-imidazo-{4,5-b}piridin-2-amina e de composicoes farmaceuticas que o contem | |
KR20000016565A (ko) | 폴리올 숙시네이트 및 이의 약제학적 제제 | |
FR2801055A1 (fr) | Derives de beta-d-5-thioxylose, procede de preparation et utilisation en therapeutique | |
WO1995006053A1 (fr) | Derive de bismuth tris(phenyle substitue) | |
JPH0211592A (ja) | 光学活性なジヒドロピリジンホスホン酸エステル | |
JPS61293981A (ja) | 12b−置換1−ヒドロキシメチル−オクタヒドロインドロ〔2,3−a〕キノリジン誘導体,それらの製造法及びそれらを含む医薬組成物 | |
JPH05501411A (ja) | 抗ガストリン活性を持つグルタミン酸およびアスパラギン酸誘導体並びにそれらの製造法 | |
JPH06501923A (ja) | トリシクロ化合物及びその製法並びにその物を含む医薬組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |